JP3957412B2 - 吸水性ゲル溶液の製法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸水性ゲル溶液の製法に関する。さらに詳しくは、耐塩性、保水性などにすぐれ、たとえば化粧料、医療用材料として好適に使用し得る吸水性ゲル溶液の製法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、各種吸水性ゲルに関する研究がさかんに行なわれており、たとえばポリアクリル酸架橋ポリマーのアルカリ中和塩などからなるポリカルボキシアニオンのゲル基剤が代表的なものとして知られている(特公昭32−4141号公報および特開昭51−46586号公報)。さらに最近では、ポリアミノ(メタ)アクリレート架橋ポリマーの酸中和塩などからなるポリアミノカチオンのゲル基材も開発されている(特開平4−4284号公報)。
【0003】
しかしながら、前記ゲル基材は、いずれも電解質ポリマーからなるものであるため、吸水ゲルが塩類などの添加物の影響を受けやすく、また各々のカウンターイオンとなる電解質ポリマーを配合すると凝集分離するなど、その添加物や配合成分に制限があるといった欠点を有するものであることが明らかになってきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記従来技術に鑑みてなされたものであり、塩類の添加物や電解質ポリマーの配合に影響されにくく、さらに保水性にもすぐれた吸水性ゲル溶液を容易に製造する方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、一般式(I):
【0006】
【化3】
Figure 0003957412
【0007】
(式中、n/m(モル比)は80/20〜95/5、n+mは300〜700の整数を示す)で表わされる繰り返し単位を有する変性ポリビニルアルコールを、オキシラジカルを発生する過酸化物系重合開始剤にて加熱処理したのち、
該変性ポリビニルアルコール100重量部に対して、一般式(II):
【0008】
【化4】
Figure 0003957412
【0009】
(式中、Rは水素原子またはメチル基、xは5〜30の整数を示す)で表わされる架橋性モノマー(A)10〜90重量部を水中にてグラフト共重合させることを特徴とする吸水性ゲル溶液の製法に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の吸水性ゲル溶液の製法では、一般式(I):
【0011】
【化5】
Figure 0003957412
【0012】
(式中、n/m(モル比)は80/20〜95/5、n+mは300〜700の整数を示す)で表わされる繰り返し単位を有する変性ポリビニルアルコールを、オキシラジカルを発生する過酸化物系重合開始剤にて加熱処理したのち、
該変性ポリビニルアルコール100重量部に対して、一般式(II):
【0013】
【化6】
Figure 0003957412
【0014】
(式中、Rは水素原子またはメチル基、xは5〜30の整数を示す)で表わされる架橋性モノマー(A)10〜90重量部を水中にてグラフト共重合させる。
【0015】
前記一般式(I)で表わされる繰り返し単位を有する変性ポリビニルアルコールは、得られる吸水性ゲルに好適な親水性を付与するものであり、また多価アルコールであるので、電解質に影響されずに、周辺の水分子を吸収することができる。
【0016】
一般式(I)において、nとmとの割合n/m(モル比)(すなわち、nは変性ポリビニルアルコールのケン化度(モル%)を示す)は、変性ポリビニルアルコール中の親水部が少なくなり、充分な水溶性が得られなくならないようにするには、80/20以上、好ましくは85/15以上である。また、変性ポリビニルアルコール中の水酸基密度が高くなりすぎて分子内での水素結合が強く、かえって水溶性が低下しないようにするには、かかるn/m(モル比)は95/5以下、好ましくは90/10以下である。
【0017】
また一般式(I)において、n+m(すなわち、変性ポリビニルアルコールの重合度を示す)は、得られる吸水性ゲルに充分な保水力を付与するには、300以上の整数、好ましくは400以上の整数である。また、後述する架橋性モノマー(A)でのグラフト共重合の際に、反応液の粘度が高く推移してグラフト化が充分に進行せず、架橋性モノマー(A)同士のポリマーである、水に膨潤しない不溶解分が副生しないようにするには、かかるn+mは700以下の整数、好ましくは600以下の整数である。
【0018】
本発明の製法では、まず前記変性ポリビニルアルコールを加熱処理する。
【0019】
前記加熱処理は、変性ポリビニルアルコールをたとえば精製水中に充分に溶解させたのち、撹拌しながら、これにオキシラジカルを発生する過酸化物系重合開始剤を添加し、たとえばチッ素ガス、アルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気中で加熱して行なう。かかる加熱処理により、変性ポリビニルアルコール中にラジカル部位が発生する。
