JP3031019B2 - 食器洗浄乾燥機 - Google Patents

食器洗浄乾燥機

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JP3031019B2
JP3031019B2 JP3342766A JP34276691A JP3031019B2 JP 3031019 B2 JP3031019 B2 JP 3031019B2 JP 3342766 A JP3342766 A JP 3342766A JP 34276691 A JP34276691 A JP 34276691A JP 3031019 B2 JP3031019 B2 JP 3031019B2
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幸男 平井
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は洗浄水の噴射により洗浄
を行なう食器洗浄機の洗浄ノズルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】発明者らは先に図に示されるような断
面構造の洗浄ノズルを提案している。以下、その構成に
ついて図を参照しながら説明する。洗浄槽の底面略中
央部に配した洗浄ポンプの吐出口3と連通し且つ略水平
に回転自在に設けた第一のアームノズル5とこの第一の
アームノズル5の回転軸と所要の距離だけ偏心させて前
記第一のアームノズル5上に回転自在に設けた第二のア
ームノズル8からなる洗浄ノズルを備え、前記アームノ
ズル5およびアームノズル8はそれぞれ洗浄水を噴射す
る第一の噴射口6および第二の噴射口9をほぼ同等個数
設け、前記第一の噴射口6および第二の噴射口9のそれ
ぞれ少なくともひとつは洗浄水の噴射反力によりそれぞ
れのアームノズルを所要の方向に回転させるように噴射
方向を斜め上向きに形成している。
【0003】上記構成において、洗浄槽内に所定量の洗
浄水を給水し洗浄ポンプを運転すると、洗浄水は第一の
アームノズル5および第二のアームノズル8内に圧送さ
れ、それぞれ第一の噴射口6および第二の噴射口9より
噴射されてそれぞれのアームノズルを回転させながら食
器類を洗浄する。したがって、第二のアームノズル8は
自転しながら第一のアームノズル5の回転により公転運
動を行なうことによって噴射口9の回転軌跡が万偏なく
運動するようにして洗浄槽内の食器類を効率よく均一に
洗浄しようとしたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この様な洗浄
ノズルの構成のものによって洗浄槽内に噴射される洗浄
水の洗浄効果は必ずしも、最高水準の効率を達成できる
ものではなかった。すなわち第11図における構成のも
のでは、第二の噴射口9の自転軌跡がその自転直径の幅
の範囲全体にわたって遊星回転するため、同心円回転す
る第一の噴射口6による狭い環状範囲に対する集中的な
洗浄に比べると、噴射口間に生ずる洗浄の死角はなくな
り均一な洗浄が行われるものの、第二の噴射口一個が負
担する洗浄範囲は極めて広い範囲となるため洗浄槽中心
より外側範囲になるほど単位面積当りの洗浄エネルギが
幾何級数的に小さくなっていた。そのため、洗浄エネル
ギ密度の低い第二の噴射口9の回転軌跡の外側範囲に対
しては第一の噴射口6からの高水準水動力の噴射による
強力な洗浄エネルギの補完を必要としていた。このため
に、第一の噴射口6に生ずる噴射反力と第二のアームノ
ズル8の回転中心に生ずる噴射反力によってそれぞれ生
ずる下向きのモーメントに大きな差が生じ、第一のアー
ムノズル5の回転面に対しその回転中心O1を支点とし
て垂直方向にアンバランスが発生し水平回転が維持でき
ず、回転不良が生じたり回転シール部から洗浄に寄与し
ない大量の水洩れを生じて洗浄力が低下するといった問
題があった。この問題を解消するために第二のアームノ
ズル8の公転半径を必要以上に大きくせねばならず、第
二のアームノズル8の回転中心と第一の噴射口6の相対
位置関係に構成上の大きな制約を受け、必ずしも最適な
構成が得られなかった。
【0005】また構造的に、第一のアームノズル5内に
加圧供給された洗浄水が第二の噴射口8に到達するまで
