JP3029313B2 - ガラス繊維強化ポリオレフィン樹脂成形品およびその製造方法 - Google Patents

ガラス繊維強化ポリオレフィン樹脂成形品およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車部品、家電部品
等として好適に使用することができるガラス繊維強化ポ
リオレフィン樹脂成形品およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ガラス
繊維強化ポリプロピレンは、機械的強度が高く、工業材
料分野において重要な材料として使用されている。しか
し、このガラス繊維強化ポリプロピレンは、反り変形が
大きく、かつ衝撃強度が低いという欠点を有しており、
その用途が限定されている。このため、従来より、ガラ
ス繊維強化ポリプロピレンの欠点を解消するためにいく
つかの提案がなされている。
【0003】例えば、特公昭62-34258号、特公昭61-533
84号では、ポリプロピレンのMI(メルトインデック
ス)を調整することによって反り変形を抑制する方法が
提案されている。しかし、この方法は反り変形の抑制効
果が不十分である上、衝撃強度を向上させることができ
ない。また、特公昭53-121843号、特公昭59-226041号に
おいては、ガラスファイバーとマイカ等の板状フィラー
とを併用する方法が提案されているが、この方法は反り
変形の防止には多少の効果があるものの、衝撃強度を逆
に低下させてしまう。さらに、特公昭59-2294号では、
非晶性弾性体(エラストマー)を添加する方法が提案さ
れているが、この方法は反り変形の抑制及び衝撃強度の
向上には効果があるものの、ガラス繊維強化樹脂の特徴
である優れた引張強さ、曲げ強さ、耐熱性(HDT)等
を大幅に損ねてしまうという問題がある。本発明は、上
記事情に鑑みなされたもので、ガラス繊維強化樹脂の本
来の特徴である優れた引張強さ、曲げ強さ、耐熱性(H
DT)を維持しつつ、反り変形が少なく、しかも衝撃強
度の高いガラス繊維強化ポリオレフィン樹脂成形品およ
びそのような成形品が効率的に得られる製造方法を提供
することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者らは、
上記目的を達成するために鋭意検討を行なった結果、ポ
リプロピレン系樹脂に特定の低密度ポリエチレンと変性
ポリオレフィンとを加え、かつ成形品中のガラス繊維の
平均繊維長を一定の長さに保つことにより、上記目的が
効果的に達成されることを見い出した。すなわち、本発
明者らは、ポリプロピレン系樹脂に低密度ポリエチレン
を加えた場合、反り変形は少なくなるものの、従来のガ
ラス繊維の繊維長では引張強さ、曲げ強さ、耐熱性(H
DT)が大幅に低下し、使用に耐えられなくなる上、衝
撃強度は殆ど向上しないのに対し、特定の低密度ポリエ
チレンと変性ポリオレフィンとを加え、かつ成形品中の
ガラス繊維の繊維長を1〜6mmに保つことにより、引
張強さ、曲げ強さ、耐熱性(HDT)を高く維持するこ
とができ、しかも衝撃強度を大幅に向上させることが可
能となることを知見し、本発明をなすに至った。
【0005】従って、本発明は、(a)メルトインデッ
クスが5g/10分以上のポリプロピレン系樹脂を
(a),(b),(c)成分の合計量の45〜85重量
%と、(b)密度が0.89〜0.93g/cm3、メ
ルトインデックスが5g/10分以上で、下記式で表わ
されるMI比が0.5〜5である低密度ポリエチレンを
(a),(b),(c)成分の合計量の5〜25重量%
と、 MI比=MI(a)/MI(b) MI(a):成分(a)のメルトインデックス MI(b):成分(b)のメルトインデックス (c)平均繊維径が3〜20μmで、成形品中における
