JP3027535B2 - 内燃機関の吸気絞り弁装置 - Google Patents

内燃機関の吸気絞り弁装置

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JP3027535B2
JP3027535B2 JP8047394A JP4739496A JP3027535B2 JP 3027535 B2 JP3027535 B2 JP 3027535B2 JP 8047394 A JP8047394 A JP 8047394A JP 4739496 A JP4739496 A JP 4739496A JP 3027535 B2 JP3027535 B2 JP 3027535B2
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泰広 栗田
慶典 佐藤
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Hitachi Automotive Systems Engineering Co Ltd
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Hitachi Ltd
Hitachi Car Engineering Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の吸気絞
り弁装置に係り、特に、電子制御燃料噴射装置の入力信
号の1つに吸気管圧力を用いるスピードデンシティ方式
を採用する内燃機関の吸気絞り弁装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、多気筒内燃機関において主吸
気通路に介装される吸気絞り弁の下流側の圧力を圧力セ
ンサにより検出し、この検出圧力信号を燃料噴射量決定
のための1つの入力信号として電子制御による燃料噴射
量決定を行う電子制御燃料噴射装置が知られている。こ
の装置においては、圧力を検出するための圧力センサを
内燃機関の吸気絞り弁装置に装着して、吸気絞り弁の下
流側の圧力を検出するようにしている。
【0003】内燃機関の吸気絞り弁装置としては、例え
ば、2種類のタイプが知られている。その一つは、例え
ば、特開昭63−229341号公報,実開平2−91
931号公報,実開平4−109346号公報や特開平
3−277935号公報に記載されているように、圧力
導入口を2個有しているものである。他の一つは、例え
ば、実開昭62−162360号公報に記載されている
ように、圧力導入口が1個のものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この様な内燃機関の吸
気絞り弁下流側の吸気管圧力を検出する場合、吸気管内
を流れる水分やオイル、ガソリン及び異物等が、圧力導
入通路に侵入し、吸気管の圧力変化やエンジンの吸気圧
力脈動により、圧力センサ内部にまで到達し、圧力セン
サの吸気管圧力の検出を阻害したり、圧力センサ検出部
を破壊する場合がある。
【0005】前者の圧力導入口を2個有しているもの
は、圧力導入口の一方から圧力導入通路内に空気を導入
することにより、圧力導入通路内に侵入した異物等を他
の圧力導入口から排出するようにしている。
【0006】しかしながら、圧力導入口を2個有するこ
とにより、一方の圧力導入口からの吸気圧力脈動と他方
の圧力導入口からの吸気圧力脈動が互いに干渉して、吸
気圧力脈動が増幅され、その結果、圧力センサによる圧
力の検出精度が低下するという問題があった。
【0007】また、後者の圧力導入口が1個のものにあ
っては、入口が1個であるため、吸気圧力脈動の干渉は
生じないが、圧力導入通路に侵入した異物等を効果的に
排除できないため、例えば、実開昭62−162360
号公報に記載されているように、圧力導入通路の途中に
フィルタ等を配置して、異物等が圧力センサに至らない
ようにしている。
【0008】しかしながら、フィルタを用いる方法にあ
っては、フィルタに異物等が付着し、フィルタが目詰ま
りするため、検出感度が低下するという問題がある。
【0009】本発明の目的は、圧力導入口が1個のタイ
プを用いることにより、検出精度の低下が発生せず、し
かも、圧力導入通路に侵入した異物等の影響を受けるこ
となく、検出感度の低下することのない内燃機関の吸気
絞り弁装置を提供するにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、吸気通路を形成する内壁を有するスロッ
トルボディと、この吸気通路に回動自在に取り付けられ
た吸気絞り弁と、この吸気絞り弁の下流の圧力を検出す
る圧力センサと、上記吸気絞り弁の下流であって上記吸
気通路を形成する内壁に一端が開口し、他端は上記圧力
センサの圧力検出部に接続され、上記絞り弁の下流の圧
力を上記圧力センサに導入する圧力導入通路を有する内
燃機関の吸気絞り弁装置において、上記圧力導入通路
は、上記開口に連通する第1の通路と、この第1の通路
に対してその内部を流れる流体の流線が急激に変化する
第2の通路と、上記第1の通路及び第2の通路の連結部
に設けられ、上記第1の通路の断面積よりも断面積の大
きいダミー空間とから構成するようにしたものであり、
かかる構成により、ダミー空間において異物等を除去し
得るものとなる。
【0011】上記内燃機関の吸気絞り弁装置において、
好ましくは、上記第1の通路と上記第2の通路は、直角
に連結するようにしたものであり、かかる構成により、
吸気と異物等を効果的に分離し得るものとなる。
【0012】上記内燃機関の吸気絞り弁装置において、
好ましくは、上記ダミー空間は、直方体の形状を有し、
その側壁が、上記第1の通路を流れる流体の流線に対し
て直交するようにしたものであり、かかる構成により、
分離した異物等を効果的にトラップし得るものとなる。
