JP3026162B2 - スピロ化合物 - Google Patents

スピロ化合物

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JP3026162B2
JP3026162B2 JP8165802A JP16580296A JP3026162B2 JP 3026162 B2 JP3026162 B2 JP 3026162B2 JP 8165802 A JP8165802 A JP 8165802A JP 16580296 A JP16580296 A JP 16580296A JP 3026162 B2 JP3026162 B2 JP 3026162B2
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amino
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勇夫 早川
省悟 新子
正純 今村
陽一 木村
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第一製薬株式会社
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は医薬、動物薬、水産用
薬、保存剤として有用な抗菌性スピロ化合物の中間体に
関する。
【0002】
【従来の技術】現在まで合成抗菌化合物としては種々の
誘導体が知られている。しかし、高い抗菌活性を発現す
るものの中には、しばしば経口吸収性が悪い(低い)も
のがあることがことが知られている。
【0003】本発明者は、鋭意検討した結果、本発明化
合物から導かれる置換基を有するキノロン誘導体が高い
抗菌活性を有し、かつ経口吸収性にも優れることを見出
した。
【0004】
【発明の構成】本発明は一般式I
【0005】
【化2】
【0006】(式中、aは1を、bは2または3を、c
は0を、dは1または2を意味する。
【0007】ここでR1 はアミノ基、水酸基または炭素
数1〜6のヒドロキシアルキル基を表わし、
【0008】R2 は水素原子を表わし、
【0009】R3 は水素原子を表わす。)で表わされる
スピロ化合物及びその塩に関し、
【0010】また一般式I中、が1、が2、
0、が1であり、
【0011】そして一般式I中、が1、が3、
0、が1であり、
【0012】さらに一般式I中、が1、が2、
0、が2であり、
【0013】また7−アミノ−5−アザスピロ[2.
4]ヘプタン、4,7−ジアザスピロ[2.5]オクタ
ン、7−ヒドロキシ−5−アザスピロ[2.4]ヘプタ
ン、7−ヒドロキシイミノ−5−アザスピロ[2.4]
ヘプタン、8−ヒドロキシメチル−6−アザスピロ
[3.4]オクタン、8−アミノ−6−アザスピロ
[3.4]オクタンまたは7−第三級ブトキシカルボニ
ルアミノ−5−アザスピロ[2.4]ヘプタンに関し、
【0014】そして保護基がアルコキシカルボニル基、
アラルキルオキシカルボニル基、アシル基、アルキル
基、アラルキル基、エーテル類またはシリル基であるス
ピロ化合物及びその塩に関し、
【0015】また保護基がアルコキシカルボニル基、ア
ラルキルオキシカルボニル基またはアシル基であるスピ
ロ化合物及びその塩に関し、
【0016】さらに保護基が第三級ブトキシカルボニル
基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基、ベ
ンジルオキシカルボニル基、パラメトキシベンジルオキ
シカルボニル基、パラニトロベンジルオキシカルボニル
基またはアセチル基であるスピロ化合物及びその塩に関
し、そして純粋な光学異性体からなる一般式Iの化合物
に関する。
【0017】本発明化合物の特徴はスピロ環を有する環
状アミン化合物であることである。この化合物から導か
れる置換基をキノロン誘導体の“7位相当位”に有する
化合物は優れた性質を有している。 キノロン誘導体の
“7位相当位”とは、種々の置換基を有する4-オキソキ
ノリン-3- カルボン酸や4-オキソ-1,8- ナフチリジン-3
- カルボン酸の7位、また、7-オキソピリド[1,2,3-de]
[1,4]ベンゾオキサジン-6- カルボン酸の10位、ベンゾ
[ij]キノリジン-2- カルボン酸の8位等を意味する。
【0018】スピロ環の大きさは3員環及び4員環が好
ましい。
【0019】スピロ環を除いた環状アミンの環の大きさ
としては4〜8員環、特に5員環及び6員環が好まし
い。この環状アミンは窒素原子を介してキノロン誘導体
の“7位相当位”に結合している。
【0020】この環状アミンは環内にさらに窒素原子等
を有していてもよい。
【0021】スピロ環を有する環状アミンの構造として
は次のものを例示することができる。すなわち、5−ア
ザスピロ[2.4]ヘプタン、6−アザスピロ[3.
4]オクタン、5−アザスピロ[2.5]オクタン、6
−アザスピロ[2.5]オクタン、6−アザスピロ
[3.5]ノナン、7−アザスピロ[3.5]ノナン、
4,7−ジアザスピロ[2.5]オクタン、5,8−ジ
アザスピロ[3.5]ノナン等の構造である。
【0022】環状アミンの環内にさらに窒素原子等のヘ
テロ原子が存在している場合に、またこれらが存在しな
い場合には特に、アミン環上にはアミノ基、水酸基、炭
素数1〜6のヒドロキシアルキル基またはヒドロキシイ
ミノ基等の極性基が置換していてもよい。これらのうち
ではアミノ基類が好ましい。
【0023】このスピロ置換環状アミンの環上の置換基
は適当な保護基で保護してあってもよい。保護基は一般
に使用されているものから適宜選択すればよいが、例え
ば第三級ブトキシカルボニル基、2,2,2-トリクロロエト
キシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基類、ベン
ジルオキシカルボニル基、パラメトキシベンジルオキシ
カルボニル基、 パラニトロベンジルオキシカルボニル基
等のアラルキルオキシカルボニル基類、アセチル基、メ
トキシアセチル基、トリフルオロアセチル基、クロロア
セチル基、ピバロイル基、ホルミル基、ベンゾイル基等
のアシル基類、 第三級ブチル基、ベンジル基、パラニトロベンジル基、
パラメトキシベンジル基、トリフェニルメチル基等のア
ルキル基類又はアラルキル基類、メトキシメチル基、第
三級ブトキシメチル基、テトヒドロピラニル基、2,2,2-
トリクロロエトキシメチル基等のエーテル類、トリメチ
ルシリル基、イソプロピルジメチルシリル基、第三級ブ
チルジメチルシリル基、トリベンジルシリル基、第三級
ブチルジフェニルシリル基等のシリル基類を挙げること
ができる。
【0024】スピロ置換環状アミンにスピロ環以外の置
換基があって、その置換基の結合している炭素原子が不
斉炭素である場合にはこの環状アミンには立体異性体が
存在することになる。この様な環状アミンを“7位相当
位”の置換基として立体異性体の混合物のままの結合さ
せると、生成するキノロン誘導体がジアステレオマーの
混合物となる場合がある。ジアステレオマーの混合物は
物理定数の異なる化合物の混合物であり、医薬としての
適用は困難である。この様な場合はこの環状アミンを導
入する際に、立体異性体を分離した後に反応させる必要
がある。
【0025】生成するキノロン誘導体がラセミ体となる
場合には、ラセミ体のままでもよい。しかし、立体異性
体を単離して光学活性な化合物に導く方がラセミ体の場
合よりも有利な生物活性を示すこともある。例えば、7-
アミノ-5- アザスピロ[2.4]ヘプタン骨格を含む化合物
の場合、アミノ基の結合している炭素原子上での立体配
置はS-配置の異性体の方が抗菌活性の面で有利であるこ
とが判明した。すなわち、7-(7- アミノ-5- アザスピロ
[2.4] ヘプタン-5- イル)-8-クロロ-1- シクロプロピル
-6- フルオロ-1,4- ジヒドロ-4- オキソキノリン-3- カ
ルボン酸の2種の異性体のうちで抗菌力の強いほうの異
性体の合成中間体である、7-(7- 第三級ブトキシカルボ
ニルアミノ-5- アザスピロ[2.4] ヘプタン-5- イル)-8-
クロロ-1- シクロプロピル-6- フルオロ-1,4- ジヒドロ
-4- オキソキノリン-3- カルボン酸のX線結晶解析によ
って、このアミノ基の付け根の不斉炭素での絶対配置は
S配置であることが判明した。
【0026】スピロ環で置換された環状アミンは次の方
法で合成できる。
【0027】例えば7-アミノ-5- アザスピロ[2.4] ヘプ
タンの場合、先ずアセト酢酸エチルに塩基存在下で1,2-
ジブロモエタンを反応させ、1-アセチル-1- シクロプロ
パンカルボン酸エチルとする。次いでこのもののアセチ
ル基を臭素にてブロム化し、1-ブロモアセチル-1- シク
ロプロパンカルボン酸エチルに導く。次いでこのものに
ベンジルアミンを反応させて閉環し、5-ベンジル-4,7-
ジオキソ-5- アザスピロ[2.4] ヘプタンに変換する。こ
のものにヒドロキシルアミン塩酸塩を反応させると7位
のケトンがオキシムとなって、5-ベンジル-7-(ヒドロキ
シイミノ)-4-オキソ-5- アザスピロ[2.4] ヘプタンとな
る。このオキシム体をリチウムアルミニウムハイドライ
ドで還元し、スピロ環を有するアミノピロリジン化合物
の7-アミノ-5- ベンジル-5- アザスピロ[2.4] ヘプタン
に変換する。この化合物は通常の接触水素添加等によっ
てベンジル基を除去するとラセミ体の 7- アミノ- 5-ア
ザスピロ[2.4] ヘプタンとなる。また、2-(第三級ブト
キシカルボニルアミノ)-2-フェニルアセトニトリル(以
下、BOC-ONと略す)にてアミノ基を保護した後にベンジ
ル基を除去すると7-第三級ブトキシカルボニルアミノ-5