平均繊維長が2〜6mmであるガラス繊維を(a),
(b),(c)成分の合計量の10〜40重量%と、 (d)前記(a),(b),(c)成分の合計量100
重量部に対して0.1〜10重量部の変性ポリオレフィ
ンとからなり、かつ、JIS K7203に準拠して測
定した120℃曲げ強さを321Kg/cm2以上の値
とし、JIS K7207に準拠して測定したHDTを
150℃以上の値とし、JIS K7110に準拠して
測定したIZOD衝撃強さを20.2kgcm/cm以
上の値としたことを特徴とするガラス繊維強化ポリオレ
フィン樹脂成形品である。また、本発明の別の態様は、
下記工程(I)〜(III) を含むことを特徴とする上記
ガラス繊維強化ポリオレフィン樹脂成形品の製造方法で
ある。 (I)溶融した前記(a)および(b)のポリプロピレ
ン樹脂中に、平均繊維径が3〜20μmのガラス繊維か
らなる繊維束を連続的に通過させ、その繊維束に、前記
溶融体を含浸させて、ガラス繊維が連続したストランド
を形成する工程、 (II)形成されたストランドを、切断して、溶融混練せ
ずにガラス繊維とポリプロピレン樹脂とが複合化された
強化樹脂(マスターバッチ)を作製する工程、 (III) 強化樹脂(マスターバッチ)を溶融混練する工
程。
【0006】以下、本発明につき更に詳しく説明する。
まず、各成分について説明する。 (a)成分 (a)成分としては、MIが5g/10分以上、好まし
くは10〜60g/10分以上のポリプロピレン系樹脂
が用いられる。MIが5g/10分未満では組成物の成
形性が悪くなると共に、反り変形が大きくなる。(a)
成分のポリプロピレン系樹脂としては、ポリプロピレン
単独重合体やエチレン−プロピレン共重合体等を使用で
きる。より具体的には、結晶性を有するアイソタクチッ
クプロピレン単独重合体や、エチレン単位の含有量が少
ないエチレンプロピレンランダム共重合体から成る共重
合部又はプロピレン単独重合体からなるホモ重合部とエ
チレン単位の含有量が比較的多いエチレンプロピレンラ
ンダム共重合体とから成る共重合部から構成された、い
わゆるプロピレンブロック共重合体として市販されてい
る実質上結晶性のプロピレンとエチレンとのブロック共
重合体、あるいはこのブロック共重合体における各ホモ
重合部又は共重合部が、さらにブテン−1,2−メチル
ペンテン−1などのα−オレフィンを共重合したものか
らなる実質上結晶性のプロピレン−エチレン−α-オレ
フィン共重合体などが好ましく挙げられる。これらの中
でも、エチレン含量が3〜10重量%の結晶性エチレン
−プロピレン共重合体が特に好ましい。(a)成分の配
合量は(a),(b),(c)成分の合計量の45〜8
5重量%、好ましくは50〜80重量%である。
【0007】(b)成分 (b)成分としては、密度が0.89〜0,93g/c
m3、好ましくは0.90〜0.92g/cm3、メルト
インデックスが5g/10分以上、好ましくは10〜1
00g/10分で、かつ前記式で示されるMI比が0.
5〜5、好ましくは1〜4である低密度ポリエチレン
(LDPE)が用いられる。密度が0.89g/cm3
未満では引張強さ、曲げ強さ、HDTが低下する場合が
あり、0.93g/cm3を超えると反り変形の抑制効
果が少ない。MIが5g/10分未満では反り変形の抑
制効果が少ない。MI比が0.5〜5の範囲を外れると
反り変形の抑制効果が少ない。(b)成分としては、線
状低密度ポリエチレン(L−LDPE)、低密度ポリエ
チレン(LDPE)、超低密度線状ポリエチレン(V−
LDPE)等を挙げることができるが、特に密度が0.
