JP3029385B2 - 芳香族ポリアミド樹脂と水溶性樹脂との複合体 - Google Patents

芳香族ポリアミド樹脂と水溶性樹脂との複合体

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JP3029385B2
JP3029385B2 JP7032908A JP3290895A JP3029385B2 JP 3029385 B2 JP3029385 B2 JP 3029385B2 JP 7032908 A JP7032908 A JP 7032908A JP 3290895 A JP3290895 A JP 3290895A JP 3029385 B2 JP3029385 B2 JP 3029385B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性及び機械的特性
を改善した芳香族ポリアミド樹脂と水溶性樹脂との複合
体に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、水溶性樹脂は、その取扱いが簡
便である上に、火災の危険が少ないこと、爆発性がない
こと、被塗物が多少濡れていても塗装できること及び製
造コストが安価であること等の利点を有していることか
ら、塗料、乳化剤、接着剤、保護層等として広範囲の分
野で使用されている。しかしながら、水溶性樹脂は、そ
のガラス転移温度(Tg)が通常200℃以下であって
耐熱性に劣るものであり、また、その機械的特性、特に
弾性率が低すぎる等の問題を有していることから、優れ
た取扱い性を有しているにもかかわらず、その利用が制
限されている。水溶性樹脂は、分子鎖中に水酸基、カル
ボキシル基等の水溶性基を適宜導入することによって水
可溶性を付与されているものであるが、通常、非芳香族
系の分子鎖で構成されているために、耐熱性に劣るとと
もに弾性率が低いものである。そこで、上記した水溶性
樹脂の特性を改善するために、水溶性樹脂に耐熱性及び
高弾性率を有する芳香族系樹脂を混合させることによ
り、耐熱性及び弾性率の向上を図ることができる。しか
し、芳香族系樹脂は、非水溶性であって、水溶性樹脂と
分子状に混合させることは容易でないし、混合が可能で
あっても相溶性が悪いために、安定した混合体を得るこ
とは困難である。芳香族系樹脂には、水との親和性に優
れた水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基等を導入し
て水溶性化させることが行われている。特に、水との親
和性が高いスルホン酸基を導入した水溶性ポリアミド樹
脂が提案されている(E.J. Vandenberg, et.al., J. Po
lym. Sci., A, Polym.Chem., 27, 3745(1987))が、該樹
脂は水溶性樹脂との安定した複合体を形成させることが
できないという問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、従
来の技術における上記のような実情に鑑みてなされたも
のであって、その目的は、水系溶媒から形成が可能であ
り、耐熱性及び機械的特性を改善した芳香族ポリアミド
樹脂と水溶性樹脂との安定した複合体を提供することに
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、従来の芳香
族樹脂の優れた特性を損なうことなく、水溶性樹脂と容
易に混合でき、かつ安定した複合体を形成し得る水溶性
芳香族系樹脂について鋭意検討した結果、フェノール性
水酸基を持つ特定の構造の芳香族ポリアミド樹脂を選択
することにより、アルカリ性アルコール水溶液に可溶な
水溶性樹脂とすることができるばかりでなく、水溶性樹
脂、特に水酸基を持つ水溶性樹脂との安定した複合体、
更に架橋構造を介してより安定な複合体が得られること
を見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明の芳香
族ポリアミド樹脂と水溶性樹脂との複合体は、下記一般
式(1)で示される繰り返し単位を90モル%以上含有
するアルカリ性アルコール水溶液に可溶な芳香族ポリア
ミド樹脂と水酸基を持つ水溶性樹脂とを混合したことを
特徴とする。
【0005】
【化3】 〔式中、Arは、
【化4】 (R1 及びR2 は、それぞれ水素原子、メチル基、エチ
