JP3032094U - 印液浸透式スタンプ用の弾性部材及び印液浸透式スタンプ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 印版の略全域に略均等な垂直方向の押圧力が
かかるようにした印液浸透式スタンプを提供すると共に
この印液浸透式スタンプ用の弾性部材を提供する。 【解決手段】 左右対称弓形の弾性体を設けて、その上
部に弾性基板を一体に設け、この基板に複数の透孔を設
けてある弾性部材を外ケースの内部にある水平壁の上に
載置し、上部に円筒を設けた印版体が、弾性部材に形成
した貫通孔及び外ケースに形成した透孔に貫通するよう
にし、印版体の中央に設けた円筒の上部に形成した溝に
ストッパーを留めて、外ケースの上部の外側を覆うよう
にして蓋内に設けた円筒が印版体に設けた円筒と連繋す
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、印液浸透式スタンプ用の弾性部材および該弾性部材を装着させたス タンプ台を不要とし鮮明な印影を押捺できる印液浸透式スタンプに関する。

【０００２】

【従来の技術】

印面部材を印液の浸透可能な材質からつくり、この印面部材を印版体ケースの 下端に装着し、印版体ケース内に印液を充填させておき、印液を印面部材に徐々 に滲み出るようにした印液浸透式スタンプは公知である。

【０００３】 この公知の印液浸透式スタンプは、図１に示すように印版体ケース２の空間内 に印版体１を構成し、印版体ケース２の中央部から円筒部３を一体に立ち上げて 設けてあり、この印版体１を外ケース４内に上下動可能に収め、外ケース４の上 部中間位置に設けた水平壁５の中央に形成したガイド６付透孔７に上記円筒部３ を貫通させていた。そして外ケース４の上部に上下動可能に下端部を装入した蓋 材８内に上記印版体１の円筒部３の上端と連繋する下向き円筒部９を設け、該印 版体１の円筒部３の中間位置外周に設けたストッパー１０と透孔７のガイド６と の間に巻きバネ１１を介在させて構成していた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

従来公知の印液浸透式スタンプは、上記した通り、印版体１の中央に設けた円 筒部３に巻きバネを装着して構成したから、押印作業の際、押印される紙面に平 行して印面全域に均等な押圧力をかけることが困難で、印版体にぐらつきが生じ 、押圧力に強弱がでて、強く押された部分の印影にべたつきが生ずるという問題 点があり、均質かつ鮮明な印影が得られないと言う問題点があった。 その結果、従前の印液浸透式スタンプでは、その製造時に精度の高さが要求さ れるという問題点があった。

【０００５】 本考案は、上記従前公知の印液浸透式スタンプの問題点に艦み、印面部材の略 全域に略均等な押印力が働き、べたつきのない鮮明かつ均質な印影が得られる新 規な印液浸透式スタンプ用の弾性部材と、この弾性部材を使用する新規な印液浸 透式スタンプを提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するために手段】

上記課題を解決するために本考案の弾性部材は、複数の貫通孔を有する弾性基 板と、該弾性基板の下部に略均等な垂直方向の押圧力がかかる弾性体を一体に設 けてあることを特徴とするものである。

【０００７】 また、上記弾性部材を装着した印液浸透式スタンプは、印面部材を有し上部に 複数の起立する円筒部を一体に設けてある印版体と、中間に複数の透孔を有する 水平壁を設けた外ケースと、複数の透孔を有する弾性基板に弾性体を一体に設け た弾性部材と、内部に下向きの円筒部を設けた蓋とからなり、上記弾性部材を外 ケースの水平壁上に載置し、印面部材を外ケース内に収め、その複数の起立する 円筒部を外ケースの水平壁の透孔及び弾性部材の透孔を貫通させ、ストッパーに よって弾性部材と印版体とを連結すると共に、蓋を被せてその下向き円筒部と印 版体の円筒部とを連繋し、この蓋を押下することにより印版体を弾性部材の弾性 力に抗して押下できるようにしてあることを特徴とするものである。

【０００８】 本考案印液浸透式スタンプでは、これを紙面に押圧すると、印液用蓋が弾性部 材と連動するようにすることによって、印版体が先ず外ケースの中間の水平壁の 上面に装着された弾性体の押圧力に抗して押し下げられ、印面が紙面に対して略 均等な圧力で押圧される。次いでこの印版体の押圧力は弾性部材によって吸収さ れ、印面部材の印面は略均等に紙面に押圧され、均質な印影が押される。

