JP3026659B2 - ファクシミリ装置 - Google Patents

ファクシミリ装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、制御系のデータと画像
系のデータとを格納する共有メモリを有するファクシミ
リ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ファクシミリ装置は、急激に企業
内に浸透し、ビジネスに必須のOA機器としての地位を
確立してきている。また、現在は、その機能の拡充と低
価格化が進み、ハイエンドからローエンドまで充実した
ラインナップが開発されている。さらに、最近では、主
にISDN回線に接続するG4ファクシミリの低価格化
も進み、高画質・高速伝送・高機能により、その需要も
拡大しつつある。
【0003】従来、G4ファクシミリでは、通信回線が
高速であることと、比較的高速なI/O(スキャナ・プ
リンタ)を使用していることから、高速のデータ処理技
術が要求される。そのため、システムの構造は、画像バ
スと制御バスとを独立させた構成とすることが多く、画
像処理・通信制御等に多くのLSIを用いるためにコス
トが非常に高くなっている。
【0004】このような状況の中で、LSIの高機能化
とコストダウンにより装置コストが低減されてきてい
る。また、共有メモリを用いて装置を構成することによ
り、システムの縮小化が実現でき、大部分のワークメモ
リにダイナミックRAMを使用することができることか
ら、さらにコストダウンの実現が可能となる。
【0005】
【発明が解決しようとしている課題】しかしながら、上
記のメモリを用いた装置においては、画像データのハン
ドリング、特に、通信上のフォーマットデータから画像
データを取り出し、パッキングする処理に負荷がかかっ
ている。このフォーマットデータは、プロトコル上のデ
ータと画像データにより構成され、フォーマットデータ
中の画像データは、画像データ1ページ分を分解して構
成されたものである。また、プロトコルデータを解析し
ないとフォーマットデータから画像データを取り出せな
い。従って、受信したフォーマットデータより画像デー
タを取り出さないと、画像データ1ページ分は復元でき
ない構成となっている。
【0006】また、共有メモリを使用した場合、フォー
マットデータがそのまま共有メモリに格納されるため、
画像データが蓄積されたアドレスは不規則な状態にな
る。この状態で圧縮コードの復号化を行なうと、アドレ
ス制御が非常に複雑となり、CPUが画像データのパッ
キングを行うことが、CPUにかかる負担を非常に大き
くする。
【0007】さらに、CPU上に接続するDMAコント
ローラを用いてパッキングを行なっても、CPUバスを
占有することとなり、CPUがパッキングするときの負
荷と変らなくなる。本発明は、かかる点に鑑みて成され
たもので、その目的とするところは、制御部に負荷をか
けず、また、制御系のバスを専有することなくフォーマ
ットデータから画像データを取出し、パッキングするフ
ァクシミリ装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、本発明は、制御系のデータと画像系のデータとを格
納するための共有メモリを備えるファクシミリ装置にお
いて、制御系データを扱う第1の伝送路と、画像系デー
タを扱う第2の伝送路と、前記第1の伝送路を介して受
信データを前記共有メモリに格納する手段と、前記格納
された受信データに含まれる画像系データを、前記第2
の伝送路を用いて前記共有メモリ内で該データの転送を
行なう手段とを備える。好ましくは、前記画像系データ
の転送は、前記第2の伝送路を介して行なわれる処理
中、その優先順位が最低である。
【0009】
【作用】以上の構成において、制御系バスを占有するこ
となく画像データをパッキングするよう機能する。
【0010】
【実施例】以下、添付図面を参照して、本発明に係る好
適な実施例を詳細に説明する。図1は、本発明の実施例
に係るファクシミリ装置の全体構成を示すブロック図で
ある。同図において、制御部1は、不図示のCPU・R
OM・RAM・時計IC・I/O・CG ROM等によ
り構成されるマイクロコンピュータであり、マイクロコ
ンピュータをソフトウエア制御することにより、本ファ
クシミリ装置全体の動作制御や各種データの管理を行な
う。操作部2では、各種キー・表示部等(不図示)によ
り構成され、オペレータによるキー入力の受け付けや、
