JP2582571B2 - 内燃機関の空燃比の学習制御装置 - Google Patents

内燃機関の空燃比の学習制御装置

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JP2582571B2 JP62110830A JP11083087A JP2582571B2 JP 2582571 B2 JP2582571 B2 JP 2582571B2 JP 62110830 A JP62110830 A JP 62110830A JP 11083087 A JP11083087 A JP 11083087A JP 2582571 B2 JP2582571 B2 JP 2582571B2
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  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、空燃比フィードバック制御機能をもつ電子
制御燃料噴射装置を有する内燃機関の空燃比の学習制御
装置に関する。
〈従来の技術〉 従来、空燃比フィードバック制御機能をもつ電子制御
燃料噴射装置を有する内燃機関においては、特開昭60−
90944号公報,特開昭61−190142号公報などに示されて
いるように空燃比の学習制御装置が採用されている。
これは、機関に吸入される空気量に関与する機関運転
状態のパラメータ(例えば機関吸入空気流量Qと機関回
転数N)から算出される基本燃料噴射量Tpを、機関排気
系に設けたO2センサからの信号に基づいて比例・積分制
御などにより設定されるフィードバック補正係数LAMBDA
により補正して燃料噴射量Tiを演算し、空燃比を目標空
燃比にフィードバック制御するものにおいて、空燃比フ
ィードバック制御中のフィードバック補正係数LAMBDAの
基準値からの偏差を予め定めた機関運転状態のエリア毎
に学習した学習補正係数KMAPを定め、燃料噴射量Tiの演
算にあたって、基本燃料噴射量Tpをエリア別学習補正係
MAPにより補正して、フィードバック補正係数LAMBDA
による補正なしで演算される燃料噴射量Tiにより得られ
るベース空燃比を目標空燃比に一致させるようにし、空
燃比フィードバック制御中はさらにフィードバック補正
係数LAMBDAにより補正して燃料噴射量Tiを演算するもの
である。
これによれば、空燃比フィードバック制御中は過渡運
転時におけるフィードバック制御の追従遅れをなくすこ
とができ、空燃比フィードバック制御停止時においては
所望の空燃比を正確に得ることができる。
また、スロットル弁開度αと機関回転数Nとから基本
燃料噴射量Tpを定めるシステム{例えばαとNとからマ
ップを参照して吸入空気流量Qを求めTp=K・Q/N(K
は定数)なる式よりTpを演算するシステム}、あるい
は、エアフローメータを有して吸入空気流量Qを検出
し、これと機関回転数Nとから基本燃料噴射量Tp=K・
Q/Nを演算するシステムで、エアフローメータとしてフ
ラップ式(体積流量検出式)のものを用いるものなどで
は、基本燃料噴射量Tpの算出に空気密度の変化が反映さ
れないが、上記の学習制御によれば、学習が良好に進行
するという前提に立つ限りにおいては、高度あるいは吸
気温による空気密度の変化にも対応できる。
〈発明が解決しようとする問題点〉 ところで、各種センサの部品バラツキや空気密度(大
気圧・温度)変化に対応して所望の空燃比を得るには、
空燃比フィードバック補正係数LAMBDA及びエリア別学習
補正係数KMAPによる基本燃料噴射量Tpの補正量を例えば
±50%程度とすることが必要となってくるため、実際の
空燃比に基づいて設定されるフィードバック補正係数LA
MBDAを制限するリミッタの値(上下限値)を前記±50%
程度としてある。
前記のリミッタは、空燃比フィードバック補正係数LA
MBDAによる基本燃料噴射量Tpの補正量が所定範囲内とな
るように制御するものであり、このリミッタ(所定範
囲)を越えるフィードバック補正係数LAMBDAが設定され
