JP3026216B1 - ポリγ―ブチロラクトンの製造方法 - Google Patents

ポリγ―ブチロラクトンの製造方法

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JP3026216B1 JP11092685A JP9268599A JP3026216B1 JP 3026216 B1 JP3026216 B1 JP 3026216B1 JP 11092685 A JP11092685 A JP 11092685A JP 9268599 A JP9268599 A JP 9268599A JP 3026216 B1 JP3026216 B1 JP 3026216B1
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洋一 田口
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嘉一 池田
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Abstract

【要約】 【課題】 工業的に大量に生産される安価なγ−ブチロ
ラクトンから開環重合により分子量の高められたポリγ
−ブチロラクトンを製造し得る方法を提供する。 【解決手段】 ルイス酸の存在下、γ−ブチロラクトン
を超高圧下で開環重合することを特徴とする数平均分子
量が1万以上のポリγ−ブチロラクトンの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は包装材料、園芸、農
業、酪農、漁業、土木材料、及び医療材料等としての用
途が期待されるポリγ−ブチロラクトンの製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリγ−ブチロラクトンを製造する方法
として、微生物法と化学合成法が知られている。化学合
成によるポリγ−ブチロラクトンの製造方法としては、
無触媒の条件で2万気圧、160度、4時間の反応によ
り20%の収率で重量平均分子量3350のポリマーが
得られた例(Polym.Lett.,4,685−6
89頁(1966年))が知られており、一方、微生物
法としては、酵素としてリパーゼを用いて大気圧下、6
0度、430時間の反応により42〜25%の収率で重
量平均分子量932のポリマーが得られた例(Macr
omolecules,29,4829頁(1996
年))が知られているが、どちらも分子量の小さいもの
しか得られなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、工業的に大
量に生産される安価なγ−ブチロラクトンから開環重合
により分子量の高められたポリγ−ブチロラクトンを製
造し得る方法を提供することをその課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。即ち、本発明によれば、ルイス酸の存在下、
γ−ブチロラクトンを超高圧下で開環重合することを特
徴とする数平均分子量が1万以上のポリγ−ブチロラク
トンの製造方法が提供される。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明で用いるルイス酸として
は、従来公知の各種のものを用いることができる。この
ようなものには、ホウ素のハロゲン化物、金属のハロゲ
ン化物及び金属アルコキシド等が包含される。これらの
ルイス酸は、必要に応じ、有機溶媒と混合して用いるこ
とができる。ホウ素のハロゲン化物としては、三フッ化
ホウ素(BF3)が挙げられる。この三フッ化ホウ素
は、アルキルエーテルとの錯体として好ましく用いられ
る。金属のハロゲン化物としては、塩化物やフッ化物が
挙げられる。この場合、金属としては、アルミニウム、
銅、鉄、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、スズ、亜
鉛等が挙げられる。本発明では、これらの金属ハロゲン
化物は、ヘキサン、ジクロロメタン、トルエン、ジエチ
ルエーテル等の有機溶媒中に溶解させて用いることがで
きる。金属アルコキシドとしては、下記一般式(1)で
表されるものが用いられる。 M(OR)n (1) 前記式中、Mは金属元素であり、Rはアルキル基であ
り、nは金属元素Mの価数に対応する数である。金属元
素Mには、アルミニウム、銅、鉄、チタン、ジルコニウ
ム、ハフニウム等が包含される。アルキル基Rとして
は、炭素数1〜8、好ましくは1〜4のものが挙げられ
る。ルイス酸の使用割合は、γ−ブチロラクトンに対し
て、0.01〜5モル%、好ましくは0.01〜1モル
%である。
【0006】本発明によりγ−ブチロラクトンを開環重
合させるには、γ−ブチロラクトンを、ルイス酸の存在
下、超高圧下で、40〜160℃、好ましくは80〜1
20℃に加熱すればよい。
