JP3028728B2 - 内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents

内燃機関の空燃比制御装置

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JP3028728B2
JP3028728B2 JP6048879A JP4887994A JP3028728B2 JP 3028728 B2 JP3028728 B2 JP 3028728B2 JP 6048879 A JP6048879 A JP 6048879A JP 4887994 A JP4887994 A JP 4887994A JP 3028728 B2 JP3028728 B2 JP 3028728B2
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リーン空燃比による運
転を行う内燃機関(リーンバーンエンジン)の空燃比制
御装置に関し、特にリーン空燃比をフィードフォワード
制御する際の制御精度の向上に寄与するものである。
【0002】
【従来の技術】空燃比検出手段として広く知られている
いわゆるO2 センサは、ストイキ空燃比(理論空燃比)
近傍で出力電圧が急峻に変化するもので、ストイキ空燃
比の検出には適するが、空燃比が例えば20以上のような
リーン空燃比を検出するには適さない。このため、より
広範囲な空燃比に対して出力電圧が線形性を有するいわ
ゆる広域空燃比センサが考案されている。
【0003】しかし、リーンバーンエンジンでもコスト
や信頼性の面で勝るO2 センサを利用する空燃比制御装
置が考案されており、従来この種の装置としては、例え
ば特開昭61−87935号公報に記載の装置がある。
これは、ストイキ運転時の空燃比フィードバック制御中
にフィードバック補正量から燃料供給量(燃料噴射量)
の誤差を学習し、リーン運転時には学習値を用いて空燃
比をフィードフォワード制御するものである。また、学
習値については、これを燃料噴射量に対する乗算補正項
と加算補正項とに分け、前者を中負荷領域、後者をアイ
ドル領域で学習する方式としたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の内燃機関の空燃比制御装置の学習方式にあっ
ては、乗算補正項と加算補正項の両者が充分に学習され
るまでは、広範囲な負荷に対して充分に空燃比をフィー
ドフォワード制御する際の精度が得られないという問題
があった。
【0005】例えば、前記公報にも記載されているよう
に、40km/hで定常走行を継続し、乗算補正項のみの学習
が進んだ状態では、40km/h定常走行時相当の負荷では適
切な空燃比となるが、より高負荷では目標よりリーン、
より低負荷では目標よりリッチな空燃比となる。前記公
報によれば、上述の事態を考慮して、リーン運転時に空
燃比をフィードフォワード制御する際、リーン運転時の
失火限界を超える程のリーン化、あるいはNOx排出量
限界を超える程のリッチ化をしないように、学習補正を
行う前の基本噴射量を予め定めておくという方策を施し
ている。
【0006】しかしながら、上述のように基本噴射量を
予め定めるには、製品個々の性能ばらつきを考慮して、
機種毎に基本噴射量の適合を行う必要があり、多くの工
数がかかるという問題がある。従って、性能ばらつきを
能動的に補正して適合工数を低減するという元来の学習
制御の狙いに反することになる。そのため、特に運転性
や排気への影響が大きいリーン空燃比でフィードフォワ
ード制御を行う前に、乗算補正項と加算補正項の学習が
充分に行われている必要がある。
【0007】この場合、前記公報のように、燃料噴射量
の算出時に、乗算補正項と加算補正項の両者が常に反映
されると、各々の学習値がなかなか収束に向かわないと
いう問題がある。すなわち、加算補正項の学習時には、
その時の燃料噴射量の算出に乗算補正項も用いられ、乗
算補正項の影響を含んだ状態で正しい空燃比となるべく
加算補正項を学習する。ところが、同様に乗算補正項の
学習時にも加算補正項の影響を受けて学習するため、改
めて加算補正項を学習することになり、その繰り返しに
より学習は進んでも収束にはなかなか向かわない。よっ
て、学習の収束をリーン運転の前提条件とする場合に
は、リーン運転の実現まで非常に長い時間がかかるとい
う問題があった。
【0008】本発明は、このような実情に鑑み、乗算補
正項と加算補正項の学習を適切なものとして、学習精度
の向上と、学習収束の早期達成とを図ることを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】このため、本発明は、図
1に示すように、機関の運転状態を検出する運転状態検
出手段Aと、機関の運転状態に基づいて目標空燃比をス
トイキとリーンとに切換える目標空燃比切換手段Bと、
機関に供給される混合気の空燃比を検出する空燃比検出
手段Cと、前記目標空燃比切換手段Bによるストイキ領
域にて前記空燃比検出手段Cからの信号に基づいて空燃
比がストイキとなるように燃料供給量に対するフィード
バック補正量を設定するフィードバック制御手段Dと、
燃料供給量に対するフィードフォワード補正量を乗算補
正項と加算補正項とに分け、前記フィードバック制御手
段Dによるフィードバック制御中のフィードバック補正
量に基づいて、少なくともアイドル領域を除く領域で乗
算補正項を学習し、アイドル領域で加算補正項を学習す
る乗算補正項学習手段E及び加算補正項学習手段Fと、
機関の運転状態と目標空燃比とに基づき、ストイキ領域
では更にフィードバック補正量と乗算補正項及び加算補
正項を含むフィードフォワード補正量とにより補正し、
リーン領域では更に乗算補正項及び加算補正項を含むフ
ィードフォワード補正量により補正して、燃料供給量を
