JP3030463B2 - 薄膜配線基板 - Google Patents
薄膜配線基板Info
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- circuit wiring
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- insulating substrate
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は薄膜配線基板に関し、より詳細には回路配線
が高密度の電気回路基板や半導体素子収納用パッケージ
等に用いられる薄膜配線基板の改良に関するものであ
る。
が高密度の電気回路基板や半導体素子収納用パッケージ
等に用いられる薄膜配線基板の改良に関するものであ
る。
(従来技術及びその課題) 従来、電気回路基板や半導体素子収納用パッケージ等
における配線基板はその回路配線がMo−Mn法等の厚膜形
成技法によって形成されている。
における配線基板はその回路配線がMo−Mn法等の厚膜形
成技法によって形成されている。
このMo−Mn法は、タングステン(W)、モリブデン−
マンガン(Mo−Mn)等の高融点金属から成る金属粉末に
有機溶剤、溶媒を添加し、ペースト状となした金属ペー
ストを生もしくは焼結セラミック体の外表面にスクリー
ン印刷により回路配線としての所定パターンに印刷塗布
し、次にこれを還元雰囲気中で焼成し、高融点金属とセ
ラミック体とを焼結一体化させる方法である。
マンガン(Mo−Mn)等の高融点金属から成る金属粉末に
有機溶剤、溶媒を添加し、ペースト状となした金属ペー
ストを生もしくは焼結セラミック体の外表面にスクリー
ン印刷により回路配線としての所定パターンに印刷塗布
し、次にこれを還元雰囲気中で焼成し、高融点金属とセ
ラミック体とを焼結一体化させる方法である。
しかし乍ら、このMo−Mn法を用いて回路配線を形成し
た場合、回路配線は金属ペーストをスクリーン印刷する
ことにより形成されることから回路配線の微細化が困難
であり、回路配線の高密度化ができないという欠点を有
していた。
た場合、回路配線は金属ペーストをスクリーン印刷する
ことにより形成されることから回路配線の微細化が困難
であり、回路配線の高密度化ができないという欠点を有
していた。
そこで上記欠点を解消するために回路配線を従来の厚
膜形成技法により形成するのに替えて微細化が可能な薄
膜形成技法を用いて形成した薄膜配線基板、即ち、絶縁
基板上にチタン(Ti)、クロム(Cr)等から成る接着層
と金(Au)から成る主導体層とをイオンプレーティング
法やスパッタリング法、蒸着法、メッキ法等の薄膜形成
技法により層着し、しかる後、これらの層をフォトリソ
グラフィによって所定のパターンに形成し、回路配線と
した薄膜配線基板が提案されている。
膜形成技法により形成するのに替えて微細化が可能な薄
膜形成技法を用いて形成した薄膜配線基板、即ち、絶縁
基板上にチタン(Ti)、クロム(Cr)等から成る接着層
と金(Au)から成る主導体層とをイオンプレーティング
法やスパッタリング法、蒸着法、メッキ法等の薄膜形成
技法により層着し、しかる後、これらの層をフォトリソ
グラフィによって所定のパターンに形成し、回路配線と
した薄膜配線基板が提案されている。
しかし乍ら、この薄膜形成技法を用いて形成した薄膜
配線基板はチタン、クロム等と金とが相互拡散し易い金
属であるため回路配線に抵抗器やコンデンサ等の電子部
品を半田等のロウ材を介し接合させ電気的に接続する場
合、ロウ材を溶融させる熱(約230〜450℃)が回路配線
に印加されると該回路配線を構成する接着層としてのチ
タン、クロム等が金から成る主導体層に拡散していき、
その結果、絶縁基板に、該絶縁基板と密着性が悪い金が
直接接触することとなって回路配線の絶縁基板に対する
接合強度が低下してしまい、薄膜配線基板としての信頼
性が大幅に劣化してしまうという欠点を有していた。