【０００９】

【考案の実施の形態】

考案の実施の形態は実施例にもとづき図面を参照して説明する。 図２は本考案の好ましい実施例の弾性部材２１を示してある。この弾性部材２ １は弾性基板２３と弓形状に形成した弾性体２２とからなる。この弾性体２２は その中心部が丁度最高点になるように左右対称の弓形状にしている。略均等な垂 直方向の押圧力がかかるようするために、まず、弾性体２２を前後に設けて、弾 性体２２の上端に弾性基板２３を一体になるように型形成する。弾性基板２３に は中央及びその左右に貫通孔２４ａ，２４ｂ，２４ｃを設けてあり、中央の貫通 孔２４ａを弾性体２２の中心に位置付け、この貫通孔２４ａは左右対称にある貫 通孔２４ｂ，２４ｃよりも径を大きくしてある。さらに、中央の貫通孔２４ａの 上部には突起部２４Ａを設けた。弾性部材２１はポリアセタールで構成すると最 適である。弾性部材２１は、弾性基板２３に押圧力を加えると弾性体２２は前後 左右略均等に押し下げられる。そして、弾性体２２は押圧を終わらせると最初の 形状状態に戻るようになっている。 本実施例では、弾性基板２３は方形状であるので四隅に弾性体２２の先端が来 るようになっているが、弾性基板２３が円形、楕円形、多角形状のものでもよく 、それに応じて、弾性体２２も略均等に垂直方向の押圧力がかかるような形状に すればよい。

【００１０】 図３及び図４は本考案の好ましい実施例の上記弾性部材２１を装着した本発明 印液浸透式スタンプの好ましい実施例を示している。印版体２５は印版体ケース ２６の上面壁２８の中央及び左右に起立する円筒部２９ａ，２９ｂ，２９ｃを設 けて一体に構成している。上面壁２８の中央の円筒部２９ａは左右の円筒部２９ ｂ，２９ｃより径を大きくしてあり、さらに、上方には弾性部材２１を固定させ るためのストッパー４０を押さえるために溝３０を形成してあり、さらに、溝３ ０の上部には印液用蓋３８の内部に設けた円筒部３９ａに嵌入させるための突出 部３１を設けている。また、この円筒部２９ａの上端は開放してあり、この開口 から印液を補充することができるようにしてある。印面部材２７はポリプロピレ ンやポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂の連続気孔体によって構成していて 、印版体ケース２６も同質のポリオレフィン系樹脂によって構成してあり、これ らの間には熱融着をさせ印液の漏れを防止するようにしてある。 本考案では印面部材２７及び印版体２６にポリオレフィン系樹脂を用いたが、 印面部材２７及び印版体ケース２６は必ずしもポリオレフィン系樹脂に限定させ る必要はない。

【００１１】 図中３２の外ケースは段部３５によって上下部を分けており、段部３５の内部 には水平壁３３を設けてあり、さらに、段部３５から下方に垂下するスカート部 ３６を有してある。水平壁３３の中央及び左右に透孔３４ａ，３４ｂ，３４ｃを 形成し、印版体２５の円筒部２９ａ，２９ｂ，２９ｃの各々が貫通できるように 構成している。また、スカート部３６の内部に印版体ケース２６及び印面部材２ ７が収納できるようにしてある。さらに、スカート部３６の下部にはスタンプキ ャップ３７が着脱可能になるように段状に形成されている。

【００１２】 図中３８は外ケース３２上に被せるための蓋であり、この蓋３８の内側には円 筒部３９ａ，３９ｂ，３９ｃを設けてあり、中央の円筒部３９ａは印版体２５の 中央の円筒部２９ａの突出部３１を嵌入できるようにし、左右の円筒部３９ｂ， ３９ｃは印版体２５の左右の円筒部２９ｂ，２９ｃの上端に載置できるようにし てある。

【００１３】 印版体２５に設けた円筒部２９ａ，２９ｂ，２９ｃを外ケース３２の中間の水 平壁３３の透孔３４ａ，３４ｂ，３４ｃに各々貫通させて印版体２５を外ケース ３２内に収めてある。そして弾性部材２１を外ケース３２の水平壁３１上に載置 して外ケース内に収めてある。印版体２５の円筒部２９ａ，２９ｂ，２９ｃを弾 性部材２１の弾性基板２３に形成している貫通孔２４ａ，２４ｂ，２４ｃに貫通 させて位置付けてある。弾性部材２１が略均等に押圧力がかかるようにする為、 印版体２５に設けた中央の円筒部２９ａの上方に形成した溝３０を弾性部材２１ の中央の貫通孔２４ａの突起部２４Ａの直上に位置付け、この溝３０にストッパ ー３１を係止する。そして印版体２５の中央の円筒部２９ａの上部に設けた突出 部３１に蓋３８の内側に設けてある中央の円筒部３９ａを被せ、蓋３８に設けて ある左右の円筒部３９ｂ，３９ｃを印版体２５の左右の円筒部２９ｂ，２９ｃの 上端に載置して、蓋３８を外ケース３２の上部に被せる。