各種情報の表示を行なう。また、通信制御部3は、不図
示の回線インターフェース・電話回路等より成り、画像
データ・通信制御データの送受信、電話の発着呼制御を
行なう。
【0011】読取部4は、不図示のCCD・AD変換回
路・画像処理回路等により構成され、光学的に読み取ら
れたデータに対して光電変換・AD変換・画像補正・2
値化処理等の画像処理を行なう。記録部5は、例えば、
サーマルプリンタ・レーザビームプリンタ等の画像出力
装置であり、読取部4で読み取られた画像データ・受信
した画像データ、あるいは制御部1にて形成した画像デ
ータを出力する。また、画像処理部6では、読取部4で
読み取った画像データを圧縮コードに符号化する符号化
制御、受信した圧縮コードを生画像データに復号化する
復号化制御、また、画像データの縮小・拡大の画像変換
制御を行なう。
【0012】共有メモリ8には、読み取った画像データ
・復号化したコードデータ・受信したコードデータ・復
号化した生画像データを蓄積したり、制御部1が取り扱
う制御データや通信制御部3が受信した受信データを蓄
積する。また、バスアービタ7は、制御データバス1
0、画像データバス11のそれぞれが共有メモリをアク
セスする際のハンドリング制御を行なう。そして、DM
Aコントローラ(DMAC)9は、画像の読取部4、記
録部5、画像処理部6が共有メモリをアクセスするとき
のアドレス制御を行なうとともに、共有メモリ8内での
メモリ−メモリの画像転送制御を行なう。
【0013】次に、本実施例に係るファクシミリ装置の
動作説明を行なう。図2は、本実施例に係るファクシミ
リ装置における通信上のフォーマットデータのデータ構
造を示すもので、フォーマットデータはプロトコルデー
タと画像データとから成る、いわゆるHDLCのフレー
ム構成をとる。本ファクシミリ装置では、通信制御部3
(図1)で受信した、図2にて示されるフォーマットデ
ータをバスアービタ7を介して共有メモリ8に蓄積す
る。
【0014】また、図3は、図2に示されるフォーマッ
トデータを本ファクシミリ装置の共有メモリ8に格納し
た様子を示す図である。同図に示すように、画像データ
は、プロトコルデータをはさんで不規則に格納されてお
り、この状態で、圧縮コードデータである画像データを
復号化することは、アドレス制御を非常に複雑にし、高
速な復号化処理を実行することはできない。
【0015】例えば、G3ファクシミリ等、処理が低速
な装置においては、主制御部(CPU)が、直接、圧縮
コードの復号化処理を行なうことが可能となり、ここに
おいてアドレス制御の複雑さは問題にはならない。しか
し、本実施例に係るファクシミリ装置のように、圧縮コ
ードの符号化・復号化を専用の画像処理部で行なう場合
には、複雑なアドレス制御がデータ処理速度を大幅に遅
らせる原因ともなり、また、それを回避するために特別
な構成をとることは、回路の複雑化、装置のコストアッ
プにもつながる。
【0016】そこで、本実施例では、図3に示した共有
メモリに格納された画像データを、図4に示した状態に
並び替えてから圧縮コード復号化処理を行なう。本ファ
クシミリ装置での、この並び替え制御は、図1に示した
DMAC9を用いて行ない、画像データバス11に接続
されるI/O(不図示)が共有メモリ8をアクセスしな
いときに、メモリ−メモリの画像転送を実行する。尚、
このメモリ−メモリの画像転送制御については公知であ
るため、ここでは、その説明を省略する。
【0017】次に、本実施例に係るファクシミリ装置で
のデータ制御手順(データを受信してから出力するま
で)を説明する。図5は、本実施例のファクシミリ装置
における、データ受信から画像データ転送までの制御手
順を示すフローチヤートである。同図において、ステツ
プS1でデータ受信を判断し、データ受信があった場
合、ステツプS2で受信データを解析する。そして、続
くステツプS3で、受信データ中に画像データが存在す
るか否かを判定し、画像データがあれば、ステツプS4
に進んで、転送バイト数と転送アドレスをセットする。
その後、ステツプS5でDMAに起動をかけることで、
DMAは、画像データバス11が空いているときに画像
データの転送を行なう。
【0018】図6は、実施例に係るファクシミリ装置の
共有メモリ上で、転送した画像データ(圧縮コードデー
タ)と圧縮コードデータを復号化した生画像データをバ
ッファ構造にて管理した様子を示す図である。そして、
このバッファ構造で、画像復号化処理・印字処理の制御
例を示したのが、図7に示すフローチヤートである。図
