JP2755779B2 - ゲル基材 - Google Patents

ゲル基材

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JP2755779B2 JP10391390A JP10391390A JP2755779B2 JP 2755779 B2 JP2755779 B2 JP 2755779B2 JP 10391390 A JP10391390 A JP 10391390A JP 10391390 A JP10391390 A JP 10391390A JP 2755779 B2 JP2755779 B2 JP 2755779B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はゲル基材に関する。さらに詳しくは、化粧品
や芳香剤などに好適に使用しうるゲル基材に関する。
[従来の技術] ゲル基材に関する研究は、旧来より行なわれており、
特公昭32−4141号公報や特開昭51−46586号公報などに
記載されたポリアクリル酸架橋ポリマーのアルカリ中和
塩などからなるゲル基材が代表的なものとして知られて
いる。
しかしながら、前記ゲル基材は、COO 基をポリマー
鎖に有し、該COO 基の一部または全部をNaOH、KOH、ア
ミン類などで中和してえられるアニオン性のポリマーを
ベース樹脂としたものであるから、これにカチオン系セ
ッティング用ポリマーなどの頭髪用化粧品材料を添加す
ることが困難である。たとえば、ポリマー鎖に4級アミ
ンを含むカチオン系セッティング用ポリマーを添加した
ばあい、これらアニオン性のポリマーとカチオン系セッ
ティング用ポリマーの間で電荷の中和がおこり、凝集や
クモリまたはニゴリを生じることがある。したがって、
添加しうるセッティングポリマーは、ポリビニルピロリ
ドン、ポリビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体など
のノニオン系セッティングポリマー、アクリル樹脂アル
カノールアミン液などで代表されるアニオン系セッティ
ングポリマーのみであった。また、前記ゲル基材が用い
られた水性化粧料は、乾燥後には硬質フィルムを形成す
るものであるから、これをたとえば頭髪用化粧品として
用いたばあいには、頭髪上に形成されたフィルムが剥離
する現象、すなわちいわゆるフレーキング現象が発生す
るため、その用途に制限があった。
一方、乾燥後に軟質で柔軟なフィルムを形成するゲル
基材としては、アミノ基を有する架橋型ベースモノマー
を水性エマルジョン重合し、pH値を調整することにより
増粘したものが知られているが(特開昭57−133145号公
報)、前記アミノ基を有する架橋型ベースモノマーは、
加水分解されやすいものであり、加水分解されたばあい
には、後で施される酸処理により中和してカチオン基が
導入され、同一ポリマー分子鎖中にアニオン基とカチオ
ン基が共存するため、均一なカチオン系重合体とならな
いことがある。また、前記ゲル基材において、原料モノ
マーとしてN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート
を用いたばあいには、重合反応中に加水分解反応が激し
く発生し、望ましい重合体が得られない。このことは、
換言すれば、工業的に広く利用され、しかも化粧料原料
としてすぐれた特徴を有することで知られている前記N,
N−ジメチルアミノエチルメタクリレートを使用するこ
とができないことを意味し、ゲル基材の原料モノマーを
選択するうえで非常に不利なことであることを物語って
いる。また、エマルジョン重合の特質から、界面活性剤
などの不純物の混入を避けることができないという欠点
がある。
[発明が解決しようとする課題] そこで、本発明者らは、前記従来技術に鑑みて、カチ
オン系セッティングポリマーをブレンドすることがで
き、乾燥後には柔軟なフィルムを形成し、不純物の混入
量が少ないゲル基材をうるべく鋭意研究を重ねた結果、
かかる諸物性をすべて満足するゲル基材をようやく見出