- アザスピロ[2.4]ヘプタンとなる。
【0028】7-アミノ-5- アザスピロ[2.4] ヘプタンの
光学活性体は次の様にして得ることができる。7-アミノ
-5- ベンジル-5- アザスピロ[2.4] ヘプタンに(R)-N-p-
トルエンスルホニルプロリンの酸クロリドを反応させ
て、7-[(R)-N-p- トルエンスルホニルプロリル] アミノ
-5- ベンジル-5- アザスピロ[2.4]ヘプタンに導く。こ
のものにクロル炭酸ベンジルを反応させると、 7-[(R)-
N-p-トルエンスルホニルプロリル] アミノ-5- ベンジル
オキシカルボニル-5- アザスピロ[2.4]ヘプタンが得ら
れる。このものは高速液体クロマトグラフィ(以下HP
LCと略す)によって各々の光学活性体に分離できる。
光学活性体を単離後、各々を2N水酸化ナトリウムにて処
理するとプロリン部分とベンジルオキシカルボニル基が
除去され、光学活性体の7-アミノ-5- アザスピロ[2.4]
ヘプタンに変換される。
【0029】また、1-ブロモアセチル-1- シクロプロパ
ンカルボン酸エチルにベンジルアミンの代わりに光学活
性な1-フェネチルアミンを反応させて閉環した化合物で
は、後の工程での光学異性体の分離が容易に実施できる
ことが判明した。
【0030】すなわち、1-ブロモアセチル-1- シクロプ
ロパンカルボン酸エチルにR-(+)-1-フェニルエチルアミ
ンを反応させ、5-[1-(R)- フェニルエチル]-4,7-ジオキ
ソ-5- アザスピロ[2.4] ヘプタンとする。この化合物に
ヒドロキシルアミン塩酸塩を反応させ、4位のカルボニ
ル基をオキシムに変換する。この様にして得られる5-[1
-(R)-フェニルエチル]-7-ヒドロキシイミノ-4- オキソ-
5- アザスピロ[2.4]ヘプタンを接触還元してヒドロキシ
イミノ基をアミノ基に変換し、7-アミノ-4-オキソ-5-[1
-(R)-フェニルエチル]-5-アザスピロ[2.4] ヘプタンと
する。この化合物は7位の炭素原子が不斉炭素であり、
また、5位に(R)-フェニルエチル基が存在することか
ら、ジアステレオマー2種の混合物である。この混合物
の分離はシリカゲルカラムクロマトグラフィにて実施で
きることが判明し、光学活性体の分割はHPLCを使用せず
ともよい。また、この化合物の各種の結晶性酸付加塩を
合成すれば、分別再結晶でも分離が可能である。
【0031】この7-アミノ-4- オキソ-5-[1-(R)-フェニ
ルエチル]-5-アザスピロ[2.4] ヘプタンをメタルハイド
ライド、例えばリチウムアルミニウムハイドライドで還
元し7-アミノ-5-[1-(R)-フェニルエチル]-5-アザスピロ
[2.4] ヘプタンに変換する。次いでこのもののアミノ基
をBOC-ONにて第三級ブトキシカルボニルアミノ基に変換
後、接触還元にてフェニルエチル基を除去すれば光学活
性な7-第三級ブトキシカルボニルアミノ-5- アザスピロ
[2.4] ヘプタンが得られる。
【0032】ここではR-(+)-1-フェニルエチルアミンを
使用した例を述べたが、(S)-フェニルエチルアミンでも
同様に実施できよう。また、光学活性な1-フェニルプロ
ピルアミン、1-フェニルブチルアミン等でも実施可能と
考えられる。
【0033】また、5-[1-(R)- フェニルエチル]-4,7-ジ
オキソ-5- アザスピロ[2.4] ヘプタンは以下の方法でも
合成できる。すなわち、1-アセチル-1- シクロプロパン
カルボン酸エチルのエステルを加水分解してカルボン酸
とした後、R-(+)-1-フェニルエチルアミンとのアミド誘
導体である、N-[1-(R)- フェニルエチル]-1-アセチル-1
- シクロプロパンカルボキサミドとする。この化合物
は、メチルケトン部分のカルボニル基をケタールに変換
してN-[1-(R)- フェニルエチル]-1-(1,1- エチレンジオ
キシエチル)-1-シクロプロパンカルボキサミドとする。
この後にケタールに隣接したメチル基をハロゲン化し、
例えば N-[1-(R)-フェニルエチル]-1-(2-ブロモ-1,1-
エチレンジオキシエチル)-1-シクロプロパンカルボキサ
ミドとする。このハロメチル化合物は塩基性条件下で処
理すると、スピロ環とケタールを有するピロリジンジオ
ンである4,7-ジオキソ-5-[1-(R)-フェニルエチル]-5-ア
ザスピロ[2.4] ヘプタン-7- エチレンアセタールをとな
る。このものは酸性条件でケタールを除去することで4,
7-ジオキソ-5-[1-(R)-フェニルエチル]-5-アザスピロ
[2.4] ヘプタンに変換される。この後は既に記載したと
同様の方法で変換すればよい。
【0034】次にスピロ環を有するピペラジン化合物に
ついて述べる。例えば1,4-ジアザスピロ[2.5] オクタン
の合成であるが、先ずシクロプロパン-1,1- ジアミドに
臭素と塩基とを反応させてシクロプロパン-1,1- ジブロ
モアミドとする。これをアルコキサイドで処理するとス
ピロヒダントイン、すなわち4,6-ジアザスピロ[2.4]ヘ
プタン-5,7- ジオンに変換する。これをアルカリ処理し
て1-アミノシクロプロパンカルボン酸に導く。このもの
のアミノ基を第三級ブトキシカルボニル基で保護して1-
(第三級ブトキシカルボニルアミノ)-1-シクロプロパン
カルボン酸とし、次いでグリシンエチルエステルをジシ
クロヘキシルカルボジイミド存在下に縮合させ、エチル
(1-第三級ブトキシカルボニルアミノ-1- シクロプロ
ピルカルボニルアミノ)アセテートに変換する。このも
ののアミノ基の保護基を除去した後に加熱すると閉環
し、スピロ環を有するジケトピペラジン体、 すなわち4,
7-ジアザスピロ[2.5] オクタン-5,8- ジオンとなる。こ
れをリチウムアルミニウムハイドライドで還元すると4,
7-ジアザスピロ[2.5] オクタンが得られる。
【0035】スピロ環を有する環状アミン誘導体は次の
方法でも合成できる。シクロアルキルケトンとマロン酸
ジエステルを四塩化チタニウムの存在下に縮合させると
シクロアルキリデンマロン酸ジエステルが得られる。こ
の化合物に塩基存在下にニトロメタンを反応させると
(1-ニトロメチル-1- シクロアルキル)マロン酸ジエス
テルが得られる。この化合物を還元的に閉環させれば、
スピロ環を有するピロリドンカルボン酸、例えばスピロ
環が四員環の場合は7-オキソ-6- アザスピロ[3.4] オク
タン-8- カルボン酸エステルが得られる。この還元的閉
環反応は金属触媒の存在下での接触還元にて実施するの
が便利であるが、他の化学的還元反応でも実施できる。
【0036】次にこのカルボン酸エステルを加水分解し
て遊離のカルボン酸に変換後、クルチウス反応を第三級
ブタノール中で実施すると、このカルボン酸部分が第三
級ブトキシカルボニルアミノ基に変換されたピロリドン
を得ることができる。この第三級ブトキシカルボニル基
を除去後、リチウムアルニウムハイドライド等のメタル
ハイドライドで還元すればアミノ基とスピロ環で置換さ
れた環状アミン、この場合はピロリジン、が得られる。
【0037】一方、上記のピロリドンカルボン酸をメタ
ルハイドライドで還元すれば、ヒドロキシメチル基で置
換されているスピロ環を有する環状アミンに変換でき
る。
【0038】スピロ環を有する環状アミンと結合させる
キノロン誘導体としては例えば二環性の1,4-ジヒドロ-4
- オキソキノリン-3- カルボン酸類、1,4-ジヒドロ-4-
オキソ-1,8- ナフチリジン-3- カルボン酸類等、三環性
の2,3-ジヒドロ-7- オキソ-7H- ピリド[1,2,3-de][1,4]
ベンゾオキサジン-6- カルボン酸類、2,3-ジヒドロ-7-
オキソ-7H-ピリド[1,2,3-de][1,4] ベンゾチアジン-6-
カルボン酸類、 6,7-ジヒドロ-1,7- ジオキソ-1H,5H-
ベンゾ[ij]キノリジン-2- カルボン酸類、6,7-ジヒドロ
ベンゾ[ij]キノリジン-2- カルボン酸類等、 また四環性
の9,1-エポキシメタノ-5H-チアゾロ[3,2-a] キノリン-3
- カルボン酸類等を挙げることができる。これらの部分
構造を次に示す。
【0039】
【化3】
【0040】(式中、Rは炭素数1〜6のアルキル
基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数1〜6のハロ
ゲノアルキル基、 置換基を有することもある炭素数3
〜6の環状アルキル基、置換基を有することもあるアリ
ール基、 置換基を有することもあるヘテロアリール
基、炭素数1〜6のアルコキシル基または炭素数1〜6
のアルキルアミノ基を意味し、
【0041】Rは水素原子または炭素数1〜6のアル
キル基を意味する。
【0042】Rは水素原子、置換基を有することもあ
るアミノ基、水酸基、炭素数1〜6のアルコキシル基ま
たはハロゲン原子を意味し、
【0043】Rは水素原子、炭素数1〜6のアルキル
基、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシル基、炭
素数1〜6のハロゲノアルキル基またはシアノ基を意味
する。
【0044】また、RはRおよび/またはRと共
に環状構造を形成してもよく、 この環は酸素原子、窒
素原子、硫黄原子を含むこともあり、さらに炭素数1〜
6のアルキル基またはハロゲノアルキル基などで置換さ
れていてもよい。
【0045】Xはハロゲン原子を意味し、
【0046】Yは水素原子、炭素数1〜6のアルキル
基、炭素数1〜6のアルコキシアルキル基、炭素数1〜
6のアルキル鎖のフェニルアルキル基、 ジハロゲノホ
ウ素基、フェニル基、 アセトキシメチル基、ピバロイ
ルオキシメチル基、 エトキシカルボニルオキシ基、コ
リン基、ジメチルアミノエチル基、5−インダニル基、
