JP3028314B1 - 金属酸化物含有粉粒体の誘導加熱融解処理方法及びその装置 - Google Patents

金属酸化物含有粉粒体の誘導加熱融解処理方法及びその装置

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Abstract

【要約】 【課題】 焼却灰・飛灰中の金属を好適に除去して
無害化でき、又、金属を高純度、高回収率で回収可能
で、設備生産性が高く、ランニングコストの低い粉粒体
の誘導加熱融解装置の提供を課題とする。 【解決手段】 金属酸化物含有粉粒体の誘導加熱融解処
理装置1を、密閉形ホッパー2と、これから誘導加熱管
5への粉粒体供給用耐熱性配管3と、耐熱性配管下端部
に上下摺動自在に接する誘電体製誘導加熱管5と、その
昇降駆動機構5Aと、誘導加熱管内で融解した粉粒体の
融液を受ける受容器6と、これらを内包する円筒状上部
真空チャンバ8と、円筒状上部真空チャンバ下部を外囲
する誘導加熱コイル10と、円筒状上部真空チャンバ内
上部の電気集塵手段4と、受容器6から溢流、流下する
融液を中継する傾斜パン11と、その傾動機構11と、
傾斜パンから流下する融液を受けて貯留する融液貯留タ
ンク12と、傾斜パン及び融液貯留タンクを内包し、円
筒状上部真空チャンバの下端に連通する下部真空チャン
バ16とを備えてなるように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粉粒体の誘導加熱
融解処理方法及びその装置に関し、特に、一般廃棄物で
ある焼却灰・飛灰等の灰中の金属を高純度、高回収率で
回収するとともに、焼却灰・飛灰等を無害化できる粉粒
体の誘導加熱融解処理方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】産業廃棄物及び生活廃棄物のうち、分別
された可燃物は、回収後、焼却炉で焼却されて焼却灰の
形態として投棄及び埋め立て処分などが行われている。
一方、このような廃棄物を燃焼すると、各種低沸点成分
が揮発し、いわゆる飛灰となるが、この飛灰は、前記焼
却灰に比べて鉛、カドミウム、クロム、亜鉛、砒素、水
銀などの金属類を多く含有するので、燃焼排ガスとして
外部環境に拡散させないために消石灰などを担持させた
バグフィルタなどによりこれを捕集している。このよう
に捕集された飛灰は、前記したように金属を多く含有す
るので、一般廃棄物としてそのままでは埋め立てること
ができないばかりか、環境衛生上厳重な管理が必要とさ
れ、pHを11〜14に調整して金属類を水に不溶と
し、その溶出を防止した上でコンクリートに混合し、コ
ンクリート成形体として処分場に投棄する等の処分が行
われている。
【0003】しかしながら、飛灰中には未反応の消石灰
が多量に残存し、飛灰のpHが高くなると飛灰中に含ま
れる金属のうち両性金属である鉛や亜鉛が水中に溶出し
易くなり、埋め立て処分する際特に問題となっている。
そこで、現状は有機キレートや結晶化反応を利用した無
機系薬剤等により滲出しないように無害化処理後、埋め
立て処分を行っているが、この処分方法には、以下のよ
うな問題点がある。 (1)土壌菌により有機キレート処理物が分解し、鉛や
亜鉛が滲出する。 (2)土壌中のフミン酸により有機系処理物が溶解し、
鉛や亜鉛が滲出する。 (3)無機系薬剤処理物は長期安定性にすぐれている
が、処理物量が増量するので、埋め立て処分場の寿命が
短くなる。 また、コンクリート成形体に封じ込められた金属類は酸
性雨などによりpHが低くなっても溶出し易くなるので
飛灰中より金属類を確実に除去する方法が求められてい
た。
【0004】一方、灰溶融法は、減容効果だけでなく、
金属類の溶出等がない無害な物質にでき、再資源化率の
向上というメリットも大きいので、各自治体に注目され
ている。しかしながら、既設の焼却炉に併設可能な灰溶
融炉には、プラズマ溶融炉、反射式表面溶融炉、電気抵
抗溶融炉等があるが、いずれも建設費とランニングコス
トが高価なこと等が自治体への導入・普及を妨げる一因
となっている。
【0005】さらに、前記のような焼却灰・飛灰の溶融
に誘導加熱融解処理装置を応用した例として、図8に示
すものが提案されている。この誘導加熱融解処理装置1
00は、図8に示すように、胴部102aの直径が大径
(約2メートル)のセラミック製の胴部と、逆円錐状に
形成されたセラミック製の下部102bとからなり、上
端に紛体供給管101を連結したホッパー102と、前
記ホッパー102の円筒状胴部102aの外周を囲繞す
る誘導加熱コイル103とを備えている。前記のホッパ
ー102内で灰を融解してできた融液は、前記ホッパー
下端の出口に設けられた円錐形状の液分配器104を経
て融液貯留タンク105へと給液され・貯留される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記図
8に示した誘導加熱融解処理装置100には、以下のよ
うな問題があった。 (1)灰の伝熱が悪いため、大径のホッパー102内に
貯留された灰がすべて融液となるまでに長時間を要す
る。従って、単位時間あたりの処理量が低く、熱効率も
悪く、結果として、ランニングコストが高くなる。 (2)ホッパー102及び融液貯留タンク105内は、
大気圧であり、また灰を溶融した後の融液中の金属の蒸
発面積が大きくないため、融液中の金属の蒸発により灰
スラグを完全に無害化するのが難しかった。また、金属
を高純度、高回収率で回収することができなかった。 (3)灰の処理速度を大きくしようとすると、灰の伝熱
が悪いためホッパ102等を始めとして装置が大型化
し、設備費が高くなってしまう。
【0007】本発明は、上記従来技術の問題を解消し、
焼却灰・飛灰等の灰中の金属を好適に除去して無害化す
ることができ、又、金属を高純度、高回収率で回収する
ことが可能で、設備生産性が高く、ランニングコストの
低い粉粒体の誘導加熱融解処理方法及びその装置の提供
を課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の金属酸化物含有
粉粒体の誘導加熱融解処理方法は、上記課題を解決する
ため、金属酸化物含有粉粒体を密閉形ホッパーに貯留す
る工程と、前記密閉形ホッパー内に貯留された前記金属
酸化物含有粉粒体を所定の流量で誘電体からなり所定の
温度以上に誘導加熱された誘導加熱管へ供給し、前記誘
導加熱管内を降下する前記金属酸化物含有粉粒体を加熱
して、金属酸化物の少なくとも一部を還元しつつ融解す
る工程と、融解して得られた融液を誘電体製の受容器に
貯留しつつ加熱して、残余の金属酸化物を還元する工程
と、前記受容器から溢流、流下する液膜状の融液流を真
空雰囲気中に曝し、融液中の金属類を蒸発させて真空排
気上昇流とともに搬送する工程と、前記真空排気上昇流
中の金属蒸気粒子及び/又は金属凝縮粒子を電気集塵手
段により捕集する工程と、前記受容器から溢流、流下す
る融液流を融液貯留タンクに受入れ、貯留する工程と、