【0013】上記内燃機関の吸気絞り弁装置において、
好ましくは、上記ダミー空間は、円筒形の形状を有する
ものである。
【0014】上記内燃機関の吸気絞り弁装置において、
好ましくは、上記第2の通路の断面積を上記第1の通路
の断面積よりも小さくするようにしたものであり、かか
る構成により、圧力変動の幅を小さくし得るものとな
る。
【0015】上記内燃機関の吸気絞り弁装置において、
好ましくは、さらに、上記第2の通路に接続され、上記
第2の通路の断面積よりも断面積の大きい第2のダミー
空間を有するようにしたものであり、かかる構成によ
り、さらに、異物等の除去効率を上げ得るものとなる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態によ
る内燃機関の吸気絞り弁装置について図1乃至図5を用
いて説明する。図1は、本発明の一実施の形態による内
燃機関の吸気絞り弁装置を下流側から見た平面図であ
り、図2は、図1のA−A断面図であり、図3は、図1
のB−B断面図であり、図4は、本発明の一実施の形態
による内燃機関の吸気絞り弁装置による異物除去効果の
説明図であり、図5は、本発明の一実施の形態による内
燃機関の吸気絞り弁装置による圧力変動幅の説明図であ
る。
【0017】図1において、スロットルボデイ10の内
部の主吸気通路には、主吸気通路の流路面積を調節する
吸気絞り弁20が回動自在に取り付けられている。吸気
絞り弁20は、円形の弁体22と、弁体22が固定され
た弁軸24から構成されている。弁軸24は、スロット
ルボデイ10の内部に回動自在に取り付けられている。
弁軸24が駆動レバー26と一体回動することにより、
図示しないアクセルペダルの踏み代に応じて、アクセル
ケーブルを介して駆動レバー26が回動し、吸気絞り弁
20が、流路面積の調節をする。
【0018】次に、スロットルボデイ10の端面12側
に形成される圧力導入通路30について説明する。な
お、スロットルボデイ10の端面12には、図示しない
サージタンクが接続され、さらに、エンジンに連結す
る。
【0019】吸気絞り弁20の吸気下流側の吸気管圧力
を導入する圧力導入通路30は、スロットルボディ10
の端面12に溝状に形成された短絡通路32aと、スロ
ットルボディ10の端面12に開口して形成された直方
体のダミー空間34aと、スロットルボディ10の端面
12に溝状に形成された短絡通路32bと、スロットル
ボディ10の端面12に開口して形成された円筒形のダ
ミー空間34bと、スロットルボディ10の内部に斜め
に形成されたセンサ通路36aと、スロットルボディ1
0の内部に斜めに形成されたセンサ通路36bから構成
されている。
【0020】短絡通路32aの一端は、スロットルボデ
イ10の内壁14に開口しており、圧力導入口38を構
成している。圧力導入口38が形成される位置は、吸気
絞り弁20の弁軸24の軸端の位置となっている。圧力
導入口38は、弁軸の中心軸を通る吸気と平行な面に対
して直角な面に設けられている。短絡通路32aが延在
する方向は、弁軸24の軸方向と平行になっている。短
絡通路32aの他端は、ダミー空間34aに接続されて
いる。
【0021】短絡通路32bの一端は、ダミー空間34
aに接続されており、他端は、ダミー空間34bに接続
されている。短絡通路32bの中心軸は、短絡通路32
aの中心軸に対して直交している。ダミー空間34aが
設けられる位置は、短絡通路32bの中心軸と、短絡通
路32aの中心軸が直交する位置である。
【0022】直方体のダミー空間24aは、その側壁の
一面が短絡通路32aの中心軸に対して直交している。
【0023】センサ通路36aの一端は、ダミー空間3
4bに連通しており、他端は、センサ通路36bに連通
している。センサ通路36aが、センサ通路36bやダ
ミー空間34bに対して斜めに形成されているのは次の
理由による。即ち、センサ通路36aが連通するダミー
空間34bは、スロットルボデイ10の端面14に形成
された基準穴50と対をなして基準穴としても使用され
るものであり、この位置は、端面14に取り付けられる
サージタンク等の形状によって、ほぼ図示の位置に規定
されるものである。一方、圧力センサ40の圧力導入パ
イプ42が挿入されるセンサ通路36bの位置も、圧力
センサ40のスロットルボデイ10への取付位置との関
係で、ほぼ図示の位置に規定されるものである。従っ
て、ダミー空間34bとセンサ通路36bのズレの影響
によって、センサ通路36aは、センサ通路36bや短
絡通路32bに対して斜めに形成されている。
【0024】スロットルボデイ10の側面には、圧力セ
ンサ40が固定されている。センサ通路36bには、圧
力センサ40の圧力導入パイプ42が挿入されている。
圧力センサ40の中には、図示しない半導体式圧力・電
気変換部が備えられている。
【0025】スロットルボディ10の端面12に、サー
ジタンク等が接続固定されることにより、溝状の短絡通
路32a及び短絡通路32b、開口したダミー空間34
a及びダミー空間34bは、蓋がされる。その結果、短
絡通路32a,ダミー空間34a,短絡通路32b,ダ
ミー空間34b,センサ通路36a,センサ通路36b
が連通し、圧力導入通路30が構成される。圧力導入通
路30の圧力導入口38から導入された吸気圧力は、圧
力導入通路30内を伝達され、圧力センサ40の圧力導
入パイプ42を経て、圧力センサ40によって電気信号
に変換される。
【0026】次に、図2を用いて、圧力導入口38の形
状について説明する。図2は、図1のA−A矢視の断面
図である。
【0027】スロットルボデイ10の内部には、最も絞
られた位置での直径がφ50mm円筒状の主吸気通路1
6が内壁14により形成される。スロットルボディ10
の吸気上流側にエアクリーナ側の図示しない吸気管が連
