JP3486869B2 - 金属酸化物含有粉粒体の誘導加熱融解処理方法及びその装置 - Google Patents

金属酸化物含有粉粒体の誘導加熱融解処理方法及びその装置

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JP3486869B2
JP3486869B2 JP2000128709A JP2000128709A JP3486869B2 JP 3486869 B2 JP3486869 B2 JP 3486869B2 JP 2000128709 A JP2000128709 A JP 2000128709A JP 2000128709 A JP2000128709 A JP 2000128709A JP 3486869 B2 JP3486869 B2 JP 3486869B2
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  • Processing Of Solid Wastes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粉粒体の誘導加熱
融解処理方法及びその装置に関し、特に、一般廃棄物で
ある焼却灰・飛灰等の灰中の金属を高純度、高回収率で
回収するとともに、焼却灰・飛灰等を無害化できる粉粒
体の誘導加熱融解処理方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】産業廃棄物及び生活廃棄物のうち、分別
された可燃物は、回収後、焼却炉で焼却されて焼却灰の
形態として投棄及び埋め立て処分などが行われている。
一方、このような廃棄物を燃焼すると、各種低沸点成分
が揮発し、いわゆる飛灰となるが、この飛灰は、前記焼
却灰に比べて鉛、カドミウム、クロム、亜鉛、砒素、水
銀などの金属類を多く含有するので、燃焼排ガスとして
外部環境に拡散させないために消石灰などを担持させた
バグフィルタなどによりこれを捕集している。このよう
に捕集された飛灰は、前記したように金属を多く含有す
るので、一般廃棄物としてそのままでは埋め立てること
ができないばかりか、環境衛生上厳重な管理が必要とさ
れ、pHを11〜14に調整して金属類を水に不溶と
し、その溶出を防止した上でコンクリートに混合し、コ
ンクリート成形体として処分場に投棄する等の処分が行
われている。
【0003】しかしながら、飛灰中には未反応の消石灰
が多量に残存し、飛灰のpHが高くなると飛灰中に含ま
れる金属のうち両性金属である鉛や亜鉛が水中に溶出し
易くなり、埋め立て処分する際特に問題となっている。
そこで、現状は有機キレートや結晶化反応を利用した無
機系薬剤等により滲出しないように無害化処理後、埋め
立て処分を行っているが、この処分方法には、以下のよ
うな問題点がある。 (1)土壌菌により有機キレート処理物が分解し、鉛や
亜鉛が滲出する。 (2)土壌中のフミン酸により有機系処理物が溶解し、
鉛や亜鉛が滲出する。 (3)無機系薬剤処理物は長期安定性にすぐれている
が、処理物量が増量するので、埋め立て処分場の寿命が
短くなる。 また、コンクリート成形体に封じ込められた金属類は酸
性雨などによりpHが低くなっても溶出し易くなるので
飛灰中より金属類を確実に除去する方法が求められてい
た。
【0004】一方、灰溶融法は、減容効果だけでなく、
金属類の溶出等がない無害な物質にでき、再資源化率の
向上というメリットも大きいので、各自治体に注目され
ている。しかしながら、既設の焼却炉に併設可能な灰溶
融炉には、プラズマ溶融炉、反射式表面溶融炉、電気抵
抗溶融炉等があるが、いずれも建設費とランニングコス
トが高価なこと等が自治体への導入・普及を妨げる一因
となっている。
【0005】さらに、前記のような焼却灰・飛灰の溶融
に誘導加熱融解処理装置を応用した例としては、図10
に示すものが開示されている。この誘導加熱融解処理装
置100は、乾燥した金属酸化物含有粉粒体をロータリ
バルブ102bを介して配管102aから供給される密
閉形ホッパー102と、密閉形ホッパー102から誘導
加熱管105への粉粒体供給用の耐熱性配管103と、
耐熱性配管103の下端部で上下に摺動自在に接する誘
電体製の誘導加熱管105と、その昇降駆動機構105
Aと、前記誘導加熱管105内で融解した粉粒体の融液
を受ける受容器106と、これらを内包する円筒状の上
部真空チャンバ108の下部を外囲する誘導加熱コイル
110と、円筒状の上部真空チャンバ108内上部の電
気集塵手段104と、受容器106から溢流、流下する
融液を中継する傾斜パン111と、その傾動機構111
Tと、傾斜パン111から流下する融液を受けて貯留す
る融液貯留タンク112と、傾斜パン111及び融液貯
留タンク112を内包し、円筒状の上部真空チャンバ1
08の下端に連通する下部真空チャンバ116とを備え
てなるように主要部が構成されている。また、前記下部
真空チャンバ116は、その内部を前記傾斜パン111
を内包する上部室116aと前記融液貯留タンク112
を内包する下部室116bとに上下に分割する仕切り板
116pと、前記仕切り板116pに設けられ、前記傾
斜パン111から前記融液貯留タンク112に融液を流
下させるための貫通穴116phと、前記貫通穴116
phを開閉する開閉蓋113と、前記下部室116bに
連結され、大気導入弁114vを具備する大気導入管1
14と、前記下部室116bに連結される真空排気管1
15と、前記下部室116bの側壁に設けられ、前記融
液貯留タンク112を下部室116bに出し入れするた
めの開閉扉(不図示)とを備えてなるように構成されて
いる。
【0006】これらの構成からなる誘導加熱融解処理装
置100の作用について説明する。金属酸化物含有粉粒
体は、密閉形ホッパー102から誘導加熱管105へ粉
粒体供給用の耐熱性配管103内のダンパ103a,1
03bで流量を制御されながら供給される。耐熱性配管
103の下端部では、その昇降駆動機構105Aにより
上下に摺動自在に誘電体製誘導加熱管105が接してい
る。前記誘導加熱管105内で融解した粉粒体の融液
は、受容器106に受け止められる。受容器106に受
け止められた融液は、これらを内包する円筒状の上部真
空チャンバ108の下部を外囲する誘導加熱コイル11
0により加熱される。融解液から蒸発する金属蒸気粒子
及び/又は金属凝縮微粒子は、円筒状の上部真空チャン
バ108内の上部に設けられた電気集塵手段104によ
り捕集・回収される。さらに、受容器106から溢流、
流下した融液は、中継する傾斜パン111を経由して、
傾斜パン111から流下する融液を受けて貯留する融液
貯留タンク112に貯留される。融液貯留タンク112
に所定量の融液が溜まったら、傾斜パン111を水平に
戻し、傾斜パン111内に融液を貯留しつつ、下部真空
チャンバ116の仕切り板116pの貫通穴116ph
を円形蓋113で閉じ、上部室116a及び円筒状上部
真空チャンバ108の内部を真空に保ち、金属酸化物含
有粉粒体の誘導加熱融解処理が続行できる。又、下部室
116bの真空排気管115からの排気を停止し、大気
導入弁114vを開いて、下部室116b内に大気を導
入して、大気圧に戻してから、開閉扉(不図示)を開い
て、車輪112w付きの融液貯留タンク112をレール
112rを介して下部室116bの外に引き出し、予備
の融液貯留タンクを下部室116bに運び込むことがで
きる。次いで、開閉扉及び大気導入弁114vを閉じ、
下部室の真空排気管115を介して下部室116b内か
ら排気し、上部室116aの内部と等圧になるまで、真
空度を上げることができる。さらに、円形蓋113を開
いて、傾斜パン111を再び傾斜させ、融液貯留タンク
112内へ融液を流下させて再び貯留を開始するととも
に、粉粒体の誘導加熱融解処理中は、円筒状の上部真空
チャンバ108上端の真空排気管109及び下部室11
6bの真空排気管115を介して排気を続け、円筒状上
部真空チャンバ108及び下部真空チャンバ116の内
部を所定の真空度に維持することが可能となる。このよ
うにして、金属酸化物含有粉粒体を誘導加熱により融解
処理して無害化することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
誘導加熱融解処理装置100には、以下のような問題が
あった。 1.溶融した融液を受容器106で一度受けると、真空
に曝される融液の液膜状となる面積が減少してしまい、
融液中の金属蒸気の脱ガス率が悪くなる。その結果、灰
スラグを完全に無害化するのが難しかった。また、融液
中の金属を高回収率で回収することができなかった。 2.さらに灰の処理速度を大きくしようとすると、受容
器106中の灰融解液の脱ガス率がさらに悪くなるた
め、ホッパー等を始めとして装置が大型化し、設備費が
高くなってしまうという問題があった。
【0008】本発明は、上記従来技術の問題を解消し、
焼却灰・飛灰等の灰中の金属を好適に除去して無害化す
ることができ、又、金属を高純度、高回収率で回収する
ことが可能で、設備生産性が高く、ランニングコストの
低い粉粒体の誘導加熱融解処理方法及びその装置を提供
することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の金属酸化物含有
粉粒体の誘導加熱融解処理方法は、上記課題を解決する
ため、金属酸化物含有粉粒体を密閉形ホッパーに貯留す
る金属酸化物含有粉粒体貯留工程と、前記密閉形ホッパ
ー内に貯留された前記金属酸化物含有粉粒体を所定の流
量で所定の温度以上に誘導加熱された誘電体からなる真
空雰囲気中の誘導加熱管へ供給し、前記誘導加熱管内を
降下する前記金属酸化物含有粉粒体を加熱して、金属酸
化物の少なくとも一部を還元しつつ融解する融解工程
と、融解して得られた融液を、円筒状上部真空チャンバ
の下部内壁に密着して設けられ、誘導加熱により加熱さ
れた充填物に通流しつつ、流下させる融液流下工程と、
前記融液流下工程により前記充填物から流下する融液流
を真空雰囲気中に曝し、融液中の金属類を蒸発させて真
空排気上昇流とともに搬送する搬送工程と、前記融液中
の金属類を蒸発させた融液を融液貯留タンクに受入れ、
貯留する融液貯留工程と、を含んでなり、 (1) 前記誘導加熱管と前記充填物のうち少なくとも
1つを炭素材、高融点金属又は黒鉛材で形成し、かつ前
記液膜流下工程が、中央部に突起部を有し該突起部の外
周部周囲の平坦部に複数の円形孔及び/又は複数の半円
形孔を有する円形蓋と、中央部に円形孔を有し外周部か
ら前記円形孔に向かって下り勾配の傾斜面を有する円形
台とをそれぞれ上下間に空隙を設けて重ねた充填物を用
いて、融解して得られた融液を前記突起部から通流しつ
つ、前記融液を充分な流動性を保つ温度になるまで加熱
して、残余の金属酸化物を還元するとともに、前記融液
を液膜として前記充填物の上方から下方に前記傾斜面に
沿って流下させる(請求項1)又は (2) 前記誘導加熱管と前記充填物のうち少なくとも
1つを炭素材、高融点金属又は黒鉛材で形成し、かつ前
記液膜流下工程が、複数の充填材と前記充填材を前記円
筒状上部真空チャンバの下部内壁に支持する充填材支持
部材とから構成された充填物を使用して、誘導加熱によ
り加熱された充填物に融解して得られた融液を通流しつ
つ、前記融液を充分な流動性を保つ温度になるまで加熱
して、残余の金属酸化物を還元するとともに、前記融液
を液膜として前記充填物の上方から下方に前記充填材の
表面に沿って流下させる(請求項2)ことを特徴とする
ものである。
【0010】前記のように構成した本発明の粉粒体の誘
導加熱融解処理方法においては、予め真空乾燥された焼
却灰・飛灰等の金属酸化物含有粉粒体を、所定の流量で
誘電体からなる誘導加熱管の中を落下させる。誘導加熱
コイルによって炭素材又は黒鉛材等の誘電体からなる誘
導加熱管が加熱され、加熱された高温の誘導加熱管から
の輻射熱によって、金属酸化物含有粉粒体が間接的に加
熱され、金属酸化物含有粉粒体の少なくとも一部が還元
されつつ融解される。誘電体である前記炭素材又は前記
黒鉛材を誘導加熱管の材料として使用すれば、還元剤を
使用しない抵抗加熱による真空還元の場合と比較して、
金属酸化物含有粉粒体の還元が促進されて金属となりや
すくなるので、金属酸化物含有粉粒体が好適に融解され
る。前記の所定の温度とは、金属酸化物の少なくとも一
部が炭素又は一酸化炭素により還元される温度とする。
前記の所定の流量とは、このような加熱、還元、融解等
の速度に見合った流量とされる。このように、高温に加
熱された誘導加熱管内を粉粒体を落下させて輻射熱によ
り加熱、還元、融解させるので、伝熱性の悪い上記の粉
粒体を効率よく加熱、融解させることができ、設備生産
性(単位時間当りの加熱融解処理量)を高めることがで
きる。他に使用できる誘導加熱管の材料として、誘電体
であるモリブデン等の高融点金属あるいは誘電体セラミ
ックス等があるが前記金属酸化物含有粉粒体に炭素材等
の還元材を添加すれば同様の加熱、還元、融解効果が得
られる。融解された融液は、前記のような誘電体からな
る充填物に通流される。誘電体からなる充填物は誘導加
熱コイルによって加熱され、高温の充填物を通流する融
液は、伝導伝熱及び対流伝熱によって、融液が充分な流
動性を保つ温度になるまでさらに加熱される。充填物と
接触させることにより単位容積当りの融液により形成さ
れる液膜の面積を大きくすることができる。又、高流動
性の融液を充填物から液膜状で流下させ、前記液膜を所
定の真空雰囲気に曝すので、融液中の金属類を、高純度
で、効率よく蒸発させることができる。本発明の金属酸
化物含有粉粒体の誘導加熱融解処理方法は、更に、前記
搬送工程に引き続いて、前記真空排気上昇流中の金属蒸
気粒子及び/又は金属凝縮粒子 を電気集塵手段により捕
集する電気集塵工程と、前記電気集塵手段により捕集さ
れ、堆積した金属を前記集塵手段から除去・回収する金
属除去・回収工程と、を含むことを特徴とするものであ
電気集塵手段に所定量堆積した金属は、電気集塵手段
を装置から取りだし、例えば、加熱し、融解させて、電
気集塵手段から除去・回収するので、高純度の金属を高
回収率で回収することができる。堆積した金属を除去さ
れ、再生された電気集塵手段は繰り返し使用される。一
方、金属類を蒸発させて除去された粉粒体の融液は、融
液貯留タンクに貯留され、所定量貯留された融液は、そ
の組成や用途に応じて、例えば水砕法によって造粒した
りその他の処理方法によって適宜処理することができ
る。
【0011】本発明の金属酸化物含有粉粒体の誘導加熱
融解処理装置は、前記の課題を解決するために、第1の
技術手段として、金属酸化物含有粉粒体を貯留する密閉
形ホッパーと、前記金属酸化物含有粉粒体の流量制御手
段を備え、前記密閉形ホッパーから誘導加熱管へ前記金
属酸化物含有粉粒体を供給する耐熱性配管と、前記耐熱
性配管の下端部外周面にその上端部内周面が上下に摺動
自在に接する誘電体からなる誘導加熱管と、前記誘導加
熱管の上端部を昇降自在に保持する昇降駆動機構と、前
記誘導加熱管の下部を包囲し、前記誘導加熱管内で融解
した粉粒体の融液を受けつつ通流せしめる誘電体製充填
物と、前記耐熱性配管の下部、前記誘導加熱管、前記昇
降駆動機構の一部及び前記充填物を内包し、真空排気手
段に連結された円筒状上部真空チャンバと、前記円筒状
上部真空チャンバの前記誘導加熱管及び充填物の相当位
置を外囲するように配置された誘導加熱コイルと、前
充填物から流下する前記金属蒸気粒子及び/又は金属凝
縮粒子が蒸発した融液を受け、傾動・水平復帰自在に支
持される傾斜パンと、前記傾斜パンの傾動機構と前記傾
斜パンから流下する融液を受けて貯留する融液貯留タン
クと、前記傾斜パン及び融液貯留タンクを内包し、前記
円筒状上部真空チャンバの下端に連結された下部真空チ
ャンバと、を備えてなり、 (1) 前記充填物が、中央部に突起部を有し該突起部
の外周部周囲の平坦部に複数の円形孔及び/又は複数の
半円形孔を有する円形蓋と、中央部に円形孔を有し外周
部から前記円形孔に向かって下り勾配の傾斜面を有する
円形台とをそれぞれ上下間に空隙を設けて重ねた充填物
であって、融解して得られた融液を前記突起部から通流
しつつ、前記融液を充分な流動性を保つ温度になるまで
加熱して、残余の金属酸化物を還元するとともに、前記
融液を液膜として前記充填物の上方から下方に前記傾斜
面に沿って流下させるように構成したことを特徴とする
もの である(請求項4)。
【0012】本発明の金属酸化物含有粉粒体の誘導加熱
融解処理装置は、前記の課題を解決するために、第2の
技術手段として、金属酸化物含有粉粒体を貯留する密閉
形ホッパーと、前記金属酸化物含有粉粒体の流量制御手
段を備え、前記密閉形ホッパーから誘導加熱管へ前記金
属酸化物含有粉粒体を供給する耐熱性配管と、前記耐熱
性配管の下端部外周面にその上端部内周面が上下に摺動
自在に接する誘電体からなる誘導加熱管と、前記誘導加
熱管の上端部を昇降自在に保持する昇降駆動機構と、前
記誘導加熱管の下部を包囲し、前記誘導加熱管内で融解
した粉粒体の融液を受けつつ通流せしめる誘電体製充填
物と、前記耐熱性配管の下部、前記誘導加熱管、前記昇
降駆動機構の一部及び前記充填物を内包し、真空排気手
段に連結された円筒状上部真空チャンバと、前記円筒状
上部真空チャンバの前記誘導加熱管及び充填物の相当位
置を外囲するように配置された誘導加熱コイルと、前記
充填物から流下する前記金属蒸気粒子及び/又は金属凝
縮粒子が蒸発した融液を受け、傾動・水平復帰自在に支
持される傾斜パンと、前記傾斜パンの傾動機構と前記傾
斜パンから流下する融液を受けて貯留する融液貯留タン
クと、前記傾斜パン及び融液貯留タンクを内包し、前記
円筒状上部真空チャンバの下端に連結された下部真空チ
ャンバと、を備えてなり、前記充填物が、複数の充填材
と前記充填材を前記円筒状上部真空チャンバの下部内壁
に支持する充填材支持部材とから構成され、誘導加熱に
より加熱された充填物に融解して得られた融液を通流し
つつ、前記融液を充分な流動性を保つ温度になるまで加
熱して、残余の金属酸化物を還元するとともに、前記融
液を液膜として前記充填物の上方から下方に前記充填材
の表面に沿って流下させるように構成されたことを特徴
とするものである(請求項5)。本発明の金属酸化物含
