JP3029405U - エアバッグモジュール - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両の乗員側エアバッグモジュールのハウジ
ングにエンドキャップを取り付けるための改善された安
価で簡素な手段を提供することをその課題とする。 【解決手段】 本エアバッグモジュールは、ハウジング
１０に対して２つのエンドキャップ１６、１８を取り付
けることによって形成される。エンドキャップ１６、１
８は、ハウジング１０のサイドウォール１１のチャネル
２６に係合するタブ４０、４０’を有する。エンドキャ
ップ１６、１８は、エアバッグ展開中においてタブをし
っかり保持するため、チャネル２６の変形により取り付
けられ得る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、車両の乗員側エアバッグモジュールに関し、更に詳細には、該モジ ュールのための改善されたエンドキャップや該モジュールへの取り付け構造に関 する。

【０００２】

【従来の技術】

乗員側エアバッグモジュールや個々の要素から成るモジュールの組立体を開示 する近時認可された米国特許には、次のようなものがある。 グッド（Good）の特許第5,069,480 号１９９１年１２月３日発行 ローリツエン（Lauritzen ）の特許第5,332,256 号１９９４年７月２６日発行 これらの特許の記載から、斯かるモジュールは、 折り畳んだエアバッグを包含するクッションパックと、 クッション（エアバッグ）を膨張させるためにガスを発生させるインフレータ （キャニスタ）を包含する手段と、 クッションパック及びインフレータ（キャニスタ）を受容するハウジング（あ るいはフレーム）、とを含む個々の要素から構成されている、ということが理解 されよう。

【０００３】 従来のハウジングは、プレス成型によって金属シートを所望の形状に形成する か、あるいは金属もしくは合成樹脂の鋳造や射出成形によって一部品のハウジン グを形成するかである。これらは、単純な形状には適している。他方、ローリツ エン（Lauritzen ）の第5,332,256 号特許や第4,941,678 号特許に開示されたよ うな複雑な形状のものは、ハウジングの底部及びサイドウォールを押し出し成形 し、その後に、別に形成しておいたエンドキャップを取り付けることによって製 造することができる。

【０００４】 これらの従来技術においては、エンドキャップ（あるいはエンドウォール）は 、衝突時のエアバッグ膨張時に車両内の所定位置に相互に関して確実に保持する ために、通常ネジやリベット等の手段を用いてサイドウォールに取り付けられる 。本願考案のエンドキャップは、ネジやリベット等の締結手段を用いることなく 、ハウジングのサイドウォールに取り付けられる。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

本願考案の基本的な目的は、乗員側エアバッグモジュールのハウジングにエン ドキャップを取り付けるための改善された手段を提供することにある。 本願考案の別の目的は、エアバッグモジュールのハウジングを完成させるため に、ハウジングにエンドキャップ部材を組み込むための簡単且つ安価な手段を提 供することにある。

【０００６】 本願考案の更に別の目的は、乗員側エアバッグモジュールのハウジングに対す るエンドキャップの取り付け形式の簡素化を図ることにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

これらの目的や他の目的を達成するために、本願考案に従い、好ましくは押し 出し成形により形成され、エアバッグモジュールを囲むためのエンドキャップを 受容するように構成されたチャネルを具備したサイドウォールを有する略「Ｕ」 形状のハウジング（あるいはシュート）が提供される。

【０００８】 エンドキャップは、エンドキャップのタブとハウジングのチャネルの舌状部と を係着させることやそれらが適当な形状を有することにより、ハウジングのサイ ドウォールに取り付けられる。 本願考案の基本的な利点は、エアバッグモジュールのハウジングを形成するた めにサイドウォールにエンドキャップを取り付けるため、ネジやリベット等の独 立した締結手段を必要としない点にある。

【０００９】 第１の実施形態においては、エンドキャップは、ハウジングのサイドウォール のチャネルに係合するタブを具備する。これらのタブは、ハウジングのチャネル の壁に係合して保持されるように鋸歯状部を具備する。更に、ハウジングの側部 は、エアバッグ展開中においても係合する。展開時の圧力の下で、インフレータ （キャニスタ）は、膨張し、苛酷な展開中においても鋸歯状部と確実に係合して いることができる。

【００１０】 第２の実施形態においては、タブは、鋸歯状部を具えていない。その代わりに 、タブは、平らであり、切り欠き部が形成される。切り欠き部には、ハウジング のサイドウォールのチャネルの壁から金属が変形して入り込み、ハウジングとエ ンドキャップとが相互固定される。 いずれの実施形態においても、エアバッグモジュール組立体の安全性の更なる 向上のために、エンドキャップのタブを受容するハウジングのチャネルの舌状部 を変形・成形することが好ましい。