ても実際には前記リミッタ値に制限して基本燃料噴射量
Tpを補正するようにしてある。
例えば、O2センサの出力回路がショートするなどして
実際の空燃比とは無関係に空燃比が目標空燃比に対して
リーンであると検出し続ける場合などには、上記のよう
なリミッタ(設定値の制限範囲)を設けないと、空燃比
フィードバック補正係数LAMBDAが無制限に増大設定され
るため空燃比がオーバーリッチ化してエンストに至る惧
れがあるため、第10図に示すように所定のリミッタ値を
越える(下回る)フィードバック補正係数LAMBDAがO2
ンサの出力等に基づいて設定されても実際の基本燃料噴
射量Tpの補正にはフィードバック補正係数LAMBDAを前記
リミッタ値(上下限値)にクランプして用いるようにし
てあるものである。
従って、O2センサの異常時にはこのリミッタ値に基づ
いて基本燃料噴射量Tpが補正されることになり、基準値
からの偏差の大きなリミッタを設けた場合には、リミッ
タ値で基本燃料噴射量Tpを補正することにより空燃比の
オーバーリッチ化若しくはオーバーリーン化を招くた
め、基準値からの偏差の小さなリミッタを設けるように
する必要があるが、学習が充分に進行する前段階におい
て上記のように部品バラツキや空気密度の変化に対応す
るためには、フィードバック補正係数LAMBDAによる比較
的大きな補正量を必要とするため、従来ではエンストに
至る惧れのない範囲で部品バラツキや空気密度の変化に
対応できるリミッタ値に設定するようにしていた。
しかしながら、エリア別学習補正係数KMAPの学習書き
換えが進行すると、フィードバック補正係数LAMBDAは基
準値付近で制御されることになるため、学習が信号した
状態では大きなリミッタ値は、O2センサの異常時におい
ていたずらに空燃比のオーバーリッチ化若しくはオーバ
ーリーン化を招く結果となっていた。
本発明は上記実情に鑑みなされたものであり、エリア
別学習補正係数KMAPの学習進行状態に応じてフィードバ
ック補正係数LAMBDAの許容範囲(上下限値)を可変設定
することにより、部品バラツキや空気密度の変化に対応
でき、かつ、O2センサの異常時等における機関の運転性
を確保できる空燃比の学習制御装置を提供することを目
的とする。
〈問題点を解決するための手段〉 そのため本発明に係る空燃比の学習制御装置は、第1
図に示すように、下記のA〜Lの手段を含んで構成され
る。
(A)機関に吸入される空気量に関与するパラメータを
少なくとも含む機関運転状態を検出する機関運転状態検
出手段 (B)機関排気成分を検出しこれにより機関吸入混合気
の空燃比を検出する空燃比検出手段 (C)前記機関運転状態検出手段により検出された前記
パラメータに基づいて基本燃料噴射量を設定する基本燃
料噴射量設定手段 (D)機関運転状態のエリア毎に前記基本燃料噴射量を
補正するためのエリア別学習補正係数を記憶した書き換
え可能なエリア別学習補正係数記憶手段 (E)実際の機関運転状態に基づいて前記エリア別学習
補正係数記憶手段から対応する機関運転状態のエリアの
エリア別学習補正係数を検索するエリア別学習補正係数
検索手段 (F)前記空燃比検出手段により検出された空燃比と目
標空燃比とを比較して実際の空燃比を目標空燃比に近づ
けるように前記基本燃料噴射量を補正するためのフィー
ドバック補正係数を設定するフィードバック補正係数設
定手段 (G)機関運転状態のエリア毎に前記フィードバック補
正係数の基準値からの偏差を学習し、これを減少させる
方向に前記エリア別学習補正係数記憶手段のエリア別学
習補正係数を修正して書き換えるエリア別学習補正係数
修正手段 (H)前記フィードバック補正係数設定手段で設定した
フィードバック補正係数と前記基準値を略中心とする許
容範囲とを比較し、前記許容範囲内となるよう制限して
フィードバック補正係数を補正設定するフィードバック
補正係数制限設定手段 (I)前記エリア別学習補正係数修正手段によるエリア
別学習補正係数を書き換え修正の進行状態を検出する学