結され、吸気下流側に図示しないサージタンクが連結さ
れている。
【0028】スロットルボディ10には、主吸気通路1
6の流路面積を調節する回動自在な吸気絞り弁20が取
り付けられている。吸気絞り弁20は、弁軸24とこの
弁軸24に固定された弁体22とから構成されている。
図2に示す状態では、吸気絞り弁20が全閉状態にあ
り、この全閉状態から弁軸24は、図2で時計回りの矢
印C方向に回動する。
【0029】スロットルボデイ10の吸気絞り弁20の
下流側であって、弁軸24の下方の位置の内壁14に圧
力導入口38が開口している。圧力導入口38から導入
された吸気圧力は、スロットルボデイ10の内部の圧力
導入通路を通って、圧力センサ40によって検出され
る。
【0030】次に、図3を用いて、圧力導入通路の要部
の構成について説明する。図3は、図1のB−B矢視の
断面図である。
【0031】圧力導入通路30の短絡通路32aは、図
示するように、通路の中心軸に対して直交する平面で断
面を表した状態においてその形状が長方形である。ダミ
ー空間34aは、直方体であるため、その断面形状は長
方形である。ダミー通路32aの断面積は、短絡通路3
2aの断面積よりも大きくなっている。短絡通路32b
は、短絡通路32aと同じく長方形の断面形状を有して
おり、断面積も短絡通路32aの断面積に等しい。
【0032】ダミー空間34bは、円筒形であり、円筒
の中心を通る平面で断面を表した時の断面積は、短絡通
路32a,32bの断面積よりも大きくなっている。セ
ンサ通路36a及びセンサ通路36bは、同一の断面形
状を有しており、その断面形状は円形である。センサ通
路36bは、圧力センサ40の圧力導入パイプ42が挿
入可能な寸法となっている。
【0033】センサ通路36aが、センサ通路36bや
ダミー空間34bに対して斜めに形成されているのは次
の理由による。即ち、センサ通路36aは、スロットル
ボデイ10の端面14にダイキャスト製法により溝状に
形成されるため、端面に溝状に開口する必要があり、図
示の位置に規定されるものである。一方、圧力センサ4
0の圧力導入パイプ42が挿入されるセンサ通路36b
の位置も、圧力センサ40のスロットルボデイ10への
取付位置との関係で、ほぼ図示の位置に規定されるもの
である。従って、短絡通路32bとセンサ通路36bの
ズレの影響によって、センサ通路36aは、センサ通路
36bや短絡通路32bに対して斜めに形成されてい
る。
【0034】スロットルボディ10の端面12に、サー
ジタンク等が接続固定されることにより、溝状の短絡通
路32a及び短絡通路32b、開口したダミー空間34
a及びダミー空間34bは、蓋がされる。その結果、短
絡通路32a,ダミー空間34a,短絡通路32b,ダ
ミー空間34b,センサ通路36a,センサ通路36b
が連通し、圧力導入通路30が構成される。圧力導入通
路30の圧力導入口38から導入された吸気圧力は、圧
力導入通路30内を伝達され、圧力センサ40の圧力導
入パイプ42を経て、圧力センサ40によって電気信号
に変換される。
【0035】以上のように、図1乃至図3を用いて説明
したように、本実施の形態による圧力導入通路30は、
圧力導入口38が1個のタイプであるので、前述したよ
うに、圧力導入口が2個あるタイプにおける吸気圧脈動
の干渉の影響を受けることはない。しかしながら、圧力
導入通路内にきれいな空気を導入できないため、圧力導
入通路30内に異物等が侵入する。この異物の侵入に対
しては、本実施の形態では、次のように構成している。
【0036】短絡通路32aの中心軸と短絡通路32b
の中心軸を直交させているため、短絡通路32aから短
絡通路32bに至る流線が折れ曲がり、急激に方向変化
するようになっている。吸気管内を流れる水分,オイ
ル,ガソリン,その他の異物等は、空気に比べて質量が
大きいため、流線が折れ曲がっている部分で曲がりきる
ことができず、直進することになり、空気と異物等の分
離を図ることができる。
【0037】ここで、さらに、流線の折れ曲がり部に、
ダミー空間34aを設け、ダミー空間34aの断面積
を、短絡通路32aの断面積に比べて大きくしている。
短絡通路32a内に空気を異物等が流入した場合、空気
は質量が小さいため、ダミー空間34aに入って、断面
積が大きくなることによりその流速が低下するが、質量
の大きい異物等は、ダミー空間34aに入っても流速が
低下することなく、両者が分離される。そして、流速の
低下しない異物等は、そのまま直進し、正面のダミー空
間34aの側壁に衝突し、その側壁にトラップされるこ
とになる。
【0038】ここで、ダミー空間34aの形状を直方体
としてあり、しかも、その平板の側壁を短絡通路32a
の中心軸に直交させる,即ち、短絡通路32aの流線に
直交させるることにより、直進した異物等を効率的にト
ラップすることができるようになっている。
【0039】従って、以上のように構成されたダミー空
間34aを設けることにより、異物等を効果的に分離し
て、短絡通路32bには、ほぼ異物等の除去された空気
を導入することができる。
【0040】さらに、短絡通路32bは、ダミー空間3
4bに連通しており、ダミー空間34bにおいても通過
する空気に含まれる異物成分を除去するようにしてい
る。そのために、短絡通路32bの中心軸とセンサ通路
36aの中心軸を交差させているため、短絡通路32a
から短絡通路32bに至る流線が折れ曲がり、急激に方
向変化するようになっている。本来的には、この方向変
化も直角にするのが効果的であるが、他の設計的要因に
基づいて斜めにしてある。吸気管内を流れる異物等は、
空気に比べて質量が大きいため、流線が折れ曲がってい
る部分で曲がりきることができず、直進することにな
り、空気と異物等の分離を図ることができる。
【0041】ここで、さらに、流線の折れ曲がり部に、
ダミー空間34bを設け、ダミー空間34bの断面積
