JP3029291U - 電気コネクタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 占有面積を小さくできる電気コネクタを提供
することを目的としている。 【構成】 プリント回路基板の縁部を受け入れるための
凹入部が形成されたハウジング２と、プリント回路基板
の縁部の導電パターンと導通するための、前記凹入部に
並列して設けられた複数のターミナル３とで構成された
電気ターミナル１である。ハウジング２に、凹入部に受
け入れられたプリント回路基板の側縁と係合するため
に、拡開可能としたラッチ片１１が、ハウジング２と一
体的に連設してあり、このラッチ片１１の拡開方向の外
側に沿って、金属製のバックアップ片１４が設けてあ
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、電気コネクタに係り、更に詳しくは、メモリモジュール等を構成し たプリント回路基板の縁部を受け入れて、このプリント回路基板と他のプリント 回路基板間の電気接続ができるようにした電気コネクタに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種の電気コネクタは、プリント回路基板の縁部を受け入れるための 凹入部が形成されたハウジングと、前記プリント回路基板の縁部の導電パターン と導通するための、前記凹入部に並列して設けられた複数のターミナルとで構成 されていた。前記ターミナルのテイルは、前記ハウジングの壁面の外部に延びて 、この電気コネクタを実装した、他のプリント回路基板の導電パッドや、メッキ スルーホールに半田付けができるようにしていた。前記ハウジングに受け入れら れたプリント回路基板がハウジングから外れないようにするために、ハウジング には、通常、金属製のラッチ片が装着され、プリント回路基板の側縁に形成され たノッチと係合するようにしていた（例えば、特表平３−５０４１８０号、「電 気コネクタに使用する挿入可能なラッチ手段」参照）。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

前記のような構成の従来の電気コネクタにおいては、この電気コネクタが実装 されるプリント回路基板上での占有面積を可及的に小さくすることが求められて いる。従来のように金属製のラッチ片をハウジングに装着する構造では、ラッチ 片の基部を支持する部分として比較的肉厚の支持壁をハウジングに形成する必要 があることから、ハウジングを小さくして、占有面積を縮小することが難しかっ た。

【０００４】 本考案は斯かる課題に鑑みてなされたもので、占有面積を小さくできる電気コ ネクタを提供することを目的としたものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

前記の目的を達成する本考案は、プリント回路基板の縁部を受け入れるための 凹入部が形成されたハウジングと、前記プリント回路基板の縁部の導電パターン と導通するための、前記凹入部に並列して設けられた複数のターミナルとで構成 され、前記ターミナルのテイルが、前記ハウジングの壁面の外部に延びている電 気コネクタにおいて、前記ハウジングに、凹入部に受け入れられたプリント回路 基板の側縁と係合するために、拡開可能としたラッチ片が、ハウジングと一体的 に連設してあり、このラッチ片の拡開方向の外側に沿って、金属製のバックアッ プ片が設けてあることを特徴とする電気コネクタである。

【０００６】 また、前記バックアップ片は、ラッチ片の拡開方向の外面と対向する側壁と、 ラッチ片の上下の縁部を覆うために、前記側壁から略直角に延びた上下の覆い片 を備えている電気コネクタである。

【０００７】 また、前記バックアップ片は、下側の覆い片に、更に、ターミナルのテイルが 延びているハウジングの壁面と共通の面に向かって延びる、捻れ防止片が連設し てある電気コネクタである。

【０００８】

【作用】

本考案の電気コネクタによれば、ラッチ片をハウジングと一体に連設した構造 なので、ラッチ片が延びる壁部を薄肉化することができ、結果として、実装され るプリント回路基板上での占有面積を小さくすることができる。また、バックア ップ片は、ラッチ片の無理な拡開を制限すると共に、プリント回路基板の装着の 際に受ける捻り力に対抗してラッチ片を保護して、ラッチ片に耐久性を与える。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案の実施例を添付の図を参照して説明する。

【００１０】 図に示した電気コネクタ１は、絶縁性の合成樹脂をモールド成形して成るハウ ジング２と、ハウジング２に装着された複数の導電性のターミナル３とを備えて いる。ハウジング２は、細長い基部４と、基部４の両端から前方（図１において 下方）に延びる側部５を有している。基部４の側部５側には、長手方向に沿って 、プリント回路基板６（図４参照）の縁部を受け入れ可能とした凹入部７が形成 してある。前記ターミナル３は、この凹入部７内に並列して設けられているもの で、夫々のテイル８がハウジング２の下壁２ａと略面一にして外部に延びている 。