フタリジニル基、5−置換−2− オキソ−1,3−
ジオキソール−4− イルメチル基または 3− アセ
トキシ−2− オキソブチル基を意味する。) ここで1,4-ジヒドロ-4- オキソキノリン-3- カルボン
酸、1,4-ジヒドロ-4- オキソ-1,8- ナフチリジン-3- カ
ルボン酸の場合、1位は各種の置換基、例えばエチル
基、イソプロピル基、第三級ブチル基等の低級アルキル
基類、2-フルオロエチル基等のハロゲノアルキル基類、
ビニル基、イソプロペニル基等の低級アルケニル基類、
シクロプロピル基、シス-2- メチルシクロプロピル基、
2-gem-ジハロゲノシクロプロピル基等の、置換基を有す
ることもある環状アルキル基類、4-フルオロフェニル
基、2,4-ジフルオロフェニル基、2-フルオロ-4- ピリジ
ル基等の、置換基を有することもあるアリール基類また
はヘテロアリール基類、メトキシ基、エトキシ基等のア
ルコキシ基類、そしてメチルアミノ基、 エチルアミノ基
等のアルキルアミノ基類等がよい。これらのうちではエ
チル基、2-フルオロエチル基、 ビニル基、シクロプロピ
ル基、シス-2- メチルシクロプロピル基、4-フルオロフ
ェニル基、2,4-ジフルオロフェニル基、2-フルオロ-4-
ピリジル基、 メトキシ基、メチルアミノ基等が好まし
い。
【0047】2位は水素原子またはメチル基、エチル
基、プロピル基等のアルキル基類がよい。
【0048】5位の置換基としては水素原子やアミノ
基、また、メチルアミノ基、エチルアミノ基、イソプロ
ピルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等
の、炭素数1〜6のモノアルキルアミノ基類あるいは各
々の炭素数が独立に1〜6であるジアルキルアミノ基
類、 水酸基、炭素数1〜6のハロゲノアルキル基類、ま
たはメトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6のアルコ
キシ基類、ハロゲン原子等がよい。
【0049】6位はハロゲン原子、特にフッ素原子、塩
素原子で置換されているのがよい。
【0050】キノリン誘導体の場合には8位に置換基が
導入されていなくてもよいがハロゲン原子、炭素数1〜
6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数
1〜6のハロゲノアルキル基、あるいはシアノ基等が置
換していてもよくこの場合、特に塩素原子、フッ素原
子、メチル基、メトキシ基がよい。
【0051】キノロン骨格としては二環性だけでなく、
キノリン骨格を主体としてこの1位と、8位または2位
との間で、あるいは8位及び2位との間で三環性または
四環性の環状構造を形成してもよい。これらの場合に形
成される環の大きさは4〜7員環の範囲がよく、5また
は6員環が特に好ましい。また、ここで形成される環は
窒素原子、酸素原子、 硫黄原子等を含んでいてもよい。
また単結合だけでなく、二重結合を含む場合もあり、芳
香化していてもよい。この環はさらに炭素数1〜6のア
ルキル基またはハロゲノアルキル基などで置換されてい
てもよい。
【0052】三環性のキノロン誘導体については例えば
2,3-ジヒドロ-7- オキソ-7H-ピリド[1,2,3-de][1,4] ベ
ンゾオキサジン-6- カルボン酸では3位は特にアルキル
基で置換されていてもよく、この場合はS-配位に置換さ
れているのがよい。9位はハロゲン原子、特にフッ素原
子、塩素原子で置換されているのがよい。これらの置換
基の状況は他の三環性キノロン骨格である2,3-ジヒドロ
-7- オキソ-7H-ピリド[1,2,3-de][1,4] ベンゾチアジン
-6- カルボン酸、 6,7-ジヒドロ-1,7- ジオキソ-1H,5H-
ベンゾ[ij]キノリジン-2- カルボン酸についても同様と
考えられる。また、2,3-ジヒドロ-7- オキソ-7H-ピリド
[3,2,1-ij]-1,3,4- ベンゾオキサジアジン-6- カルボン
酸では9位はハロゲン原子、特にフッ素原子、塩素原子
で置換されているのがよい。
【0053】スピロ環を有する環状アミンと結合させる
キノロン誘導体としては、先に述べた各種の置換基を有
する1,4-ジヒドロ-4- オキソキノリン-3- カルボン酸が
好ましい。
【0054】これらのスピロ環を有する環状アミンには
例えば、特開昭61-1667 号公報、特開昭61-205240 号公
報、特開昭60-197686 号公報そして欧州特許出願公開第
206283号公報記載の方法等でキノロン誘導体を導入でき
る(例えば、7-クロロ-6- フルオロ-1- エチル-1,4- ジ
ヒドロ-3- カルボン酸、ヨーロッパ特許第27752 号;9,
10- ジフルオロ-3- メチル-7- オキソ-2,3- ジヒドロ-7
H-ピリド[3,2,1-ij]-1,3,4- ベンゾオキサジアジン-6-
カルボン酸、特開昭63-132891 号;9,1-エポキシメタノ
-7,8- ジフルオロ-5- オキソ-5H-チアゾロ[3,2-a] キノ
リン-3- カルボン酸、特開平1-117888号;7,8-ジフルオ
ロ-5- オキソ-5H-チアゾロ[3,2-a] キノリン-3- カルボ
ン酸、特開昭57-136588 号;7-ハロゲノ-6- フルオロ-1
- メチル-4- オキソ-4H-[1,3] チアゼト[3,2-a] キノリ
ン-3- カルボン酸、特開昭63-107990 号;9,10- ジフル
オロ-3- メチル-2,3- ジヒドロ-7- オキソ-7H-ピリド
[1,2,3-de][1,4] ベンゾオキサジン-3- カルボン酸、ヨ
ーロッパ特許第 47005号)。
【0055】本発明化合物から導かれる置換基を有する
キノロン誘導体の製造法を説明する。
【0056】
【化4】 (式中、abcd、 Z、は前記の定義に等しく、R4
炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル
基、炭素数1〜6のハロゲノアルキル基、 置換基を有す
ることもある炭素数3〜6の環状アルキル基、置換基を
有することもあるアリール基、 置換基を有することもあ
るヘテロアリール基、炭素数1〜6のアルコキシル基ま
たは炭素数1〜6のアルキルアミノ基を意味し、
【0057】R5は水素原子または炭素数1〜6のアルキ
ル基を意味する。
【0058】R6は水素原子、置換基を有することもある
アミノ基、水酸基、炭素数1〜6のアルコキシル基また
はハロゲン原子を意味し、
【0059】Rは水素原子、炭素数1〜6のアルキル
基、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシル基、炭
素数1〜6のハロゲノアルキル基またはシアノ基を意味
する。
【0060】また、R4はR5および/またはR7と共に環状
構造を形成してもよく、 この環は酸素原子、窒素原子、
硫黄原子を含むこともあり、さらに炭素数1〜6のアル
キル基またはハロゲノアルキル基などで置換されていて
もよい。
【0061】Xはハロゲン原子を意味し、
【0062】Yは水素原子、炭素数1〜6のアルキル
基、炭素数1〜6のアルコキシアルキル基、炭素数1〜
6のアルキル鎖のフェニルアルキル基、 ジハロゲノホウ
素基、フェニル基、 アセトキシメチル基、ピバロイルオ
キシメチル基、 エトキシカルボニルオキシ基、コリン
基、ジメチルアミノエチル基、5-インダニル基、 フタリ
ジニル基、5-置換-2- オキソ-1,3- ジオキソール-4- イ
ルメチル基または 3- アセトキシ-2- オキソブチル基を
意味する。X'はハロゲン原子を表わす。)
【0063】すなわち、スピロ環を有する環状アミンと
7- ハロゲノキノロン誘導体を反応させると、ピロリジ
ンの環内の窒素原子がキノロンの7位に結合したキノロ
ン誘導体が生成する。
【0064】原料のキノロン誘導体、例えば1-シクロプ
ロピル-6- フルオロ-7- ハロゲノ-1,4- ジヒドロ- 4-オ
キソキノリン-3- カルボン酸誘導体では、 7位のハロゲ
ン原子は塩素原子またはフッ素原子のいずれでもよい。
これらは特開昭61-1667 号公報、特開昭61-205240 号公
報記載の方法で合成できる。 またこれ以外のキノロン母
核についても公知の方法で合成できる。
【0065】特開昭61-205240 号公報記載の方法では中
間体の3-クロロ-2,4,5- トリフルオロ安息香酸を10工程
の反応によって合成しているが、本発明者は3-アミノ-
2,4,5- トリフルオロ安息香酸から1工程で合成する方
法を開発し、これは他の安息香酸誘導体にも応用可能で
あることを見い出した。
【0066】
【化5】
【0067】さらに本発明者は2,4,5-トリフルオロ-3-
メチル安息香酸の簡便で、かつ大量合成も可能な合成経
路の開発にも成功した。すなわち、テトラフルオロフタ
ル酸ジエステルから出発する下記の経路である。先ず、
例えばテトラフルオロフタル酸ジメチルをニトロメタン
に溶解し、冷却下に塩基を加えると3,5,6-トリフルオロ
-4- ニトロメチルフタル酸ジメチルとなる。この塩基と
しては無機塩基、有機塩基の何れでもよく、例えば有機
塩基としてはテトラメチルグアニジン、1,8-ジアザビシ
クロ[5,4,0]-7-ウンデセン、1,4-ジアザビシクロ[2,2,
2] オクタン等の超強塩基を挙げることができる。また
無機塩基としてはナトリウムアミド、ナトリウムヒドリ
ド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を使用するこ
とができる。これらの塩基の中では有機塩基の超強塩基
を使用するのがよい。反応温度は−30℃から50℃の範囲
で実施すれば良く、特に10℃以下の温度が好ましい。ま
