JP2000097081A - 内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents

内燃機関の空燃比制御装置

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JP2000097081A
JP2000097081A JP10269265A JP26926598A JP2000097081A JP 2000097081 A JP2000097081 A JP 2000097081A JP 10269265 A JP10269265 A JP 10269265A JP 26926598 A JP26926598 A JP 26926598A JP 2000097081 A JP2000097081 A JP 2000097081A
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fuel ratio
air
downstream
feedback control
ratio feedback
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Yasuhisa Ichikawa
泰久 市川
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Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 触媒の上流側と下流側に空燃比センサ又は酸
素センサを設置したシステムにおいて、2つのセンサを
有効に利用して空燃比制御を行う。 【解決手段】 従来のシステムでは、減速時に下流側の
酸素センサ出力VOX2に基づく下流側空燃比フィード
バック制御を停止して、上流側の空燃比センサの出力に
基づく下流側空燃比フィードバック制御のみを行った
が、本発明では、減速中でも、下流側空燃比フィードバ
ック制御を停止せず、そのフィードバックゲインを定速
走行時よりも小さくして下流側空燃比フィードバック制
御を実行し続ける。これにより、下流側空燃比フィード
バック補正量FAF2を緩やかに変化させることがで
き、減速時にFAF2を固定した従来システムと比較し
て、下流側空燃比のずれを少なくできてCO,HCの排
出量を低減できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排気浄化用の触媒
の上流側と下流側にそれぞれ排ガスの空燃比を検出する
センサを有し、各センサの出力に基づいて空燃比フィー
ドバック制御を行う内燃機関の空燃比制御装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、空燃比制御の精度を高めるため
に、特公平6−17660号公報に示すように、排気浄
化用の触媒の上流側と下流側にそれぞれ空燃比センサ又
は酸素センサを設け、上流側のセンサ出力に基づく空燃
比フィードバック制御(以下「上流側空燃比フィードバ
ック制御」という)に加えて、下流側のセンサ出力に基
づく空燃比フィードバック制御(以下「下流側空燃比フ
ィードバック制御」という)を行うようにした空燃比制
御システムが提案されている。更に、この公報の空燃比
制御システムでは、減速時に、燃費低減や触媒保護等の
ために、目標空燃比をリーン側に設定すると共に下流側
空燃比フィードバック制御を停止し、上流側空燃比フィ
ードバック制御のみを実施することで、減速時の下流側
空燃比フィードバック制御によるリッチ過補正又はリー
ン過補正を防止し、エミッションの悪化やドライバビリ
ティ低下を防止するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年で
は排ガス規制が益々厳しくなってきており、減速時とい
えども、上流側空燃比フィードバック制御だけでは、近
年の益々厳しくなる排ガス規制に十分に対応できなくな
りつつある。
【0004】本発明はこのような事情を考慮してなされ
たものであり、従ってその目的は、減速時等、エンジン