【0020】
前記オキシラジカルを発生する過酸化物系重合開始剤としては、たとえば過酸化ベンゾイル、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、ジ−t−ブチルパーオキサイドなどがあげられる。
【0021】
過酸化物系重合開始剤の量にはとくに限定がないが、変性ポリビニルアルコール中に適度のラジカル部位を発生させるには、変性ポリビニルアルコール100重量部(以下、部という)に対して0.05〜4部程度、好ましくは1〜3部程度であることが望ましい。
【0022】
過酸化物系重合開始剤を添加した変性ポリビニルアルコールを不活性ガス雰囲気中で加熱する際の加熱温度は、分解した重合開始剤由来のオキシラジカルにより、変性ポリビニルアルコールのOH基根元のHを効率よく引き抜くには、80℃以上、好ましくは90℃以上であることが望ましい。また、変性ポリビニルアルコールに生じるラジカル部位の発生量を重合開始剤量にて制御し、単純な過加熱によるラジカル部位の発生の暴走を抑制するには、かかる加熱温度は110℃以下、好ましくは100℃以下であることが望ましい。なお、かかる加熱時間にはとくに限定がないが、たとえば変性ポリビニルアルコールに発生させたラジカル部位は反応性が高く、消失しやすいことを考慮すると、15分間〜1.5時間程度であることが好ましい。
【0023】
つぎに、前記のごとく加熱処理された変性ポリビニルアルコールに対して、一般式(II)で表わされる架橋性モノマー(A)を水中にてグラフト共重合させる。
【0024】
前記一般式(II)で表わされる架橋性モノマー(A)は、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリル酸エステルであり、得られる吸水性ゲルに好適なゲル粘度を付与するものである。
【0025】
一般式(II)において、架橋性モノマー(A)の親水性が低すぎて、グラフト反応液(水)から分離した、水に膨潤しない不溶解分が副生しないようにするには、xは5以上の整数、好ましくは7以上の整数である。また、架橋性モノマー(A)中の二重結合当量が低くなり、グラフト反応液中での二重結合密度も低くなりやすく、グラフト共重合が不完全とならないようにするには、xは30以下の整数、好ましくは25以下の整数である。
【0026】
変性ポリビニルアルコールにグラフト共重合させる架橋性モノマー(A)の量は、架橋効果が充分に発現され、ゲル状態を呈するようにするには、変性ポリビニルアルコール100部に対して10部以上、好ましくは20部以上である。また、得られる吸水性ゲル溶液中のゲルの架橋密度が高くなりすぎ、ざらつきが多く、かえって吸水力が低い、ゲルと溶液(水)とが分離した状態とならないようにするには、架橋性モノマー(A)の量は、変性ポリビニルアルコール100部に対して90部以下、好ましくは80部以下である。
【0027】
なお、前記架橋性モノマー(A)は単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0028】
さらに、本発明においては、吸水性ゲル溶液の用途に応じ、たとえばその感触を変化させる目的で、変性ポリビニルアルコールに対してグラフト共重合可能かまたは架橋性モノマー(A)と共重合可能なエチレン性不飽和モノマー(B)(以下、モノマー(B)という)を、架橋性モノマー(A)とともにグラフト共重合に供することができる。
【0029】
前記モノマー(B)としては、たとえば(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸などの酸性モノマー;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミドなどのチッ素含有モノマー;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどの水酸基含有モノマー;該水酸基含有モノマーのメチルエーテル化合物などがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。なお、これらモノマー(B)の種類によって、変性ポリビニルアルコールに対してグラフト共重合反応が起こったり、架橋性モノマー(A)との共重合反応が起こったりする。
【0030】
架橋性モノマー(A)とともにグラフト共重合に供するモノマー(B)の量は、かかるモノマー(B)を用いたことによる効果を充分に発現させるには、変性ポリビニルアルコール100部に対して0.1部以上、好ましくは1部以上であることが望ましい。また、得られる吸水性ゲル溶液に析出物が生じないようにするには、モノマー(B)の量は、変性ポリビニルアルコール100部に対して25部以下、好ましくは20部以下であることが望ましい。
【0031】
前記のごとく架橋性モノマー(A)および必要に応じてモノマー(B)を所定量となるように調整したのち、これらを前記加熱処理された変性ポリビニルアルコールに添加し、精製水などの水中にて(たとえば、変性ポリビニルアルコールの水溶液に添加し)グラフト共重合させる。なお、グラフト共重合の際には、反応原料である変性ポリビニルアルコールの濃度、ならびに架橋性モノマー(A)およびモノマー(B)の濃度の総量が、仕込全量の15〜30重量%程度、なかんづく20〜25重量%程度となるようにすることが好ましい。