を、短絡通路32bの断面積に比べて大きくしている。
短絡通路32b内に空気を異物等が流入した場合、空気
は質量が小さいため、ダミー空間34bに入って、断面
積が大きくなることによりその流速が低下するが、質量
の大きい異物等は、ダミー空間34bに入っても流速が
低下することなく、両者が分離される。そして、流速の
低下しない異物等は、そのまま直進し、正面のダミー空
間34bの側壁に衝突し、その側壁にトラップされるこ
とになる。
【0042】ここで、ダミー空間34bの形状を円筒形
としてあることにより、直進した異物等をトラップする
ことができるようになっている。ダミー空間34bは、
ダミー空間34aと同様に直方体とする方が、トラップ
効率は高いものであるが、上述したような設計的要因に
より、円筒形としている。なお、ダミー空間34bは、
2段目のトラップであり、大部分の異物等は第1のトラ
ップであるダミー空間34aで捕捉されているため、円
筒形としても実用上問題がないものである。それぞれの
ダミー空間のトラップ効率については、図4を用いて後
述する。
【0043】従って、以上のように構成されたダミー空
間34bを設けることにより、異物等を効果的に分離し
て、センサ通路36aには、さらに、異物等の除去され
た空気を導入することができる。
【0044】その結果、圧力センサ40の圧力導入パイ
プ42に到達する空気からは異物等を殆ど除去できるた
め、圧力センサに異物等が付着して検出感度が低下する
のを防止することができる。
【0045】なお、ダミー空間34a,34bには、ト
ラップされた異物等が蓄積されるため、異物等が蓄積さ
れても通路が詰まらないようにある程度体積を確保して
おく必要がある。
【0046】また、ダミー空間34a,34bは、その
前段に接続される短絡通路32a,32bの断面積より
も断面積を大きくして、空気と異物等を分離するように
しており、その分離効率は、断面積の比によるものであ
り、この点については、図4を用いて後述する。
【0047】次に、図4を用いて本発明の一実施の形態
による内燃機関の吸気絞り弁装置における異物の除去効
果について説明する。
【0048】図4において、横軸は、圧力導入通路の位
置を示しており、縦軸は、異物の侵入量を示している。
実験に際しては、図1乃至図3に示す構造の内燃機関の
吸気絞り弁装置の一部をプラスチックで形成し、圧力導
入通路を可視化して形成した。
【0049】また、導入する異物としては、水、オイ
ル、オイルの燃焼した煤が含まれるブローバイガスを用
い、これらの異物を吸気通路の上流側から導入するよう
にしてある。
【0050】さらに、各部の寸法は、以下のようにして
ある。短絡通路32aの断面形状は長方形とし、図3に
図示する状態で、幅2mm,高さ3mmで、断面積は6
mm2とした。ダミー空間34aの断面形状は長方形と
し、図3に図示する状態で、幅3mm,高さ4mmで、
断面積は12mm2とした。従って、ダミー空間34a
の断面積は、短絡通路32aの断面積の2倍としてあ
る。短絡通路32bの断面形状は、短絡通路32aと同
じく2mm×3mmとしてある。
【0051】ダミー空間34bの大きさは、図3に図示
する状態で、幅5mm,高さ7mmで、断面積は、頂上
の三角形のドリル穴の頂部を含めて36mm2となって
おり、ダミー空間34bの断面積は、短絡通路32bの
断面積の6倍としてある。
【0052】なお、センサ通路36a,36bの断面積
は、約6mm2としてあり、圧力導入パイプ42(内径
φ2.5mm)の断面積(約1.5mm2)の4倍とな
っている。
【0053】以上のような条件で実験を行い、目視に
て、異物の侵入量を測定した結果は、図4に示すとおり
である。図4において、実線Xで示すものが、本実施の
形態により測定した圧力導入通路の位置に対する異物の
侵入量を示している。水やオイル等が圧力導入通路内に
侵入することが確認できなかったが、ブローバイガスの
侵入による煤の付着量を目視により確認することができ
た。圧力センサ検出部の位置ではほぼ100%の異物が
除去されている。その内訳としては、ダミー空間34a
において、ほぼ85%の異物がトラップされ除去されて
いる。その後流側のダミー空間34bに壁面にも多少の
煤の付着が見られるが、ダミー空間34bにおいて残り
の15%の異物も除去され、センサ通路36aには殆ど
煤は付着しておらず、ほぼ100%の異物が除去されて
いることが確認された。
【0054】図4において、点線Yは比較例として示し
たもので、ここでは、断面積の大きくなるダミー空間3
4a,34bは使用せず、短絡通路32aと短絡通路3
2bの間に曲がり角を設け、さらに、短絡通路32bと
センサ通路36aの間に曲がり角を設けただけのもので
ある。比較例Yにおいては、曲がり角部の効果によって
15%程度の異物の侵入を除去できているが、85%は
圧力センサ検出部に到達していることが理解される。
【0055】さらに、ダミー空間34aの断面積を変え
て実験を行ったところ、ダミー空間34aの断面積を短
絡通路32aの断面積の1.5倍以上にすれば、圧力セ
ンサ検出部に侵入する異物をほぼ除去できることが判明
した。
【0056】なお、ダミー空間34a,34bは、異物
の分離と同時に、分離された異物を蓄積する空間として
も作用するため、この空間の体積は大きくしておく方
が、蓄積された異物によって通路がふさがれるのを防止
するのに好ましい。
【0057】さらに、図5を用いて、本発明の一実施の
形態による内燃機関の吸気絞り弁装置における吸気圧力
脈動の減衰効果について説明する。
【0058】吸気圧力は、エンジンの回転に同期して脈
動している。圧力センサにより検出された圧力を示す電
気信号は、A/D変換器を介して、電子制御燃料噴射装
置に取り込まれる。A/D変換器は、脈動する圧力信号
をサンプリングしながら、デジタル信号に変換し、電子