の負荷が小さいため燃焼の安定性が不足していて、空燃
比が内燃機関に与える影響が大きい運転領域であって
も、上流側空燃比フィードバック制御と下流側空燃比フ
ィードバック制御の双方を実施して空燃比を精度良く制
御することができ、近年の益々厳しくなる排ガス規制に
も十分に対応できる内燃機関の空燃比制御装置を提供す
ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1の内燃機関の空燃比制御装置は、
空燃比フィードバック制御手段によって、上流側空燃比
検出手段の検出値に基づく上流側空燃比フィードバック
制御と下流側空燃比検出手段の検出値に基づく下流側空
燃比フィードバック制御とを実施すると共に、車速、ス
ロットル開度、アイドル運転検出信号のうちの少なくと
も1つに基づいて少なくとも下流側空燃比フィードバッ
ク制御のフィードバックゲインを変更する。
【0006】つまり、車速、スロットル開度、アイドル
運転検出信号は、いずれも、その時の運転状態における
空燃比が内燃機関に与える影響度合を判断できるパラメ
ータとなる。従って、車速、スロットル開度、アイドル
運転検出信号のうちの少なくとも1つの情報から、空燃
比が内燃機関に与える影響が大きくなる運転領域と判断
される時(例えば減速時)に、下流側空燃比フィードバ
ック制御のフィードバックゲインを通常よりも小さくす
れば、下流側空燃比フィードバック補正量の変化が適度
に緩やかになる。これにより、空燃比が内燃機関に与え
る影響が大きくなる運転領域でも、エミッションやドラ
イバビリティを悪化させることなく、上流側空燃比フィ
ードバック制御と下流側空燃比フィードバック制御の双
方を実施して空燃比を精度良く制御することができ、近
年の益々厳しくなる排ガス規制にも十分に対応すること
ができる。尚、下流側空燃比フィードバック制御のフィ
ードバックゲインを変更する際に、上流側空燃比フィー
ドバック制御のフィードバックゲインも変更しても良
い。
【0007】また、請求項2のように、車速と車速の偏
差に基づいて少なくとも下流側空燃比フィードバック制
御のフィードバックゲインを変更するようにしても良
い。つまり、車速の偏差から加減速状態が正確に分かる
ため、車速と車速の偏差を用いれば、空燃比が内燃機関
に与える影響度合(フィードバックゲイン変更の必要
性)がより正確に分かり、フィードバックゲインの変更
のタイミングや変更量がより適切なものとなる。
【0008】
【発明の実施の形態】《実施形態(1)》以下、本発明
の実施形態(1)を図1乃至図9に基づいて説明する。
まず、図1に基づいてエンジン制御システム全体の概略
構成を説明する。内燃機関であるエンジン11の吸気管
12の最上流部には、エアクリーナ13が設けられ、こ
のエアクリーナ13の下流側には、吸気温度THAを検
出する吸気温度センサ14が設けられている。また、こ
の吸気温度センサ14の下流部には、スロットルバルブ
15とスロットル開度THを検出するスロットル開度セ
ンサ16(スロットル開度検出手段)とが設けられてい
る。このスロットル開度センサ16には、スロットルバ
ルブ15の全閉状態を検出するアイドルスイッチ10
(アイドル検出手段)が内蔵されている。
【0009】更に、スロットルバルブ15の下流側に
は、吸気管圧力PMを検出する吸気管圧力センサ17が
設けられ、この吸気管圧力センサ17の下流側にサージ
タンク18が設けられている。このサージタンク18に
は、エンジン11の各気筒に空気を導入する吸気マニホ
ールド19が接続され、この吸気マニホールド19の各
気筒の分岐管部にそれぞれ燃料を噴射する燃料噴射弁2
0が取り付けられている。各気筒の燃料噴射弁20に
は、図示はしないが、燃料タンクから燃料ポンプで汲み
上げた燃料が供給される。
【0010】また、エンジン11には各気筒毎に点火プ
ラグ21が取り付けられ、各点火プラグ21には、点火
回路22で発生した高圧電流がディストリビュータ23
を介して供給される。このディストリビュータ23に
は、720℃A(クランク軸2回転)毎に例えば24個