配線基板はチタン、クロム等と金とが相互拡散し易い金
属であるため回路配線に抵抗器やコンデンサ等の電子部
品を半田等のロウ材を介し接合させ電気的に接続する場
合、ロウ材を溶融させる熱(約230〜450℃)が回路配線
に印加されると該回路配線を構成する接着層としてのチ
タン、クロム等が金から成る主導体層に拡散していき、
その結果、絶縁基板に、該絶縁基板と密着性が悪い金が
直接接触することとなって回路配線の絶縁基板に対する
接合強度が低下してしまい、薄膜配線基板としての信頼
性が大幅に劣化してしまうという欠点を有していた。
(発明の目的) 本発明者は上記欠点に鑑み種々の実験の結果、絶縁基
板上に被着させる回路配線を窒化タンタル(Ta2N)から
成る接着層と、ニッケル・クロム合金から成る中間層
と、金(Au)から成る主導体層の3層構造とすると、接
着層が回路配線を絶縁基板上に強固に接着し、中間層が
接着層と主導体層との密着性を大幅に向上させるととも
に接着層と主導体層との相互拡散を有効に防止して回路
配線に抵抗器やコンデンサ等の電子部品を半田等のロウ
材を介し接合させ電気的に接続させたとしても回路配線
の絶縁基板に対する接着強度を極めて強いものとなすこ
とができることを知見した。
板上に被着させる回路配線を窒化タンタル(Ta2N)から
成る接着層と、ニッケル・クロム合金から成る中間層
と、金(Au)から成る主導体層の3層構造とすると、接
着層が回路配線を絶縁基板上に強固に接着し、中間層が
接着層と主導体層との密着性を大幅に向上させるととも
に接着層と主導体層との相互拡散を有効に防止して回路
配線に抵抗器やコンデンサ等の電子部品を半田等のロウ
材を介し接合させ電気的に接続させたとしても回路配線
の絶縁基板に対する接着強度を極めて強いものとなすこ
とができることを知見した。
本発明は上記知見に基づき、回路配線と絶縁基板との
被着接合を強固とし、回路配線に抵抗器やコンデンサ等
の電子部品を半田等のロウ材を介して強固に接合させる
ことができる高信頼性の薄膜配線基板を提供することを
その目的とするものである。
被着接合を強固とし、回路配線に抵抗器やコンデンサ等
の電子部品を半田等のロウ材を介して強固に接合させる
ことができる高信頼性の薄膜配線基板を提供することを
その目的とするものである。
(課題を解決するための手段) 本発明の薄膜配線基板は絶縁基板上に薄膜形成技術に
より窒化タンタルから成る厚みが500乃至1500Åの接着
層と、ニッケル・クロム合金から成る厚みが1000乃至30
00Åの中間層と、ニッケル、パラジウム、ロジウム、白
金の少なくとも1種から成る厚みが1000乃至15000Åの
層と、金から成る主導体層とを順次積層した回路配線を
被着形成したことを特徴とするものである。
より窒化タンタルから成る厚みが500乃至1500Åの接着
層と、ニッケル・クロム合金から成る厚みが1000乃至30
00Åの中間層と、ニッケル、パラジウム、ロジウム、白
金の少なくとも1種から成る厚みが1000乃至15000Åの
層と、金から成る主導体層とを順次積層した回路配線を
被着形成したことを特徴とするものである。
(実施例) 次に本発明の薄膜配線基板を添付図面に基づき詳細に
説明する。
説明する。
第1図は本発明の薄膜配線基板の一実施例を示す断面
図であり、1は絶縁基板、2は回路配線である。
図であり、1は絶縁基板、2は回路配線である。
前記絶縁基板1は酸化アルミニウム質焼結体、ムライ
ト質焼結体、窒化アルミニウム質焼結体、サファイヤ、
ガラス、石英、チタン酸バリウム磁器、チタン酸ジルコ
ン酸鉛磁器等から成り、絶縁基板1が例えば酸化アルミ
ニウム質焼結体から成る場合にはアルミナ(Al2O3)、
マグネシア(MgO)、カルシア(CaO)等の原料粉末に適
当な有機溶剤、溶媒を添加混合して泥漿状となすととも
にこれをドクターブレード法を採用することによってセ
ラミックグリーンシート(セラミック生シート)を形成
し、しかる後、前記セラミックグリーンシートに適当な
打抜き加工を施し、所定形状と成すとともに高温(約16
