JP3029955U - 横引き戸装置 - Google Patents

横引き戸装置

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JP3029955U JP1994013516U JP1351694U JP3029955U JP 3029955 U JP3029955 U JP 3029955U JP 1994013516 U JP1994013516 U JP 1994013516U JP 1351694 U JP1351694 U JP 1351694U JP 3029955 U JP3029955 U JP 3029955U
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武昭 永井
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株式会社永井服装
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 敷居13の体裁がよく、敷居13の上に心
地よく座ることができ、また長時間にわたり安定して使
用できる横引き戸装置を提供する。 【構成】 戸枠の敷居13に横方向に沿う幅の狭い係
合溝13aを形成した以外、敷居13の上面13bを平
坦にし、この上面13bに心地よく座れるようにし、戸
枠に嵌めた横引き戸の下框17に左,右戸車18を設
け、戸車18のローラー18cの外周面18dを敷居1
3の上面13bに線接触させて支持し、ローラ18cの
外周面18dから突出させた環状の係合板16を係合溝
13aに遊び嵌めして、横引き戸が外れるのを防止する
ことで、ローラー18cと敷居13との磨耗を低減さ
せ、長時間にわたる安定した使用を可能にした。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は、建物の柱,鴨居および敷居によって構成される戸枠に、硝子戸, 障子,襖などを含む広義の横引き戸を開閉可能に嵌めた横引き戸装置に関するも のである。
【0002】
【従来の技術】
従来、図1,図2に示すように、建物の柱に固定した縦枠1,鴨居2および敷 居3によって構成される戸枠4に、硝子戸などの横引き戸5を開閉および着脱可 能に嵌めた横引き戸装置が一般に用いられ、敷居3上にこれの横方向に沿う金属 レール6を固定し、横引き戸5の下框7の左,右両端部にそれぞれ装着した左, 右戸車8を前記レール6上に係合支持させた横引き戸装置が一般に用いられてい る。
【0003】 また、アルミニウムの押し出し型材によって構成した戸枠の敷居上に幅の狭い レールを一体に突出させ、横引き戸の下框に装着した左,右戸車を前記レール上 に係合支持させた横引き戸装置が一般に用いられている。
【0004】 さらに、図3に示すように、木製の敷居3に幅が広く浅い溝3aを形成し、障 子,襖などの木製の下框7を、戸車なしに前記溝3aに係合支持させた横引き戸 装置も、一般に用いられている。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
しかし、前述した従来の横引き戸装置は、いずれも敷居に金属性のレールや幅 の広い溝を設けているために体裁がよくない。また、左,右戸車8のローラー8 aの外周面8bが断面凹弧状に湾曲し、金属レール6の頂部6aが横断面凸弧状 に湾曲しているが、外周面8aと頂部6aとの曲率が異なっているため、これら が点接触となり、横引き戸5の重量を左,右戸車8の2点で支えることになって 、横引き戸5が移動し、戸車8が回動すると、前記レール6から戸車8が外れた り、戸車8が磨耗したりしやすく、安定した状態で長期にわたって使用できない という問題点があった。
【0006】 そして、レール6を釘によって木製の敷居3上に固定したものでは、レール6 の長手方向と交差する方向の負荷を受けると、レール6が曲がったり外れたり、 横引き戸5が外れたり、移動に大きな力が必要になったりするという問題点があ り、アルミニウムの押し出し型材からなる敷居では、レールの幅が狭いので、建 物の縁側に腰掛けた場合に座り心地が悪いという問題点もあった。
【0007】 さらに、図3に示す、木製の敷居3に形成した溝3aに木製の下框7を戸車な しに係合支持させたものは、障子,襖などの開閉時にこれらの荷重が加わり摺動 抵抗が大きく、多大の労力を要すると共に、下框や敷居の溝が磨耗して、早期に 障子,襖などの横引き戸が外れやすくなるという問題点があった。