習進行状態検出手段 (J)前記フィードバック補正係数制限設定手段による
フィードバック補正係数の前記基準値を略中心とする許
容範囲を、前記学習進行状態検出手段で検出したエリア
別学習補正係数の書き換え修正の進行状態に応じ、複数
回に渡って段階的に徐々に狭くする許容範囲設定手段 (K)前記基本燃料噴射量設定手段で設定した基本燃料
噴射量,前記エリア別学習補正係数検索手段で検索した
エリア別学習補正係数及び前記フィードバック補正係数
制限設定手段で許容範囲内に制限して補正設定されたフ
ィードバック補正係数に基づいて燃料噴射量を演算する
燃料噴射量演算手段 (L)前記燃料噴射量演算手段で演算した燃料噴射量に
相当する駆動パルス信号に応じオン・オフ的に燃料を機
関に噴射供給する燃料噴射手段 〈作用〉 基本燃料噴射量設定手段Cは、目標空燃比に対応する
基本燃料噴射量を機関に吸入される空気量に関与するパ
ラメータに基づいて設定し、エリア別学習補正係数検索
手段Eは、エリア別学習補正係数記憶手段Dから、実際
の機関運転状態に対応するエリアのエリア別学習補正係
数を検索し、フィードバック補正係数設定手段Fは、実
際の空燃比と目標空燃比とを比較し実際の空燃比を目標
空燃比に近づけるようにフィードバック補正係数を例え
ば比例・積分制御に基づいて設定する。また、フィード
バック補正係数設定手段Fにより設定されたフィードバ
ック補正係数は、フィードバック補正係数制限設定手段
Hにより基準値を略中心とする許容範囲内となるように
制限されて補正設定される。かかる制限設定に用いられ
る前記許容範囲は、許容範囲設定手段Jによって、学習
進行状態検出手段Iで検出されるエリア別学習補正係数
の学習進行状態に応じ、複数回に渡って段階的に徐々に
狭く設定されるものである。
一方、エリア別学習補正係数修正手段Gにより、機関
運転状態のエリア毎にフィードバック補正係数の基準値
からの偏差を学習し、これを減少させる方向に機関運転
状態のエリアに対応するエリア別学習補正係数を修正し
てエリア別学習補正係数記憶手段Dのデータを書き換え
る。こうして、部品バラツキ分などを空気密度変化分を
含めエリア別に学習する。
燃料噴射量演算手段Kは、基本燃料噴射量設定手段C
で設定された基本燃料噴射量,エリア別学習補正係数検
索手段Eで検索された対応する運転状態のエリア別学習
補系係数,及びフィードバック補正係数制限設定手段H
により所定の許容範囲内に制限されたフィードバック補
正係数に基づいて燃料噴射量を設定し、燃料噴射手段L
は設定された燃料噴射量に相当する駆動パルス信号に応
じオン・オフ的に燃料を機関に噴射供給する。
〈実施例〉 以下に本発明の一実施例を説明する。
第2図において、機関1には、エアクリーナ2,スロッ
トルボディ3及び吸気マニホールド4を介して空気が吸
入される。
スロットルボディ3内には図示しないアクセルペダル
と連動するスロットル弁5が設けられていると共に、そ
の上流に燃料噴射手段としての燃料噴射弁6が設けられ
ている。この燃料噴射弁6はソレノイドに通電されて開
弁し通電停止されて閉弁する電磁式燃料噴射弁であっ
て、後述するコントロールユニット14からの駆動パルス
信号により通電されて開弁し、図示しない燃料ポンプか
ら圧送されてプレッシャレギュレータにより所定の圧力
に調整された燃料を噴射供給する。尚、この例はシング
ルポイントインジェクションシステムであるが、吸気マ
ニホールドのブランチ部又は機関の吸気ポートに各気筒
毎に燃料噴射弁を設けるマルチポイントインジェクショ
ンシステムであっても良い。
機関1の燃料室には点火栓7が設けられている。この
点火栓7はコントロールユニット14からの点火信号に基
づいて点火コイル8にて発生する高電圧がディストリビ
ュータ9を介して印加され、これにより火花点火して混
合気を着火燃焼させる。
機関1からは、排気マニホールド10,排気ダクト11,三
元触媒12及びマフラー13を介して排気が排出される。
コントロールユニット14は、CPU,ROM,RAM,A/D変換器
及び入出力インタフェイスを含んで構成されるマイクロ