【0007】本発明においては、反応圧力としては超高
圧が採用されるが、この場合の超高圧は1万気圧以上、
好ましくは1.2万気圧以上であり、その上限値は特に
制約されないが、2万気圧程度である。本発明では、特
に、1〜1.5万気圧の範囲の超高圧の使用が好まし
い。反応時間は、通常、10〜70時間、好ましくは1
5〜40時間程度である。
【0008】本発明により、γ−ブチロラクトンが開環
重合したポリγ−ブチロラクトンが得られるが、本発明
の場合、そのポリマーの分子量は高められたもので、数
平均分子量で、1万以上、好ましくは2万以上であり、
その上限値は、通常、5万程度である。
【0009】
【実施例】次に本発明を実施例に基づいてさらに詳細に
説明する。なお、例中の融点はDSC(示差走査熱量
計)法によって測定した。また、分子量はGPC(ゲル
パーミエーションクロマトグラム)装置を用いて標準ポ
リスチレンで校正して分子量を得た。
【0010】実施例1 γ−ブチロラクトン3.45gと三フッ化ホウ素エチル
エーテル0.003gをテフロンチューブに充填し、
1.25GPa(1.2万気圧)、100℃に20時間
保持した。得られたポリエステルをエチルエーテルにて
洗浄して減圧下で乾燥して2.55gのポリマー(γ−
ブチロラクトンに基づく収率74%)を得た。
【0011】得られたポリエステルは、数平均分子量
(Mn)29,600、重量平均分子量(Mw)38,
300であり、分子量分布の指標(Mw/Mn)は1.
29であった。
【0012】実施例2 γ−ブチロラクトン1.72gと三フッ化ホウ素エチル
エーテル0.005gをテフロンチューブに充填し、
1.25GPa、100℃に20時間保持した。得られ
たポリエステルをエチルエーテルにて洗浄して減圧下で
乾燥して0.65gのポリマー(γ−ブチロラクトンに
基づく収率38%)を得た。
【0013】得られたポリエステルは、融点65度、数
平均分子量(Mn)21,200、重量平均分子量(M
w)25,600であり、分子量分布の指標(Mw/M
n)は1.21であった。
【0014】実施例3 γ−ブチロラクトン1.76gと四塩化チタンテトライ
ソプロポキシド0.007gをテフロンチューブに充填
し、1.25GPa、100℃に20時間保持した。得
られたポリエステルをエチルエーテルにて洗浄して減圧
下で乾燥して0.66gのポリマー(γ−ブチロラクト
ンに基づく収率37%)を得た。
【0015】得られたポリエステルは、数平均分子量
(Mn)23,500、重量平均分子量(Mw)30,
500であり、分子量分布の指標(Mw/Mn)は1.
29であった。
【0016】実施例4 γ−ブチロラクトン1.74gと1モル濃度の四塩化チ
タン塩化メチレン溶液0.013gをテフロンチューブ
に充填し、1.25GPa、100℃に20時間保持し
た。得られたポリエステルをエチルエーテルにて洗浄し
て減圧下で乾燥して0.61gのポリマー(γ−ブチロ
ラクトンに基づく収率35%)を得た。
【0017】得られたポリエステルは、数平均分子量
(Mn)20,300、重量平均分子量(Mw)24,
600であり、分子量分布の指標(Mw/Mn)は1.
21であった。
【0018】実施例5 γ−ブチロラクトン1.76gと三塩化鉄0.003g
をテフロンチューブに充填し、1.25GPa、100
℃に20時間保持した。得られたポリエステルをエチル
エーテルにて洗浄して減圧下で乾燥して0.15gのポ
リマー(γ−ブチロラクトンに基づく収率9%)を得
た。
【0019】得られたポリエステルは、数平均分子量
(Mn)12,600、重量平均分子量(Mw)19,
400であり、分子量分布の指標(Mw/Mn)は1.
54であった。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、工業的に大量に生産さ
れ且つ安価なγ−ブチロラクトンを原料として用い、こ
れから高分子量のポリγ−ブチロラクトンを容易に得る
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池田 嘉一 茨城県つくば市東1丁目1番 工業技術 院物質工学工業技術研究所内 (72)発明者 増田 隆志 茨城県つくば市東1丁目1番 工業技術 院物質工学工業技術研究所内 (56)参考文献 特開 平5−186569(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 63/82,63/08,63/78

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ルイス酸の存在下、γ−ブチロラクトン
    を超高圧下で40〜160℃に加熱して開環重合させる
    ことを特徴とする数平均分子量が1万以上のポリγ−ブ
    チロラクトンの製造方法。
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