し、本発明を完成するにいたった。
[課題を解決するための手段] すなわち、本発明は一般式(I): (式中、R1は水素原子またはメチル基、R2およびR3はそ
れぞれメチル基またはエチル基、Aは直鎖状または側鎖
を有する炭素数1〜4のアルキレン基を示す)で表わさ
れる(メタ)アクリル酸エステル15〜85重量%、 一般式(II): (式中、R1およびAは前記と同じ、nは1〜40の整数を
示す)で表わされるオキシアルキレンジ(メタ)アクリ
ル酸エステル0.1〜20重量%および 一般式(III): (式中、mは3または4を示す)で表わされるビニルモ
ノマー0〜80重量%からなる共重合体を主材としてなる
ゲル基材に関する。
[作用および実施例] 本発明のゲル基材は、前記したごとく、 一般式(I): (式中、R1は水素原子またはメチル基、R2およびR3はそ
れぞれメチル基またはエチル基、Aは直鎖状または側鎖
を有する炭素数1〜4のアルキレン基を示す)で表わさ
れる(メタ)アクリル酸エステル15〜85重量%(重量
%、以下同様)、 一般式(II): (式中、R1およびAは前記と同じ、nは1〜40の整数を
示す)で表わされるオキシアルキレンジ(メタ)アクリ
ル酸エステル0.1〜20重量%および 一般式(III): (式中、mは3または4を示す)で表わされるビニルモ
ノマー0〜80重量%からなる共重合体を主材としたもの
である。
前記一般式(I)で表わされる(メタ)アクリル酸エ
ステルは、本発明において目的とする共重合体をえた際
に適当な酸で中和することで共重合体に電解能を与える
役割を有する成分である。かかる(メタ)アクリル酸エ
ステルの代表例としては、たとえばN,N−ジメチルアミ
ノエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルア
クリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレー
ト、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレートなどが
あげられるが、本発明はかかる例示のみに限定されるも
のではない。なお、本発明においては、前記(メタ)ア
クリル酸エステルは、単独でまたは2種以上を混合して
用いられる。
前記共重合体を構成するモノマーにおける(メタ)ア
クリル酸エステルの組成比は、15〜85%、好ましくは30
〜60%となるように調整される。かかる(メタ)アクリ
ル酸エステルの組成比が15%未満であるばあいには、え
られる共重合体において該(メタ)アクリル酸エステル
の部分が酸により中和される量が少なくなりすぎて充分
なゲル硬度を有するものがえられにくくなり、また80%
をこえるばあいには、えられるゲル基材が乾燥したあと
に形成されるフィルムの柔軟性が失われるようになる。
前記一般式(II)で表わされるオキシアルキレンジ
(メタ)アクリル酸エステルは、1分子中に2つの炭素
−炭素間不飽和二重結合を有する化合物であり、他の単
量体と架橋する役割を有するものである。かかるオキシ
アルキレンジ(メタ)アクリル酸エステルの代表例とし
ては、たとえばエチレングリコールジアクリレート、エ
チレングリコールジメタクリレート、ポリオキシエチレ
ンジアクリレート、ポリオキシエチレンジメタクリレー
トなどがあげられるが、本発明はかかる例示のみに限定
されるものではない。なお、本発明において、前記オキ
シアルキレンジ(メタ)アクリル酸エステルは、1種ま
たは2種以上を混合して用いられる。
前記共重合体を構成するモノマーにおけるオキシアル
キレンジ(メタ)アクリル酸エステル組成比は、0.1〜2
0%、好ましくは1〜10%となるように調整される。か
かるオキシアルキレンジ(メタ)アクリル酸エステルの
組成比は0.1%未満であるばあいには、えられるゲル基
材の強度が小さくなりすぎるため、ゲル自体の粘度を増
すことができず、また20%をこえるばあるいは、ゲル自
体の粘度は増すが、ゲル中には細かい凝集物が残存する
