JP3032113B2 - カチオン性増粘剤の製法 - Google Patents

カチオン性増粘剤の製法

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JP3032113B2
JP3032113B2 JP6075138A JP7513894A JP3032113B2 JP 3032113 B2 JP3032113 B2 JP 3032113B2 JP 6075138 A JP6075138 A JP 6075138A JP 7513894 A JP7513894 A JP 7513894A JP 3032113 B2 JP3032113 B2 JP 3032113B2
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雄二朗 内山
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Osaka Organic Chemicals Ind.,Ltd.
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカチオン性増粘剤の製法
に関する。さらに詳しくは、化粧品や芳香剤などに好適
に使用しうるカチオン性増粘剤の製法に関する。
【0002】
【従来の技術】ゲル基剤に関する研究は、旧来より行な
われており、特公昭32-4141 号公報や特開昭51-46586号
公報などに記載されたポリアクリル酸架橋ポリマーのア
ルカリ中和塩などからなるゲル基材が代表的なものとし
て知られている。
【0003】しかしながら、前記ゲル基材は、−COO
H基をポリマー鎖に有し、該−COOH基の一部または
全部をNaOH、KOH、アミン類などで中和してえら
れるアニオン性のポリマーをベース樹脂としたものであ
るから、これにカチオン系セッティング用ポリマーなど
の頭髪用化粧品材料を添加することが困難である。たと
えば、ポリマー鎖に4級アミンを含むカチオン系セッテ
ィング用ポリマーを添加したばあい、これらアニオン性
のポリマーとカチオン系セッティング用ポリマーの間で
電荷の中和がおこり、凝集やクモリまたはニゴリを生じ
ることがある。したがって、添加しうるセッティングポ
リマーは、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリド
ン- 酢酸ビニル共重合体などのノニオン系セッティング
ポリマー、アクリル樹脂アルカノールアミン液などで代
表されるアニオン系セッティングポリマーのみであっ
た。また、前記ゲル基材が用いられた水性化粧料は、乾
燥後には硬質フィルムを形成するものであるから、これ
をたとえば頭髪用化粧品として用いたばあいには、頭髪
上に形成されたフィルムが剥離する現象、すなわちいわ
ゆるフレーキング現象が発生するため、その用途に制限
があった。
【0004】一方、乾燥後に軟質で柔軟なフィルムを形
成するゲル基材としては、アミノ基を有する架橋型ベー
スモノマーを水性エマルジョン重合し、pH値を調整す
ることにより増粘したものが知られているが(特開昭57
-133145 号公報)、前記アミノ基を有する架橋型ベース
モノマーは、加水分解されやすいものであり、加水分解
されたばあいにいは、後で施される酸処理により中和し
てカチオン基が導入され、同一ポリマー分子鎖中にアニ
オン基とカチオン基が共存するため、均一なカチオン系
重合体とならないことがある。また、前記ゲル基材にお
いて、原料モノマーとしてN,N- ジメチルアミノエチ
ルメタクリレートを用いたばあいには、重合反応中に加
水分解反応が激しく発生し、望ましい重合体がえられな
い。このことは、換言すれば、工業的に広く利用され、
しかも化粧料原料としてすぐれた特徴を有することで知
られている前記N,N- ジメチルアミノエチルメタクリ
レートを使用することができないことを意味し、ゲル基
材の原料モノマーを選択するうえで非常に不利なことで
あることを物語っている。また、エマルジョン重合の特
質から、界面活性剤などの不純物の混入を避けることが
できないという欠点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、前記従来技術に鑑みて、カチオン系セッティングポ
リマーをブレンドすることができ、乾燥後には柔軟なフ
ィルムを形成し、不純物の混入量が少ないカチオン性増
粘剤などとして使用しうるゲル基材をうるべく鋭意研究
を重ねた結果、かかるゲル基材を見出しているが(特願
平2-103913号明細書)、さらに鋭意研究を重ねた結果、
水との相溶性にすぐれ、しかもノニオン性樹脂、カチオ
ン性樹脂および両性樹脂との相溶性にもすぐれ、さらに
は高ゲル粘度を付与しうるカチオン性増粘剤の製法をよ
うやく見出し、本発明に到達した。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)一般式
(I) :
【0007】
【化8】
【0008】(式中、R1 は水素原子またはメチル基、
2 およびR3 はそれぞれ独立して水素原子、メチル
基、エチル基またはt- ブチル基、Aは酸素原子または
-NH-基、Bは直鎖状または側鎖を有する炭素数1〜
4のアルキレン基を示す)で表わされるアミン含有(メ
タ)アクリル系モノマー15〜85重量%、(B)一般式(I
I):
【0009】
【化9】