【００１４】 上記の通りの構成からなる本考案印液浸透液スタンプは、その蓋３８を把持し て紙面に押圧すれば、蓋３８はストッパー４０によって弾性部材２１と連動する ようにし、さらに弾性部材２１及び外ケース３２の中央の貫通孔２４ａ及び透孔 ３４ａ、また、印版体２５及び蓋３８の中央の円筒部２９ａ，３９ａは左右の夫 々より径が大きくしてあるので、弾性基板２３が中心に押圧力がかかるようにな っており、一体になっている弾性体２２の弾圧力に抗して印版体２５を押し下げ 、その印面部材２７の印面を紙面に圧接する。この際印面部材２７には略全域に 略均等な押圧力がかけられる。次いで印版体２５が押圧されると、この押圧力は 弾性部材２１の弾性体２２によって吸収されることになる。 実施例では、方形状のものを示したが、円形、楕円形、多角形状のものであっ てもよく、また、実施例は方形状のものを示したので円筒部２９，３９、貫通孔 ２４及び透孔３４は中央及び左右に設けたが、円形、楕円形、多角形状のもので あるならば印面部材２７が略全域に略均等に押圧力がかかるように円筒部２９， ３９、貫通孔２４及び透孔３４を中央部とその他に複数設ければよい。

【００１５】

【考案の効果】

本考案は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような 効果を奏する。 本考案弾性部材は、弾性基板と弾性体を一体にし、方形状の四隅に弾性体の先 端が来るようにしたので、弾性基板の中心を押圧すると略全域に略均等に押圧力 がかかる。また、構造が比較的単純であるので、比較的製造し易く、簡易に製造 できるという効果を有する。

【００１６】 また、本考案上記弾性部材を装着した印液浸透式スタンプはスタンプの上部に ある蓋を押圧するだけで、弾性部材の中心に押圧力がかかるから、印面部材の略 全域に略均等に押圧力がかかり、均質かつ鮮明な印影が得られる。また、弾性基 板は印面部材と略同様の面積なので、弾性基板の吸収作用によって押印したとき の感触がよく、押印作業を楽に行うことが出来、作業疲労を少なくすることがで きるという利点があり、さらに、構造が比較的単純であるので、比較的製造し易 く、簡易に製造できるという効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】従前公知の印液浸透式スタンプの半断面斜面図
である。

【図２】本考案弾性部材の斜面図である。

【図３】本考案印液浸透式スタンプの構造を示すための
半断面斜面図である。

【図４】本考案印液浸透式スタンプの分解斜面図であ
る。

【符号の説明】

２１ 弾性部材 ２２ 弾性体 ２３ 弾性基板 ２４ａ，２４ｂ，２４ｃ 貫通孔 ２５ 印版体 ２６ 印版体ケース ２７ 印面部材 ２８ 上面壁 ２９ａ，２９ｂ，２９ｃ 円筒部 ３０ 溝 ３１ 突出部 ３２ 外ケース ３３ 水平壁 ３４ａ，３４ｂ，３４ｃ 透孔 ３５ 段部 ３６ スカート部 ３７ スタンプキャップ ３８ 蓋 ３９ａ，３９ｂ，３９ｃ 円筒部 ４０ ストッパー

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数の貫通孔を有する弾性基板と、該弾
   性基板の下部に略均等に垂直方向の押圧力がかかる弾性
   体を一体に設けてあることを特徴とする印液浸透式スタ
   ンプ用の弾性部材。
2. 【請求項２】 上記弾性体を弓形状に形成してある請求
   項１記載の印液浸透式スタンプ用の弾性部材。
3. 【請求項３】 印面部材を有し上部に複数の起立する円
   筒部を一体に設けてある印版体と、中間に複数の透孔を
   有する水平壁を設けた外ケースと、複数の透孔を有する
   弾性基板に弾性体を一体に設けた弾性部材と、内部に下
   向きの円筒部を設けた蓋とからなり、上記弾性部材を外
   ケース内に収め、その複数の起立する円筒部を外ケース
   の水平壁の透孔及び弾性部材の透孔を貫通させ、ストッ
   パーによって弾性部材と印版体とを連結すると共に、蓋
   を被せてその下向き円筒部と印版体の円筒部とを連繋
   し、この蓋を押下することにより印版体を弾性部材の弾
   性力に抗して押下できるようにしてあることを特徴とす
   る印液浸透式スタンプ。