ことがある。
なお、前記一般式(II)で表わされるオキシアルキレ
ンジ(メタ)アクリル酸エステルにおいて、式A−O
で表わされる部分の数nは、えられるゲル基材の物性
に大きく影響を与え、nが1〜40であるばあいであって
も実用に適した物性を有するゲル基材がえられるが、一
般にnが小さいものほど化粧品に使用したばあいには、
ざらつきが残りやすい。したがって、本発明のゲル基材
を化粧品用ゲル基材として用いるばあいには、nは10〜
30であることが好ましい。
前記一般式(III)で表わされるビニルモノマーは、
前記共重合体を構成するモノマーにおいて前記(メタ)
アクリル酸エステルおよびオキシアルキレンジ(メタ)
アクリル酸エステルの残部の成分として用いられる。か
かるビニルモノマーを用いたばあいには、えられるゲル
基材が乾燥したあとに形成されるフィルムに柔軟性、光
沢、なめらかさなどが発明される。前記ビニルモノマー
の代表例としては、たとえばN−ビニルピペリドン、N
−ビニルピロリドンなどがあげられるが、本発明はかか
る例示のみに限定されるものではない。なお、本発明に
おいては前記ビニルモノマーは単独でまたは2種以上を
混合して用いられる。
前記共重合体を構成するモノマーにおけるビニルモノ
マーの組成比は、0〜80%、好ましくは20〜60%となる
ように調整される。かかるビニルモノマーの組成比が80
%をこえるばあいには、えられるゲル基材のゲル強度が
著しく低下するようになる。
前記(メタ)アクリル酸エステル、オキシアルキレン
ジ(メタ)アクリル酸エチルおよびビニルモノマーの重
合は、たとえばチッ素ガスなどの不活性ガス雰囲気下で
非水系溶媒中で加温しながら行なわれる。
本発明において、不活性ガス雰囲気下で非水系溶媒中
で重合反応を行なうのは、単量体または形成された共重
合体中に存在するエステル基が加水分解することを防止
するためである。
前記非水系溶媒としては、各単量体の反応性の相違に
よる単独重合体の生成を抑制し、均一な共重合体をうる
ために、たとえばメタノール、エタノール、イソプロパ
ノール、アセトン、クロロホルム、酢酸エチル、ベンゼ
ン、トルエン、キシレンなどが用いられる。これらの溶
媒のなかでは、エタノール、ベンゼンがとくに好まし
い。前記エタノールとしては、純度が95容量%以上のエ
タノールであってもよいが、さらに純度が99容量%以上
のエタノールが好ましい。なお、本発明のゲル基材を化
粧品などに用いるばあいには、ベンゼンなどには為害性
があるため、エタノールがもっとも好ましい。
溶媒を用いるに際しては、練り込み状態を良好にする
ためには練り込みながら重合を完結しうる反応装置が必
要である。かかる反応装置として一般の溶液重合用撹拌
器を用いるばあいには、前記単量体全量の濃度は、30%
以下とすることにより重合を完結しうる。
前記重合反応は、50〜100℃の加温下にて行なうのが
好ましく、一般には反応に用いる揮発性溶媒の還流温度
で行なわれる。
重合反応に要する時間は、通常10時間以上である。な
お、重合反応は、残存している単量体量が10%以下にな
った時点で、任意行に完結することができる。なお、残
存している単量体の量は、たとえばPSDB法などの公知の
方法によってシュウ素を二重結合に付加し、二重結合含
量を測定することにより決定することができる。
なお、重合反応に際しては、重合触媒を用いてもよ
い。かかる重合触媒としては、たとえば2,2′−アゾビ
スイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(4−メトキ
シ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル−2,2′
−アゾビスイソブチレート、2,2′−アゾビス(2,4−ジ
メチルバレロニトリル)、ベンゾイルパーオキサイド、
ジイソプロピルパージカーボネート、t−ブチルパーイ
ソブチレートなどがあげられる。なお、かかる重合触媒
の種類は、用いる溶媒の沸点によって異なり、たとえば
