JP3028235B2 - アセタール重合体の製造法 - Google Patents

アセタール重合体の製造法

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JP3028235B2 JP1342941A JP34294189A JP3028235B2 JP 3028235 B2 JP3028235 B2 JP 3028235B2 JP 1342941 A JP1342941 A JP 1342941A JP 34294189 A JP34294189 A JP 34294189A JP 3028235 B2 JP3028235 B2 JP 3028235B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は耐衝撃性に優れるアセタール重合体の製造法
に関するものである。
更に詳しく言えば、本発明は特殊官能基を有する架橋
重合体粒子の存在下にホルムアルデヒドもしくはトリオ
キサンを単独重合させるか、或いはホルムアルデヒドも
しくはトリオキサンを共重合させるかによって成る、耐
衝撃性に優れるアセタール重合体の製造法に関するもの
である。
[従来の技術] ポリアセタールは、機械的特性、疲労特性、摩擦摩耗
特性に優れているために、近年エンジニアリングプラス
チックとしての需要は益々増大する傾向にある。
しかしながら、ポリアセタールは、耐衝撃性、例え
ば、ノッチ付きアイゾッド値が低く、成形時の残留応力
や小さな傷等が存在すると、破壊しやすいという欠点を
有している。
特開昭60−40111号公報には、変性エチレン−プロピ
レン共重合体、変性スチレン−ブタジエン共重合体等の
エラストマーにアセタールポリマーがグラフトした構造
を有するグラフト共重合体が高い耐衝撃性を有している
ことが開示されている。しかしながら、本公報の方法で
は、エラストマーにアセタールポリマーをグラフトさせ
る段階において、得られるグラフト共重合体が非常に粘
性を有したスラリー状態となるため、過、乾燥といっ
た生産技術上、安定してグラフト共重合体を量産するこ
とは非常に困難である。また、これらの変性エラストマ
ーは通常押出機等を用いて後工程としてエラストマーを
変性させる必要があり、経済的にも不利と言わざるを得
ない。
特公昭62−20203号公報には、アセタールポリマー単
位(A)とエラストマー単位(B)とから成るA−B−
Aトリブロック共重合体が優れた耐衝撃性を有している
ことが開示されている。本公報の方法は、末端に活性水
素を有したエラストマーを連鎖移動剤として利用しその
エラストマー存在下でホルムアルデヒド等を重合するも
のであるが、エラストマー末端の活性水素は極めて僅か
であり、連鎖移動剤として機能することは確率的に困難
な場合が多い。その結果、本方法ではトリブロック共重
合体と未反応のエラストマーとの混合物が得られること
が多く、得られる混合物は、機械物性上この未反応のエ
ラストマーが不利な方向に悪影響を及ぼしてしまう。ま
た、特開昭60−40111号公報の方法と同様に、生産技術
上の問題点も有している。
特開昭59−136343号公報には、ポリアセタールに2相
構造からなる粒径が10〜100μmのアクリル系多相イン
ターポリマーを添加して得られる組成物が耐衝撃性に優
れることを開示している。
しかしながら、本公報のアクリル系多相インターポリ
マーは、最外相にメタクリル酸エステル、スチレン等か
ら成る硬質熱可塑性相を有しており、本多相インターポ
リマーとポリアセタールとの親和性が不充分であるた
め、得られる組成物は本発明で言う非常に優れた耐衝撃
性を有していない。
また、本公報の方法によって得られる組成物は、加工
条件により一定方向の耐衝撃性が著しく低下するという
欠点も有している。
具体的には、射出成形、押出成形、ブロー成形などの
加工の際に、分散している多相インターポリマーに配向
のかかるような加工条件、例えば、溶融樹脂同志が射出
成形品金型内で合流してできるウェルド部では、成形品
の一定方向の耐衝撃性が著しく低下、即ち、ウェルド強
度が低下してしまう。これらの現象は、ポリアセタール
中に分散している多相インターポリマーが成形品の全て
の場所で均一の分散状態を示しておらず、凝集あるいは
配向といった成形品内での分散不均一化が生じるために
発生するものである。