のパルス信号を出力するクランク角センサ24が設けら
れ、このクランク角センサ24の出力パルス周波数によ
ってエンジン回転数Neが検出される。また、エンジン
11のシリンダブロックには、エンジン冷却水温THW
を検出する水温センサ38が取り付けられている。
【0011】一方、エンジン11の排気ポート(図示せ
ず)には、排ガスマニホールド25を介して排気管26
(排気通路)が接続され、この排気管26の途中に排ガ
ス中の有害成分(CO,HC,NOx等)を低減させる
三元触媒等の触媒27が設けられている。この触媒27
の上流側には、排ガスの空燃比に応じたリニアな空燃比
信号λを出力する空燃比センサ28(上流側空燃比検出
手段)が設けられている。また、触媒27の下流側に
は、排ガスの空燃比のリッチ/リーンに応じて出力電圧
VOX2が反転する酸素センサ29(下流側空燃比検出
手段)が設けられている。
【0012】上述した各種のセンサ及び車速SPDを検
出する車速センサ37(車速検出手段)の出力はエンジ
ン制御回路30内に入力ポート31を介して読み込まれ
る。このエンジン制御回路30は、マイクロコンピュー
タを主体として構成され、CPU32、ROM33(記
憶媒体)、RAM34、バッテリ(図示せず)でバック
アップされたバックアップRAM35等を備え、ROM
33に記憶された後述する図2及び図3に示す空燃比制
御用のプログラムや点火制御プログラム(図示せず)を
実行することで、各種センサで検出されたエンジン運転
パラメータを用いて燃料噴射量TAUや点火時期Ig等
を演算し、その演算結果に応じた信号を出力ポート36
から燃料噴射弁20や点火回路22に出力してエンジン
11の運転を制御する。
【0013】以下、このエンジン制御回路30が実行す
る各種プログラムのうち、本実施形態(1)の特徴的な
プログラムである図2及び図3に示す空燃比制御用のプ
ログラムの処理の流れを説明する。この2つのプログラ
ムは、特許請求の範囲でいう空燃比フィードバック制御
手段に相当する役割を果たす。
【0014】[空燃比制御]図2に示す空燃比制御プロ
グラムは、空燃比フィードバック制御を通じて要求燃料
噴射量TAUを設定するプログラムであり、所定クラン
ク角毎(例えば4気筒エンジンであれば180℃A毎)
に起動される。本プログラムが起動されると、まずステ
ップ101で、前記各種センサからの検出信号(例えば
エンジン回転数Ne、スロットル開度TH、吸気管圧力
PM、車速SPD、冷却水温THW、空燃比センサ出力
λ、酸素センサ出力VOX2等)を読み込む。この後、
ステップ102で、エンジン運転状態(エンジン回転数
Ne、吸気管圧力PM等)に応じてマップ等から基本燃
料噴射量Tpを演算する。
【0015】そして、次のステップ103で、空燃比フ
ィードバック条件が成立しているか否かを判定する。こ
こで、空燃比フィードバック条件は、例えば、冷却水温
THWが所定値以上で、且つ高回転・高負荷状態でない
時等に成立する。このステップ103で、空燃比フィー
ドバック条件が不成立と判定された場合には、ステップ
104に進み、上流側空燃比フィードバック補正量FA
F1を「1.0」に設定して、ステップ107に進む。
【0016】一方、上記ステップ103で、空燃比フィ
ードバック条件成立と判定された場合には、ステップ1
05に進み、後述する図3の目標空燃比設定プログラム
を実行し、下流側の酸素センサ出力VOX2(下流側の
空燃比)に基づいて上流側の目標空燃比λTGを算出し
てから、ステップ106に進み、上流側の目標空燃比λ
TGと上流側の空燃比センサ出力λ(上流側の空燃比)
とに基づいて上流側空燃比フィードバック補正量FAF
1を次式により算出する。
【0017】FAF1(i)=K1・λ(i)+K2・
FAF1(i−3)+K3・FAF1(i−2)+K4
・FAF1(i−1)+ZI(i) 但し、ZI(i)=ZI(i−1)+Ka・{λTG−
λ(i)} ここで、添字の(i)は今回値、(i−1)は1回前の
値、(i−2)は2回前の値、(i−3)は3回前の値
