JP3031552B2 - 昇華型熱転写体 - Google Patents

昇華型熱転写体

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JP3031552B2 JP63221396A JP22139688A JP3031552B2 JP 3031552 B2 JP3031552 B2 JP 3031552B2 JP 63221396 A JP63221396 A JP 63221396A JP 22139688 A JP22139688 A JP 22139688A JP 3031552 B2 JP3031552 B2 JP 3031552B2
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は昇華型熱転写体、特に多数回印字用昇華型熱
転写記録媒体に関するものである。
従来技術 近年、フルカラープリンターの需要が年々増加し、こ
のフルカラープリンターの記録方式として電子写真方
式、インクジェット方式、感熱転写方式等があるが、こ
の中で保守性が容易、騒音が無い等により感熱転写方式
が多く用いられている。
この感熱転写は、固体化したカラーインクシートと受
像紙とから成っており、レーザーやサーマルヘッド等の
電気信号により制御された熱エネルギーでインクを受容
紙に熱溶融転写又は昇華移行させて画像形成させる記録
方式である。
そしてこの感熱転写記録方式には大別して前記熱溶融
転写型と昇華転写型とがあり、特に後者は原理的にサー
マルヘッド等からの熱エネルギーに対応して昇華染料が
単分子状で昇華するため容易に中間調が得られ、且つ随
意に階調をコントロールすることが可能である利点を有
し、フルカラープリンターに最も適した方式と考えられ
る。
但し、この昇華型転写記録方式は、記録用サプライと
してカラーインクシートを用い、画像信号により選択的
に加熱記録を行なうため、1枚のフルカラー画像を得る
ために、イエロー、マゼンタ、シアン、(ブラック)の
インクシートを各1枚づつ使用し、その後未使用部が存
在しても、破棄するためランニングコストが高いという
欠点を有している。
そこで現在この欠点に着目し、インクシートを多数回
使用することにより、この欠点を改善しようとインクシ
ートと受像体を等速に移動させ、繰返し利用する等速モ
ード法とインクシートの走行速度を受像体のそれより遅
くして色材層の第1回使用部分と第2回使用部分の重な
りを少しづつずらせて使用するN倍モード法とが提案さ
れている。
しかし、昇華型熱転写記録方式において、昇華、蒸発
反応が基本的に零次反応であり、等速モードにおいては
マルチ使用に十分耐えられる染料量をインク層中に含ま
せているにもかかわらず、印字回数が増加するにつれ急
速に特に高画像濃度部の転写濃度が低下してくるため、
多数回の印字が実質的にできない欠点があった。
多数回印字に耐え得る充分な量の染料を均一に含んだ
厚い従来のインク層が2回目以降急激に濃度低下を生じ
るのは、(i)転写に寄与する染料がインク層の自由表
面のごく近傍付近のみであること及び(ii)染料の転写
がフィックの法則に従うことから、結果的にインク層の
自由表面のごく近傍付近の染料が毎回印字ごとに減少す
るためであることがわかった。
この知見に基づき、印字によって染料転写寄与層の上
層部(自由表面層)で消費された染料を補充するため
に、染料供給層から染料転写寄与層の下層部に染料を補
い易いように染料放出能が染料供給層>染料転写寄与層
の関係になるように各層を設計することが提案された
(特願昭63−62866参照)。しかしながら、この方法は
多数回記録時における濃度については良好な結果が得ら
れるが、保存中に染料供給中の染料が染料転写寄与層中
または表面に移行する欠点があった。その結果、保存前
後において、感度が変化し、同一の印加エネルギーを付
与しても印字濃度に差が生じたり、地汚れが発生する危
険性があった。
目的 本発明は従来の欠点を克服し、多数回印字しても転写
濃度が低下せず、保存前後で印字感度が変化したりせ
ず、長時間保存後も地汚れが発生したりすることがない
多数回印字用昇華型熱転写記録媒体を提供することを目
的とする。
構成 本発明者等は前記目的を達成するために鋭意研究した
結果、基体上に、該基体側から順にそれぞれ染料供給
層、中間層及び染料転写寄与層を積層させてなる昇華型
熱転写体で、各層の昇華性染料濃度が、 染料供給層≧染料転写寄与層>中間層 かつ、各層の昇華性染料拡散係数が、染料濃度が同一で
あるときに、 染料供給層>染料転写寄与層 の関係にあり、中間層が、保存中、染料供給層からの染