従って、本公報の方法によって得られる組成物の耐衝
撃性は不均一であり、本発明で言う非常に優れた耐衝撃
性は得ることができない。
また、特開昭59−136343号公報に開示されている多相
インターポリマーは全て、軟質相、硬質相とポリアセタ
ール以外の成分からなる2つの相を有しており、多相イ
ンターポリマーを製造する上で、経済的にも非常に不利
である。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の目的は、このような従来技術における課題を
克服し、ポリアセタールの優れた特性を保持したまま
で、優れた耐衝撃性を有するアセタール重合体の製造法
を提供することにある。
[課題を解決するための手段及び作用] 本発明者らは鋭意検討の結果、本発明によって得られ
たアセタール重合体が、ポリアセタールの本来有してい
る優れた特性を損なうことなく、極めて高い耐衝撃性を
有していることを見い出した。
即ち、本発明は; ジビニル化合物、ジアリル化合物、ジアクリル化合物、
ジメタアクリル化合物の中から選ばれる多官能性架橋剤
を用いて乳化重合により製造された、軟質重合体から成
る架橋重合体粒子が水酸基、エポキシ基、アミノ基、カ
ルボキシル基、エーテル基、酸無水物基より成る群から
選ばれた特殊官能基を有しており、その架橋重合体粒子
の存在下に、ホルムアルデヒドもしくはトリオキサンを
単独重合するか、或いはホルムアルデヒドもしくはトリ
オキサンと、環状エーテルもしくは環状ホルマールとを
共重合することによる、耐衝撃性に優れるアセタール重
合体の製造法に関するものである。
本発明に使用することのできる架橋重合体粒子は、内
部に架橋構造を有する軟質重合体から成り、その一次形
態が粒子状である架橋重合体粒子である。
本発明でいう軟質重合体とは、この重合体のガラス転
移温度(以下、Tgと略す)が、25℃未満の重合体を言
う。軟質重合体のTgは0℃未満が好ましい。
架橋重合体粒子は次に挙げるモノマーから成る単独重
合体、あるいは、2種類以上のモノマーから成る共重合
体から構成される。
使用可能なモノマーとしては、例えば、スチレン、p
−メチルスチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニ
ルモノマー;塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン
化ビニルモノマー;アクリロニトリル、メタアクリロニ
トリル等のニトリル系モノマー;メタアクリル酸メチ
ル、メタアクリル酸ブチル、メタアクリル酸ヒドロキシ
エチル等のメタアクリル酸エステル;アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリ
ル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエ
チル等のアクリル酸エステル;酢酸ビニル、プロピオン
酸ビニル等のビニルエステル;アクリルアミド、メタア
クリルアミド等の不飽和アミド;ビニルメチルエーテ
ル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等の
ビニルアルキルエーテル等を挙げることができる。
また、これらビニル重合性モノマーに、例えば、ブタ
ジエン、イソプレン等の共役ジエンを加えて共重合させ
てもよいし、これらの共役ジエンを単独重合させたもの
でもよい。
架橋重合体粒子は、アクリル酸エステル、又は、共役
ジエンから成る重合体が好ましく、さらには、アクリル
酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、又は、
ブタジエン、スチレン−ブタジエンからなる重合体がよ
り好ましい。
本発明で得られるアセタール重合体が優れた耐衝撃性
を有するには、架橋重合体粒子を構成するモノマーと多
官能性架橋剤を共重合させ、架橋重合体粒子に適度の弾
性を与える必要がある。
多官能性架橋剤としては、例えばジビニル化合物、ジ
アリル化合物、ジアクリル化合物、ジメタアクリル化合
物等の一般に使われる架橋剤を用いることができ、ジア
クリル酸エチル、ジアクリル酸n−ブチル、ジアクリル
酸ジエチレングリコールが好ましい。多官能性架橋剤の
添加量は、架橋重合体粒子を構成する重合体の全重量に