有粉粒体の誘導加熱融解処理装置は、前記のように構成
したので、前記本発明の金属酸化物含有粉粒体の誘導加
熱融解処理方法の作用と同様の作用を有する。
【0013】前記第1又は第2の技術手段を備えた本発
明の金属酸化物含有粉粒体の誘導加熱融解処理装置にお
いては、前記下部真空チャンバが、その内部を前記傾斜
パンを内包する上部室と前記融液貯留タンクを内包する
下部室とに上下に分割する仕切り板と、前記仕切り板に
設けられ、前記傾斜パンから前記融液貯留タンクに融液
を流下させるための貫通穴と、前記貫通穴を開閉する開
閉蓋と、前記下部室に連結され、大気導入弁を具備する
大気導入管と、前記下部室に連結される真空排気管と、
前記下部室の側壁に設けられ、前記融液貯留タンクを下
部室に出し入れするための開閉扉と、を備えてなるよう
に構成することが望ましい(請求項6)
【0014】前記のように構成すれば、融液貯留タンク
に所定量の融液が溜まったら、傾斜パンを水平に戻し、
傾斜パン内に融液を貯留しつつ、下部真空チャンバの仕
切り板の貫通穴を円形蓋で閉じ、上部室及び円筒状上部
真空チャンバの内部を真空に保ち、金属酸化物含有粉粒
体の誘導加熱融解処理が続行できる。又、下部室の真空
排気管からの排気を停止し、大気導入弁を開いて、下部
室内に大気を導入して、大気圧に戻してから、開閉扉
(不図示)を開いて、融液貯留タンクを下部室の外に引
き出し、予備の融液貯留タンクを下部室に運び込むこと
ができる。次いで、開閉扉(不図示)及び大気導入弁を
閉じ、下部室の真空排気管を介して下部室内から排気
し、上部室の内部と等圧になるまで、真空度を上げるこ
とができる。さらに、円形蓋を開いて、傾斜パンを再び
傾斜させ、融液貯留タンク内へ融液を流下させて再び貯
留を開始するとともに、粉粒体の誘導加熱融解処理中
は、円筒状上部真空チャンバの上端の真空排気管及び下
部室の真空排気管15を介して排気を続け、円筒状上部
真空チャンバ及び下部真空チャンバの内部を所定の真空
度に維持することが可能となる。
【0015】前記第1又は第2の技術手段を採用した本
発明の金属酸化物含有粉粒体の誘導加熱融解処理装置に
おいて、前記下部真空チャンバが、その内部を前記傾斜
パンを内包する上部室と前記融液貯留タンクを内包する
下部室とに上下に分割する仕切り板と、前記下部室を左
右二つの下部室に仕切る仕切り壁と、前記仕切り板に設
けられ、前記傾斜パンから前記左右の下部室の各々に内
包される融液貯留タンクの各々に融液を流下させるため
の左右の貫通穴と、前記左右各々の貫通穴を開閉する開
閉蓋と、前記左右各々の下部室に連結され、各々大気導
入弁を具備する大気導入管と、前記左右各々の下部室に
連結される真空排気管と、前記左右各々の下部室の側壁
に設けられ、前記融液貯留タンクを各々の下部室に出し
入れするための開閉扉と、を備えてなるように構成して
もよい(請求項7)
【0016】前記のように構成すれば、例えば、右の下
部室内融液貯留タンクに所定量の融液が溜まったら、傾
斜パンを一度水平に戻し、傾斜パン内に融液を貯留しつ
つ、隣接して設けられた左の融液貯留タンクの開閉蓋を
開けて、左の融液貯留タンクに融液が流れるように傾斜
パンの傾斜の向きを切り替える。右の融液貯留タンク
は、下部真空チャンバの仕切り板の貫通穴を円形蓋で閉
じることにより真空系とは遮断され、上部室及び円筒状
上部真空チャンバの内部を真空に保ち、粉粒体の誘導加
熱融解処理が続行できるようになる。又、右の下部室の
真空排気管からの排気を停止し、大気導入弁を開いて、
下部室内に大気を導入して、大気圧に戻してから、開閉
扉を開いて、融液貯留タンクを下部室の外に引き出し、
予備の融液貯留タンクを下部室に運び込むことができ
る。次いで、左の融液貯留タンク内に所定量の融液が溜
まる以前に、右の下部室の開閉扉及び大気導入弁を閉
じ、下部室の真空排気管を介して下部室内から排気し、
上部室の内部と等圧になるまで、真空度を上げることが
できる。さらに、円形蓋を開いて、傾斜パンを再び右の
下部室内の融液貯留タンク側に傾斜させて、再び貯留を
開始するとともに、粉粒体の誘導加熱融解処理中は、円
筒状上部真空チャンバの上端の真空排気管及び下部室の
真空排気管を介して排気を続け、円筒状上部真空チャン
バ及び下部真空チャンバの内部を所定の真空度に維持す
ることが可能となる。このように、融液を貯留したい方
の融液貯留タンク側へ傾斜パンの傾斜の向きを切り替え
るだけで、粉粒体の誘導加熱融解処理と融液の外部への
抜き出しが連続して行える。
【0017】発明の金属酸化物含有粉粒体の誘導加熱
融解処理装置においては、前記誘導加熱管及び前記充填
物を炭素材、黒鉛材又は高融点金属で形成することが望
ましい(請求項8)
【0018】炭素材や黒鉛材は、誘電性、導電性が高
く、又、金属酸化物融液による化学的侵食に強いので、
誘導加熱管用材料及び充填物用材料として適している。
又、これらの材料は、誘導加熱管内の雰囲気を還元性に
保ち、金属酸化物の還元作用を促進する作用があるので
好ましい。さらに、モリブデン等の高融点金属に比較し
て、著しく経済的である。高融点金属としては、モリブ
デンが好ましい。モリブデンは、誘電性、導電性が高
く、又、金属酸化物融液による化学的侵食に強く、さら
に、還元剤としての炭素材との反応、浸炭による強度劣
化や焼却灰中の鉄分との反応による強度劣化がタングス
テン等に比べて生じにくいので、誘導加熱管用材料及び
充填物用材料として適している。さらに、モリブデン
は、炭素材や黒鉛材に比べて高温強度が高く、高価であ
るという難点があるものの、誘導加熱管用材料及び充填
物用材料として好ましい。
【0019】発明の金属酸化物含有粉粒体の誘導加熱
融解処理装置においては、前記誘導加熱管及び前記充填
物を誘電体セラミックスで形成してもよい(請求項
9)
【0020】誘電体セラミックスは、炭素材、黒鉛材又
は高融点金属に比べて、熱膨張率が低く、粉粒体供給用
耐熱性配管との連結が容易なことや、後述する充填物の
中心部であって誘導加熱管の直下に配置される突起部と
誘導加熱管の下端部との間隙調整精度を高くすることが
できるので好ましい。
【0021】発明の金属酸化物含有粉粒体の誘導加熱
融解処理装置においては、前記昇降駆動機構がサーボモ
ータを含んでなるように構成することが望ましい(請求
項10)
【0022】前記のように構成すれば、充填物中心部の
前記誘導加熱管の直下に突起部の外面と誘導加熱管の下
端部内面もしくは下端部内面エッジとの間の間隙の断面
積を、誘導加熱管の昇降動により高精度で調整すること
ができる。その結果、充填物から流下する液膜状の融液
から所定の真空度に曝されて金属が蒸発する速度に見合
った流量で、融液を通流させることができる。これによ
り、融液の流量が大きすぎて、融液中の金属が充分に蒸
発しないままで、下部の融液貯留タンクに流れ込んでし
まい、融液の無害化が充分にできなくなるようなことが
ない。又、流量が小さすぎて単位時間当りの処理量が装
置の能力よりも小さくなることがなく、装置の設備生産
性を最大限に高めることができる。
【0023】本発明の第2の技術手段を採用した本発明
の金属酸化物含有粉粒体の誘導加熱融解処理装置におい
て、前記充填物が、前記複数の充填材同士が形成する空
隙率が代表径を同じにした球体を充填した際の空隙率よ
りも高くなる充填材と前記充填材支持部材とから構成さ
れることが好ましい(請求項11)。
【0024】前記充填物を、前記複数の充填材同士が形
成する空隙率が代表径を同じにした球体を充填した際の
空隙率よりも高くなる充填材と前記充填材支持部材とか
ら構成すれば、充填物の表面では液膜を形成させること
ができ、融液が充填材の層を通過する時の圧力損失を小
さくすることができる。その結果、充填物の形状が球体
のときよりも液膜が真空雰囲気と接触する表面積が増大
し、液膜状の融液から金属が蒸発する速度を大きくで
き、単位時間当りの処理量を増大させることができる。
【0025】本発明の第2の技術手段を採用した本発明
の金属酸化物含有粉粒体の誘導加熱融解処理装置におい
て、前記充填物を、前記複数の充填材同士が形成する空
隙率が代表径を同じにした球体を充填した際の空隙率よ
りも高くなり、かつ貫通孔を有する充填材と充填材支持
部材とから構成することが好ましい(請求項12)。前
記のように構成すれば、前記円筒状上部真空チャンバの
下部内壁に支持部材を介して支持された、前記複数の充
填材同士が形成する空隙率が代表径を同じにした球体を
充填した際の空隙率よりも高くなり、かつ貫通孔を有す
る充填材の充填層に融液を通流させることにより、充填
物の表面では液膜を形成させることができ、融液が充填
物層を通過する時の圧力損失を小さくすることができ
る。その結果、充填物の形状が球体のときよりも液膜が
真空雰囲気と接触する表面積が増大し、液膜状の融液か
ら金属が蒸発する速度を大きくでき、単位時間当りの処
理量を増大させることができる。
【0026】本発明の金属酸化物含有粉粒体の誘導加熱
融解処理装置は、更に、前記円筒状上部真空チャンバ内
の前記充填物の上方に前記誘導加熱管を外囲するように
設けられ、及び/又は、前記円筒状上部真空チャンバか