算出する燃料供給量算出手段Gと、算出された燃料供給
量に従って機関に燃料を供給する燃料供給手段Hと、を
備える内燃機関の空燃比制御装置において、下記I〜M
の手段を設ける構成とする。
【0010】I)前記加算補正項学習手段Fによる加算
補正項の学習時に、前記燃料供給量算出手段Gによる燃
料供給量の算出に際して乗算補正項の使用を禁止する乗
算補正項使用禁止手段 J)前記加算補正項学習手段Fによる加算補正項の学習
の収束を判定する第1の学習収束判定手段 K)前記乗算補正項学習手段Eによる乗算補正項の学習
の収束を判定する第2の学習収束判定手段 L)前記第1の学習収束判定手段Jにより加算補正項の
学習の収束が判定されるまで前記第2の学習収束判定手
段Kによる判定を禁止する判定禁止手段 M)前記第2の学習収束判定手段Kにより乗算補正項の
学習の収束が判定されるまで前記目標空燃比切換手段B
によるリーン空燃比への切換えを禁止するリーン切換禁
止手段 ここで、前記乗算補正項学習手段Eを、少なくともアイ
ドル領域を除く複数の領域で領域毎に乗算補正項の学習
を行うものとし、前記第2の学習収束判定手段Kを、前
記複数の領域のうち所定の領域での乗算補正項の学習の
収束により学習の収束を判定するものとするとよい。
【0011】また、図2(a) に図1の鎖線の枠内の変形
態様を示すように、前記乗算補正項学習手段Eを、少な
くともアイドル領域を除く複数の領域で領域毎に乗算補
正項の学習を行う領域別乗算補正項学習手段E1と、当
該複数の領域を1つの領域とした全領域で一律に乗算補
正項の学習を行う一律乗算補正項学習手段E2とから構
成し、前記第2の学習収束判定手段Kを、前記一律乗算
補正項学習手段E2による一律学習補正項の学習の収束
を判定するものとして、この第2の学習収束判定手段K
により一律乗算補正項の学習の収束が判定される前は、
前記一律乗算補正項学習手段E2による学習を行わせ、
判定後は、前記領域別乗算補正項学習手段E1による学
習を行わせる学習切換手段Nを設けるとよい。
【0012】また、図2(b) に図1の鎖線の枠内の変形
態様を示すように、図2(a) の構成に加え、前記領域別
乗算補正項学習手段E1による領域別乗算補正項の学習
の収束を領域別に判定する第3の学習収束判定手段Oを
設け、前記燃料供給量算出手段Gによる燃料供給量の算
出に際し、この第3の学習収束判定手段Oにより学習の
収束が判定された領域では前記領域別乗算補正項学習手
段E1により学習された領域別乗算補正項を使用させ、
学習の収束が判定されない領域では前記一律乗算補正項
学習手段E2により学習された一律乗算補正項を使用さ
せる乗算補正項切換手段Pを設けるとよい。
【0013】
【作用】上記の構成においては、ストイキ領域での空燃
比フィードバック制御中に、少なくともアイドル領域を
除く領域で乗算補正項を学習し、アイドル領域で加算補
正項を学習するが、加算補正項の学習時には乗算補正項
を使用せずに燃料供給量を算出させる。従って、加算補
正項の学習を乗算補正項の影響を受けることなく速やか
に収束させることができる。
【0014】そして、学習収束を判定するに際しては、
先ず加算補正項の学習収束を判定し、加算補正項の学習
収束が判定された後に、乗算補正項の学習収束の判定を
開始させる。従って、加算補正項が学習収束して安定し
た状態での加算補正項の学習が保証されるので、加算補
正項についても速やかに収束させることができる。そし
て、乗算補正項の学習収束が判定された後にリーン空燃
比による運転を許可することにより、充分な学習後にリ
ーン空燃比による運転がなされて排気性能等が向上する
のみならず、結局のところ比較的速やかにリーン運転を
開始することが可能となる。
【0015】ここで、乗算補正項の学習を少なくともア
イドル領域を除く複数の領域で領域毎に行うものとすれ
ば、学習精度が向上し、この場合に前記複数の領域のう
ち所定の領域での乗算補正項の学習の収束により学習の
収束を判定するものとすれば、リーン運転の許可が遅れ
るのを防止できる。また、乗算補正項の学習に際し、最
初は複数の領域を1つの領域とした全領域で一律に学習
し、この一律乗算補正項の学習収束を判定して、学習収
束が判定された段階でリーン空燃比による運転を許可す
る一方、乗算補正項の学習を複数の領域で領域毎に行う
ことで、リーン運転の早期開始と、学習精度の向上とを
両立させることができる。
【0016】また、領域別乗算補正項の学習の収束を領
域別に判定して、燃料供給量の算出に際し、学習の収束
が判定された領域では領域別乗算補正項を使用させ、学
習の収束が判定されない領域では一律乗算補正項を使用
させることで、学習の進んだ領域から徐々に切換わるの
で、学習精度の向上を図ることができる。
【0017】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。図3はシ
ステム構成を示している。機関1の吸気通路2のスロッ
トル弁3下流(吸気マニホールド)に各気筒毎に燃料供
給手段としての燃料噴射弁4が設けられている。燃料噴
射弁4は、コントロールユニット5から機関回転に同期
して所定のタイミングで出力される燃料噴射パルス信号
により開弁し、所定圧力に調圧された燃料を噴射するよ
うになっている。従って、燃料供給量(燃料噴射量)
は、燃料噴射パルス信号のパルス幅(燃料噴射パルス
幅)により定まる。
【0018】コントロールユニット5は、マイクロコン
ピュータを内蔵し、運転状態検出手段としての各種のセ
ンサからの信号を基に演算処理を行うようになってい
る。前記各種のセンサとしては、吸気通路2のスロット
ル弁3上流にて吸入空気流量Qaを検出するエアフロー
メータ6、クランク角度と共に機関回転数NEを検出可
能なクランク角センサ7、スロットル弁3の開度TVO
を検出するスロットルセンサ8(スロットル弁3の全閉