基づいて0.1〜20重量%が好ましく、更には0.1〜5.0重
量%がより好ましい。
架橋重合体粒子の一次粒子径は0.01〜2.0μmの間に
あることが好ましい。ここで言う一次子径とは、架橋重
合体粒子の最小単位を構成する粒子径であり、通常は取
扱い上この一次粒子の凝集体として取扱われる。
本発明で用いることのできる架橋重合体粒子は、水酸
基、エポキシ基、アミノ基、カルボキシル基、エーテル
基、酸無水物基より成る群から選ばれた特殊官能基を有
していることが必要である。これらの特殊官能基の導入
は、通常、架橋重合体粒子を構成するモノマーと、特殊
官能基を有するグラフト性ビニルモノマーとを共重合す
ることによって行なわれる。
特殊官能基を有するグラフト性ビニルモノマーの第1
のグループとして、水酸基を有するグラフト性ビニルモ
ノマーがある。例えばメタアクリル酸2−ヒドロキシエ
チル、アクリル酸ヒドロキシエチル、p−ヒドロキシス
チレン、アリルアルコール、ビニルアルコール等があ
る。
グラフト性ビニルモノマーの第2のグループとして、
エポキシ基を有するグラフト性ビニルモノマーがある。
例えば、p−グリシジルα−メチルスチレン、グリシジ
ルメタアクリレート、グリシジルエチルアクリレート、
グリシジルエチルメチルメタアクリレート、グリシジル
ビニルエーテル等がある。
グラフト性ビニルモノマーの第3のグループとして
は、アミノ基を有するグラフト性ビニルモノマーがあ
る。例えばアクリルアミド、メタアクリルアミド、m−
アミノスチレン、p−ジメチルアミノスチレン等があ
る。
グラフト性ビニルモノマーの第4のグループとして
は、カルボキシル基を有するグラフト性ビニルモノマー
がある。例えばアクリル酸、メタアクリル酸、マレイン
酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、テトラヒド
ロフタル酸等がある。
グラフト性ビニルモノマーの第5のグループとして
は、エーテル基を有するグラフト性ビニルモノマーがあ
る。例えばビニルメチルエーテル、ビニルブチルエーテ
ル、p−メトキシスチレン等がある。
グラフト性ビニルモノマーの第6のグループとして
は、酸無水物基を有するグラフト性ビニルモノマーがあ
る。例えば無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水イ
タコン酸、無水テトラヒドロフタル酸等がある。
これらの特殊官能基を有するグラフト性ビニルモノマ
ーは、単独で用いられても、或いは2種類以上用いられ
ても良い。
また架橋重合体粒子の特殊官能基の導入は、架橋重合
体粒子中に含まれる反応基と、特殊官能基と反応基を併
せ持つ化合物の反応基とを、反応させることによっても
行なわれる。或いは架橋重合体粒子中に導入された特殊
官能基を加水分解等の手段で変性することによっても、
特殊官能基を有する架橋重合体粒子を合成することがで
きる。
グラフト性ビニルモノマーの量は、架橋重合体粒子の
全重量に基いて0.1〜20重量%が好ましく、更には0.5〜
10重量%がより好ましい。
本発明における架橋重合体粒子は、例えば下記に示す
一般の乳化重合技術を用いて製造できる。
乳化剤等の乳化重合に必要な添加剤を含む水の中へ、
架橋重合体粒子の形成に必要なモノマーと重合開始剤を
入れて攪拌しながら重合を行う。
乳化剤としては、例えばジオクチルスルホコハク酸ソ
ーダ等のアルキルスルホコハク酸塩、ドデシルベンゼン
スルホン酸ソーダ等のアルキル芳香族スルホン酸塩等を
使用することができる。
重合開始剤としては、例えばジイソプロピルベンゼン
ヒドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等の
過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物
等を使用することができる。
乳化重合は、通常50〜90℃の温度で行われる。
上記乳化重合によって得られた架橋重合体粒子は、慣
用の手段、例えば塩析、凍結融解、あるいはスプレード
ライ等の方法を用いて粒子の形態を保ったまま水と分離
することができる。塩析は、例えば塩化アルミニウム、
塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム等の電解質溶液を用
い、沈澱をろ別する。更に、洗浄、乾燥工程を経て、本