らの真空排気管内に設けられ、前記充填物から流下する
液膜状融液から蒸発した金属蒸気粒子及び/又は金属凝
縮粒子を捕集する電気集塵手段とを備えることが好まし
い(請求項13)。電気集塵手段に所定量堆積した金属
は、電気集塵手段を装置から取りだし、例えば、加熱
し、融解させて、電気集塵手段から除去・回収するの
で、高純度の金属を高回収率で回収することができる。
堆積した金属を除去され、再生された電気集塵手段は繰
り返し使用される。一方、金属類を蒸発させて除去され
た粉粒体の融液は、融液貯留タンクに貯留され、所定量
貯留された融液は、その組成や用途に応じて、例えば水
砕法によって造粒したりその他の処理方法によって適宜
処理することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明の金属酸化物含有粉粒体の
誘導加熱融解処理装置について、添付の図面を参照しつ
つ、以下に説明する。図1は、本発明の金属酸化物含有
粉粒体の誘導加熱融解処理装置の第1の実施の形態の全
体の概略構成を示す破断斜視図、図2は、耐熱性配管と
電気集塵手段を示す破断斜視図、図3は、誘導加熱管と
その昇降駆動機構を各々示す一部破断斜視図、図4
(a)は、充填物の第一の実施の形態を示す破断斜視
図、図4(b)は、充填物の第二の実施の形態を示す破
断斜視図、図5(a)は、前記充填物の支持手段を示す
斜視図、図5(b)は、傾斜パン及びその傾動駆動機構
を各々示す一部破断斜視図、図5(c)は、融液貯留タ
ンク及びその運搬手段の斜視図である。又、図6は、本
発明の金属酸化物含有粉粒体の誘導過熱融解処理装置の
第2の実施の形態の全体の概略構成を示す破断斜視図、
図7は、本発明の金属酸化物含有粉粒体の誘導過熱融解
処理装置の他の実施の形態の全体の概略構成を示す破断
斜視図、図8は、本発明の金属酸化物含有粉粒体の誘導
過熱融解処理装置の他の実施の形態で使用される充填
材、図9は、いくつかの金属酸化物を炭素還元するとき
の反応温度の説明図である。
【0028】本発明の金属酸化物含有粉粒体の誘導加熱
融解処理装置1は、図1に示すように、大別して粉粒体
溶融部1aと融液の貯留・抜き出し部1bとから構成さ
れる。
【0029】粉粒体溶融部1aは、図示しない真空乾燥
機で乾燥された金属酸化物含有粉粒体を輸送する輸送管
2aと、前記輸送管2aの途中に設けられたロータリー
バルブ2bと、前記輸送管2aの末端が接続されて前記
金属酸化物含有粉粒体を受入れ貯留する下部断面形状が
逆円錐形状の前記密閉形ホッパー2と、前記密閉形ホッ
パー2の下端に連接し、誘導加熱管5へ粉粒体を供給す
るセラミックス製又は水冷二重金属管製の耐熱性配管3
と、前記耐熱性配管3の下端部の外周面にその上端部内
周面が上下に摺動自在に接する誘電体からなる誘導加熱
管5と、前記誘導加熱管5の上端部を昇降自在に保持す
る昇降駆動機構5Aと、前記誘導加熱管5の下部を包囲
し、前記誘導加熱管5内で融解した前記金属酸化物含有
粉粒体の融液を受ける誘電体からなる充填物6と、前記
耐熱性配管3の下部、前記誘導加熱管5、前記昇降駆動
機構5Aの一部及び充填物6を内包し、上端の排気管9
が図示せぬ真空排気手段に連結された円筒状上部真空チ
ャンバ8と、前記円筒状上部真空チャンバ8の前記誘導
加熱管5相当位置を外囲するように配置された誘導加熱
コイル10と、前記円筒状上部真空チャンバ8内の前記
充填物6の上方に前記誘導加熱管5を外囲するように設
けられ、前記充填物6から流下する液膜状融液から蒸発
した金属蒸気粒子及び/又は金属凝縮粒子を捕集する電
気集塵手段4と、を備えてなるように主要部が構成され
る。
【0030】また、融液の貯留・抜き出し部1bは、前
記充填物6から流下する融液を受け、傾動・水平復帰自
在に支持される傾斜パン11と、前記傾斜パン11の傾
動機構11Tと、前記傾斜パン11から流下する融液を
受けて貯留する融液貯留タンク12と、前記傾斜パン1
1及び融液貯留タンク12を内包し、前記円筒状上部真
空チャンバ8の下端に連結された下部真空チャンバ16
と、を備えてなるように主要部が構成される。
【0031】前記の実施の形態は、さらに以下のような
具体的な構成と作用を備える。耐熱性配管3は、その下
端部に連結される誘導加熱管5からの輻射熱を多く受け
るので耐熱性と材料の強度が要求される。従って、水冷
二重金属管又はセラミックス製の配管が用いられる。耐
熱性配管3の上部の内部には、図2に示すような2個の
粉粒体流量制御用のセラミックス、水冷金属パネルもし
くは高融点金属からなるダンパー(バタフライ弁体)3
a,3bが軸支されている。ダンパー3a,3bは、耐
熱性配管3の内径より僅かに小径の円盤状に形成されお
り、その回転軸を耐熱性配管3の外部の図示せぬアクチ
ュエータに連結され、回動されて粉粒体流量制御を行
う。
【0032】また、図1及び図2に示すように、耐熱性
配管3の下端部、誘導加熱管5の上端部の外周にはこれ
を取り囲むように配設された環状電極板4bと、前記環
状電極板4bを吊り下げ支持するとともに、電力を供給
する一対の円柱棒状導体4aとからなる電気集塵手段4
が設けられている。前記の環状電極板4bと誘導加熱管
5の外周面及び円筒状上部真空チャンバ8の内壁面との
間には、各々真空排気ガスの上昇流が通過する小さな間
隙が設けられており、真空排気ガス上昇流は前記環状電
極板4bに衝突して金属蒸気粒子及び/又は凝縮粒子を
捕集された後、前記の間隙から円筒状上部真空チャンバ
8の上端の真空排気管9へと流れる。
【0033】誘導加熱管5は、円筒状で、前記耐熱配管
3の下端部外周面にその内周面が接し、上下摺動自在に
設けられている。誘導加熱管5の材料としては、例え
ば、誘電性、導電性が良く誘導加熱により高速加熱がで
きる炭素材又は黒鉛材が用いられる。炭素材又は黒鉛材
の代替材料として、モリブデン等高融点金属や誘電体セ
ラミックス等の材料も使用できる。その場合、金属酸化
物含有粉粒体に炭素材等の還元剤を別途添加して誘導加
熱したほうが反応温度を低くできるのでより好ましい。
【0034】誘導加熱管5の昇降駆動機構5Aは、図3
に示すように、誘導加熱管5の上端部外周面を把持する
クランプ部5dと、前記クランプ部5dの外周面の一部
に一端を固着され、前記外周面に垂直に横方向へ張出し
て、雌ネジを刻設した垂直貫通孔5hを備えたブロック
材5cと、前記ブロック材5cの前記垂直貫通孔5hの
雌ネジに螺合する雄ネジを刻設したスクリューロッド5
bと、前記スクリューロッド5bの上端に回転軸を連結
されたサーボモータ5aと、前記ブロック材5c及び前
記スクリューロッド5bを取り囲む有底箱型の熱遮蔽用
ケース5eとから構成される。なお、スクリューロッド
5bの上部は雄螺子が刻設されておらず、図1に示すよ
うに円筒状上部真空チャンバ8の上端の蓋8bを真空シ
ールされつつ上下に貫通しており、サーボモータ5aの
回転軸に連結されている。このような構成において、サ
ーボモータ5aによりスクリューロッド5bを回転させ
ると、ブロック材5cが誘導加熱管5を保持しつつ送り
螺子機構によって昇降する。
【0035】前記誘導加熱管5の下部には、これを取り
囲み、誘導加熱によって融解した融液を受けて、通流さ
せる充填物6が、円筒状上部真空チャンバ8の下端部に
支持された充填物受部材7(図5(a)参照)の上に載
置されて設けられている。充填物6は、前記誘導加熱管
5と同じ誘電性、導電性の耐熱材料である炭素材又は黒
鉛材で構成されており、誘導加熱コイル10により誘導
加熱されて、充填物6内部を通流する融液をさらに加熱
して、中央部の円形孔6dから流下する融液の流動性を
高め、充填物6の傾斜面sで薄い液膜として流下し易く
する。又、前記誘導加熱管5内で還元し切れなかった残
余の金属酸化物を還元させる。
【0036】充填物6は、図1に示すように、全体とし
て、同径の円柱を重箱のように二段に重ねた円柱形状を
しており、上段の円柱の中央部には前記誘導加熱管5の
直下に突起部6pが設けられる。突起部6pの形状は図
1に示すような半球状の他に、球帯状、円錐状、裁頭円
錐状、角錐状、裁頭角錐状でもよく、突起部6pの外面
と誘導加熱管5の下端部の内面又は下端内側エッジとの
間に隙間が形成でき、誘導加熱管5を昇降させることに
よってこの隙間の断面積を緩やかに精度よく調節可能な
形状であればよい。
【0037】充填物6の形状は、図4(a)に示すよう
な中央部に突起部6pを有し該突起部6pの外周部に複
数の円形孔6hを有する円形蓋6aと、中央部に円形孔
6dを有し外周部から前記円形孔6dに向かって下り勾
配の傾斜面sを有する円形台6cとをそれぞれ上下間に
空隙spを設けて重ねた充填物であって、前記円筒状上
部真空チャンバ8の下部内壁に密着して設けることが望
ましい。又、充填物6は必要に応じて多段に積み上げて
充填することもできる。前記円形孔6hは、図4(b)
に示すように、突起部6pの外周部に複数の半円形孔6
h′を設けても良い。さらに円形孔6hと半円形孔6
h′を組み合わせて設けても良い。図4(a),(b)
のような形状とすれば、誘導加熱管5から充填物6に供
給されてくる融液が、最初に円形蓋6aの突起部6pで