00℃)で焼成することによって製作される。
ト質焼結体、窒化アルミニウム質焼結体、サファイヤ、
ガラス、石英、チタン酸バリウム磁器、チタン酸ジルコ
ン酸鉛磁器等から成り、絶縁基板1が例えば酸化アルミ
ニウム質焼結体から成る場合にはアルミナ(Al2O3)、
マグネシア(MgO)、カルシア(CaO)等の原料粉末に適
当な有機溶剤、溶媒を添加混合して泥漿状となすととも
にこれをドクターブレード法を採用することによってセ
ラミックグリーンシート(セラミック生シート)を形成
し、しかる後、前記セラミックグリーンシートに適当な
打抜き加工を施し、所定形状と成すとともに高温(約16
00℃)で焼成することによって製作される。
また前記絶縁基板1の上面には回路配線2が薄膜形成
法によって被着形成されており、該回路配線2は接着層
3と、中間層4と、主導体層5の3層構造を有してい
る。
法によって被着形成されており、該回路配線2は接着層
3と、中間層4と、主導体層5の3層構造を有してい
る。
前記回路配線2の接着層3は窒化タンタル(Ta2N)か
ら成り、蒸着法やイオンプレーティング法、スパッタリ
ング法等の薄膜形成技法により絶縁基板1上に層着され
る。
ら成り、蒸着法やイオンプレーティング法、スパッタリ
ング法等の薄膜形成技法により絶縁基板1上に層着され
る。
尚、前記接着層3は絶縁基板1と回路配線2との接合
強度を上げる作用を為し、その厚みは100Å未満である
と回路配線2を絶縁基板1に強固に接合させるのが困難
となる傾向にあり、また10000Åを越えると接着層3と
薄膜形成技法により層着させる際の内部応力によって絶
縁基板1と接着層3との接合強度が低下する傾向にある
ことから100乃至10000Åの範囲が良く、好適には300Å
乃至2000Åの厚みに、最適には500乃至1500Åの厚みに
しておくことが良い。
強度を上げる作用を為し、その厚みは100Å未満である
と回路配線2を絶縁基板1に強固に接合させるのが困難
となる傾向にあり、また10000Åを越えると接着層3と
薄膜形成技法により層着させる際の内部応力によって絶
縁基板1と接着層3との接合強度が低下する傾向にある
ことから100乃至10000Åの範囲が良く、好適には300Å
乃至2000Åの厚みに、最適には500乃至1500Åの厚みに
しておくことが良い。
また前記接続層3の上面には中間層4が層着されてお
り、該中間層4は接着層3と主導体層5との密着性を向
上させるとともに接着層3と主導体層5との相互拡散を
防止する作用を為す。
り、該中間層4は接着層3と主導体層5との密着性を向
上させるとともに接着層3と主導体層5との相互拡散を
防止する作用を為す。
前記中間層4はニッケル・クロム合金(Ni−Cr)から
成り、蒸着法やイオンプレーティング法、スパッタリン
グ法等の薄膜形成技法により接着層3の上面に層着され
る。
成り、蒸着法やイオンプレーティング法、スパッタリン
グ法等の薄膜形成技法により接着層3の上面に層着され
る。
尚、前記中間層4はその厚みが500Å未満であると接
着層3と主導体層5との密着性が低下するとともに接着
層3と主導体層5との相互拡散を有効に防止することが
できない傾向にあり、また10000Åを越えると中間層4
を薄膜形成技法により層着させる際の内部応力によって
接着層3と中間層4との接合強度が低下する傾向にある
ことから500乃至10000Åの範囲が良く、好適には800乃
至5000Åの厚みに、最適には1000乃至3000Åの厚みにし
ておくことが良い。
着層3と主導体層5との密着性が低下するとともに接着
層3と主導体層5との相互拡散を有効に防止することが
できない傾向にあり、また10000Åを越えると中間層4
を薄膜形成技法により層着させる際の内部応力によって
接着層3と中間層4との接合強度が低下する傾向にある
ことから500乃至10000Åの範囲が良く、好適には800乃
至5000Åの厚みに、最適には1000乃至3000Åの厚みにし
ておくことが良い。
また前記中間層4の上面には主導体層5が蒸着法やイ