料の拡散を防止すると共に、記録時、染料供給層から染
料転写寄与層への染料供給を妨げないものであることを
特徴とする多数回印字用昇華型熱転写体を提供すること
によって前記目的が達成できることを見出した。
この昇華型熱転写体は、下記のような特徴を有すると
さらに好ましい。
(a) 染料供給層、中間層及び染料転写寄与層の各層
の層厚が、 染料供給層≧染料転写寄与層>中間層 の関係を有すること。
(b) 染料供給層中のみに融点温度120℃以下または
ガラス転移温度20℃以下の低融点物質を含有させるこ
と。
(c) 中間層中に昇華性染料を含まないこと。
本発明は本出願人の特開平2年第586号公報に開示さ
れている発明、すなわち基体上に、該基体側から順にそ
れぞれ昇華性染料を有機結着剤中に分散させてなる染料
供給層及び染料転写寄与層を積層させてなる昇華型熱転
写媒体において、前記染料供給層及び前記染料転写寄与
層は、その各処方にて同一付着量を基体上にそれぞれ単
独層として形成し、その各々を別々の受像層と重ね合わ
せ、両者に同一の熱エネルギーを印加したとき、それぞ
れの受像層への染料転写量が、 染料供給層>染料転写寄与層 の関係にあることを特徴とする昇華型熱転写媒体に関す
る発明を改良したものである。
従来の昇華型熱転写体の場合、長時間保存すると、染
料供給層中の染料が染料転写寄与層中または表面に移行
する欠点があり、その結果、 (イ)保存前後の印字感度が変化すること、 (ロ)地汚れが生じること、 等の問題があった。本発明はこのような従来の問題を解
消することを目的としたものである。本発明は前記問題
を染料供給層と染料転写寄与層との間に中間層を設ける
ことによって解決している。すなわち、中間層を設ける
ことによって、記録時の熱転写体における染料供給層か
ら染料転写寄与層への昇華性染料の供給を何ら妨げるこ
となく、非記録時(保存中)の熱転写体における染料供
給層から染料転写寄与層またはその表面への昇華性染料
の移動を防止している。単に地汚れの防止のみであれ
ば、本発明の中間層を染料転写寄与層の表面上に形成す
ることによってその目的は達成されるが、本発明の良好
な多数回記録特性を維持すると同時に、保存前後におけ
る印字感度の変化を防止するために非記録時(保存中)
の染料供給層から染料転写寄与層への昇華性染料の不必
要な移動を防がねばならず、そのためには中間層を染料
供給層と染料転写寄与層との間に設けることが必要であ
る。
本発明の多数回記録可能な昇華型熱転写体によれば、
インク層中における染料の拡散は熱拡散によるものであ
り、拡散する染料量は、フィックの法則、すなわち断面
積qをdt時間に通過した染料量dnは、拡散方向における
染料の濃度勾配をdc/dxとし、を熱印加されたときの
インク層中の各部位の平均拡散係数としたとき、 dn=−(dc/dx)qdt の関係に従っている。実際の記録時には、サーマルヘッ
ド等の熱エネルギーの大、小に応じて、フィックの法則
の染料拡散係数が大、小となり、拡散染料量が変化し、
結果的に階調表現が可能となる。通常の熱転写体で多数
回記録できないのは、インク層中の染料量が各印字毎に
減少するため、その結果フィックの法則の染料濃度勾配
が変化してしまい、良好な多数回記録が不可能となる。
本発明の昇華性熱転写体は、昇華性染料を有機結着剤
中に分散させた従来の均質なインク層を下記の3種の層
から構成させている: (1) 記録時、画像を形成する昇華性染料を受像体へ
熱拡散させる染料転写寄与層、 (2) 前記染料転写寄与層中の染料量が各記録によっ
て受像体へ放出し減少した分を補給する機能を有し、前
記染料転写寄与層より染料放出能が優れた染料供給層、
及び (3) 保存時(非記録時)、先に述べた染料放出能が
染料供給層>染料転写寄与層の関係が故に発生する染料
の染料供給層中から染料転写寄与層中または表面への非
記録時の移動を防止する機能を有する中間層。
ここで、染料放出能が染料供給層>染料転写寄与層の
関係にあるとは、染料供給層>染料転写寄与層の各処方
にて同一付着量を基体上にそれぞれ単独層として形成
し、その各々を別々の受像層と重ね合わせ、両者に同一
の熱エネルギーを印加したとき、それぞれの受像層への
染料転写量が、 染料供給層>染料転写寄与層 の関係にあることをいう。
また、この関係を導く手段としては、染料放出能がフ
ィックの法則に従うことから、 I.染料濃度に関して、染料供給層>転写寄与層の関係と
させること、および II.それぞれの層中における拡散係数に関して、 染料供給層>転写寄与層の関係とさせる 。更に上記IIに関して拡散係数を操作する具体的方法と