【0010】(式中、R1 は前記と同じ、R4 は一般
式:
【0011】
【化10】
【0012】(式中、pは3または4を示す)で表わさ
れる基または式:
【0013】
【化11】
【0014】で表わされる基を示す)で表わされるビニ
ルモノマー0〜80重量%、(C)一般式(III) :
【0015】
【化12】
【0016】(式中、R1 およびAは前記と同じ、R5
は炭素数1〜17の直鎖状もしくは側鎖を有するアルキレ
ン基、一般式:
【0017】
【化13】
【0018】(式中、qは1〜25の整数を示す)で表わ
される基または一般式:
【0019】
【化14】
【0020】(式中、rは1〜25の整数を示す)で表わ
される基、R6 は水素原子またはメチル基を示す)で表
わされる(メタ)アクリロイル基含有モノマー1〜60重
量%、および(D)架橋性ビニルモノマー0.1 〜20重量
%を含有した重合成分を不活性ガス雰囲気下で非水系溶
媒中で加温しながら重合させたのち、えられた反応液を
粉末化させることを特徴とするカチオン性増粘剤の製法
に関する。
【0021】
【作用および実施例】本発明のカチオン性増粘剤の製法
は、前記したように、(A)一般式(I) :
【0022】
【化15】
【0023】(式中、R1 は水素原子またはメチル基、
2 およびR3 はそれぞれ独立して水素原子、メチル
基、エチル基またはt- ブチル基、Aは酸素原子または
-NH-基、Bは直鎖状または側鎖を有する炭素数1〜
4のアルキレン基を示す)で表わされるアミン含有(メ
タ)アクリル系モノマー15〜85重量%、(B)一般式(I
I):
【0024】
【化16】
【0025】(式中、R1 は前記と同じ、R4 は一般
式:
【0026】
【化17】
【0027】(式中、pは3または4を示す)で表わさ
れる基または式:
【0028】
【化18】
【0029】で表わされる基を示す)で表わされるビニ
ルモノマー0〜80重量%、(C)一般式(III) :
【0030】
【化19】
【0031】(式中、R1 およびAは前記と同じ、R5
は炭素数1〜17の直鎖状もしくは側鎖を有するアルキレ
ン基、一般式:
【0032】
【化20】
【0033】(式中、qは1〜25の整数を示す)で表わ
される基または一般式:
【0034】
【化21】
【0035】(式中、rは1〜25の整数を示す)で表わ
される基、R6 は水素原子またはメチル基を示す)で表
わされる(メタ)アクリロイル基含有モノマー1〜60重
量%、および(D)架橋性ビニルモノマー0.1 〜20重量
%を含有した重合成分を不活性ガス雰囲気下で非水系溶
媒中で加温しながら重合させたのち、えられた反応液を
粉末化させることを特徴とするものである。
【0036】前記一般式(I) で表わされるアミン含有
(メタ)アクリル系モノマーは、えられた共重合体を適
当な酸で中和したときに、該共重合体に電解質的な性質
を与える役割を有する成分である。かかるアミン含有
(メタ)アクリル系モノマーの代表例としては、たとえ
ばN,N- ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N
-ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N- ジメチ
ルアミノエチルメタクリレート、N,N- ジエチルアミ
ノエチルメタクリレート、N,N- ジメチルアミノプロ
ピルメタクリレート、N,N- ジメチルアミノプロピル
アクリレートなどの(メタ)アクリレート、N,N- ジ
メチルアミノエチルアクリルアミド、N,N- ジエチル
アミノエチルアクリルアミド、N,N- ジメチルアミノ
エチルメタクリルアミド、N,N- ジエチルアミノエチ
ルメタクリルアミド、N,N- ジメチルアミノプロピル
メタクリルアミド、N,N- ジメチルアミノプロピルア
クリルアミドなどの(メタ)アクリルアミドなどがあげ
られるが、本発明はかかる例示のみに限定されるもので
はない。なお、前記アミン含有(メタ)アクリル系モノ
マーは、単独でまたは2種以上を混合して用いられる。
【0037】前記共重合体を構成する重合成分における
アミン含有(メタ)アクリル系モノマーの割合は、15〜
85重量%となるように調整される。かかるアミン含有
(メタ)アクリル系モノマーの割合が15重量%未満であ
るばあいには、えられる共重合体において該アミン含有
(メタ)アクリル系モノマーの部分が酸により中和され
る量が少なくなりすぎて充分なゲル粘度を有するものが
えられにくくなり、また85重量%をこえるばあいには、
えられるカチオン性増粘剤が乾燥したあとに形成される
フィルムの柔軟性が失われるようになる。
【0038】前記一般式(II)で表わされるビニルモノマ
ーは、カチオン性増粘剤が乾燥したあとに形成されるフ
ィルムに柔軟性、光沢およびなめらかさを与える成分で
ある。
【0039】かかるビニルモノマーの代表例としては、
たとえばN- ビニルピペリドン、N- ビニルピロリド
ン、アクリルアミド、メタクリルアミドなどがあげられ
るが、本発明はかかる例示のみに限定されるものではな
い。なお、本発明においては、前記ビニルモノマーは単
独でまたは2種以上を混合して用いられる。
【0040】前記共重合体を構成する重合成分における
ビニルモノマーの割合は0〜80重量%、好ましくは20〜
60重量%となるように調整される。かかるビニルモノマ
ーの割合が80重量%をこえるばあいには、えられるカチ