液膜状に形成される。さらに融液は加熱されながら、突
起部6の周囲に設けられた円形蓋6aの円形孔6hを通
って円形台6cに至る。融液はさらに円形台6cの傾斜
面sを液膜状となって流下するので、融液と真空雰囲気
との接触面積(界面積)が大きくなり、その結果、金属
の蒸発速度が大きくなるという効果がある。さらに充填
物6を多段に積み上げれば、充填物6の中心側から外
側、外側から中心側へと融液の攪拌・混合効果が加わ
り、より一層金属の蒸発速度を大きくできる。
【0038】充填物受部材7は、図1、図5(a)に示
すように、熱膨張を吸収するために一部開口した環状リ
ングでもよいが、充填物6を円筒状上部真空チャンバ8
の下部の内壁に保持できるものであればよい。なお、そ
の形状、寸法や材質は、充填物6から流下して衝突する
融液による機械的、化学的侵食になるべく長期間耐え
て、充填物6を安定して水平に支持できるとともに、流
下する融液が衝突して周囲に飛散しにくいものが望まし
い。
【0039】円筒状上部真空チャンバ8は、耐熱性配管
3の下半部、電気集塵手段4、誘導加熱管5、充填物
6、充填物受部材7を内包し、下端が開口して後述する
下部真空チャンバ16に連結され、上端に蓋8bを備え
た円筒状の容器からなる。その外周面の前記誘導加熱管
5及び充填物6の配置相当位置には、誘導加熱コイル1
0が配設される。円筒状上部真空チャンバ8の上端に
は、図示せぬ真空ポンプに連結された真空排気管9が接
続されている。円筒状上部真空チャンバ8の材質として
は、黒鉛を含まない高アルミナ質、アルミナーシリカ質
等の断熱性のよい耐火物を使用することができる。
【0040】誘導加熱コイル10は、高導電率の銅管を
コイル状に巻いたものであり、銅管内に冷却水を通して
冷却される。誘導加熱コイル10の断面の形状は、長円
形でもよい。
【0041】次に、融液の貯留・抜き出し部1bの具体
的構成と作用について説明する。前記粉粒体溶融部1a
の下部に連設される融液の貯留・抜き出し部1bは、内
部が高さ方向中央部の仕切板16pで上部室16aと下
部室16bに仕切られた下部真空チャンバ16に内包さ
れている。
【0042】上部室16a内の前記充填物6の直下に
は、通常時には所定の角度だけ傾動されていて、充填物
6から流下する融液を受け、この融液を下部室16b内
に配置された融液貯留タンク12へ流下させるための皿
状の傾斜パン11が配置されている。傾斜パン11の上
端面の直径線上の2箇所には、図5(b)に示すよう
に、直径方向に貫通する貫通孔11hを備える一対のハ
ンガー11sが垂直に固定されており、上部室16aの
天井から垂直に設けられた支持部材16sの下端部に水
平に固定された支持ピン11pに前記貫通孔11hを係
合させて傾動および自然水平復帰自在に支持されてい
る。傾斜パン11の底部11aの前記一対のハンガー1
1sの貫通孔11h,11hを通る軸線よりも下側で、
上部室16aの側端壁側の下面には、傾動機構11Tが
設けられ、シリンダ11cの上下に駆動されるピストン
ロッド11bの頭端が傾斜パン11の底部11aの外壁
に当接、離隔自在に設けられている。ピストンロッド1
1bを伸長させて傾斜パン11の当接する下面を上に突
き上げることにより傾斜パン11を所望の角度に傾動す
ることができる。逆にピストンロッド11bを収縮させ
ると、前記一対のハンガー11sの貫通孔11h,11
hを通る軸線に対する傾斜パン11の重心の位置関係か
ら、傾斜パン11が自然に水平方向に復帰するように形
成されていて、ピストンロッド11bの頭端が傾斜パン
11の低部11aの下面から離れると水平に戻る。な
お、傾斜パン11は、後述する融液受タンク12を交換
する際に、水平位置に復帰させられ、前記充填物6から
連続して流下する融液を一時的に貯留する役割をも果た
すので、その間の融液を貯留可能な容積に形成されてい
る。
【0043】融液貯留タンク12は、図1、図5(c)
に示すように例えば矩形の容器であり、底部に車輪12
wを備える。融液が融液貯留タンク12に所定量以上溜
まったら下部室16bの外部へ運び出して融液の後処理
が行われる。そのために、上部室16aと下部室16b
との仕切り板16pの前記貫通穴16phを封鎖して上
部室16a及び円筒状上部真空チャンバ8の内部を真空
に保つための円形蓋13が前記仕切り板16pの下面に
開閉自在に取付けられている。又、図1に示すように、
下部室16bには、前記融液貯留タンク12を出し入れ
するための開閉扉(図示省略)、レール12r、下部室
16bを大気圧に戻すための大気導入弁(例えば、ニー
ドル弁)14vを備えた大気導入管14、下部室16b
内を再び真空に戻すための図示せぬ真空ポンプに連結さ
れた真空排気管15等が設けられている。
【0044】融液貯留タンク12に溜められた融液は、
金属類が除去され無害化されているので、下部室16b
の外に運びだされて、風砕スラグ又は水砕スラグに加工
・処理され、土壌改良材、路盤材、コンクリート骨材や
透水性レンガ原料等として有効利用される。
【0045】前記のように構成された本発明の金属酸化
物含有粉粒体の誘導加熱融解処理装置の第1の実施の形
態を用いた本発明の金属酸化物含有粉粒体の誘導加熱融
解処理方法の第1の実施の形態について、前記の図面を
参照しつつ以下に説明する。
【0046】(1)焼却灰・飛灰等の有害金属の酸化物
を含有した粉粒体を、予め真空乾燥して、搬送作業等が
行い易くなるように水分を30%以下に低下させる。
【0047】(2)前記粉粒体を密閉形ホッパー2に輸
送し、貯留しておく。
【0048】(3)密閉形ホッパー2から、ダンパー
(バタフライ弁体)3a,3bで流量を制御しながら、
前記粉粒体を耐熱性管3を介して、誘導加熱コイル10
によって高温に加熱された誘導加熱管(炭素材製)5内
に落下させる。誘導加熱管5からの主として輻射熱によ
り混合粉粒体を加熱し、金属酸化物を還元しながら、融
解する。
【0049】(4)誘導加熱管5内で融解した融液を、
充填物(炭素材製)6に通流させつつ、さらに融液を加
熱する。同時に、未還元の残余の金属酸化物を還元す
る。
【0050】(5)誘導加熱管5を、サーボモータ5a
と、スクリューロッド5b及び雌ネジを刻設したブロッ
ク材5cからなる昇降駆動機構5A(送りネジ機構)に
より昇降させて、充填物6の円形蓋6aの中央部の突起
部6pの外面と誘導加熱管5の下端部の内面との間隙の
断面積を調節し、適切な流量で融液を充填物6内に通流
させつつ、円径台6c中央の円形孔6dから流下する液
膜状の融液を所定の真空度になるように排気される円筒
状上部真空チャンバ8内の雰囲気に曝し、融液内の易蒸
発性金属を蒸発させる。
【0051】(6)蒸発した金属を含む真空排気上昇流
を、誘導加熱管5の上端部外周に配置された環状電極板
4bと衝突させて、金属蒸気粒子及び/又は金属凝縮粒
子を捕集する。ただし、円筒状上部真空チャンバ8の上
端の真空排気管9からの排気速度が、下部室16の真空
排気管15からの排気速度を上回るように、排気系を設
計しておき、傾斜パン11から上方では、排気ガスが上
昇流を形成するようにする。このようにすることによっ
て、充填物6から流下する融液から蒸発した金属が上昇
する排気ガスによって上方へ運搬され、前記の電気集塵
手段4によって、捕集され、回収される。
【0052】(7)充填物6を通流する間に易蒸発性金
属を蒸発させて無害化された融液を、所定の角度だけ傾
斜した傾斜パン11を中継して、下部真空チャンバ16
の下部室16bに配置された融液貯留タンク12に流下
させ、所定量になるまで融液を貯留する。
【0053】(8)融液貯留タンク12に所定量の融液
が溜まったら、傾斜パン11を水平に戻し、傾斜パン1
1内に融液を貯留しつつ、下部真空チャンバ16の仕切
り板16pの貫通穴16phを円形蓋13で閉じ、上部
室16a及び円筒状上部真空チャンバ8の内部を真空に
保ち、粉粒体の誘導加熱融解処理を続ける。
【0054】(9)排気管15からの排気を停止し、大
気導入弁14vを開いて、下部室16b内に大気を導入
して、大気圧に戻してから、開閉扉(図示省略)を開い
て、融液貯留タンク12を下部室の外に引き出し、予備
の融液貯留タンク12を下部室16bに運び込む。
【0055】(10)開閉扉(図示省略)及び大気導入
弁14vを閉じ、真空排気管15を介して下部室16b
内から排気し、上部室16a及び円筒状上部真空チャン
バ8の内部と等圧になるまで、真空度を上げる。
【0056】(11)円形蓋13を開いて、傾斜パン1
1を再び傾斜させ、融液貯留タンク12内へ融液を流下
させて再び貯留を開始する。なお、粉粒体の誘導加熱融
解処理中は、円筒状上部真空チャンバ8の上端の真空排
気管9及び下部室16の真空排気管15を介して排気を
続け、円筒状上部真空チャンバ8及び下部真空チャンバ
16の内部を所定の真空度に維持する。
【0057】(12)電気集塵手段4の環状電極板4b
に所定量の金属が捕集され、堆積したら、装置の運転を
一時停止して、環状電極板4bを交換し、再び装置の運
転を続ける。取り出された環状電極板4bに通電して、
抵抗加熱により堆積した金属を融解して、除去し、環状