コンピュータを備え、各種のセンサからの入力信号を受
け、後述の如く演算処理して、燃料噴射弁6及び点火コ
イル8の作動を制御する。
前記各種のセンサとしては、スロットル弁5にポテン
ショメータ式のスロットルセンサ15が設けられていて、
スロットル弁5の開度αに応じた電圧信号を出力する。
スロットルセンサ15内にはまたスロットル弁5の全閉位
置でONとなるアイドルスイッチ16が設けられている。
また、ディストリビュータ9に内蔵されてクランク角
センサ17が設けられていて、クランク角2゜毎のポジシ
ョン信号と、クランク角180゜毎(4気筒の場合)のリ
ファレンス信号とを出力する。ここで単位時間当りのポ
ジション信号のパルス数あるいはリファレンス信号の周
期を測定することにより機関回転数Nを算出可能であ
る。
また、機関冷却水温Twを検出する水温センサ18,車速V
SPを検出する車速センサ19等が設けられている。
これらスロットルセンサ15,クランク角センサ17など
が機関運転状態検出手段である。
また、排気マニホールド10にO2センサ20が設けられて
いる。このO2センサ20は混合気を目標空燃比である論理
空燃比付近で燃焼させたときを境として起電力が急変す
る公知のセンサである。従ってO2センサ20は空燃比(リ
ッチ・リーン)検出手段である。
更にコントロールユニット14にはその動作電源として
また電源電圧の検出のためバッテリ21がイグニッション
キースイッチ22を介して接続されている。また、コント
ロールユニット14内のRAMの動作電源としては、イグニ
ッションキースイッチ22OFF後も記憶内容を保持させる
ため、バッテリ21をイグニッションキースイッチ22を介
することなく適当な安定化電源を介して接続してある。
ここにおいて、コントロールユニット14に内蔵された
マイクロコンピュータのCPUは、第3図〜第7図にフロ
ーチャートとして示すROM上のプログラム(燃料噴射量
演算ルーチン,フィードバック制御ゾーン判定ルーチ
ン,比例・積分制御ルーチン,学習ルーチン,リミッタ
値設定ルーチン)に従って演算処理を行い、燃料噴射を
制御する。
尚、基本燃料噴射量設定手段,エリア別学習補正係数
検索手段,フィードバック補正係数設定手段,燃料噴射
量演算手段,エリア別学習補正係数修正手段,フィード
バック補正係数制限設定手段,学習進行状態検出手段,
許容範囲設定手段としての機能は、前記プログラムによ
り達成される。また、エリア別学習補正係数記憶手段と
しては、RAMを用いる。
第3図の燃料噴射量演算ルーチンにおいて、ステップ
1(図にはS1と記してある。以下同様)ではスロットル
センサ15からの信号に基づいて検出されるスロットル弁
開度αとクランク角センサ17からの信号に基づいて算出
される機関回転数Nとを読込む。
ステップ2ではスロットル弁開度αと機関回転数Nと
に応じた吸入空気流量Qを予め実験等により求めて記憶
してあるROM上のマップを参照し実際のα,Nに対応する
Qを検索して読込む。
ステップ3では吸入空気流量Qと機関回転数Nとから
単位回転当りの吸入空気流量に相当する基本燃料噴射量
Tp=K・Q/N(Kは定数)を演算する。ここで、ステッ
プ1〜3の部分が基本燃料噴射量設定手段に相当する。
ステップ4ではスロットルセンサ15からの信号に基づ
いて検出されるスロットル弁開度αの変化率あるいはア
イドルスイッチ16のONからOFFへの切換わりによる加速
補正分,水温センサ18からの信号に基づいて検出される
機関冷却水温Twに応じた水温補正分などを含む各種補正
係数COEFを設定する。
ステップ5では機関運転状態を表す機関回転数Nと基
本燃料噴射量(負荷)Tpとに対応してエリア別学習補正
係数KMAPを記憶してあるエリア別学習補正係数記憶手段
としてのRAM上のマップを参照し、実際の機関回転数N,
基本燃料噴射量Tpに対応するエリア別学習補正係数KMAP
を検索して読込む。この部分がエリア別学習補正係数検
索手段に相当する。尚、エリア別学習補正係数KMAPのマ
ップは、機関回転数Nを横軸、基本燃料噴射量Tpを縦軸