【００１１】 凹入部６に受け入れられるプリント回路基板６は、図４に示したように、凹入 部７に斜めに挿入された後、ハウジング２の側部５と平行になるように回動され るもので、ハウジング２の側部５は、回動して来るプリント回路基板６の側縁の 下面が当接する当接面９を形成している。この側部５の外側にはプリント回路基 板６の側端面と対向する立上り壁１０が形成してあり、立上り壁１０から更に、 片持状として拡開自在としたラッチ片１１が一体的に連設してある。

【００１２】 ラッチ片１１は、プリント回路基板６の側縁と係合して、ハウジング２に受け 入れられたプリント回路基板６を保持するためのもので、プリント回路基板６の 側縁に形成された半円状のノッチ（図示していない）に係合する突出部１２が先 端内側に形成してある。突出部１２は、図９および図１０に示されているように 半円柱状の形状をしており、下り勾配の斜面１３を備えた上部のひさし部１２ａ と、下部の半円柱部１２ｂとから成っている。プリント回路基板６の装着時に、 その側縁が当接面９に向かって移動するとき、前記ノッチの縁がひさし部１２ａ の斜面１３に当たって、ラッチ片１１に拡開方向の力を与えて、ラッチ片１１が 自動的に拡開し、ノッチの縁がひさし部１２ａを乗り越えると、ラッチ片１１が 復帰して、半円柱部１２ｂとノッチが嵌合し、ひさし部１２ａがノッチの縁に係 合するようになっている。

【００１３】 前記ラッチ片１１の拡開方向の外側には、金属板を成形して成るバックアップ 片１４が設けてある。バックアップ片１４は、図１１乃至図１３に示したような 形状をしているもので、側壁１５と、この側壁１５の上下縁から略直角に延びた 覆い片１６、１７を有している。上側の覆い片１６は、先端側に半円状の突片１ ８が設けられている。下側の覆い片１７は、上側の覆い片１６と、突片１８を除 いて略同じ形状としてある。この下側の覆い片１７の中間部からは、断面Ｌ字状 の支持板１９が連設され、支持板１９から更に、ネイル片２０が覆い片１７と略 平行として、基部方向に向けて連設してある。また、覆い片１７の先端側は、下 側に向けて捻れ防止片２１が連設してある。捻れ防止片２１は、前記ネイル片２ ０のレベルまで延びている。

【００１４】 ハウジング２の側部５の前端面には、図１０に示したように、バックアップ片 １４のための嵌入穴２２が設けてあり、前記バックアップ片のネイル片２０を嵌 入掛止して、バックアップ片１４が取り付けられている。バックアップ片１４の 側壁１５がラッチ片１１の拡開方向の外面と対向し、ラッチ片１１の拡開動作の 限界を形成している。また、覆い片１６がラッチ片１１の上縁を覆うと共に、覆 い片１７がラッチ片１１の下縁を覆うようになる。覆い片１７に連設した捻れ防 止片２１は、前記ターミナル３のテイル８が延びているハウジング２の下壁２ａ と共通の面２３（図１２、１３参照）に向かって延びることとなる。捻れ防止片 ２１の長さは、その端縁２１ａと面２３の間に若干のクリアランス２４が形成さ れるようにしてある。

【００１５】 上記実施例の電気コネクタ１において、プリント回路基板６を凹入部７へ斜め に挿入した後、ハウジング２の側部５の方に回動させると、プリント回路基板６ の側縁がラッチ片１１を拡開動作させ、プリント回路基板６と当接面９が平行な 状態で、ラッチ片１１に設けた突出部１２がプリント回路基板６のノッチの部分 と係合して、プリント回路基板６の抜け出しを防止する。この時のラッチ片１１ の拡開動作においては、プリント回路基板６側から、拡開方向の力を受けると共 に、突出部１２に下向きの力を受けるので、結果としてラッチ片１１に捻り力が 働く。然しながら、突出部１２に対する下向きの力は、バックアップ片１４の下 側の覆い片１７が対抗して、捻れを防ぐ。覆い片１７が下方に変形する程の大き な力の場合には、捻れ防止片２１の端縁２１ａが前記面２３、即ち、電気コネク タ１が実装されたプリント回路基板（図示していない）に当たった状態で下向き の力に強く対抗することになる。従って、ラッチ片１１はバックアップ片１４で 保護されることになり、比較的薄い板片で形成して、十分目的の機能を得ること ができる。ラッチ片１１を薄くできる結果、ハウジング２の幅方向で寸法を低減 し、電気コネクタ１の占有面積を小さくできるものである。