エタノールやベンゼンを用いるばいには、2,2′−アゾ
ビスイソブチロニトリルが取扱い性がよいのでもっとも
好ましいものである。前記重合触媒の使用量は、単量体
全重量に対して0.05〜3%、好ましくは0.1%である。
重合反応の初期には、重合反応溶液は、通常の溶液重
合と同様の様相を定しているが、重合反応の進行に伴な
って架橋反応が進行し、共重合体が生成しはじめる。生
成したゲル状の共重合体は、撹拌によりせん断され、練
り込まれながらさらに重合が進行する。この段階におけ
る練り込みが不充分であるばあいには、えられたゲル基
材にままこや粘度むらが生じることがある。
生成した共重合体の内部では、いわゆる溶液重合の際
に行なわれるように撹拌がなされていないから、静置重
合が進行しているものと思われる。なお、生成した共重
合体は、必要により水または水−アルコール系混合溶媒
中で溶剤の置換することができ、ミキサー、ホモジナイ
ザーなどの高速撹拌機によりスラリー状の分散液とな
る。
ここで練り込みが不充分であるばあいには、後で適当
な酸を用いて中和したときに、ままこや粘度むらが生起
しやすくなるので、撹拌を充分に行なうことが好まし
い。
かくしてえられた本発明のゲル基材からゲル基材の含
有量が2%以下で所望の粘度に調整することでジェルが
えられる。
前記ゲル基材を用いてジェルを調製するばあいには、
たとえば硫酸、塩酸、リン酸などの鉱酸、酢酸、クエン
酸、乳酸、アミノ酸、コハク酸、リンゴ酸などの有機酸
を中和剤として用いて前記ゲル基材を水で2%以下に希
釈したのち、中和することが好ましい。
つぎに本発明のゲル基材を実施例に基づいてさらに詳
細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定され
るものではない。
実施例1 温度計、還流管およびチッ素導入管を備えた三つ口フ
ラスコに、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート1
20g、ポリオキシエチレン(23)ジメタクリレート18gお
よびN−ビニルピロリドン180gからなる20%エタノール
溶液を調製し、80℃にて還流を行ないながらチッ素気流
下で2時間撹拌して脱気した。
つぎに、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル0.9gを
三つ口フラスコに添加し、80℃で重合を開始した。重合
開始3時間経過後、反応溶液はゲル状となり、さらに重
合が進行するにつれて均一なスラリー溶液となった。
約10時間で反応を完結させ、エタノールで濃度の調整
を行ない、ゲル基材(20%ポリマースラリーエタノール
溶液)をえた。えられたゲル基材の粘度をBH型粘度計オ
ープンカップローターNo.6を用いて20℃で測定したとこ
ろ、6830cPであった。また、元素分析の測定結果は以下
のとおりである。
(元素分析の測定結果) 計算値:C62.92、H8.75、N10.49(%) 測定値:C63.12、H9.00、N10.22(%) つぎに、えられたゲル基材に水を加えて2%のポリマ
ースラリー水溶液とし、中和剤として乳酸を用いてpHを
6.4に調整し、ホモジナイザーにより充分に練り込んで
ジェルをえた。えられたジェルの物性として手ざわり、
外観および形成フィルムの柔軟性を以下の方法に基づい
て調べた。その結果を第1表に示す。
(イ)手ざわり えられたジェルを2ml程度指にとりすりあわすように
して手ざわりを調べ、以下の評価基準に基づいて評価を
行なった。
(評価基準) ◎:なめらかで軽い手ざわり ○:ややざらついた手ざわり △:ややざらつく ×:ざらつきが目立つ (ロ)外観 えられたジェルを目視により観察し、不純物の混入が
ないかどうかを調べ、以下の評価基準に基づいて評価を
行なった。
(評価基準) ◎:不純物の混入が認められず ○:不純物の混入がごくわずか認められる △:不純物の混入がやや認められる ×:不純物の混入が目立つ (ハ)形成フィルムの柔軟性 えられたジェルを塩化ビニル製のフィルムにバーコー