として、8×8程度の格子により機関運転状態のエリア
を分け、各エリア毎にエリア別学習補正係数KMAPを記憶
させてあり、学習が開始されていない時点では、全て初
期値0を記憶させてある。
ステップ6では後述する第5図の比例・積分制御ルー
チンによって設定されているフィードバック補正係数LA
MBDAを読込む。尚、このフィードバック補正係数LAMBDA
を基準値は1である。
ステップ7ではバッテリ21の電圧値に基づいて電圧補
正分Tsを設定する。これはバッテリ電圧の変動による燃
料噴射弁の噴射量(有効開弁時間)変化を補正するため
のものである。
ステップ8では燃料噴射量Tiを次式に従って演算す
る。この部分が燃料噴射量演算手段に相当する。
Ti=Tp・COEF・(LAMBDA+KMAP)+Ts ステップ9では演算された燃料噴射量Tiを出力用レジ
スタにセットする。これにより、予め定められた機関回
転同期(例えば1/2回転毎)の燃料噴射タイミングにな
ると、Tiのパルス巾をもつ駆動パルス信号が燃料噴射弁
6に与えられて、燃料噴射が行われる。
第4図はフィードバック制御ゾーン判定ルーチンで、
原則として低中回転かつ低中負荷の場合に空燃比のフィ
ードバック制御を行い、高回転又は高負荷の場合に空燃
比のフィードバック制御を停止するためのものである。
ステップ21では機関回転数Nから比較Tpを検索し、ス
テップ22では実際の基本燃料噴射量Tp(実Tp)を比較Tp
とを比較する。
実Tp≦比較Tpの場合、すなわち低中回転から低中負荷
の場合は、ステップ23へ進んでディレータイマ(クロッ
ク信号によりカウントアップされるもの)をリセットし
た後、ステップ26へ進んでλcontフラグを1にセットす
る。これは低中回転かつ低中負荷の場合に空燃比のフィ
ードバック制御を行わせるためである。
実Tp>比較Tpの場合、すなわち高回転又は高負荷の場
合は、原則として、ステップ27へ進んでλcontフラグを
0にする。これは空燃比のフィードバック制御を停止
し、別途リッチな出力空燃比を得て、排気温度の上昇を
抑制し、機関1の焼付きや触媒12の焼損などを防止する
ためである。
ここで、高回転又は高負荷の場合であっても、ステッ
プ24でディレータイマの値を所定値と比較することによ
り、高回転又は高負荷に移行した後、所定時間経過する
までは、ステップ26へ進んでλcontフラグを1にセット
し続け、空燃比のフィードバック制御を続けるようにす
る。これは、山登り走行は高回転・高負荷領域で行われ
るため、空気密度変化分についての学習の機会を増すた
めである。但し、ステップ25での判定で機関回転数Nが
所定値(例えば3800rpm)を越えた場合は、安全のため
空燃比をフィードバック制御を停止する。
第5図は比例・積分制御ルーチンで、所定時間(例え
ば10ms)毎に実行され、これによりフィードバック補正
係数LAMBDAが所定範囲内に制限されて設定される。従っ
てこのルーチンがフィードバック補正係数設定手段及び
フィードバック補正係数制限設定手段に相当する。
ステップ31ではλcontフラグの値を判定し、0の場合
はこのルーチンを終了する。この場合は、フィードバッ
ク補正係数LAMBDAは前回値(又は基準値1)にクランプ
され、空燃比のフィードバック制御が停止される。
λcontフラグが1の場合は、ステップ32へ進んでO2
ンサ20の出力電圧V02を読込み、次のステップ33で理論
空燃比相当のスライスレベル電圧Vrefと比較することに
より空燃比のリッチ・リーンを判定する。
空燃比がリーン(V02<Vref)のときは、ステップ33
からステップ34へ進んでリッチからリーンへの反転時
(反転直後)であるか否かを判定し、反転時にはステッ
プ35へ進んでフィードバック補正係数LAMBDAを前回値に
対し所定の比例定数P分増大させる。反転時以外はステ
ップ36へ進んでフィードバック補正係数LAMBDAを前回値
に対し所定の積分定数I分増大させ、こうしてフィード
バック補正係数LAMBDAを一定の傾きで増大させる。尚、
P>>Iである。