発明で言う架橋重合体粒子を得ることができる。
また、架橋重合体粒子は、モノマー組成の異なる新規
な相を含んでなる多相構造であってもかまわない。例え
ば、アクリル酸n−ブチルを主成分とする第1相(中心
相)の外側にスチレン−ブタジエンを主成分とする第2
相を有している2相構造から成る架橋重合体粒子等も各
相が各々軟質重合体から成っていれば本発明の範囲内の
ものである。
この際、更に、各相間の化学結合を行わせるために、
多官能性グラフト剤を使用することが好ましい。多官能
性グラフト剤としては、異なる官能性を有する多官能単
量体、例えばアクリル酸、メタアクリル酸、マレイン
酸、フマル酸等のアクリルエステル等があり、アクリル
酸アリル、メタアクリル酸アリルが好ましい。多官能性
グラフト剤の添加量は、グラフトベースとなる相を構成
する重合体の全重量に基づいて、0.1〜5.0重量%が好ま
しく、更には0.1〜2.5重量%がより好ましい。
本発明の単独重合においては、ホルムアルデヒドもし
くはトリオキサンが用いられる。また共重合において
は、ホルムアルデヒドもしくはトリオキサンと、環状エ
ーテルもしくは環状ホルマールが用いられる。
共重合に用いられる環状エーテルには、例えば、エチ
レンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシ
ド、エピクロルヒドリン、スチレンオキシド、オキセタ
ン、3,3−ビス(クロルメチル)オキセタン、テトラヒ
ドロフラン、オキセパン等がある。これらの環状エーテ
ルの中でも特にエチレンオキシドが好ましい。
また、環状ホルマールには、例えば、エチレングリコ
ールホルマール、プロピレングリコールホルマール、ジ
エチレングリコールホルマール、トリエチレングリコー
ルホルマール、1,4−ブタンジオールホルマール、1,5−
ペンタンジオールホルマール、1,6−ヘキサンジオール
ホルマールがある。これらの環状ホルマールの中でも特
にエチレングリコールホルマール、ジエチレングリコー
ルホルマール及び1,4−ブタンジオールホルマールが好
ましい。
環状エーテル、環状ホルマールは、ホルムアルデヒ
ド、トリオキサン100重量部に対して0.03〜100重量部、
より好ましくは、0.1〜50重量部が用いられる。
本発明の単独重合、共重合には通常カチオン重合触
媒、アニオン重合触媒が用いられる。
カチオン重合触媒としては、例えば、四塩化錫、四臭
化錫、四塩化チタン、三塩化アルミニウム、塩化亜鉛、
三塩化バナジウム、五弗化アンチモン、三弗化ホウ素、
三弗化ホウ素ジエチルエーテレート、三弗化ホウ素アセ
チックアンハイドレート、三弗化ホウ素トリエチルアミ
ン錯化合物等の三弗化ホウ素配位化合物等のいわゆるフ
リーデル・クラフト型化合物、過塩素酸、アセチルパー
クロレート、ヒドロキシ酢酸、トリクロル酢酸、p−ト
ルエンスルホン酸等の無機酸及び有機酸、トリエチルオ
キソニウムテトラフロロボレート、トリフェニルメチル
ヘキサフロロアンチモネート、アリルジアゾニウムヘキ
サフロロホスフェート、アリルジアゾニウムテトラフロ
ロボレート等の複合塩化合物、ジエチル亜鉛、トリエチ
ルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライド等の
アルキル金属等がある、 アニオン重合触媒としては、例えば、ナトリウム、カ
リウム等のアルカリ金属、ナトリウム−ナフタリン、カ
リウム−アントラセン等のアルカリ金属錯化合物、水素
化ナトリウム等のアルカリ金属水素化物、水素化カルシ
ウム等のアルカリ土類金属水素化物、ナトリウムメトキ
シド、カリウムt−ブトキシド、カリウムオクトキシド
等のアルカリ金属アルコキシド、カプロン酸ナトリウ
ム、ステアリン酸カリウム等のカルボン酸アルカリ金属
塩、カプロン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム
等のカルボン酸アルカリ土類金属塩、n−ブチルアミ
ン、ジブチルアミン、ジステアリルアミン、トリオクチ
ルアミン、ピリジン等のアミン、アンモニウムステアレ
ート、テトラブチルアンモニウムメトキシド、テトラブ
チルアンモニウムオクタノエート、ジメチルジステアリ
ルアンモニウムアセテート、トリメチルベンジルアンモ
ニウムアセテート、トリメチルベンジルアンモニウムメ
トキシド等の第4級アンモニウム塩、テトラメチルホス
