JP3026225U - 飲料容器ホルダー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 車両の室内のエアコン吹き出し口に取り付け
て使用し、前面にルーバー部材を備えて送風の向きを調
整可能な飲料容器ホルダーの本体を一体構造とし、しか
もルーバー部材の組み込み工程も簡単なものとして、金
型、部品、作業工数等にかかるコストを節減する。 【構成】 飲料容器ホルダー本体１の円弧状前面開口部
には、複数のフィン２ａを備え、左右方向に円弧に沿っ
て摺動可のルーバー部材２が組付けられる。組付けは本
体１の庇状に前方へ突出した段差部１ｂ下面の案内溝等
に対し、ルーバー部材２の上部の突起等を嵌入させ、本
体１の底面に設けた軸穴２ｅに対し、ルーバー部材２の
下部から後方へ延設したアーム２ｂを撓ませて先端の下
向きの軸２ｅを嵌合させて行う。本体１の案内溝や突
起、軸穴は金型抜き方向に形成できるので、本体１は一
体構造とすることができ、ルーバー部材２の取り付けも
簡単である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は缶コーヒー、紙コップ等の飲料容器を転倒しないように保持する装置 に関し、とくに自動車車室内のエアコン吹出口に装着する飲料容器ホルダーに関 する。

【０００２】

【従来の技術】

従来から自動車のエアコン吹出口のルーバー部材を利用して装着して、缶コー ヒー、紙コップ等の飲料容器を転倒しないように保持するとともに、吹き出す送 風を利用して飲料を冷却したり、温めたりする装置は公知であり、例えば実開平 ５−５８４５７、同６２３３３号公報には自動車のエアコン吹出口のルーバー部 材に装着し、該装着によって阻害される空気の流れを補正するために、その飲料 容器ホルダー前面には水平方向に回動自在なルーバー部材を設けたものが開示さ れている。

【０００３】 前記した公報に開示された装置の概略を図１２に示す。２０は飲料容器ホルダ ー本体であって、本体上部２１、本体下部２２の上下２体に分割され、両者を組 み立てる際に中間にルーバー部材２３を挟み込むような形で組み立てる。ルーバ ー部材２３の前面は円弧状であり、その上端縁２３ａを本体上部２１の円弧状の 前端縁に沿ってその下面に形成した円弧状の溝２１ａに嵌入させ、同様にその下 端縁２３ｂを本体下部２２の円弧状の前端縁に沿ってその上面に形成した円弧状 の溝２２ａに嵌入させて回動自在とし、この回動動作によって吹き出す空気の向 きを調整するようになっている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、このような従来の飲料容器ホルダーにおいては、飲料容器ホル ダー本体を上下２体に分割して構成しなければならず、そのため金型の費用、部 品のコスト等の点で問題があり、さらに上下の部品を組み立てる手間もかかり、 不合理な面のあるものであった。また、この構造ではたとえ上下一体の部品とし て本体を成形しようとしても、金型から製品を抜く構造の点で不可能なものであ った。

【０００５】 そこで本考案は上記した事情に鑑みて、エアコンの吹き出し口に取り付け、吹 き出す風の向きを調整可能な飲料容器ホルダーの本体構造を、一つの金型で成形 可能であり、しかもルーバー部材の取付作業が簡単ですみ、従って金型、部品、 組み立ての諸コストを低く抑えることのできるものとすることを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記の課題を解決するために、車両車室内のエアコン吹き出し口の前 部への取り付け手段を備え、エアコンからの送風を受け入れて前面の開口部から 送出し、飲料容器を保持する本体と、前記本体の開口部の前面に沿い左右方向移 動可のルーバー部材と、を備える飲料容器ホルダーにおいて、前記本体は、前面 を上面視円弧状に形成し、天面を庇状に底面よりも前方へ突出させて形成し、天 面の突出させた部分の上面あるいは下面に形成した円弧状の溝又は／及び突起と 、底面の前記円弧の中心に形成した軸穴又は円弧と同心円上の案内溝又は／及び 突起とを備え、 前記ルーバー部材は、上端又は上端からの延設部に形成した突 起又は／及び溝と、下端から円弧中心へ向け延設したアームに設けた円弧の中心 位置の軸又は前記円弧と同心円上の案内溝内に嵌入する突起又は／及び溝とを備 える構成としたものである。