電極板4bを再生する。融解した金属は不純物が少な
く、高純度なものが得られるので、インゴットとして凝
固させ、成分に応じた用途に再利用する。
【0058】次に、本発明の金属酸化物含有粉粒体の誘
導加熱融解処理装置の第2の実施の形態について、添付
の図面を参照して以下に説明する。図6は、本発明の金
属酸化物含有粉粒体の誘導加熱融解処理装置の第2の実
施の形態の全体の概略構成を示す破断断面図である。
【0059】本実施の形態は、前記図1乃至図5を参照
して説明した第1の実施の形態の構成とは、以下の点を
除いて同じである。 (1)電気集塵手段4は、円筒状上部真空チャンバ8の
上部側壁に連結された真空排気管9bの内部に設けら
れ、前記真空排気管9bの内径より外径の小さな円盤状
電極板4cと、この円盤状電極板4cの直径方向の2箇
所に接続され、真空排気管9bの壁面を真空シールされ
つつ貫通して前記円盤状電極板4cに通電する一対の棒
状導体4a,4aとから構成される。なお、前記真空排
気管9bの前記真空集塵手段4の設置位置の前後の所定
の長さの連結部分9bpは、フランジ結合で、上・下流
の真空排気管9bと着脱可能に連結されている。 (2)下部チャンバ16が、その内部を前記傾斜パン1
1を内包する上部室16aと左右二つの融液貯留タンク
12b,12cの各々を内包する左右二つの下部室16
b,16cとに上下に分割する仕切り板16pと、前記
下部室を左右二つの下部室16b,16cに仕切る仕切
り壁16wと、前記仕切り板16pに設けられ、前記傾
斜パン11から前記左右の下部室16b,16cの各々
に内包される融液貯留タンク12b,12cの各々に融
液を流下させるための各々の貫通穴16phb,16p
hcと、前記各々の貫通穴16phb,16phcの各
々を開閉する開閉蓋13b,13cと、前記左右各々の
下部室16b,16cに連結され、各々大気導入弁14
vb,14vcを具備する大気導入管14b,14c
と、前記左右各々の下部室16b,16cに連結される
真空排気管15b,15cと、前記左右各々の下部室1
6b,16cの側壁に設けられ、前記融液貯留タンク1
2b,12cを各々の下部室16b,16cに出し入れ
するための開閉扉(図示省略)と、を備えてなるように
構成される。なお、傾斜パン11の傾動機構11Tは、
一対のシリンダ11cb、11ccの各々から伸長・収
縮するピストンロッド11bb,11bcとから構成さ
れ、一方のシリンダ11cbのピストンロッド11bb
を収縮させたときに、他方のシリンダ11ccのピスト
ンロッド11bcを伸長させたり、これとは逆の動作を
行わせることにより、傾斜パン11を左右に傾動させた
り、水平に復帰させたりすることができる。
【0060】前記のように構成すれば、円盤状電極板4
cに所定量の金属が付着した電気集塵手段4を連結部分
9bpとともに真空排気管9bに着脱することが容易に
なり、円盤状電極板4cの交換が容易に、短時間に行う
ことができる。さらに、下部室を16b,16cの二室
とし、各々に、融液貯留タンク12b,12cの各々を
配置可能とし、その他の構成部品も各々に付属させたの
で、一方の下部室の融液貯留タンクの交換中に、他方の
下部室の融液貯留タンクに傾斜パン11からの融液を流
下させ、貯留することができる。したがって、下部室の
融液貯留タンクの交換を確実に、時間を掛けておこなう
ことが可能となると共に、前記第1の実施の形態の場合
のように、融液貯留タンク12の交換中は水平復帰させ
た傾斜パン11の中に融液を一時貯留するときに、融液
貯留タンク12の交換に傾斜パン11の貯留容量を超え
るような時間が掛かり、傾斜パン11から融液が溢れて
下部室内に融液が流れこんだり、あるいは、このような
事故を避けるために、装置の運転を一時停止する必要等
がない。
【0061】前記のように構成された本発明の金属酸化
物含有粉粒体の誘導加熱融解処理装置の第2の実施の形
態を用いた本発明の金属酸化物含有粉粒体の誘導加熱融
解処理方法の第2の実施の形態について、前記の図6を
参照しつつ以下に説明する。なお、手順(1)〜(5)
は前記の第1の実施の形態の手順(1)〜(5)と同じ
であるので、重複説明は省略する。
【0062】(6)蒸発した金属を含む真空排気流を、
真空排気管9bの中に配置された円盤状電極板4cと衝
突させて、金属蒸気粒子及び/又は金属凝縮粒子を捕集
する。ただし、円筒状上部真空チャンバ8の側壁の真空
排気管9bからの排気速度が、下部室16b又は16c
の真空排気管15b又は15cからの排気速度を上回る
ように、排気系を設計しておき、傾斜パン11から上方
では、排気ガスが上昇流を形成するようにする。このよ
うにすることによって、充填物6から流下する融液から
蒸発した金属が上昇する排気ガスによって上方へ運搬さ
れ、前記の電気集塵手段4によって、捕集され、回収さ
れる。
【0063】(7)充填物6から流下し、易蒸発性金属
を蒸発させて無害化された融液を、所定の角度だけ傾斜
した傾斜パン11を中継して、下部真空チャンバ16の
下部室16bに配置された融液貯留タンク12bに流下
させ、所定量になるまで融液を貯留する。
【0064】(8)融液貯留タンク12bに所定量の融
液が溜まったら、傾斜パン11を水平に戻し、傾斜パン
11内に融液を貯留しつつ、下部真空チャンバ16の仕
切り板16pの下部室16b側の貫通穴16phbを円
形蓋13bで閉じ、上部室16a及び円筒状上部真空チ
ャンバ8の内部を真空に保ち、粉粒体の誘導加熱融解処
理を続ける。
【0065】(9)予め真空排気管15cを介した排気
により、前記上部室16aと同じ真空度に排気されてい
る下部室16c側の貫通穴16phcの円形蓋13cを
開き、傾斜パン11を下部室16c側へ傾斜させて、融
液貯留タンク12c内へ融液を流下させて、貯留する。
【0066】(10)下部室16bの真空排気管15b
からの排気を停止し、大気導入弁14vbを開いて、下
部室16b内に大気を導入して、大気圧に戻してから、
開閉扉(図示省略)を開いて、融液貯留タンク12bを
下部室16bの外に引き出し、予備の融液貯留タンク1
2bを下部室16bに運び込む。
【0067】(11)他方の下部室16cの融液貯留タ
ンク12c内の融液が所定量に達する以前に、開閉扉
(図示省略)及び大気導入弁14vbを閉じ、真空排気
管15bを介して下部室16b内から排気し、上部室1
6aの内部と等圧になるまで、真空度を上げておく。
【0068】(12)電気集塵手段4の円盤状電極板4
cに所定量の金属が捕集され、堆積したら、装置の運転
を一時停止して、円盤状電極板4cを真空排気管9bの
連結部9bpとともに交換し、再び装置の運転を続け
る。取り出された円盤状電極板4cに通電して、抵抗加
熱により堆積した金属を融解して、除去し、円盤状電極
板4cを再生する。融解した金属は不純物が少なく、高
純度なものが得られるので、インゴットとして凝固さ
せ、成分に応じた用途に再利用する。
【0069】次に、本発明の金属酸化物含有粉粒体の誘
導加熱融解処理装置の他の実施の形態について図7乃至
図8を参照して説明する。尚、第1実施の形態の金属酸
化物含有粉粒体の誘導加熱融解処理装置と他の実施の形
態の金属酸化物含有粉粒体の誘導加熱融解処理装置とは
誘導加熱管で融解された融液を通流する充填物のみ異な
るので、以下、充填物の構成・作用・効果についてのみ
説明する。以下、第1実施の形態の金属酸化物含有粉粒
体の誘導加熱融解処理装置と同じ部材に付いては同じ符
号をつけて説明する。
【0070】他の実施の形態の金属酸化物含有粉粒体の
誘導加熱処理装置で使用される充填物6′は、複数の充
填材6′aと充填材支持部材6′bとから構成される。
充填材支持部材6′bの形状は、大きな漏斗の形状をし
ており、円筒状上部真空チャンバ8の下部内壁に上端部
が固定されている。充填材支持部材6′bの材質は、充
填材6′aと同様に誘電性、導電性の耐熱材料である炭
素材又は黒鉛材又は高融点金属(例えばモリブデン)で
構成されている。又誘電体セラミックスで構成しても良
い。充填材支持部材6′bは、複数の充填材6′aの重
量を円筒状上部真空チャンバ8内で支持でき、底部で融
液を流下できる(抜き出せる)構造を有する部材であれ
ば良い。
【0071】このように構成することにより、融液を充
填材6′aの表面で液膜状に形成することができるの
で、融液と真空雰囲気との接触面積(界面積)が向上
し、融液中の金属蒸気の蒸発を促進することができる。
【0072】充填材6′aは、図7では、球体の充填材
を示しているが、球体は断面積に対して1番周長が短い
ため融液を液膜状にするには不適であり、鋭意検討した
結果、本発明者は、融液を液膜状にするのに好適な充填
材を見つけたので図8を参照して説明する。なお、充填
材は代表径(基準となる径)Dの球体に対して外周を中
心部側にへこませた形状としたものである。
【0073】図8(a)は、5つの角を中心体から外に
突出させた形状の充填材である。複数の充填材を充填材
支持部材6′bに充填すると、球体に近い多角形の充填
材を充填したときと比較して、充填材同士が形成する空
隙率が大きくなるので、融液が充填物6′を通流すると