の管路抵抗が、第一の噴射口6側の管路抵抗よりも必ず
大きくなり、第二の噴射口9からの噴射洗浄水吐出圧お
よび噴射水量が第一の噴射口6からのそれらに比較して
10%〜20%程度低くなるという問題があった。すな
わち第二の噴射口9による噴射洗浄力は上記の洗浄エネ
ルギ密度が小さくなという問題に加え、噴射洗浄水動力
の比較においても第一の噴射口6に比べ有効洗浄水動力
がかなり落ちるという問題を有していた。
【0006】本発明は上記の課題を解決しようとするも
ので、食器類に対して高水準で均一な洗浄力を得ること
ができ、かつバランスのよいアームノズル構成を有する
食器洗浄乾燥機を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の第一の手段は、第一のアームノズルとこの第
一のアームノズルの回転軸と偏心させて前記第一のアー
ムノズルの一方のアーム上に回転自在に設けた第二のア
ームノズルからなり、前記第一のアームノズルの他方の
アーム上には第一の噴射口を設けるとともに前記第二の
アームノズルには第二の噴射口を設け、第一のアームノ
ズルの第一の噴射口側アーム管路内任意位置の断面積が
前記任意位置と相対向する対称位置のすべてにおいて第
二のアームノズル側アーム管路内の断面積より必ず小さ
くなるように前記それぞれのアーム管路内形状を形成し
た食器洗浄乾燥機とするものである。
【0008】また、本発明の第二の手段は、第一のアー
ムノズルとこの第一のアームノズルの回転軸と偏心させ
て前記第一のアームノズルの一方のアーム上に回転自在
に設けた第二のアームノズルからなり、前記第一のアー
ムノズルの他方のアーム上には第一の噴射口を設けると
ともに前記第二のアームノズルには第二の噴射口を設
け、前記第一のアームノズルの第一の噴射口側アーム管
路内部に所要形状の流水絞り翼を形成した食器洗浄乾燥
機とするものである。
【0009】
【作用】上記第一の手段は、以下のように作用する。
浄ポンプの作動によって洗浄水が第一のアームノズル内
に供給されると、第一の噴射口側よりも第二のームノズ
ル側アーム内の管路抵抗の方が小さいため、すなわち圧
力損失が少ないため、より多くの洗浄水量が第二のアー
ムノズル側へ分岐流入する。従って第一の噴射口に対す
る第二の噴射口の流量分担は大きくなり、吐出圧の低下
も最小限に抑えられる。また、したがって第二の噴射口
の洗浄水動力分担は、第一の噴射口のそれに比べ大きく
なり、洗浄エネルギ密度すなわち洗浄寄与率も向上す
る。同時に、第一のアームノズルに生ずる下向きモーメ
ントのアンバランスおよび回転シール部からの水洩れは
最小限に抑制され、より強力な均一洗浄が行われる。
【0010】さらに本発明の第二の手段によれば、前記
本発明の第一の手段とほぼ同様に作用し、第二の噴射口
による洗浄エネルギ密度を向上でき、第一のアームノズ
ルに生ずるアンバランスも抑制して、効果的な洗浄を行
なうことができる。
【0011】
【実施例】(実施例1) 以下本発明の第一の手段の実施例について、図1・図2
を参照しながら説明する。1はかご11にセットされた
食器類10を収納する洗浄槽、2は洗浄水を加圧循環さ
せる洗浄ポンプ、14は洗浄ポンプ2の吐出口3と連通
し且つ略水平に回転自在に設けた第一のアームノズル、
18は第一のアームノズル14の回転中心O1と所要の
距離だけ偏心させて、前記第一のアームノズル14上に
回転自在に設けた第二のアームノズルである。15およ
19は、それぞれ第一のアームノズル14および第二
のアームノズル18に設けた複数個の噴射口である。ま
た7は、前記第二のアームノズル18の回転中心部に設
けた導水開口である。
【0012】以上のように構成された食器洗浄機につい
て、以下その動作を図1・図2に基づき説明する。食器
類10をかご11にセットして洗浄槽1内に収納し、運
転を開始すると所定のシーケンスにしたがって所定量の
洗浄水が洗浄槽1内に給水される。次いで洗浄ポンプ2
が作動し、加圧された洗浄水はその吐出口3を介して回
転自在に設けた第一のアームノズル14に圧送され、複
数の噴射口15より噴射される。同時に洗浄水は第一の
アームノズル14を経由して第二のアームノズル18
加圧供給され、複数の噴射口19より上方へ噴射され
る。このとき、噴射口15の少なくとも一個からの噴射