たニトロメタンを反応剤と溶媒を兼ねて使用することも
できるが、反応に不活性な他の溶媒を使用しても良い。
例えばベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水
素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テ
トラヒドロフラン、1,2-ジメトキシエタン、ジオキサン
等のエーテル類を使用してもよい。
【0068】この3,5,6-トリフルオロ-4- ニトロメチル
フタル酸ジメチルはトリブチルスズヒドリドおよびアル
ファ、アルファ'-アゾビス(イソブチロニトリル)との
反応で3,5,6-トリフルオロ-4- メチルフタル酸ジメチル
に一行程で変換できる。反応溶媒としてはベンゼン、ト
ルエン、ヘキサン等が使用でき、反応温度は室温から15
0℃の範囲で実施すればよく、好ましくは室温から120℃
の範囲である。
【0069】この3,5,6-トリフルオロ-4- メチルフタル
酸ジメチルは次の方法でも合成できる。すなわち、3,5,
6-トリフルオロ-4- ニトロメチルフタル酸ジメチルのニ
トロメチル基をジメチルアミノ基に変換し、さらにこの
ジメチルアミノ基を四級化した後に、この四級塩を還元
して目的の4-メチルフタル酸誘導体とする経路である。
先ず、4-ジメチルアミノ-3,5,6−トリフルオロフタル酸
ジメチルの合成であるが、3,5,6-トリフルオロ-4- ニト
ロメチルフタル酸ジメチルをホルムアルデヒド存在下に
接触還元的にメチル化するのが最も簡便な方法である。
ここで使用できる金属触媒としてはラネーニッケル、パ
ラジウム−炭素等である。溶媒は特に制限はないが、メ
タノール、エタノール等のアルコール系溶媒あるいは水
がよい。一方、ニトロメチル基をアミノメチル基に還元
し、しかる後にジメチル化してもよい。
【0070】4-ジメチルアミノ-3,5,6- トリフルオロフ
タル酸ジメチルの四級化はジメチルアミノメチル化合物
にアルキルハライドを反応させればよい。例えばヨウ化
メチルを反応させれば四級塩の2,5,6-トリフルオロ-3,4
- ジ(メトキシカルボニル)フェニルメチレン- トリメ
チルアンモニウムヨージドが得られる。本明細書では四
級塩として、トリメチルアンモニウム化合物を例にして
説明したが他のエチル、プロピル、ブチル等のトリアル
キルアンモニウム塩としてもよい。また複数のアルキル
基から構成される四級塩でもよい。この様にして得られ
る四級塩をラネーニッケル存在下に接触還元すると3,5,
6-トリフルオロ-4- メチルフタル酸ジメチルが得られ
る。
【0071】次にこの化合物のメチル基のパラ位のカル
ボキシル基を除去するのであるが、先ずエステルを加水
分解する。この加水分解は通常の方法でよく、塩基性な
いし酸性条件下で実施すればよい。またエステルの種類
によっては水素化分解でもよい。加水分解で得られる3,
5,6-トリフルオロ-4- メチルフタル酸を水に溶解し、封
管中で 200℃で加熱するとメチル基のパラ位のカルボキ
シル基が脱炭酸により脱離し、2,4,5-トリフルオロ-3-
メチル安息香酸が得られる。他の脱炭酸の反応条件とし
ては酸化第一銅、酸化第二銅、酢酸銅(I)あるいは銅
粉等の存在下にジメチルホルムアミド、ジメチルアセト
アミド、ジメチルスルホキシド等の極性溶媒あるいはキ
ノリン、ピリジン等の極性塩基性溶媒中で加熱する反応
や、含水の硫酸中で加熱するといった反応を挙げること
ができる。
【0072】上記の一連の反応による2,4,5-トリフルオ
ロ-3- メチル安息香酸の合成はこれ迄知られていた合成
経路に比して工程数も短く、簡便でかつ大量合成にも適
用できる優れた経路である。
【0073】キノロンの3位(または3位相当位)のカ
ルボン酸部分が置換ホウ素エステルとなったキノロン誘
導体をスピロ置換環状アミンとの反応の原料としてもよ
い。このホウ素エステル体はキノロン母核の3位(また
は3位相当位)に例えば次に示す置換基、
【0074】
【化6】 を有する化合物であり、キノロンの4位(または4位相
当位)のカルボニル基とキレートを形成している。この
フッ素原子は他のハロゲン原子でもよいしまた、アセト
キシ基でもよい。
【0075】このジハロゲノホウ素化体は遊離のカルボ
ン酸誘導体と適当な三ハロゲン化ホウ素化合物、例えば
三フッ化ホウ素エ−テル錯体、とから容易に調製でき
る。
【0076】すなわちカルボン酸誘導体をジエチルエー
テル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、
ジオキサン等のエーテル類に懸濁または溶解し、過剰量
の三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体を加え室温で撹
拌する。反応温度は室温でもよいが必要に応じて 100℃
位まで加熱してもよい。反応時間は30分から24時間で充
分である。生成物は通常は析出するのでこれを集め、エ
ーテル等の不活性な溶媒で洗浄した後、減圧下に乾燥す
る(特開昭62- 252790号公報参照)。
【0077】3位(または3位相当位)のカルボン酸部
分がエステルであると合成中間体やプロドラッグとして
有用である。例えば、アルキルエステル類やベンジルエ
ステル類、アルコキシアルキルエステル類、 フェニルア
ルキルエステル類及びフェニルエステル類等は合成中間
体として有用である。
【0078】スピロ置換環状アミンの導入反応は通常、
脱酸剤の存在下に実施する。この脱酸剤は有機塩基、無
機塩基のいずれもが使用できるが、一般的には有機塩基
の方が好ましい。
【0079】有機塩基としては三級アミン類がよく、ト
リエチルアミン、トリプロピルアミン、N,N-ジイソプロ
ピルエチルアミン、トリブチルアミン等のトリアルキル
アミン類、N,N-ジメチルアニリン、N,N-ジエチルアニリ
ン等のアニリン類、N-メチルモルホリン、ピリジン、N,
N-ジメチルアミノピリジン等の複素環化合物を例示する
ことができる。
【0080】無機塩基としては、リチウム、ナトリウ
ム、カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、炭
酸水素塩等を挙げることができる。具体的には水酸化リ
チウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、無水炭酸
ナトリウム、無水炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、
炭酸水素カリウム等である。
【0081】また反応に使用するスピロ置換環状アミン
を反応に必要な当量の倍以上を使用し、アミン自体に脱
酸剤を兼ねさせることもできる。
【0082】反応溶媒としては反応に不活性であればよ
く、アセトニトリルの他、N,N-ジメチルホルムアミド、
N-メチル-2- ピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド等
のアミド類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族
炭化水素、ジメチルスホキシド、スルホラン等の非プロ
トン性極性溶媒、メタノール、 エタノール、プロパノー
ル、ブタノール、アミルアルコール、イソアミルアルコ
ール、シクロヘキシルアルコール、3-メトキシブタノー
ル等の低級アルコール類、ジオキサン、ジメチルセロソ
ルブ、 ジエチルセロソルブ、ダイグライム等のエーテル
類を例示することができる。また水溶性の溶媒の場合で
は含水溶媒として使用してもよい。この場合、脱酸剤は
有機塩基を使用するのがよい。
【0083】反応温度は室温〜 180℃の範囲で実施でき
るが通常は 80 〜 130℃の範囲でよい。
【0084】反応時間は10分から48時間、通常30分から
30時間の範囲で充分である。
【0085】スピロ置換環状アミンの導入反応に際して
このアミンの環上の置換基を保護して反応した場合、生
成物からの保護基の除去は、使用した保護基に応じた通
常の方法で実施すればよい。
【0086】3位(または3位相当位)のカルボン酸が
遊離体でない場合は各々に応じた方法で遊離のカルボン
酸に誘導できる。例えば、エステルの場合は通常の加水
分解法、すなわち水酸化アルカリと含水溶媒中で処理す
る方法等を例示できる。またホウ素化合物では水、アル
コール等のプロトン性物質で処理すればよく、この際に
脱酸剤が存在していてもよい。例えば、トリエチルアミ
ン存在下にエタノールで処理する方法等がある。
【0087】生成したキノロン誘導体は、再結晶、再沈
殿、 活性炭処理、クロマトグラフィ等で、あるいはこれ
らを組合せて使用し、精製することができる。
【0088】本発明化合物から導かれる置換基を有する
キノロン誘導体の例としては次の化合物を挙げることが
できる。
【0089】7-(7- アミノ-5- アザスピロ[2.4] ヘプタ
ン-5- イル)-1-シクロプロピル-6,8- ジフルオロ-1,4-
ジヒドロ-4- オキソキノリン-3- カルボン酸 7-(7- アミノ-5- アザスピロ[2.4] ヘプタン-5- イル)-
8-クロロ-1- シクロプロピル-6- フルオロ-1,4- ジヒド
ロ-4- オキソキノリン-3- カルボン酸 7-(7- アミノ-5- アザスピロ[2.4] ヘプタン-5- イル)-
1-シクロプロピル-6-フルオロ-1,4- ジヒドロ-4- オキ
ソキノリン-3- カルボン酸 7-(7- アミノ-5- アザスピロ[2.4] ヘプタン-5- イル)-
1-シクロプロピル-6-フルオロ-1,4- ジヒドロ-4- オキ
ソ-1,8- ナフチリジン-3- カルボン酸
【0090】7-(7- アミノ-5- アザスピロ[2.4] ヘプタ