【０００７】

【作用】

前面を上面視円弧状に形成し、天面を庇状に底面よりも前方へ突出させて形成 した本体は、天面前縁と底面前縁とが垂直方向に対し、換言すれば金型の抜き方 向に対し、ズレているので、例えば、天面前縁の下面にルーバー部材が摺動する ための案内溝を形成することができる。従って、本体を分割することなく成形が 可能となり、一体で構成できる。

【０００８】 ルーバー部材の下端から円弧中心へ向け延設したアームは、撓ませて本体へ嵌 め込むことができ、その先端に設けた円弧の中心位置の軸を、本体底面の軸穴へ の嵌合を容易なものとした。この作用は、アームに設ける軸の代わりに突起を設 け、本体底面に円弧状の案内溝を設けた場合でも同様である。

【０００９】

【実施例】

以下この考案に係る飲料容器ホルダーの第１実施例について図１から図８まで の図面を参照しながら説明する。図１は該実施例の上面図、図２は一部を断面と した側面図、図３は斜視図である。図中、１は本体であり、上面から見た場合、 前方を円弧状とし後方を角形とした有底の枠状であり、上面は飲料容器を挿入す る丸穴１ａが大きく形成される。前端は天面が庇状に前方へ底面に比し張り出し た形状で、前面は送風のために大きく開口するように形成されている。

【００１０】 ２は本体１前面の開口部を覆うような形状のルーバー部材で、詳細は後述する が、本体１に組付けられ、その前面の、送風のための開口部である複数の縦方向 のスリット２ｋ間には、吹き出し風の向きを規制するフィン２ａが縦方向にそれ ぞれ形成され、図３の矢印Ａ方向に回動させることができる構造である。

【００１１】 ３は本体１を本体１の後面に設けた車両のエアコン吹き出し口に取り付けるた めのクリップ、４は本体１の後部上端に軸支され上方に回動可で、ホルダーに置 く飲料缶等が大径のものと小径のものとを使い分けるためのレギュラー缶ホルダ ー、５は（図２参照）前記レギュラー缶ホルダー４を回動させ撥ね上げた位置と 下ろした位置との両位置にそれぞれ保持するスプリング、６は本体１底面に組付 けられ、後方へ出入して飲料容器ホルダーとエアコン吹き出し口との間の角度を 調整し、飲料を水平に保持するための角度調整プレートである。以上の４点につ いては本考案の主旨と直接の関係がないので、詳細な説明を省略する。

【００１２】 図４に本体１の上面図、図５に図４のＡ−Ａ断面図を示す。前面部上端縁は前 記したように底面に比し前方へ庇状に張り出すが角度Ｂの範囲でやや後退させて 段差部１ｂを形成し、また、底面の上面は角度Ｃの範囲で１段下方へ下げて段差 面１ｃを形成し、ともに後述のルーバー部材２の回動範囲を規制する機能を有す る。１ｅはルーバー部材２の回動中心、即ち本体１の前縁を形成する円弧の中心 に設けた軸穴であって、ルーバー部材２の取付穴であり、また、同部材の回動軸 の軸受穴ともなる。

【００１３】 １ｄは前記段差面１ｃ内、前方寄りに、上向きに形成した爪状の突起で、周囲 三方にスリットを設けて上下方向への可撓性を付与してあり、ルーバー部材２の 底面の凹部と係合してルーバー部材２の回動時の固定位置を規制する。

【００１４】 図５において１ｆは、本体１の上端縁部の庇状の段差部１ｂから下方へ延設し た突起であり、また１ｇは該突起１ｆの後端に接して形成した溝であって、両者 はともにルーバー部材２の回動動作の案内手段となる。これらの溝１ｇ、突起１ ｆは、本体１の上端縁部を、底面部よりも庇状に前方へ突出させた部分に形成し たので、深さや高さの方向を成形時の抜き方向に合わせて形成することができる 。

【００１５】 図６から図８に、前記ルーバー部材２を図示した。図６は上面図、図７はその Ａ−Ａ断面図、図８は下面図である。前記したように、ルーバー部材２は本体１ 前面の開口部を覆うような形状で、上面から見て円弧状であり、円弧の内径は本 体１の前面の円弧に接する寸法に設定する。２ａは前記した複数のフィンであっ て、前面の複数の縦方向のスリット２ｋの間をそれぞれ仕切る形で前方へ突出し て形成される。２ｂは下端から直角に後方へ、円弧中心へ向け、円弧長の中心か ら左右対称に延設したアームであって、先細の扇形をなし、先端には下方へ向け 軸２ｅがごく短く形成されている。該軸２ｅの径は本体１の軸穴１ｅと嵌合して 回動可の径であり、かつその先端は部分的に径を大きくして、嵌合後の脱落を防 ぐ形状とする。