洗浄水はその回転軌跡の略接線方向へ斜め上向きに噴射
される。このときに生ずる噴射反力の水平分力によって
第一のアームノズル14は時計方向に回転し、噴射口
の回転軌跡上方の食器類に洗浄水を噴射する。第二の
アームノズル18は、第一のアームノズル14の回転に
したがって回転軸O1を中心に公転する。同時に、噴射
19の少なくとも1個からの噴射洗浄水は自転軸O2
を中心とする噴射口19の自転軌跡の略接線方向に向け
て斜め上向きに噴射される。このときに生ずる噴射反力
の水平分力により、第二のアームノズル18は自転軸O
2を中心に反時計方向に自転し、その回転軌跡上方の食
器類を洗浄する。
【0013】以下本発明の特徴について図3・図4・
図5を参照しながら説明する。図は洗浄ポンプの吐出
口と連通し且つ回転自在に設けた第一のアームノズル1
4の水平断面図、図は第一のアームノズル14の第一
の噴射口15側のアームの任意位置16で断面したアー
ム断面図、図は第二のアームノズル18側アームの前
記任意位置16と相対向する対称位置17で断面したア
ーム断面図である。
【0014】図3・図4・図5において、20は洗浄水
を第一のアームノズル14に供給するための開口、18
は第二の噴射口19を有する第二のアームノズルであ
る。第一の噴射口15側のアーム管路内の任意位置の断
面積は、前記任意位置と相対向する対称位置のすべてに
おいて、第二のアームノズル18側アーム管路内の断面
積より必ず小さくなるように、前記第一のアームノズル
14の両アーム内管路が形成されている。
【0015】以上のように構成された食器洗浄乾燥機に
ついて、以下その特徴的動作を説明する。
【0016】まず、洗浄ポンプ2の作動によって、洗浄
水が開口20より第一のアームノズル14内に供給され
る。このとき、第一の噴射口15側アーム内よりも第二
のアームノズル18側アーム内の管路抵抗の方が小さ
く、圧力損失が少ないため、矢線で示すようにより多く
の洗浄水量が第二のアームノズル18側アーム内分岐供
給される。つまり、第一の噴射口15側に対する第二の
アームノズル18側の流量分担が大きくなって、第二の
噴射口19の吐出圧の低下も抑えられる。したがって第
二の噴射口19の出力、すなわち洗浄水動力分担は、第
一の噴射口15に比べ必ず大きくなり、洗浄エネルギ密
度および洗浄寄与率は向上する。またこの結果、同時に
第一のアームノズル14に生ずる下向きモーメントのア
ンバランスおよび回転シール部からの水洩れは最小限に
抑制される。
【0017】以上のように本実施例によれば、第二の噴
射口19による均一洗浄エネルギ密度を大きくすること
ができると同時に、第一のアームノズル14の回転運動
を滑らかにすることができ、回転シール部からの水洩れ
を抑制することもできて強力かつ均一な洗浄が行われ
る。
【0018】(実施例2) 以下、本発明の第二の手段の実施例について、図6・図
を参照しながら説明する。図6は、洗浄ポンプの吐出
口と連通し且つ回転自在に設けた第一のアームノズル2
1の水平断面図、図は第一のアームノズル21の第一
の噴射口22側のアームの任意位置24で断面したアー
ム断面図である。27は洗浄水を第一のアームノズル2
1内に供給するために設けた開口、23は第一の噴射口
22側アーム内に設けた流水絞り翼、25は第二の噴射
口26を有する第二のアームノズルである。本実施例で
は、第一の噴射口22側のアーム管路内の断面積は、第
二のアームノズル25側のアーム管路内の断面積より必
ず小さくなるように形成している。
【0019】以上のように構成された食器洗浄乾燥機に
ついて、以下その動作を説明する。但し運転開始後の基
本的な動作については、前記実施例1と同様であるので
説明を省略する。洗浄ポンプの作動によって、洗浄水は
開口27より第一のアームノズル21内に供給される。
このとき、流水絞り翼23を有する第一の噴射口22側
のアーム内よりも、第二のアームノズル25側のアーム
内の管路抵抗の方が小さく圧力損失が少ないため、矢線
で示すようにより多くの洗浄水量が第二のアームノズル
25側のアーム内へ分岐供給される。従って、第一の噴
射口22側に対する第二のアームノズル25側の流量分
担は大きくなり、第二の噴射口26の吐出圧の低下も抑
えられる。この結果、第二の噴射口26の出力すなわち