ホニウムプロピオネート、トリメチルベンジルホスホニ
ウムエトキシド、テトラブチルホスホニウムステアレー
ト等のホスホニウム塩、トリブチル錫クロライド、ジエ
チル錫ジラウレート、ジブチル錫ジメトキシド、ジブチ
ル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート、トリブ
チル錫ラウレート等の4価有機錫化合物、n−ブチルリ
チウム、エチルマグネシウムブロマイド等のアルキル金
属、トリスアセチルアセトンコバルト等の有機キレート
化合物等がある。
これらのカチオン重合触媒、アニオン重合触媒は、通
常ホルムアルデヒドもしくはトリオキサン100重量部に
対し、0.0005〜5重量部の範囲で用いられる。単独重合
又は共重合は、無溶媒もしくは有機媒体中で行われる。
本発明において用いることのできる有機媒体として
は、例えばn−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタ
ン、n−オクタン、シクロヘキサン、シクロペンタン等
の脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の
芳香族炭化水素;塩化メチレン、クロロホルム、四塩化
炭素、塩化エチレン、トリクロルエチレン等のハロゲン
化脂肪族炭化水素;クロルベンゼン、o−ジクロルベン
ゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素がある。これらの有
機媒体は単独で用いても良く、或いは2種以上混合して
用いても差し支えない。
架橋重合体粒子は通常反応系中に分散されて用いられ
る。この反応系での分散粒子系は小さい方が好ましい。
重合温度は通常−20〜230℃の間で設定されるが、無
溶媒の場合には20〜210℃の間がより好ましく、有機媒
体を使用する場合には−10〜120℃の間がより好まし
い。
重合時間については特に制限はないが、5秒〜300分
の間で設定される。
所定時間の経過後、反応系中に停止剤が添加される
か、或いは重合体を媒体より分離することによって重合
は完了する。通常得られた重合体は、不安定末端を加水
分解にて除去するか或いは不安定末端をエステル化等の
方法で封鎖するかによって安定化される。安定化された
アセタール重合体は、安定剤が添加され実用に供され
る。
架橋重合体粒子は、アセタール重合体の全重量に基い
て1〜80重量%が好ましい。
[実施例] 以下、実施例、及び比較例を挙げて本発明を更に具体
的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定され
るものではない。
尚実施例中の測定項目は次の通りである。
アイゾッド衝撃値(ノッチ付き):ASTM D−256に準じ
て測定。
実施例−1 (1)架橋重合体粒子の製造 かきまぜ機、コンデンサーを備えた10ビーカーに蒸
留水5.7、乳化剤としてジオクチルスルホコハク酸ソ
ーダ20g、還元剤としてロンガリット1.2gを加え均一に
溶解する。
架橋重合体粒子として、アクリル酸n−ブチル(以下
BAと略す)1,270g、スチレン(以下Stと略す)320g、ジ
アクリル酸ジエチレングリコール(以下DEGAと略す)20
g、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド(以
下PBPと略す)1.6g、及び特殊官能基を有するグラフト
性ビニルモノマーとしてメタクリル酸2−ヒドロキシエ
チル(以下HEMAと略す)150gの均一溶液を加え、80℃で
重合した。約40分で反応は終了した。ここで得られた重
合体のTgは−37℃であった。
次いで、温度を95℃に上げ、1時間保持した。得られ
た重合体を0.5%塩化アルミニウム水溶液中に投入して
重合体を凝集させ、温水で5回洗浄後、乾燥して白色フ
ロック状の架橋重合体粒子(A)を得た。
(2)アセタール重合体の製造 シクロヘキサン10中に(1)で得た架橋重合体粒子
(A)1,060gを懸濁させた後、無水のホルムアルデヒド
を2000g/Hrで、また、重合触媒であるテトラブチルアン
モニウムアセテート0.30g/Hrで1時間連続的にシクロヘ
キサン中に供給した。この間、重合温度は50℃に維持し
た。次に重合体をシクロヘキサンより分離後、蒸気状態
の無水酢酸と接触せしめて安定化を行った。