しては例えば、酒井豊子他繊維学会誌Vol.30,No.12(19
74);黒木宣彦著「染料理論化学」槙書店発行p.503
〜;第1回ノンインパクトプリンティング技術シンポジ
ューム論文集3−5等で紹介されている。これらを参考
にし、上記IIの手段を実現させる具体的方法としては例
えば、 (1) 拡散係数は、染料−有機結着剤間の水素結合等
による染料拡散に対するエネルギー的抑制効果により影
響されるので、転写寄与層の結着剤として、昇華性染料
と水素結合し易い陽子供給性基又は陽子受容性基を多く
有する有機高分子材料を用いる方法、 (2) 拡散係数は、染料を分散している有機結着剤の
ガラス転移または軟化温度依存性があり、本プロセスに
おける印字中の層の昇温特性よりガラス転移または軟化
温度が低い方が拡散係数が大となり、従って染料供給層
の有機結着剤として、転写寄与層のそれより低ガラス転
移温度または低軟化温度の物質を用いる方法、 等を適当に組合せて行なう方法、等が挙げられるが、上
記拡散係数の関係が満足されれば、これらの方法に限ら
ないことは、言うまでもない。
熱転写はサーマルヘッドによって行ってもよいが、支
持体層及び/又はインク層を通電によりジュール熱を発
生するように調整し、通電転写によって行ってもよい。
また、支持体として、レーザー光を吸収し、発熱する
材料を選択することによってレーザー転写法を利用する
ことも可能である。
次に染料転写寄与層の厚さは、一般的には0.05〜5μ
m、好ましくは、0.1〜2μmである。また染料供給層
の厚さは一般的には0.1〜20μm、好ましくは0.5〜5μ
mである。また中間層の厚さは一般的には0.01〜2μ
m、好ましくは0.1〜1μmである。
又、本発明の転写寄与層、中間層及び染料供給層に使
用される昇華性染料、結着剤等は公知のものが使用でき
る。
昇華性染料としては60℃以上で昇華あるいは気化する
染料であり、主に分散染料、油溶性染料など熱転写捺染
で使用されるものであれば良く、例えばC.I.ディスパー
スイエローの1,3,8,9,16,41,54,60,77,116など、C.I.デ
ィスパースレッドの1,4,6,11,15,17,55,59,60,73,83な
ど、C.I.ディスパースブルーの3,14,19,26,56,60,64,7
2,99,108など、C.I.ソルベントイエローの77,116など、
C.I.ソルベントレッドの23,25,27などC.I.ソルベントブ
ルーの36,83,105などが挙げられ、これらの染料の一種
で使用可能であるが、数種混合しても使用可能である。
染料転写寄与層及び染料供給層に使用される結着剤に
は熱可塑性又は熱硬化性樹脂が用いられ、そのうち比較
的高ガラス転移点または高軟化点を有する樹脂として
は、例えば、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリア
ミド、ポリエチレン、ポルプロピレン、アクリル樹脂、
ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコー
ン樹脂、フッソ樹脂、ブチラール樹脂、天然ゴム、合成
ゴム、ポリビニルアルコール、セルロース樹脂等が挙げ
られる。これらの樹脂は一種で使用できるが、数種を混
合するか、さらに共重合体を使用しても良い。
さらに染料転写寄与層と染料供給層との間においてガ
ラス転移又は軟化温度に対し差をつける場合、ガラス転
移温度20℃以下、又は軟化溶融温度120℃以下の樹脂又
は天然、合成ゴム及びワックス等が好ましく、具体的に
は、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン(市販品
としてJSR RB810,820,830日本合成ゴム);酸又は非酸
性酸を含むオレフィンコポリマー及びターポリマー(市
販品としてデクソンXEA−7、デクソンケミカル);エ
チレン−酢ビコポリマー(市販品として400&400A,405,
430、アライド・ファイバーズ&プラスチックス;P−330
7(EV150),P−2807(EV250)、三井・デェポンポリケ
ミカル);低分子量ポリオレフィン系ポリオール及びそ
の誘導体(市販品としてポリテールH、HE三菱化成工
業);臭素化エポキシ樹脂(YDB−340,400,500,600東都
化学);ノボラック型エポキシ樹脂(YDCN−701,702,70
3東都化学);熱可塑性アクリルソルーション(タイヤ
ナールLR1075,1080,1081,1082,1063,1079三菱レイヨ
ン);熱可塑性アクリルエマルジョン(LX−400,LX−45
0,三菱レイヨン);ポリエチレンオキサイド(アルコッ