空燃比がリッチ(V02>Vref)のときは、ステップ33
からステップ37へ進んでリーンからリッチへの反転時
(反転直後)であるか否かを判定し、反転時にはステッ
プ38へ進んでフィードバック補正係数LAMBDAを前回値に
対し所定の比例定数P分減少させる。反転時以外はステ
ップ39へ進んでフィードバック補正係数LAMBDAを前回値
に対し所定の積分定数I分減少させ、こうしてフィード
バック補正係数LAMBDAを一定の傾きで減少させる。
ステップ35,36,39,38で、フィードバック補正係数LAM
BDAを前回値に対し増減設定すると、ステップ40へ進
む。
ステップ40では後述する第7図のリミッタ値設定ルー
チンで設定されるフィードバック補正係数LAMBDAのリミ
ッタ値である上限値LAMBDAmaxと下限値LAMBDAminとを読
込む。
ステップ41では、この上限値LAMBDAmaxと、O2センサ2
0の出力電圧V02に基づいて前回値に対し増減設定したフ
ィードバック補正係数LAMBDAとを比較し、LAMBDA>LAMB
DAmaxである場合、すなわち上限値LAMBDAmaxを越えるフ
ィードバック補正係数LAMBDAが設定されたときにはステ
ップ42へ進んでフィードバック補正係数LAMBDAとしてス
テップ40で読込んだ上限値LAMBDAmaxを設定する。
LAMBDA≦LAMBDAmaxである場合にはステップ43へ進
み、下限値LAMBDAminと前回値に対し増減設定したフィ
ードバック補正係数LAMBDAとを比較する。ここで、LAMB
DA≧LAMBDAminである場合、すなわち上限値LAMBDAmax
下限値LAMBDAminとによって挟まれる許容範囲内にフィ
ードバック補正係数LAMBDAが設定されているときにはそ
のままこのルーチンを終了させることにより、フィード
バック補正係数LAMBDAとしてステップ35,36,39,38での
設定値を用いるようにする。一方、LAMBDA≧LAMBDAmin
である場合、すなわち下限値LAMBDAminを下回るフィー
ドバック補正係数LAMBDAが設定されたときにははステッ
プ44へ進んでフィードバック補正係数LAMBDAとしてステ
ップ40で読込んだ下限値LAMBDAminを設定する。
第6図は学習ルーチンである。この学習ルーチンがエ
リア別学習補正係数修正手段に相当する。
ステップ80ではλcontフラグの値を判定し、0の場合
は、ステップ82へ進んでカウント値CMAPをクリアした
後、このルーチンを終了する。これは空燃比のフィード
バック制御が停止されているときは学習を行うことがで
きないからである。
λcontフラグが1の場合、すなわち空燃比のフィード
バック制御中は、ステップ81へ進む。
ステップ81では機関運転状態を表す機関回転数Nと基
本燃料噴射量Tpとが前回と同一エリアにあるか否かを判
定し、エリアが変わった場合は、ステップ82に進んでカ
ウント値CMAPをクリアした後、このルーチンを終了す
る。
前回と同一のエリアの場合は、ステップ83でO2センサ
20の出力が反転すなわちフィードバック補正係数LAMBDA
の増減方向が反転したか否を判定し、このルーチンを繰
返して判定する毎に、ステップ84で反転回数を表すカウ
ント値CMAPを1アップし、例えばCMAP=3となった段階
で、ステップ85からステップ86へ進んで現在のフィード
バック補正係数LAMBDAの基準値1からの偏差(LAMBDA−
1)をΔLAMBDA1として一時記憶し、学習を開始する。
そして、CMAP=4以上となると、ステップ85からステ
ップ87へ進んで、そのときのフィードバック補正係数LA
MBDAの基準値1からの偏差(LAMBDA−1)をΔLAMBDA2
として一時記憶する。このとき記憶されているΔLAMBDA
1とΔLAMBDA2とは第8図に示すように前回(例えば3回
目)の反転から今回(例えば4回目)の反転までのフィ
ードバック補正係数LAMBDAの基準値1からの偏差の上下
のピーク値である。
このようにしてフィードバック補正係数LAMBDAの基準