きの圧力損失を低くすることができる。 図8(b)は、球体を両端から中心側に潰した瓢箪の形
状をした充填材である。複数の充填材を充填材支持部材
6′bに充填すると、球体に近い多角形の充填材を充填
したときと比較して、充填材同士が形成する空隙率が大
きくなるので、融液が充填物6′を通流するときの圧力
損失を低くすることができる。 図8(c)は、楕円形状の充填材である。複数の充填材
を充填材支持部材6′bに充填すると、球体に近い多角
形の充填材を充填したときと比較して、充填材同士が形
成する空隙率が大きくなるので、融液が充填物6′を通
流するときの圧力損失を低くすることができる。 図8(d)は、球体の充填材である。代表径Dを球体と
同じ径としたときに図8(a)〜図8(c)の充填材と
比較して、球体の充填材は周長が一番小さいので、
の液膜生成率が悪い。また、複数の充填材を充填材支持
部材6′bに充填すると、最密充填となりやすので、空
隙率がもっとも小さくなる。その結果、融液が充填物
6′を通流するときの圧力損失が最も高くなる。 図8(e)〜図8(h)は、図8(a)〜図8(d)の
それぞれの充填材に孔を空けた充填材である。中空の単
孔を有する球体よりも周長が大きく、かつ、図8(a)
〜図8(b)のそれぞれの充填材よりもさらに周長が
きくなる。その結果、これらの充填材を用いれば融液の
液膜生成率が向上し、融液と真空雰囲気に曝される接触
面積(界面積)が向上するので、さらに融液中の金属蒸
気を好適に除去できる。
【0074】以上、本発明の実施の形態を説明したが、
本発明は前記の実施の形態に限定されるものではなく、
構成の要旨を逸脱しない範囲内で、他の実施の形態を含
むものである。例えば、実際の装置の運転の際の便を考
えて、円筒状上部真空チャンバ8に、内部の状態を観察
するための覗き窓を設けてもよく、又、種々の計測装置
を取り付けて、計測結果に基づいた自動制御を行えるよ
うに構成してもよい。
【0075】最後に、いくつかの金属酸化物を炭素で還
元するときの反応温度について図9を参照して説明す
る。金属酸化物を真空中でモリブデン等の高融点金属を
使って抵抗加熱し真空還元する場合は、金属酸化物の融
点が高く1800℃以上の高温での反応となるが、本発
明のように炭素材又は黒鉛材で形成した誘導加熱管又は
充填物を使用し、誘導加熱して炭素還元する場合は、金
属酸化物のうちで一番還元されにくいZnOでも略10
00℃以上(2C+O2→2COの標準自由エネルギー
線と各酸化物の生成反応に係る標準自由エネルギー線と
交わった点が反応平衡点となるので、反応平衡点から垂
線を立て温度座標と交わったところが反応平衡温度とな
る。金属酸化物を炭素で還元するときの反応は吸熱反応
なので反応平衡温度より高い温度ならば反応が進む)の
温度で反応が進む。このことは、実験でも確認されてい
る。真空還元の反応温度よりも低い反応温度で金属酸化
物含有粉粒体中の蒸発しにくいPb,Znの酸化物が好
適に除去できるのでエネルギー消費量が少なくて済む。
また、1600℃以下の温度であれば炉材に良く使用さ
れるSi,Alの酸化物が炭素還元されない。
【0076】
【発明の効果】本発明は、前記のように構成したので、
焼却灰・飛灰等の灰中の金属を好適に除去して無害化す
ることができ、又、金属を高純度、高回収率で回収する
ことが可能で、設備生産性が高く、ランニングコストの
低い粉粒体の誘導加熱融解処理が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の金属酸化物含有粉粒体の誘導加熱融解
処理装置の第1の実施の形態の全体の概略構成を示す破
断斜視図である。
【図2】耐熱性配管と電気集塵手段を示す破断斜視図で
ある。
【図3】誘導加熱管とその昇降駆動手段を示す一部破断
斜視図である。
【図4】充填物の二つの実施の形態を示す破断斜視図で
ある。
【図5】 (a)は充填物受部材、(b)は傾斜パン及
びその傾動駆動機構を各々示す破断斜視図、(c)は融
液貯留タンク及びその運搬手段の斜視図である。
【図6】 本発明の金属酸化物含有粉粒体の誘導加熱融
解処理装置の第2の実施の形態の全体の概略構成を示す
破断斜視図である。
【図7】 本発明の金属酸化物含有粉粒体の誘導加熱融
解処理装置の他の実施の形態の全体の概略構成を示す破
断斜視図である。
【図8】 (a)〜(h)は、本発明の金属酸化物含有
粉粒体の誘導加熱融解処理装置の他の実施の形態で使用
される充填材である。
【図9】 いくつかの金属酸化物を炭素還元するときの
反応温度の説明図である。
【図10】 従来の粉粒体の誘導加熱融解処理装置の概
略構成を示す破断斜視図である。
【符号の説明】
1 誘導加熱融解処理装置 1a 粉粒体溶融部 1b 融液の貯留・抜き出し部 2 密閉形ホッパー 3 耐熱性配管 3a,3b ダンパー(バタフライ弁体) 4 電気集塵手段 4a 円柱棒状導体 4b 環状電極板 4c 円盤状電極板 5 誘導加熱管 5A 昇降駆動機構 5a サーボモータ 5b スクリューロッド 5c ブロック材 6,6′ 充填物 6′a 充填材 6′b 充填材支持部材 6p 突起部 7 充填物受部材 8 円筒状上部真空チャンバ 9,9b 真空排気管 10 誘導加熱コイル 11 傾斜パン 11T 傾動機構 12,12b,12c 融液貯留タンク 13,13b,13c 円形蓋 14,14b,14c 大気導入管 14v,14vb,14vc 大気導入弁 15,15b,15c 真空排気管 16 下部真空チャンバ 16a 上部室 16b,16c 下部室 16p 仕切り板 16ph,16phb,16phc 貫通穴 16w 仕切り壁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B09B 3/00 ZAB C22B 9/02 C22B 5/10 9/04 9/02 9/22 9/04 F27D 7/06 A 9/22 11/06 Z F27D 7/06 17/00 105A 11/06 H05B 6/22 17/00 105 B09B 3/00 ZAB H05B 6/22 303L 303A (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22B 1/00 - 61/00 B01D 1/22 B01D 3/10 B03C 7/02 B09B 3/00 F27D 7/06 F27D 11/06 F27D 17/00 105 H05B 6/22

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属酸化物含有粉粒体を密閉形ホッパ
    ーに貯留する金属酸化物含有粉粒体貯留工程と、 前記密閉形ホッパー内に貯留された前記金属酸化物含有
    粉粒体を所定の流量で所定の温度以上に誘導加熱された
    誘電体からなる真空雰囲気中の誘導加熱管へ供給し、前
    記誘導加熱管内を降下する前記金属酸化物含有粉粒体を
    加熱して、金属酸化物の少なくとも一部を還元しつつ融
    解する融解工程と、 融解して得られた融液を円筒状上部真空チャンバの下
    部内壁に密着して設けられ、誘導加熱により加熱された
    充填物に通流しつつ、流下させる融液流下工程と、 前記融液流下工程により前記充填物から流下する融液流
    を真空雰囲気中に曝し、融液中の金属類を蒸発させて真
    空排気上昇流とともに搬送する搬送工程と、 前記融液中の金属類を蒸発させた融液を融液貯留タンク
    に受入れ、貯留する融液貯留工程と、 を含んでなり、 前記誘導加熱管と前記充填物のうち少なくとも1つを炭
    素材、高融点金属または黒鉛材で形成し、かつ 前記液膜流下工程が、中央部に突起部を有し該突起部の
    外周部周囲の平坦部に複数の円形孔及び/又は複数の半
    円形孔を有する円形蓋と、中央部に円形孔を有し外周部
    から前記円形孔に向かって下り勾配の傾斜面を有する円
    形台とをそれぞれ上下間に空隙を設けて重ねた充填物を
    用いて、融解して得られた融液を前記突起部から通流し
    つつ、前記融液を充分な流動性を保つ温度になるまで加
    熱して、残余の金属酸化物を還元するとともに、前記融
    液を液膜として前記充填物の上方から下方に前記傾斜面
    に沿って流下させることを特徴とする金属酸化物含有粉
    粒体の誘導加熱融解処理方法。
  2. 【請求項2】 金属酸化物含有粉粒体を密閉形ホッパー
    に貯留する金属酸化物含有粉粒体貯留工程と、 前記密閉形ホッパー内に貯留された前記金属酸化物含有
    粉粒体を所定の流量で所定の温度以上に誘導加熱された
    誘電体からなる真空雰囲気中の誘導加熱管へ供給し、前
    記誘導加熱管内を降下する前記金属酸化物含有粉粒体を
    加熱して、金属酸化物の少なくとも一部を還元しつつ融
    解する融解工程と、 融解して得られた融液を、円筒状上部真空チャンバの下
    部内壁に密着して設けられ、誘導加熱により加熱された
    充填物に通流しつつ、流下させる融液流下工程と、 前記融液流下工程により前記充填物から流下する融液流
    を真空雰囲気中に曝し、融液中の金属類を蒸発させて真