オン性増粘剤のゲル粘度が著しく低下するようになる。
なお、前記ビニルモノマーを配合することにより奏され
る効果を充分に発現せしめるためには、前記ビニルモノ
マーの割合は、好ましくは20重量%以上、さらに好まし
くは40重量%以上であることが望ましい。
【0041】前記一般式(III) で表わされる(メタ)ア
クリロイル基含有モノマーは、カチオン性増粘剤が乾燥
したあとに形成されるフィルムの光沢の向上、ゲル粘度
の向上および種々のセット用樹脂との相溶性の向上を図
るための成分である。
【0042】前記(メタ)アクリロイル基含有モノマー
の具体例としては、たとえばオクチル(メタ)アクリレ
ート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メ
タ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、N- t- ブチル
(メタ)アクリルアミド、N- t- オクチル(メタ)ア
クリルアミド、N- メチル(メタ)アクリルアミド、ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリオキシエチ
レン(q=2〜9)(メタ)アクリレート、メトキシポ
リエチレングリコール(n=2〜23)(メタ)アクリレ
ート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリ
プロピレングリコール(n=2〜23)(メタ)アクリレ
ートなどがあげられるが、本発明はかかる例示のみに限
定されるものではない。なお、本発明においては、前記
(メタ)アクリロイル基含有モノマーは単独でまたは2
種以上を混合して用いられる。
【0043】前記共重合体を構成する重合成分における
(メタ)アクリロイル基含有モノマーの割合は1〜60重
量%、好ましくは1〜20重量%、さらに好ましくは2〜
15重量%となるように調整される。かかる(メタ)アク
リロイル基含有モノマーの割合が60重量%をこえるばあ
いには、えられる共重合体に占める疎水性基の割合が大
きくなり、中和後であっても水に対する溶解性が小さく
なり、なめらかなジェルがえられがたくなり、また1重
量%未満であるばあいには、ゲル粘度が低下するのでカ
チオン性増粘剤の使用量を増す必要があるとともに、種
々のセット用樹脂の配合が可能な量が低下すると同時
に、カチオン性増粘剤が乾燥したあとに形成されるフィ
ルムの光沢が低下するようになる。
【0044】前記架橋性ビニルモノマーは、1分子中に
2以上の炭素- 炭素不飽和二重結合を有する化合物であ
り、他の単量体と架橋する性質を有するものである。か
かる架橋性ビニルモノマーの代表例としては、たとえば
エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコー
ルメタクリレート、ポリオキシエチレンジアクリレー
ト、ポリオキシエチレンジメタクリレート、ポリプロピ
レングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコ
ールジメタクリレート、1,2-エタンジイルジアクリレー
ト、1,2-エタンジイルジメタクリレート、1,10- デカン
ジイルジアクリレート、1,10- デカンジイルジメタクリ
レート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ト
リメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリ
スリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールト
リメタクリレート、トリメチロールエタントリアクリレ
ート、トリメチロールエタントリメタクリレート、トリ
メチロールプロパントリグリシジルトリアクリレート、
トリメチロールプロパントリグリシジルトリメタクリレ
ート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、テ
トラメチロールメタンテトラメタクリレートなどのポリ
(メタ)アクリル系化合物;メチレンビスアクリルアミ
ド、メチレンビスメタクリルアミド、1,2-ビスアクリル
アミドエタン、1,2-ビスメタクリルアミドエタン、1,5-
ビスアクリルアミドペンタン、1,5-ビスメタクリルアミ
ドペンタン、1,10- ビスアクリルアミドドデカン、1,10
- ビスメタクリルアミドドデカン、1,1-ビスアクリルア
ミド-1-フェニルエタン、1,1-ビスメタクリルアミド-1-
フェニルエタンなどのポリ(メタ)アクリルアミド系
化合物;ジビニルベンゼン、1,2-ビス(p- ビニルフェ
ニル)エタン、1,3-ビス(p- ビニルフェニル)プロパ
ン、1,4-ビス(p- ビニルフェニル)ブタンなどのビニ
ル系化合物などがあげられるが、本発明はかかる例示の
みに限定されるものではない。なお、本発明において
は、前記架橋性ビニルモノマーは、1種または2種以上
を混合して用いられる。
【0045】前記共重合体を構成する重合成分における
架橋性ビニルモノマーの割合は、0.1 〜20重量%、好ま
しくは1〜10重量%となるように調整される。かかる架
橋性ビニルモノマーの割合は、0.1 重量%未満であるば
あいには、えられるカチオン性増粘剤の架橋度が小さく