【0008】 この考案は、前述した問題点を解決して、敷居の体裁がよく、また横引き戸を 多数回開閉操作しても、横引き戸および敷居が磨耗しにくく、長期間にわたり安 定して使用できる、横引き戸装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の考案に係る横引き戸装置は、上面が平坦な敷居に横方向に沿い幅の 狭い係合溝を前記上面に開口させて形成した戸枠と、前記敷居の上面に軸方向に 長い範囲でローラーの外周面が支持される左,右戸車を下框にそれぞれ装着した 横引き戸とを備え、左,右戸車のローラーの外周面または前記下框の下面から突 出した係合板を前記係合溝に遊び嵌めしたものである。
【0010】 請求項2の考案に係る横引き戸装置は、請求項1に記載した戸枠および横引き 戸とを備え、左,右戸車のローラー外周面の軸方向中央部から前記外周面の全周 にわたって厚さが薄い環状の係合板をそれぞれ外周面と直角に突出させ、これら の係合板を敷居に形成した係合溝に遊び嵌めしたものである。
【0011】 請求項3の考案に係る横引き戸装置は、請求項1に記載した戸枠および横引き 戸とを備え、この横引き戸の下框下面から横方向に長く厚さが薄い係合板を垂下 させて突出させ、係合板を敷居に形成した係合溝に遊び嵌めしたものである。
【0012】
【作用】
請求項1,2または3の考案に係る横引き戸装置は、いずれも戸枠の敷居の上 面に横方向に沿う幅の狭い係合溝を形成した以外、前記敷居の上面を平坦にした ので、体裁がよく、しかも、建物の縁側に設けた横引き戸装置の敷居に腰掛けた り、2つの部屋を仕切る横引き戸装置の襖などの横引き戸を戸枠から取り外して 2つの部居を連続して使用する場合に、前記敷居上に人が腰掛けたり、座ったり しても、掛け心地や座り心地がよい。
【0013】 また、請求項1,2または3の考案に係る横引き戸装置は、いずれも敷居の平 坦な上面に、横引き戸の下框に装着した左,右戸車のローラーの外周面がこれら の軸方向の全長にわたって線接触することで、従来のレールに戸車のローラーの 外周面が点接触するものや、敷居の浅い凹溝に横引き戸の下框の下部をローラー なしに係合させるものに比べ、敷居の上面や戸車のローラーや枢軸などが磨耗し にくい。
【0014】 さらに、請求項1,2または3の考案に係る横引き戸装置は、横引き戸の下框 に装着した戸車のローラーの外周面から突出させた係合板または前記下框から突 出させた係合板を敷居の係合溝に遊び嵌めすることで、横引き戸を戸枠から外れ るのを防止しているので、係合板が係合溝の内,外側面に当接した状態で、横引 き戸が開閉することがあっても、横引き戸の荷重を係合板が支えないことで、比 較的小さい力で横引き戸を開閉できる。従って、長期間にわたり横引き戸装置を 安定して使用できる。
【0015】 請求項2の考案は、横引き戸の下框に装着した戸車のローラーに環状の係合板 を設けたので、戸車の改良と、下框の戸車を入れる凹部を大きくする以外、横引 き戸が従来のものと同じでよいため、製作が容易にできる。
【0016】 請求項3の考案は、横引き戸の下框から係合板を垂下させたので、係合板を下 框の横(左右)方向に長く形成でき、係合板の両面を敷居の係合溝の両側面に広 い面積で当接可能であるため、横引き戸の外れをより確実に防止できる。
【0017】
【実施例】
以下、この考案の実施例につき図を参照して説明する。 図4,図5および図6は請求項1,2に対応する第1実施例を示す。第1実施 例に係る横引き戸装置は、図4,図5および図6に示すように、建物の柱に固定 した縦枠11,鴨居12および敷居13によって構成した木製の戸枠14を有し 、戸枠14に引違い横引き戸15を開閉および着脱可能に嵌めた横引き戸装置の 基本構成は、図1,図2に示し前述した従来のものと同様であるが、敷居13お よび左,右戸車18を改良したものである。
【0018】 すなわち、敷居13は、横方向の全体にわたり、この方向に沿い2〜5mm程度 で幅の狭い2本の係合溝13aを形成し、係合溝13aは幅の2倍程度の深さに 形成して、敷居13の平坦な上面13bに形成してある。
【0019】 2枚の横引き戸15の下框17には左,右両端部に設けた凹部17aに左,右 戸車18を入れ、これらのフレーム18aを下框17にそれぞれ固定してある。 左,右戸車18は、フレーム18aに水平な枢軸18bによってローラー18c をフレーム18aに回動自在に枢着してあり、ローラー18cの外周面18dの 軸方向中央から同心に設けた環状の係合板16を外周面18dと直角に突出させ てある。係合板16は、薄い厚さ、すなわち係合溝13aの幅よりも若干小さい 厚さ寸法に鋼板などの強度の大きい材料で形成してある。また、ローラー18c の外周面18dは枢軸18bと平行に形成してある。