ターを用いて厚さ10μmの塗膜とし、3時間風乾させる
ことによりフィルムを形成し、塩化ビニル製フィルムを
ランダムに折り曲げたときの形成フィルムの状態を調
べ、以下の評価基準に基づいて評価した。
(評価基準) ◎:変化が認められず。
○:ごくわずかの剥離が認められる。
△:一部の剥離が認められる。
×:完全な剥離が認められる。
実施例2 温度計、還流管およびチッ素導入管を備えた三つ口フ
ラスコに、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート2
70gをおよびポリオキシエチレン(23)ジメタクリレー
ト48gからなる20%ベンゼン溶液を調製し、80℃にて還
流を行ないながらチッ素気流下で2時間撹拌して脱気し
た。
つぎに、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル0.9を加
え、80℃で重合を行なった。
重合開始30分間後に、反応溶液はゲル状となり、さら
に重合が進行するにつれて均一なスラリー溶液となっ
た。
約10時間で反応を完結させたのち、蒸留水1200gを加
えて50〜70℃で300〜100mmHg減圧下でベンゼンを留去さ
せ、ベンゼン臭がなくなった時点で蒸留水を添加してゲ
ル基材(20%ポリマースラリー水溶液)をえた。
えられたゲル基材の粘度を実施例1と同様にして測定
したところ、50cP(20℃)であった。また、元素分析の
結果は以下のとおりである。
(元素分析の測定結果) 計算値:C60.28、H9.50、N7.56(%) 測定値:C60.51、H9.64、N7.69(%) つぎにえられたゲル基材を用いて実施例1と同様にし
てジェルを調製し、該ジェルの物性を実施例1と同様に
して調べた。その結果を第1表に示す。
実施例3 実施例1において、溶媒としてエタノールのかわりに
ベンゼンを用いて20%ベンゼン溶液を調製したほかは実
施例1と同様にして重合し、均一なポリマースラリーベ
ンゼン溶液をえた。
えられたポリマースラリーベンゼン溶液に蒸留水1200
gを添加し、50〜70℃で300〜100mmHgの減圧下でベンゼ
ンを留去させ、ベンゼン臭がなくなった時点で蒸留水を
添加してゲル基材(20%ポリマースラリー水溶液)を調
製した。
えられたゲル基材の粘度を実施例1と同様にして測定
したところ、33500cP(20℃)であった。また元素分析
の結果は以下のとおりである。
(元素分析の測定結果) 計算値:C62.92、H8.75、N10.49(%) 測定値:C63.02、H8.93、N10.33(%) つぎにえられたゲル基材を用いて実施例1と同様にし
てジェルを調製し、該ジェルの物性を実施例1と同様に
して調べた。その結果を第1表に示す。
実施例4 実施例1でえられた20%ポリマースラリーエタノール
溶液を50〜70℃で300〜100mmHgの減圧下で720gを留去さ
せ、蒸留水を添加してゲル基材(20%ポリマースラリー
の水−エタノール溶液)をえた。
えられたゲル基材の粘度を実施例1と同様にして測定
したところ、8250cP(20℃)であった。また元素分析の
測定結果は以下のとおりである。
(元素分析の測定結果) 計算値:C62.92、H8.75、N10.49(%) 測定値:C62.77、H8.88、N10.31(%) つぎにえられたゲル基材を用いて実施例1と同様にし
てジェルを調製し、該ジェルの物性を実施例1と同様に
して調べた。その結果を第1表に示す。
実施例1および実施例4の結果から明らかなように、
溶媒としてエタノールを用いたばあいよりも水−エタノ
ール混合溶媒を用いたばあいのほうがえられるゲル基材
の粘度が大きくなることがわかる。
実施例5 実施例1において、ポリオキシエチレン(23)ジメタ
クリレート18gをエチレングリコールジメタクリレート
3.75gに変更したほかは実施例1と同様にしてゲル基材
をえた。
えられたゲル基材の粘度を実施例1と同様にして測定
したところ、1000cP(20℃)であった。また元素分析の
測定結果は以下のとおりである。