【００１６】 凹入部７に装着したプリント回路基板６を引き抜く場合は、前記ラッチ片１１ を外側に更に拡開させることによって、突出部１２とノッチの係合を解除しつつ 、プリント回路基板６を、その面と平行の方向に引き抜くようにする。ラッチ片 １１の拡開は、バックアップ片１４の側壁１５で停止させて、無理な拡開が防止 されるので、比較的薄い板片でラッチ片１１を構成しても、操作中に曲がったり 、折れたりすることは無く、プリント回路基板６の繰り返しの装着、引き抜きに 耐えることができる。

【００１７】

【考案の効果】

以上に説明したように、本考案によれば、ラッチ片をハウジングに一体的に連 設し、このラッチ片を金属製のバックアップ片で保護するようにしたので、ラッ チ片を薄くして、実装するプリント回路基板上の占有面積を小さくできる電気コ ネクタを提供できる効果がある。また、バックアップ片がラッチ片の無理な拡開 を制限するので、ラッチ片の損傷を防ぎ、耐久性のある電気コネクタを提供でき る効果がある。

【００１８】 バックアップ片をラッチ片に対向する側壁と上下の覆い片で構成すると、ラッ チ片に加わる捻り力に対抗でき、耐久性を向上できる効果がある。

【００１９】 更に、バックアップ片の下側の覆い片に捻れ防止片を設けると、大きな捻り力 がラッチ片に加えられた場合、捻れ防止片の端縁を、実装したプリント回路基板 に当接させて対向できるようになり、ラッチ片の保護機能を一層増大し、耐久性 を更に向上できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の実施例の平面図である。

【図２】 同じく実施例の正面図である。

【図３】 同じく実施例の左側面図である。

【図４】 同じく実施例の一部を拡大して示した断面
図である。

【図５】 同じく実施例のラッチ片の部分の斜視図で
ある。

【図６】 実施例のハウジングの平面図である。

【図７】 同じくハウジングの正面図である。

【図８】 同じくハウジングの左側面図である。

【図９】 同じくハウジングのラッチ片の部分の拡大
平面図である。

【図１０】 図９のＡ−Ａ線の部分を断面で示したラッ
チ片の拡大側面図である。

【図１１】 実施例のバックアップ片の拡大平面図であ
る。

【図１２】 同じくバックアップ片の拡大正面図であ
る。

【図１３】 図１１のＢ−Ｂ線に沿って示したバックア
ップ片の拡大断面図である。

【符号の説明】

１ 電気コネクタ ２ ハウジング ２ａ ハウジングの下壁 ３ ターミナル ４ ハウジングの基部 ５ ハウジングの側部 ６ プリント回路基板 ７ 凹入部 ８ ターミナルのテイル ９ 当接面 １０ 立上り壁 １１ ラッチ片 １２ 突出部 １２ａ ひさし部 １２ｂ 半円柱部 １３ 突出部の斜面 １４ バックアップ片 １５ バックアップ片の側壁 １６、１７ バックアップ片の覆い片 １８ 突片 １９ 支持板 ２０ ネイル片 ２１ 捻れ防止片 ２１ａ 捻れ防止片の端縁 ２２ 嵌入穴 ２３ ハウジングの下壁と共通の面 ２４ クリアランス

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 プリント回路基板６の縁部を受け入れ
   るための凹入部７が形成されたハウジング２と、前記プ
   リント回路基板６の縁部の導電パターンと導通するため
   の、前記凹入部７に並列して設けられた複数のターミナ
   ル３とで構成され、前記ターミナル３のテイル８が、前
   記ハウジング２の壁面２ａの外部に延びている電気コネ
   クタ１において、 前記ハウジング２に、凹入部７に受け入れられたプリン
   ト回路基板６の側縁と係合するために、拡開可能とした
   ラッチ片１１が、ハウジング２と一体的に連設してあ
   り、このラッチ片１１の拡開方向の外側に沿って、金属
   製のバックアップ片１４が設けてあることを特徴とする
   電気コネクタ。
2. 【請求項２】 バックアップ片１４は、ラッチ片１１
   の拡開方向の外面と対向する側壁１５と、ラッチ片１１
   の上下の縁部を覆うために、前記側壁１５から略直角に
   延びた上下の覆い片１６、１７を備えている請求項１記
   載の電気コネクタ。
3. 【請求項３】 バックアップ片１４は、下側の覆い片
   １７に、更に、ターミナル３のテイル８が延びているハ
   ウジング２の壁面２ａと共通の面２３に向かって延び
   る、捻れ防止片２１が連設してある請求項２記載の電気
   コネクタ。