【００１１】 本願考案の上記及び他の目的や利点については、添付図面に関連して記述され る以下の記載から明瞭になろう。

【００１２】

【考案の実施の形態】

以下、本考案の実施の形態を図面を参照して説明する。 図１に示したように、乗員側（passenger side）のエアバッグモジュールは、 サイドウォール１１及びベースを具えたハウジング（あるいはシュート）１０を 含み、（図示しない）クッションパック組立体を受容するように構成される。ク ッションパック組立体は、ハウジング１０のサイドウォール１１の間にピタリと 嵌合する。エアバッグモジュールは、上記ローリツエン（Lauritzen ）の特許に 開示されているものと似ているインフレータ（あるいはリアクションキャニスタ ）１２を含む。インフレータ１２は、ハウジング１０よりも短く描かれている。

【００１３】 インフレータ１２は、公知のもので構成することができ、詳細を図示しない。 インフレータ１２は、ハウジング１０のサイドウォール１１の溝に挿入するため の羽状部１３を具備する。羽状部１３は、インフレータ１２の軸線に平行に延び る。 好ましくは、ハウジング１０は、合成ポリマーや金属の押し出しにより形成さ れ、種々の目的のために複数の溝やチャネルを具備する。

【００１４】 ハウジング１０には、カバー１４やエンドキャップ１６、１８が被せられる。 図１及び２に示したように、ハウジング１０は、略「Ｕ」形状を有するアルミ ニウムの押し出し成形品から成る。この「Ｕ」形状の脚部に相当するハウジング 部分が、サイドウォール１１であり、両サイドウォール１１は、その下部がベー スと結合されている。両サイドウォール１１の上部には、カバー１４のフランジ ２４を受容するための溝２２が設けられる。カバー１４は、フランジ２４を溝２ ２に滑り込ませることによるか又はカバー１４をハウジング１０にスナップ式に 嵌め込むことにより、ハウジング１０に取り付けられる。

【００１５】 溝２２に隣接して、サイドウォール１１の長さ方向に延びるチャネル２６があ る。チャネル２６は、上側の舌状部２８と下側の舌状部３０によって形成されて おり、エンドキャップ１６、１８から延びるタブ４０を受容するように構成され ている。 ハウジング１０のサイドウォール１１には、更にスロット３２が設けられる。 スロット３２は、公知形式でハウジング１０に取り付けられるクッションパッケ ージ（図示せず）のフランジを受容するように構成される。

【００１６】 上記ローリツエン（Lauritzen）の特許に開示されているリアクションキャニ スタ（インフレータ）、ディフューザチューブ、付属品などは、公知であって、 リアクションキャニスタ（インフレータ）１２の両端にスタッド３４を有するこ とを記載するに留まり、それ以上の内容については記載を省略する。スタッド３ ４は、エンドキャップ１６、１８に設けた開口３６を貫通し得るように形成され る。スタッド３４及びタブ４０は、エンドキャップ取り付け時にエンドキャップ を所定方向に配向するのに役立つ。

【００１７】 エンドキャップは、皿状部３６を有する板１７を含み、皿状部３６は、インフ レータ（リアクションキャニスタ）を受容するハウジング１０の凹所に嵌合する 。エンドキャップは、車両ボディ（図示せず）に対する取り付けのための耳部３ ８と、ハウジング１０のサイドウォール１１のチャネル２６に係合するための一 対のタブ４０、とを有する。両タブ４０は、板１７を折り曲げることによって形 成されており、板１７の面に垂直に延びる。両タブ４０は、円滑な外面４２を有 する。タブ４０は、上側フランジ４６及び下側フランジ４８を有するようなコ字 形状に更に折り曲げられる。このコ字形状を成す両フランジ４６、４８の外縁に は、把持用の鋸歯状部４４が形成される。各タブ４０は、ハウジング１０のサイ ドウォール１１にエンドキャップを取り付ける場合に、ハウジング１０のサイド ウォール１１のチャネル２６に嵌合する。上記フランジ４６、４８の外縁の鋸歯 状部４４は、特にエアバッグ展開中における、ハウジング１０に対するエンドキ ャップの確実な取り付けに役立つ。エアバッグ展開中には、ハウジング内の圧力 が増大し且つ鋸歯状部４４に係合するようにハウジングが横方向に膨張しようと するからである。エンドキャップ１６、１８には、空気穴５０が設けられる。空 気穴５０は、エアバッグが展開しないような低速衝突の場合に、エンドキャップ が圧しつぶれるのを容易化する。