位置でONとなるアイドルスイッチを含む)、機関1の
冷却水温TWを検出する水温センサ9などが用いられ
る。また、機関1の排気通路10に取付けられ機関1に供
給される混合気の空燃比と密接な関係にある排気空燃比
のリッチ・リーンに応じて出力電圧が急変する特性を有
する空燃比検出手段としてのO2 センサ11が用いられ
る。
【0019】コントロールユニット5内のマイクロコン
ピュータによる演算処理内容について、図4〜図12(第
1の実施例)により説明する。図4は燃料噴射パルス幅
算出ルーチンを示し、例えば10msec毎に実行される。
尚、本ルーチンが燃料供給量算出手段に相当する。S10
1 では、エアフローメータ6からの信号に基づいて検出
される吸入空気流量Qaと、クランク角センサ7からの
信号に基づいて検出される機関回転数NEとから、次式
に従って、ストイキ空燃比に対応する基本噴射パルス幅
TPを算出する。
【0020】 TP=K・Qa/NE (但し、Kは定数) S102 では、次式に従って、各種補正係数TFBYAを
算出する。 TFBYA=DML+KAS+KTW+KHOT DMLは燃空比補正係数で、後述する図6のルーチンの
S305 又はS306 により設定されている。KASは始動
後増量係数、KTWは低水温増量係数、KHOTは高水
温増量係数である。すなわち、機関の始動からその直後
にかけては空燃比フィードバック制御を行わず、低水温
増量係数KTWと始動後増量係数KASとにより燃料を
増量して燃焼状態を良くすると共に、排気温度を高めて
触媒の暖機を促進し、KAS=KTW=0となる暖機後
には、燃空比補正係数DMLと高水温時の補正係数であ
る高水温増量係数KHOTとで空燃比を制御するわけで
ある。
【0021】S103 では、それぞれ別ルーチンにより設
定されているフィードバック補正量としての空燃比フィ
ードバック補正係数α、無効パルス幅TS、フィードフ
ォワード補正量(学習値)としての乗算補正項Lα及び
加算補正項LTSを読込む。空燃比フィードバック補正
係数αは、フィードバック制御手段により、O2 センサ
11からの信号に基づき周知の比例積分制御により設定さ
れている(図12参照)。すなわち、O2 センサ11の出力
電圧VO2 とスライスレベルSLO2 とを比較してリッ
チ・リーンを判定し、リッチ→リーンの反転時には空燃
比フィードバック補正係数αを所定の比例分P増大さ
せ、引き続くリーン時には空燃比フィードバック補正係
数αを時間経過と共に所定の積分分Iずつ増大させる
(但しI<<P)。そして、リーン→リッチの反転時には
空燃比フィードバック補正係数αを所定の比例分P減少
させ、引き続くリッチ時には空燃比フィードバック補正
係数αを時間経過と共に所定の積分分Iずつ減少させ
る。但し、かかる空燃比フィードバック制御は、ストイ
キ運転時のみ行われ、リーン運転時には後述する図6の
ルーチンのS308 にて、α=1.0 にクランプされて、空
燃比フィードバック制御が停止される。
【0022】尚、図12では、ノイズ対策のためにヒステ
リシスを設けたスライスレベルSLO2 を誇張して書い
てあるが、実際にはそれほどの段差はない。また、O2
センサ出力電圧VO2 も斜めに変化するように書いてあ
るが、実際にはもっと急変する波形になる。無効パルス
幅TSは、バッテリ電圧に基づいて設定されている。
【0023】乗算補正項Lαは、後述する図9のルーチ
ンのS404 又はS405 にて設定されている。加算補正項
LTSは、後述する図9のルーチンのS406 にて設定さ
れている。S104 では、次式に従って、基本噴射パルス
幅TP、各種補正係数TFBYA、空燃比フィードバッ
ク補正係数α、乗算補正項Lα、無効パルス幅TS及び
加算補正項LTSから、燃料噴射パルス幅Tiを算出す
る。
【0024】Ti=TP・TFBYA・(α+Lα−1.
0 )+TS+LTS 尚、αは 1.0中心、Lαは 1.0中心、LTSは 0.0中心
である。S105 では、算出された燃料噴射パルス幅Ti
を出力レジスタに転送する。これにより、Tiのパルス
幅の燃料噴射パルス信号が機関回転に同期した所定のタ
イミングで燃料噴射弁4に出力され、燃料噴射が行われ
る。
【0025】図5はリーン運転許可判定ルーチンを示し
ている。S201,S202 では、アイドルスイッチの状態を
検出し、アイドルスイッチがON(スロットル弁全閉で
アイドル状態)か否かを判定する。OFF(非アイドル
状態)のときはS203 へ進み、ON(アイドル状態)の
ときはS211 にてリーン運転許可フラグFLEAN=0
(リーン運転不許可)として本ルーチンを終了する。
【0026】S203,S204 では、冷却水温TWを検出し
て、リーン許可下限値TWLL(固定値)と比較し、T
W≧TWLLのときはS205 へ進み、TW<TWLLの
ときはS211 にてリーン運転許可フラグFLEAN=0
として本ルーチンを終了する。S205,S206 では負荷を
表すパラメータである基本噴射パルス幅(負荷相当値)
TPを検出して、リーン許可下限値TPLL及びリーン
許可上限値TPLH(共に固定値)と比較し、範囲内
(TPLL≦TP≦TPLH)のときはS207 へ進み、
範囲外のときはS211 にてリーン運転許可フラグFLE
AN=0として本ルーチンを終了する。
【0027】S207,S208 では、機関回転数NEを検出
して、リーン許可下限値NELL及びリーン許可上限値
NELH(共に固定値)と比較し、範囲内(NELL≦
NE≦NELH)のときはS209 へ進み、範囲外のとき
はS211 にてリーン運転許可フラグFLEAN=0とし
て本ルーチンを終了する。S209 では、後述する図11の
ルーチンのS516 〜S518 での乗算補正項についての学
習収束の判定において学習収束OKと判定されているか