ル基、プロピル基及びイソプロピル基から選ばれる基を
表わす。)である。〕
【0006】また、上記した芳香族ポリアミド樹脂と水
溶性樹脂との複合体は、芳香族ポリアミド樹脂中のフェ
ノール性水酸基と水溶性樹脂の水酸基とを、一分子中に
2個以上のエポキシ基を持つ水溶性エポキシ樹脂で架橋
させてより安定な複合体を得ることを特徴とする。
【0007】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明における芳香族ポリアミド樹脂は、前記一般式
(1)で示される繰り返し単位を90モル%以上含有す
ることが必要である。一般式(1)で示される繰り返し
単位の含有量が90モル%よりも低い場合には、芳香族
ポリアミド樹脂が、アルカリ性アルコール水溶液に可溶
な水溶性樹脂とはならず、また、水酸基を持つ水溶性樹
脂との混合が困難になることから、本発明に使用するこ
とは不適当である。また、本発明における芳香族ポリア
ミド樹脂は、その分子量が1,000〜200,000
の範囲にあり、またガラス転移点(Tg)が200℃以
上を有するものが好ましい。このような芳香族ポリアミ
ド樹脂は、水溶性樹脂と混合すると、得られた水溶性樹
脂は、そのTgが上昇することにより、耐熱性を向上さ
せるばかりでなく、弾性率等の機械的特性を改善させる
ことができる特徴を有するものである。
【0008】本発明における前記一般式(1)で示され
る繰り返し単位を有する芳香族ポリアミド樹脂は、芳香
族ジカルボン酸成分と芳香族ジアミン成分とのアミド化
縮重合反応によって容易に製造することができるが、芳
香族ジカルボン酸成分としては、下記一般式(2)で示
されるフェノール性水酸基を持つ芳香族ジカルボン酸ま
たはそれと他の芳香族ジカルボン酸およびそれらの誘導
体との混合物が使用され、芳香族ジアミン成分として
は、下記一般式(3)で示される芳香族ジアミンまたは
それと他の芳香族ジアミンとの混合物を用いることがで
きる。
【化5】 2 N−Ar−NH2 (3) (式中、Arは、前記したと同意義を有する。)
【0009】本発明において使用することができる上記
一般式(2)で示されるフェノール性水酸基を持つ芳香
族ジカルボン酸としては、5−ヒドロキシイソフタル
酸、4−ヒドロキシイソフタル酸、2−ヒドロキシフタ
ル酸、3−ヒドロキシフタル酸、2−ヒドロキシテレフ
タル酸等があげられるが、これらに限定されるものでは
ない。
【0010】また、上記一般式(2)で示されるフェノ
ール性水酸基を持つ芳香族ジカルボン酸と併用すること
ができる他の芳香族ジカルボン酸およびそれらの誘導体
としては、イソフタル酸、テレフタル酸、4,4′−ビ
フェニルジカルボン酸、3,3′−メチレン二安息香
酸、4,4′−メチレン二安息香酸、4,4′−オキシ
二安息香酸、3,4′−オキシ二安息香酸、4,4′−
チオ二安息香酸、3,3′−カルボニル二安息香酸、
4,4′−カルボニル二安息香酸、1,4−ナフタレン
ジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,
6−ナフタレンジカルボン酸、エチレンジアミノビスフ
タルイミド−4,4′−ジカルボン酸、3,3′−ビス
(4−カルボキシフェニル)プロパン、3,3′−ビス
(4−カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、
ビス(4−カルボキシフェニル)メタン、3,3′−ビ
ス(4−カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン
およびそれらの官能性誘導体を例示することができる。
【0011】一方、前記一般式(3)で示される芳香族
ジアミンとしては、ビス(4−アミノ−3−メチルフェ
ニル)メタン、ビス(4−アミノ−3,5−ジメチルフ
ェニル)メタン、ビス(4−アミノ−3−エチルフェニ
ル)メタン、ビス(4−アミノ−3,5−ジエチルフェ
ニル)メタン、ビス(4−アミノ−3−プロピルフェニ
ル)メタン、ビス(4−アミノ−3,5−ジプロピルフ
ェニル)メタン、ビス(4−アミノ−3−イソプロピル
フェニル)メタン、ビス(4−アミノ−3,5−ジイソ
プロピルフェニル)メタン、3,4′−オキシジアニリ
ン等があげられるが、これらに限定されるものではな
い。
【0012】また、前記一般式(3)で示される芳香族