【0020】 そして、横引き戸15を戸枠14に着脱可能に嵌め、左,右戸車18に設けた ローラー18cの外周面18dを敷居13の平坦な上面13bに線接触させて支 持させると共に、ローラー18cの外周面18dから突出した環状の係合板16 を敷居13に形成した係合溝13aに遊び嵌めする。なお、横引き戸15の上框 19は、従来の横引き戸と同様に戸枠14の鴨居12に設けた上溝12aに嵌め るが、上溝2aの深さを深くしてある。
【0021】 以上のように構成した第1実施例の横引き戸装置は、敷居の上面にレールを固 定したり、幅の広い凹溝を形成したものと異なり、敷居13の上面13bが幅の 狭い係合溝13aが開口している以外平坦であるため、体裁がよく、しかも建物 の縁側に設けた横引き戸装置の敷居に腰掛けたり、2つの部屋を仕切る襖などの 横引き戸を戸枠から取り外して2つの部屋を連続させて使用する場合に、敷居上 に人が座ったりしても、掛け心地や座り心地がよい。
【0022】 また、第1実施例の横引き戸装置は、敷居13の上面13bに戸車18のロー ラー18cの外周面18dがこれらの軸方向の全長にわたって線接触するので、 従来のレールに戸車のローラーの外周面が点接触するものに比べ、敷居13の上 面13bやローラー18cが磨耗しにくく、長期間にわたり安定して使用できる 。
【0023】 さらに、第1実施例の横引き戸装置は、戸車18のローラー18cの外周面1 8dから突出した環状の係合板16を敷居13の係合溝13aに遊び嵌めするこ とで、横引き戸15を戸枠14から外れるのを防止しているので、係合板16が 係合溝13aの内,外側面に当接した状態で、横引き戸15を開閉しても、横引 き戸15の荷重を係合板16が支えないので開閉が小さい力でできる。
【0024】 そして、第1実施例の横引き戸装置は、横引き戸15の下框17に装着した戸 車18のローラー18cに環状の係合板16を設けた以外、下框17の戸車18 を入れる凹部17aを若干大きくする以外、横引き戸15は従来のものと同様で よく、製作が容易にできる。
【0025】 なお、第1実施例において、戸車18は、ローラー18cを軸方向に2分割し 、これらの間に環状の係合板16を同心に介在させて強力な接着で固着したり、 ローラー18cの外周面に係合板16を適宜の手段で嵌合固定したりすることで 、容易に得られる。
【0026】 図7,図8は請求項1,3に対応する第2実施例を示す。第2実施例に係る横 引き戸装置は、図7,図8に示すように、前述した第1実施例の装置と同構成の 戸枠14を有し、敷居13に幅の狭い係合溝13aを形成すると共に、係合溝1 3a以外の敷居13の上面13bを平坦にしてある。
【0027】 また、横引き戸15の下框17には、第1実施例の戸車にもうけた係合板をな くし、下框17の下面17bの幅(厚さ)方向中央部から下方に厚さが薄い係合 板20を垂下させてあり、係合板20は、左,右戸車18との干渉を避けて、下 框17の左,右端部係合板20aと,左,右戸車18間に配置した中央部係合板 20bとに3分割してある。なお、第2実施例の前述した以外の構成は第1実施 例と同様であり、図7,図8中の図4,図5,図6と同符号は対応する部分を示 している。
【0028】 そして、横引き戸15を戸枠14に着脱可能に嵌め、左,右戸車18のローラ ー18cの外周面18dを敷居13の平坦な上面13bに線接触させて支持させ ると共に、下框17の下面17bから垂下して突出する3分割した端部,中央部 係合板20a,20bを敷居13に形成した係合溝13aに遊び嵌めして、係合 させる。
【0029】 以上のように構成した第2実施例の横引き戸装置は、前述した第1実施例の横 引き戸装置とほぼ同様な効果が得られるが、下框17から垂下した係合板20が 係合溝13aに嵌まる面積が第1実施例の係合板よりも広くなることで、第1実 施例のものより横引き戸15が戸枠14から外れるのをより確実に防止できる。
【0030】 図9は第2実施例変形例を示し、この変形例では、横引き戸15の下框17外 縁部からこれの横方向全体に係合板21を垂下させ、係合板21を敷居13に形 成した係合溝13aに遊び嵌めした点が、前述した第2実施例と異なるだけであ る。 そして、この変形例では、第2実施例の横引き戸とほぼ同様な効果が得られる 。なお、図9中の図7,図8と同符号は対応する部分を示している。