否かを判定し、学習収束OKの場合にS210 へ進んで、
リーン運転許可フラグFLEAN=1(リーン運転許
可)として、本ルーチンを終了する。学習収束NGの場
合は、S211にてリーン運転許可フラグFLEAN=0
として本ルーチンを終了する。
【0028】このように、機関の運転状態に基づき、非
アイドル状態、冷却水温Twが所定値以上、基本噴射パ
ルス幅TPが所定範囲内、かつ、機関回転数NEが所定
範囲内のときにリーン運転に切換えるが、乗算補正項の
学習収束が判定されるまではリーン運転を禁止するので
ある。従って、図5のルーチンと後述する図6のルーチ
ンとが目標空燃比切換手段に相当するが、図5のS209
→S211 の部分がリーン切換禁止手段に相当する。
【0029】図6は燃空比補正係数算出ルーチンを示し
ている。尚、本ルーチンはクランク角センサ7からの基
準信号REFにより機関回転に同期して実行される。S
301 では、図5のルーチンにより設定されるリーン運転
許可フラグFLEANの値を判定し、FLEAN=1
(リーン運転許可)のときは、S302 にて、燃空比マッ
プとして、リーン運転時用に適合してある図7(a) のリ
ーン燃空比マップを選択し、機関回転数NEと基本噴射
パルス幅TPとから目標燃空比TDMLを検索する。
【0030】また、FLEAN=0(リーン運転不許
可)のときは、S303 にて、燃空比マップとして、スト
イキ運転時用に適合してある図7(b) のストイキ燃空比
マップを選択し、機関回転数NEと基本噴射パルス幅T
Pとから目標燃空比TDMLを検索する。この目標燃空
比TDMLは、ストイキ空燃比を14.7とすると、14.7/
(目標空燃比)であり、燃空比補正係数DMLとして使
用可能であるが、目標燃空比TDMLを直ちに燃空比補
正係数DMLとしてしまうと、リーン運転許可フラグF
LEANの値に応じて直ちにストイキとリーンとの空燃
比切換えが行われ、急激な状態変化に伴ってトルクショ
ックが発生する。そこで、S304 〜S306 で次のような
処理を行う(図8参照)。
【0031】S304 では、再びリーン運転許可フラグF
LEANの値を判定し、FLEAN=1(リーン運転許
可)のときは、S305 にて、前回の燃空比補正係数DM
Lから所定の燃空比ステップ変化量ΔDMLを減算した
値(DML−ΔDML)と、今回の目標燃空比TDML
とを比較して、大きい方の値を新しい燃空比補正係数D
MLとする(次式参照)。
【0032】 DML=Max(DML−ΔDML,TDML) 従って、前回までFLEAN=0でストイキ用DML
(=1.0 )であった場合、FLEAN=1となると、T
DML=14.7/22=0.67(A/F=22狙いの場合)にな
るが、ΔDML=0.03とすれば、このときのDMLは、
DML=DML−ΔDML=1.0 −0.03=0.97>TDM
L(=0.67)となる。この後、DMLは、時間経過と共
に0.94、0.91、0.88、… 、0.67と変化する。
【0033】FLEAN=1となって充分時間が経過し
ている時は、DML−ΔDMLの値が0.64となって、T
DML(=0.67)より小さくなるので、DML=TDM
L=0.67となる。一方、FLEAN=0(リーン運転不
許可)のときは、S306 にて、前回の燃空比補正係数D
MLに所定の燃空比ステップ変化量ΔDMLを加算した
値(DML+ΔDML)と、今回の目標燃空比TDML
とを比較して、小さい方の値を新しい燃空比補正係数D
MLとする(次式参照)。
【0034】 DML=Min(DML+ΔDML,TDML) S307 では、算出された燃空比補正係数DMLの値が1.
0 か否かを判定し、DML≠1.0 の場合は、ストイキ運
転ではないため、空燃比フィードバック制御を停止させ
るべく、S308 にて、空燃比フィードバック補正係数α
=1.0 にクランプする。
【0035】図9は学習値参照ルーチンを示している。
S401 では、機関回転数NEと基本噴射パルス幅TPと
を読込み、次のS402では、これらから学習領域ポイン
タPLを算出する。学習領域ポインタは、図10に示すよ
うに、学習値(乗算補正項及び加算補正項)のマップと
対応させて機関回転数NEと基本噴射パルス幅TPとに
より定められる各領域に異なる値を入れたものを考えれ
ばよい。
【0036】今仮に、機関回転数NEと基本噴射パルス
幅TPとがそれぞれ、NE1≦NE<NE2、TP1≦
TP<TP2にあれば(但し、NE1とNE2は領域を
分ける機関回転数、TP1とTP2は領域を分ける基本
噴射パルス幅)、学習領域ポインタは、PL=5となる
わけである。一方、学習値のマップは、書換え可能で、
かつエンジンキースイッチのOFF後も記憶内容が消失
しないようにバッテリーバックアップされたRAM上
に、学習領域ポインタPLに区別される複数の領域のそ
れぞれに対応させて、学習値(乗算補正項又は加算補正
項)を記憶させたもので、PL=0〜n(nはPLの最
大値で、例えば15)のそれぞれに対応させて、学習値α
mi(但しi=PL)を記憶させてある。そして、加算
補正項はアイドル領域でのみ学習するものであるから、
PL=0のときのαm0を加算補正項とする。また、乗
算補正項は少なくともアイドル領域を除く領域(但し高
負荷領域では空燃比フィードバック制御を行わないた
め、中負荷領域)で学習するものであるから、PL=1
〜15のときのαm1〜αm15を乗算補正項(領域別乗算
補正項)とする。
【0037】S403 では、学習領域ポインタPL=0
(アイドル領域)か否かを判定し、PL≠0(中負荷領
域)のときは、S404 へ進んで、学習値のマップからα
mi(i=PL)を読出して、これを乗算補正項Lαに
格納する。PL=0(アイドル領域)のときは、加算補
正項の学習時であり、燃料噴射パルス幅の算出に乗算補
正項を使用しないようにするため、S405 へ進んで、乗
