JP3027869B2 - 積層型フィルムコンデンサの製造方法 - Google Patents

積層型フィルムコンデンサの製造方法

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JP3027869B2 JP3102417A JP10241791A JP3027869B2 JP 3027869 B2 JP3027869 B2 JP 3027869B2 JP 3102417 A JP3102417 A JP 3102417A JP 10241791 A JP10241791 A JP 10241791A JP 3027869 B2 JP3027869 B2 JP 3027869B2
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真介 糸井
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健治 桑田
清 野々村
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子機器,電気機器に
広く使用される積層型フィルムコンデンサの製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器,電気機器の小型化やそ
れに伴う電子部品の高密度面実装化が進展し、積層型フ
ィルムコンデンサにおいても、その小型化,チップ化が
強く求められている。
【0003】以下に従来の積層型フィルムコンデンサの
製造方法について説明する。従来の一般的な積層型フィ
ルムコンデンサの製造方法には、単条の帯状の非金属化
部(以下マージンと称す)が形成された細幅の金属化フ
ィルムを2枚重ね、大型の円筒に巻き取ってコンデンサ
母材に成形する方法と、複数条のマージンが形成された
広幅の金属化フィルムを平板に巻き取ってコンデンサ母
材に成形する方法とがある。なかでも後者の方法は、き
わめて生産性が高く、優れた積層型フィルムコンデンサ
の製造方法として注目されている。この製造方法におい
ては、まず複数条のマージンが形成された広幅の金属化
フィルムを平板に巻き取り(巻取工程)、その後に熱板
間に挟み込んで加圧し、板状のコンデンサ母材に成形す
る(加圧成形加工)。そして板状のコンデンサ母材を平
板から切り離し、複数本の角棒状のコンデンサ母材に裁
断する(裁断工程)。その後に、角棒状のコンデンサ母
材の両端面に金属溶射を行って電極を引き出し(電極引
出し工程)、個々のコンデンサ素子に切断分割する(切
断工程)。以降、溶射された両金属面にリード線を取り
付け(リード付け工程)、外装を施して(外装工程)製
品としたり、最新のチップ型製品においては、切断分割
したコンデンサ素子の切断面に適当な保護膜を取り付け
て(保護膜付け工程)製品とする。
【0004】ここで、上記従来の製造方法における巻取
工程について図面を用いて説明する。
【0005】図4は、従来の製造方法における巻取工程
を表す外観図である。図4において、1は平板であり、
図中の矢印の方向に回転させて広幅の金属化フィルム2
を巻き取る。広幅の金属化フィルム2の金属化面には複
数条のマージン3が、平板1の一周に相当する長さ毎に
フィルムの幅方向に左右しながら、長さ方向に連続的に
形成されている。平板1に巻き取られた広幅の金属化フ
ィルム2は加圧成形工程を経て、板状のコンデンサ母材
に成形される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、板状の
コンデンサ母材の断面図を表す図5に示すように、従来
の製造方法でつくられた板状のコンデンサ母材4では、
マージン3は板状のコンデンサ母材4の厚さ方向に斜め
にずれながら配置されてしまう。図5に示す寸法Lは、
このマージン3のずれの大きさを表す代表値である。
【0007】本発明者らは、この現象が巻取工程におい
て既に発生しており、金属化フィルムを巻き取る際に平
板の前後幅で折り返される部分のマージン近傍がかさ高
くなるために発生するものであることを解明した。
【0008】このようにしてできるマージンのずれによ
り、従来は各々のマージン間の距離を十分に大きくとら
なければ角棒状のコンデンサ母材に裁断できなかった。
さらに、板状のコンデンサ母材の両端部付近は、このマ
ージンのずれが特に大きく、所定の幅に裁断できないた
めに捨て去らざるを得なかった。それゆえに、積層型フ
ィルムコンデンサの小型化が阻害されたり、高価になる
などの問題をきたしていた。
【0009】本発明は、このような問題点に対し、板状
のコンデンサ母材におけるマージンのずれをなくするこ
とによって、マージン間の距離を小さくできるように
し、かつ金属化フィルム材料の損失を低減して、小型で
安価な積層型フィルムコンデンサを提供することを目的
としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の積層型フィルムコンデンサの製造方法は、複
数条のマージンが形成された広幅の金属化フィルムの長
さ方向に断続的に、マージンを形成しない部分もしくは
マージンの条数を著しく少なくした部分を設け、その部
分を前記金属化フィルムを巻き取るための平板の前後端
に順次配置させながら前記平板に巻き取るものである。
【0011】
【作用】上記手段によると、機械的物性を不均一にし、
曲率の大きい平板の前後端でしわの発生からかさ高の原
因となるマージンの条数が減少するため平板の前後端
で、金属化フィルムが部分的にかさ高くなることは、ほ
とんどもしくは全くなくなり、板状のコンデンサ母材に
おけるマージンのずれがなくなる。
【0012】
【実施例】
(実施例1)以下本発明の実施例について、図面を参照
しながら説明する。
【0013】図1は、本発明の積層型フィルムコンデン
サの製造方法の第1の実施例における巻取工程の外観図
である。図1において、1は平板、2は金属化フィル
ム、3はマージンである。そして5はマージンを形成し
ない部分である。マージンを形成しない部分5を平板1