前記電気集塵手段により捕集され、堆積した金属を前記
集塵手段から除去・回収する工程と、を含んでなり、前
記誘導加熱管と前記受容器のうち少なくとも1つを炭素
材又は黒鉛材で形成するように構成したものである。
【0009】前記のように構成した本発明の粉粒体の誘
導加熱融解処理方法においては、予め真空乾燥された焼
却灰・飛灰等の金属酸化物含有粉粒体を、所定の流量で
誘電体からなる誘導加熱管の中を落下させる。誘導加熱
コイルによって炭素材又は黒鉛材等の誘電体からなる誘
導加熱管が加熱され、加熱された高温の誘導加熱管から
の輻射熱によって、金属酸化物含有粉粒体が間接的に加
熱され、金属酸化物含有粉粒体の少なくとも一部が還元
されつつ融解される。誘電体である前記炭素材又は前記
黒鉛材を誘導加熱管の材料として使用すれば、還元剤を
使用しない抵抗加熱による真空還元の場合と比較して、
金属酸化物含有粉粒体の還元が促進されて金属となりや
すくなるので、金属酸化物含有粉粒体が好適に融解され
る。前記の所定の温度とは、金属酸化物の少なくとも一
部が炭素又は一酸化炭素により還元される温度とする。
前記の所定の流量とは、このような加熱、還元、融解等
の速度に見合った流量とされる。このように、高温に加
熱された誘導加熱管内を粉粒体を落下させて輻射熱によ
り加熱、還元、融解させるので、伝熱性の悪い上記の粉
粒体を効率よく加熱、融解させることができ、設備生産
性(単位時間当りの加熱融解処理量)を高めることがで
きる。他に使用できる誘導加熱管の材料として、誘電体
であるモリブデン等の高融点金属あるいは誘電体セラミ
ックス等があるが前記金属酸化物含有粉粒体に炭素材等
の還元材を添加すれば同様の加熱、還元、融解効果が得
られる。融解された融液は、前記のような誘電体からな
る受容器に貯留される。誘電体からなる受容器は誘導加
熱コイルによって加熱され、高温の受容器中の融液は、
伝導伝熱及び対流伝熱によって、融液が充分な流動性を
保つ温度になるまでさらに加熱される。又、高流動性の
融液を受容器から溢流させて、液膜状で流下させ、前記
液膜を所定の真空雰囲気に曝すので、融液中の金属類
を、高純度で、効率よく蒸発させることができる。さら
に、金属蒸気を真空排気上昇流とともに運搬し、真空排
気上昇流中の金属蒸気粒子及び/又は金属凝縮粒子を電
気集塵手段で捕集するので、何ら汚染されることなく高
純度を保ったまま、極めて効率よく金属類を捕集・堆積
させることができる。電気集塵手段に所定量堆積した金
属は、電気集塵手段を装置から取りだし、例えば、加熱
し、融解させて、電気集塵手段から除去・回収するの
で、高純度の金属を高回収率で回収することができる。
堆積した金属を除去され、再生された電気集塵手段は繰
り返し使用される。一方、金属類を蒸発させて除去され
た粉粒体の融液は、融液貯留タンクに貯留され、所定量
貯留された融液は、その組成や用途に応じて、例えば水
砕法によって造粒したりその他の処理方法によって適宜
処理することができる。
【0010】本発明の金属酸化物含有粉粒体の誘導加熱
融解処理装置は、前記の課題を解決するために、第1の
技術手段として、金属酸化物含有粉粒体を貯留する密閉
形ホッパーと、前記金属酸化物含有粉粒体の流量制御手
段を備え、前記密閉形ホッパーから誘導加熱管へ前記金
属酸化物含有粉粒体を供給する耐熱性配管と、前記耐熱
性配管の下端部外周面にその上端部内周面が上下に摺動
自在に接する誘電体からなる誘導加熱管と、前記誘導加
熱管の上端部を昇降自在に保持する昇降駆動機構と、前
記誘導加熱管の下部を包囲し、前記誘導加熱管内で融解
した粉粒体の融液を受けつつ溢流せしめる誘電体製受容
器と、前記耐熱性配管の下部、前記誘導加熱管、前記昇
降駆動機構の一部及び前記受容器を内包し、真空排気手
段に連結された円筒状上部真空チャンバと、前記円筒状
上部真空チャンバの前記誘導加熱管相当位置を外囲する
ように配置された誘導加熱コイルと、前記円筒状上部真
空チャンバ内の前記受容器の上方に前記誘導加熱管を外
囲するように設けられ、及び/又は、前記円筒状上部真
空チャンバからの真空排気管内に設けられ、前記受容器
から溢流、流下する液膜状融液から蒸発した金属蒸気粒
子及び/又は金属凝縮粒子を捕集する電気集塵手段と、
前記受容器から溢流、流下する融液を受け、傾動・水平
復帰自在に支持される傾斜パンと、前記傾斜パンの傾動
機構と前記傾斜パンから流下する融液を受けて貯留する
融液貯留タンクと、前記傾斜パン及び融液貯留タンクを
内包し、前記円筒状上部真空チャンバの下端に連結され
た下部真空チャンバと、を備えてなるように主要部が構
成される。
【0011】本発明の金属酸化物含有粉粒体の誘導加熱
融解処理装置は、前記のように構成したので、前記本発
明の金属酸化物含有粉粒体の誘導加熱融解処理方法の作
用と同様の作用を有する。
【0012】前記第1の技術手段を備えた本発明の金属
酸化物含有粉粒体の誘導加熱融解処理装置においては、
第2の技術手段として、前記下部真空チャンバが、その
内部を前記傾斜パンを内包する上部室と前記融液貯留タ
ンクを内包する下部室とに上下に分割する仕切り板と、
前記仕切り板に設けられ、前記傾斜パンから前記融液貯
留タンクに融液を流下させるための貫通穴と、前記貫通
穴を開閉する開閉蓋と、前記下部室に連結され、大気導
入弁を具備する大気導入管と、前記下部室に連結される
真空排気管と、前記下部室の側壁に設けられ、前記融液
貯留タンクを下部室に出し入れするための開閉扉と、を
備えてなるように構成することが望ましい。
【0013】前記のように構成すれば、融液貯留タンク
に所定量の融液が溜まったら、傾斜パンを水平に戻し、
傾斜パン内に融液を貯留しつつ、下部真空チャンバの仕
切り板の貫通穴を円形蓋で閉じ、上部室及び円筒状上部
真空チャンバの内部を真空に保ち、金属酸化物含有粉粒
体の誘導加熱融解処理が続行できる。又、下部室の真空
排気管からの排気を停止し、大気導入弁を開いて、下部
室内に大気を導入して、大気圧に戻してから、開閉扉を
開いて、融液貯留タンクを下部室の外に引き出し、予備
の融液貯留タンクを下部室に運び込むことができる。次
いで、開閉扉及び大気導入弁を閉じ、下部室の真空排気
管を介して下部室内から排気し、上部室の内部と等圧に
なるまで、真空度を上げることができる。さらに、円形
蓋を開いて、傾斜パンを再び傾斜させ、融液貯留タンク
内へ融液を流下させて再び貯留を開始するとともに、粉
粒体の誘導加熱融解処理中は、円筒状上部真空チャンバ
の上端の真空排気管及び下部室の真空排気管15を介し
て排気を続け、円筒状上部真空チャンバ及び下部真空チ
ャンバの内部を所定の真空度に維持することが可能とな
る。
【0014】前記第1の技術手段を採用した本発明の金
属酸化物含有粉粒体の誘導加熱融解処理装置において
は、第3の技術手段として、前記下部真空チャンバが、
その内部を前記傾斜パンを内包する上部室と前記融液貯
留タンクを内包する下部室とに上下に分割する仕切り板
と、前記下部室を左右二つの下部室に仕切る仕切り壁