を示す。K1〜K4は最適フィードバック定数、Kaは
積分定数である。このステップ106の処理によって、
上流側の空燃比センサ出力λに基づく上流側空燃比フィ
ードバック制御が行われる。
【0018】そして、次のステップ107で、基本燃料
噴射量Tpと上流側空燃比フィードバック補正量FAF
1とを用いて、次式により要求燃料噴射量TAUを算出
して本プログラムを終了する。 TAU=Tp×FAF1×FALL ここで、FALLは上流側空燃比フィードバック補正量
FAF1によらない他の補正係数(例えば冷却水温によ
る補正係数、加減速時の補正係数等)である。
【0019】[目標空燃比設定]図3に示す目標空燃比
設定プログラムは、図2の空燃比制御プログラムのステ
ップ105で実行されるサブルーチンである。本プログ
ラムが起動されると、まず、ステップ201で、今回の
触媒27下流側の空燃比がリーンであるか否かを酸素セ
ンサ出力VOX2が0.45V以下であるか否かによっ
て判定し、リーン(VOX2≦0.45)であれば、ス
テップ202に進み、前回も下流側空燃比がリーンであ
ったか否かを判定する。
【0020】もし、前回も今回と同じくリーンであれ
ば、ステップ203に進み、図4に示す車速SPDとス
ロットル開度THをパラメータとするリッチ積分量マッ
プを検索して、その時の車速SPDとスロットル開度T
Hに応じたリッチ積分量λIRを求める。このリッチ積
分量λIRのマップ特性は、車速SPD及びスロットル
開度THが小さくなるほど、リッチ積分量λIRが小さ
くなるように設定されている。そして、次のステップ2
04で、現在の下流側空燃比フィードバック補正量FA
F2からリッチ積分量λIRを差し引いた値を新たな下
流側空燃比フィードバック補正量FAF2とする(FA
F2←FAF2−λIR)。
【0021】一方、今回の下流側空燃比がリーンでも、
前回がリッチの場合、つまり、下流側空燃比がリッチか
らリーンに反転した直後であれば、ステップ205に進
み、図5に示す車速SPDをパラメータとしたリッチス
キップ量マップを検索して、その時の車速SPDに応じ
たリッチスキップ量λSKRを算出する。このリッチス
キップ量λSKRのマップ特性は、車速SPDが小さく
なるほど、リッチスキップ量λSKRが小さくなるよう
に設定されている。そして、次のステップ206で、現
在の下流側空燃比フィードバック補正量FAF2からリ
ッチスキップ量λSKRを差し引いた値を新たな下流側
空燃比フィードバック補正量FAF2とする(FAF2
←FAF2−λSKR)。
【0022】前述したステップ201で、今回の下流側
空燃比がリッチ(VOX2>0.45V)と判定される
と、ステップ207に進んで、前回も下流側空燃比がリ
ッチであったか否かを判定する。もし、前回も今回と同
じくリッチであれば、ステップ208に進み、図6に示
す車速SPDとスロットル開度THをパラメータとする
リーン積分量マップを検索して、その時の車速SPDと
スロットル開度THに応じたリーン積分量λILを算出
する。このリーン積分量λILのマップ特性は車速SP
D及びスロットル開度THが小さくなるほど、リーン積
分量λILが小さくなるように設定されている。そし
て、次のステップ209で、現在の下流側空燃比フィー
ドバック補正量FAF2にリーン積分量λILを加算し
た値を新たな下流側空燃比フィードバック補正量FAF
2とする(FAF2←FAF2+λIL)。
【0023】一方、今回の下流側空燃比がリッチでも、
前回がリーンの場合、つまり、下流側空燃比がリーンか
らリッチに反転した直後であれば、ステップ210に進
み、図7に示す車速SPDをパラメータとしたリーンス
キップ量マップを検索して、その時の車速SPDに応じ
たリーンスキップ量λSKLを算出する。このリーンス
キップ量λSKLのマップ特性は、車速SPDが小さく
なるほど、リーンスキップ量λSKLが小さくなるよう
に設定されている。そして、次のステップ211で、現
在の下流側空燃比フィードバック補正量FAF2にリー
ンスキップ量λSKLを加算した値を新たな下流側空燃
比フィードバック補正量FAF2とする(FAF2←F