    空排気上昇流とともに搬送する搬送工程と、 前記融液中の金属類を蒸発させた融液を融液貯留タンク
    に受入れ、貯留する融液貯留工程と、 を含んでなり、 前記誘導加熱管と前記充填物のうち少なくとも1つを炭
    素材、高融点金属又は黒鉛材で形成し、かつ 前記液膜流下工程が、複数の充填材と前記充填材を前記
    円筒状上部真空チャンバの下部内壁に支持する充填材支
    持部材とから構成された充填物を使用して、誘導加熱に
    より加熱された充填物に融解して得られた融液を通流し
    つつ、前記融液を充分な流動性を保つ温度になるまで加
    熱して、残余の金属酸化物を還元するとともに、前記融
    液を液膜として前記充填物の上方から下方に前記充填材
    の表面に沿って流下させることを特徴とする金属酸化物
    含有粉粒体の誘導加熱融解処理方法。
  3. 【請求項3】 更に、前記搬送工程に引き続いて、前記
    真空排気上昇流中の金属蒸気粒子及び/又は金属凝縮粒
    子を電気集塵手段により捕集する電気集塵工程と、 前記電気集塵手段により捕集され、堆積した金属を前記
    集塵手段から除去・回収する金属除去・回収工程と、を
    含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の金
    属酸化物含有粉粒体の誘導加熱融解処理方法。
  4. 【請求項4】 金属酸化物含有粉粒体を貯留する密閉形
    ホッパーと、 前記金属酸化物含有粉粒体の流量制御手段を備え、前記
    密閉形ホッパーから誘導加熱管へ前記金属酸化物含有粉
    粒体を供給する耐熱性配管と、 前記耐熱性配管の下端部外周面にその上端部内周面が上
    下に摺動自在に接する誘電体からなる誘導加熱管と、 前記誘導加熱管の上端部を昇降自在に保持する昇降駆動
    機構と、 前記誘導加熱管の下部を包囲し、前記誘導加熱管内で融
    解した粉粒体の融液を受けつつ通流せしめる誘電体製充
    填物と、 前記耐熱性配管の下部、前記誘導加熱管、前記昇降駆動
    機構の一部及び前記充填物を内包し、真空排気手段に連
    結された円筒状上部真空チャンバと、 前記円筒状上部真空チャンバの前記誘導加熱管及び充填
    物の相当位置を外囲するように配置された誘導加熱コイ
    ルと 記充填物から流下する前記金属蒸気粒子及び/又は金
    属凝縮粒子が蒸発した融液を受け、傾動・水平復帰自在
    に支持される傾斜パンと、 前記傾斜パンの傾動機構と 前記傾斜パンから流下する融液を受けて貯留する融液貯
    留タンクと、 前記傾斜パン及び融液貯留タンクを内包し、前記円筒状
    上部真空チャンバの下端に連結された下部真空チャンバ
    と、を備えてなり、 前記充填物が、中央部に突起部を有し該突起部の外周部
    周囲の平坦部に複数の円形孔及び/又は複数の半円形孔
    を有する円形蓋と、中央部に円形孔を有し外周部から前
    記円形孔に向かって下り勾配の傾斜面を有する円形台と
    をそれぞれ上下間に空隙を設けて重ねた充填物であっ
    て、融解して得られた融液を前記突起部から通流しつ
    つ、前記融液を充分な流動性を保つ温度になるまで加熱
    して、残余の金属酸化物を還元するとともに、前記融液
    を液膜として前記充填物の上方から下方に前記傾斜面に
    沿って流下させるように構成したことを特徴とする 金属
    酸化物含有粉粒体の誘導加熱融解処理装置。
  5. 【請求項5】 金属酸化物含有粉粒体を貯留する密閉形
    ホッパーと、 前記金属酸化物含有粉粒体の流量制御手段を備え、前記
    密閉形ホッパーから誘導加熱管へ前記金属酸化物含有粉
    粒体を供給する耐熱性配管と、 前記耐熱性配管の下端部外周面にその上端部内周面が上
    下に摺動自在に接する誘電体からなる誘導加熱管と、 前記誘導加熱管の上端部を昇降自在に保持する昇降駆動
    機構と、 前記誘導加熱管の下部を包囲し、前記誘導加熱管内で融
    解した粉粒体の融液を受けつつ通流せしめる誘電体製充
    填物と、 前記耐熱性配管の下部、前記誘導加熱管、前記昇降駆動
    機構の一部及び前記充填物を内包し、真空排気手段に連
    結された円筒状上部真空チャンバと、 前記円筒状上部真空チャンバの前記誘導加熱管及び充填
    物の相当位置を外囲するように配置された誘導加熱コイ
    ルと 記充填物から流下する前記金属蒸気粒子及び/又は金
    属凝縮粒子が蒸発した融液を受け、傾動・水平復帰自在
    に支持される傾斜パンと、 前記傾斜パンの傾動機構と 前記傾斜パンから流下する融液を受けて貯留する融液貯
    留タンクと、 前記傾斜パン及び融液貯留タンクを内包し、前記円筒状
    上部真空チャンバの下端に連結された下部真空チャンバ
    と、を備えてなり、 前記充填物が、複数の充填材と前記充填材を前記円筒状
    上部真空チャンバの下部内壁に支持する充填材支持部材
    とから構成され、誘導加熱により加熱された充填物に融
    解して得られた融液を通流しつつ、前記融液を充分な流
    動性を保つ温度になるまで加熱して、残余の金属酸化物
    を還元するとともに、前記融液を液膜として前記充填物
    の上方から下方に前記充填材の表面に沿って流下させる
    ように構成されたことを特徴とする 金属酸化物含有粉粒
    体の誘導加熱融解処理装置。
  6. 【請求項6】 前記下部真空チャンバが、 その内部を前記傾斜パンを内包する上部室と前記融液貯
    留タンクを内包する下部室とに上下に分割する仕切り板
    と、 前記仕切り板に設けられ、前記傾斜パンから前記融液貯
    留タンクに融液を流下させるための貫通穴と、 前記貫通穴を開閉する開閉蓋と、 前記下部室に連結され、大気導入弁を具備する大気導入
    管と、 前記下部室に連結される真空排気管と、 前記下部室の側壁に設けられ、前記融液貯留タンクを下
    部室に出し入れするための開閉扉と、 を備えてなる請求項4又は5に記載の金属酸化物含有粉
    粒体の誘導加熱融解処理装置。
  7. 【請求項7】 前記下部真空チャンバが、 その内部を前記傾斜パンを内包する上部室と前記融液貯
    留タンクを内包する下部室とに上下に分割する仕切り板
    と、 前記下部室を左右二つの下部室に仕切る仕切り壁と、 前記仕切り板に設けられ、前記傾斜パンから前記左右の
    下部室の各々に内包される融液貯留タンクの各々に融液
    を流下させるための左右の貫通穴と、 前記左右各々の貫通穴を開閉する開閉蓋と、 前記左右各々の下部室に連結され、各々大気導入弁を具
    備する大気導入管と、 前記左右各々の下部室に連結される真空排気管と、 前記左右各々の下部室の側壁に設けられ、前記融液貯留
    タンクを各々の下部室に出し入れするための開閉扉と、
    を備えてなる請求項4又は5に記載の金属酸化物含有粉
    粒体の誘導加熱融解処理装置。
  8. 【請求項8】 前記誘導加熱管及び前記充填物を炭素
    材、黒鉛材又は高融点金属で形成してなる請求項乃至
    請求項の何れか1項に記載の金属酸化物含有粉粒体の
    誘導加熱融解処理装置。
  9. 【請求項9】 前記誘導加熱管及び前記充填物を誘電体
    セラミックスで形成してなる請求項乃至請求項の何
    れか1項に記載の金属酸化物含有粉粒体の誘導加熱融解
    処理装置。
  10. 【請求項10】 前記昇降駆動機構がサーボモータを含
    んでなる請求項乃至請求項の何れか1項に記載の金
    属酸化物含有粉粒体の誘導加熱融解処理装置。
  11. 【請求項11】 前記充填物が、前記複数の充填材同士
    が形成する空隙率が代表径を同じにした球体を充填した
    際の空隙率よりも高くなる充填材と前記充填材支持部材
    とから構成されたことを特徴とする請求項乃至請求項
    10の何れか1項に記載の金属酸化物含有粉粒体の誘導
    加熱融解処理装置。
  12. 【請求項12】 前記充填物が、前記複数の充填材同士
    が形成する空隙率が代表径を同じにした球体を充填した
    際の空隙率よりも高くなり、かつ、通孔を有する充填
    充填材支持部材とから構成されたことを特徴とする
    請求項乃至請求項10の何れか1項に記載の金属酸化
    物含有粉粒体の誘導加熱融解処理装置。
  13. 【請求項13】 更に、前記円筒状上部真空チャンバ内
    の前記充填物の上方に前記誘導加熱管を外囲するように
    設けられ、及び/又は、前記円筒状上部真空チャンバか
    らの真空排気管内に設けられ、前記充填物から流下する
    液膜状融液から蒸発した金属蒸気粒子及び/又は金属凝
    縮粒子を捕集する電気集塵手段とを備えることを特徴と
    する請求項4乃至請求項12の何れか1項に記載の金属
    酸化物含有粉粒体の誘導加熱融解処理装置。
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