と、前記仕切り板に設けられ、前記傾斜パンから前記左
右の下部室の各々に内包される融液貯留タンクの各々に
融液を流下させるための左右の貫通穴と、前記左右各々
の貫通穴を開閉する開閉蓋と、前記左右各々の下部室に
連結され、各々大気導入弁を具備する大気導入管と、前
記左右各々の下部室に連結される真空排気管と、前記左
右各々の下部室の側壁に設けられ、前記融液貯留タンク
を各々の下部室に出し入れするための開閉扉と、を備え
てなるように構成してもよい。
【0015】前記のように構成すれば、例えば、右の下
部室内融液貯留タンクに所定量の融液が溜まったら、傾
斜パンを一度水平に戻し、傾斜パン内に融液を貯留しつ
つ、隣接して設けられた左の融液貯留タンクの開閉蓋を
開けて、左の融液貯留タンクに融液が流れるように傾斜
パンの傾斜の向きを切り替える。右の融液貯留タンク
は、下部真空チャンバの仕切り板の貫通穴を円形蓋で閉
じることにより真空系とは遮断され、上部室及び円筒状
上部真空チャンバの内部を真空に保ち、粉粒体の誘導加
熱融解処理が続行できるようになる。又、右の下部室の
真空排気管からの排気を停止し、大気導入弁を開いて、
下部室内に大気を導入して、大気圧に戻してから、開閉
扉を開いて、融液貯留タンクを下部室の外に引き出し、
予備の融液貯留タンクを下部室に運び込むことができ
る。次いで、左の融液貯留タンク内に所定量の融液が溜
まる以前に、右の下部室の開閉扉及び大気導入弁を閉
じ、下部室の真空排気管を介して下部室内から排気し、
上部室の内部と等圧になるまで、真空度を上げることが
できる。さらに、円形蓋を開いて、傾斜パンを再び右の
下部室内の融液貯留タンク側に傾斜させて、再び貯留を
開始するとともに、粉粒体の誘導加熱融解処理中は、円
筒状上部真空チャンバの上端の真空排気管及び下部室の
真空排気管を介して排気を続け、円筒状上部真空チャン
バ及び下部真空チャンバの内部を所定の真空度に維持す
ることが可能となる。このように、融液を貯留したい方
の融液貯留タンク側へ傾斜パンの傾斜の向きを切り替え
るだけで、粉粒体の誘導加熱融解処理と融液の外部への
抜き出しが連続して行える。
【0016】前記第1乃至第3の技術手段の何れか一つ
を採用した本発明の金属酸化物含有粉粒体の誘導加熱融
解処理装置においては、第4の技術手段として、前記誘
導加熱管及び前記受容器を炭素材、黒鉛材又は高融点金
属で形成することが望ましい。
【0017】炭素材や黒鉛材は、誘電性、導電性が高
く、又、金属酸化物融液による化学的侵食に強いので、
誘導加熱管用材料及び受容器用材料として適している。
又、これらの材料は、誘導加熱管内の雰囲気を還元性に
保ち、金属酸化物の還元作用を促進する作用があるので
好ましい。さらに、モリブデン等の高融点金属に比較し
て、著しく経済的である。高融点金属としては、モリブ
デンが好ましい。モリブデンは、誘電性、導電性が高
く、又、金属酸化物融液による化学的侵食に強く、さら
に、還元剤としての炭素材との反応、浸炭による強度劣
化や焼却灰中の鉄分との反応による強度劣化がタングス
テン等に比べて生じにくいので、誘導加熱管用材料及び
受容器用材料として適している。さらに、モリブデン
は、炭素材や黒鉛材に比べて高温強度が高く、高価であ
るという難点があるものの、誘導加熱管用材料及び受容
器用材料として好ましい。
【0018】前記第1乃至第4の技術手段の何れか一つ
を採用した本発明の金属酸化物含有粉粒体の誘導加熱融
解処理装置においては、第5の技術手段として、前記誘
導加熱管及び前記受容器を誘電体セラミックスで形成し
てもよい。
【0019】誘電体セラミックスは、炭素材、黒鉛材又
は高融点金属に比べて、熱膨張率が低く、粉粒体供給用
耐熱性配管との連結が容易なことや、後述する受容器の
内部底面の誘導加熱管の直下に配置される突起部と誘導
加熱管の下端部との間隙調整精度を高くすることができ
るので好ましい。
【0020】前記の第1乃至第5の技術手段のいずれか
一つを採用した本発明の金属酸化物含有粉粒体の誘導加
熱融解処理装置においては、第6の技術手段として、前
記受容器の内部底面の前記誘導加熱管の直下に突起部を
備えるとともに、前記昇降駆動機構がサーボモータを含
んでなるように構成することが望ましい。
【0021】前記のように構成すれば、受容器の内部底
面の前記誘導加熱管の直下に突起部の外面と誘導加熱管
の下端部内面もしくは下端部内面エッジとの間の間隙の
断面積を、誘導加熱管の昇降動により高精度で調整する
ことができる。その結果、受容器から溢流し、流下する
液膜状の融液から所定の真空度に曝されて金属が蒸発す
る速度に見合った流量で、融液を溢流させることができ
る。これにより、融液の溢流流量が大きすぎて、融液中
の金属が充分に蒸発しないままで、下部の融液貯留タン
クに流れ込んでしまい、融液の無害化が充分にできなく
なるようなことがない。又、溢流流量が小さすぎて単位
時間当りの処理量が装置の能力よりも小さくなることが
なく、装置の設備生産性を最大限に高めることができ
る。
【0022】前記第1乃至第6の技術手段の何れか一つ
を採用した本発明の金属酸化物含有粉粒体の誘導加熱融
解処理装置においては、第7の技術手段として、前記受
容器を縦断面形状が逆台形になるようにし、その上端の
周方向に適宜間隔で溝を形成するか、及び/又は、側壁
上端に外側へ張出すフランジ部を備えるようし、前記フ
ランジ部の周方向に適宜間隔で溝を形成することが望ま
しい。
【0023】前記のように構成すれば、受容器の側壁上
端から溢流、流下する融液が受容器の側壁外面を伝わら
ずに、側壁外面から離れた液膜を形成することができ
る。その結果、液膜が真空雰囲気と接触する表面積が約
2倍になり、液膜状の融液から金属が蒸発する速度を大
きくでき、単位時間当りの処理量を略倍増できる。又、
受容器の側壁上端から液が溢流する面に溝を設け、液の
溢流速度を溝毎に変えることにより開口部ができるの
で、受容器の側壁上端から滝のように落下する液膜と受
容器の側壁外面との間の空間に金属蒸気が閉じ込められ
て金属蒸気が外部へ抜けなくなることがなくなる。溝が
ない場合は、受容器の周りを、前記側壁上端から滝のよ
うに落下する液膜で全部囲ってしまうので真空排気上昇
流があっても閉じ込められた金属蒸気が外部へ抜けなく
なるので、結果として金属蒸発速度が小さくなってしま
う。
【0024】前記第1乃至第7の技術手段の何れかを一
つを採用した本発明の金属酸化物含有粉粒体の誘導加熱
融解処理装置においては、第8の技術手段として、前記
受容器の側壁上端の周方向に適宜間隔で切り欠き部を備
えるようにしてもよい。
【0025】前記のように構成すれば、受容器の側壁上
端から溢流、流下する融液の流量が同じであれば、切欠
きのない場合に比べて、切欠きから外側へ流れ出る融液
の流速が増大し、溢流、流下する融液が受容器の側壁外
面を伝わらずに、側壁外面から離れた液膜を形成するこ
とができる。その結果、液膜が真空雰囲気と接触する表
面積が増大し、液膜状の融液から金属が蒸発する速度を