洗浄水動力分担は、第一の噴射口22よりも必ず大きく
なり、洗浄エネルギ密度および洗浄寄与率は向上する。
またこの結果、同時に第一のアームノズル21に生ずる
下向きモーメントのアンバランスおよび回転シール部か
らの水洩れは最小限に抑制される。
【0020】以上のように本実施例によれば、第二の噴
射口26によって均一洗浄エネルギ密度を大きくするこ
とができ、同時に、第一のアームノズル21の水洩れの
少ない滑らかな回転が得られ、強力かつ均一な洗浄が行
われる。
【0021】
【発明の効果】以上のように本発明の第一の手段によれ
ば、第一の噴射口への分岐流量を抑制し、第二の噴射口
側への分岐流量分担を大きくすると同時に洗浄水吐出圧
を維持して第二の噴射口の有効洗浄水動力を第一の噴射
口のそれより常に大きくすることによって、第二の噴射
口による洗浄エネルギ密度すなわち洗浄寄与率を向上で
きる。しかるに高水準の洗浄力で万偏なく食器類を洗浄
すると同時に第一のアームノズルに生ずるアンバランス
の解消により、水洩れ損失の少ない滑らかな回転が可能
となり従来になく効果的な洗浄を実現するものである。
【0022】更に本発明の第二の手段によれば、前記本
発明の第一の手段と同様の効果を有する手段を提供する
ことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の手段の実施例における食器洗浄
機の縦断面図
【図2】同アームノズルの縦断面図
【図3】同アームノズルの水平断面図
【図4】同アームの横断面図
【図5】同アームの横断面図
【図6】本発明の第二の手段の実施例におけるアームノ
ズルの水平断面図
【図7】同アームの横断面図
【図8】従来のアームノズルの縦断面図
【符号の説明】
1 洗浄槽 2 洗浄ポンプ14 第一のアームノズル15 第一の噴射口18 第二のアームノズル19 第二の噴射口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭63−83163(JP,U) 実開 昭62−177484(JP,U) 実開 昭47−10368(JP,U) 実開 昭51−146782(JP,U) 実開 昭50−151266(JP,U) 実開 平3−17765(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A47L 15/42

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 洗浄槽と洗浄水を加圧循環する洗浄ポン
    プと相互に連通する複数の洗浄ノズルとを備え、前記洗
    浄ノズルは前記洗浄ポンプの吐出口と連通し且つ略水平
    に回転自在に設けた第一のアームノズルと、この第一の
    アームノズルの回転軸と偏心させて前記第一のアームノ
    ズルの一方のアーム上に回転自在に設けた第二のアーム
    ノズルからなり、前記第一のアームノズルの他方のアー
    ム上には第一の噴射口を設けるとともに前記第二のアー
    ムノズルには第二の噴射口を設け、同時に、第一のアー
    ムノズルの第一の噴射口側アーム管路内任意位置の断面
    積が前記任意位置と相対向する対称位置のすべてにおい
    て第二のアームノズル側アーム管路内の断面積より必ず
    小さくなるように前記それぞれのアーム管路内形状を形
    成してなる食器洗浄乾燥機。
  2. 【請求項2】 洗浄槽と洗浄水を加圧循環する洗浄ポン
    プと相互に連通する複数の洗浄ノズルとを備え、前記洗
    浄ノズルは前記洗浄ポンプの吐出口と連通し且つ略水平
    に回転自在に設けた第一のアームノズルとこの第一のア
    ームノズルの回転軸と偏心させて前記第一のアームノズ
    ルの一方のアーム上に回転自在に設けた第二のアームノ
    ズルからなり、前記第一のアームノズルの他方のアーム
    上には第一の噴射口を設けるとともに前記第二のアーム
    ノズルには第二の噴射口を設け、同時に、前記第一のア
    ームノズルの第一の噴射口側アーム管路内部に流水絞り
    翼を形成してなる食器洗浄乾燥機。
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