算補正項Lαを1.0 にクランプする。
【0038】S406 では、学習値のマップからPL=0
におけるαm0(i=0)を読出して、これを加算補正
項LTSに格納する。このようにして、PL≠0のとき
は、乗算補正項Lαと加算補正項LTSとが共に燃料噴
射パルス幅Tiの算出に反映されるが、PL=0のとき
は、乗算補正項Lα=1.0 であるから、加算補正項LT
Sのみによって燃料噴射パルス幅Tiが補正されること
になる。従って、S403 →S405 の部分が乗算補正項使
用禁止手段に相当する。
【0039】図11は学習値更新ルーチンを示している。
S501 では、機関回転数NEと基本噴射パルス幅TPと
を読込み、次のS502では、これらから学習領域ポイン
タPLを算出する(図10参照)。S503 では、第1の学
習条件として、学習領域ポインタPLの値が前回値PL
-OLDと等しいか否かを判定する。これは運転状態が同一
の学習領域にあるか否かをみるためで、PL=PL-OLD
であれば、運転状態が今回も同じ学習領域にあることに
なる。従って、PL=PL-OLDであれば、次の学習条件
の判定のため、S504 へ進み、PL≠PL-OLDであれ
ば、学習条件不成立として、S515 でカウント値CJR
Cを0にクリアした後、S514 へ進む。
【0040】S504 では、第2の学習条件として、冷却
水温TWが所定の学習開始水温TWLRC以上か否かを
判定する。TW≧TWLRCであれば、次の学習条件の
判定のため、S505 へ進み、TW<TWLRCであれ
ば、学習条件不成立として、S515 でカウント値CJR
Cを0にクリアした後、S514 へ進む。S505 では、第
3の学習条件として、ストイキ運転での空燃比フィード
バック制御中か否かを判定する。空燃比フィードバック
制御中であれば、S506 へ進み、空燃比フィードバック
制御中でなければ、学習条件不成立として、S515 でカ
ウント値CJRCを0にクリアした後、S514 へ進む。
【0041】S503 〜S505 の学習条件の成立後は、か
かる学習条件が成立してから安定状態(所定時間経過状
態)にあることを確認するため、S506 〜S508 で次の
ような処理を行う。S506 では、次式を満足するか否か
を判定する。 (VO2 -OLD−SLO2 )・(SLO2 −VO2 )>0 ここで、VO2 は今回のO2 センサ出力電圧(排気空燃
比がリッチ側にあるときはほぼ 1.0V、リーン側にある
ときはほぼ0V)、VO2 -OLDは前回のO2 センサ出力
電圧、SLO2 はリッチ・リーン判定用のスライスレベ
ル(ほぼ 0.5Vに設定)である。
【0042】従って、上記の式が成立するのは、(1)
VO2 -OLD−SLO2 <0かつSLO2 −VO2 <0の
とき(前回はリーンで今回はリッチのとき)、又は、
(2)VO2 -OLD−SLO2 >0かつSLO2 −VO2
>0のとき(前回はリッチで今回はリーンのとき)であ
る。つまり、リーン側からリッチ側への反転時、又はこ
れとは逆にリッチ側からリーン側への反転時である。
【0043】そして、上記の式が満たされた場合のみ、
S507 へ進んで、カウント値CJRCをカウントアップ
する。従って、このカウント値CJRCは、S503 〜S
505の学習条件が成立してからのリッチ・リーンの反転
回数を示すことになる。この後、S508 では、そのカウ
ント値CJRCと所定値NJRCとを比較し、CJRC
≧NJRCの場合に、全ての学習条件が成立したものと
して、学習のために、S509 へ進む。尚、CJRC<N
JRCの場合はS512 へ進む。
【0044】S509 では、先ず、空燃比フィードバック
補正係数αの半周期最小値と半周期最大値とを過去の所
定回数NLRC(但し、NLRC≦NJRC)にわたっ
て記憶しておいたデータ(α1 ,α2 ,… ,αNLRC
を用いて、それらの最小値aと最大値bとを次式により
求める。 a=Min(α1 ,α2 ,… ,αNLRC) b=Max(α1 ,α2 ,… ,αNLRC) 例えば図12に示すように、半周期最小値と半周期最大値
とに交互に番号を振ったとき、最小値aは、α1
α3 ,… ,αi ,αNLRCのうち最も小さな値、最大値
bは、α2 ,α4 ,… ,αi+1 のうち最も大きな値で
ある。
【0045】S509 では、更に、求められた最小値aと
最大値bとを用いて、空燃比フィードバック補正係数α
の平均値ALPを次式により算出する。 ALP=(a+b)/2 S510 では、空燃比フィードバック補正係数の平均値A
LPの中心値1.0 からの偏差に基づいて、次式により、
学習値αmiを更新する(i=PL)。この部分が乗算
補正項学習手段及び加算補正項学習手段に相当する。
【0046】αmi=αmi+G1・(ALP−1.0 ) 上記の式の右辺のαmiは学習領域ポインタPLが指し
示す学習領域に入っている学習値で、これを更新して、
上記の式の左辺のαmiを得、この更新値を同じ学習領
域に格納するわけである。G1は正の比例定数である。
但し、この定数G1は、乗算補正項αm1〜αm15を更
新する場合には0〜1の範囲で更新割合を定める定数と
してのみ機能すればよいが、加算補正項αm0を更新す
る場合には係数を加算値に変換するための定数としての
機能を必要とするため、乗算補正項αm1〜αm15を更
新する場合と加算補正項αm0を更新する場合とで異な
る値となる。
【0047】これにより、例えば、空燃比フィードバッ
ク補正係数の平均値ALPが中心値1.0 より小さい(空
燃比平均値がリッチ側にある)ときに、学習値αmiが
現在より小さい値に修正されると、乗算補正項Lα又は
加算補正項LTSが小さい値になって、燃料噴射パルス
幅Tiが小さくなる方向へ補正され、その結果空燃比が
リッチ側へと戻される。そして、学習が進行するに伴っ