ジアミンと併用することができる他の芳香族ジアミンと
しては、例えば、p−フェニレンジアミン、4,4′−
ジアミノジフェニルエーテル、3,3′−ジメチル−
4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、3,3′−ジ
アミノジフェニルエーテル、3,3′−ジアミノジフェ
ニルスルフィド、4,4′−ジアミノジフェニルスルフ
ィド、メタトリレンジアミン、3,4′−ジアミノジフ
ェニルエーテル、4,4′−ジアミノジフェニルチオエ
ーテル、3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノジフ
ェニルチオエーテル、3,3′−ジエトキシ−4,4′
−ジアミノジフェニルチオエーテル、3,3′−ジアミ
ノジフェニルチオエーテル、4,4′−ジアミノベンゾ
フェノン、3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノベ
ンゾフェノン、3,3′−ジアミノジフェニルメタン、
4,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,3′−ジメ
トキシ−4,4′−ジアミノジフェニルメタン、2,
2′−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、2,2′
−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、4,4′−ジ
アミノジフェニルスルホキシド、ベンチジン、3,3′
−ジメチルベンチジン、3,3′−ジメトキシベンチジ
ン、3,3′−ジアミノビフェニル、p−キシリレンジ
アミン、m−キシリレンジアミン、3,3′−ジヒドロ
キシ−4,4′−ジアミノビフェニル、3,3′−ビス
(4−ヒドロキシ−3−アミノフェニル)ヘキサフルオ
ロプロパン等があげられる。
【0013】本発明において、上記芳香族ジカルボン酸
成分と芳香族ジアミン成分とのアミド化縮重合反応は、
亜リン酸及びその誘導体とピリジン誘導体等の縮合剤を
使用する公知の方法を実施することによって行うことが
できる。例えば、高分子学会編、1991年発行「高分
子機能材料シリーズ2 高分子の合成と反応」第183
頁に記載の方法により行うことができる。すなわち、上
記した芳香族ジカルボン酸成分と芳香族ジアミン成分か
らなるモノマー類を反応溶媒中に5〜30重量%含む量
になるように溶解させ、亜リン酸及びその誘導体とピリ
ジン誘導体を縮合剤の存在下で反応温度が室温〜160
℃程度で、30分から数時間反応させることにより、本
発明における芳香族ポリアミド樹脂を得ることができ
る。この重合反応には、必要に応じて安定化剤として塩
化リチウムや塩化カルシウム等が添加される。
【0014】この場合に使用することができる亜リン酸
及びその誘導体としては、亜リン酸トリフェニル、亜リ
ン酸ジフェニル、亜リン酸トリ−o−トリル、亜リン酸
ジ−o−トリル、亜リン酸トリ−m−トリル、亜リン酸
ジ−m−トリル、亜リン酸ジ−p−トリル、亜リン酸ト
リ−p−トリル、亜リン酸ジ−p−クロロフェニル、亜
リン酸トリ−p−クロロフェニル等が挙げられ、また、
ピリジン誘導体としては、ビリジン、4−メチルピリジ
ン、3−メチルピリジン、2,4−ルチジン、2,5−
ルチジン、3,5−ルチジン等が挙げられるが、これら
に限定されるものではない。
【0015】また、上記の反応に使用される反応溶媒と
しては、通常の反応溶媒を用いることができるが、一般
に亜リン酸トリフェニルとピリジン誘導体を使用するポ
リアミド系樹脂の製造には、主としてN−メチル−2−
ピロリドン、ジメチルアセトアミド、ピリジン、1,3
−ジメチル−2−イミダゾリジノン等により代表される
アミド系溶媒を使用することができる。
【0016】上記芳香族ポリアミド樹脂の合成に際し
て、上記一般式(1)で示される繰り返し単位を90モ
ル%以上含有するようにするためには、上記した芳香族
ジカルボン酸成分および芳香族ジアミン成分中の前記一
般式(2)で示されるフェノール性水酸基を有する芳香
族ジカルボン酸および(3)で示される芳香族ジアミン
の配合量を適宜制御すればよい。
【0017】上記アミド化縮重合反応によって得られた
アルカリ性アルコール水溶液に可溶な芳香族ポリアミド
樹脂を含有する反応溶液は、次いで水、水とメタノール