なりすぎるため、該カチオン性増粘剤の粘度を高くする
ことができなくなり、また20重量%をこえるばあいに
は、カチオン性増粘剤自体の粘度が高くなるが、細かい
凝集物が生じることがある。
【0046】前記アミン含有(メタ)アクリル系モノマ
ー、ビニルモノマー、(メタ)アクリロイル基含有モノ
マーおよび架橋性ビニルモノマーを含有した重合成分
を、たとえばチッ素ガスなどの不活性ガス雰囲気下で非
水系溶媒中で加温しながら重合させたのち、えられた反
応液を粉末化させることによってカチオン性増粘剤がえ
られる。
【0047】本発明において、不活性ガス雰囲気下で非
水系溶媒中で重合反応を行なうのは、単量体または形成
された共重合体中に存在するエステル基が加水分解する
ことを防止するためである。
【0048】本発明の製法においては、前記非水系溶媒
としては、良溶媒または良溶媒と貧溶媒との混合溶媒が
好ましく用いられる。
【0049】本発明の製法において良溶媒が用いられる
のは、各単量体の反応性の相異による単独重合体の生成
を制御し、均一な共重合体をうるためである。
【0050】なお、本明細書において、前記良溶媒と
は、25℃において、該良溶媒100ml に対して一般式(I)
で表されるアミン含有(メタ)アクリル系モノマー、一
般式(II)で表されるビニルモノマー、一般式(III)で表
わされる(メタ)アクリロイル基含有モノマーおよび架
橋性ビニルモノマーからなる分子量が10000 以上の共重
合体が20g以上の範囲で溶解し、濁りを認めない溶媒を
いう。前記良溶媒の具体例としては、たとえばメタノー
ル、エタノール、イソプロパノールなどの炭素数が1〜
3の1価アルコール、アセトン、酢酸エチル、ベンゼ
ン、トルエン、キシレンなどがあげられる。これらの良
溶媒のなかでは、エタノール、イソプロパノールおよび
ベンゼンは比較的高分子量のポリマーをうることができ
るものであるのでとくに好ましいものである。前記エタ
ノールとしては、純度が95容量%以上のエタノールであ
ってもよいが、さらに純度が99容量%以上のエタノール
が好ましい。なお、本発明の製法によってえられたカチ
オン性増粘剤を化粧品などに用いるばあいには、ベンゼ
ンなどには為害性があるため、エタノールおよびイソプ
ロパノールがもっとも好ましい。
【0051】また、本発明においては、生成した共重合
体を反応液から析出させるために、貧溶媒を良溶媒に配
合することができる。
【0052】前記貧溶媒とは、25℃において、該貧溶媒
100ml に対して一般式(I) で表わされるアミン含有(メ
タ)アクリル系モノマーおよび一般式(II)で表わされる
ビニルモノマーからなる分子量が10000 以上の共重合体
が5g以下の範囲で溶解する溶媒をいう。前記貧溶媒の
具体例としては、たとえばn- ペンタン、n- ヘキサ
ン、シクロヘキサンなどの炭素数が15以下の直鎖、分枝
鎖または環状の脂肪族炭化水素などがあげられる。これ
らの貧溶媒のなかでは、比較的沸点が高い炭素数7以下
の直鎖、分枝鎖または環状の脂肪族炭化水素が好まし
い。なかでも、炭素数が6または7の直鎖、分枝鎖また
は環状の脂肪族炭化水素は、沸点が高いので、とくに好
ましい。また、工業的に安価であり、取扱い性が良好で
あるという点から、n- ヘキサン、シクロヘキサンなど
が好ましい。
【0053】前記良溶媒と貧溶媒との組合わせとして
は、好適な溶媒の連鎖移動度を有し、共重合体が析出し
はじめる前に重合成分間の重合度を好ましく調整するこ
とができるという点から、炭素数が1〜3の1価アルコ
ールと炭素数が15以下の直鎖、分枝鎖または環状の脂肪
族炭化水素との組合わせが好ましく、とくにエタノール
とシクロヘキサンとの組合わせが好ましい。
【0054】なお、前記良溶媒と貧溶媒との混合溶媒を
用い、えられるカチオン性増粘剤の特性を損なうことが
ないようにするために、両者を適切な割合で配合するこ
とが好ましい。前記貧溶媒の配合割合が大きすぎるばあ
いには、重合がすみやかに進行し、短時間のうちに粉体
が析出して所望の物性を有するカチオン性増粘剤がえら
れがたくなるため、前記混合溶媒中に含まれる貧溶媒の
割合が98重量%以下、なかんづく97重量%以下とするこ
とが好ましい。また、重合反応をすみやかに進行させ、
重合後の溶媒の除去の際に凝集固化をおこしにくくする
ために、前記混合溶媒に含まれる貧溶媒の割合を80重量
%以上、好ましくは90重量%以上とすることが望まし
い。
【0055】反応液からカチオン性増粘剤を効率よくう
るためには、重合時の練り込み状態を良好にするための
反応装置が必要である。かかる反応装置として一般に用
いられている溶液重合用撹拌器を用いるばあいには、前
記重合成分全量の濃度は、30重量%以下とすることが好
ましい。なお、反応に際しては、反応液が滞ることがな
いようにするために、撹拌器などにより充分に撹拌する
ことが好ましい。
【0056】前記重合反応は、50〜100 ℃程度の加温下
にて行なうことが好ましく、一般には反応に用いる揮発
性溶媒の還流温度で行なわれる。
【0057】重合反応に要する時間は、通常10時間以上
であることが好ましい。なお、重合反応は、残存してい
る単量体の量が10重量%以下になった時点で、任意に完
結することができる。なお、残存している単量体の量
は、たとえばPSDB法などの公知の方法によってシュ
ウ素を二重結合に付加し、二重結合含量を測定すること
により決定することができる。