大きくでき、単位時間当りの処理量を増大させることが
できる。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明の金属酸化物含有粉粒体の
誘導加熱融解処理装置について、添付の図面を参照しつ
つ、以下に説明する。図1は本発明の金属酸化物含有粉
粒体の誘導加熱融解処理装置の第1の実施の形態の全体
の概略構成を示す破断斜視図、図2は耐熱性管及び電気
集塵手段の破断斜視図、図3は誘導加熱管及びその昇降
駆動機構を示す一部破断斜視図、図4(a)、(b)、
(c)は各々受容器の三つの実施の形態の各々を示す破
断斜視図、図5(a)は前記受容器の支持手段を示す斜
視図、図5(b)は傾動パン及びその傾動機構を示す一
部破断斜視図、図5(c)は融液貯留タンク及びその運
搬手段の斜視図、図6は本発明の金属酸化物含有粉粒体
の誘導過熱融解処理装置の第2の実施の形態の全体の概
略構成を示す破断斜視図である。図7はいくつかの金属
酸化物を炭素還元するときの反応温度の説明図である。
【0027】本発明の金属酸化物含有粉粒体の誘導加熱
融解処理装置1は、図1に示すように、大別して粉粒体
溶融部1aと融液の貯留・抜き出し部1bとから構成さ
れる。
【0028】粉粒体溶融部1aは、図示しない真空乾燥
機で乾燥された金属酸化物含有粉粒体を輸送する輸送管
2aと、前記輸送管2aの途中に設けられたロータリー
バルブ2bと、前記輸送管2aの末端が接続されて前記
金属酸化物含有粉粒体を受入れ貯留する下部断面形状が
逆円錐形状の前記密閉形ホッパー2と、前記密閉形ホッ
パー2の下端に連接し、誘導加熱管5へ粉粒体を供給す
るセラミックス製又は水冷二重金属管製の耐熱性配管3
と、前記耐熱性配管3の下端部の外周面にその上端部内
周面が上下に摺動自在に接する誘電体からなる誘導加熱
管5と、前記誘導加熱管5の上端部を昇降自在に保持す
る昇降駆動機構5Aと、前記誘導加熱管5の下部を包囲
し、前記誘導加熱管5内で融解した前記金属酸化物含有
粉粒体の融液を受ける誘電体からなる受容器6と、前記
耐熱性配管3の下部、前記誘導加熱管5、前記昇降駆動
機構5Aの一部及び受容器6を内包し、上端の排気管9
が図示せぬ真空排気手段に連結された円筒状上部真空チ
ャンバ8と、前記円筒状上部真空チャンバ8の前記誘導
加熱管5相当位置を外囲するように配置された誘導加熱
コイル10と、前記円筒状上部真空チャンバ8内の前記
受容器6の上方に前記誘導加熱管5を外囲するように設
けられ、前記受容器6から溢流、流下する液膜状融液か
ら蒸発した金属蒸気粒子及び/又は金属凝縮粒子を捕集
する電気集塵手段4と、を備えてなるように主要部が構
成される。
【0029】また、融液の貯留・抜き出し部1bは、前
記受容器6から溢流、流下する融液を受け、傾動・水平
復帰自在に支持される傾斜パン11と、前記傾斜パン1
1の傾動機構11Tと、前記傾斜パン11から流下する
融液を受けて貯留する融液貯留タンク12と、前記傾斜
パン11及び融液貯留タンク12を内包し、前記円筒状
上部真空チャンバ8の下端に連結された下部真空チャン
バ16と、を備えてなるように主要部が構成される。
【0030】前記の実施の形態は、さらに以下のような
具体的な構成と作用を備える。耐熱性配管3は、その下
端部に連結される誘導加熱管5からの輻射熱を多く受け
るので耐熱性と材料の強度が要求される。従って、水冷
二重金属管又はセラミックス製の配管が用いられる。耐
熱性配管3の上部の内部には、図2に示すような2個の
粉粒体流量制御用のセラミックス、水冷金属パネルもし
くは高融点金属からなるダンパー(バタフライ弁体)3
a,3bが軸支されている。ダンパー3a,3bは、耐
熱性配管3の内径より僅かに小径の円盤状に形成されお
り、その回転軸を耐熱性配管3の外部の図示せぬアクチ
ュエータに連結され、回動されて粉粒体流量制御を行
う。
【0031】また、図1及び図2に示すように、耐熱性
配管3の下端部、誘導加熱管5の上端部の外周にはこれ
を取り囲むように配設された環状電極板4bと、前記電
極板4bを吊り下げ支持するとともに、電力を供給する
一対の円柱棒状導体4aとからなる電気集塵手段4が設
けられている。前記の環状電極板4bと誘導加熱管5の
外周面及び円筒状上部真空チャンバ8の内壁面との間に
は、各々真空排気ガスの上昇流が通過する小さな間隙が
設けられており、真空排気ガス上昇流は前記環状電極板
に衝突して金属蒸気粒子及び/又は凝縮粒子を捕集され
た後、前記の間隙から円筒状上部真空チャンバ8の上端
の真空排気管9へと流れる。
【0032】誘導加熱管5は、円筒状で、前記耐熱配管
3の下端部外周面にその内周面が接し、上下摺動自在に
設けられている。誘導加熱管5の材料としては、例え
ば、誘電性、導電性が良く誘導加熱により高速加熱がで
きる炭素材又は黒鉛材が用いられる。炭素材又は黒鉛材
の代替材料として、モリブデン等高融点金属や誘電体セ
ラミックス等の材料も使用できる。その場合、金属酸化
物含有粉粒体に炭素材等の還元剤を別途添加して誘導加
熱したほうが反応温度を低くできるのでより好ましい。
【0033】誘導加熱管5の昇降駆動機構5Aは、図3
に示すように、誘導加熱炉管5の上端部外周面を把持す
るクランプ部5dと、前記クランプ部5dの外周面の一
部に一端を固着され、前記外周面に垂直に横方向へ張出
して、雌ネジを刻設した垂直貫通孔5hを備えたブロッ
ク材5cと、前記ブロック材5cの前記垂直貫通孔5h
の雌ネジに螺合する雄ネジを刻設したスクリューロッド
5bと、前記スクリューロッド5bの上端に回転軸を連
結されたサーボモータ5aと、前記ブロック材5c及び
前記スクリューロッド5bを取り囲む有底箱型の熱遮蔽
用ケース5eとから構成される。なお、スクリューロッ
ド5bの上部は雄ネジが刻設されておらず、図1に示す
ように円筒状上部真空チャンバ8の上端の蓋8bを真空
シールされつつ上下に貫通しており、サーボモータ5a
の回転軸に連結されている。このような構成において、
サーボモータ5aによりスクリューロッド5bを回転さ
せると、ブロック材5cが誘導加熱管5を保持しつつ送
りねじ機構によって昇降する。
【0034】前記誘導加熱管5の下部には、これを取り
囲み、誘導加熱によって融解した融液を受けて、一時貯
留し、上端から融液を溢流させる受容器6が、円筒状上
部真空チャンバ8の下端部に支持された受容器受部材7
の上に載置されて設けられている。受容器6は、前記誘
導加熱管5と同じ誘電性、導電性の耐熱材料である炭素
材又は黒鉛材で構成されており、誘導加熱コイル10に
より誘導加熱されて、内部に一時貯留される融液をさら
に加熱して、上端から溢流する融液の流動性を高め、薄
い液膜として流下し易くする。又、前記誘導加熱管5内
で還元し切れなかった残余の金属酸化物を還元させる。
【0035】受容器6は、図1に示すように、円筒状の
形状で、内部底面の前記誘導加熱管5の直下に突起部6
bが設けられる。突起部6bの形状は図1に示すような
半球状の他に、球帯状、円錐状、裁頭円錐状、角錐状、