【0032】
グラフト共重合させる際の重合温度は、過酸化物系重合開始剤の種類などによって異なるので一概には決定することができないが、通常重合開始剤の10時間半減期温度程度とすることが好ましい。また重合時間にもとくに限定がないが、あまりにも短い場合には、重合が不完全となり、未反応モノマーが残存することがあるため、5時間以上、好ましくは5〜25時間程度とすることが望ましい。なお、グラフト共重合の際には、過酸化物系重合開始剤を適宜追添してもよい。
【0033】
重合反応中、その進行にともなって反応水溶液の状態は初期の粘性液体から徐々にゲル状液体へと変化していく。なお、重合反応の終了は、たとえば化粧品原料基準外成分規格(1993)記載のアクリル残存モノマー試験法などの一般的な分析方法にて未反応モノマーの有無を分析して確認することができる。
【0034】
かくして重合反応の終了により、吸水性ゲル溶液が得られる。
【0035】
得られた吸水性ゲル溶液は、通常10〜20重量%程度のゲル濃度の水溶液として用いることが好ましい。また、たとえばエタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどで代表される一価〜三価アルコールを、単独でまたは2種以上を混合して吸水性ゲル溶液に添加することができる。該一価〜三価アルコールの添加量は、吸水性ゲル溶液に含有される水に対して100重量%をこえない量であることが好ましく、適宜任意の処方で用いることができる。
【0036】
本発明の製法によって得られる吸水性ゲル溶液は、耐塩性、保水性などにすぐれたものであるので、たとえば該吸水性ゲル溶液に、化粧料、医療用材料などの用途に応じて各種添加剤を加え、たとえば美顔マッサージゲルや薬用軟膏剤などの皮膚用ゲル基剤の原料として好適に使用することができる。
【0037】
【実施例】
つぎに、本発明の吸水性ゲル溶液の製法を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0038】
実施例1
ポリエチレングリコールジアクリレート(x=14、以下、PEGDAという)60部に精製水240部を加えて混合し、20重量%架橋性モノマー(A)水溶液を調製した。
【0039】
つぎに、還流冷却器、滴下ロート、温度計、チッ素ガス導入管および撹拌装置を取り付けた5つ口フラスコに、ポリビニルアルコール粉末(キシダ化学(株)製、ケン化度:86.5〜89モル%、重合度:約500、以下、PVAという)100部を添加し、ついでPVAの濃度が20重量%となるように精製水を添加してPVA水溶液を調製した。
【0040】
さらに、以降前記フラスコ内がチッ素ガス雰囲気となるようにチッ素ガス気流下で、重合開始剤として過酸化ベンゾイル2部を添加して95℃で1時間加熱しながら撹拌した。加熱処理後、20分間かけてフラスコ内溶液の温度を65℃まで撹拌冷却した。
【0041】
つぎに、前記架橋性モノマー(A)水溶液の1/3量を、65℃で撹拌しながら1時間かけて前記フラスコ内に滴下したのち、15分間エージングし、10重量%過硫酸アンモニウム水溶液0.5部を追添してさらに15分間エージングした。この架橋性モノマー(A)水溶液の滴下からさらなる15分間のエージングまでの操作をさらに2回繰り返し、架橋性モノマー(A)水溶液の全量をフラスコ内に滴下した。
【0042】
架橋性モノマー(A)水溶液の滴下終了から45分後、さらに10重量%過硫酸アンモニウム水溶液0.5部を追添し、65℃のまま6時間重合を行ない、反応を完結させてゲル濃度が20重量%の吸水性ゲル溶液を得た。なお、反応の完結は化粧品原料基準外成分規格(1993)記載のアクリル残存モノマー試験法による分析で未反応モノマーがないことから確認した。
【0043】
実施例2〜6
実施例1において、PVA水溶液の濃度、ならびに滴下用モノマー(架橋性モノマー(A)およびモノマー(B))の種類、量および水溶液の濃度を表1に示すように変更したほかは、実施例1と同様にして吸水性ゲル溶液を得た。
【0044】
得られた吸水性ゲル溶液の最終ゲル濃度は、精製水にて20重量%に調整した。
【0045】
なお、表1中の略号は以下のことを示す。
【0046】
PVA:ポリビニルアルコール(ケン化度:86.5〜89モル%、重合度:約500)
PEGDA:ポリエチレングリコールジアクリレート
PEGDMA:ポリエチレングリコールジメタクリレート
AA:アクリル酸
MAA:メタクリル酸
DMMA:N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート
HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート
EA:エチルアクリレート
DAAm:ダイアセトンアクリルアミド
NVA:N−ビニルアセトアミド