(元素分析の測定結果) 計算値:C63.33、H8.73、N10.99(%) 測定値:C63.01、H8.52、N10.78(%) つぎにえられたゲル基材を用いて実施例1と同様にし
てジェルを調製し、該ジェルの物性を実施例1と同様に
して調べた。その結果を第1表に示す。
実施例6 温度計、還流管およびチッ素導入管を備いた三つ口フ
ラスコに、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート120
g、ポリオキシエチレン(23)ジメタクリレート45gおよ
びN−ビニルピロリドン180gからなる20%エタノール溶
液を調製し、80℃にて還流を行ないながらチッ素気流下
で2時間撹拌して脱気した。
つぎに、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル0.9gを
三つ口フラスコに添加し、80℃で重合を開始した。重合
開始15分間経過後、反応溶液はゲル状となり、さらに重
合が進行するにつれて均一なスラリー溶液となった。
約10時間で反応を完結させ、エタノールで濃度の調整
を行ない、ゲル基材(20%ポリマースラリーエタノール
溶液)をえた。
えられたゲル基材の粘度を実施例1と同様に測定した
ところ、1000cP(20℃)であった。また、元素分析の測
定結果は以下のとおりである。
(元素分析の測定結果) 計算値:C62.65、H8.67、N10.92(%) 測定値:C62.61、H8.97、N10.99(%) つぎに、えられたゲル基材を用いて実施例1と同様に
してジェルを調製し、該ジェルの物性を実施例1と同様
にして調べた。その結果を第1表に示す。
実施例1および実施例6の結果から、一般式(I)で
表わされる(メタ)アクリル酸エステルにおいて、R1
水素原子であるばあい(実施例6)よりもメチル基であ
るばあい(実施例1)のほうが、えられるゲル基材の粘
度が大きいことがわかる。
実施例7 実施例1において、N,N−ジメチルアミノエチルメタ
クリレート120gをN,N−ジメチルアミノプロピルメタク
リレート120gに変更したほかは実施例1と同様にしてゲ
ル基材を調製した。
えられたゲル基材の粘度を実施例1と同様にして調べ
たところ、5860cP(20℃)であった。また、元素分析の
測定結果は以下のとおりである。
(元素分析の測定結果) 計算値:C63.68、H8.89、N10.21(%) 測定値:C63.74、H8.97、N10.29(%) つぎに、えられたゲル基材を用いて実施例1と同様に
してジェルを調製し、該ジェルの物性を実施例1と同様
にして調べた。その結果を第1表に示す。
実施例1および実施例7の結果から、一般式(I)で
表わされる(メタ)アクリル酸エステルにおいて、Aが
メチレン基であるばあい(実施例1)よりもプロピレン
基であるばあい(実施例7)のほうが、えられるゲル基
材の粘度が小さいことがわかる。
実施例8 実施例1において、ポリオキシエチレン(23)ジメタ
クリレート18gのかわりにポリオキシエチレン(9)ジ
メタクリレート18gを用いたほかは実施例1と同様にし
てゲル基材を調製した。
えられたゲル基材の粘度を実施例1と同様にして調べ
たところ、5050cP(20℃)であった。また、元素分析の
測定結果は以下のとおりである。
(元素分析の測定結果) 計算値:C62.99、H8.73、N10.5(%) 測定値:C62.96、H8.91、N11.0(%) つぎに、えられたゲル基材を用いて実施例1と同様に
してジェルを調製し、該ジェルの物性を実施例1と同様
にして調べた。その結果を第1表に示す。
実施例1、実施例5および実施例8の結果から、一般
式(II)で表わされるオキシアルキレンジ(メタ)アク
リル酸エステルにおいて、nが1であるばあい(実施例
5)、nが9であるばあい(実施例8)およびnが23で
あるばあい(実施例1)を対比して明らかなように、n
の数が大きくなるにしたがって、えられるゲル基材の粘
度が大きくなることがわかる。