て空燃比はストイキに近づき、空燃比フィードバック補
正係数の平均値ALPの中心値1.0 からの偏差も小さく
なり、学習値αmiはある値に収束する。
【0048】S511 では、学習値αmiの更新後に、そ
の学習領域(PLの値)に対応した学習カウンタLCi
(i=PL)をカウントアップする。学習カウンタLC
iは、学習値のマップと同様に、書換え可能で、かつエ
ンジンキースイッチのOFF後も記憶内容が消失しない
ようにバッテリーバックアップされたRAM上に、学習
領域ポインタPLに区別される複数の領域のそれぞれに
対応させて、カウント値を記憶させたものである。従っ
て、PL=0のときのLC0が加算補正項の学習カウン
タ、PL=1〜n(nはPLの最大値で、例えば15)の
ときのLC1〜LCnが乗算補正項の領域別学習カウン
タとなる。
【0049】S512 では、加算補正項の学習カウンタL
C0を所定値LTDと比較し、LC0≧LTDの場合
に、加算補正項の学習が収束したものとみなし、S513
を実行することなく、S514 へ進む。LC0<LTDの
場合は、加算補正項の学習が収束していないものとみな
し、乗算補正項の学習収束の判定を実質的に禁止すべ
く、S513 にて、乗算補正項の学習カウンタLCi(i
=1〜n ;nはPLの最大値で例えば15)を全て0に
した後、S514 へ進む。
【0050】ここで、S512 の部分が第1の学習収束判
定手段に相当し、S512 →S513 の部分が判定禁止手段
に相当する。S514 では、後処理として、学習領域ポイ
ンタPLとO2 センサ出力電圧VO 2 とをそれぞれ前回
値を表す変数PL-OLDとVO2 -OLDとに移す。S516 で
は、乗算補正項の学習カウンタのうち、収束判定を行う
ために予め設定した1つ以上の領域に対応した学習カウ
ンタLCi(i=k1,k2,… ;k1,k2,…は収束判定
を行う所定領域を表すポインタ値)を所定値LTDと比
較し、i=k1,k2,…の全てにおいて、LCi≧LTD
か否かを判定する。この部分が第2の学習収束判定手段
に相当する。
【0051】LCi≧LTDの場合は、乗算補正項の学
習が収束したものとみなし、S517にて学習収束OKと
する。これにより、リーン運転が可能となる(図5のS
209→S210 )LCi<LTDの場合は、乗算補正項の
学習が収束していないものとみなし、S518 にて学習収
束NGとする。
【0052】PL≠0の領域では、乗算補正項と加算補
正項とが共に燃料噴射パルス幅に反映されるため、定常
走行状態で乗算補正項が一度見かけ上収束したとして
も、その後アイドル状態で加算補正項が変動すると、再
び乗算補正項を学習する必要がある。従って、加算補正
項の学習が収束した後に乗算補正項の学習を行わなけれ
ば、乗算補正項は最終的に収束しないので、両者の学習
収束を別々に判定しても、学習の完全な収束状態を検出
することができない。そこで、加算補正項の学習収束判
定によりその学習が収束したものとみなされた後の乗算
補正項の学習回数により乗算補正項の学習収束判定を行
って、OK・NGを判定しているのである。
【0053】次に第2の実施例について図13〜図15によ
り説明する。この実施例は、乗算補正項の学習に際し、
最初は複数の領域を1つの領域とした全領域(図15に示
すハッチング域)で一律に学習し、この一律乗算補正項
の学習収束を判定して、学習収束が判定された段階でリ
ーン空燃比による運転を許可する一方、乗算補正項の学
習を複数の領域で領域毎に行うようにしたものである。
また、領域別乗算補正項の学習の収束を領域別に判定し
て、燃料噴射パルス幅の算出に際し、学習の収束が判定
された領域では領域別乗算補正項を使用させ、学習の収
束が判定されない領域では一律乗算補正項を使用させる
ようにしたものである。
【0054】図4の燃料噴射パルス幅算出ルーチン、図
5のリーン運転許可判定ルーチン、図6の燃空比補正係
数算出ルーチンについては、同一であり、図9の学習値
参照ルーチンに代えて、図13のルーチンを実行し、図11
の学習値更新ルーチンに代えて、図14のルーチンを実行
する点で相違する。図13の学習値参照ルーチンについて
説明する。
【0055】S701 〜S703 、S705 、S706 、S708
については、図9のS401 〜S403、S405 、S404 、
S406 と同一である。従って、S704,S707 が追加され
た点で相違する。S703 で学習領域ポインタPL=0
(アイドル領域)か否かを判定し、PL≠0(中負荷領
域)のときに、S704 へ進む。
【0056】S704 では、領域別学習カウンタLCi
(i=PL)を所定値LTDと比較し、LCi≧LTD
か否かを判定する。この部分が第3の学習収束判定手段
に相当する。LCi≧LTDの場合は、現領域での乗算
補正項の学習が収束しているものとみなし、S706 にて
学習値のマップからαmi(i=PL)を読出して、こ
れを乗算補正項Lαに格納する。
【0057】LCi<LTDの場合は、現領域での乗算
補正項の学習が収束していないものとみなし、S707 に
て乗算補正項についての一律学習値αmall を読出し
て、これを乗算補正項Lαに格納する。このように領域
別乗算補正項の学習の収束を領域別に判定して、燃料噴
射パルス幅の算出に際し、学習の収束が判定された領域
では領域別乗算補正項Lα=αmiを使用させ、学習の
収束が判定されない領域では一律乗算補正項Lα=αm
all を使用させるのである。
【0058】尚、S704 (第3の学習収束判定手段)か
らS707 又はS706 へ分岐する部分が乗算補正項切換手
段に相当する。図13の学習値参照ルーチンについて説明
する。S801 〜S809 、S814 〜S819 については、図
11のS501 〜S509 、S510〜S515 と同一である。従