値1からの偏差の上下のピーク値ΔLAMBDA1,ΔLAMBDA2
が求まると、ステップ88に進んでそれらの平均値▲
▼を求める。
次にステップ89に進んでRAM上のマップに現在のエリ
アに対応して記憶してあるエリア別学習補正係数K
MAP(初期値0)を検索して読出す。
次にステップ90に進んで次式に従って現在のエリア別
学習補正係数KMAPにフィードバック補正係数LAMBDAの基
準値からの偏差の平均値▲▼を所定割合
加算することによって新たなエリア別学習補正係数KMAP
を演算し、RAM上のマップの同一エリアのエリア別学習
補正係数KMAPのデータを修正して書き換える。
KMAP←KMAP+MMAP・▲▼ (MMAPは加算割合定数で、0<MMAP<1) この後は、ステップ91で次の学習のためΔLAMBDA2
ΔLAMBDA1に代入する。
そして、ステップ92では、RAM上におけるエリア別学
習補正係数KMAPのマップデータの修正書換え回数を示す
カウント値CLEARNを1アップする。この部分が学習進行
状態検出手段に相当する。
第7図はフィードバック補正係数LAMBDAのリミッタ値
(上限値LAMBDAmax及び下限値LAMBDAmin)設定ルーチン
であり、このルーチンが許容範囲設定手段として機能す
る。
ステップ101では、第6図のフローチャートのステッ
プ92でエリア別学習補正係数KMAPのデータ書き換え毎に
1アップされるカウント値CLEARNをエリア別学習補正係
数の学習進行状態を示すデータとして読込む。尚、エリ
ア別学習補正係数KMAPが初期値0にリセットされたとき
(例えばバッテリ21を外したとき)には、このカウント
値CLEARNもリセットされるようにしてある。
ステップ102では、予めカウント値CLEARNに応じて設
定記憶してあるROM上のマップを参照しステップ101で読
込んだカウント値CLEARNに対応するフィードバック補正
係数LAMBDAの上限値LAMBDAmax及び下限値LAMBDAminを検
索して読込む。
ここで、読込んだフィードバック補正係数LAMBDAの上
限値LAMBDAmax及び下限値LAMBDAminは、第5図に示した
フィードバック補正係数LAMBDAの比例・積分制御ルーチ
ンにおけるステップ40で読込まれ、上限値LAMBDAmax
び下限値LAMBDAminに挟まれる許容範囲内のフィードバ
ック補正係数LAMBDAが設定されるようなっている。
尚、カウント値CLEARNに基づいて設定される上限値LA
MBDAmax及び下限値LAMBDAminは、カウント値CLEARNが大
きくなる程基準値1からの偏差が小さく(許容範囲が狭
く)なり、許容範囲が複数回に渡って段階的に徐々に狭
くなるように設定されているため、エリア別学習補正係
数KMAPの書き換えすなわち学習が進行するに連れてフィ
ードバック補正係数LAMBDAが基準値1の近傍で制限され
て設定されることになる。
エリア別学習補正係数KMAPの書き換え回数が少なく学
習が進行していない状態においては、各種センサの部品
バラツキや空気密度(大気圧・温度)変化に対応すべく
フィードバック補正係数LAMBDAを大きく増減設定する必
要があるが、学習が進行すると第9図に示すようにフィ
ードバック補正係数LAMBDAが基準値1近傍で制御される
ようになるため、フィードバック補正係数LAMBDAの設定
許容範囲を縮小しても空燃比制御に支障を来すことがな
い。
従って、学習が進行するに連れてフィードバック補正
係数LAMBDAの設定許容範囲を狭め、例えばO2センサ20が
故障してフィードバック補正係数LAMBDAがその上限値LA
MBDAmax若しくは下限値LAMBDAminにクランプされるよう
になっても、フィードバック補正係数LAMBDAによる基本
燃料噴射量Tpの補正によりエンストを招くような空燃比
のオーバーリッチ化若しくはオーバーリーン化が生じる
ことがなく、機関1の運転性を確保できるものである。
〈発明の効果〉 以上説明したように本発明によると、学習進行状態に