制御燃料噴射装置内のマイコンにより、脈動する圧力信
号の平均値を求めている。ここで、吸気圧力の脈動が大
きい,即ち、圧力変動幅が大きいと、デジタル信号に変
換するときの誤差が大きくなり、求められる平均値が安
定せず、変動することになる。
【0059】それに対して、図1乃至図3のように構成
された内燃機関の吸気絞り弁装置において、圧力センサ
の位置における圧力変動幅を測定してみたところ、図5
に示すようになっていた。即ち、図5において、横軸
は、圧力導入通路の位置を示しており、縦軸は、圧力変
動幅を示している。
【0060】開口端部,即ち、圧力導入口38の位置に
おける圧力変動幅が200mmHgの状態において、圧
力導入通路の各部の圧力を測定したところ、ダミー空間
34aの位置で大きく圧力変動幅が減衰することが確か
められた。これは、ダミー区間34aは、その前の短絡
通路32aに比べて断面積が大きくなっているため、そ
の空間的広がりによって脈動が吸収されるからである。
圧力導入口38の位置における圧力変動幅が200mm
Hgのとき、ダミー空間34aの位置における圧力変動
幅は160mmHgであった。従って、ダミー空間34
aは、異物等のトラップ効果とともに、吸気圧力脈動を
減衰する効果もある。
【0061】さらに、ダミー空間34bの位置でも同様
に圧力変動幅が減衰することが確かめられた。ダミー空
間34bの位置における圧力変動幅は、85mmHgで
あった。ダミー空間34bは、異物のトラップの効果も
あるが、吸気圧力脈動の減衰効果が大きいものである。
これは、ダミー空間34bの断面積は、短絡通路32b
の断面積の6倍としてあり、ダミー空間34aの断面積
の短絡通路32bの断面積に対する比率の2倍よりも大
きくなっているため、吸気圧力脈動の減衰効果が大きい
ものである。
【0062】そして、圧力センサ検出部の位置における
圧力変動幅は、80mmHgまで減衰されている。
【0063】以上説明したように、本実施の形態によれ
ば、圧力導入口が1個のタイプを用いることにより、検
出精度の低下が発生せず、しかも、ダミー空間を使用す
ることにより、圧力導入通路に侵入した異物等の影響を
受けることなく、検出感度の低下も生じなくなるもので
ある。
【0064】また、ダミー空間を使用することにより、
吸気圧力脈動を減衰し、安定したセンサ出力を得ること
ができるものである。
【0065】また、ダミー空間を2個使用することによ
り、異物等の除去効果も向上し、さらに、吸気圧力脈動
の減衰効果も向上する。
【0066】また、異物等の除去のために、フィルタを
使用する方法では、水分がフィルタに付着すると、外気
温度が低下した時フィルタが凍結し、圧力が圧力センサ
に伝達されないため、エンジン始動時の吸気負圧を検出
できず、エンジンの始動ができないということも起こり
得るが、フィルタを用いないで異物等を除去するため、
エンジンの始動性にも何等問題が生じない。
【0067】また、第1番目のダミー空間を直方体の形
状とし、その側壁が、短絡通路の流線に直交するため、
ダミー空間で空気から分離された異物等は直進して側壁
に衝突することにより、効果的に異物等をトラップする
ことができる。
【0068】次に、本発明の他の実施の形態による内燃
機関の吸気絞り弁装置について図6乃至図8を用いて説
明する。図6は、本発明の他の実施の形態による内燃機
関の吸気絞り弁装置を下流側から見た平面図であり、図
7は、図6のC−C断面図であり、図8は、本発明の他
の実施の形態による内燃機関の吸気絞り弁装置による圧
力変動幅の説明図である。
【0069】図6において、図1と同一符号は同一部分
を示している。そして、スロットルボデイ10,吸気絞
り弁20および圧力センサ40の基本的構成は、図1の
同じであるため、その説明を省略する。
【0070】以下に、圧力導入通路30’の構成につい
て説明する。吸気絞り弁20の吸気下流側の吸気管圧力
を導入する圧力導入通路30’は、スロットルボディ1
0の端面12に溝状に形成された短絡通路32aと、ス
ロットルボディ10の端面12に開口して形成された円
筒形のダミー空間34a’と、スロットルボディ10の
端面12に溝状に形成された短絡通路32b’と、スロ
ットルボディ10の端面12に開口して形成された円筒
形のダミー空間34bと、スロットルボディ10の内部
に斜めに形成されたセンサ通路36a’と、スロットル
ボディ10の内部に斜めに形成されたセンサ通路36b
から構成されている。
【0071】短絡通路32aの一端は、スロットルボデ
イ10の内壁14に開口しており、圧力導入口38を構
成している。圧力導入口38が形成される位置は、吸気
絞り弁20の弁軸24の軸端の位置となっている。圧力
導入口38は、弁軸の中心軸を通る吸気と平行な面に対
して直角な面に設けられている。短絡通路32aが延在
する方向は、弁軸24の軸方向と平行になっている。短
絡通路32aの他端は、ダミー空間34a’に接続され
ている。
【0072】短絡通路32b’の一端は、ダミー空間3
4a’に接続されており、他端は、ダミー空間34bに
接続されている。短絡通路32b’の中心軸は、短絡通
路32aの中心軸に対して直交している。ダミー空間3
4a’が設けられる位置は、短絡通路32b’の中心軸
と、短絡通路32aの中心軸が直交する位置である。
【0073】円筒形のダミー空間34a’は、その側壁
が短絡通路32aの中心軸に対して直交するように面し
ている。
【0074】図1におけるダミー空間34aは、直方体
としており、ダイキャスト製法によりスロットルボデイ
とともに一体的に形成されるのに対して、円筒形のダミ
ー空間34a’は、ドリルによる切削加工により形成す
るようにしている。これは、スロットルボア径が小さい
小排気量のエンジン等の場合に、ダミー空間34aをダ
イキャスト製法により形成できない場合に好適である。
