JP3027227B2 - ジメチロールヒダントイン化合物の製造方法 - Google Patents

ジメチロールヒダントイン化合物の製造方法

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JP3027227B2 JP3134506A JP13450691A JP3027227B2 JP 3027227 B2 JP3027227 B2 JP 3027227B2 JP 3134506 A JP3134506 A JP 3134506A JP 13450691 A JP13450691 A JP 13450691A JP 3027227 B2 JP3027227 B2 JP 3027227B2
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淳 尾留川
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、殺菌剤、繊維処理剤等
として有用なジメチロールヒダントイン化合物の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】ヒダントイン化合物をホルムアルデヒド
と反応させてメチロール化する方法は公知であり、種々
の特許が開示されている。例えば、ヒダントイン化合
物1モルに対し、ホルムアルデヒド3〜5モルを 80〜8
5℃、20〜30分反応させて製造する方法(特公昭41−470
9号公報)、ヒダントイン化合物1モルに対し、ホル
ムアルデヒド 1.85〜2.40モルをpH7〜9、温度 22〜
65℃で反応させて製造する方法(米国特許第3,987,184
号)等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、の方法で
は、過剰のホルムアルデヒドが副反応を起こし、ギ酸、
メチルアルコール、グリコールアルデヒド等の好ましく
ない副生物を生ずる。また、未反応のホルムアルデヒド
を除去する精製工程が必要となる。一方、の方法で
は、副生するモノメチロールヒダントイン化合物や残存
するホルムアルデヒドが多く、また、反応に長時間を要
するので、品質上、及び、生産効率上、好ましくない。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
課題を解決するために鋭意検討した結果、反応条件とし
て原料の仕込量、反応温度、及び、反応液のpHを特定
するという事実が有効であることを見出し、本発明を完
成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は、ヒダントイン化合物
をホルムアルデヒドを用いてメチロール化してジメチロ
ールヒダントイン化合物を製造するに際して、ヒダント
イン化合物1モルに対し、ホルムアルデヒド 1.95〜2.3
0モルを 反応温度 70〜90℃、及び、pH 6.8〜9.0で反
応させることを特徴とするジメチロールヒダントイン化
合物の製造方法である。
【0006】本発明で原料として用いるヒダントイン化
合物は、5位に置換基を有する、又は、無置換のヒダン
トインで、一般式(1) 〔化1〕
【0007】
【化1】 (式中、R1及びR2 はそれぞれ独立に水素原子、炭素
数1〜6のアルキル基、又は、芳香族炭化水素基を示
す。)で表される。一般式(1) で表されるヒダントイン
化合物の具体例としては、ヒダントイン、5,5-ジメチル
ヒダントイン、5-メチルヒダントイン、5-エチルヒダン
トイン、5-プロピルヒダントイン、5-イソプロピルヒダ
ントイン、5-ブチルヒダントイン、5-イソブチルヒダン
トイン、5-フェニルヒダントイン 等を挙げることがで
きる。特に、目的物のジメチロールヒダントイン化合物
を殺菌剤、繊維処理剤等に使用する場合、原料のヒダン
トイン化合物としては、5,5-ジメチルヒダントインが好
ましい。前記ヒダントイン化合物と反応させるホルムア
ルデヒドは、ホルムアルデヒド水溶液、パラホルムアル
デヒド等のいずれでもよい。
【0008】本発明において、目的物のジメチロールヒ
ダントイン化合物の具体例としては、ジメチロールヒダ
ントイン、ジメチロール-5,5-ジメチルヒダントイン、
ジメチロール-5-メチルヒダントイン、ジメチロール-5-
エチルヒダントイン、ジメチロール-5-プロピルヒダン
トイン、ジメチロール-5-イソプロピルヒダントイン、
ジメチロール-5-ブチルヒダントイン、ジメチロール-5-
イソブチルヒダントイン、ジメチロール-5-フェニルヒ
ダントイン 等を挙げることができる。
【0009】本発明では、ヒダントイン化合物とホルム
アルデヒドを特定の条件で反応させる際だけ、高純度の
目的物を効率よく製造することが可能であり、重要な条
件は、原料であるヒダントイン化合物とホルムアルデヒ
ドの仕込量、反応温度、及び、反応液のpHである。
【0010】原料の仕込量は、ヒダントイン化合物1モ
ルに対して、ホルムアルデヒド 1.95〜2.30モルを反応
させる。ホルムアルデヒドの仕込みモル比が 1.95 未満
の場合、反応終了後も未反応のヒダントイン化合物の残
存量が多く、また、ホルムアルデヒドの仕込みモル比が
2.30 を越える場合は、過剰分ホルムアルデヒドの除去
・精製工程が煩雑となるので好ましくない。 なお、前
記の方法(特公昭41−4709号公報)においては、ヒダ
ントイン化合物に対するホルムアルデヒドのモル比が3
以下となると、目的物の収率が急激に低下すると記載さ
れている。しかし、本発明の方法では、このような収率
の低下は認められない。収率の低下には、pH等その他
の反応条件が影響していると考える。
【0011】反応温度は、70〜90℃の範囲が反応時間及
び副生物の生成量の面から好ましい。特に好ましい反応
温度の範囲は 75〜85℃である。また、反応液のpHは
6.8〜9.0の範囲が好ましく、この範囲をはずれると副生
物の生成量が増大する。通常、反応液は弱酸性であるの
で、アルカリによりpHを調節する。pHの調節にアル
カリを使用する場合、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、炭酸カリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ金属