の半周に相当する長さ毎に、断続的に設けながら、複数
条のマージン3を形成した広幅の金属化フィルム2は、
図中の矢印の方向に平板1を回転させることによって、
平板1に巻き取られる。なお、マージン3は、平板1の
一周に相当する長さ毎にフィルムの幅方向に左右しなが
ら長さ方向に形成されている。
【0014】以下、本発明の第1の実施例と従来例との
マージンのずれの大きさの違いについて具体例で説明す
る。広幅の金属化フィルム2としては、アルミニウムを
蒸着した300mm幅のポリエステルフィルムを用いた。
この金属化フィルム2には、51条のマージン3と、マ
ージンを形成しない部分5を所定の位置に設けた。これ
を鉄製の平板1に1500周巻き取り、その後に加圧成
形工程で板状のコンデンサ母材に成形した。この場合、
板状のコンデンサ母材におけるマージンのずれの大きさ
(前述のL、以下同様)は最大値で0.1mm以下であっ
た。これに対し、従来の方法で巻き取りを行ったもので
は、マージンのずれの大きさは最大値で0.6mm以上で
あった。このことから明らかなように、本実施例による
積層型フィルムコンデンサの製造方法は、板状のコンデ
ンサ母材におけるマージンのずれをなくする上で優れた
効果が得られる。
【0015】(実施例2)図2は、本発明の積層型フィ
ルムコンデンサの製造方法の第2の実施例における巻取
工程の外観図である。図1の実施例と異なるのは、マー
ジンを形成しない部分の代わりに、マージンの条数を著
しく少なくした部分6を設けた点である。
【0016】具体例では、マージンの条数を著しく少な
くした部分6として、5条のマージンを形成した部分を
所定の位置に設けた。なお5条のマージンは、51条の
マージンのうちの両端の2条と中央の1条およびそれら
の中間付近の各1条のマージンを残して、他のマージン
をなくしたものである。その場合においても、板状のコ
ンデンサ母材におけるマージンのずれの大きさは最大値
で0.1mm以下であった。
【0017】第2の実施例によると、板状のコンデンサ
母材におけるマージンのずれをなくすることができるう
えに、連続したマージンを適当な配置で形成することに
よって、各種工程でフィルムを巻き取る場合、マージン
位置の幅方向の振れを連続的に監視できるという効果が
ある。
【0018】図3は、以上のような本発明の実施例によ
ってつくられた板状のコンデンサ母材の断面図である。
図3に示すように、板状のコンデンサ母材4において、
マージン3は板状のコンデンサ母材4の厚さ方向と平行
に、かつ直線的に配置されるので、かかる板状のコンデ
ンサ母材4は以降の裁断工程で、設計上必要最低限の幅
に裁断して角棒状のコンデンサ母材とすることができ
る。
【0019】なお、マージンを形成しない部分もしくは
マージンの条数を著しく少なくした部分を設ける代わり
に、図1の部分5について全幅にわたって非金属化面を
形成する方法があるが、効果が小さい上に、金属化面と
非金属化面のヤング率の違いから、マージン位置が左右
に振れてしまう欠点がある。また、所定の部分でマージ
ン位置をくの字形などに変化させても、前記作用の項で
説明した関係からマージンのずれは減るが、効果の大き
さにおいて著しく劣ることが確認されている。
【0020】
【発明の効果】以上のように本発明は、複数条のマージ
ンが形成された広幅の金属化フィルムの長さ方向に断続
的に、マージンを形成しない部分もしくはマージンの条
数を著しく少なくした部分を設け、この部分を平板の前
後端に順次配置させながら前記金属化フィルムを巻き取
ることによって、板状のコンデンサ母材におけるマージ
ンのずれをなくすることで、マージン間の距離を小さく
できるようにするとともに金属化フィルム材料の損失を
低減して、小型で安価な積層型フィルムコンデンサを実
現でき、素子幅2mm以下というような、きわめて小型の
積層型フィルムコンデンサチップをも実現可能なように
したものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における積層型フィルム
コンデンサの製造方法の巻取工程の外観図
【図2】第2の実施例における積層型フィルムコンデン
サの製造方法の巻取工程の外観図
【図3】本発明の実施例における板状のコンデンサ母材
の断面図
【図4】従来の積層型フィルムコンデンサの製造方法の
巻取工程を表す外観図
【図5】従来の板状のコンデンサ母材の断面図
【符号の説明】
1 平板 2 金属化フィルム 3 マージン 5 マージンを形成しない部分 6 マージンの条数を著しく少なくした部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 桑田 健治 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 野々村 清 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 横田 智司 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−30110(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01G 4/14 - 4/40

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数条の帯状の非金属化部が形成された広
    幅の金属化フィルムを平板に巻き取る工程を有する積層
    型フィルムコンデンサの製造方法において、前記金属化
    フィルムの長さ方向に断続的に、前記帯状の非金属化部
    を形成しない部分もしくは前記帯状の非金属化部の条数
    を著しく少なくした部分を設け、その部分を前記平板の
    前後端に順次配置させながら前記金属化フィルムを巻き
    取ることを特徴とする積層型フィルムコンデンサの製造
    方法。
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