クスE−30,45,アルコックスR−150,400,1000明成化学
工業);カプロラクトンポリオール(プラクセルH−1,
4,7,ダイセル化学工業);ワックスとしては通常一般の
ものが使用でき、例えば、 などが好ましく、特に、ポリエチレンオキサイド、ポリ
カプロラクトンポリオール及びワックス類が実用上有用
であり、又先に記した、熱可塑性又は熱硬化性樹脂と上
記1種又は数種と混合した形で用いるのが好ましい。こ
の混合比は先に記した樹脂の0.1〜10倍、好ましくは0.1
〜1倍である。
また、中間層に使用できる有機結着剤としては先に記
した熱可塑性又は熱硬化性樹脂が挙げられるが、保存
中、染料の拡散を防止すると共に、記録時、染料供給層
から染料転写寄与層への染料供給を妨げないことから染
料との親和性の小さいものが好ましく、エチルセルロー
ス、ニトロセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシ
エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒ
ドロキシブチルメチルセルロース等のセルロース系樹脂
や、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリビニルアル
コール等が特に有用である。
さらに、染料供給層及び染料転写寄与層との接着性の
観点から各層に使用される樹脂との混合系で用いること
が望ましい。
染料転写寄与層の染料濃度は通常5〜80%、好ましく
は10〜60%程度である。
又、染料供給層の染料濃度については、5〜80%の染
料濃度が好ましいが、染料転写寄与層と染料供給層との
間に染料濃度勾配をつける場合、染料転写寄与層染料濃
度に対し、1.1〜10倍、好ましくは、1.5〜3倍が望まし
い。
又、中間層の染料濃度は主目的である保存性向上の面
では0%が好ましいが、記録時の染料供給が阻害される
場合、保存性に悪影響を与えない程度で、具体的には1
〜50%、好ましくは20%以下の染料濃度で染料を含有し
ても良い。
又、基体シートとしてはコンデンサーペーパー、ポリ
エステルフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリサルホ
ンフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドフィルム
等のフィルムが使用され、基体シートと染料供給層との
間には必要に応じて従来慣用の接着層などを設けても良
く、さらには染料転写寄与層上に感度低下を生じない程
度の中間層に示すような層や受像層との融着防止層を形
成しても良い。また基体シートの裏面には必要に応じて
従来慣用の耐熱性潤滑層を設けても良い。
今まで染料層を3層に分けた例について述べて来た
が、適切な染料転写量の差を生じさせ、本発明が意図す
る機能分離ができれば各層を各々、2層以上の多層にす
ることも可能である。
以上の説明は感熱ヘッドを用いての記録方法により説
明したが、本発明の転写媒体は、記録熱エネルギーを感
熱ヘッド以外の方法によって付与する記録方法、例え
ば、熱印版、レーザー光、あるいは支持体等媒体中で発
生するジュール熱による方法に対しても用いることがで
きる。このうち、媒体中で発生するジュール熱を用い
る、所謂通電感熱転写法が最もよく知られ、例えばUSP
4,103,066、特開昭57−14060、特開昭57−11080、ある
いは特開昭59−9096等の多くの文献に記載されている。
この通電転写法に用いる場合には支持体として比較的
耐熱性の良いポリエステル、ポリカーボネート、トリア
セチルセルロース、ナイロン、ポリイミド、芳香族ポリ
アミド等の樹脂に、アルミニウム、銅、鉄、錫、亜鉛、
ニッケル、モリブデン、銀等の金属粉及び/又はカーボ
ンブラック等の導電性粉末を分散させて抵抗値を絶縁体
と良導体との中間に調整した支持体、またこれらの支持
体に前述のような導電性金属を蒸着またはスパッタリン
グさせた支持体を用いれば良い。これらの支持体の厚さ
はジュール熱の伝導効率を考慮すると、2〜15ミクロン
程度であることが望ましい。
また、レーザー光転写法に用いる場合には、支持体と
してレーザー光を吸収し、発熱する材質を選べば良い。
例えば従来の熱転写用フィルムにカーボン等の光吸収熱
変換材を含有させるか、又は吸収層を支持体の表、裏面
に形成したものが使用される。
以下、本発明を下記の実施例に基づいてさらに具体的
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