ン-5- イル)-6,8-ジフルオロ-1-(2-フルオロエチル)-1,
4-ジヒドロ-4- オキソキノリン-3- カルボン酸 7-(7- アミノ-5- アザスピロ[2.4] ヘプタン-5- イル)-
8-クロロ-6- フルオロ-1-(2-フルオロエチル)-1,4-ジヒ
ドロ-4- オキソキノリン-3- カルボン酸 7-(7- アミノ-5- アザスピロ[2.4] ヘプタン-5- イル)-
6-フルオロ-1-(2-フルオロエチル)-1,4-ジヒドロ-4- オ
キソキノリン-3- カルボン酸 7-(7- アミノ-5- アザスピロ[2.4] ヘプタン-5- イル)-
6-フルオロ-1-(2-フルオロエチル)-1,4-ジヒドロ-4- オ
キソ-1,8- ナフチリジン-3- カルボン酸
【0091】7-(7- アミノ-5- アザスピロ[2.4] ヘプタ
ン-5- イル)-1-エチル-6,8- ジフルオロ-1,4- ジヒドロ
-4- オキソキノリン-3- カルボン酸 7-(7- アミノ-5- アザスピロ[2.4] ヘプタン-5- イル)-
8-クロロ-1- エチル-6- フルオロ-1,4- ジヒドロ-4- オ
キソキノリン-3- カルボン酸 7-(7- アミノ-5- アザスピロ[2.4] ヘプタン-5- イル)-
1-エチル-6- フルオロ-1,4- ジヒドロ-4- オキソキノリ
ン-3- カルボン酸 7-(7- アミノ-5- アザスピロ[2.4] ヘプタン-5- イル)-
1-エチル-6- フルオロ-1,4- ジヒドロ-4- オキソ-1,8-
ナフチリジン-3- カルボン酸
【0092】7-(7- アミノ-5- アザスピロ[2.4] ヘプタ
ン-5- イル)-6,8-ジフルオロ-1-(2,4-ジフルオロフェニ
ル)-1,4-ジヒドロ-4- オキソキノリン-3- カルボン酸 7-(7- アミノ-5- アザスピロ[2.4] ヘプタン-5- イル)-
8-クロロ-6- フルオロ-1-(2,4-ジフルオロフェニル)-1,
4-ジヒドロ-4- オキソキノリン-3- カルボン酸 7-(7- アミノ-5- アザスピロ[2.4] ヘプタン-5- イル)-
6-フルオロ-1-(2,4-ジフルオロフェニル)-1,4-ジヒドロ
-4- オキソキノリン-3- カルボン酸 7-(7- アミノ-5- アザスピロ[2.4] ヘプタン-5- イル)-
6-フルオロ-1-(2,4-ジフルオロフェニル)-1,4-ジヒドロ
-4- オキソ-1,8- ナフチリジン-3- カルボン酸
【0093】7-(7- アミノ-5- アザスピロ[2.4] ヘプタ
ン-5- イル)-6,8-ジフルオロ-1- ビニル-1,4- ジヒドロ
-4- オキソキノリン-3- カルボン酸 7-(7- アミノ-5- アザスピロ[2.4] ヘプタン-5- イル)-
8-クロロ-6- フルオロ-1- ビニル-1,4- ジヒドロ-4- オ
キソキノリン-3- カルボン酸 7-(7- アミノ-5- アザスピロ[2.4] ヘプタン-5- イル)-
6-フルオロ-1- ビニル-1,4- ジヒドロ-4- オキソキノリ
ン-3- カルボン酸 7-(7- アミノ-5- アザスピロ[2.4] ヘプタン-5- イル)-
6-フルオロ-1- ビニル-1,4- ジヒドロ-4- オキソ-1,8-
ナフチリジン-3- カルボン酸 1-シクロプロピル-7-(4,7-ジアザスピロ[2.5] オクタン
-7- イル)-6,8-ジフルオロ-1,4- ジヒドロ-4- オキソキ
ノリン-3- カルボン酸
【0094】8-クロロ-1- シクロプロピル-7-(4,7-ジア
ザスピロ[2.5] オクタン-7- イル)-6-フルオロ-1,4- ジ
ヒドロ-4- オキソキノリン-3- カルボン酸 1-シクロプロピル-7-(4,7-ジアザスピロ[2.5] オクタン
-7- イル)-6-フルオロ-1,4- ジヒドロ-4- オキソキノリ
ン-3- カルボン酸 1-シクロプロピル-7-(4,7-ジアザスピロ[2.5] オクタン
-7- イル)-6-フルオロ-1,4- ジヒドロ-4- オキソ-1,8-
ナフチリジン-3- カルボン酸
【0095】7-(4,7- ジアザスピロ[2.5] オクタン-7-
イル)-6,8-ジフルオロ-1-(2-フルオロエチル)-1,4-ジヒ
ドロ-4- オキソキノリン-3- カルボン酸 8-クロロ-7-(4,7-ジアザスピロ[2.5] オクタン-7- イ
ル)-6-フルオロ-1-(2-フルオロエチル)-1,4-ジヒドロ-4
- オキソキノリン-3- カルボン酸 7-(4,7- ジアザスピロ[2.5] オクタン-7- イル)-6-フル
オロ-1-(2-フルオロエチル)-1,4-ジヒドロ-4- オキソキ
ノリン-3- カルボン酸 7-(4,7- ジアザスピロ[2.5] オクタン-7- イル)-6-フル
オロ-1-(2-フルオロエチル)-1,4-ジヒドロ-4- オキソ-
1,8- ナフチリジン-3- カルボン酸
【0096】7-(4,7- ジアザスピロ[2.5] オクタン-7-
イル)-1-エチル-6,8- ジフルオロ-1,4- ジヒドロ-4- オ
キソキノリン-3- カルボン酸 8-クロロ-7-(4,7-ジアザスピロ[2.5] オクタン-7- イ
ル)-1-エチル-6- フルオロ-1,4- ジヒドロ-4- オキソキ
ノリン-3- カルボン酸 7-(4,7- ジアザスピロ[2.5] オクタン-7- イル)-1-エチ
ル-6- フルオロ-1,4-ジヒドロ-4- オキソキノリン-3-
カルボン酸 7-(4,7- ジアザスピロ[2.5] オクタン-7- イル)-1-エチ
ル-6- フルオロ-1,4-ジヒドロ-4- オキソ-1,8- ナフチ
リジン-3- カルボン酸
【0097】7-(4,7- ジアザスピロ[2.5] オクタン-7-
イル)-6,8-ジフルオロ-1-(2,4-ジフルオロフェニル)-1,
4-ジヒドロ-4- オキソキノリン-3- カルボン酸 8-クロロ-7-(4,7-ジアザスピロ[2.5] オクタン-7- イ
ル)-6-フルオロ-1-(2,4-ジフルオロフェニル)-1,4-ジヒ
ドロ-4- オキソキノリン-3- カルボン酸 7-(4,7- ジアザスピロ[2.5] オクタン-7- イル)-6-フル
オロ-1-(2,4-ジフルオロフェニル)-1,4-ジヒドロ-4- オ
キソキノリン-3- カルボン酸 7-(4,7- ジアザスピロ[2.5] オクタン-7- イル)-6-フル
オロ-1-(2,4-ジフルオロフェニル)-1,4-ジヒドロ-4- オ
キソ-1,8- ナフチリジン-3- カルボン酸
【0098】7-(4,7- ジアザスピロ[2.5] オクタン-7-
イル)-6,8-ジフルオロ-1- ビニル-1,4- ジヒドロ-4- オ
キソキノリン-3- カルボン酸 8-クロロ-7-(4,7-ジアザスピロ[2.5] オクタン-7- イ
ル)-6-フルオロ-1- ビニル-1,4- ジヒドロ-4- オキソキ
ノリン-3- カルボン酸 7-(4,7- ジアザスピロ[2.5] オクタン-7- イル)-6-フル
オロ-1- ビニル-1,4-ジヒドロ-4- オキソキノリン-3-
カルボン酸 7-(4,7- ジアザスピロ[2.5] オクタン-7- イル)-6-フル
オロ-1- ビニル-1,4-ジヒドロ-4- オキソ-1,8- ナフチ
リジン-3- カルボン酸
【0099】10-(7-アミノ-5- アザスピロ[2.4] ヘプタ
ン-5- イル)-9-フルオロ-3-(S)- メチル-2,3- ジヒドロ
-7- オキソ-7H-ピリド[1,2,3-de][1,4] ベンゾオキサジ
ン-6- カルボン酸 10-(4,7-ジアザスピロ[2.5] オクタン-7- イル)-9-フル
オロ-3-(S)- メチル-2,3- ジヒドロ- 7-オキソ-7H-ピリ
ド[1,2,3-de][1,4] ベンゾオキサジン-6- カルボン酸
【0100】8-(7- アミノ-5- アザスピロ[2.4] ヘプタ
ン-5- イル)-9-フルオロ-5-(S)- メチル-6,7- ジヒドロ
-1,7- ジオキソ-1H,5H- ベンゾ[ij]キノリジン-2- カル
ボン酸 8-(4,7- ジアザスピロ[2.5] オクタン-7- イル)-9-フル
オロ-5-(S)- メチル-6,7- ジヒドロ-1,7- ジオキソ-1H,
5H- ベンゾ[ij]キノリジン-2- カルボン酸
【0101】10-(7-アミノ-5- アザスピロ[2.4] ヘプタ
ン-5- イル)-9-フルオロ-3-(S)- メチル-2,3- ジヒドロ
-7- オキソ-7H-ピリド[1,2,3-de][1,4] ベンゾチアジン
-6-カルボン酸 10-(4,7-ジアザスピロ[2.5] オクタン-7- イル)-9-フル
オロ-3-(S)- メチル-2,3- ジヒドロ- 7-オキソ-7H-ピリ
ド[1,2,3-de][1,4] ベンゾチアジン-6- カルボン酸
【0102】5-アミノ-7-(7-アミノ-5- アザスピロ[2.
4] ヘプタン-5- イル)-1-シクロプロピル-6,8- ジフル
オロ-1,4- ジヒドロ-4- オキソキノリン-3- カルボン酸 5-アミノ-7-(7-アミノ-5- アザスピロ[2.4] ヘプタン-5
- イル)-8-クロロ-1-シクロプロピル-6- フルオロ-1,4-
ジヒドロ-4- オキソキノリン-3- カルボン酸
【0103】5-アミノ-7-(7-アミノ-5- アザスピロ[2.
4] ヘプタン-5- イル)-6,8-ジフルオロ-1-(2-フルオロ
エチル)-1,4-ジヒドロ-4- オキソキノリン-3- カルボン
酸 5-アミノ-7-(7-アミノ-5- アザスピロ[2.4] ヘプタン-5
- イル)-8-クロロ-6-フルオロ-1-(2-フルオロエチル)-
1,4-ジヒドロ-4- オキソキノリン-3- カルボン酸
【0104】5-アミノ-7-(7-アミノ-5- アザスピロ[2.