裁頭角錐状でもよく、突起部6bの外面と誘導加熱管5
の下端部の内面又は下端内側エッジとの間に隙間が形成
でき、誘導加熱管5を昇降させることによってこの隙間
の断面積を緩やかに精度よく調節可能な形状であればよ
い。
【0036】受容器6の形状は、図4(a)に示すよう
な縦断面形状が逆台形でその上端に溝6mを設けた形
状、図4(b)に示すように側壁上端6tにフランジ状
の張出し部6fを備え、前記張り出し部6fに溝6mを
設けた形状、図4(c)に示すように側壁上端6tの周
方向に等間隔で複数の切欠き6nを設けた形状等が望ま
しい。図4(a),(b)のような形状とすれば、受容
器6の上端6tから溢流する融液が受容器6の側壁外面
6sを伝うことなく、側壁外面6sから離れた液膜状で
流下するので、真空雰囲気との接触面積(界面積)が約
2倍となり、金属の蒸発速度が略倍増するという効果が
ある。又、受容器6の側壁上端6tやフランジ状張り出
し部6fに、受容器6の中心から外方向に溝6mを設け
て融液の溢流速度を溝6m毎に変えることにより、前記
側壁上端6tから滝のように落下する融液の液膜の一部
に破断個所(開口部)が形成できるので、受容器6の側
壁上端から滝のように落下する液膜と受容器6の側壁外
面との間の空間に金属蒸気が閉じ込められて金属蒸気が
外部へ抜けなくなることがなくない。図4(c)のよう
に上端に多数の切欠き6nを設ければ、図1に示したよ
うに切欠き6nを設けない場合に比べて、溢流流量を同
じとすれば、切欠き6nから外側へ流れる速度が増大
し、溢流する融液が受容器6の側壁外面6sを伝うこと
なく、側壁外面6sから離れた流束が形成される。その
結果、真空雰囲気との接触面積(界面積)が増大し、金
属の蒸発速度が増大するという効果がある。なお、切欠
き6nの形状は、方形、逆台形、半円形、半長円形、逆
三角等が考えられるが、前記のような作用・効果の大き
い形状であればどのような形状でもよい。
【0037】受容器受部材7は、図1、図5(a)に示
すように、五徳状のものでもよいが、受容器6を円筒状
上部真空チャンバ8の低部に保持できるものであればよ
い。なお、その形状、・寸法や材質は、受容器6から流
下して衝突する融液による機械的、化学的侵食になるべ
く長期間耐えて、受容器6を安定して水平に支持できる
とともに、流下する融液が衝突して周囲に飛散しにくい
ものが望ましい。
【0038】円筒状上部真空チャンバ8は、耐熱性配管
3の下半部、電気集塵手段4、誘導加熱管5、受容器
6、受容器受部材7を内包し、下端が開口して後述する
下部真空チャンバ16に連結され、上端に蓋8bを備え
た円筒状の容器からなる。その外周面の前記誘導加熱管
5及び受容器6の配置相当位置には、誘導加熱コイル1
0が配設される。円筒状上部真空チャンバ8の上端に
は、図示せぬ真空ポンプに連結された真空排気管9が接
続されている。円筒状上部真空チャンバ8の材質として
は、黒鉛を含まない高アルミナ質、アルミナーシリカ質
等の断熱性のよい耐火物を使用することができる。
【0039】誘導加熱コイル10は、高導電率の銅管を
コイル状に巻いたものであり、銅管内に冷却水を通して
冷却される。誘導加熱コイル10の断面の形状は、長円
形でもよい。
【0040】次に、融液の貯留・抜き出し部1bの具体
的構成と作用について説明する。前記粉粒体溶融部1a
の下部に連設される融液の貯留・抜き出し部1bは、内
部が高さ方向中央部の仕切板16pで上部室16aと下
部室16bに仕切られた下部真空チャンバ16に内包さ
れている。
【0041】上部室16a内の前記受容器6の直下に
は、通常時には所定の角度だけ傾動されていて、受容器
6から溢流、流下する融液を受け、この融液を下部室1
6b内に配置された融液貯留タンク12へ流下させるた
めの皿状の傾斜パン11が配置されている。傾斜パン1
1の上端面の直径線上の2箇所には、図5(b)に示す
ように、直径方向に貫通する貫通孔11hを備える一対
のハンガー11sが垂直に固定されており、上部室16
aの天井から垂直に設けられた支持部材16sの下端部
に水平に固定された支持ピン11pに前記貫通孔11h
を係合させて傾動および自然水平復帰自在に支持されて
いる。傾斜パン11の底部11aの前記一対のハンガー
11sの貫通孔11h,11hを通る軸線よりも下側
で、上部室16aの側端壁側の下面には、傾動機構11
Tが設けられ、シリンダ11cの上下に駆動されるピス
トンロッド11bの頭端が傾斜パン11の底部11aの
外壁に当接、離隔自在に設けられている。ピストンロッ
ド11bを伸長させて傾斜パン11の当接する下面を上
に突き上げることにより傾斜パン11を所望の角度に傾
動することができる。逆にピストンロッド11bを収縮
させると、前記一対のハンガー11sの貫通孔11h,
11hを通る軸線に対する傾斜パン11の重心の位置関
係から、傾斜パン11が自然に水平方向に復帰するよう
に形成されていて、ピストンロッド11bの頭端が傾斜
パン11の低部11aの下面から離れると水平に戻る。
なお、傾斜パン11は、後述する融液受タンク12を交
換する際に、水平位置に復帰させられ、前記受容器6か
ら連続して溢流、流下する融液を一時的に貯留する役割
をも果たすので、その間の融液を貯留可能な容積に形成
されている。
【0042】融液貯留タンク12は、図1、図5(c)
に示すように例えば矩形の容器であり、底部に車輪12
wを備える。融液が融液貯留タンク12に所定量以上溜
まったら下部室16bの外部へ運び出して融液の後処理
が行われる。そのために、上部室16aと下部室16b
との仕切り板16pの前記貫通穴16phを封鎖して上
部室16a及び円筒状上部真空チャンバ8の内部を真空
に保つための円形蓋13が前記仕切り板16pの下面に
開閉自在に取付けられている。又、図1に示すように、
下部室16bには、前記融液貯留タンク12を出し入れ
するための開閉扉(図示省略)、レール12r、下部室
16bを大気圧に戻すための大気導入弁(例えば、ニー
ドル弁)14vを備えた大気導入管14、下部室16b
内を再び真空に戻すための図示せぬ真空ポンプに連結さ
れた真空排気管15等が設けられている。
【0043】融液貯留タンク12に溜められた融液は、
金属類が除去され無害化されているので、下部室16b
の外に運びだされて、風砕スラグ又は水砕スラグに加工
・処理され、土壌改良材、路盤材、コンクリート骨材や
透水性レンガ原料等として有効利用される。
【0044】前記のように構成された本発明の金属酸化
物含有粉粒体の誘導加熱融解処理装置の第1の実施の形
態を用いた本発明の金属酸化物含有粉粒体の誘導加熱融
解処理方法の第1の実施の形態について、前記の図面を
参照しつつ以下に説明する。
【0045】(1)焼却灰・飛灰等の有害金属の酸化物
を含有した粉粒体を、予め真空乾燥して、搬送作業等が
行い易くなるように水分を30%以下に低下させる。
【0046】(2)前記粉粒体を密閉形ホッパー2に輸
送し、貯留しておく。