7に示すフローチヤートにおいて、ステツプS11で
は、受信した画像データを転送した結果、図6に示すコ
ードバッファが満杯になったか否かを検知する。そし
て、コードバッファがFULLと判定された場合、ステ
ツプS12に進んで、FULLとなったコードバッファ
内の画像データの復号化に起動をかける。
【0019】ステツプS13では画像データの復号化の
終了を判定し、復号化が終了している場合はリターンと
する。また、ステツプS13で、復号化が終了していな
いと判定されたときは、ステツプS14で、図6の生画
像がFULLになったかどうかを検知する。ここで、同
バッファがFULLになっていない場合は、ステツプS
13に処理を戻し、画像データの復号化の終了を判定す
る。
【0020】ステツプS14で、生画像バッファがFU
LLになったと判定された場合は、ステツプS15で、
画像出力(印字)を開始する。以上の処理を繰り返すこ
とにより、受信データを順次、印字出力する。尚、ここ
では、このDMAによる画像データの転送処理は、画像
データバス11に接続される読取部4や記録部5等が画
像データバス11をアクセスして行なう処理よりも、優
先順位が低い。
【0021】以上説明したように、本実施例によれば、
共有メモリに蓄積されたフォーマットデータを、順次解
析して画像データの範囲を検知した後、DMAコントロ
ーラを用いてフォーマットデータ内の画像データのみを
共有メモリの別エリアに転送することにより、共有メモ
リ内で画像データのみを配列したデータ列のパッキング
を行なうことができるため、制御部の負担を軽減して画
像処理部での高速な復号化処理が可能となるという効果
がある。
【0022】また、共有メモリの画像データ転送を、画
像データバスに接続される他の装置が共有メモリをアク
セスしないときに行なうことにより、画像データ転送に
よるそれぞれの装置でのスループット低下を防ぐことが
できるという効果がある。尚、本発明は、複数の機器か
ら構成されるシステムに適用しても、1つの機器から成
る装置に適用しても良い。
【0023】
【発明の効果】以上の説明したように、本発明によれ
ば、制御系バスと分離した画像系バスに接続したDMA
コントローラにて受信データ内の画像データ部分のみを
共有メモリの別エリアに転送することで、画像データの
みを配列したデータ列をパッキングして高速に復号化処
理が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るファクシミリ装置の全体
構成を示すブロック図、
【図2】実施例に係るファクシミリ装置における通信上
のフォーマットデータのデータ構造を示す図、
【図3】フォーマットデータを共有メモリに格納した様
子を示す図、
【図4】共有メモリに格納された画像データを並び替え
た状態を示す図、
【図5】実施例のファクシミリ装置におけるデータ受信
から画像データ転送までの制御手順を示すフローチヤー
ト、
【図6】実施例に係るファクシミリ装置の共有メモリ上
でのデータ管理の様子を示す図、
【図7】実施例に係るファクシミリ装置での画像復号化
処理・印字処理の制御例を示すフローチヤートである。
【符号の説明】
1 制御部 2 操作部 3 通信制御部 4 読取部 5 記録部 6 画像処理部 7 バスアービタ 8 共有メモリ 9 DMAC 10 制御データバス 11 画像データバス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 1/00 H04N 1/21

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制御系のデータと画像系のデータとを格
    納するための共有メモリを備えるファクシミリ装置にお
    いて、 前記制御系データを扱う第1の伝送路と、 前記画像系データを扱う第2の伝送路と、 前記第1の伝送路を介して受信データを前記共有メモリ
    に格納する手段と、 前記格納された受信データに含まれる画像系データを、
    前記第2の伝送路を用いて前記共有メモリ内でデータ転
    送を行なう手段とを備えることを特徴とするファクシミ
    リ装置。
  2. 【請求項2】 前記画像系データの転送は、前記第2の
    伝送路を介して行なわれる処理の中でその優先順位が最
    低であることを特徴とする請求項1に記載のファクシミ
    リ装置。
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