AF2+λSKL)。
【0024】以上説明したステップ201〜211の処
理によって、下流側の酸素センサ出力VOX2に基づく
下流側空燃比フィードバック制御が行われる。また、リ
ッチ/リーン積分量λIR,λILとリッチ/リーンス
キップ量λSKR,λSKLは、特許請求の範囲でいう
フィードバックゲインに相当する。
【0025】ステップ201〜211の処理によって、
下流側空燃比フィードバック補正量FAF2を算出した
後、ステップ212に進み、下流側空燃比フィードバッ
ク補正量FAF2に各種の補正係数FEG,FTIMを
加算して、上流側の目標空燃比λTGを求める。
【0026】λTG←FEG+FTIM+FAF2 ここで、FEGはエンジン11の運転領域に応じて設定
される補正係数(例えば高負荷ほどリッチにする等)で
あり、FTIMはエンジン始動後の経過時間に応じて設
定される補正係数(例えば始動直後はリッチにする等)
である。そして、次のステップ213で、今回の下流側
空燃比のリッチ/リーンを記憶し、本ルーチンを終了す
る。
【0027】以上説明した本実施形態(1)の空燃比フ
ィードバック制御の効果を図8及び図9に示すタイムチ
ャートを用いて説明する。図8及び図9に示すタイムチ
ャートは、市街走行時に頻繁に生じる定速走行→減速→
加速→定速走行の走行パターンの一例である。本例で
は、時刻t1 でスロットル開度THが閉じられ、暫くの
間、スロットル開度THが全閉位置に保持される。その
間、車速SPDは、低下し続ける。
【0028】前述した従来の空燃比フィードバックシス
テム(特公平6−17660号公報)では、減速時に下
流側空燃比フィードバック制御を停止するため、図8に
点線で示すように、減速中は、下流側空燃比フィードバ
ック補正量FAF2が減速直前(時刻t1 )の値に保持
される。このため、減速時に触媒27の下流側の空燃比
のずれが大きくなり、酸素センサ出力VOX2がリッチ
側に大きく振られた状態が続く。その後、時刻t2 でス
ロットル開度THが開かれて、減速状態から加速状態に
移行すると、下流側空燃比フィードバック制御が再開さ
れるため、下流側空燃比フィードバック補正量FAF2
が下流側空燃比をリーン側に戻す方向に設定されるが、
下流側空燃比がリッチ側に大きく振られているため、下
流側空燃比が理論空燃比に近づくまでの時間が長くかか
り、この間、リッチ状態が続く。このため、CO,HC
等の排出量が多くなり、エミッションが悪化する。
【0029】これに対して、本実施形態(1)では、減
速中(時刻t1 〜t2 )でも、下流側空燃比フィードバ
ック制御を停止せず、そのフィードバックゲイン(リッ
チ/リーン積分量λIR,λIL,リッチ/リーンスキ
ップ量λSKR,λSKL)を定速走行時よりも小さく
して下流側空燃比フィードバック制御を実行し続ける。
これにより、空燃比がエンジン11に与える影響が大き
くなる運転領域においても、下流側空燃比フィードバッ
ク補正量FAF2を緩やかに変化させることができ、下
流側空燃比のずれを従来よりも少なくすることができ
る。このため、時刻t2 で減速状態から加速状態に移行
されてから下流側空燃比が理論空燃比に近づくまでの時
間が短くなり、従来と比較してCO,HCの排出量が少
なくなり、減速によるエミッションの悪化を防止するこ
とができる。
【0030】しかも、本実施形態(1)では、車速SP
Dやスロットル開度THに応じて下流側空燃比フィード
バック制御のフィードバックゲイン(リッチ/リーン積
分量λIR,λIL,リッチ/リーンスキップ量λSK
R,λSKL)を変化させるようにしたので、減速時以
外でも、空燃比フィードバック制御の安定性に応じてフ
ィードバックゲインを適正化することができ、高精度な
空燃比フィードバック制御が可能となる。
【0031】ところで、減速時にも定速走行時と同じフ
ィードバックゲインを用いて下流側空燃比フィードバッ
ク制御を実施すると、図9に点線で示すように、減速中
(時刻t1 〜t2 )のエンジン負荷は小さいため、空燃
比(下流側空燃比フィードバック補正量FAF2)がエ