実施例9 実施例1において、N,N−ジメチルアミノエチルメタ
クリレートの使用量を120gから60gに変更し、またN−
ビニルピロリドンの使用量を180gから240gに変更したほ
かは実施例1と同様にしてゲル基材を調製した。
えられたゲル基材の粘度を実施例1と同様にして調べ
たところ、100cP(20℃)た。また、元素分析の測定結
果は以下のとおりである。
(元素分析の測定結果) 計算値:C63.63、H8.48、N11.19(%) 測定値:C63.71、H8.25、N10.94(%) つぎに、えられたゲル基材を用いて実施例1と同様に
してジェルを調製し、該ジェルの物性を実施例1と同様
にして調べた。その結果を第1表に示す。
比較例1 実施例5において、溶媒としてエタノールのかわりに
シクロヘキサンを用いたほかは同様にして重合を開始し
たころ、約1時間でパウダー状のポリマーの析出が始ま
り、約10時間で析出を完結させた。
つぎに蒸留水1200gを加え、50〜30℃で300〜100mmHg
の減圧下でシクロヘキサンを留去させ、シクロヘキサン
臭がなくなった時点で蒸留水でゲル基材(20%ポリマー
スラリー水溶液)を調製した。
えられたゲル基材の粘度を実施例1と同様にして測定
したところ、50cP(20℃)であり、水を加えて5%に希
釈したのち、中和を試みたが、ジェルとはならずゾル状
の流動性液体となり、使用に供しえないものであった。
実験例1 実施例1でえられたゲル基材(20%ポリマースラリー
エタノール溶液)に水を加えて2%ポリマースラリー溶
液とし、各種中和剤を添加してpHと粘度(20℃)の関係
を調べた。なお、使用した粘度計はBH型粘度計オープン
カップローターNo.6である。その結果を第1図に示す。
第1図において、中和剤として(1)は乳酸、(2)は
リン酸、(3)はリンゴ酸、(4)はコハク酸を用いた
ばあいのpHと粘度の関係を示す。
第1図に示した結果から、中和剤の種類によってはゲ
ル基材の粘度が最大となるときのpH値が異なることがわ
かる。
実験例2 実施例1〜9でえられた各ゲル基材を、105℃、10mmH
gの減圧下で12時間乾燥させたのち、IRスペクトルによ
る分析を行なった。その結果、いずれの実施例において
もほぼ同様のスペクトルがえられた。
一例として、実施例1でえられたゲル基材について調
べたIRスペクトルを第2図に示す。なお、測定には分析
機器としてIR−460((株)島津製作所製)を用いた。
実験例3 実施例1〜9でえられた各ゲル基材を、105℃、10mmH
gの減圧下で12時間乾燥させたのち、理学電機(株)製T
G−8110およびTG−DTAを用いて重量熱分析を昇温速度5
℃/分、温度範囲50〜450℃にて行なった。その結果、
いずれの実施例においてもほぼ同様のスペクトルがえら
れた。
一例として、実施例1でえられたゲル基材についての
測定結果を以下に示す。
(吸熱ピーク)290℃ (DTA) なお、300℃以下では他にピークは認められなかっ
た。
実験例4 実施例1〜9でえられた各ゲル基材を、105℃、10mmH
gの減圧下で12時間乾燥させたのち、熱分解ガスクロマ
トグラフィを熱分解装置として日本分析工業(株)製JH
P−3S(分解温度:445℃、分解時間:6秒)、またガスク
ロマトグラフィとして(株)島津製作所製GC7AG(カラ
ム:OV101、4m、φ3mm、温度:70〜220℃、昇温速度:8℃
/分、検出器:FID、インジェクション温度:220℃、チッ
素ガス流量:1kg/cm2、水素ガス流量:0.6kg/cm2、空気流
量0.9kg/cm2)を用いて行なった。その結果、いずれの
実施例でえられたものについてもほぼ同様のスペクトル
がえられた。
一例として実施例1でえられたゲル基材についてのガ
スクロマトグラムを第3図に示す。
処方例1 実施例1でえられたゲル基材(20%ポリマースラリー
エタノール溶液)5gにイオン交換水82gを加えて分散さ
せたのち、10%乳酸水溶液3gを加え、pHを6〜7に調整
し、高速撹拌式ミキサーを用いて撹拌して均質なジェル
をえた。