4] ヘプタン-5- イル)-1-エチル-6,8- ジフルオロ-1,4-
ジヒドロ-4- オキソキノリン-3- カルボン酸 5-アミノ-7-(7-アミノ-5- アザスピロ[2.4] ヘプタン-5
- イル)-8-クロロ-1-エチル-6- フルオロ-1,4- ジヒド
ロ-4- オキソキノリン-3- カルボン酸
【0105】5-アミノ-7-(7-アミノ-5- アザスピロ[2.
4] ヘプタン-5- イル)-6,8-ジフルオロ-1-(2,4-ジフル
オロフェニル)-1,4-ジヒドロ-4- オキソキノリン-3- カ
ルボン酸 5-アミノ-7-(7-アミノ-5- アザスピロ[2.4] ヘプタン-5
- イル)-8-クロロ-6-フルオロ-1-(2,4-ジフルオロフェ
ニル)-1,4-ジヒドロ-4- オキソキノリン-3- カルボン酸
【0106】5-アミノ-1- シクロプロピル-7-(4,7-ジア
ザスピロ[2.5] オクタン-7- イル)-6,8-ジフルオロ-1,4
- ジヒドロ-4- オキソキノリン-3- カルボン酸 5-アミノ-8- クロロ-1- シクロプロピル-7-(4,7-ジアザ
スピロ[2.5] オクタン-7- イル)-6-フルオロ-1,4- ジヒ
ドロ-4- オキソキノリン-3- カルボン酸
【0107】5-アミノ-7-(4,7-ジアザスピロ[2.5] オク
タン-7- イル)-6,8-ジフルオロ-1-(2-フルオロエチル)-
1,4-ジヒドロ-4- オキソキノリン-3- カルボン酸 5-アミノ-8- クロロ-7-(4,7-ジアザスピロ[2.5] オクタ
ン-7- イル)-6-フルオロ-1-(2-フルオロエチル)-1,4-ジ
ヒドロ-4- オキソキノリン-3- カルボン酸
【0108】5-アミノ-7-(4,7-ジアザスピロ[2.5] オク
タン-7- イル)-1-エチル-6,8- ジフルオロ-1,4- ジヒド
ロ-4- オキソキノリン-3- カルボン酸 5-アミノ-8- クロロ-7-(4,7-ジアザスピロ[2.5] オクタ
ン-7- イル)-1-エチル-6- フルオロ-1,4- ジヒドロ-4-
オキソキノリン-3- カルボン酸
【0109】5-アミノ-7-(4,7-ジアザスピロ[2.5] オク
タン-7- イル)-6,8-ジフルオロ-1-(2,4-ジフルオロフェ
ニル)-1,4-ジヒドロ-4- オキソキノリン-3- カルボン酸 5-アミノ-8-クロロ-7-(4,7-ジアザスピロ[2.5] オクタン
-7- イル)-6-フルオロ-1-(2,4-ジフルオロフェニル)-1,
4-ジヒドロ-4- オキソキノリン-3- カルボン酸
【0110】5-アミノ-7-(7-アミノ-5- アザスピロ[2.
4] ヘプタン-5- イル)-6,8-ジフルオロ-1- ビニル-1,4-
ジヒドロ-4- オキソキノリン-3- カルボン酸 5-アミノ-7-(7-アミノ-5- アザスピロ[2.4] ヘプタン-5
- イル)-8-クロロ-6-フルオロ-1- ビニル-1,4- ジヒド
ロ-4- オキソキノリン-3- カルボン酸
【0111】5-アミノ-7-(4,7-ジアザスピロ[2.5] オク
タン-7- イル)-6,8-ジフルオロ-1-ビニル-1,4- ジヒド
ロ-4- オキソキノリン-3- カルボン酸 5-アミノ-8- クロロ -7-(4,7- ジアザスピロ[2.5] オク
タン-7- イル)-6-フルオロ-1- ビニル-1,4- ジヒドロ-4
- オキソキノリン-3- カルボン酸
【0112】7-(7- アミノ-5- アザスピロ[2.4] ヘプタ
ン-5- イル)-1-シクロプロピル-6-フルオロ-8- メトキ
シ-1,4- ジヒドロ-4- オキソキノリン-3- カルボン酸 7-(7- アミノ-5- アザスピロ[2.4] ヘプタン-5- イル)-
6-フルオロ-1-(2-フルオロエチル)-8-メトキシ-1,4- ジ
ヒドロ-4- オキソキノリン-3- カルボン酸 7-(7- アミノ-5- アザスピロ[2.4] ヘプタン-5- イル)-
1-エチル-6- フルオロ-8- メトキシ-1,4- ジヒドロ-4-
オキソキノリン-3- カルボン酸 7-(7- アミノ-5- アザスピロ[2.4] ヘプタン-5- イル)-
6-フルオロ-1-(2,4-ジフルオロフェニル)-8-メトキシ-
1,4- ジヒドロ-4- オキソキノリン-3- カルボン酸 7-(7- アミノ-5- アザスピロ[2.4] ヘプタン-5- イル)-
6-フルオロ-8- メトキシ-1- ビニル-1,4- ジヒドロ-4-
オキソキノリン-3- カルボン酸
【0113】7-(7- アミノ-5- アザスピロ[2.4] ヘプタ
ン-5- イル)-1-シクロプロピル-6-フルオロ-8- メチル-
1,4- ジヒドロ-4- オキソキノリン-3- カルボン酸 7-(7- アミノ-5- アザスピロ[2.4] ヘプタン-5- イル)-
6-フルオロ-1-(2-フルオロエチル)-8-メチル-1,4- ジヒ
ドロ-4- オキソキノリン-3- カルボン酸 7-(7- アミノ-5- アザスピロ[2.4] ヘプタン-5- イル)-
1-エチル-6- フルオロ-8- メチル-1,4- ジヒドロ-4- オ
キソキノリン-3- カルボン酸 7-(7- アミノ-5- アザスピロ[2.4] ヘプタン-5- イル)-
6-フルオロ-1-(2,4-ジフルオロフェニル)-8-メチル-1,4
- ジヒドロ-4- オキソキノリン-3- カルボン酸 7-(7- アミノ-5- アザスピロ[2.4] ヘプタン-5- イル)-
6-フルオロ-8- メチル-1- ビニル-1,4- ジヒドロ-4- オ
キソキノリン-3- カルボン酸
【0114】1-シクロプロピル-7-(4,7-ジアザスピロ
[2.5]-オクタン-7- イル)-6-フルオロ-8- メトキシ-1,4
- ジヒドロ-4- オキソキノリン-3- カルボン酸 7-(4,7- ジアザスピロ[2.5] オクタン-7- イル)-6-フル
オロ-1-(2-フルオロエチル)-8-メトキシ- 1,4-ジヒドロ
-4- オキソキノリン-3- カルボン酸 7-(4,7- ジアザスピロ[2.5] オクタン-7- イル)-1-エチ
ル-6- フルオロ-8- メトキシ-1,4- ジヒドロ-4- オキソ
キノリン-3- カルボン酸 7-(4,7- ジアザスピロ[2.5] オクタン-7- イル)-1-(2,4
- ジフルオロフェニル)-6-フルオロ-8- メトキシ-1,4-
ジヒドロ-4- オキソキノリン-3- カルボン酸 7-(4,7- ジアザスピロ[2.5] オクタン-7- イル)-6-フル
オロ-1- ビニル-8- メトキシ-1,4- ジヒドロ-4- オキソ
キノリン-3- カルボン酸
【0115】1-シクロプロピル-7-(4,7-ジアザスピロ
[2.5]-オクタン-7- イル)-6-フルオロ-8- メチル-1,4-
ジヒドロ-4- オキソキノリン-3- カルボン酸 7-(4,7- ジアザスピロ[2.5] オクタン-7- イル)-6-フル
オロ-1-(2-フルオロエチル)-8-メチル-1,4- ジヒドロ-4
- オキソキノリン-3- カルボン酸 7-(4,7- ジアザスピロ[2.5] オクタン-7- イル)-1-エチ
ル-6- フルオロ-8- メチル-1,4- ジヒドロ-4- オキソキ
ノリン-3- カルボン酸 7-(4,7- ジアザスピロ[2.5] オクタン-7- イル)-6-フル
オロ-1-(2,4-ジフルオロフェニル)-8-メチル-1,4- ジヒ
ドロ-4- オキソキノリン-3- カルボン酸 7-(4,7- ジアザスピロ[2.5] オクタン-7- イル)-6-フル
オロ-1- ビニル-8- メチル-1,4- ジヒドロ-4- オキソキ
ノリン-3- カルボン酸
【0116】7-(8- アミノ-6- アザスピロ[3.4] オクタ
ン-6- イル)-1-シクロプロピル-6,8- ジフルオロ-1,4-
ジヒドロ-4- オキソキノリン-3- カルボン酸 7-(8- アミノ-6- アザスピロ[3.4] オクタン-6- イル)-
8-クロロ-1- シクロプロピル-6- フルオロ- 1,4-ジヒド
ロ-4- オキソキノリン-3- カルボン酸
【0117】7-(8- アミノ-6- アザスピロ[3.4] オクタ
ン-6- イル)-6,8-ジフルオロ-1-(2-フルオロエチル)-1,
4-ジヒドロ-4- オキソキノリン-3- カルボン酸 7-(8- アミノ-6- アザスピロ[3.4] オクタン-6- イル)-
8-クロロ-6- フルオロ-1-(2-フルオロエチル)-1,4-ジヒ
ドロ-4- オキソキノリン-3- カルボン酸
【0118】7-(8- アミノ-6- アザスピロ[3.4] オクタ
ン-6- イル)-1-エチル-6,8- ジフルオロ-1,4- ジヒドロ
-4- オキソキノリン-3- カルボン酸 7-(8- アミノ-6- アザスピロ[3.4] オクタン-6- イル)-
8-クロロ-1- エチル-6- フルオロ-1,4- ジヒドロ-4- オ
キソキノリン-3- カルボン酸
【0119】7-(8- アミノ-6- アザスピロ[3.4] オクタ
ン-6- イル)-6,8-ジフルオロ-1-(2,4-ジフルオロフェニ
ル)-1,4-ジヒドロ-4- オキソキノリン-3- カルボン酸 7-(8- アミノ-6- アザスピロ[3.4] オクタン-6- イル)-
8-クロロ-6- フルオロ-1-(2,4-ジフルオロフェニル)-1,
4-ジヒドロ-4- オキソキノリン-3- カルボン酸
【0120】7-(8- アミノ-6- アザスピロ[3.4] オクタ
ン-6- イル)-6,8-ジフルオロ-1- ビニル-1,4- ジヒドロ
-4- オキソキノリン-3- カルボン酸 7-(8- アミノ-6- アザスピロ[3.4] オクタン-6- イル)-
8-クロロ-6- フルオロ-1- ビニル-1,4- ジヒドロ-4- オ
キソキノリン-3- カルボン酸
【0121】10-(8-アミノ-6- アザスピロ[3.4] オクタ
ン-6- イル)-9-フルオロ-3-(S)- メチル-2,3- ジヒドロ
-7- オキソ-7H-ピリド[1,2,3-de][1,4] ベンゾオキサジ
ン-6- カルボン酸 8-(8- アミノ-6- アザスピロ[3.4] オクタン-6- イル)-
9-フルオロ-5-(S)- メチル-6,7- ジヒドロ-1,7- ジオキ
ソ-1H,5H- ベンゾ[ij]キノリジン-2- カルボン酸
【0122】1-シクロプロピル-7-(5,8-ジアザスピロ
[3.5] ノナン-8- イル)-6,8-ジフルオロ-1,4- ジヒドロ
- 4-オキソキノリン-3- カルボン酸 8-クロロ-1- シクロプロピル-7-(5,8-ジアザスピロ[3.