【0075】センサ通路36a’の一端は、ダミー空間
34bに連通しており、他端は、センサ通路36bに連
通している。センサ通路36a’は、、センサ通路36
bやダミー空間34bに対して斜めに形成されている。
【0076】スロットルボデイ10の側面には、圧力セ
ンサ40が固定されている。センサ通路36bには、圧
力センサ40の圧力導入パイプ42が挿入されている。
圧力センサ40の中には、図示しない半導体式圧力・電
気変換部が備えられている。
【0077】スロットルボディ10の端面12に、サー
ジタンク等が接続固定されることにより、溝状の短絡通
路32a及び短絡通路32b’、開口したダミー空間3
4a’及びダミー空間34bは、蓋がされる。その結
果、短絡通路32a,ダミー空間34a’,短絡通路3
2b’,ダミー空間34b,センサ通路36a’,セン
サ通路36bが連通し、圧力導入通路30が構成され
る。圧力導入通路30の圧力導入口38から導入された
吸気圧力は、圧力導入通路30内を伝達され、圧力セン
サ40の圧力導入パイプ42を経て、圧力センサ40に
よって電気信号に変換される。
【0078】なお、圧力導入口38が形成される位置
は、図2に示したのと同様にして、スロットルボデイ1
0の吸気絞り弁20の下流側であって、弁軸24の下方
の位置の内壁14の位置である。
【0079】次に、図7を用いて、圧力導入通路の要部
の構成について説明する。図7は、図6のC−C矢視の
断面図である。
【0080】圧力導入通路30の短絡通路32aは、図
示するように、通路の中心軸に対して直交する平面で断
面を表した状態においてその形状が長方形である。ダミ
ー空間34a’は、円筒形であるため、その中心軸を通
る断面形状は長方形である。ダミー空間34aの断面積
は、短絡通路32aの断面積よりも大きくなっている。
短絡通路32b’は、長方形の断面形状を有しており、
その断面積は、短絡通路32aの断面積よりも小さくな
っており、圧力センサ40の圧力導入パイプ42の内径
部の断面積と等しくなっている。
【0081】ダミー空間34bは、円筒形であり、円筒
の中心を通る平面で断面を表した時の断面積は、短絡通
路32a,32b’の断面積よりも大きくなっている。
センサ通路36a’の断面形状は円形であり、その断面
積は、圧力センサ40の圧力導入パイプ42の内径の断
面積と等しくしてある。センサ通路36bの断面形状は
円形であり、圧力センサ40の圧力導入パイプ42が挿
入可能な寸法となっている。
【0082】センサ通路36a’は、センサ通路36b
やダミー空間34bに対して斜めに形成されている。
【0083】スロットルボディ10の端面12に、サー
ジタンク等が接続固定されることにより、溝状の短絡通
路32a及び短絡通路32b’、開口したダミー空間3
4a’及びダミー空間34bは、蓋がされる。その結
果、短絡通路32a,ダミー空間34a’,短絡通路3
2b’,ダミー空間34b,センサ通路36a’,セン
サ通路36bが連通し、圧力導入通路30が構成され
る。圧力導入通路30の圧力導入口38から導入された
吸気圧力は、圧力導入通路30内を伝達され、圧力セン
サ40の圧力導入パイプ42を経て、圧力センサ40に
よって電気信号に変換される。
【0084】以上のように、図6及び図7を用いて説明
したように、本実施の形態による圧力導入通路30は、
圧力導入口38が1個のタイプであるので、前述したよ
うに、圧力導入口が2個あるタイプにおける吸気圧脈動
の干渉の影響を受けることはない。しかしながら、圧力
導入通路内にきれいな空気を導入できないため、圧力導
入通路30内に異物等が侵入する。この異物の侵入に対
しては、本実施の形態では、次のように構成している。
【0085】短絡通路32aの中心軸と短絡通路32
b’の中心軸を直交させているため、短絡通路32aか
ら短絡通路32b’に至る流線が折れ曲がり、急激に方
向変化するようになっている。吸気管内を流れる水分,
オイル,ガソリン,その他の異物等は、空気に比べて質
量が大きいため、流線が折れ曲がっている部分で曲がり
きることができず、直進することになり、空気と異物等
の分離を図ることができる。
【0086】ここで、さらに、流線の折れ曲がり部に、
ダミー空間34a’を設け、ダミー空間34a’の断面
積を、短絡通路32aの断面積に比べて大きくしてい
る。短絡通路32a内に空気を異物等が流入した場合、
空気は質量が小さいため、ダミー空間34a’に入っ
て、断面積が大きくなることによりその流速が低下する
が、質量の大きい異物等は、ダミー空間34a’に入っ
ても流速が低下することなく、両者が分離される。そし
て、流速の低下しない異物等は、そのまま直進し、正面
のダミー空間34a’の側壁に衝突し、その側壁にトラ
ップされることになる。
【0087】ここで、ダミー空間34a’の形状を円筒
形としてあり、しかも、その側壁を短絡通路32aの中
心軸に直交させる,即ち、短絡通路32aの流線に直交
させるることにより、直進した異物等を効率的にトラッ
プすることができるようになっている。
【0088】従って、以上のように構成されたダミー空
間34a’を設けることにより、異物等を効果的に分離
して、短絡通路32b’には、ほぼ異物等の除去された
空気を導入することができる。
【0089】さらに、短絡通路32b’は、ダミー空間
34bに連通しており、ダミー空間34bにおいても通
過する空気に含まれる異物成分を除去するようにしてい
る。そのために、短絡通路32b’の中心軸とセンサ通
路36a’の中心軸を交差させているため、短絡通路3
2aから短絡通路32b’に至る流線が折れ曲がり、急
激に方向変化するようになっている。本来的には、この
方向変化も直角にするのが効果的であるが、他の設計的
要因に基づいて斜めにしてある。吸気管内を流れる異物
等は、空気に比べて質量が大きいため、流線が折れ曲が