【0058】かくして共重合体を含有した反応液がえら
れる。
【0059】前記良溶媒を用いたばあいには、たとえば
前記反応液を乾燥させるなどして該反応液から良溶媒を
揮散除去し、粉末化させることによってカチオン性増粘
剤をうることができる。
【0060】また、前記混合溶媒を用いたばあいには、
析出した共重合体の沈澱物を濾取したのち、たとえば真
空乾燥を施したり、常圧または減圧下で乾燥するなどし
て粉末化させることによってカチオン性増粘剤をうるこ
とができる。
【0061】なお、重合反応に際しては、重合触媒を用
いてもよい。かかる重合触媒としては、たとえば 2,2´
- アゾビスイソブチロニトリル、 2,2´- アゾビス(4-
メトキシ-2,4- ジメチルバレロニトリル)、ジメチル-
2,2´- アゾビスイソブチレート、 2,2´- アゾビス
(2,4-ジメチルバレロニトリル)などがあげられる。な
お、かかる重合触媒の種類は、用いる溶媒の沸点などに
よって異なり、たとえばエタノールやベンゼンを用いる
ばあいには、 2,2´- アゾビスイソブチロニトリルが取
扱い性がよいのでもっとも好ましいものである。前記重
合触媒の使用量は、重合成分全量に対して0.05〜3重量
%、なかんづく0.1 〜1重量%であることが好ましい。
【0062】なお、前記単量体の重合過程においては、
さまざまな様相が呈される。
【0063】前記良溶媒のみを用いたばあいには、重合
反応の初期の段階では一般の溶液重合反応を行なったば
あいと同様の様相を呈するが、反応の進行に伴なって架
橋反応が進行し、ゲル状を呈するようになり、さらに反
応が進行するにつれて沈澱物がないグリース状の生成物
がえられる。
【0064】前記良溶媒と貧溶媒との混合溶媒を用いた
ばあいには、重合反応の初期の段階では一般の溶液重合
反応を行なったばあいと同様の様相を呈するが、反応の
進行に伴なって架橋反応が進行し、ゲル状を呈するよう
になる。さらに反応が進行すると、えられた共重合体
は、もはや混合溶媒に溶け込めなくなり、不溶化して沈
澱物として析出する。
【0065】かくしてカチオン性増粘剤がえられるが、
該カチオン性増粘剤は、粉末化されたそのままの状態で
たとえば各種化粧品の原料に配合するか、またはジェル
とすることにより使用に供される。
【0066】前記カチオン性増粘剤をたとえばジェルと
して用いるばあいには、通常カチオン性増粘剤の含有量
が3.5 重量%程度以下で所望の粘度に調整される。
【0067】なお、前記カチオン性増粘剤を用いてジェ
ルを調製するばあいには、たとえば硫酸、塩酸、リン酸
などの鉱酸、酢酸、クエン酸、乳酸、アミノ酸、コハク
酸、リンゴ酸、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸などの有機
酸を中和剤として用いて前記カチオン性増粘剤を水で2
重量%以下に希釈したのち、中和することが好ましい。
【0068】つぎに本発明のカチオン性増粘剤の製法を
実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はか
かる実施例のみに限定されるものではない。
【0069】実施例1 温度計、還流管およびチッ素導入管を備えた三つ口フラ
スコに、N,N- ジメチルアミノエチルメタクリレート
39g、N- ビニルピロリドン58.5g、メトキシポリエチ
レングリコール(23)メタクリレート2.5 gおよびエチレ
ングリコールジメタクリレート2gと、エタノール33.4
gおよびシクロヘキサン464.6 gの混合溶媒(混合比
(重量比)6.7 :93.3)を添加し、モノマー濃度が17重
量%となるように調整し、80℃にて還流を行ないながら
チッ素気流下で2時間撹拌して脱気した。
【0070】つぎに、 2,2´- アゾビスイソブチロニト
リル0.3 gを三つ口フラスコに添加し、80℃で重合を開
始した。
【0071】チッ素気流下で撹拌しながら約10時間重合
反応を行なったのち、えられたポリマースラリー溶液を
減圧濾過し、固形分を減圧下で乾燥したのち、粉砕して
白色粉末状のカチオン性増粘剤をえた。
【0072】つぎにえられたカチオン性増粘剤に濃度が
2重量%となるように水を添加し、ついで中和剤として
乳酸を用いてpHを6.4 に調整し、ホモジナイザーによ
り充分に練り込んでジェルをえた。えられたジェルの物
性として粘度、手ざわり、外観、形成フィルムの柔軟性
および形成フィルムの光沢性を以下の方法に基づいて調
べた。その結果を表1に示す。
【0073】(イ)粘度 (株)東京計器製、ブルックフィールド粘度計を用いて
25℃でローター4番、4〜10rpm の条件で測定した。
【0074】(ロ)手ざわり えられたジェルを2ml程度指に取り、すりあわすように
して手ざわりを調べ、以下の評価基準に基づいて評価を
行なった。
【0075】(評価基準) A:なめらかで軽い手ざわり B:ややざらついた手ざわり C:ややざらつく D:ざらつきが目立つ (ハ)外観 えられたジェルを目視により観察し、不純物の混入がな
いかどうかを調べ、以下の評価基準に基づいて評価を行
なった。
【0076】(評価基準) A:不純物の混入が認められず。 B:不純物の混入がごくわずか認められる。 C:不純物の混入がやや認められる。 D:不純物の混入が目立つ。
【0077】(ニ)形成フィルムの柔軟性 えられたジェルを塩化ビニル樹脂製のフィルムにバーコ