つぎに、このジェルにカチオン系セッティングポリマ
ーとしてHCP−1(ジエチル硫酸ビニルピロリドン−N,N
−ジメチルアミノエチルメタクリル酸供重合体、大阪有
機化学工業(株)製、商品名)20gを加え、さらに高速
撹拌式ミキサーによりなめらかなクリーム状の透明ジェ
ルになるまで練り込みを行なって頭髪用セッティングジ
ェルを調製した。
えられた頭髪用セッティングジェルの物性として洗髪
性およびセット力を以下に示す方法にしたがって調べ
た。その結果を第2表に示す。
(洗髪性) 長さ25cmの毛髪2gに、セッティングジェル3gを均一に
手で塗布し、40℃の温風で60分間かけて乾燥を行なっ
た。この毛髪を30℃の0.5%市販洗髪剤(シャンプー)
含有温水中に浸漬し、撹拌して単位時間ごとのセッティ
ングジェルの除去状態を調べ、以下の評価基準に基づい
て評価した。
(評価基準) ◎:30分間以内でぬめりなく、完全に洗髪除去すること
ができる。
○:40分間以内でぬめりなく、完全に洗髪除去すること
ができる。
△:40分間経過時にややぬめりがあり、幾分か存在して
いる。
×:40分間以上でも、ぬめりが残り、洗髪除去すること
ができない。
(セット力) 長さ25cmの毛髪2gに、セッティングジェル3gを均一に
手で塗布した。この毛髪を外径1.2cmのカーラーに巻
き、40℃の温風で60分間かけて乾燥したのち、カーラー
から毛髪をはずし、温度30℃、相対湿度80%の雰囲気中
に垂直に吊した直後の長さ(l1)と1時間放置後の長さ
(l2)を測定し、カールリテンションを次式から算出し
た。
なお、カールリテンションが大きいものほどセット力
が大きいことを示し、本発明においてはカールリテンシ
ョンが60%以上のものが合格基準を満足する。
処方例2 処方例1において、実施例1でえられたゲル基材(20
%ポリマースラリーエタノール溶液)のかわりに、実施
例3でえられたゲル基材(20%ポリマースラリー水溶
液)を用いたほかは処理例1と同様にして頭髪用セッテ
ィングジェルを調製した。
えられた頭髪用セッティングジェルの物性を処方例1
と同様にして調べた。その結果を第2表に示す。
第2表に示した結果から明らかなように、本発明のゲ
ル基材を用いた頭髪用セッティングジェルは、洗髪性お
よびセット力にすぐれたものである。
[発明の効果] 本発明のゲル基材は、セッティングポリマーに汎用さ
れているノニオン系ポリマーは勿論のこと、カチオン系
ポリマーとの相溶性が良好であるので、たとえば頭髪溶
化粧品用ゲル基材などとして広範囲に使用しうるもので
ある。
また、本発明のゲル基材は、N−ビニルラクタムなど
のビニルモノマーを構成成分としたものであるから、た
とえば頭髪などに対して柔軟性にすぐれたコーティング
フィルムを形成し、すぐれたセッティング効果を奏する
ものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のゲル基材を調製する際に用いた各中和
剤のpHと粘度の関係を示すグラフ、第2図は本発明の実
施例1でえられたゲル基材のIRスペクトルを示すグラ
フ、第3図は本発明の実施例1でえられたゲル基材のガ
スクロマトグラムである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I): (式中、R1は水素原子またはメチル基、R2およびR3はそ
    れぞれメチル基またはエチル基、Aは直鎖状または側鎖
    を有する炭素数1〜4のアルキレン基を示す)で表わさ
    れる(メタ)アクリル酸エステル15〜85重量%、 一般式(II): (式中、R1およびAは前記と同じ、nは1〜40の整数を
    示す)で表わされるオキシアルキレンジ(メタ)アクリ
    ル酸エステル0.1〜20重量%および 一般式(III): (式中、mは3または4を示す)で表わされるビニルモ
    ノマー0〜80重量% からなる共重合体を主材としてなるゲル基材。
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