又はアルカリ土類金属の水酸化物や炭酸塩が好ましく、
酸を使用する場合は、硫酸、塩酸等の鉱酸がよい。 反
応時間は 20〜40分でほぼ完了するが、残存ホルムアル
デヒド量をできるだけ減らすため、50〜80分の時間が好
ましい。
【0012】また、本発明において、反応溶媒としては
水、有機溶媒、又は、水と有機溶媒の混合溶媒のいずれ
でもよい。有機溶媒としては、メチルアルコール、エチ
ルアルコール等のアルコール類が好ましい。 本発明で
は、反応終了時、目的物のジメチロールヒダントイン化
合物は水、有機溶媒、又は、水と有機溶媒の混合液に溶
解して存在する。このジメチロールヒダントイン化合物
は、そのまま溶液で殺菌剤、繊維処理剤等の用途に供す
ることができる。また、この溶液を濃縮し、濃縮液とし
て供することも、また、目的物の飽和溶解度以上に濃縮
して晶析し、分離して結晶として供することも可能であ
る。特に、目的物のジメチロールヒダントイン化合物を
水溶液の形態で得たい場合には、反応溶媒としては、水
が好ましい。この場合、反応終了後のジメチロールヒダ
ントイン化合物水溶液は精製せず、又は、結晶として単
離することなく、そのまま製品にすることが可能であ
る。
【0013】
【実施例】以下に実施例で、本発明を詳細に説明する。
以下において、「%」は特記する以外はモル基準であ
る。
【0014】実施例1 フラスコ(容量2lit、ガラス製、四ツ口)に、92重量
%パラホルムアルデヒド359.1g(11.0モル相当)、水
726g、及び、4重量%水酸化ナトリウム水溶液4.0gを
仕込み、攪拌しながら 80℃に加熱する。この溶液に 5,
5-ジメチルヒダントイン 678.4g(5.30モル)を加え
て、80℃で60分間反応させた。この間、反応液のpHは
7.1〜7.5 であった。反応終了後、反応液を液体クロマ
トグラフ分析した結果、水溶液中のジメチロール-5,5-
ジメチルヒダントインは 899.3g(4.77モル)で収率 9
0.0%( 5,5-ジメチルヒダントイン基準)、副生するモ
ノメチロール-5,5-ジメチルヒダントインは 82.2g(0.
52モル)、及び、残存するホルムアルデヒドは 27.0g
(0.9 モル)であった。
【0015】実施例2 フラスコ(容量2lit、ガラス製、四ツ口)に、37重量
%ホルムアルデヒド水溶液 892.8g(11.0モル相当)、
水 192g、及び、4重量%水酸化ナトリウム水溶液 4.0
gを仕込み、攪拌しながら 80℃に加熱する。この溶液
にヒダントイン 534.8g(5.30モル)を加えて、80℃で
60分間反応させた。この間、反応液のpHは 7.1〜7.7
であった。反応終了後、反応液を液体クロマトグラフ分
析した結果、水溶液中のジメチロールヒダントインは 7
46.2g(4.66モル)で収率 87.9%(ヒダントイン基
準)、副生するモノメチロールヒダントインは 82.7g
(0.64モル)、及び、残存するホルムアルデヒドは 28.
5g(0.9モル)であった。
【0016】比較例1〜6 実施例1において、表1中の反応条件に変えて、全く同
様に操作した。得られた反応液を液体クロマトグラフ分
析し、その結果を表1に示す。
【0017】
【表1】
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、副生物や残存するホル
ムアルデヒドが少ないジメチロールヒダントイン化合物
を、短時間に高収率で製造できる。そのため、特に精製
工程を必要とせず、得られる製品はそのまま殺菌剤、繊
維処理剤等の用途に供することができる。すなわち、原
料仕込量が本発明の範囲外である比較例1では、目的物
であるジメチロールヒダントイン化合物の収率が低く、
副生物であるモノメチロールヒダントイン化合物の生成
量が多く、また、比較例2では、ホルムアルデヒドの残
存量が非常に多い。 また、反応温度が本発明の範囲外
である比較例3、4では、目的物の収率が低く、副生物
の生成量が多く、反応液が淡黄色になった。 更に、反
応液のpHが本発明の範囲外である比較例5では、目的
物の収率が低く、副生物の生成量やホルムアルデヒドの
残存量が多く、また、比較例6では、目的物の収率が低
い。 これに対し、原料仕込量、反応温度、及び、反応
液のpHが本発明の範囲内である実施例1、2では、目
的物の収率が高く、副生物の生成量やホルムアルデヒド
の残存量が少ないことが明らかであり、本発明の意義は
大きい。
フロントページの続き (72)発明者 景山 孝幸 千葉県茂原市東郷1900番地 三井東圧化 学株式会社内 (72)発明者 下栃棚 勝 千葉県茂原市東郷1900番地 三井東圧化 学株式会社内 審査官 星野 紹英 (56)参考文献 米国特許3987184(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 233/78

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒダントイン化合物をホルムアルデヒド
    を用いてメチロール化してジメチロールヒダントイン化
    合物を製造するに際して、ヒダントイン化合物1モルに
    対し、ホルムアルデヒド 1.95〜2.30モルを 反応温度 7
    0〜90℃、及び、pH 6.8〜9.0で反応させることを特徴
    とするジメチロールヒダントイン化合物の製造方法。
  2. 【請求項2】 反応温度が 75〜85℃であることを特徴
    とする請求項1記載の方法。
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US5616722A (en) * 1995-12-05 1997-04-01 Mcintyre Group, Ltd. Antimicrobial solution of formaldehyde substituted hydantoin and process for preparation
CN114014811A (zh) * 2021-12-13 2022-02-08 陕西省石油化工研究设计院 一种1,3-二羟甲基-5,5-二甲基乙内酰脲的制备方法

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