JP3580873B2 - 印判 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、スポンジゴム等の連続気泡を有する多孔性ゴム印材よりなるインキを含浸可能な印字体を装着した印判に関する。
【0002】
【従来の技術】
印字体をホルダーに装着した印判は、ホルダーに対して印字体が回転することがあり、外ケースの方向表示と印字体の印字の向きとにずれが生じる問題があった。このような問題を解決するものとして、従来、実公平2−43745号公報に示されたように、先端が尖った突起を印字体収納部に設けて、その突起を印字体にくい込ませることにより印字体の回転を防ぐように構成した印判が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この種の印判には、上記のように印字体が回転する問題と、捺印時に過度の押圧力が加えられたときに印字体が圧潰されて含浸されているインキが過剰に流出して印影が滲み鮮明な印影が得られないという問題もある。そこで、本発明は、このような問題を同時に解決できる斬新な印判の提供を目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の印判は、連続気泡を有する多孔性ゴム印材よりなる印字体1の裏面を凹凸状となし、その印字体1の裏面における凸部8の割合を15〜30%とし、かつ、印字体1の裏面における各凸部8の断面積を0.12〜1.13mm とし、その印字体1を収納する印字体ホルダー2において印字体1の裏面が当接する受座3に印字体1の裏面の凹部4に嵌入する小突起を設けたことを特徴とする構成としたものである。尚、ここで各凸部8の断面積とは、印面に平行な横断面の面積をいうものとする。
【0005】
尚、小突起は、四角柱状のリブ5又は断面台形状のリブ6としたり、又は、テーパ状のリブ7とすることができる。
【0006】
【作用】
印字体1の裏面を凹凸状として、その凹部4に印字体ホルダー2に設けた小突起を嵌入させることによって印字体1の回転が阻止される。また、印字体1の裏面を凹凸状として、その裏面における凸部8の割合を15〜30%とし、かつ、印字体1の裏面における各凸部8の断面積を0.12〜1.13mm としたことにより、過度の押圧力が加えられたときに、その裏面の凸部8が適度のクッション性を発揮して印字体1の圧潰を防ぐ。
【0007】
【実施例】
以下、図示した実施例について説明する。まず図1〜図4は第1実施例を示したものである。符号1が連続気泡を有する多孔性ゴム印材よりなる丸形の印字体であり、この印字体1はその裏面に溝を格子状に形成することによって凹部4と凸部8を設けている。尚、凹部4や凸部8の形状は自由であるが、この凸部8の裏面における割合は15〜30%に、又、各凸部8の断面積は0.12〜1.13mm に設定している。次に、符号2が印字体ホルダーであり、この印字体ホルダー2は、印字体1をその印面が露出する状態に嵌着させる印字体収納孔部9を有すると共に、その奥に内径が少し縮小したインキ吸蔵体収納孔部10を連通するように設けて、印字体収納孔部9とインキ吸蔵体収納孔部10との段差面を印字体1の裏面の周端部が当接する受座3となし、その受座3の周方向の所要位置に複数の小突起、すなわち四角柱状のリブ5を設けている。この四角柱状のリブ5を設ける場所は、印字体1を正しい向きで印字体収納孔部9に嵌着したときに、その印字体1の裏面の凹部4と一致する位置にする必要がある。尚、この四角柱状のリブ5や上記の印字体1の裏面に設けた凹部4や凸部8は、図面上少し誇張して大きく描いてあるが、実際はもっと小さいものである。印字体ホルダー2は、そのインキ吸蔵体収納孔部10にインキ吸蔵体11を嵌着させてから、その印字体収納孔部9に印字体1を嵌着して、印字体1の裏面にインキ吸蔵体11の前面を接触させることによりインキ吸蔵体11から印字体1へのインキ供給を可能にすると共に、印字体1の裏面の周端部の凹部4に対して受座3に設けた四角柱状のリブ5を嵌入させている。尚、印字体ホルダー2の先端外周部には、印字体1の印面を露出させる開口を設けた金属製カバー12を嵌着して印字体1を抜け止めしている。
【0008】