オンプレーティング法、スパッタリング法、メッキ法等
の薄膜形成技法により層着されており、該主導体層5は
主として電気を通す通路として作用を為す。
オンプレーティング法、スパッタリング法、メッキ法等
の薄膜形成技法により層着されており、該主導体層5は
主として電気を通す通路として作用を為す。
前記主導体層5は導通抵抗が極めて低い金(Au)が使
用され、その厚みは1000Å未満であると回路配線2の導
通抵抗が高くなって薄膜配線基板として不向きとなる傾
向にあることから1000Å以上の厚みとすることが好まし
く、コストの点も考慮すると1.0乃至5.0μmの範囲が好
適である。
用され、その厚みは1000Å未満であると回路配線2の導
通抵抗が高くなって薄膜配線基板として不向きとなる傾
向にあることから1000Å以上の厚みとすることが好まし
く、コストの点も考慮すると1.0乃至5.0μmの範囲が好
適である。
次に本発明の薄膜配線基板の具体的な製造方法につい
て説明する。
て説明する。
まず絶縁基板1を洗浄し、絶縁基板1の外表面に付着
している塵や屑を除去する。
している塵や屑を除去する。
次に前記絶縁基板1上にスパッタリング法により接着
層としての窒化タンタルと、中間層としてのニッケル・
クロム合金と、主導体層としての金を所定厚みに順次、
層着させる。
層としての窒化タンタルと、中間層としてのニッケル・
クロム合金と、主導体層としての金を所定厚みに順次、
層着させる。
次に前記接着層と、中間層と、主導体層の各々をフォ
トリソグラフィによって所定パターンに食刻し、絶縁基
板1上に接着層と、中間層と、主導体層の3層構造を有
する回路配線を被着形成して製品としての薄膜配線基板
となる。
トリソグラフィによって所定パターンに食刻し、絶縁基
板1上に接着層と、中間層と、主導体層の3層構造を有
する回路配線を被着形成して製品としての薄膜配線基板
となる。
尚、前記薄膜配線基板は回路配線2に抵抗器やコンデ
ンサ等の電子部品を半田等のロウ材を介して接合させる
場合、接着層3と主導体層5との間に中間層4が介在さ
れているためロウ材を溶融させる熱が回路配線2に印加
され、接着層3と主導体層5との間に相互拡散が起ころ
うとしてもその相互拡散は前記中間層4によって防止さ
れ、回路配線2の絶縁基板1への接合強度を強固として
極めて信頼性の高い薄膜配線基板となすことが可能とな
る。
ンサ等の電子部品を半田等のロウ材を介して接合させる
場合、接着層3と主導体層5との間に中間層4が介在さ
れているためロウ材を溶融させる熱が回路配線2に印加
され、接着層3と主導体層5との間に相互拡散が起ころ
うとしてもその相互拡散は前記中間層4によって防止さ
れ、回路配線2の絶縁基板1への接合強度を強固として
極めて信頼性の高い薄膜配線基板となすことが可能とな
る。
また前記回路配線2はその接着層3が窒化タンタルか
ら成り、該窒化タンタルは電気抵抗が大きいことから絶
縁基板1上に接着層3、中間層4及び主導体層5を所定
厚みに層着させるとともにフォトリソグラフィにより所
定パターンに食刻して回路配線2となす際、回路配線2
の一部中間層4と主導体層5を食刻(接着層3のみを残
して中間層4と主導体層5を食刻)すれば接着層3が抵
抗器となって回路配線2に電子部品としての抵抗器が一
体的に形成される。従って、回路配線2に抵抗器を接続
する場合、電子部品としての抵抗器を別途準備する必要
は一切なく、該抵抗器を半田等のロウ材を介し接合する
必要もなくなる。
ら成り、該窒化タンタルは電気抵抗が大きいことから絶
縁基板1上に接着層3、中間層4及び主導体層5を所定
厚みに層着させるとともにフォトリソグラフィにより所
定パターンに食刻して回路配線2となす際、回路配線2
の一部中間層4と主導体層5を食刻(接着層3のみを残
して中間層4と主導体層5を食刻)すれば接着層3が抵
抗器となって回路配線2に電子部品としての抵抗器が一
体的に形成される。従って、回路配線2に抵抗器を接続
する場合、電子部品としての抵抗器を別途準備する必要