【００１６】 ２ｈは上端から直角に後方へ庇状に張り出すように、上端の円弧長の中心から 左右一定範囲で短く延設した凸部であって、該凸部２ｈの上面には溝２ｆと、そ れに接して突起２ｇが、ともに円弧に沿って形成されている。

【００１７】 図８において２ｄは前記アーム２ｂの下面に設けた複数の凹部である。該凹部 ２ｄの個々の大きさは前記本体１の底面上に形成した爪状の突起１ｄと係合し得 る寸法に設定し、その配置は軸２ｅを中心とした半径上に整列配置する。

【００１８】 このようにそれぞれ構成した本体１とルーバー部材２とを組付けるには、ルー バー部材２の上端の凸部２ｈ上面に形成された突起２ｇと溝２ｆとを、本体１の 庇状の段差部１ｂ下面に形成されている溝１ｇと突起１ｆとにそれぞれ嵌入させ 、一方、ルーバー部材２のアーム２ｂ先端の軸２ｅを、本体１の底面１ｃに設け た軸穴１ｅに嵌合させる。この場合、アーム２ｂを撓ませることによって嵌合動 作が容易となる。

【００１９】 このように組付けたルーバー部材２は、軸２ｅを回動軸として、突起２ｇと溝 ２ｆが本体１側の円弧状の溝１ｇと突起１ｆを案内として摺動し回動することが できる。従って、エアコンの吹き出す送風を、ルーバー部材２を左右任意方向に 回動移動させ、フィン２ａの向きを選択することにより所望の向きに調整するこ とができる。

【００２０】 前記したように軸２ｅは嵌合させた後は、先端の部分的に径を大きくした部分 が嵌合状態を保持するので軸穴１ｅから脱落するようなことがない。また、回動 範囲は、ルーバー部材２のアーム２ｂの左右端縁が本体１の底面の角度Ｃの範囲 で１段低く下げて形成した段差面１ｃの左右端部に当接し、また、上端の凸部２ ｈの左右端縁が本体１の前面部上端縁の角度Ｂの範囲でやや後退させた段差部１ ｂの端部に当接することによって規制される。

【００２１】 ルーバー部材２の左右方向への調整状態を所望角度に保持するのは、アーム２ ｂの下面に形成した複数の凹部２ｄのいずれかに、本体１の底面に形成した突起 １ｄが入り込み係止することで行われる。前記したように、該突起１ｄは周囲の スリットによって可撓性を付与されているので、ルーバー部材２を回動させる際 には、適度の弾性をもって凹部２ｄの一つから別の凹部２ｄへと移行することが できる。

【００２２】 次にこの考案に係る飲料容器ホルダーの第２実施例について図９の全体の斜視 図と図１０の分解斜視図により説明する。本実施例は第１の実施例のルーバー部 材の前面に、さらに上下方向に風向きを調整することのできるルーバー部材が付 加されているものである。前記した第１の実施例と同様の部分については記述を 省略する。図９において、１１は飲料容器本体であり、円弧状の前面には円弧に 沿って摺動し回動可のルーバー部材１２が組付けられる。摺動、回動、組付け構 造については第１実施例と同様である。

【００２３】 図１０に見られるようにルーバー部材１２の前面は大きく開口部１２ａが形成 され、本体１の前面の開口部とともにエアコンの送風をそのまま送出する。１３ は上下ルーバー部材であって、左右側面に備える一対の軸穴１３ｂが、ルーバー 部材１２の前記開口部１２ａの左右側面に内側へ向け突出させた一対の軸１２ｂ によって上下方向に回動するように軸支されている。

【００２４】 上下ルーバー部材１３にはその前面に送風を上下方向に仕切る横方向のフィン １３ａと、左右方向に仕切るフィン１３ｃとが、それぞれ複数形成されているの で、上下ルーバー部材１３を図９の矢印Ｅ方向に軸１２ｂを軸として回動させる ことにより、送風を上下方向に調整することができる。また、左右方向への調整 は前記第１の実施例と同様に、ルーバー部材１２を図９の矢印Ｄ方向に円弧に沿 って摺動、回動させることによって行うことができる。