【0047】(3)密閉形ホッパー2から、ダンパー
(バタフライ弁体)3a,3bで流量を制御しながら、
前記粉粒体を耐熱性管3を介して、誘導加熱コイル10
によって高温に加熱された誘導加熱管(炭素材製)5内
に落下させる。誘導加熱管5からの主として輻射熱によ
り混合粉粒体を加熱し、金属酸化物を還元しながら、融
解する。
【0048】(4)誘導加熱管5内で融解した融液を、
受容器(炭素材製)6に一時的に滞留させつつ、さらに
融液を加熱する。同時に、未還元の残余の金属酸化物を
還元する。
【0049】(5)誘導加熱管5を、サーボモータ5a
と、スクリューロッド5b及び雌ネジを刻設したブロッ
ク材5cからなる昇降駆動機構5A(送りネジ機構)に
より昇降させて、受容器6の内部底面の突起部6bの外
面と誘導加熱管5の下端部の内面との間隙の断面積を調
節し、適切な流量で融液を受容器6内に流入させつつ、
受容器6の上端より溢流させ、流下する液膜状の融液を
所定の真空度になるように排気される円筒状上部真空チ
ャンバ8内の雰囲気に曝し、融液内の易蒸発性金属を蒸
発させる。
【0050】(6)蒸発した金属を含む真空排気上昇流
を、誘導加熱管5の上端部外周に配置された環状電極板
4bと衝突させて、金属蒸気粒子及び/又は金属凝縮粒
子を捕集する。ただし、円筒状上部真空チャンバ8の上
端の真空排気管9からの排気速度が、下部室16の真空
排気管15からの排気速度を上回るように、排気系を設
計しておき、傾斜パン11から上方では、排気ガスが上
昇流を形成するようにする。このようにすることによっ
て、受容器6から溢流、流下する融液から蒸発した金属
が上昇する排気ガスによって上方へ運搬され、前記の電
気集塵手段4によって、捕集され、回収される。
【0051】(7)受容器6から溢流し、易蒸発性金属
を蒸発させて無害化された融液を、所定の角度だけ傾斜
した傾斜パン11を中継して、下部真空チャンバ16の
下部室16bに配置された融液貯留タンク12に流下さ
せ、所定量になるまで融液を貯留する。
【0052】(8)融液貯留タンク12に所定量の融液
が溜まったら、傾斜パン11を水平に戻し、傾斜パン1
1内に融液を貯留しつつ、下部真空チャンバ16の仕切
り板16pの貫通穴16phを円形蓋13で閉じ、上部
室16a及び円筒状上部真空チャンバ8の内部を真空に
保ち、粉粒体の誘導加熱融解処理を続ける。
【0053】(9)排気管15からの排気を停止し、大
気導入弁14vを開いて、下部室16b内に大気を導入
して、大気圧に戻してから、開閉扉(図示省略)を開い
て、融液貯留タンク12を下部室の外に引き出し、予備
の融液貯留タンク12を下部室16bに運び込む。
【0054】(10)開閉扉(図示省略)及び大気導入
弁14vを閉じ、真空排気管15を介して下部室16b
内から排気し、上部室16a及び円筒状上部真空チャン
バ8の内部と等圧になるまで、真空度を上げる。
【0055】(11)円形蓋13を開いて、傾斜パン1
1を再び傾斜させ、融液貯留タンク12内へ融液を流下
させて再び貯留を開始する。なお、粉粒体の誘導加熱融
解処理中は、円筒状上部真空チャンバ8の上端の真空排
気管9及び下部室16の真空排気管15を介して排気を
続け、円筒状上部真空チャンバ8及び下部真空チャンバ
16の内部を所定の真空度に維持する。
【0056】(12)電気集塵手段4の環状電極板4b
に所定量の金属が捕集され、堆積したら、装置の運転を
一時停止して、環状電極板4bを交換し、再び装置の運
転を続ける。取り出された環状電極板4bに通電して、
抵抗加熱により堆積した金属を融解して、除去し、環状
電極板4bを再生する。融解した金属は不純物が少な
く、高純度なものが得られるので、インゴットとして凝
固させ、成分に応じた用途に再利用する。
【0057】次に、本発明の金属酸化物含有粉粒体の誘
導加熱融解処理装置の第2の実施の形態について、添付
の図面を参照して以下に説明する。図6は、本発明の金
属酸化物含有粉粒体の誘導加熱融解処理装置の第2の実
施の形態の全体の概略構成を示す破断断面図である。
【0058】本実施の形態は、前記図1乃至図5を参照
して説明した第1の実施の形態の構成とは、以下の点を
除いて同じである。 (1)電気集塵手段4は、円筒状上部真空チャンバ8の
上部側壁に連結された真空排気管9bの内部に設けら
れ、前記真空排気管9bの内径より外径の小さな円盤状
電極板4cと、この円盤状電極板4cの直径方向の2箇
所に接続され、真空排気管9bの壁面を真空シールされ
つつ貫通して前記円盤状電極板4cに通電する一対の棒
状導体4a,4aとから構成される。なお、前記真空排
気管9bの前記真空集塵手段4の設置位置の前後の所定
の長さの連結部分9bpは、フランジ結合で、上・下流
の真空排気管9bと着脱可能に連結されている。 (2)下部チャンバ16が、その内部を前記傾斜パン1
1を内包する上部室16aと左右二つの融液貯留タンク
12b,12cの各々を内包する左右二つの下部室16
b,16cとに上下に分割する仕切り板16pと、前記
下部室を左右二つの下部室16b,16cに仕切る仕切
り壁16wと、前記仕切り板16pに設けられ、前記傾
斜パン11から前記左右の下部室16b,16cの各々
に内包される融液貯留タンク12b,12cの各々に融
液を流下させるための各々の貫通孔穴16phb,16
phcと、前記各々の貫通穴16phb,16phcの
各々を開閉する開閉蓋13b,13cと、前記左右各々
の下部室16b,16cに連結され、各々大気導入弁1
4vb,14vcを具備する大気導入管14b,14c
と、前記左右各々の下部室16b,16cに連結される
真空排気管15b,15cと、前記左右各々の下部室1
6b,16cの側壁に設けられ、前記融液貯留タンク1
2b,12cを各々の下部室16b,16cに出し入れ
するための開閉扉(図示省略)と、を備えてなるように
構成される。なお、傾斜パン11の傾動機構11Tは、
一対のシリンダ11cb、11ccの各々から伸長・収
縮するピストンロッド11bb,11bcとから構成さ
れ、一方のシリンダ11cbのピストン11bbを収縮
させたときに、他方のシリンダ11ccのピストン11
cbをを伸長させたり、これとは逆の動作を行わせるこ
とにより、傾斜パン11を左右に傾動させたり、水平に
復帰させたりすることができる。
【0059】前記のように構成すれば、円盤状電極板4
cに所定量の金属が付着した電気集塵手段4を連結部分
9bpとともに真空排気管9bに着脱することが容易に
なり、円盤状電極板4cの交換が容易に、短時間に行う
ことができる。さらに、下部室を16b,16cの二室
とし、各々に、融液貯留タンク12b,12cの各々を
配置可能とし、その他の構成部品も各々に付属させたの
で、一方の下部室の融液貯留タンクの交換中に、他方の
下部室の融液貯留タンクに傾斜パン11からの融液を流
下させ、貯留することができる。したがって、下部室の
融液貯留タンクの交換を確実に、時間を掛けておこなう
ことが可能となると共に、前記第1の実施の形態の場合
