JP3026915B2 - 冷温水配管取付温度計用アタッチメント - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、メネジ又はオネジの螺
合部及び該螺合部の軸上に延びる温度検出部を有する温
度計本体を備え空調設備の冷温水配管内の冷温水の温度
を計測する冷温水配管取付温度計に関する。

【０００２】

【従来の技術】図４は空調配管内の水温を計測する平型
保護管式温度計の全体の構成概要を示す図、図５は温度
計本体と平型用保護管の細部を示す図である。図中、１
０は温度計本体、１１は本体ＡＤＣケース、１２はカラ
回りネジ、１３は中棒、１４は中パイプ、１５は温度検
出部、２０は保護管を示す。

【０００３】空調設備による空調制御を行うため平型温
度計（アルコール温度計）やバイメタル式温度計等を冷
温水配管に取り付け、配管を流れる冷温水の温度を計測
している。市販の平Ｌ型保護管式温度計（横浜計器製）
の構成概要を示したのが図４であり、（ａ）は正面図、
（ｂ）は側面図である。

【０００４】平Ｌ型保護管式温度計は、図４に示すよう
に温度計本体１０とその後下部に螺合される中空の保護
管２０からなり、保護管２０が例えば冷温水配管に取り
付けられ冷温水中に浸される。温度計本体１０の後下部
は、図５に示すように本体ＡＤＣケース１１に螺合部と
してのカラ回りネジ１２、中棒１３を介して中パイプ１
４が固定され、その中に温度検出部１５が収納されてい
る。これに対し、保護管２０は、一端を開放端としてカ
ラ回りネジ１２に対向する螺合部を有し空調設備の冷温
水配管に固定し他端を非開放端として冷温水中に浸す熱
伝導の良好な材料からなり、中棒１３、中パイプ１４、
温度検出部１５を覆うようにして一端の螺合部でカラ回
りネジ１２に螺合される。このように保護管２０が計測
位置の冷温水等の中に浸されるので、温度検出部１５
は、保護管２０を介して冷温水等の温度を計測し、その
計測値が温度計本体１０の正面に表示される。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
温度計では、上記のように保護管２０を介して温度を計
測するように保護管２０にステンレスや銅等の熱伝導の
良好な材料が用いられているため、冷温水等の熱が保護
管２０を介して温度計本体１０にもそのまま伝わってし
まうという問題がある。このことにより、冷水配管の場
合には、温度計本体側において結露が生じやすくなり、
また、温水配管の場合には、温度計本体が熱くなってし
まう。しかも結露は、しずくとなるため配管を覆ってい
る保温材や周囲の機器類を濡らし、機材を傷める等の悪
影響を与えるという問題がある。

【０００６】本発明は、上記の課題を解決するものであ
って、温度計本体に結露が生じるのを防ぐことができる
冷温水配管取付温度計用アタッチメイトを提供すること
を目的とするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】そのために本発明は、螺
合部及び該螺合部の軸上に延びる温度検出部を有する温
度計本体と、一端を開放端として前記螺合部に対向する
螺合部を有し空調設備の冷温水配管に固定し他端を非開
放端として冷温水中に浸す熱伝導の良好な材料からなる
中空の保護管とを備え、前記温度計本体の螺合部と前記
保護管の螺合部とがメネジとオネジで螺合することによ
り前記保護管内に前記温度検出部を挿入し前記保護管を
介して前記冷温水配管内の冷温水の温度を計測するよう
に構成した冷温水配管取付温度計に対して、前記温度計
本体の螺合部と前記保護管の螺合部との間に挿入配置す
るアタッチメントであって、前記温度検出部が貫通する
中空の断熱性材料からなり、一端に前記温度計本体の螺
合部に対向する螺合部を、他端に前記保護管の螺合部に
対向する螺合部をそれぞれ有し、該それぞれの螺合部を
前記温度計本体の螺合部及び前記保護管の螺合部のそれ
ぞれに螺合して前記温度計本体と前記保護管との間を断
熱するように構成したことを特徴とするものである。

【０００８】

【作用】本発明の冷温水配管取付温度計用アタッチメン
トでは、螺合部及び該螺合部の軸上に延びる温度検出部
を有する温度計本体と温度検出部を挿入し先端を非開放
端として冷温水中に浸す熱伝導の良好な材料からなる中
空の保護管との間に中空の断熱性材料を螺合、連結し、
温度計本体の温度検出部を断熱性材料を貫通して保護管
内まで挿入することにより保護管を介して冷温水配管内
の冷温水の温度を計測するので、計測する冷温水の熱が
保護管から温度計本体へ伝播するのを防ぐことができ
る。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ説
明する。図１は本発明に係る冷温水配管取付温度計用ア
タッチメントの１実施例を示す図である。Ａは冷温水配
管取付温度計用アタッチメント、１は温度計側メネジ
部、２は保護管側オネジ部、３は中空部を示す。