MTPEGMA:メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(重合度:23)
【0047】
【表1】
Figure 0003957412
【0048】
比較例1
還流冷却器、滴下ロート、温度計、チッ素ガス導入管および撹拌装置を取り付けた5つ口フラスコにPVA 100部を添加し、ついでPVAの濃度が20重量%となるように精製水を添加してPVA水溶液を調製した。
【0049】
ついで、フラスコ内に実施例1で調製した20重量%架橋性モノマー(A)水溶液を全量添加し、以降該フラスコ内がチッ素ガス雰囲気となるようにチッ素ガス気流下で撹拌した。
【0050】
さらに、重合開始剤として過酸化ベンゾイル2部を添加し、65℃にて撹拌しながら重合反応を行なった。しかしながら、重合開始剤の添加後、反応系内に細かい凝集物が多く発生し、約3時間後にはざらざらした不均一なゲル凝集液となった。よって、目的物である均一な吸水性ゲル溶液を得ることができなかった。
【0051】
比較例2
比較例1において、重合開始剤として過酸化ベンゾイル2部のかわりにN,N−アゾビスイソブチロニトリル1部を用いたほかは、比較例1と同様にして重合反応を行なった。しかしながら、重合開始剤の添加後、反応系内に細かい凝集物が多く発生し、約2時間後にはざらざらした不均一なゲル凝集液となった。よって、目的物である均一な吸水性ゲル溶液を得ることができなかった。
【0052】
試験例1
実施例1〜6で得られた吸水性ゲル溶液および比較例1〜2で得られたゲル凝集液について、以下に示す方法にしたがって各物性を調べた。また、20重量%PVA水溶液についても同様にして物性を調べた(比較例3)。その結果を表2に示す。なお、以下に試験液とあるのは、吸水性ゲル溶液、ゲル凝集液またはPVA水溶液のことをいう。
【0053】
(1)外観
試験液の外観を目視にて観察した。
【0054】
(2)エタノール分散性
試験液:エタノール(体積比)が100:80となるようにして試験液をエタノールに分散させ、室温にて1時間放置したのち、分散性を目視にて観察した。
【0055】
(3)粘度
BH型粘度計を用い、オープンカップ200ccトールビーカー、ローターNo.4、回転数2rpmで、25℃での試験液(サンプル量:150g)の回転粘度(mPa・s)を測定した。
【0056】
(4)耐塩粘度
試験液:食塩(重量比)が100:1となるようにして食塩を試験液に溶解させ、このときの粘度(mPa・s)を前記(3)粘度と同様にして測定した。
【0057】
(5)保水性
調製直後の試験液を室温で放置したときの固形分(均一ゲルまたはゲル凝集物)からの分離水の発生状態を目視にて観察し、以下の評価基準に基づいて評価した。
【0058】
(評価基準)
◎:24時間以上放置したのちであっても、分離水は観察されなかった。
○:12時間以上、24時間未満放置後、分離水が発生した。
△:12時間未満で分離水が発生した。
×:調製直後すでに分離水が発生していた。
【0059】
【表2】
Figure 0003957412
【0060】
表2に示された結果から、実施例1〜6で得られた吸水性ゲル溶液は、均一な半透明ゲルであり、エタノールとの分散性もよく、比較例3のPVA水溶液の粘度を大きく増大することができるものであることがわかる。さらに実施例1〜6の吸水性ゲル溶液は、吸水性ゲルを構成する樹脂の主成分が水酸基およびオキシアルキレン基であるので、生理食塩水程度の塩分による影響は受けず(粘度の変化がほとんどなく)、耐塩性にすぐれたものであり、さらに保水性にもすぐれたものであることがわかる。
【0061】
【発明の効果】
本発明の製法によれば、耐塩性および保水性にすぐれ、たとえば化粧料、医療用材料などとして好適に使用し得る吸水性ゲル溶液を容易に製造することができる。

Claims (3)

  1. 一般式(I):
    Figure 0003957412
    (式中、n/m(モル比)は80/20〜95/5、n+mは300〜700の整数を示す)で表わされる繰り返し単位を有する変性ポリビニルアルコールを、オキシラジカルを発生する過酸化物系重合開始剤にて加熱処理したのち、
    該変性ポリビニルアルコール100重量部に対して、一般式(II):
    Figure 0003957412
    (式中、Rは水素原子またはメチル基、xは5〜30の整数を示す)で表わされる架橋性モノマー(A)10〜90重量部を水中にてグラフト共重合させることを特徴とする吸水性ゲル溶液の製法。
  2. 80〜110℃で変性ポリビニルアルコールを加熱処理する請求項1記載の吸水性ゲル溶液の製法。
  3. 変性ポリビニルアルコール100重量部に対して、該変性ポリビニルアルコールに対してグラフト共重合可能かまたは架橋性モノマー(A)と共重合可能なエチレン性不飽和モノマー(B)0.1〜25重量部を、架橋性モノマー(A)とともにグラフト共重合に供する請求項1または2記載の吸水性ゲル溶液の製法。
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