又は水とエタノール等の混合液中に導入するか、又は、
これらの反応溶液中に水とメタノール又は水とエタノ−
ル等の混合液等を導入し、それによって本発明において
用いる芳香族ポリアミド樹脂を析出させることができ
る。
【0018】上記のようにして得られた本発明における
芳香族ポリアミド樹脂は、ジメチルアセトアミド、ジメ
チルホルムアミド、ピリジン等で代表されるアミド系溶
媒以外に弱アルカリ性アルコール水溶液に可溶であるか
ら、水酸基を持つ水溶性樹脂と容易に水系の溶媒を使用
して混合することができ、また、その樹脂中の水酸基を
介して水溶性樹脂と架橋反応を容易に行なうことができ
るために、安定した複合体を形成させることができる。
上記のようにして得られた芳香族ポリアミド樹脂と水酸
基を持つ水溶性樹脂とを混合するためには、上記の芳香
族ポリアミド樹脂の弱アルカリ性アルコール水溶液を作
製し、それを水酸基を持つ水溶性樹脂の水溶液と混合す
ればよい。
【0019】芳香族ポリアミド樹脂の弱アルカリ性アル
コール水溶液を製造する場合に使用するアルコールとし
ては、メタノール、エタノール、プロパノールが好まし
く、メタノールが特に好ましい。メタノールを用いる場
合、メタノールと水との混合比は、芳香族ポリアミド樹
脂の分子構造によって変化するが、一般にメタノールの
配合割合は、水に対して10〜90重量%である。この
アルコール水溶液に、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム等のアルカリ金属水酸化物、アンモニア、ヒドラジン
等のアルカリ化剤を添加して、弱アルカリ性メタノール
水溶液を形成させ、この水溶液に本発明の上記芳香族ポ
リアミド樹脂を添加、溶解させることにより芳香族ポリ
アミド水溶液を得ることができる。この場合に用いるア
ルカリ化剤としては、水酸化ナトリウムが特に好まし
く、その使用量は、該水溶液のpHが10程度以下にな
るように添加することが好ましい。アルコール水溶液の
アルカリ性が強い場合には、フェノール性水酸基を持つ
芳香族ポリアミド樹脂の加水分解を促進させるばかりで
なく、この樹脂と混合する水溶性樹脂に悪影響を及ぼす
ことになり、また、フェノール性水酸基を持つ芳香族ポ
リアミド樹脂と水酸基を持つ水溶性樹脂との架橋反応を
行なう場合にも悪影響を及ぼすことになる。
【0020】本発明に使用する水酸基を持つ水溶性樹脂
としては、水又は水とアルコールとの混合溶媒に可溶の
樹脂であれば如何なるものでもよく、具体的には、水溶
性フェノール樹脂、水溶性アルキッド樹脂、カルボキシ
ルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエ
チルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の水
溶性セルロース樹脂、水溶性ポリビニールアルコール樹
脂、水溶性変性ポリビニールアルコール樹脂、水溶性ポ
リ(ヒドロキシブチレート)樹脂、カルボキシルメチル
澱粉やヒドロキシエチル澱粉、変性澱粉等の水溶性澱
粉、カルボン酸変性ブチラール樹脂等が好ましいものと
して挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0021】本発明における複合体は、上記した芳香族
ポリアミド樹脂と水酸基を持つ水溶性樹脂とが均一に混
合し、分子レベルで均一に混合しているか、又は混合成
分の一部が塊状であってもミクロンオーダー以下で均一
に分散していることが必要であって、芳香族ポリアミド
樹脂と水酸基を持つ水溶性樹脂との配合割合は、5:9
5〜60:40の範囲であり、好ましくは5:95〜4
0:60の範囲である。
【0022】また、本発明の複合体は、一分子中に2個
以上のエポキシ基を持つ水溶性エポキシ樹脂と反応させ
て、芳香族ポリアミド樹脂と水酸基を持つ水溶性樹脂と
を架橋させ、安定化したものとすることができる。その
場合に使用することができる一分子中に2個以上のエポ
キシ基を持つ水溶性エポキシ樹脂の例としては、ソルビ
トール ポリグリシジルエーテル、ポリグリセロール
ポリグリシジルエーテル、ペンタエリトリトール ポリ
グリシジルエーテル、ジグリセロール ポリグリシジル
エーテル、トリグリシジルトリス(ヒドロキシエチル)
イソシアヌレート、グリセロール ポリグリシジルエー