5] ノナン-8- イル)-6-フルオロ-1,4- ジヒドロ-4- オ
キソキノリン-3- カルボン酸
【0123】7-(5,8- ジアザスピロ[3.5] ノナン-8- イ
ル)-6,8-ジフルオロ-1-(2-フルオロエチル)-1,4-ジヒド
ロ-4- オキソキノリン-3- カルボン酸 8-クロロ-7-(5,8-ジアザスピロ[3.5] ノナン-8- イル)-
6-フルオロ-1-(2-フルオロエチル)-1,4-ジヒドロ-4- オ
キソキノリン-3- カルボン酸
【0124】7-(5,8- ジアザスピロ[3.5] ノナン-8- イ
ル)-6,8-ジフルオロ-1- エチル-1,4- ジヒドロ-4- オキ
ソキノリン-3- カルボン酸 8-クロロ-7-(5,8-ジアザスピロ[3.5] ノナン-8- イル)-
1-エチル-6- フルオロ-1,4- ジヒドロ-4- オキソキノリ
ン-3- カルボン酸
【0125】7-(5,8- ジアザスピロ[3.5] ノナン-8- イ
ル)-6,8-ジフルオロ-1-(2,4-ジフルオロフェニル)-1,4-
ジヒドロ-4- オキソキノリン-3- カルボン酸 8-クロロ-7-(5,8-ジアザスピロ[3.5] ノナン-8- イル)-
1-(2,4- ジフルオロフェニル)-6-フルオロ-1,4- ジヒド
ロ-4- オキソキノリン-3- カルボン酸
【0126】7-(5,8- ジアザスピロ[3.5] ノナン-8- イ
ル)-6,8-ジフルオロ-1- ビニル-1,4- ジヒドロ-4- オキ
ソキノリン-3- カルボン酸 8-クロロ-7-(5,8-ジアザスピロ[3.5] ノナン-8- イル)-
1-ビニル-6- フルオロ-1,4- ジヒドロ-4- オキソキノリ
ン-3- カルボン酸
【0127】10-(5,8-ジアザスピロ[3.5] ノナン-8- イ
ル)-9-フルオロ-3-(S)- メチル-2,3- ジヒドロ-7- オキ
ソ-7H-ピリド[1,2,3-de][1,4] ベンゾチアジン-6- カル
ボン酸 10-(5,8-ジアザスピロ[3.5] ノナン-8- イル)-9-フルオ
ロ-3-(S)- メチル-2,3- ジヒドロ-7- オキソ-7H-ピリド
[1,2,3-de][1,4] ベンゾオキサジン-6- カルボン酸 8-(5,8- ジアザスピロ[3.5] ノナン-8- イル)-9-フルオ
ロ-5-(S)- メチル-6,7- ジヒドロ-1,7- ジオキソ-1H,5H
- ベンゾ[ij]キノリジン-2- カルボン酸
【0128】7-(7- メチルアミノ-5- アザスピロ[2.4]
ヘプタン-5- イル)-8-クロロ-1- シクロプロピル-6- フ
ルオロ-1,4- ジヒドロ-4- オキソキノリン-3- カルボン
酸 7-(7- ジメチルアミノ-5- アザスピロ[2.4] ヘプタン-5
- イル)-8-クロロ-1-シクロプロピル-6- フルオロ-1,4-
ジヒドロ-4- オキソキノリン-3- カルボン酸 8-クロロ-1- シクロプロピル-7-(4-メチル-4,7- ジアザ
スピロ[2.5] オクタン-7- イル)-6-フルオロ-1,4- ジヒ
ドロ-4- オキソキノリン-3- カルボン酸
【0129】これらのスピロ環状アミンを有するキノロ
ン誘導体は、対応するスピロ環を持たないキノロン誘導
体に比べ脂溶性が高く、より高い経口吸収性が期待で
き、より優れた抗菌活性の発現が期待される。
【0130】ピリドンカルボン酸誘導体は遊離体のまま
でもよいが、酸付加塩としてあるいはカルボキシル基の
塩としてもよい。酸付加塩とする場合の例としては、塩
酸塩、硫酸塩、硝酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸
塩、リン酸塩等の無機酸塩類、あるいは酢酸塩、メタン
スルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホ
ン酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、乳酸
塩等の有機酸塩類を挙げることができる。
【0131】またカルボキシル基の塩としては、例えば
リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金
属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類
金属塩、アンモニウム塩、またトリエチルアミン塩や N
- メチルグルカミン塩、トリス- (ヒドロキシルメチ
ル)アミノメタン塩等で無機塩類、有機塩類の何れでも
よい。
【0132】またこれらのピリドンカルボン酸誘導体の
遊離体や酸付加塩、 カルボキシル基の塩は水和物として
存在することもある。
【0133】一方、カルボン酸部分がエステルであるキ
ノロン誘導体は合成中間体やプロドラッグとして有用で
ある。例えば、アルキルエステル類やベンジルエステル
類、アルコキシアルキルエステル類、フェニルアルキル
エステル類及びフェニルエステル類は合成中間体として
有用である。
【0134】また、プロドラッグとして用いられるエス
テルとしては、生体内で容易に切断されてカルボン酸の
遊離体を生成するようなエステルであり、例えば、アセ
トキシメチルエステル、ピバロイルオキシメチルエステ
ル、 エトキシカルボニルオキシエステル、コリンエステ
ル、ジメチルアミノエチルエステル、5-インダニルエス
テル及びフタリジニルエステル、5-置換-2- オキソ-1,3
- ジオキソール-4- イルメチルエステルそして 3- アセ
トキシ-2- オキソブチルエステル等のオキソアルキルエ
ステルを挙げることができる。
【0135】本発明化合物から導かれる置換基を有する
キノロン誘導体は強い抗菌作用を有することから人体、
動物、及び魚類用の医薬として或は農薬、食品の保存剤
として使用することができる。
【0136】本発明化合物から導かれる置換基を有する
キノロン誘導体を人体用の医薬として使用する場合、投
与量は成人一日当たり 50 mgから 1 g、好ましくは 100
mgから 300 mg の範囲である。
【0137】また動物用としての投与量は、投与の目的
(治療或は予防)、処置すべき動物の種類や大きさ、感
染した病原菌の種類、程度によって異なるが、一日量と
して一般的には動物の体重 1 kg 当たり 1 mg から 200
mg、好ましくは 5 mg から100 mg の範囲である。
【0138】この一日量を一日1回、あるいは2〜4回
に分けて投与する。また一日量は必要によっては上記の
量を超えてもよい。
【0139】本発明化合物から導かれる置換基を有する
キノロン誘導体は各種の感染症の原因となる広範囲の微
生物類に対して活性であり、これらの病原体によって引
き起こされる疾病を治療し、予防し、または軽減するこ
とができる。
【0140】本発明化合物から導かれる置換基を有する
キノロン誘導体が有効なバクテリア類又はバクテリア様
微生物類としてブドウ球菌属、化膿レンサ球菌、溶血レ
ンサ球菌、腸球菌、肺炎球菌、ペプトストレプトコッカ
ス属、淋菌、大腸菌、シトロバクター属、シゲラ属、肺
炎桿菌、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス
属、緑膿菌、インフルエンザ菌、アシネトバクター属、
カンピロバクター属、トラコーマクラミジア等を例示す
ることができる。
【0141】またこれらの病原体によって引き起こされ
る疾病としては、毛嚢炎、せつ、よう、丹毒、蜂巣炎、
リンパ管(節)炎、ひょう疽、皮下膿瘍、汗腺炎、 集簇
性ざ瘡、感染性粉瘤、肛門周囲膿瘍、乳腺炎、 外傷・熱
傷・手術創などの表在性二次感染、咽喉頭炎、急性気管
支炎、扁桃炎、慢性気管支炎、気管支拡張症、びまん性
汎細気管支炎、慢性呼吸疾患の二次感染、肺炎、腎盂腎
炎、膀胱炎、前立腺炎、副睾丸炎、淋菌性尿道炎、非淋
菌性尿道炎、胆のう炎、胆管炎、細菌性赤痢、腸炎、子
宮付属器炎、子宮内感染、バルトリン腺炎、眼瞼炎、麦
粒腫、涙嚢炎、瞼板腺炎、角膜潰瘍、中耳炎、副鼻腔
炎、歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎、腹膜炎、 心内膜
炎、敗血症、髄膜炎、皮膚感染症等を例示することがで
きる。
【0142】また動物の感染症の原因となる各種の微生
物、例えばエシエリキア属、サルモネラ属、パスツレラ
属、ヘモフィルス属、ボルデテラ属、スタヒロコッカス
属、マイコプラズマ属等に有効である。
【0143】具体的な疾病名を例示すると鳥類では大腸
菌症、 ひな白痢、鶏パラチフス症、家禽コレラ、 伝染性
コリーザ、ブドウ球菌症、マイコプラズマ感染症等、豚
では大腸菌症、サルモネラ症、パスツレラ症、ヘモフィ