【0031】 この考案において、戸枠を構成する柱,鴨居,敷居、とくに敷居は木製に限ら れることなく、アルミニウムの押し出し型材などの金属,プラスチック,セラミ ックなどによって一部または全体を構成してもよく、また、戸車はフレームを有 するものに限られることなく、枢軸によってローラーを横引き戸に直接的に枢着 するなど適宜変更できる。
【0032】 そして、前記実施例では、引違い戸について説明したが、この考案は片引き戸 などの横引き戸にも適用でき、硝子戸,障子,襖,雨戸などの各種横引き戸に広 く適用できる。
【0033】 そして、この考案では、敷居の係合溝にごみなどが詰まった場合には、家庭用 の電気掃除機によって吸引除去すればよく、また係合溝の底にごみや水を落下さ せて敷居外に排出させる排出孔を形成したり、横引き戸の下框に係合溝に嵌まっ て係合溝に溜まったごみを掻き出す介片を設けたりしてもよい。
【0034】
【考案の効果】
以上説明したとおり、請求項1,2または3の考案に係る横引き戸装置は、い ずれも戸枠の敷居の上面に横方向に沿う幅の狭い係合溝を形成した以外、前記敷 居の上面を平坦にしたので、体裁がよく、しかも、建物の縁側に設けた横引き戸 装置の敷居に腰掛けたり、2つの部屋を仕切る横引き戸装置の襖などの横引き戸 を戸枠から取り外して2つの部居を連続して使用する場合に、前記敷居上に人が 腰掛けたり、座ったりしても、掛け心地や座り心地がよい。
【0035】 また、請求項1,2または3の考案に係る横引き戸装置は、いずれも敷居の平 坦な上面に、横引き戸の下框に装着した左,右戸車のローラーの外周面がこれら の軸方向の全長にわたって線接触することで、従来のレールに戸車のローラーの 外周面が点接触するものや、敷居の浅い凹溝に横引き戸の下框の下部をローラー なしに係合させるものに比べ、敷居の上面や戸車のローラーや枢軸などが磨耗し にくい。
【0036】 さらに、請求項1,2または3の考案に係る横引き戸装置は、横引き戸の下框 に装着した戸車のローラーの外周面から突出させた係合板または前記下框から突 出させた係合板を敷居の係合溝に遊び嵌めすることで、横引き戸を戸枠から外れ るのを防止しているので、係合板が係合溝の内,外側面に当接した状態で、横引 き戸が開閉することがあっても、横引き戸の荷重を係合板が支えないことで、比 較的小さい力で横引き戸を開閉できる。従って、長期間にわたり横引き戸装置を 安定して使用できる。
【0037】 請求項2の考案は、横引き戸の下框に装着した戸車のローラーに環状の係合板 を設けたので、戸車の改良と、下框の戸車を入れる凹部を大きくする以外、横引 き戸が従来のものと同じでよいため、製作が容易にできる。
【0038】 請求項3の考案は、横引き戸の下框から係合板を垂下させたので、係合板を下 框の横(左右)方向に長く形成でき、係合板の両面を敷居の係合溝の両側面に広 い面積で当接可能であるため、横引き戸の外れをより確実に防止できる。
【提出日】平成7年3月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】 【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は、建物の柱,鴨居および敷居によって構成される戸枠に、硝子戸, 障子,襖などを含む広義の横引き戸を開閉可能に嵌めた横引き戸装置に関するも のである。
【0002】
【従来の技術】
従来、図1,図2に示すように、建物の柱に固定した縦枠1,鴨居2および敷 居3によって構成される戸枠4に、硝子戸などの横引き戸5を開閉および着脱可 能に嵌めた横引き戸装置が一般に用いられ、敷居3上にこれの横方向に沿う金属 レール6を固定し、横引き戸5の下框7の左,右両端部にそれぞれ装着した左, 右戸車8を前記レール6上に係合支持させた横引き戸装置が一般に用いられてい る。
【0003】 また、アルミニウムの押し出し型材によって構成した戸枠の敷居上に幅の狭い レールを一体に突出させ、横引き戸の下框に装着した左,右戸車を前記レール上 に係合支持させた横引き戸装置が一般に用いられている。
【0004】 さらに、図3に示すように、木製の敷居3に幅が広く浅い溝3aを形成し、障 子,襖などの木製の下框7を、戸車なしに前記溝3aに係合支持させた横引き戸 装置も、一般に用いられている。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