のように、融液貯留タンク12の交換中は水平復帰させ
た傾斜パン11の中に融液を一時貯留するときに、融液
貯留タンク12の交換に傾斜パン11の貯留容量を超え
るような時間が掛かり、傾斜パン11から融液が溢れて
下部室内に融液が流れこんだり、あるいは、このような
事故を避けるために、装置の運転を一時停止する必要等
がない。
【0060】前記のように構成された本発明の金属酸化
物含有粉粒体の誘導加熱融解処理装置の第2の実施の形
態を用いた本発明の金属酸化物含有粉粒体の誘導加熱融
解処理方法の第2の実施の形態について、前記の図6を
参照しつつ以下に説明する。なお、手順(1)〜(5)
は前記の第1の実施の形態の手順(1)〜(5)と同じ
であるので、重複説明は省略する。
【0061】(6)蒸発した金属を含む真空排気流を、
真空排気管9bの中に配置された円盤状電極板4cと衝
突させて、金属蒸気粒子及び/又は金属凝縮粒子を捕集
する。ただし、円筒状上部真空チャンバ8の側壁の真空
排気管9bからの排気速度が、下部室16b又は16c
の真空排気管15b又は15cからの排気速度を上回る
ように、排気系を設計しておき、傾斜パン11から上方
では、排気ガスが上昇流を形成するようにする。このよ
うにすることによって、受容器6から溢流、流下する融
液から蒸発した金属が上昇する排気ガスによって上方へ
運搬され、前記の電気集塵手段4によって、捕集され、
回収される。
【0062】(7)受容器6から溢流し、易蒸発性金属
を蒸発させて無害化された融液を、所定の角度だけ傾斜
した傾斜パン11を中継して、下部真空チャンバ16の
下部室16bに配置された融液貯留タンク12bに流下
させ、所定量になるまで融液を貯留する。
【0063】(8)融液貯留タンク12bに所定量の融
液が溜まったら、傾斜パン11を水平に戻し、傾斜パン
11内に融液を貯留しつつ、下部真空チャンバ16の仕
切り板16pの下部室16b側の貫通穴16phbを円
形蓋13bで閉じ、上部室16a及び円筒状上部真空チ
ャンバ8の内部を真空に保ち、粉粒体の誘導加熱融解処
理を続ける。
【0064】(9)予め真空排気管15cを介した排気
により、前記上部室16aと同じ真空度に排気されてい
る下部室16c側の貫通穴16phcの円形蓋13cを
開き、傾斜パン11を下部室16c側へ傾斜させて、融
液貯留タンク12c内へ融液を流下させて、貯留する。
【0065】(10)下部室16bの真空排気管15b
からの排気を停止し、大気導入弁14vbを開いて、下
部室16b内に大気を導入して、大気圧に戻してから、
開閉扉(図示省略)を開いて、融液貯留タンク12bを
下部室16bの外に引き出し、予備の融液貯留タンク1
2bを下部室16bに運び込む。
【0066】(11)他方の下部室16cの融液貯留タ
ンク12c内の融液が所定量に達する以前に、開閉扉
(図示省略)及び大気導入弁14vbを閉じ、真空排気
管15bを介して下部室16b内から排気し、上部室1
6aの内部と等圧になるまで、真空度を上げておく。
【0067】(12)電気集塵手段4の円盤状電極板4
cに所定量の金属が捕集され、堆積したら、装置の運転
を一時停止して、円盤状電極板4cを真空排気管9bの
連結部9bpとともに交換し、再び装置の運転を続け
る。取り出された円盤状電極板4cに通電して、抵抗加
熱により堆積した金属を融解して、除去し、円盤状電極
板4cを再生する。融解した金属は不純物が少なく、高
純度なものが得られるので、インゴットとして凝固さ
せ、成分に応じた用途に再利用する。
【0068】以上、本発明の実施の形態を説明したが、
本発明は前記の実施の形態に限定されるものではなく、
構成の要旨を逸脱しない範囲内で、他の実施の形態を含
むものである。例えば、実際の装置の運転の際の便を考
えて、円筒状上部真空チャンバ8に、内部の状態を観察
するための覗き窓を設けてもよく、又、種々の計測装置
を取り付けて、計測結果に基づいた自動制御を行えるよ
うに構成してもよい。
【0069】最後に、いくつかの金属酸化物を炭素で還
元するときの反応温度について図7を参照して説明す
る。金属酸化物を真空中でモリブデン等の高融点金属を
使って抵抗加熱し真空還元する場合は、金属酸化物の融
点が高く1800℃以上の高温での反応となるが、本発
明のように炭素材又は黒鉛材で形成した誘導加熱管又は
受容器を使用し、誘導加熱して炭素還元する場合は、金
属酸化物のうちで一番還元されにくいZnOでも略10
00℃以上(2C+O2→2COの標準自由エネルギー
線と各酸化物の生成反応に係る標準自由エネルギー線と
交わった点が反応平衡点となるので、反応平衡点から垂
線を立て温度座標と交わったところが反応平衡温度とな
る。金属酸化物を炭素で還元するときの反応は吸熱反応
なので反応平衡温度より高い温度ならば反応が進む)の
温度で反応が進む。このことは、実験でも確認されてい
る。真空還元の反応温度よりも低い反応温度で金属酸化
物含有粉粒体中の蒸発しにくいPb,Znの酸化物が好
適に除去できるのでエネルギー消費量が少なくて済む。
また、1600℃以下の温度であれば炉材に良く使用さ
れるSi,Alの酸化物が炭素還元されない。
【0070】
【発明の効果】本発明は、前記のように構成したので、
焼却灰・飛灰等の灰中の金属を好適に除去して無害化す
ることができ、又、金属を高純度、高回収率で回収する
ことが可能で、設備生産性が高く、ランニングコストの
低い粉粒体の誘導加熱融解処理が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の金属酸化物含有粉粒体の誘導加熱融
解処理装置の第1の実施の形態の全体の概略構成を示す
破断斜視図である。
【図2】 耐熱性配管と電気集塵手段を示す破断斜視図
である。
【図3】 誘導加熱管とその昇降駆動手段を示す一部破
断斜視図である。
【図4】 受容器の三つの実施の形態を示す破断斜視図
である。
【図5】 (a)は受容器受部材、(b)は傾斜パン及
びその傾動駆動機構を各々示す破断斜視図、(c)は融
液貯留タンク及びその運搬手段の斜視図である。
【図6】 本発明の金属酸化物含有粉粒体の誘導加熱融
解処理装置の第2の実施の形態の全体の概略構成を示す
破断斜視図である。
【図7】 いくつかの金属酸化物を炭素還元するときの
反応温度の説明図である。
【図8】 従来の粉粒体の誘導加熱融解処理装置の概略
構成を示す破断斜視図である。
【符号の説明】
1 誘導加熱融解処理装置 1a 粉粒体溶融部 1b 融液の貯留・抜き出し部 2 密閉形ホッパー 3 耐熱性配管 3a,3b ダンパー(バタフライ弁体) 4 電気集塵手段 4a 円柱棒状導体 4b 環状電極板 4c 円盤状電極板 5 誘導加熱管 5A 昇降駆動機構 5a サーボモータ 5b スクリューロッド 5c ブロック材 6 受容器 6b 突起部 6f フランジ状張り出し部 6m 溝 6n 切欠き 7 受容器受部材 8 円筒状上部真空チャンバ 9,9b 真空排気管 10 誘導加熱コイル 11 傾斜パン 11T 傾動機構 12,12b,12c 融液貯留タンク 13,13b,13c 円形蓋 14,14b,14c 大気導入管 14v,14vb,14vc 大気導入弁 15,15b,15c 真空排気管 16 下部真空チャンバ 16a 上部室 16b,16c 下部室 16p 仕切り板 16ph,16phb,16phc 貫通穴 16w 仕切り壁