【００１８】 タブ４０は、図３及び５に示したように舌状部２８、３０のＳ部分によっても 、ハウジング１０に対してしっかり取り付けられる。この舌状部２８、３０のＳ 部分は、例えば挟み工具によって互いの方向に締め付け変形させることにより形 成される。 本考案の第２の実施形態が図４に示される。これにおいて、両タブ４０’は、 平らであり、その上縁及び下縁には、半円形状の切り欠き部５２が（例えば２つ ずつ）形成され、それによって突出部５６が設けられる。タブ４０’がチャネル ２６内に挿入されると、舌状部２８、３０が変形し、この変形した金属部分が切 り欠き部に入り込んで引っ掛かり、これにより、エンドキャップ１６、１８は、 タブ４０’を介してハウジング１０にしっかり取り付くことになる。

【００１９】 本考案の好適な実施形態について記載したが、請求の範囲のみに限定され、そ れ以外には限定されない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るエアバッグモジュールの図解的な
分解斜視図である。

【図２】ハウジングのサイドウォールの要部斜視図であ
る。

【図３】ハウジングに係合したエンドキャップの要部断
面図である。

【図４】エンドキャップの別の実施形態の要部斜視図で
ある。

【図５】サイドウォールの要部斜視図である。

【符号の説明】

１０…ハウジング １１…サイドウォール １２…インフレータ １４…カバー １６、１８…エンドキャップ １７…板 ２６…チャネル ２８、３０…舌状部 ４０、４０’…タブ

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 （１）略Ｕ形状のベースに連結された２
   つの立ったサイドウォールを具備した略Ｕ形状のハウジ
   ングと、 （２）ハウジング内部底部にインフレータを受容し且つ
   ハウジングの両サイドウォールの間にエアバッグクッシ
   ョン組立体を受容し得るような空間を画成する、ハウジ
   ングに連結される一対のエンドキャップと、 （３）エンドキャップをハウジングに連結するための連
   結手段、とを含むエアバッグモジュールにおいて、 連結手段は、ハウジングのサイドウォールの各々に少な
   くとも１つ設けたチャネルと、エンドキャップの各々か
   ら折り曲げ形成され且つサイドウォールのチャネルに係
   入するように形成された一対のタブ、とを含み、 エンドキャップは、チャネルにタブを挿入し、エンドキ
   ャップとハウジングとの間の連結の改善のためにタブに
   対してチャネルを変形させて相互固定することにより、
   ハウジングに対して確実に締結されることを特徴とする
   エアバッグモジュール。
2. 【請求項２】 （１）略Ｕ形状のベースに連結された２
   つの立ったサイドウォールを具備した略Ｕ形状のハウジ
   ングと、 （２）ハウジング内部底部にインフレータを受容し且つ
   ハウジングの両サイドウォールの間にエアバッグクッシ
   ョン組立体を受容し得るような空間を画成する、ハウジ
   ングに連結される一対のエンドキャップと、 （３）エンドキャップをハウジングに連結するための連
   結手段、とを含むエアバッグモジュールにおいて、 連結手段は、ハウジングのサイドウォールの各々に少な
   くとも１つ設けたチャネルと、エンドキャップの各々か
   ら折り曲げ形成され且つサイドウォールのチャネルに係
   入するように形成された一対のタブ、とを含み、 エンドキャップは、チャネルにタブを挿入することによ
   り、ハウジングに対して確実に締結され、 タブは、チャネルとタブとの間の保持状態を増進させる
   ために、連続的な切り欠きから成る縁部を有することを
   特徴とするエアバッグモジュール。
3. 【請求項３】 （１）略Ｕ形状のベースに連結された２
   つの立ったサイドウォールを具備した略Ｕ形状のハウジ
   ングと、 （２）ハウジング内部底部にインフレータを受容し且つ
   ハウジングの両サイドウォールの間にエアバッグクッシ
   ョン組立体を受容し得るような空間を画成する、ハウジ
   ングに連結される一対のエンドキャップと、 （３）エンドキャップをハウジングに連結するための連
   結手段、とを含むエアバッグモジュールにおいて、 連結手段は、ハウジングのサイドウォールの各々に少な
   くとも１つ設けたチャネルと、エンドキャップの各々か
   ら折り曲げ形成され且つサイドウォールのチャネルに係
   入するように形成された一対のタブ、とを含み、 エンドキャップは、チャネルにタブを挿入することによ
   り、ハウジングに対して確実に締結され、 タブは、チャネルとタブとの間の保持状態を増進させる
   ために、鋸歯状の縁部を具えたコ字形状を有することを
   特徴とするエアバッグモジュール。