しかし、前述した従来の横引き戸装置は、いずれも敷居に金属性のレールや幅 の広い溝を設けているために体裁がよくない。また、左,右戸車8のローラー8 aの外周面8bが断面凹弧状に湾曲し、金属レール6の頂部6aが横断面凸弧状 に湾曲しているが、外周面8aと頂部6aとの曲率が異なっているため、これら が点接触となり、横引き戸5の重量を左,右戸車8の2点で支えることになって 、横引き戸5が移動し、戸車8が回動すると、前記レール6から戸車8が外れた り、戸車8が磨耗したりしやすく、安定した状態で長期にわたって使用できない という問題点があった。
【0006】 そして、レール6を釘によって木製の敷居3上に固定したものでは、レール6 の長手方向と交差する方向の負荷を受けると、レール6が曲がったり外れたり、 横引き戸5が外れたり、移動に大きな力が必要になったりするという問題点があ り、アルミニウムの押し出し型材からなる敷居では、レールの幅が狭いので、建 物の縁側に腰掛けた場合に座り心地が悪いという問題点もあった。
【0007】 さらに、図3に示す、木製の敷居3に形成した溝3aに木製の下框7を戸車な しに係合支持させたものは、障子,襖などの開閉時にこれらの荷重が加わり摺動 抵抗が大きく、多大の労力を要すると共に、下框や敷居の溝が磨耗して、早期に 障子,襖などの横引き戸が外れやすくなるという問題点があった。
【0008】 この考案は、前述した問題点を解決して、敷居の体裁がよく、また横引き戸を 多数回開閉操作しても、横引き戸および敷居が磨耗しにくく、長期間にわたり安 定して使用できる、横引き戸装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の考案に係る横引き戸装置は、上面が平坦な敷居に横方向に沿い幅の 狭い係合溝を前記上面に開口させて形成した戸枠と、前記敷居の上面に軸方向に 長い範囲でローラーの外周面が支持される左,右戸車を下框にそれぞれ装着した 横引き戸とを備え、左,右戸車のローラーの外周面または前記下框の下面から突 出した係合板を前記係合溝に遊び嵌めしたものである。
【0010】 請求項2の考案に係る横引き戸装置は、上面が平坦な敷居に横方向に沿い幅の 狭い係合溝を前記上面に開口させて形成した戸枠と、前記敷居の上面に軸方向に 長い範囲でローラーの外周面が支持される左,右戸車を下框にそれぞれ装着した 横引き戸とを備え、左,右戸車のローラー外周面の軸方向中央部から前記外周面 の全周にわたって厚さが薄い環状の係合板をそれぞれ外周面と直角に突出させ、 これらの係合板を敷居に形成した係合溝に遊び嵌めしたものである。
【0011】 請求項3の考案に係る横引き戸装置は、上面が平坦な敷居に横方向に沿い幅の 狭い係合溝を前記上面に開口させて形成した戸枠と、前記敷居の上面に軸方向に 長い範囲でローラーの外周面が支持される左,右戸車を下框にそれぞれ装着した 横引き戸とを備え、この横引き戸の下框下面から横方向に長く厚さが薄い係合板 を垂下させて突出させ、係合板を敷居に形成した係合溝に遊び嵌めしたものであ る。
【0012】
【作用】
請求項1,2または3の考案に係る横引き戸装置は、いずれも戸枠の敷居の上 面に横方向に沿う幅の狭い係合溝を形成した以外、前記敷居の上面を平坦にした ので、体裁がよく、しかも、建物の縁側に設けた横引き戸装置の敷居に腰掛けた り、2つの部屋を仕切る横引き戸装置の襖などの横引き戸を戸枠から取り外して 2つの部居を連続して使用する場合に、前記敷居上に人が腰掛けたり、座ったり しても、掛け心地や座り心地がよい。
【0013】 また、請求項1,2または3の考案に係る横引き戸装置は、いずれも敷居の平 坦な上面に、横引き戸の下框に装着した左,右戸車のローラーの外周面がこれら の軸方向の全長にわたって線接触することで、従来のレールに戸車のローラーの 外周面が点接触するものや、敷居の浅い凹溝に横引き戸の下框の下部をローラー なしに係合させるものに比べ、敷居の上面や戸車のローラーや枢軸などが磨耗し にくい。
【0014】 さらに、請求項1,2または3の考案に係る横引き戸装置は、横引き戸の下框 に装着した戸車のローラーの外周面から突出させた係合板または前記下框から突 出させた係合板を敷居の係合溝に遊び嵌めすることで、横引き戸を戸枠から外れ るのを防止しているので、係合板が係合溝の内,外側面に当接した状態で、横引 き戸が開閉することがあっても、横引き戸の荷重を係合板が支えないことで、比 較的小さい力で横引き戸を開閉できる。従って、長期間にわたり横引き戸装置を 安定して使用できる。