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C22B 9/02 H05B 6/10 321 9/22 B09B 3/00 ZAB H05B 6/10 321 303L (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F27B 14/14 C22B 7/00 C22B 9/02 C22B 9/22 C22B 7/02

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属酸化物含有粉粒体を密閉形ホッパー
    に貯留する工程と、 前記密閉形ホッパー内に貯留された前記金属酸化物含有
    粉粒体を所定の流量で誘電体からなり所定の温度以上に
    誘導加熱された誘導加熱管へ供給し、前記誘導加熱管内
    を降下する前記金属酸化物含有粉粒体を加熱して、金属
    酸化物の少なくとも一部を還元しつつ融解する工程と、 融解して得られた融液を誘電体製の受容器に貯留しつつ
    加熱して、残余の金属酸化物を還元する工程と、 前記受容器から溢流、流下する液膜状の融液流を真空雰
    囲気中に曝し、融液中の金属類を蒸発させて真空排気上
    昇流とともに搬送する工程と、 前記真空排気上昇流中の金属蒸気粒子及び/又は金属凝
    縮粒子を電気集塵手段により捕集する工程と、 前記受容器から溢流、流下する融液流を融液貯留タンク
    に受入れ、貯留する工程と、 前記電気集塵手段により捕集され、堆積した金属を前記
    集塵手段から除去・回収する工程と、を含んでなり、 前記誘導加熱管と前記受容器のうち少なくとも1つを炭
    素材または黒鉛材で形成することを特徴とする金属酸化
    物含有粉粒体の誘導加熱融解処理方法。
  2. 【請求項2】 金属酸化物含有粉粒体を貯留する密閉形
    ホッパーと、前記金属酸化物含有粉粒体の流量制御手段
    を備え、前記密閉形ホッパーから誘導加熱管へ前記金属
    酸化物含有粉粒体を供給する耐熱性配管と、 前記耐熱性配管の下端部外周面にその上端部内周面が上
    下に摺動自在に接する誘電体からなる誘導加熱管と、 前記誘導加熱管の上端部を昇降自在に保持する昇降駆動
    機構と、 前記誘導加熱管の下部を包囲し、前記誘導加熱管内で融
    解した粉粒体の融液を受けつつ溢流せしめる誘電体製受
    容器と、 前記耐熱性配管の下部、前記誘導加熱管、前記昇降駆動
    機構の一部及び前記受容器を内包し、真空排気手段に連
    結された円筒状上部真空チャンバと、 前記円筒状上部真空チャンバの前記誘導加熱管相当位置
    を外囲するように配置された誘導加熱コイルと、 前記円筒状上部真空チャンバ内の前記受容器の上方に前
    記誘導加熱管を外囲するように設けられ、及び/又は、
    前記円筒状上部真空チャンバからの真空排気管内に設け
    られ、前記受容器から溢流、流下する液膜状融液から蒸
    発した金属蒸気粒子及び/又は金属凝縮粒子を捕集する
    電気集塵手段と、 前記受容器から溢流、流下する融液を受け、傾動・水平
    復帰自在に支持される傾斜パンと、 前記傾斜パンの傾動機構と前記傾斜パンから流下する融
    液を受けて貯留する融液貯留タンクと、 前記傾斜パン及び融液貯留タンクを内包し、前記円筒状
    上部真空チャンバの下端に連結された下部真空チャンバ
    と、 を備えてなる金属酸化物含有粉粒体の誘導加熱融解処理
    装置。
  3. 【請求項3】 前記下部真空チャンバが、 その内部を前記傾斜パンを内包する上部室と前記融液貯
    留タンクを内包する下部室とに上下に分割する仕切り板
    と、 前記仕切り板に設けられ、前記傾斜パンから前記融液貯
    留タンクに融液を流下させるための貫通穴と、 前記貫通穴を開閉する開閉蓋と、 前記下部室に連結され、大気導入弁を具備する大気導入
    管と、 前記下部室に連結される真空排気管と、 前記下部室の側壁に設けられ、前記融液貯留タンクを下
    部室に出し入れするための開閉扉と、を備えてなる請求
    項2に記載の金属酸化物含有粉粒体の誘導加熱融解処理
    装置。
  4. 【請求項4】 前記下部真空チャンバが、 その内部を前記傾斜パンを内包する上部室と前記融液貯
    留タンクを内包する下部室とに上下に分割する仕切り板
    と、 前記下部室を左右二つの下部室に仕切る仕切り壁と、 前記仕切り板に設けられ、前記傾斜パンから前記左右の
    下部室の各々に内包される融液貯留タンクの各々に融液
    を流下させるための左右の貫通穴と、 前記左右各々の貫通穴を開閉する開閉蓋と、 前記左右各々の下部室に連結され、各々大気導入弁を具
    備する大気導入管と、 前記左右各々の下部室に連結される真空排気管と、 前記左右各々の下部室の側壁に設けられ、前記融液貯留
    タンクを各々の下部室に出し入れするための開閉扉と、
    を備えてなる請求項2に記載の金属酸化物含有粉粒体の
    誘導加熱融解処理装置。
  5. 【請求項5】 前記誘導加熱管及び前記受容器を炭素
    材、黒鉛材又は高融点金属で形成してなる請求項2乃至
    請求項4の何れか1項に記載の金属酸化物含有粉粒体の
    誘導加熱融解処理装置。
  6. 【請求項6】 前記誘導加熱管及び前記受容器を誘電体
    セラミックスで形成してなる請求項2乃至請求項4の何
    れか1項に記載の金属酸化物含有粉粒体の誘導加熱融解
    処理装置。
  7. 【請求項7】 前記受容器の内部底面の前記誘導加熱管
    の直下に突起部を備えるとともに、前記昇降駆動機構が
    サーボモータを含んでなる請求項2乃至請求項6の何れ
    か一項に記載の金属酸化物含有粉粒体の誘導加熱融解処
    理装置。
  8. 【請求項8】 前記受容器を縦断面形状が逆台形になる
    ようにし、その上端の周方向に適宜感覚で溝を形成する
    か、及び/又は、側壁上端に外側へ張出すフランジ部を
    備えるようし、前記フランジ部の周方向に適宜間隔で溝
    を形成してなる請求項2乃至請求項7の何れか一項に記
    載の金属酸化物含有粉粒体の誘導加熱融解処理装置。
  9. 【請求項9】 前記受容器の側壁上端の周方向に適宜間
    隔で切り欠き部を備えてなる請求項2乃至請求項8の何
    れか一項に記載の金属酸化物含有粉粒体の誘導加熱融解
    処理装置。
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