テル、トリメチロールプロパン ポリグリシジルエーテ
ル、ネオペンチルグリコール ジグリシジルエーテル、
エチレンポリエチレングリコール ジグリシジルエーテ
ル、プロピレンポリプロピレングリコール ジグリシジ
ルエーテル、アジピン酸 ジグリシジルエーテル、ポリ
エチレングリコール#200ジグリシジルエーテル、ポ
リエチレングリコール#400ジグリシジルエーテル、
エポライト200E−アクリル酸付加物、エポライト4
00E−アクリル酸付加物等が挙げられるが、これらに
限定されるものではない。これら水溶性エポキシ樹脂の
使用量としては、反応系中の原料樹脂の水酸基当量と同
一になるように添加することが好ましいが、必要に応じ
て、それより過剰に添加してもよいし、また、少量添加
してもよい。しかし、その使用量が大過剰すると、未反
応エポキシ基が反応系中に残存する可能性が高くなるの
で、好ましくない。また、この架橋反応は、一般に、室
温から200℃までの温度で実施される。
【0023】本発明の複合体には、必要に応じて、他の
添加剤を加えることができる。例えば、天然ワックス
類、合成ワックス類、長鎖脂肪酸及びその金属塩類、酸
アミド類、エステル類、パラフィン類等の離型剤、シリ
コーンゴム、ニトリルゴム、ブタジエンゴム、ポリシロ
キサン等の応力緩和剤、塩素化パラフィン、ブロムトル
エン、ヘキサブロムベンゼン、三酸化アンチモン等の難
燃剤、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリ
ング剤、アルミニウム系カップリング剤等のカップリン
グ剤、溶融シリカ、結晶性シリカ、ガラスフレーク、ガ
ラスビーズ、ガラスバルーン、タルク、アルミナ、ケイ
酸カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、マグネ
シア、窒化ケイ素、窒化ホウ素、フェライト、希土コバ
ルト、金、銀、ニッケル、銅、亜鉛、鉛、鉄粉、酸化
鉄、砂鉄等の金属粉、黒鉛、カーボン等の無機質充填剤
又は導電性粒子、染料や顔料等の着色剤、酸化安定剤、
光安定剤、耐湿向上剤、チキソトロピー付与剤、希釈
剤、泡消剤、その他の樹脂等を配合することができる。
これらの添加剤は、その使用目的などにより変化する
が、上記複合体に対して、通常、0.1〜300重量%
の範囲で添加することが好ましい。本発明により得られ
る複合体は、その特性から表面保護剤、被膜剤、接着
剤、結着剤及びシール剤等としての使用に適している。
【0024】
【実施例】以下に、本発明について実施例により詳細に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。 合成例1 メカニカルスタラー、冷却管、塩化カルシウム管、窒素
導入管を取り付けた200mlの3つ口丸底フラスコ
に、5−ヒドロキシイソフタル酸3.642g(20ミ
リモル)、3,3′,5,5′−テトラエチル−4,
4′−ジアミノジフェニルメタン6.209g(20ミ
リモル)、塩化カルシウム2.02g、塩化リチウム
0.66g、N−メチル−2−ピロリドン120ml、
ピリジン6ml及び亜リン酸トリフェニル12.41g
(40ミリモル)を装入し、窒素雰囲気下、120℃で
4時間撹拌しながら反応させた。反応終了後、反応溶液
を、室温まで冷却し、メタノールと水との混合溶媒中に
投入して樹脂を析出させた。生成した樹脂をさらにメタ
ノールと水との混合溶媒で洗浄して、芳香族ポリアミド
樹脂を収率91%で得た。また、この樹脂の固有粘度値
は、0.60dl/g(30℃の硫酸溶媒)であった。
【0025】合成例2 合成例1において、5−ヒドロキシイソフタル酸3.6
42g(20ミリモル)を3.278g(18ミリモ
ル)とし、さらにイソフタル酸0.332g(2ミリモ
ル)を加えた以外は、合成例1と同様にして重合させ、
生成した樹脂を析出させて後、精製して、芳香族ポリア
ミド樹脂を収率93%で得た。また、この樹脂の固有粘
度値は、0.62dl/g(30℃の硫酸溶媒)であっ
た。 合成例3 合成例1において、3,3′,5,5′−テトラエチル
−4,4′−ジアミノジフェニルメタンを3,4′−オ
キシジアニリン4.005g(20ミリモル)に代えた
以外は、合成例1と同様にして重合させ、生成した樹脂
を析出させて後、精製して、芳香族ポリアミド樹脂を収
率98%で得た。また、この樹脂の固有粘度値は、0.