【0015】 請求項2の考案は、横引き戸の下框に装着した戸車のローラーに環状の係合板 を設けたので、戸車の改良と、下框の戸車を入れる凹部を大きくする以外、横引 き戸が従来のものと同じでよいため、製作が容易にできる。
【0016】 請求項3の考案は、横引き戸の下框から係合板を垂下させたので、係合板を下 框の横(左右)方向に長く形成でき、係合板の両面を敷居の係合溝の両側面に広 い面積で当接可能であるため、横引き戸の外れをより確実に防止できる。
【0017】
【実施例】
以下、この考案の実施例につき図を参照して説明する。 図4,図5および図6は請求項1,2に対応する第1実施例を示す。第1実施 例に係る横引き戸装置は、図4,図5および図6に示すように、建物の柱に固定 した縦枠11,鴨居12および敷居13によって構成した木製の戸枠14を有し 、戸枠14に引違い横引き戸15を開閉および着脱可能に嵌めた横引き戸装置の 基本構成は、図1,図2に示し前述した従来のものと同様であるが、敷居13お よび左,右戸車18を改良したものである。
【0018】 すなわち、敷居13は、横方向の全体にわたり、この方向に沿い2〜5mm程度 で幅の狭い2本の係合溝13aを形成し、係合溝13aは幅の2倍程度の深さに 形成して、敷居13の平坦な上面13bに形成してある。
【0019】 2枚の横引き戸15の下框17には左,右両端部に設けた凹部17aに左,右 戸車18を入れ、これらのフレーム18aを下框17にそれぞれ固定してある。 左,右戸車18は、フレーム18aに水平な枢軸18bによってローラー18c をフレーム18aに回動自在に枢着してあり、ローラー18cの外周面18dの 軸方向中央から同心に設けた環状の係合板16を外周面18dと直角に突出させ てある。係合板16は、薄い厚さ、すなわち係合溝13aの幅よりも若干小さい 厚さ寸法に鋼板などの強度の大きい材料で形成してある。また、ローラー18c の外周面18dは枢軸18bと平行に形成してある。
【0020】 そして、横引き戸15を戸枠14に着脱可能に嵌め、左,右戸車18に設けた ローラー18cの外周面18dを敷居13の平坦な上面13bに線接触させて支 持させると共に、ローラー18cの外周面18dから突出した環状の係合板16 を敷居13に形成した係合溝13aに遊び嵌めする。なお、横引き戸15の上框 19は、従来の横引き戸と同様に戸枠14の鴨居12に設けた上溝12aに嵌め るが、上溝2aの深さを深くしてある。
【0021】 以上のように構成した第1実施例の横引き戸装置は、敷居の上面にレールを固 定したり、幅の広い凹溝を形成したものと異なり、敷居13の上面13bが幅の 狭い係合溝13aが開口している以外平坦であるため、体裁がよく、しかも建物 の縁側に設けた横引き戸装置の敷居に腰掛けたり、2つの部屋を仕切る襖などの 横引き戸を戸枠から取り外して2つの部屋を連続させて使用する場合に、敷居上 に人が座ったりしても、掛け心地や座り心地がよい。
【0022】 また、第1実施例の横引き戸装置は、敷居13の上面13bに戸車18のロー ラー18cの外周面18dがこれらの軸方向の全長にわたって線接触するので、 従来のレールに戸車のローラーの外周面が点接触するものに比べ、敷居13の上 面13bやローラー18cが磨耗しにくく、長期間にわたり安定して使用できる 。
【0023】 さらに、第1実施例の横引き戸装置は、戸車18のローラー18cの外周面1 8dから突出した環状の係合板16を敷居13の係合溝13aに遊び嵌めするこ とで、横引き戸15を戸枠14から外れるのを防止しているので、係合板16が 係合溝13aの内,外側面に当接した状態で、横引き戸15を開閉しても、横引 き戸15の荷重を係合板16が支えないので開閉が小さい力でできる。
【0024】 そして、第1実施例の横引き戸装置は、横引き戸15の下框17に装着した戸 車18のローラー18cに環状の係合板16を設けた以外、下框17の戸車18 を入れる凹部17aを若干大きくする以外、横引き戸15は従来のものと同様で よく、製作が容易にできる。
【0025】 なお、第1実施例において、戸車18は、ローラー18cを軸方向に2分割し 、これらの間に環状の係合板16を同心に介在させて強力な接着で固着したり、 ローラー18cの外周面に係合板16を適宜の手段で嵌合固定したりすることで 、容易に得られる。
【0026】 図7,図8は請求項1,3に対応する第2実施例を示す。第2実施例に係る横 引き戸装置は、図7,図8に示すように、前述した第1実施例の装置と同構成の 戸枠14を有し、敷居13に幅の狭い係合溝13aを形成すると共に、係合溝1 3a以外の敷居13の上面13bを平坦にしてある。