【００１０】本発明に係る冷温水配管取付温度計用アタ
ッチメントＡは、図１に示すように例えばアクリル樹脂
や耐熱性樹脂等の断熱性材料を用いたものであり、中棒
１３や中パイプ１４、温度検出部１５が貫通する中空部
３を有するパイプ状のもので、温度計本体及び保護管の
それぞれに螺合するために、一端に温度計本体の螺合部
に対向する螺合部として温度計側メネジ部１を、他端に
保護管の螺合部に対向する螺合部として保護管側オネジ
部２をそれぞれ有するものである。温度計側メネジ部１
は、図５にあって保護管２０の代わりにカラ回りネジ１
２に螺合され、保護管側オネジ部２は、図５にあってカ
ラ回りネジ１２の代わりに保護管２０に螺合されるもの
である。つまり、冷温水配管取付温度計用アタッチメン
トＡは、熱伝導の悪い例えばアクリル樹脂のような断熱
性材料を用いたものであり、従来カラ回りネジ１２とそ
れに直接螺合していた保護管２０との間に挿入配置さ
れ、カラ回りネジ１２が冷温水配管取付温度計用アタッ
チメントＡを介して保護管２０に連結される。

【００１１】上記のように温度計本体と保護管との間に
断熱性の冷温水配管取付温度計用アタッチメントＡを介
在させることにより、冷水の温度に冷やされた保護管と
室温の温度計本体との間を断熱することができるので、
冷水の熱で温度計本体が冷やされて結露するのを防ぐこ
とができ、また、温水の熱で温度計本体が熱くなってし
まうのを防ぐことができる。

【００１２】図２は本発明に係る冷温水配管取付温度計
用アタッチメントの変形例を示す図、図３は本発明に係
る冷温水配管取付温度計用アタッチメントの他の実施例
を示す図であり、４は偏平部、Ｂは保護管部を示す。

【００１３】本発明に係る冷温水配管取付温度計用アタ
ッチメントは、温度計と保護管との間でそれぞれに螺合
するため、図１に示すような外周全体を円筒状とするの
ではなく、図２に示すようにメネジ部外周両側に偏平部
４を設けたものであり、このようにすると、モンキース
パナ等で挟持しやすくなるので、締めつけ作業が容易に
なる。

【００１４】また、図１に示す冷温水配管取付温度計用
アタッチメントに、図３に示すように保護管部Ｂを取り
付けてそのまま従来の保護管の代用としてもよい。この
場合の保護管部Ｂは、熱伝導の良好なステンレスや銅等
の材料が用いられる。なお、保護管部Ｂを取り付けた方
に示したオネジ部は、例えば冷温水配管に取り付けるた
めに用いられる。

【００１５】なお、本発明は、上記の実施例に限定され
るものではなく、種々の変形が可能である。例えば上記
の実施例では、平Ｌ型保護管式温度計に適用した例を示
したが、他の温度計のアタッチメントとして用いても良
いことはいうまでもない。また、本発明のアタッチメン
トを直接温度計本体や保護管に組み込んで構成してもよ
い。

【００１６】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、冷温水配管取付温度計用アタッチメントとし
て、冷水に直接接触する保護管と温度計本体との間に断
熱材を介在させるので、温度計本体において、冷水によ
り冷やされて結露が生じるのを防ぐことができ、温水に
より温度計本体が熱くなってしまうのを防ぐことができ
る。また、保護管と温度計本体との間の螺合部を利用し
てアタッチメントを螺合により取り付けるので、取り付
け作業も簡単であり、既設の温度計にも簡便に装着する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明に係る冷温水配管取付温度計用アタッ
チメントの１実施例を示す図である。

【図２】 本発明に係る冷温水配管取付温度計用アタッ
チメントの変形例を示す図である。

【図３】 本発明に係る冷温水配管取付温度計用アタッ
チメントの他の実施例を示す図である。

【図４】 空調配管内の水温を計測する平型保護管式温
度計の全体の構成概要を示す図である。

【図５】 温度計本体と平型用保護管の細部を示す図で
ある。

【符号の説明】

１…温度計側メネジ部、２…保護管側オネジ部、３…中
空部、Ａ…温度計用アタッチメント

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 螺合部及び該螺合部の軸上に延びる温度
   検出部を有する温度計本体と、一端を開放端として前記
   螺合部に対向する螺合部を有し空調設備の冷温水配管に
   固定し他端を非開放端として冷温水中に浸す熱伝導の良
   好な材料からなる中空の保護管とを備え、前記温度計本
   体の螺合部と前記保護管の螺合部とがメネジとオネジで
   螺合することにより前記保護管内に前記温度検出部を挿
   入し前記保護管を介して前記冷温水配管内の冷温水の温
   度を計測するように構成した冷温水配管取付温度計に対
   して、前記温度計本体の螺合部と前記保護管の螺合部と
   の間に挿入配置するアタッチメントであって、 前記温度検出部が貫通する中空の断熱性材料からなり、
   一端に前記温度計本体の螺合部に対向する螺合部を、他
   端に前記保護管の螺合部に対向する螺合部をそれぞれ有
   し、該それぞれの螺合部を前記温度計本体の螺合部及び
   前記保護管の螺合部のそれぞれに螺合して前記温度計本
   体と前記保護管との間を断熱するように構成したことを
   特徴とする冷温水配管取付温度計用アタッチメント。
2. 【請求項２】 メネジ側の螺合部外周両側に偏平部を有
   することを特徴とする請求項１記載の冷温水配管取付温
   度計用アタッチメント。