90〜0.92g/cm3の線状低密度ポリエチレン
(L−LDPE)が好ましい。(b)成分の配合量は
(a),(b),(c)成分の合計量の5〜25重量
%、好ましくは10〜20重量%である。5重量%未満
では反り変形の抑制効果が少なく、25重量%を超える
と強度,剛性,耐熱性の低下をまねく。
【0008】(c)成分 (c)成分としては、繊維径が3〜20μm、好ましく
は6〜15μmで、成形品中における繊維長が1〜6m
m、好ましくは2〜5mmのガラス繊維を用いる。繊維
径が3μm未満だと破断し易く、成形品中における繊維
長を1〜6mmに保つことが困難になり、20μmを超
えると成形品の外観が悪くなると共に、十分な強度を維
持できない場合がある。成形品中における繊維長が1m
m未満であると反り変形が大きくなると共に、衝撃強度
が低下し、しかも強度,剛性,耐熱性が不足する。6m
mを超えると成形性が低下すると共に、射出成形時の噛
み込み不良、分級等が発生することがある。(c)成分
の配合量は(a),(b),(c)成分の合計量の10
〜40重量%、好ましくは15〜30重量%である。1
0重量%未満では強度,剛性,耐熱性が不足する場合が
生じると共に、反り変形が大きくなる。40重量%を超
えると成形性が低下すると共に、成形品の外観が悪くな
る。
【0009】(d)成分 (d)成分の変性ポリオレフィンとしては、特に限られ
ないが、酸変性ポリオレフィンを好適に使用することが
できる。この酸変性ポリオレフィンは、ポリオレフィン
とα、β−不飽和カルボン酸及び/又はその酸無水物と
を、溶媒中において、あるいは溶融混練状態において、
ラジカル発生剤を用いて反応させることにより、該ポリ
オレフィンをα、β−不飽和カルボン酸及び/又はその
酸無水物で変性したものである。該ポリオレフィンとし
ては、例えば高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレ
ン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブ
チレン、ポリブタジエン、シス−ポリブタジエンゴム、
エチレン−プロピレンポリマー、さらにはエチレン−プ
ロピレン−シクロペンタジエンコポリマー、エチレン−
プロピレン−1,4−シクロオクタジエンコポリマーな
どのエチレン−プロピレン−ジエンコポリマーといった
オレフィン単独重合体又は共重合体が挙げられる。
【0010】一方、α、β−不飽和カルボン酸及びその
酸無水物としては、炭素数が20以下、特に4〜16の
ものが好適であり、例えばアクリル酸、メタクリル酸、
エタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シ
トラコン酸、3,6−エンドメチレン−2,3,4,6
−テトラヒドロシス−フタル酸及びこれらの酸無水物な
どが挙げられるが、これらの中で、カルボン酸よりも酸
無水物の方が好ましく、特に無水マレイン酸が好適であ
る。この無水マレイン酸は、ポリオレフィン100重量
部に対して通常0.1〜50重量部の割合で用いられ
る。
【0011】さらにラジカル発生剤としては、ポリオレ
フィンとα、β−不飽和カルボン酸やその酸無水物との
反応を促進するものであればよく、特に制限はないが、
例えばベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシ
ド、アゾビスイソブチロニトリル、ジクミルペルオキシ
ド、α,α'−ビス(t−ブチルペルオキシジイソプロ
ピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−
ブチルペルオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルペルオキ
シド、クメンヒドロペルオキシド、t−ブチルヒドロペ
ルオキシドなどが挙げられる。これらのラジカル発生剤
は、反応形式及び使用するポリオレフィンや変性剤の種
類などに応じて適宜選ばれる。
【0012】本発明において、変性ポリオレフィンとし
ては、ポリプロピレン、ポリエチレンやエチレン−プロ
ピレン−コポリマーをマレイン酸、アクリル酸やその無
水物で変性したもの、特にマレイン酸変性ポリプロピレ
ンが特に好適である。(d)成分の配合量は、(a),
(b),(c)成分の合計量100重量部に対して0.