ンジン11に与える影響が大きくなるため、減速中にエ
ンジン回転数Neがアイドル回転数付近まで低下した時
に、サージ(エンジン回転数Neが小刻みに変動する現
象)が発生して、ドライバビリティが損なわれる。
【0032】これに対して、本実施形態(1)では、減
速中(時刻t1 〜t2 )に、下流側空燃比フィードバッ
ク制御のフィードバックゲイン(リッチ/リーン積分量
λIR,λIL,リッチ/リーンスキップ量λSKR,
λSKL)を定速走行時よりも小さくするため、減速中
の下流側空燃比フィードバック補正量FAF2の応答性
を適度に遅らせることができて、減速中も空燃比フィー
ドバック制御を安定して行うことができる。これによ
り、減速中のサージを防止できて、減速中のドライバビ
リティを向上することができる。
【0033】尚、本実施形態(1)では、車速SPDに
応じてリッチ/リーンスキップ量λSKR,λSKLを
変化させるようしたが、スロットル開度TH又はアイド
ルスイッチ10のオン/オフに応じてリッチ/リーンス
キップ量λSKR,λSKLを変化させるようしても良
く、或は、車速SPD、スロットル開度TH、アイドル
スイッチ10のオン/オフの中から2つ以上の情報を用
いてリッチ/リーンスキップ量λSKR,λSKLを変
化させるようにしても良い。この場合、車速SPD、ス
ロットル開度THが小さくなるほど、リッチ/リーンス
キップ量λSKR,λSKLが小さくなるように変化さ
せるようにすれば良く、また、アイドルスイッチ10の
オン時(アイドル運転時)にリッチ/リーンスキップ量
λSKR,λSKLが小さくなるように変化させるよう
にすれば良い。
【0034】同様に、リッチ/リーン積分量λIR,λ
ILについても、車速SPD、スロットル開度TH、ア
イドルスイッチ10のオン/オフの中から1つ以上の情
報を用いて積分量λIR,λILを変化させるようにす
れば良い。
【0035】《実施形態(2)》次に、本発明の実施形
態(2)を図10及び図11に基づいて説明する。前記
実施形態(1)では、車速SPDとスロットル開度TH
に応じてリッチ/リーン積分量λIR,λILを変化さ
せるようにしたが、本実施形態(2)では、車速SPD
と車速偏差ΔSPD(前回の車速と今回の車速との差)
に応じてリッチ/リーン積分量λIR,λILを変化さ
せる。
【0036】本実施形態(2)においても、図2及び図
3のプログラムによって上流側空燃比フィードバック制
御と下流側空燃比フィードバック制御を行うが、図3の
ステップ203及び205で、リッチ積分量λIRを算
出する際に、図10に示す車速SPDと車速偏差ΔSP
Dをパラメータとするリッチ積分量マップを検索して、
その時の車速SPDと車速偏差ΔSPDに応じたリッチ
積分量λIRを算出する。また、ステップ208及び2
10で、リーン積分量λILを算出する際に、図11に
示す車速SPDと車速偏差ΔSPDをパラメータとする
リーン積分量マップを検索して、その時の車速SPDと
車速偏差ΔSPDに応じたリーン積分量λILを算出す
る。その他の処理は、前記実施形態(1)と同じであ
る。
【0037】本実施形態(2)においては、車速偏差Δ
SPDから加減速状態が正確に判定できる点に着目し、
下流側空燃比フィードバック制御のフィードバックゲイ
ン(積分量,スキップ量)を設定するパラメータとして
車速SPDと車速偏差ΔSPDを用いるようにしたの
で、減速時等の空燃比がエンジン11に与える影響が大
きくなる運転領域を正確に判断して、その運転領域に応
じた最適なフィードバックゲインを用いて下流側空燃比
フィードバック制御を行うことができる。
【0038】尚、車速偏差ΔSPDのみを用いて下流側
空燃比フィードバック制御のフィードバックゲインを変
更するようにしても良い。また、上記各実施形態
(1),(2)では、下流側空燃比フィードバック制御
のフィードバックゲインのみを変更するようにしたが、
上流側空燃比フィードバック制御のフィードバックゲイ
ンも併せて変更するようにしても良い。
【0039】その他、排ガスの空燃比を検出するセンサ