ーターを用いて厚さ10μmの塗膜とし、3時間風乾させ
ることによりフィルムを形成し、塩化ビニル樹脂製フィ
ルムをランダムに折り曲げたときの形成フィルムの状態
を調べ、以下の評価基準に基づいて評価した。
【0078】(評価基準) A:変化が認められず。 B:ごくわずかの剥離が認められる。 C:一部の剥離が認められる。 D:完全な剥離が認められる。
【0079】(ホ)形成フィルムの光沢性 前記(ニ)で作製したフィルムを目視により観察し、以
下の評価基準に基づいて評価した。
【0080】(評価基準) A:艶のあるフィルム B:わずかに艶のあるフィルム C:艶のないフィルム 実施例2〜17 実施例1において、メトキシポリエチレングリコール(2
3)メタクリレートのかわりに表1に示す(メタ)アクリ
ロイル基含有モノマーを用いたほかは実施例1と同様に
して白色粉末状のカチオン性増粘剤をえた。
【0081】つぎにえられたカチオン性増粘剤を用いて
実施例1と同様にしてジェルをつくり、その物性を調べ
た。その結果を表1に示す。
【0082】比較例1 温度計、還流管およびチッ素導入管を備えた三つ口フラ
スコに、N,N- ジメチルアミノエチルメタクリレート
39g、N- ビニルピロリドン61gおよびエチレングリコ
ールジメタクリレート2gと、エタノール33.4gおよび
シクロヘキサン464.6 gの混合溶媒とを添加し、モノマ
ー濃度が17重量%となるように調整し、80℃にて還流を
行ないながらチッ素気流下で2時間撹拌して脱気した。
【0083】つぎに 2,2´- アゾビスイソブチロニトリ
ル0.3 gをフラスコに添加し、80℃で撹拌しながら、チ
ッ素気流下で10時間重合反応を行なった。
【0084】えられたポリマースラリー溶液を減圧下で
濾過し、固形分を減圧下で乾燥したのち、粉砕して白色
粉末状の増粘剤をえた。
【0085】えられた増粘剤を用いて実施例1と同様に
してジェルをつくり、その物性を調べた。その結果を表
1に示す。
【0086】
【表1】
【0087】実施例18 温度計、還流管およびチッ素導入管を備えた三つ口フラ
スコに、N,N- ジメルアミノエチルメタクリレート39
g、N- ビニルピロリドン55.9g、メトキシポリエチレ
ングリコール(23)メタクリレート5.1 gおよびエチレン
グリコールジメタクリレート2gと、エタノール33.4g
およびシクロヘキサン464.6 gの混合溶媒を添加し、モ
ノマー濃度が17重量%となるように調整し、80℃にて還
流を行ないながらチッ素気流下で2時間撹拌して脱気し
た。
【0088】つぎに 2,2´- アゾビスイソブチロニトリ
ル0.3 gをフラスコに添加し、80℃で撹拌しながら、チ
ッ素気流下で10時間重合反応を行なった。
【0089】えられたポリマースラリー溶液を減圧下で
濾過し、固形分を減圧下で乾燥したのち、粉砕して白色
粉末状のカチオン性増粘剤を用いて実施例1と同様にし
てジェルをつくり、その物性を調べた。その結果を表2
に示す。
【0090】実施例19 実施例18において、N- ビニルピロリドンの量を46g、
またメトキシポリエチレングリコール(23)メタクリレー
トの量を15gとしたほかは、実施例18と同様にして白色
粉末状のカチオン性増粘剤をえた。
【0091】えられたカチオン性増粘剤を用いて実施例
18と同様にしてジェルをつくり、その物性を調べた。そ
の結果を表2に示す。
【0092】実施例20 温度計、還流管およびチッ素導入管を備えた三つ口フラ
スコに、N,N- ジメチルアミノエチルメタクリレート
46g、N- ビニルピロリドン4g、メトキシポリエチレ
ングリコール(23)メタクリレート50gおよびエチレング
リコールジメタクリレート3.5 gと、エタノール389.4
gを添加し、モノマー濃度が21重量%となるように調整
し、80℃にて還流を行ないながらチッ素気流下で2時間
撹拌し、脱気した。
【0093】つぎに 2,2´- アゾビスイソブチロニトリ
ル0.3 gをフラスコに添加し、80℃で撹拌しながらチッ
素気流下で10時間重合反応を行なった。
【0094】えられた透明でグリース状のポリマーをス
テンレスパレット上で乾燥させたのち、粉砕して淡黄色
粉末状のカチオン性増粘剤をえた。
【0095】えられたカチオン性増粘剤を用いて実施例
18と同様にしてジェルをつくり、その物性を調べた。そ
の結果を表2に示す。
【0096】比較例2 温度計、還流管およびチッ素導入管を備えた三つ口フラ
スコにN,N- ジメチルアミノエチルメタクリレート30
g、N- ビニルピロリドン5g、メトキシポリエチレン
グリコール(23)メタクリレート65gおよびエチレングリ
コールジメタクリレート3.5 gと、エタノール389.4 g
を添加し、モノマー濃度が21重量%となるように調整
し、80℃にて還流を行ないながらチッ素気流下で2時間
撹拌し、脱気した。
【0097】つぎに、 2,2´- アゾビスイソブチロニト
リル0.3 gをフラスコに添加し、80℃で撹拌しながらチ
ッ素気流下で10時間重合反応を行なった。
【0098】えられた透明でグリース状のポリマーを減
圧下でステンレスパレット上で乾燥したのち、粉砕して
淡黄色の粉末状のカチオン性増粘剤をえた。
【0099】えられたカチオン性増粘剤を用いて実施例
1と同様にしてジェルをつくり、その物性を調べた。そ
の結果を表2に示す。
【0100】
【表2】
【0101】実施例21〜23 実施例1において、N,N- ジメチルアミノエチルメタ