っている部分で曲がりきることができず、直進すること
になり、空気と異物等の分離を図ることができる。
【0090】ここで、さらに、流線の折れ曲がり部に、
ダミー空間34bを設け、ダミー空間34bの断面積
を、短絡通路32b’の断面積に比べて大きくしてい
る。短絡通路32b’内に空気を異物等が流入した場
合、空気は質量が小さいため、ダミー空間34bに入っ
て、断面積が大きくなることによりその流速が低下する
が、質量の大きい異物等は、ダミー空間34bに入って
も流速が低下することなく、両者が分離される。そし
て、流速の低下しない異物等は、そのまま直進し、正面
のダミー空間34bの側壁に衝突し、その側壁にトラッ
プされることになる。
【0091】ここで、ダミー空間34bの形状を円筒形
としてあることにより、直進した異物等をトラップする
ことができるようになっている。なお、ダミー空間34
bは、2段目のトラップであり、大部分の異物等は第1
のトラップであるダミー空間34a’で捕捉されている
ため、円筒形としても実用上問題がないものである。
【0092】従って、以上のように構成されたダミー空
間34bを設けることにより、異物等を効果的に分離し
て、センサ通路36a’には、さらに、異物等の除去さ
れた空気を導入することができる。
【0093】その結果、圧力センサ40の圧力導入パイ
プ42に到達する空気からは異物等を殆ど除去できるた
め、圧力センサに異物等が付着して検出感度が低下する
のを防止することができる。
【0094】なお、ダミー空間34a’,34bには、
トラップされた異物等が蓄積されるため、異物等が蓄積
されても通路が詰まらないようにある程度体積を確保し
ておく必要がある。
【0095】また、ダミー空間34a’,34bは、そ
の前段に接続される短絡通路32a,32b’の断面積
よりも断面積を大きくして、空気と異物等を分離するよ
うにしている。
【0096】次に、本発明の他の実施の形態による内燃
機関の吸気絞り弁装置における異物の除去効果について
説明する。
【0097】ここで、各部の寸法は、以下のようにして
ある。短絡通路32aの断面形状は長方形とし、図7に
図示する状態で、幅2mm,高さ3mmで、断面積は6
mm2とした。ダミー空間34a’の断面形状は長方形
とし、図7に図示する状態で、幅6mm,高さ4mm
で、断面積は24mm2とした。従って、ダミー空間3
4a’の断面積は、短絡通路32aの断面積の4倍とし
てある。短絡通路32b’の断面は、1.5mm×2m
mとしてあり、短絡通路32aの断面積の1/2として
ある。
【0098】ダミー空間34bの大きさは、図7に図示
する状態で、幅5mm,高さ7mmで、断面積は、頂上
の三角形のドリル穴の頂部を含めて36mm2となって
おり、ダミー空間34bの断面積は、短絡通路32b’
の断面積の12倍としてある。
【0099】なお、センサ通路36a’の断面積は、圧
力導入パイプ42(内径φ2.5mm)の断面積(約
1.5mm2)と等しく、センサ通路36bの断面積
は、約6mm2としてあり、圧力導入パイプ42(内径
φ2.5mm)の断面積(約1.5mm2)の4倍とな
っている。
【0100】以上のような条件で実験を行い、目視に
て、異物の侵入量を測定した結果は、図4に示したもの
と同じようであった。即ち、圧力センサ検出部の位置で
はほぼ100%の異物が除去されている。その内訳とし
ては、ダミー空間34a’において、ほぼ85%の異物
がトラップされ除去されている。その後流側のダミー空
間34bに壁面にも多少の煤の付着が見られるが、ダミ
ー空間34bにおいて残りの15%の異物も除去され、
センサ通路36a’には殆ど煤は付着しておらず、ほぼ
100%の異物が除去されていることが確認された。断
面積の相違によるトラップの低下は見られなかった。
【0101】なお、ダミー空間34a’,34bは、異
物の分離と同時に、分離された異物を蓄積する空間とし
ても作用するため、この空間の体積は大きくしておく方
が、蓄積された異物によって通路がふさがれるのを防止
するのに好ましい。
【0102】さらに、図7を用いて、本発明の他の実施
の形態による内燃機関の吸気絞り弁装置における吸気圧
力脈動の減衰効果について説明する。
【0103】図6及び図7のように構成された内燃機関
の吸気絞り弁装置において、圧力センサの位置における
圧力変動幅を測定してみたところ、図8に示すようにな
っていた。即ち、図8において、横軸は、圧力導入通路
の位置を示しており、縦軸は、圧力変動幅を示してい
る。
【0104】開口端部,即ち、圧力導入口38の位置に
おける圧力変動幅が200mmHgの状態において、圧
力導入通路の各部の圧力を測定したところ、ダミー空間
34a’の位置で大きく圧力変動幅が減衰することが確
かめられた。これは、ダミー区間34a’は、その前の
短絡通路32aに比べて断面積が大きくなっているた
め、その空間的広がりによって脈動が吸収されるからで
ある。圧力導入口38の位置における圧力変動幅が20
0mmHgのとき、ダミー空間34a’の位置における
圧力変動幅は110mmHgであった。従って、ダミー
空間34a’は、異物等のトラップ効果とともに、吸気
圧力脈動を減衰する効果もある。
【0105】さらに、短絡通路32b’の断面積を短絡
通路32aの断面積の1/2とすることにより、短絡通
路32b’による吸気圧力脈動の減衰効果も現れてい
る。
【0106】さらに、ダミー空間34bの位置でも同様
に圧力変動幅が減衰することが確かめられた。ダミー空
間34bの位置における圧力変動幅は、70mmHgで
あった。ダミー空間34bは、異物のトラップの効果も
あるが、吸気圧力脈動の減衰効果が大きいものである。
これは、ダミー空間34bの断面積は、短絡通路32
b’の断面積の12倍としてあり、ダミー空間34a’
の断面積の短絡通路32b’の断面積に対する比率の2