は、上流側が空燃比センサ、下流側が酸素センサの場合
に限定されず、共に空燃比センサ又は共に酸素センサと
しても良い等、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して
実施できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態(1)を示すエンジン制御システム全
体の概略構成図
【図2】空燃比制御(上流側空燃比フィードバック制
御)プログラムの処理の流れを示すフローチャート
【図3】目標空燃比設定(下流側空燃比フィードバック
制御)プログラムの処理の流れを示すフローチャート
【図4】実施形態(1)におけるリッチ積分量マップを
概念的に示す図
【図5】実施形態(1)におけるリッチスキップ量マッ
プを概念的に示す図
【図6】実施形態(1)におけるリーン積分量マップを
概念的に示す図
【図7】実施形態(1)におけるリーンスキップ量マッ
プを概念的に示す図
【図8】空燃比制御の挙動を示すタイムチャート(その
1)
【図9】空燃比制御の挙動を示すタイムチャート(その
2)
【図10】実施形態(2)におけるリッチ積分量マップ
を概念的に示す図
【図11】実施形態(2)におけるリーン積分量マップ
を概念的に示す図
【符号の説明】
10…アイドルスイッチ(アイドル検出手段)、11…
エンジン(内燃機関)、15…スロットルバルブ、16
…スロットル開度センサ(スロットル開度検出手段)、
26…排気管(排気通路)、27…触媒、28…空燃比
センサ(上流側空燃比検出手段)、29…酸素センサ
(下流側空燃比検出手段)、30…エンジン制御回路
(空燃比フィードバック制御手段)、37…車速センサ
(車速検出手段)。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の排気通路中に配設された排気
    浄化用の触媒の上流側及び下流側に設けられ、排ガスの
    空燃比を検出する上流側空燃比検出手段及び下流側空燃
    比検出手段と、 前記上流側空燃比検出手段の検出値に基づく空燃比フィ
    ードバック制御(以下「上流側空燃比フィードバック制
    御」という)と前記下流側空燃比検出手段の検出値に基
    づく空燃比フィードバック制御(以下「下流側空燃比フ
    ィードバック制御」という)とを実施する空燃比フィー
    ドバック制御手段とを備えた内燃機関の空燃比制御装置
    において、 車速を検出する車速検出手段と、スロットル開度を検出
    するスロットル開度検出手段と、アイドル運転を検出す
    るアイドル検出手段のうちの少なくとも1つを備え、 前記空燃比フィードバック制御手段は、車速、スロット
    ル開度、アイドル運転検出信号のうちの少なくとも1つ
    に基づいて少なくとも下流側空燃比フィードバック制御
    のフィードバックゲインを変更することを特徴とする内
    燃機関の空燃比制御装置。
  2. 【請求項2】 前記空燃比フィードバック制御手段は、
    車速と車速の偏差に基づいて少なくとも下流側空燃比フ
    ィードバック制御のフィードバックゲインを変更するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の空燃比制御
    装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002322932A (ja) * 2001-04-26 2002-11-08 Fuji Heavy Ind Ltd エンジンの空燃比制御装置
KR20040046823A (ko) * 2002-11-28 2004-06-05 현대자동차주식회사 공연비 제어를 위한 학습방법
JP2007231844A (ja) * 2006-03-01 2007-09-13 Mitsubishi Electric Corp 内燃機関の制御装置

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