は一切なく、該抵抗器を半田等のロウ材を介し接合する
必要もなくなる。
更に前記回路配線2は中間層4と主導体層5との間に
ニッケル、パラジウム、ロジウム、白金の少なくとも1
種を1000乃至15000Åの厚みに層着しておけば中間金属
層4と主導体層5間の相互拡散を皆無となし、回路配線
2の導通抵抗を極めて低いものとなすことができる。従
って、中間層4と主導体層5との間にはニッケル、パラ
ジウム、ロジウム、白金の少なくとも1種を1000乃至15
000Åの厚みに層着しておくことが好ましい。
ニッケル、パラジウム、ロジウム、白金の少なくとも1
種を1000乃至15000Åの厚みに層着しておけば中間金属
層4と主導体層5間の相互拡散を皆無となし、回路配線
2の導通抵抗を極めて低いものとなすことができる。従
って、中間層4と主導体層5との間にはニッケル、パラ
ジウム、ロジウム、白金の少なくとも1種を1000乃至15
000Åの厚みに層着しておくことが好ましい。
(実験例) 次に本発明の作用効果を以下の実験例に基づき説明す
る。
る。
(I)試料の作成 アルミナセラミックスから成る絶縁基板を洗浄し、そ
の後、この絶縁基板上面に第1表に示す厚みの窒化タン
タル(Ta2N)から成る接着層と、ニッケル・クロム合金
(Ni−Cr)から成る中間層と、金(Au)から成る主導体
層をスパッタリング法、メッキ法により順次層着させ、
しかる後、フトリソグラフィにより1×1mmのドット状
に加工し回路配線試料となす。
の後、この絶縁基板上面に第1表に示す厚みの窒化タン
タル(Ta2N)から成る接着層と、ニッケル・クロム合金
(Ni−Cr)から成る中間層と、金(Au)から成る主導体
層をスパッタリング法、メッキ法により順次層着させ、
しかる後、フトリソグラフィにより1×1mmのドット状
に加工し回路配線試料となす。
尚、試料番号78は本発明品と比較するための比較試料
であり、クロム(Cr)から成る接着層に金(Au)から成
る主導体層を直接層着した従来のものである。
であり、クロム(Cr)から成る接着層に金(Au)から成
る主導体層を直接層着した従来のものである。
(II)接合強度の測定 各試料のドット状回路配線に420℃の熱処理を10分間
行った後、回路配線にアルミニウムから成る引っ張り金
具をエポキシ樹脂を介して接合し、その後、引っ張り金
具を回路配線に対して垂直方向に引っ張り、回路配線が
絶縁基板より剥がれた時の引っ張り力を求め、これを回
路配線の接合強度として評価した。
行った後、回路配線にアルミニウムから成る引っ張り金
具をエポキシ樹脂を介して接合し、その後、引っ張り金
具を回路配線に対して垂直方向に引っ張り、回路配線が
絶縁基板より剥がれた時の引っ張り力を求め、これを回
路配線の接合強度として評価した。
尚、前記接合強度の測定は各々20個ずつ行い、その平
均値を求めて接合強度の評価とした。
均値を求めて接合強度の評価とした。
上記の結果を第1表に示す。
第1表から明らかなように従来のクロムから成る接着
層に金から成る主導体層を直接層着させた回路配線は、
回路配線にロウ材を加熱溶融する時の熱(420℃)を印
加させると接着層と主導体層との間に相互拡散が起こっ
て回路配線の絶縁基板に対する接合強度が0.76Kg/mm2以
下に低下し、薄膜配線基板の信頼性が大幅に劣化してい
る。
層に金から成る主導体層を直接層着させた回路配線は、
回路配線にロウ材を加熱溶融する時の熱(420℃)を印
加させると接着層と主導体層との間に相互拡散が起こっ
て回路配線の絶縁基板に対する接合強度が0.76Kg/mm2以
下に低下し、薄膜配線基板の信頼性が大幅に劣化してい
る。
これに対し、本発明の薄膜配線基板は回路配線を窒化
タンタルから成る接着層と、ニッケル・クロム合金から
成る中間層と、金から成る主導体層の3層構造としたこ
とから接着層と主導体層との間の相互拡散が有効に防止
されるとともに接着層と主導体層との密着性が大幅に向
上し、これによって回路配線の絶縁基板に対する接合強