って、S810 〜S813 が追加され、S820 〜S822 の内
容が図11のS516 〜S518 の内容と異なる点で相違す
る。
【0059】S801 〜S809 の実行により、学習条件成
立後に空燃比フィードバック補正係数の平均値ALPが
算出された段階で、S810 へ進む。S810 では、学習領
域ポインタPL=0(アイドル領域)か否かを判定し、
PL=0の場合は、S814,S815 へ進んで、図9のS51
0,S511 と同じく、領域別学習値αmi(i=PL;こ
の場合はαm0であるから、加算補正項の学習値)を更
新し、領域別学習カウンタLCiをカウントアップす
る。この場合は、S814 の部分が加算補正項学習手段に
相当する。
【0060】PL≠0の場合は、S811 へ進む。S811
では、一律学習カウンタLCall を読出して所定値LT
Dと比較し、LCall ≧LTDか否かを判定する。この
部分が第2の学習収束判定手段に相当する。LCall
LTDの場合は、一律乗算補正項の学習が収束している
ものとみなし、S814,S815 へ進んで、図9のS510,S
511 と同じく、領域別学習値αmi(i=PL;この場
合はαm1〜αm15であるから、乗算補正項の学習値)
を更新し、領域別学習カウンタLCiをカウントアップ
する。この場合は、S814 の部分が乗算補正項学習手段
のうち領域別乗算補正項学習手段に相当する。
【0061】LCall <LTDの場合は、一律乗算補正
項の学習が収束していないものとみなし、S812 へ進
む。S812 では、空燃比フィードバック補正係数の平均
値ALPの中心値1.0 からの偏差に基づいて、次式によ
り、一律学習値αmall を更新する。この部分が乗算補
正項学習手段のうち一律乗算補正項学習手段に相当す
る。
【0062】 αmall =αmall +G1・(ALP−1.0 ) S813 では、一律学習値αmall の更新後に、その一律
学習カウンタLCallをカウントアップする。尚、一律
学習値αmall 及び一律学習カウンタLCallも書換え
可能でバッテリーバックアップされたRAM上に記憶さ
れる。このように、乗算補正項の学習に際し、最初は複
数の領域を1つの領域とした全領域(図15に示すハッチ
ング域)で一律に学習し、この一律乗算補正項の学習収
束を判定して、学習収束が判定された段階で領域別乗算
補正項の学習を行うのである。
【0063】尚、S811 (第2の学習収束判定手段)か
らS812 (一律乗算補正項学習手段)又はS814 (領域
別乗算補正項学習手段)へ分岐させる部分が学習切換手
段に相当する。一方、S820 では、一律学習カウンタL
all を読出して所定値LTDと比較し、LCall ≧L
TDか否かを判定する。この部分も第2の学習収束判定
手段に相当する。
【0064】LCall ≧LTDの場合は、一律乗算補正
項の学習が収束したものとみなし、S821 にて学習収束
OKとする。これにより、一律乗算補正項の学習収束に
より、領域別乗算補正項の学習収束を待たず、リーン運
転が可能となる。LCall <LTDの場合は、一律乗算
補正項の学習が収束していないものとみなし、S518 に
て学習収束NGとする。
【0065】このように、乗算補正項の学習に際し、最
初は全領域で一律に学習し、この一律乗算補正項の学習
収束を判定して、学習収束が判定された段階でリーン空
燃比による運転を許可するのである。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、加
算補正項の学習時には燃料供給量の算出に乗算補正項を
使用しないので、加算補正項の学習を乗算補正項の影響
を受けることなく速やかに収束させることができる。そ
して、先ず加算補正項の学習収束を判定し、加算補正項
の学習収束が判定された後に、乗算補正項の学習収束の
判定を開始させることで、加算補正項が学習収束して安
定した状態での加算補正項の学習が保証され、加算補正
項についても速やかに収束させることができる。そし
て、乗算補正項の学習収束が判定された後にリーン空燃
比による運転を許可することにより、充分な学習後にリ
ーン空燃比による運転がなされて排気性能等の向上を図
ることができる。
【0067】また、乗算補正項の学習を複数の領域で領
域毎に行うことで、学習精度が向上し、この場合に複数
の領域のうち所定の領域での乗算補正項の学習の収束に
より学習の収束を判定することで、より速やかにリーン
運転を開始させることができる。また、乗算補正項の学
習に際し、最初は複数の領域を1つの領域とした全領域
で一律に学習し、この一律乗算補正項の学習収束を判定
して、学習収束が判定された段階でリーン空燃比による
運転を許可する一方、乗算補正項の学習を複数の領域で
領域毎に行わせることで、リーン運転の早期開始と、学
習精度の向上とを両立させることができる。
【0068】また、領域別乗算補正項の学習の収束を領
域別に判定して、燃料供給量の算出に際し、学習の収束
が判定された領域では領域別乗算補正項を使用させ、学
習の収束が判定されない領域では一律乗算補正項を使用
させることで、学習の進んだ領域から徐々に切換わるの
で、学習精度の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の構成を示す機能ブロック図
【図2】 図1の鎖線の枠内の変形態様を示す図
【図3】 本発明の実施例のシステム図
【図4】 燃料噴射パルス幅算出ルーチンのフローチャ
ート
【図5】 リーン運転許可判定ルーチンのフローチャー
【図6】 燃空比補正係数算出ルーチンのフローチャー
【図7】 燃空比マップを示す図
【図8】 燃空比補正係数の設定の様子を示す図
【図9】 学習値参照ルーチンのフローチャート
【図10】 学習領域ポインタを示す図
【図11】 学習値更新ルーチンのフローチャート