1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部である。
0.1重量部未満であると界面改質効果が少なく、強
度,耐熱性が低くなる。10重量部を超えるとそれ以上
の強度,耐熱性の改良は期待できず、コストマップとな
り、経済的でないばかりか、衝撃強度が逆に低下する場
合がある。また、本発明の組成物には、必要に応じ、酸
化防止剤、耐候剤、離型剤、分散剤、顔料等の添加剤を
適宜加えることができる。
【0013】本発明の組成物の製法に限定はないもの
の、次の方法を特に好適に採用することができる(特願
平1-322694号)。すなわち、溶融した熱可塑性樹脂
((a)成分、(b)成分)中に繊維束(ガラス繊維)
を連続的に通過させ、繊維束に溶融樹脂を含浸させた
後、ダイスより引き出し、樹脂を硬化させることによっ
て繊維強化樹脂成形材料を製造する方法、であり、前記
繊維束に溶融樹脂を含浸させる際に、繊維束を、ロッド
の中心を通る直線に対し少なくとも一側が所定の角度だ
け傾斜した状態でロッドに巻き掛けるようにした方法で
ある。この場合、好ましくは繊維束を、ロッドの中心を
通る直線に対して少なくとも一側が10度以上の傾斜角
を有した状態でロッドに巻き掛けるようにする。また、
必要に応じて繊維束が波形を形成するよう、該繊維束を
複数のロッドに接触させるようにする。 よって、(I)溶融した(a)および(b)のポリプロ
ピレン樹脂中に、平均繊維径が3〜20μmのガラス繊
維からなる繊維束を連続的に通過させ、その繊維束に、
前記溶融体を含浸させて、ガラス繊維が連続したストラ
ンドを形成する工程と、 (II)形成されたストランドを、切断して、溶融混練せ
ずにガラス繊維とポリプロピレン樹脂とが複合化された
強化樹脂(マスターバッチ)を作製する工程と、 (III) 強化樹脂(マスターバッチ)を溶融混練する工
程と、を含んでガラス繊維強化ポリオレフィン樹脂成形
品を製造することができる。
【0014】上記特願平1-322694号の方法を採用するこ
とにより、混練工程を用いずにガラス繊維とポリオレフ
ィンとを複合化した強化樹脂を製造することができるた
め、成形品中のガラス繊維長を長く保つことが可能とな
り、そのため強度,剛性,耐熱性に著しく優れた組成物
を得ることが可能になる。すなわち、従来のガラス繊維
強化ポリオレフィンは、通常ポリオレフィンとガラス繊
維とを押出機で混練して製造しているため、ガラス繊維
が破断し、成形品中のガラス繊維の平均繊維長が0.2
〜0.5mmと短く、そのため衝撃強度が低く、かつ反
り変形が大きいという欠点を有していた。これに対し、
上記欠点を改良するため、ポリオレフィンにエラストマ
ーをブレンドすることが従来提案されていたが、この方
法は衝撃強度、反り変形の面で改良効果は認められるも
のの、エラストマーがブレンドされるため、強度、耐熱
性、剛性の面で大幅に低下するという問題を生じてい
た。しかし、上記方法を採用することにより、かかる問
題点が確実に解消されるものである。
【0015】
【実施例】次に実施例、比較例により本発明を具体的に
示すが、本発明は下記実施例に限定されるものではな
い。 [マスターバッチの製造] 前記特願平1-322694号に示した方法により、MIが30
g/10分のポリプロピレン40重量%と繊維径13μ
mのガラス繊維60重量%とからなるガラス繊維が連続
したストランドを製造した後、ペレット長が6mmにな
るようにカッティングを行ない、これをマスターバッチ
として用いた。このマスターバッチをMB−1とした。 [実施例1] MI=30g/10分の結晶性エチレン−プロピレン共
重合体、密度0.92g/cm3、MI=20g/10
分の線状低密度ポリエチレン、上記MB−1及びマレイ
ン酸変性ポリプロピレンを用い、射出成形にて試験片を
作成した。得られた試験片の組成及び物性を表1、表2
に示す。
【0016】[比較例1] MI=30g/10分の結晶性エチレン−プロピレン共
重合体、密度0.92g/cm3、MI=20g/10
分の線状低密度ポリエチレン、繊維径13μm、長さ3
mmのガラス繊維及びマレイン酸変性ポリプロピレンを
所定量ブレンドした後、二軸混練機(ガラス繊維のみサ
イドフィード)で混練し、試験片(ペレット)を得た。
得られた試験片の組成及び物性を表1、表2に示す。 [比較例2] 比較例1において、線状低密度ポリエチレンを、ムーニ
ー粘度が24の非晶性エチレン−プロピレン共重合体
(EPR)に代えた以外は、比較例1と同様にして試験
片を作成した。得られた試験片の組成及び物性を表1、
表2に示す。 [実施例2] 実施例1において、線状低密度ポリエチレンとして密度
0.905g/cm3、MI=10g/10分のものを
用いた以外は、実施例1と同様にして試験片を作成し
た。得られた試験片の組成及び物性を表1、表2に示
す。
【0017】[マスターバッチの製造] 前記MB−1の製造方法において、ポリプロピレンとし
てMI=10g/10分のものを用いた以外は、同様の
方法でマスターバッチを作成した。このマスターバッチ
MB−2とした。 [実施例3] MI=10g/10分の結晶性エチレン−プロピレン共