クリレートのかわりに表3に示すアミン含有(メタ)ア
クリル系モノマー39gを用いたほかは実施例1と同様に
して白色粉末状のカチオン性増粘剤をえた。
【0102】えられたカチオン性増粘剤を用いて実施例
1と同様にしてジェルをつくり、その物性を調べた。そ
の結果を表3に示す。
【0103】
【表3】
【0104】実施例24 温度計、還流管およびチッ素導入管を備えた三つ口フラ
スコに、N,N- ジメチルアミノエチルメタクリレート
80g、メトキシポリエチレングリコール(23)メタクリレ
ート20gおよびエチレングリコールジメタクリレート3
gと、エタノール33.7gおよびシクロヘキサン469.2 g
の混合溶媒溶液を添加し、モノマー濃度が17重量%とな
るように調整し、80℃にて還流を行ないながら、チッ素
気流下で2時間撹拌しながら脱気した。
【0105】つぎに 2,2´- アゾビスイソブチロニトリ
ル0.3 gをフラスコに添加し、80℃で撹拌しながらチッ
素気流下で10時間重合反応を行なった。
【0106】えられた透明グリース状のポリマーをステ
ンレスバット上に流延し、減圧下で乾燥したのち、粉砕
して淡黄色の粉末状のカチオン性増粘剤をえた。
【0107】えられたカチオン性増粘剤を用いて実施例
1と同様にしてジェルをつくり、その物性を調べた。そ
の結果を表4に示す。
【0108】実施例25 温度計、還流管およびチッ素導入管を備えた三つ口フラ
スコにN,N- ジメチルアミノエチルメタクリレート45
g、メタクリルアミド52.5g、メトキシポリエチレング
リコール(23)メタクリレート2.5 gおよびエチレングリ
コールジメタクリレート3.0 gと、エタノール387.5 g
を添加し、モノマー濃度が21重量%となるように調整
し、80℃で還流しながらチッ素気流下で2時間撹拌して
脱気した。
【0109】つぎに 2,2´- アゾビスイソブチロニトリ
ル0.3 gをフラスコに添加し、80℃で撹拌しながらチッ
素気流下で10時間重合反応を行なった。
【0110】えられたポリマースラリー溶液を減圧下で
濾過し、さらに固形分を減圧下で乾燥したのち、粉砕し
て白色粉末状のカチオン性増粘剤をえた。
【0111】えられたカチオン性増粘剤を用いて実施例
1と同様にしてジェルをつくり、その物性を調べた。そ
の結果を表4に示す。
【0112】
【表4】
【0113】処方例1〜24 実施例1、実施例13、実施例16または比較例1でえられ
たカチオン性増粘剤を、表5〜6に示す量の水およびエ
タノールと混合し、さらに乳酸を用いてpHを6.5 に調
整し、セット用樹脂として、ノニオン性セット樹脂(N
- ビニルピロリドン- 酢酸ビニル共重合体:大阪有機化
学工業(株)製、PVA6450)、カチオン性セット樹脂
(ジエチル硫酸ビニルピロリドン -N,N- ジメチルア
ミノエチルメタクリル酸共重合体:大阪有機化学工業
(株)製、HCP−3A)または両性セット樹脂(N-
メタクリロイルエチル -N,N- ジメチルアンモニウム
- α- N- メチルカルボキシベタイン- メタクリル酸エ
ステル共重合体:三菱油化(株)製、ユカホーマーAM
75)を表5〜6に示す量だけ少量ずつ添加し、均一なジ
ェルとなるまでディスパー型撹拌翼を有する撹拌機にて
撹拌を行ない、均質な頭髪用セッティングジェルを調製
した。
【0114】えられた頭髪用セッティングジェルの物性
として粘度、透明性、セット力、手ざわり、フレーキン
グおよび洗髪性を以下に示す方法にしたがって調べた。
その結果を表5〜6に示す。
【0115】(イ)粘度 (株)東京計器製、ブルックフィールド粘度計を用いて
25℃でローター4番、回転数4〜10rpm の条件で測定し
た。
【0116】(ロ)透明性 えられたセッティングジェル30gを濁度測定用ガラスセ
ルに秤量し、室温下で超音波洗浄機で1時間脱泡し、ハ
ック社製、Ratio 濁度計18900-00型に濁度測定用ガラス
セルをセットし、15分間測定数値を安定させたのち、濁
度の数値を読み取り、以下の評価基準に基づいて評価し
た。
【0117】(評価基準) A:3NTU未満 B:3NTU以上、5NTU未満 C:5NTU以上 (ハ)セット力 長さ25cmの毛髪2gに、セッティングジェル3gを均一
に手で塗布した。この毛髪を外径1.2cm のカーラーに巻
き、40℃の温風で60分間かけて乾燥したのち、カーラー
から毛髪をはずし、温度30℃、相対湿度80%の雰囲気中
に垂直に吊した直後の長さ(L1 )と1時間放置後の長
さ(L2 )を測定し、カールリテンションを次式から算
出した。
【0118】
【数1】
【0119】なお、カールリテンションが大きいものほ
どセット力が大きいことを示し、本発明においてはカー
ルリテンションが60%以上のものが合格基準を満足す
る。
【0120】(ニ)手ざわり えられたセッティングジェル2ml程度を指に取り、すり
合わすようにして手ざわりを調べ、以下の評価基準に基
づいて評価した。
【0121】(評価基準) A:なめらかで軽い手ざわり B:ややざらざらした手ざわり C:ややざらつく D:ざらつきが目立つ (ホ)フレーキング 長さ25cmの毛髪にセッティングジェル3gを均一に塗布
し、余分のジェルを手でしごいて落した。
【0122】この毛髪を40℃の温風で60分間かけて乾燥
し、市販のくしを用いて10回くし通りをしたのち、樹脂