【0027】 また、横引き戸15の下框17には、第1実施例の戸車にもうけた係合板をな くし、下框17の下面17bの幅(厚さ)方向中央部から下方に厚さが薄い係合 板20を垂下させてあり、係合板20は、左,右戸車18との干渉を避けて、下 框17の左,右端部係合板20aと,左,右戸車18間に配置した中央部係合板 20bとに3分割してある。なお、第2実施例の前述した以外の構成は第1実施 例と同様であり、図7,図8中の図4,図5,図6と同符号は対応する部分を示 している。
【0028】 そして、横引き戸15を戸枠14に着脱可能に嵌め、左,右戸車18のローラ ー18cの外周面18dを敷居13の平坦な上面13bに線接触させて支持させ ると共に、下框17の下面17bから垂下して突出する3分割した端部,中央部 係合板20a,20bを敷居13に形成した係合溝13aに遊び嵌めして、係合 させる。
【0029】 以上のように構成した第2実施例の横引き戸装置は、前述した第1実施例の横 引き戸装置とほぼ同様な効果が得られるが、下框17から垂下した係合板20が 係合溝13aに嵌まる面積が第1実施例の係合板よりも広くなることで、第1実 施例のものより横引き戸15が戸枠14から外れるのをより確実に防止できる。
【0030】 図9は第2実施例変形例を示し、この変形例では、横引き戸15の下框17外 縁部からこれの横方向全体に係合板21を垂下させ、係合板21を敷居13に形 成した係合溝13aに遊び嵌めした点が、前述した第2実施例と異なるだけであ る。 そして、この変形例では、第2実施例の横引き戸とほぼ同様な効果が得られる 。なお、図9中の図7,図8と同符号は対応する部分を示している。
【0031】 この考案において、戸枠を構成する柱,鴨居,敷居、とくに敷居は木製に限ら れることなく、アルミニウムの押し出し型材などの金属,プラスチック,セラミ ックなどによって一部または全体を構成してもよく、また、戸車はフレームを有 するものに限られることなく、枢軸によってローラーを横引き戸に直接的に枢着 するなど適宜変更できる。
【0032】 そして、前記実施例では、引違い戸について説明したが、この考案は片引き戸 などの横引き戸にも適用でき、硝子戸,障子,襖,雨戸などの各種横引き戸に広 く適用できる。
【0033】 そして、この考案では、敷居の係合溝にごみなどが詰まった場合には、家庭用 の電気掃除機によって吸引除去すればよく、また係合溝の底にごみや水を落下さ せて敷居外に排出させる排出孔を形成したり、横引き戸の下框に係合溝に嵌まっ て係合溝に溜まったごみを掻き出す爪片を設けたりしてもよい。
【0034】
【考案の効果】
以上説明したとおり、請求項1,2または3の考案に係る横引き戸装置は、い ずれも戸枠の敷居の上面に横方向に沿う幅の狭い係合溝を形成した以外、前記敷 居の上面を平坦にしたので、体裁がよく、しかも、建物の縁側に設けた横引き戸 装置の敷居に腰掛けたり、2つの部屋を仕切る横引き戸装置の襖などの横引き戸 を戸枠から取り外して2つの部居を連続して使用する場合に、前記敷居上に人が 腰掛けたり、座ったりしても、掛け心地や座り心地がよい。
【0035】 また、請求項1,2または3の考案に係る横引き戸装置は、いずれも敷居の平 坦な上面に、横引き戸の下框に装着した左,右戸車のローラーの外周面がこれら の軸方向の全長にわたって線接触することで、従来のレールに戸車のローラーの 外周面が点接触するものや、敷居の浅い凹溝に横引き戸の下框の下部をローラー なしに係合させるものに比べ、敷居の上面や戸車のローラーや枢軸などが磨耗し にくい。
【0036】 さらに、請求項1,2または3の考案に係る横引き戸装置は、横引き戸の下框 に装着した戸車のローラーの外周面から突出させた係合板または前記下框から突 出させた係合板を敷居の係合溝に遊び嵌めすることで、横引き戸を戸枠から外れ るのを防止しているので、係合板が係合溝の内,外側面に当接した状態で、横引 き戸が開閉することがあっても、横引き戸の荷重を係合板が支えないことで、比 較的小さい力で横引き戸を開閉できる。従って、長期間にわたり横引き戸装置を 安定して使用できる。
【0037】 請求項2の考案は、横引き戸の下框に装着した戸車のローラーに環状の係合板 を設けたので、戸車の改良と、下框の戸車を入れる凹部を大きくする以外、横引 き戸が従来のものと同じでよいため、製作が容易にできる。
【0038】 請求項3の考案は、横引き戸の下框から係合板を垂下させたので、係合板を下 框の横(左右)方向に長く形成でき、係合板の両面を敷居の係合溝の両側面に広 い面積で当接可能であるため、横引き戸の外れをより確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の横引き戸装置の一例を示した概略正面図