上記の印字体1を取付けた印字体ホルダー2は、例えば図4に示すようなケース13に装着されて使用される。このケース13は先軸14と握り軸15とスライド自在なフード16とから成り、又、先軸14の先端外周部にはキャップ(図示せず)が嵌着するようになっている。印字体ホルダー2は、その先端外周部をフード16で覆って、先軸14の内部に挿入されて固着され、先軸14の内面段部とフード16の間にはコイルばね17が介装されている。捺印する場合は、フード16の先端を紙面(図示せず)に当接した状態で握り軸15を押下する。握り軸15と先軸14と印字体ホルダー2とがコイルばね17を圧縮しながら一体的に下降し、フード16は印字体ホルダー2に対し相対的に上昇することになって、印字体1の印面18が紙面に当接して捺印が行われる。尚、ケース13の構造はこの実施例に限定されるものではなく自由である。
【0009】
次に、図5〜図7は第2実施例を示したものである。尚、印字体1やケース13の構造は上記の第1実施例と同じなので説明を省略し、異なる点のみを説明する。この実施例では、印字体ホルダー2の受座3に設ける小突起を断面台形状のリブ6としている。
【0010】
また、図8〜図10は第3実施例を示したものである。これも印字体1やケース13の構造は上記の第1実施例と同じなので説明を省略し、異なる点のみを説明する。この実施例では印字体ホルダー2の受座3に設ける小突起をテーパ状のリブ7としている。
【0011】
【発明の効果】
本発明は上記の通りであり、印字体ホルダー2の受座3に設けた小突起を印字体1の裏面に設けた凹部4に嵌入させることによって印字体ホルダー2に対する印字体1の回転を防止してケースの方向表示と印字体1の印面における印字の向きとのずれを無くすことができ、かつ、印字体1の裏面に設けた凸部8の裏面における割合を15〜30%となし、かつ各凸部8の断面積を0.12〜1.13mm とすることによって、その凸部8のクッション性が最適となって、好適な捺印感を得られると共に、過度の押圧力が加えられたときの印字体1の圧潰に基づく過剰なインキの流出を防止して、滲みのない美麗で鮮明な印影を確実に得られるという効果がある。また、請求項2記載のように印字体ホルダー2の受座3に設ける小突起を断面台形状のリブ6となせば、印字体1の裏面の凹部4に対する嵌入が容易化して凸部8を誤って押すことが無くなり、又、その両側の斜面が凹部4の両側の縁に当接するので印字体1の周方向のガタを無くすことができるという利点も得られる。さらに、請求項3記載のように印字体ホルダー2の受座3に設ける小突起をテーパ状のリブ7となせば、そのテーパに印字体1の裏面の凹部4の底が当接するので、印字体1の高さのバラツキを吸収させることができると共に、印字体1を求心させて印字体ホルダー2と印字体1の中心とを一致させることができるという利点も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の印字体の裏面と印字体ホルダーの一部を示す斜視図である。
【図2】第1実施例の印字体の表面を示す斜視図である。
【図3】第1実施例の印字体ホルダーの印字体収納孔部を示す平面図である。
【図4】第1実施例の印判の全体構造を示す断面図である。
【図5】第2実施例の印字体の裏面と印字体ホルダーの一部を示す斜視図である。
【図6】第2実施例の印字体ホルダーの印字体収納孔部を示す平面図である。
【図7】第2実施例の印判の全体構造を示す断面図である。
【図8】第3実施例の印字体の裏面と印字体ホルダーの一部を示す斜視図である。
【図9】第3実施例の印字体ホルダーの印字体収納孔部を示す平面図である。
【図10】第3実施例の印判の全体構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1 印字体
2 印字体ホルダー
3 受座
4 凹部
5 四角柱状のリブ
6 断面台形状のリブ
7 テーパ状のリブ
8 凸部
9 印字体収納孔部
10 インキ吸蔵体収納孔部
11 インキ吸蔵体
12 カバー
13 ケース
14 先軸
15 握り軸
16 フード
17 コイルばね
18 印面

Claims (3)

  1. 連続気泡を有する多孔性ゴム印材よりなる印字体(1)の裏面を凹凸状となし、その印字体(1)の裏面における凸部(8)の割合を15〜30%とし、かつ、印字体(1)の裏面における各凸部(8)の断面積を0.12〜1.13mm2 とし、その印字体(1)を収納する印字体ホルダー(2)において印字体(1)の裏面が当接する受座(3)に印字体(1)の裏面の凹部(4)に嵌入する小突起を設けたことを特徴とする印判。
  2. 小突起を四角柱状のリブ(5)又は断面台形状のリブ(6)とした請求項1記載印判。
  3. 小突起をテーパ状のリブ(7)とした請求項1記載の印判。
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