の剥離状態を以下の評価基準に基づいて評価した。
【0123】(評価基準) A:まったく剥離が認められない。 B:部分的に剥離が認められる。 C:全体的に剥離が認められる。
【0124】(ヘ)洗髪性 長さ25cmの毛髪2gに、セッティングジェル3gを均一
に手で塗布し、40℃の温風で60分間かけて乾燥を行なっ
た。この毛髪を30℃の0.5 %市販洗髪剤(シャンプー)
含有温水中に浸漬し、撹拌して単位時間ごとのセッティ
ングジェルの除去状態を調べ、以下の評価基準に基づい
て評価した。
【0125】(評価基準) A:30分間以内でぬめりなく、完全に洗髪除去すること
ができる。 B:40分間以内でぬめりなく、完全に洗髪除去すること
ができる。 C:40分間経過時にややぬめりがあり、幾分か残存して
いる。 D:40分間以上でも、ぬめりが残り、洗髪除去すること
ができない。
【0126】なお、表5〜6中、粘度の欄に*が記載の
ものは、ゲルが生成しなかったことを意味する。
【0127】
【表5】
【0128】
【表6】
【0129】表5〜6に示した結果から明らかなよう
に、本発明の製法によってえられたカチオン性増粘剤を
用いた頭髪用セッティングジェルは、洗髪性、セット力
などにすぐれ、少量でもゲル形成能を有し、しかもセッ
ト用樹脂への配合の自由度にすぐれたものであることが
わかる。
【0130】
【発明の効果】本発明の製法によって、高粘度を付与す
ることができ、少量でたとえば化粧料などに好適に使用
しうるカチオン性増粘剤を容易にうることができる。
【0131】また、本発明の製法によってえられたカチ
オン性増粘剤は、柔軟性にすぐれたフィルムを形成し、
不純物である残渣の含有量が少ないので、たとえば頭髪
用整髪剤などに用いたばあいには、すぐれたセッティン
グ効果を付与するという効果を奏する。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 7/00 - 7/50

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)一般式(I) : 【化1】 (式中、R1 は水素原子またはメチル基、R2 およびR
    3 はそれぞれ独立して水素原子、メチル基、エチル基ま
    たはt- ブチル基、Aは酸素原子または -NH-基、B
    は直鎖状または側鎖を有する炭素数1〜4のアルキレン
    基を示す)で表わされるアミン含有(メタ)アクリル系
    モノマー15〜85重量%、(B)一般式(II): 【化2】 (式中、R1 は前記と同じ、R4 は一般式: 【化3】 (式中、pは3または4を示す)で表わされる基または
    式: 【化4】 で表わされる基を示す)で表わされるビニルモノマー0
    〜80重量%、(C)一般式(III) : 【化5】 (式中、R1 およびAは前記と同じ、R5 は炭素数1〜
    17の直鎖状もしくは側鎖を有するアルキレン基、一般
    式: 【化6】 (式中、qは1〜25の整数を示す)で表わされる基また
    は一般式: 【化7】 (式中、rは1〜25の整数を示す)で表わされる基、R
    6 は水素原子またはメチル基を示す)で表わされる(メ
    タ)アクリロイル基含有モノマー1〜60重量%、および
    (D)架橋性ビニルモノマー0.1 〜20重量%を含有した
    重合成分を不活性ガス雰囲気下で非水系溶媒中で加温し
    ながら重合させたのち、えられた反応液を粉末化させる
    ことを特徴とするカチオン性増粘剤の製法。
  2. 【請求項2】 非水系溶媒として(A)一般式(I) で表
    わされるアミン含有(メタ)アクリル系モノマー、
    (B)一般式(II)で表わされるビニルモノマー、(C)
    一般式(III) で表わされる(メタ)アクリロイル基含有
    モノマーおよび(D)架橋性ビニルモノマーからなる分
    子量が10000 以上の共重合体に対する良溶媒を用い、反
    応液から該良溶媒を揮散除去させることによって粉末化
    させる請求項1記載のカチオン性増粘剤の製法。
  3. 【請求項3】 良溶媒が炭素数が1〜3の1価アルコー
    ルである請求項2記載のカチオン性増粘剤の製法。
  4. 【請求項4】 非水系溶媒として(A)一般式(I) で表
    わされるアミン含有(メタ)アクリル系モノマー、
    (B)一般式(II)で表わされるビニルモノマー、(C)
    一般式(III) で表わされる(メタ)アクリロイル基含有
    モノマーおよび(D)架橋性ビニルモノマーからなる分
    子量が10000 以上の共重合体に対する良溶媒と(A)一
    般式(I) で表わされるアミン含有(メタ)アクリル系モ
    ノマーおよび(B)一般式(II)で表わされるビニルモノ
    マーからなる分子量が10000 以上の共重合体に対する貧
    溶媒との混合溶媒を用い、反応液から共重合体を析出さ
    せることによって粉末化させる請求項1記載のカチオン
    性増粘剤の製法。
  5. 【請求項5】 混合溶媒が炭素数が1〜3の1価アルコ
    ールと炭素数が15以下の直鎖、分枝鎖または環状の脂肪
    族炭化水素との混合溶媒である請求項4記載のカチオン
    性増粘剤の製法。
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