こうして得られたアセタール重合体中の架橋重合体粒
子の割合は約33重量%であった。
このアセタール重合体を30mmφの口径を有する高剪断
性能を有する二軸押出機で、シリンダー温度200℃に設
定し、スクリュー回転数100rpm、吐出量約5kg/Hrの条件
下で溶融混練し、ペレット状のアセタール重合体を得
た。
このペレットを十分乾燥させた後、シリンダー温度20
0℃設定の下で射出成形し、試験片を作成した後、アイ
ゾッド衝撃値を測定した。
また、アセタール重合体中に分散する架橋重合体粒子
の分散を、試験片の中央部を樹脂流れ方向に対し平行な
面を約70nmの厚さで切削して得られた超薄切片を電子顕
微鏡写真から求めた。
評価結果を表−1に示す。
表−1より明らかな如く、本実施例では優れた耐衝撃
性を有したアセタール重合体が得られている。
また、本重合体のウェルド引張特性を評価した。評価
はASTM D−638に準じて試験片を作製し、ウェルド引張
特性はダブルゲートの試験片形状とし、試験片中央にウ
ェルドラインができるような試験片を用いて測定した。
114mm、チャック間標準、50mm/分の引張速度での評価
である。結果を下に示す。ウェルド引張特性は非ウェル
ド引張特性と変わりなく均一性に優れた良好な結果が得
られた。
実施例−2〜5 実施例−1において、グラフト重合体中の架橋重合体
粒子の割合を変えたこと以外は実施例−1と同様に評価
した。結果を表−1に示した。いずれの配合割合におい
ても良好な結果が得られている。
実施例−6〜8 実施例−1において、架橋重合体粒子を構成するBA,S
tの割合を変えて架橋重合体粒子のTgを変えたこと以外
は実施例−1と同様に評価した。表−1に示す通り、良
好な結果が得られた。
実施例−9〜11 実施例−1において、乳化剤の添加量を変え、架橋重
合体粒子の粒子径を変えたこと以外は実施例−1と同様
に評価した。結果を表−1に示した。幅広い粒子径の間
において優れた耐衝撃性を有するアセタール重合体が得
られている。
実施例−12〜14 実施例−1において、用いたHEMAの量を変えて架橋重
合体粒子の有する特殊官能基の数を変えたこと以外は実
施例−1と同様に評価した。結果を表−1に示す。いず
れの実施例においても良好な結果が得られている。
また、本発明で言う特殊官能基は、アニオン重合を行
なう場合、連鎖移動剤として機能するため、アセタール
重合体のアセタール部の分子量は所望に応じ任意とする
ことが可能であり、本発明の大きな特徴であると言え
る。
実施例−15〜22 実施例−1において、架橋重合体粒子を構成するモノ
マーの組成、または/かつ量を変えたこと以外は実施例
−1と同様に評価した。結果を表−2に示す。いずれの
実施例も良好な結果が得られている。
尚、変更した量については、表−2の備考に記入して
ある。
実施例−23 実施例−1において、HEMAの変わりに、メタアクリル
酸グリシジル170gを用いたこと以外は実施例−1と同様
に架橋重合体粒子(B)を製造した。
次に、2枚のΣ羽根を有するニーダーに、架橋重合体
粒子(B)5000g、トリオキサン15kg、エチレンオキシ
ド750gr、三弗化ホウ素0.50g、メチラール50gを加え、8
0℃で45分間重合した。次いで、このニーダーにトリエ
チルアミン1200gr、水5kgを加え、150℃で30分攪拌する
ことによって、重合体を安定化せしめた。この重合体に
安定剤を加え30mmφ単軸押出機でペレタイズし、後は実
施例−1同様に評価を行なった。
結果を表−2に示す。本実施例の様に、カチオン重合
系においても得られるアセタール重合体は非常に良好な
結果を有していることがわかる。
実施例−24 実施例−23において、メタアクリル酸グリシジルの変
わりに、メタアクリル酸メトキシエチル150gを用いたこ
と以外は実施例−23と同様に評価した。表−2に示す通
り、本実施例も良好な結果が得られている。
比較例−1 実施例−1において、HEMAを用いなかったこと以外は
実施例−1と同様に架橋重合体粒子(C)を製造した。
更に、アセタール重合体の製造時に連鎖移動剤として無
水酢酸を3g/Hrで供給したこと以外は実施例−1と同様
に評価を行なった。
結果は表−2に示す。
アイゾッド衝撃値は低く、本組成物中の架橋重合体粒
子は、所々に大きな凝集がみられ、下に示す通り良好な