倍よりも大きくなっているため、吸気圧力脈動の減衰効
果が大きいものである。
【0107】そして、センサ通路36a’における減衰
効果もあるため、圧力センサ検出部の位置における圧力
変動幅は、40mmHgまで減衰されている。
【0108】以上説明したように、本実施の形態によれ
ば、圧力導入口が1個のタイプを用いることにより、検
出精度の低下が発生せず、しかも、ダミー空間を使用す
ることにより、圧力導入通路に侵入した異物等の影響を
受けることなく、検出感度の低下も生じなくなるもので
ある。
【0109】また、ダミー空間を使用することにより、
吸気圧力脈動を減衰し、安定したセンサ出力を得ること
ができるものである。
【0110】また、短絡通路の断面積を小さくすること
により、吸気圧力脈動の減衰効果を向上させている。
【0111】また、ダミー空間を2個使用することによ
り、異物等の除去効果も向上し、さらに、吸気圧力脈動
の減衰効果も向上する。
【0112】また、異物等の除去のために、フィルタを
使用する方法では、水分がフィルタに付着すると、外気
温度が低下した時フィルタが凍結し、圧力が圧力センサ
に伝達されないため、エンジン始動時の吸気負圧を検出
できず、エンジンの始動ができないということも起こり
得るが、フィルタを用いないで異物等を除去するため、
エンジンの始動性にも何等問題が生じない。
【0113】
【発明の効果】本発明によれば、検出精度の低下が発生
せず、しかも、圧力導入通路に侵入した異物等の影響を
受けることなく、検出感度の低下することがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態による内燃機関の吸気絞
り弁装置を下流側から見た平面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】図1のB−B断面図である。
【図4】本発明の一実施の形態による内燃機関の吸気絞
り弁装置による異物除去効果の説明図である。
【図5】本発明の一実施の形態による内燃機関の吸気絞
り弁装置による圧力変動幅の説明図である。
【図6】本発明の他の実施の形態による内燃機関の吸気
絞り弁装置を下流側から見た平面図である。
【図7】図6のC−C断面図である。
【図8】本発明の他の実施の形態による内燃機関の吸気
絞り弁装置による圧力変動幅の説明図である。
【符号の説明】
10…スロットルボディ 12…スロットルボディ端面 14…内壁 16…主吸気通路 20…吸気絞り弁 22…弁体 24…弁軸 26…駆動レバー 30…圧力導入通路 32a,32b,32a’…短絡通路 34a,34a’,34b…ダミー空間 36a,36a’,36b…センサ通路 38…圧力導入口 40…圧力センサ 42…圧力導入パイプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 玉木 繁夫 茨城県ひたちなか市高場2477番地 株式 会社 日立カーエンジニアリング内 (56)参考文献 実開 昭62−162360(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 35/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸気通路を形成する内壁を有するスロッ
    トルボディと、 この吸気通路に回動自在に取り付けられた吸気絞り弁
    と、 この吸気絞り弁の下流の圧力を検出する圧力センサと、 上記吸気絞り弁の下流であって上記吸気通路を形成する
    内壁に一端が開口し、他端は上記圧力センサの圧力検出
    部に接続され、上記絞り弁の下流の圧力を上記圧力セン
    サに導入する圧力導入通路を有する内燃機関の吸気絞り
    弁装置において、 上記圧力導入通路は、 上記開口に連通する第1の通路と、 この第1の通路に対してその内部を流れる流体の流線が
    急激に変化する第2の通路と、 上記第1の通路及び第2の通路の連結部に設けられ、上
    記第1の通路の断面積よりも断面積の大きいダミー空間
    とから構成されることを特徴とする内燃機関の吸気絞り
    弁装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の内燃機関の吸気絞り弁装
    置において、 上記第1の通路と上記第2の通路は、直角に連結される
    ことを特徴とする内燃機関の吸気絞り弁装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の内燃機関の吸気絞り弁装
    置において、 上記ダミー空間は、直方体の形状を有し、その側壁が、
    上記第1の通路を流れる流体の流線に対して直交するこ
    とを特徴とする内燃機関の吸気絞り弁装置。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の内燃機関の吸気絞り弁装
    置において、 上記ダミー空間は、円筒形の形状を有することを特徴と
    する内燃機関の吸気絞り弁装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の内燃機関の吸気絞り弁装
    置において、 上記第2の通路の断面積を上記第1の通路の断面積より
    も小さくしたことを特徴とする内燃機関の吸気絞り弁装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の内燃機関の吸気絞り弁装
    置において、さらに、 上記第2の通路に接続され、上記第2の通路の断面積よ
    りも断面積の大きい第2のダミー空間を有することを特
    徴とする内燃機関の吸気絞り弁装置。
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