【００２５】 本体とルーバー部材との組付け構造については、前記した実施例以外にも考え られる。その組み合わせ例を図１１の説明図に示す。図１１Ａが前記両実施例の ものであって、本体１の天面の下面の溝、突起に対し下方からルーバー部材２の 上向きの突起、溝が組付けられ（状態その〓）、本体１の底面の軸穴に対し上方 からルーバー部材２の下向きの軸が嵌入され（状態その〓）ている。

【００２６】 これに対し、別の組み合わせとして図１１Ｂにおいては、本体１の天面の上向 きの溝、突起に対し上方からルーバー部材２の下向きの突起、溝が組付けられ（ 状態その〓）、本体１の底面の軸穴に対し下方からルーバー部材２の上向きの軸 が嵌入され（状態その〓）ている。

【００２７】 この他にも、前記の状態の組み合わせとして、（状態その〓）と（状態その〓 ）、（状態その〓）と（状態その〓）といった組み合わせも利用することができ る。

【００２８】 また、ルーバー部材の取り付けに際し、延設したアームに突出させた軸によっ て本体底面の軸穴に軸支させるかわりに、本体底面に、軸穴と同心円上に形成し た一定範囲内の円弧のガイド溝内を、ルーバー部材のアームに突出させて設けた 円弧状のレール状突起が摺動するように構成することもできる。

【００２９】

【考案の効果】

以上のように本考案によれば、自動車のエアコン吹き出し口に取り付けて使用 する飲料容器ホルダーの前面に備え、左右に回動可として風向きを調整するルー バー部材を本体前面へ取り付ける構造を、本体天面を庇状に底面より前方へ突出 させ、該部分の円弧状の案内にルーバー部材が凹凸関係によって嵌入して摺動し 回動するようにしたので、製品の抜き方向の関係で従来上下に２分割していた本 体を一体構造とすることができ、部品点数を削減し、金型費用も節減でき、コス トダウンに貢献することができた。

【００３０】 また、ルーバー部材には本体への取り付け側に、本体の中心軸に向かってアー ム状の部分を延設し、この先端で本体に軸支させるようにしたので、該部分を撓 ませて本体に組付けることができるようになり、簡単に本体前方から挿入取付け が可能となり、前記本体１の一体化と相まって組み立て時間の短縮が実現できる ものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１の実施例の上面図である。

【図２】本考案の第１の実施例の側面図である。

【図３】本考案の第１の実施例の斜視図である。

【図４】本考案の第１の実施例の本体の上面図である。

【図５】本考案の第１の実施例の本体側面断面図であ
る。

【図６】本考案の第１の実施例のルーバー部材の上面図
である。

【図７】本考案の第１の実施例のルーバー部材の側面断
面図である。

【図８】本考案の第１の実施例のルーバー部材の下面図
である。

【図９】本考案の第２の実施例の斜視図である。

【図１０】本考案の第２の実施例の分解斜視図である。

【図１１】（Ａ）本考案の実施例の本体とルーバー部材
との取り付け例の説明図である。 （Ｂ）本考案の実施例の本体とルーバー部材との取り付
け例の説明図である。

【図１２】従来の飲料容器ホルダーの構造説明図であ
る。

【符号の説明】

１ 本体 １ｂ 段差部 １ｃ 段差面 １ｄ 突起 １ｅ 軸穴 １ｆ 突起 １ｇ 凹部 ２ ルーバー部材 ２ａ フィン ２ｂ アーム ２ｅ 軸 ２ｆ 凹部 ２ｇ 突起

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 車両車室内のエアコン吹き出し口の前部
   への取り付け手段を備え、エアコンからの送風を受け入
   れて前面の開口部から送出し、飲料容器を保持する本体
   と、前記本体の開口部の前面に沿い左右方向移動可のル
   ーバー部材と、を備える飲料容器ホルダーにおいて、前
   記本体は、前面を上面視円弧状に形成し、天面を庇状に
   底面よりも前方へ突出させて形成し、天面の突出させた
   部分の上面あるいは下面に形成した円弧状の溝又は／及
   び突起と、底面の前記円弧の中心に形成した軸穴又は円
   弧と同心円上の案内溝又は／及び溝とを備え、前記ルー
   バー部材は、上端又は上端からの延設部に形成した突起
   又は／及び溝と、下端から円弧中心へ向け延設したアー
   ムに設けた円弧の中心位置の軸又は前記円弧と同心円上
   の案内溝内に嵌入する突起又は／及び溝とを備えること
   を特徴とする飲料容器ホルダー。