実施例1 第1図に示すような昇華性熱転写体の作成にあたっ
て、インク層2の各層、染料供給層4、中間層5及び染
料転写寄与層6のインキ組成物を調製し、8.5μmポリ
イミドフィルム基体(東レデュポン(株)製)1上に層
厚がそれぞれ、 染料供給層 4.5μm 中間層 0.5μm 染料転写寄与層 1.0μm となるように塗布乾燥して本発明の昇華型熱転写体を得
た。
比較例1及び2 実施例1の熱転写体において、それぞれ中間層を除い
た以外は、実施例1と同様にして比較熱転写体を得た。
比較例3、4及び5 実施例1の熱転写体において、中間層と染料転写寄与
層との位置関係を逆にした以外は、実施例1と同様にし
て比較熱転写体を得た。
これら実施例1及び比較例1〜5の熱転写体を60℃の
送風型オーブン中に300時間入れ、その後、以下の印字
条件にて、第1図に示すように、多数回記録を行い、保
存前の記録特性と比較した。すなわち、受像体3として
は昇華型感熱転写記録用受像紙である日立ビデオプリン
ターVY−50用サプライVY−S100の受像紙を用い、サーマ
ルヘッド7を用いて印字条件として印加電力455mW/ドッ
ト、最高印加エネルギー3.64mJ/ドットにて同一箇所に
よる多数回印字を行った。但し、印字濃度(光学的濃
度)はマクベス濃度計RD−514を用いて評価した。
今回、保存前の熱転写体を印字記録した場合、約1.60
の記録濃度を提供する印加エネルギーを使用して、保存
前後で熱転写体を多数回印字し、印字回数1、3及び5
回目の記録濃度を測定し、地汚れの有無を評価してその
結果を下表に示す。
以上の結果からわかるように、実施例1については、
保存前、保存後の濃度変化がほとんどないにもかかわら
ず、比較例1及び2については1回目の記録濃度におい
て、保存前に対し、保存後が記録濃度が大幅に低下して
おり、逆に比較例3、4及び5については保存前に対
し、保存後が記録濃度が大幅に増加している。このよう
に、比較例においては経時変化が激しいことがわかる。
効果 (1)適切な拡散係数勾配により良好な多数回記録が得
られ、中間層を存在させることにより経時安定性が良好
で経時変化のない、地汚れのない多数回記録特性が得ら
れる。
(2) 中間層の層厚を染料供給層及び染料転写寄与層
より小さくすることにより染料供給に支障をきたすこと
なく、経時安定性が良好で経時変化のない、地汚れのな
い多数回記録特性が得られる。
(3) 染料供給層中に低融点物質を含有させることに
より染料拡散係数勾配が得られ、多数回記録特性がより
良好となる。
(4) 中間層中に染料を含ませない場合には、経時変
化の防止及び地汚れの防止の面で中間層の機能がより効
果的に発揮される。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の昇華型感熱転写体の構造を示す説明図
である。 1……支持体、2……インク層 3……受像体、4……染料供給層 5……中間層、6……染料転写寄与層 7……サーマルヘッド
フロントページの続き 合議体 審判長 酒井 進 審判官 植野 浩志 審判官 六車 江一 (56)参考文献 特開 平1−286892(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基体上に、該基体側から順にそれぞれ染料
    供給層、中間層及び染料転写寄与層を積層させてなる昇
    華型熱転写体で、各層の昇華性染料濃度が、 染料供給層≧染料転写寄与層>中間層 で、かつ、各層の昇華性染料拡散係数が、染料濃度が同
    一であるときに、 染料供給層>染料転写寄与層 の関係にあり、中間層が、保存中、染料供給層からの染
    料の拡散を防止すると共に、記録時、染料供給層から染
    料転写寄与層への染料供給を妨げないものであることを
    特徴とする多数回印字用昇華型熱転写体。
  2. 【請求項2】染料供給層、中間層及び染料転写寄与層の
    各層の層厚が、 染料供給層≧染料転写寄与層>中間層 の関係にあることを特徴とする請求項1記載の昇華型熱
    転写体。
  3. 【請求項3】染料供給層中のみに融点温度120℃以下ま
    たはガラス転移温度20℃以下の低融点物質を含有させる
    ことを特徴とする請求項1または2記載の昇華型熱転写
    体。
  4. 【請求項4】中間層中に昇華性染料を含まないことを特
    徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の昇華型熱転写
    体。
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