【図12】 空燃比フィードバック補正係数の変化の様子
を示す図
【図13】 第2の実施例の学習値参照ルーチンのフロー
チャート
【図14】 第2の実施例の学習値更新ルーチンのフロー
チャート
【図15】 一律学習領域を示す図
【符号の説明】
1 機関 4 燃料噴射弁 5 コントロールユニット 6 エアフローメータ 7 クランク角センサ 8 スロットルセンサ 9 水温センサ 11 O2 センサ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−160528(JP,A) 特開 昭60−182328(JP,A) 特開 昭62−165555(JP,A) 特開 昭60−101235(JP,A) 特開 昭59−194053(JP,A) 特開 昭60−75737(JP,A) 特開 平7−238854(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 41/14 310 F02D 45/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】機関の運転状態を検出する運転状態検出手
    段と、 機関の運転状態に基づいて目標空燃比をストイキとリー
    ンとに切換える目標空燃比切換手段と、 機関に供給される混合気の空燃比を検出する空燃比検出
    手段と、 前記目標空燃比切換手段によるストイキ領域にて前記空
    燃比検出手段からの信号に基づいて空燃比がストイキと
    なるように燃料供給量に対するフィードバック補正量を
    設定するフィードバック制御手段と、 燃料供給量に対するフィードフォワード補正量を乗算補
    正項と加算補正項とに分け、前記フィードバック制御手
    段によるフィードバック制御中のフィードバック補正量
    に基づいて、少なくともアイドル領域を除く領域で乗算
    補正項を学習し、アイドル領域で加算補正項を学習する
    乗算補正項学習手段及び加算補正項学習手段と、 機関の運転状態と目標空燃比とに基づき、ストイキ領域
    では更にフィードバック補正量と乗算補正項及び加算補
    正項を含むフィードフォワード補正量とにより補正し、
    リーン領域では更に乗算補正項及び加算補正項を含むフ
    ィードフォワード補正量により補正して、燃料供給量を
    算出する燃料供給量算出手段と、 算出された燃料供給量に従って機関に燃料を供給する燃
    料供給手段と、 を備える内燃機関の空燃比制御装置において、 前記加算補正項学習手段による加算補正項の学習時に、
    前記燃料供給量算出手段による燃料供給量の算出に際し
    て乗算補正項の使用を禁止する乗算補正項使用禁止手段
    と、 前記加算補正項学習手段による加算補正項の学習の収束
    を判定する第1の学習収束判定手段と、 前記乗算補正項学習手段による乗算補正項の学習の収束
    を判定する第2の学習収束判定手段と、 前記第1の学習収束判定手段により加算補正項の学習の
    収束が判定されるまで前記第2の学習収束判定手段によ
    る判定を禁止する判定禁止手段と、 前記第2の学習収束判定手段により乗算補正項の学習の
    収束が判定されるまで前記目標空燃比切換手段によるリ
    ーン空燃比への切換えを禁止するリーン切換禁止手段
    と、 を設けたことを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。
  2. 【請求項2】前記乗算補正項学習手段は、少なくともア
    イドル領域を除く複数の領域で領域毎に乗算補正項の学
    習を行うものであり、 前記第2の学習収束判定手段は、前記複数の領域のうち
    所定の領域での乗算補正項の学習の収束により学習の収
    束を判定するものであることを特徴とする請求項1記載
    の内燃機関の空燃比制御装置。
  3. 【請求項3】前記乗算補正項学習手段は、少なくともア
    イドル領域を除く複数の領域で領域毎に乗算補正項の学
    習を行う領域別乗算補正項学習手段と、当該複数の領域
    を1つの領域とした全領域で一律に乗算補正項の学習を
    行う一律乗算補正項学習手段とからなり、 前記第2の学習収束判定手段は、前記一律乗算補正項学
    習手段による一律学習補正項の学習の収束を判定するも
    のであり、 この第2の学習収束判定手段により一律乗算補正項の学
    習の収束が判定される前は、前記一律乗算補正項学習手
    段による学習を行わせ、判定後は、前記領域別乗算補正
    項学習手段による学習を行わせる学習切換手段を設けた
    ことを特徴とする請求項1記載の内燃機関の空燃比制御
    装置。
  4. 【請求項4】前記領域別乗算補正項学習手段による領域
    別乗算補正項の学習の収束を領域別に判定する第3の学
    習収束判定手段を設け、 前記燃料供給量算出手段による燃料供給量の算出に際
    し、この第3の学習収束判定手段により学習の収束が判
    定された領域では前記領域別乗算補正項学習手段により
    学習された領域別乗算補正項を使用させ、学習の収束が
    判定されない領域では前記一律乗算補正項学習手段によ
    り学習された一律乗算補正項を使用させる乗算補正項切
    換手段を設けたことを特徴とする請求項3記載の内燃機
    関の空燃比制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN101162000B (zh) * 2006-10-11 2010-09-01 本田技研工业株式会社 控制装置和控制方法

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