応じてフィードバック補正係数の許容範囲を複数回に渡
って段階的に徐々に狭くするようにしたので、部品バラ
ツキや空気密度の変化に対応しつつ、O2センサの異常時
等において空燃比がオーバーリッチ化若しくはオーバー
リーン化することを回避して機関の運転性を確保できる
ようになるという効果がある。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の構成を示すブロック図、第2図は本発
明の一実施例を示すシステム図、第3図〜第7図は同上
実施例における制御内容を示すフローチャート、第8図
はフィードバック補正係数の変化の様子を示すタイムチ
ャート、第9図は同上実施例におけるフィードバック補
正係数の許容範囲変化を示すタイムチャート、第10図は
従来のフィードバック補正係数の設定制御における問題
点を示すタイムチャートである。 1……機関、5……スロットル弁、6……燃料噴射弁、
14……コントロールユニット、15……スロットルセン
サ、17……クランク角センサ、20……O2センサ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】機関に吸入される空気量に関与するパラメ
    ータを少なくとも含む機関運転状態を検出する機関運転
    状態検出手段と、 機関排気成分を検出しこれにより機関吸入混合気の空燃
    比を検出する空燃比検出手段と、 前記機関運転状態検出手段により検出された前記パラメ
    ータに基づいて基本燃料噴射量を設定する基本燃料噴射
    量設定手段と、 機関運転状態のエリア毎に前記基本燃料噴射量を補正す
    るためのエリア別学習補正係数を記憶した書き換え可能
    なエリア別学習補正係数記憶手段と、 実際の機関運転状態に基づいて前記エリア別学習補正係
    数記憶手段から対応する機関運転状態のエリアのエリア
    別学習補正係数を検索するエリア別学習補正係数検索手
    段と、 前記空燃比検出手段により検出された空燃比と目標空燃
    比とを比較して実際の空燃比を目標空燃比に近づけるよ
    うに前記基本燃料噴射量を補正するためのフィードバッ
    ク補正係数を設定するフィードバック補正係数設定手段
    と、 機関運転状態のエリア毎に前記フィードバック補正係数
    の基準値からの偏差を学習し、これを減少させる方向に
    前記エリア別学習補正係数記憶手段のエリア別学習補正
    係数を修正して書き換えるエリア別学習補正係数修正手
    段と、 前記フィードバック補正係数設定手段で設定したフィー
    ドバック補正係数と前記基準値を略中心とする許容範囲
    とを比較し、前記許容範囲内となるよう制限してフィー
    ドバック補正係数を補正設定するフィードバック補正係
    数制限設定手段と、 前記エリア別学習補正係数修正手段によるエリア別学習
    補正係数を書き換え修正の進行状態を検出する学習進行
    状態検出手段と、 前記フィードバック補正係数制限設定手段によるフィー
    ドバック補正係数の前記基準値を略中心とする許容範囲
    を、前記学習進行状態検出手段で検出したエリア別学習
    補正係数の書き換え修正の進行状態に応じ、複数回に渡
    って段階的に徐々に狭くする許容範囲設定手段と、 前記基本燃料噴射量設定手段で設定した基本燃料噴射
    量,前記エリア別学習補正係数検索手段で検索したエリ
    ア別学習補正係数及び前記フィードバック補正係数制限
    設定手段で許容範囲内に制限して補正設定されたフィー
    ドバック補正係数に基づいて燃料噴射量を演算する燃料
    噴射量演算手段と、 前記燃料噴射量演算手段で演算した燃料噴射量に相当す
    る駆動パルス信号に応じオン・オフ的に燃料を機関に噴
    射供給する燃料噴射手段と、 を含んで構成されることを特徴とする内燃機関の空燃比
    の学習制御装置。
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