【図2】図1のA−A線に沿う部分拡大断面図
【図3】従来の横引き戸装置の他例を示した図2に相当
する拡大断面図
【図4】この考案の第1実施例に係る横引き戸装置を示
した概略正面図
【図5】図4のB−B線に沿う部分拡大断面図
【図6】図4に示す横引き戸装置の要部を示した拡大斜
視図
【図7】この考案の第2実施例に係る横引き戸装置を示
した概略正面図
【図8】図7のC−C線に沿う部分拡大断面図
【図9】第2実施例による横引き戸装置の変形例を示し
た図8に相当する拡大断面図
【符号の説明】
11 縦枠 12 鴨居 13 敷居 13a 係合溝 13b 上面 14 戸枠 15 横引き戸 16 係合板 17 下框 18 戸車 18a フレーム 18b 枢軸 18c ローラー 18d 外周面 19 上框 20 係合板 21 係合板
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年3月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【考案の名称】 横引き戸装置
【実用新案登録請求の範囲】
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の横引き戸装置の一例を示した概略正面図
【図2】図1のA−A線に沿う部分拡大断面図
【図3】従来の横引き戸装置の他例を示した図2に相当
する拡大断面図
【図4】この考案の第1実施例に係る横引き戸装置を示
した概略正面図
【図5】図4のB−B線に沿う部分拡大断面図
【図6】図4に示す横引き戸装置の要部を示した拡大斜
視図
【図7】この考案の第2実施例に係る横引き戸装置を示
した概略正面図
【図8】図7のC−C線に沿う部分拡大断面図
【図9】第2実施例による横引き戸装置の変形例を示し
た図8に相当する拡大断面図
【符号の説明】 11 縦枠 12 鴨居 13 敷居 13a 係合溝 13b 上面 14 戸枠 15 横引き戸 16 係合板 17 下框 18 戸車 18a フレーム 18b 枢軸 18c ローラー 18d 外周面 19 上框 20 係合板 21 係合板
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上面が平坦な敷居に横方向に沿い幅の
    狭い係合溝を前記上面に開口させて形成した戸枠と、前
    記敷居の上面に軸方向に長い範囲でローラーの外周面が
    支持される左,右戸車を下框にそれぞれ装着した横引き
    戸とを備え、左,右戸車のローラーの外周面または前記
    下框の下面から突出した係合板を前記係合溝に遊び嵌め
    したことを特徴とする横引き戸装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した戸枠および横引き
    戸とを備え、左,右戸車のローラー外周面の軸方向中央
    部から前記外周面の全周にわたって厚さが薄い環状の係
    合板をそれぞれ外周面と直角に突出させ、これらの係合
    板を敷居に形成した係合溝に遊び嵌めしたことを特徴と
    する横引き戸装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載した戸枠および横引き
    戸とを備え、この横引き戸の下框下面から横方向に長く
    厚さが薄い係合板を垂下させて突出させ、係合板を敷居
    に形成した係合溝に遊び嵌めしたことを特徴とする横引
    き戸装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101877331B1 (ko) * 2016-12-13 2018-07-11 주식회사 유니크시스템 가이드를 구비한 미서기 창호
CN109252773A (zh) * 2018-10-12 2019-01-22 湖州南浔研艺斋工艺品有限公司 一种门窗无尘传动装置

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KR101877331B1 (ko) * 2016-12-13 2018-07-11 주식회사 유니크시스템 가이드를 구비한 미서기 창호
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