度を2.63Kg/mm2以上として極めて信頼性の高い薄膜配線
基板となすことができる。
タンタルから成る接着層と、ニッケル・クロム合金から
成る中間層と、金から成る主導体層の3層構造としたこ
とから接着層と主導体層との間の相互拡散が有効に防止
されるとともに接着層と主導体層との密着性が大幅に向
上し、これによって回路配線の絶縁基板に対する接合強
度を2.63Kg/mm2以上として極めて信頼性の高い薄膜配線
基板となすことができる。
特に、窒化タンタルから成る接着層と、ニッケル・ク
ロム合金から成る中間層の各々を、500乃至1500Å及び1
000乃至3000Åとすると回路配線を絶縁基板に5.0Kg/mm2
以上の接合強度で接合させることができ、回路配線を絶
縁基板に強固に接合させるには接着層の厚みを500乃至1
500Åに、中間層の厚みを1000乃至3000Åにすることが
好ましい。
ロム合金から成る中間層の各々を、500乃至1500Å及び1
000乃至3000Åとすると回路配線を絶縁基板に5.0Kg/mm2
以上の接合強度で接合させることができ、回路配線を絶
縁基板に強固に接合させるには接着層の厚みを500乃至1
500Åに、中間層の厚みを1000乃至3000Åにすることが
好ましい。
(発明の効果) 以上詳述した通り、本発明の薄膜配線基板によれば、
絶縁基板上に被着形成される回路配線を窒化タンタルか
ら成る厚みが500乃至1500Åの接着層と、ニッケル・ク
ロム合金から成る厚みが1000乃至3000Åの中間層と、ニ
ッケル、パラジウム、ロジウム、白金の少なくとも1種
から成る厚みが1000乃至15000Åの層と、金から成る主
導体層とを順次積層した構造となしたことから回路配線
にコンデンサ等の電子部品を半田等のロウ材を介して接
合させたとしても回路配線の絶縁基板に対する接合強度
が低下することは一切なく、回路配線の絶縁基板に対す
る接合強度を常に強固として高信頼性の薄膜配線基板と
なすことができる。
絶縁基板上に被着形成される回路配線を窒化タンタルか
ら成る厚みが500乃至1500Åの接着層と、ニッケル・ク
ロム合金から成る厚みが1000乃至3000Åの中間層と、ニ
ッケル、パラジウム、ロジウム、白金の少なくとも1種
から成る厚みが1000乃至15000Åの層と、金から成る主
導体層とを順次積層した構造となしたことから回路配線
にコンデンサ等の電子部品を半田等のロウ材を介して接
合させたとしても回路配線の絶縁基板に対する接合強度
が低下することは一切なく、回路配線の絶縁基板に対す
る接合強度を常に強固として高信頼性の薄膜配線基板と
なすことができる。
第1図は本発明の薄膜配線基板の一実施例を示す断面図
である。 1:絶縁基板、2:回路配線、3:接着層 4:中間層、5:主導体層
である。 1:絶縁基板、2:回路配線、3:接着層 4:中間層、5:主導体層
Claims (1)
- 【請求項1】絶縁基板上に薄膜形成技術により窒化タン
タルから成る厚みが500乃至1500Åの接着層と、ニッケ
ル・クロム合金から成る厚みが1000乃至3000Åの中間層
と、ニッケル、パラジウム、ロジウム、白金の少なくと
も1種から成る厚みが1000乃至15000Åの層と、金から
成る主導体層とを順次積層した回路配線を被着形成した
ことを特徴とする薄膜配線基板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2219681A JP3030463B2 (ja) | 1990-08-20 | 1990-08-20 | 薄膜配線基板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2219681A JP3030463B2 (ja) | 1990-08-20 | 1990-08-20 | 薄膜配線基板 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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