ウェルド特性は得られていない。
即ち、架橋重合体粒子が特殊官能基を有していないと
本発明で言う優れた耐衝撃性は得られないことがわか
る。
引張強度 引張伸度 (kg/cm2) (%) 非ウェルド部 290 64 ウェルド部 189 7 比較例−2 実施例−23において、メタアクリル酸グリシジルを用
いず架橋重合体粒子を製造したこと以外は実施例−23同
様に評価を行なった。
表−2に示す通り、本発明で言う良好な結果は得られ
ていない。
[発明の効果] 本発明のアセタール重合体は非常に優れた耐衝撃性を
有し、かつ、生産技術上、容易に本重合体を安定して量
産でき、また経済性にも優れているという利点を有して
いる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−230015(JP,A) 特開 昭60−104116(JP,A) 特開 昭60−110714(JP,A) 特開 昭60−40111(JP,A) 特開 昭60−108413(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 2/12

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ジビニル化合物、ジアリル化合物、ジアク
    リル化合物、ジメタアクリル化合物の中から選ばれる多
    官能性架橋剤を用いて乳化重合により製造された、水酸
    基、エポキシ基、アミノ基、カルボキシル基、エーテル
    基、酸無水物基より成る群から選ばれた特殊官能基を有
    した軟質重合体から成る架橋重合体粒子の存在下におい
    て、ホルムアルデヒド、もしくは、トリオキサンを単独
    重合して成ることを特徴とするアセタール重合体の製造
    法。
  2. 【請求項2】水酸基、エポキシ基、アミノ基、カルボキ
    シル基、エーテル基、酸無水物基より成る群から選ばれ
    た特殊官能基を有した軟質重合体から成る架橋重合体粒
    子の存在下において、ホルムアルデヒド、もしくは、ト
    リオキサンと環状エーテルもしくは環状ホルマールとを
    共重合して成ることを特徴とする耐衝撃性に優れるアセ
    タール重合体の製造法。
  3. 【請求項3】架橋重合体粒子が、アクリル酸エステル、
    共役ジエンから選ばれる1種以上からなる重合体である
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のアセタール
    重合体の製造法。
  4. 【請求項4】架橋重合体粒子が、アクリル酸n−ブチ
    ル、アクリル酸2−エチルヘキシル、ブタジエン、スチ
    レン−ブタジエンから選ばれる1種以上からなる重合体
    であることを特徴とする請求項1〜3に記載のアセター
    ル重合体の製造法。
  5. 【請求項5】多官能性架橋剤の添加量が、架橋重合体粒
    子を構成する重合体の全重量に基づいて0.1〜20重量%
    であることを特徴とする請求項1〜4に記載のアセター
    ル重合体の製造法。
  6. 【請求項6】架橋重合体粒子の一次粒子径が、0.01〜2.
    0μmであることを特徴とする請求項1〜5に記載のア
    セタール重合体の製造法。
  7. 【請求項7】架橋重合体粒子を構成する特殊官能基を有
    するグラフト性ビニルモノマーの量が、架橋重合体粒子
    の全重量に基づいて0.1〜20重量%であることを特徴と
    する請求項1〜6に記載のアセタール重合体の製造法。
  8. 【請求項8】架橋重合体粒子が多相構造を有し、各相間
    が多官能性グラフト剤で結合されていることを特徴とす
    る請求項1〜7に記載のアセタール重合体の製造法。
  9. 【請求項9】多官能性グラフト剤が、アクリル酸アリル
    またはメタアクリル酸アリルであることを特徴とする請
    求項8に記載のアセタール重合体の製造法。
  10. 【請求項10】多官能性グラフト剤の添加量が、グラフ
    トベースとなる相を構成する重合体の全重量に基づいて
    0.1〜5.0重量%であることを特徴とする請求項8または
    9に記載のアセタール重合体の製造法。
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