重合体、密度0.92g/cm3、MI=8g/10分
の線状低密度ポリエチレン、上記MB−2及びマレイン
酸変性ポリプロピレンを用い、射出成形にて試験片を作
成した。得られた試験片の組成及び物性を表1、表2に
示す。 [比較例3] 実施例3において、線状低密度ポリエチレンを、密度
0.96g/cm3、MI=1g/10分の高密度ポリ
エチレンに代えた以外は、実施例3と同様にして試験片
を作成した。得られた試験片の組成及び物性を表1、表
2に示す。
【0018】なお、表2の各物性は下記の方法で測定し
た。 曲げ特性:JIS K7203に準拠して測定した。 120℃曲げ特性:JIS K7203に準拠して測定
した。 HDT(高荷重):JIS K7207に準拠して測定
した。 IZOD衝撃強さ:JIS K7110に準拠して測定
した。 反り変形量:図1に示すように、射出成形にて直径Dが
20mm、厚さtが1.5mmの円板を成形し、この円
板の底面の最も低い箇所から上端両側部までの高さa,
bをそれぞれ計測して、下記式により求めた。 反り変形量(%)=(a+b−2t)/2DX100
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】表2の結果より、下記〜のことがわか
る。本発明のガラス繊維強化樹脂成形品は、従来のも
のに比べて強度、耐熱性に優れていること(実施例1〜
3と比較例2との比較)。成形品の組成は同一であっ
ても、ガラス繊維の繊維長が異なることにより、物性及
び反り変形が大幅に向上すること(実施例1と比較例1
との比較)。すなわち、従来の繊維長では、反り変形を
改良するためにポリエチレンを添加しても、物性の低下
が大きすぎて使用に耐えないが、繊維長をコントロール
することにより、優れた性能が発揮されることがわか
る。ポリエチレンが本発明の範囲以外のものである
と、物性が低下するとともに、反り変形の改良効果が小
さいこと(実施例1〜3と比較例3との比較)。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のガラス繊
維強化樹脂成形品および本発明の製造方法から得られる
ガラス繊維強化樹脂成形品は、ガラス繊維強化樹脂成形
本来の特徴である優れた引張強さ、曲げ強さ、耐熱性
を保持しつつ、反り変形が抑制され、かつ高い衝撃強度
を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】反り変形量の測定方法を示す説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 51:06 23:26) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 23/10 C08K 7/14

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)メルトインデックスが5g/10
    分以上のポリプロピレン系樹脂を(a),(b),
    (c)成分の合計量の45〜85重量%と、 (b)密度が0.89〜0.93g/cm 3 、メルトイ
    ンデックスが5g/10分以上で、下記式で表わされる
    MI比が0.5〜5である低密度ポリエチレンを
    (a),(b),(c)成分の合計量の5〜25重量%
    と、 MI比=MI(a)/MI(b) MI(a):成分(a)のメルトインデックス MI(b):成分(b)のメルトインデックス (c)平均繊維径が3〜20μmで、成形品中における
    平均繊維長が2〜6mmであるガラス繊維を(a),
    (b),(c)成分の合計量の10〜40重量%と、 (d)前記(a),(b),(c)成分の合計量100
    重量部に対して0.1〜10重量部の変性ポリオレフィ
    ンとからなり、 かつ、 JIS K7203に準拠して測定した120℃曲げ強
    さを321Kg/cm 2 以上の値とし、 JIS K7207に準拠して測定したHDTを150
    ℃以上の値とし、 JIS K7110に準拠して測定したIZOD衝撃強
    さを20.2kgcm/cm以上の値としたことを特徴
    とするガラス繊維強化ポリオレフィン樹脂成形品。
  2. 【請求項2】 下記工程(I)〜(III) を含むことを
    特徴とする請求項1に記載のガラス繊維強化ポリオレフ
    ィン樹脂成形品の製造方法。 (I)溶融した前記(a)および(b)のポリプロピレ
    ン樹脂中に、平均繊維径が3〜20μmのガラス繊維か
    らなる繊維束を連続的に通過させ、その繊維束に、前記
    溶融体を含浸させて、ガラス繊維が連続したストランド
    を形成する工程、 (II)形成されたストランドを、切断して、溶融混練せ
    ずにガラス繊維とポリプロピレン樹脂とが複合化された
    強化樹脂(マスターバッチ)を作製する工程、 (III) 強化樹脂(マスターバッチ)を溶融混練する工
    程。
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