70dl/g(30℃の硫酸溶媒)であった。
【0026】実施例1 合成例1で得た芳香族ポリアミド樹脂2gを水酸化ナト
リウムによりpH10に調整した80%メタノール水溶
液10gに溶解させて得たメタノール水溶液6.02g
を、20%ポリビニールアルコール水溶液(クラレポバ
ールPVA−117H、鹸化度99.3%、クラレ社
製)25gと混合し、さらにエポキシ架橋剤としてトリ
グリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌ
レート(ナガセ化成工業社製)0.5gを添加して、ポ
リビニールアルコール及び芳香族ポリアミドが溶解した
水溶液を得た。これをガラス板上にキャストし、60℃
で加熱乾燥して透明な膜を形成した後、さらに、180
℃に加熱して架橋反応を行なった。得られたポリビニー
ルアルコールと芳香族ポリアミドとの複合膜を熱分析装
置(ADS−100A、島津製作所社製)により、その
複合膜のガラス転移温度(Tg)を測定した。また、引
張り試験機(UCT−100、オリエンテック社製)に
より、その複合膜の引っ張り強度を測定することによっ
て、破断点エネルギー及び最大応力と弾性率を求めた。
その結果を表1に示す。
【0027】実施例2 合成例2で得られた芳香族ポリアミド樹脂を使用し、実
施例1と同様にして、芳香族ポリアミド樹脂2gと20
%ポリビニールアルコール水溶液(クラレポバールPV
A−117H、鹸化度99.3%、クラレ社製)25g
とから芳香族ポリアミドの複合膜を作成し、その複合膜
について実施例1と同様に熱特性及び機械的特性を測定
した。その結果を表1に示す。
【0028】実施例3 合成例3で得られた芳香族ポリアミド樹脂を使用し、実
施例1と同様にして、芳香族ポリアミド樹脂2gと20
%ポリビニールアルコール水溶液(クラレポバールPV
A−117H、鹸化度99.3%、クラレ社製)25g
とから芳香族ポリアミドの複合膜を作成し、その複合膜
について実施例1と同様に熱特性及び機械的特性を測定
した。その結果を表1に示す。
【0029】比較例1 実施例1におけるpH10の80%メタノール水溶液1
0gを溶かしたメタノール水溶液6.02gに代えて、
20%ポリビニールアルコール水溶液(クラレポバール
PVA−117H、鹸化度99.3%、クラレ社製)5
gを用いた以外は、実施例1と同様にしてポリビニール
アルコール膜を作成し、その複合膜について実施例1と
同様に熱特性及び機械的特性を測定した。その結果を表
1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
【発明の効果】本発明で得られる芳香族ポリアミド樹脂
と水溶性樹脂との複合体は、表1から明らかなように、
熱特性及び機械的特性に優れた水溶性樹脂組成物であっ
て、それらの特性を利用して表面保護剤、被膜剤、接着
剤、結着剤及びシール剤等にその使用分野を広範囲に拡
大することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 77/00 - 77/12 C08G 59/00 - 59/72 C08L 101/00 - 101/14 C08G 69/00 - 69/50 CA(STN) CAOLD(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で示される繰り返し単
    位を90モル%以上含有するアルカリ性アルコール水溶
    液に可溶な芳香族ポリアミド樹脂と水酸基を持つ水溶性
    樹脂とを混合したことを特徴とする芳香族ポリアミド樹
    脂と水溶性樹脂との複合体。 【化1】 〔式中、Arは、 【化2】 (R1 及びR2 は、それぞれ水素原子、メチル基、エチ
    ル基、プロピル基及びイソプロピル基から選ばれる基を
    表わす。)である。〕
  2. 【請求項2】 芳香族ポリアミド樹脂中のフェノール性
    水酸基と水溶性樹脂の水酸基とを、一分子中に2個以上
    のエポキシ基を持つ水溶性エポキシ樹脂で架橋させてな
    ることを特徴とする、請求項1記載の芳香族ポリアミド
    樹脂と水溶性樹脂との複合体。
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