ルス感染症、萎縮性鼻炎、滲出性表皮炎、マイコプラズ
マ感染症等、牛では大腸菌症、 サルモネラ症、出血性敗
血症、マイコプラズマ感染症、牛肺疫、乳房炎等、犬で
は大腸菌性敗血症、 サルモネラ感染症、出血性敗血症、
子宮蓄膿症、膀胱炎等、そして猫では滲出性胸膜炎、 膀
胱炎、慢性鼻炎、ヘモフィルス感染症、仔猫の下痢、マ
イコプラズマ感染症等を挙げることができる。
【0144】本発明化合物から導かれる置換基を有する
キノロン誘導体からなる抗菌製剤は投与法に応じ適当な
製剤を選択し、通常用いられている各種製剤の調製法に
て調製できる。本発明化合物を主剤とする抗菌製剤の剤
型としては例えば錠剤、散剤、 顆粒剤、カプセル剤や、溶液剤、シロップ剤、エリキ
シル剤、油性ないし水性の懸濁液等を経口用製剤として
例示できる。
【0145】注射剤としては製剤中に安定剤、防腐剤、
溶解補助剤を使用することもあり、これらの補助剤を含
むこともある溶液を容器に収納後、凍結乾燥等によって
固形製剤として用時調製の製剤としても良い。また一投
与量を容器に収納しても良く、また多投与量を同一の容
器に収納しても良い。
【0146】また外用製剤として溶液剤、懸濁液、乳濁
液、軟膏、ゲル、クリーム、ローション、スプレー等を
例示できる。
【0147】固形製剤としては活性化合物とともに製剤
学上許容されている添加物を含み、例えば充填剤類や増
量剤類、結合剤類、崩壊剤類、溶解促進剤類、湿潤剤
類、潤滑剤類等を必要に応じて選択して混合し、製剤化
することができる。
【0148】液体製剤としては溶液、懸濁液、乳液剤等
を挙げることができるが添加剤として懸濁化剤、乳化剤
等を含むこともある。
【0149】本発明化合物から導かれる置換基を有する
キノロン誘導体を動物に投与する方法としては直接ある
いは飼料中に混合して経口的に投与する方法、また溶液
とした後、直接もしくは飲水、飼料中に添加して経口的
に投与する方法、注射によって投与する方法等を例示す
ることができる。
【0150】また、動物に投与するための製剤として
は、この分野に於いて通常用いられている技術によって
適宜散剤、細粒剤、可溶散剤、シロップ剤、溶液剤、あ
るいは注射剤とすることができる。
【0151】次に製剤処方例を示す。
【0152】 製剤例1.(カプセル剤): 化合物32b 100.0mg コーンスターチ 23.0mg CMC カルシウム 22.5mg ハイドロキプロピルシメチルセルロース 3.0mg ステアリン酸マグネシウム 1.5mg 総計 150.0mg
【0153】 製剤例2.(溶液剤): 化合物31b 1 〜 10 g 酢酸又は水酸化ナトリウム 0.5 〜 2 g パラオキシ安息香酸エチル 0.1 g 精製水 88.9 〜 98.4 g 計 100 g
【0154】 製剤例3.(飼料混合用散剤): 化合物55b 1 〜 10 g コーンスターチ 98.5 〜 89.5 g 軽質無水ケイ酸 0.5 g 計 100 g
【0155】
【実施例】次に実施例を挙げ、本発明をさらに詳しく説
明するが本発明はこれに限定されるものではない。ま
た、抗菌活性は日本化学療法学会指定の方法(日本化学
療法学会雑誌、29(1)、 76(1981))に準じて実施した。抗
菌活性の表の次に各種スピロ置換環状アミン誘導体、キ
ノロン骨格合成の中間化合物そして各種スピロ化合物の
合成の反応式を示した。
【0156】実施例1.7-アミノ-5- アザスピロ[2.4]
ヘプタンの合成 1) 1- アセチル-1- シクロプロパンカルボン酸エチル 2 アセト酢酸エチル、 10.4 gに1,2-ジブロモエタン 15
g、炭酸カリウム 23 g、N,N-ジメチルホルムアミド (D
MF) 150 mlを混合し室温で2日間撹拌した。不溶物を
濾去し、濾液を減圧乾固して残留物に水を加え、クロロ
ホルムで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥
し、溶媒を減圧留去して得られた淡黄色油状物を減圧蒸
留し、沸点 70 - 71℃/2 - 3 mmHg の留分として標記の
化合物2、 7.5 gを得た。
【0157】1H-NMR(CDCl3) δppm:1.30(3H, t, J = 7
Hz), 1.48(4H, s), 2.49(3H, s),4.24(2H, q, J = 7 H
z).
【0158】2) 5-ベンジル-4,7- ジオキソ-5- アザス
ピロ[2.4] ヘプタン 4 化合物 2、 7 g をエタノール 50 mlに溶解し、臭素 8.0
gを室温撹拌下に滴下した。室温で2時間撹拌した後、
過剰の臭素と溶媒を減圧留去し、1-ブロモアセチル-1-
シクロプロパンカルボン酸エチル 3、 を得た。これは精
製することなくエタノール 50 mlに溶解し、氷冷撹拌下
にベンジルアミン 12 g を滴下した。室温に戻して24時
間撹拌後、溶媒を減圧留去し、残留物をクロロホルム 2
00 ml に溶解して 1N 塩酸、飽和食塩水の順に洗浄して
無水硫酸ナトリウムにて脱水した。溶媒を減圧留去し、
残留物をシリカゲルクロマトグラフィに付して 2 %メタ
ノール−クロロホルムで溶出し標記の化合物 4、 2.3 g
を淡黄色結晶として得た。
【0159】1H-NMR(CDCl3) δppm:1.6 - 1.8(4H, m),
3.78(2H, s), 4.68(2H, s), 7.2 - 7.45(5H, br s).
【0160】3) 5-ベンジル-7-(ヒドロキシイミノ)-4-
オキソ-5- アザスピロ[2.4] ヘプタン5 化合物 4、 670 mgにヒドロキシルアミン塩酸塩 700 mg、
トリエチルアミン 200mg 、エタノール 10 mlを加え、
室温で一夜撹拌した。溶媒を減圧留去し、 残留物に 10%
クエン酸水溶液を加えて溶解し、クロロホルムで抽出し
た。クロロホルム抽出液を1N水酸化ナトリウム水溶液で
逆抽出し、この水層を濃塩酸酸性としてクロロホルムで
抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで脱水後、溶媒
を減圧留去し、標記の化合物 5、 490 mgを白色結晶とし
て得た。
【0161】1H-NMR(CDCl3) δppm:1.3 - 1.7(4H, m),
3.80* & 4.10*(2H, s), 4.60** & 4.70**(2H,s),7.38(5
H, arm.) (*, ** :sin, anti の混ざりである)
【0162】4) 7-アミノ-5- アザスピロ[2.4] ヘプタ
ン 7 化合物 5、 490 mgを無水テトラヒドロフラン 80 mlに溶
解し、リチウムアルミニウムハイドライド 500 mg を加
えて8時間加熱還流した。室温に戻した後、水0.5 ml、
15%水酸化ナトリウム水溶液 0.5 ml、水 1.5 ml の順に
加え、不溶物を濾去して濾液を減圧濃縮し、7-アミノ-5
- ベンジル-5- アザスピロ[2.4] ヘプタン 6、 を得た。
これは精製せずにエタノール 20 mlに溶かし 10%パラジ
ウム−炭素を加え、4.5 kg/cm2、50℃の条件下で接触水
素化した。6時間後、触媒を濾去し、濾液を室温以下の
温度で減圧濃縮し、標記の化合物 7の粗成績体を得た。
この化合物 7は精製することなく種々の反応に使用し
た。
【0163】5) 7-[(R)-N-p-トルエンスルホニルプロリ
ル]アミノ-5- ベンジル-5- アザスピロ[2.4] ヘプタン
8 化合物 6、 2.8 g、トリエチルアミン 1.5 g、 メチレンク
ロリド 50 mlを混合し、氷冷撹拌下、別に調製した (R)
-N-p- トルエンスルホニルプロリンの酸クロリド(註、
(R)-N-p-トルエンスルホニルプロリン 4 gと過剰の塩化
チオニルを使用して調製した。)のメチレンクロリド 1
0 mlの溶液を10分で滴下した後、室温に戻し3時間撹拌
した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び
飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。
溶媒を減圧留去後、残留物をフラッシュカラムクロマト
グラフィ(シリカゲル 80 g )に付し、酢酸エチル溶出
部から飴状物質の標記の化合物 8、 3.5 g を得た。
【0164】6) 7-[(R)-N-p-トルエンスルホニルプロリ
ル]アミノ-5- ベンジルオキシカルボニル-5- アザスピ
ロ[2.4] ヘプタン 9、 及び光学活性体 9a、 9b 化合物 8、 3.5 g、クロル炭酸ベンジル 2.5 ml を乾燥メ
チレンクロリド 4 mlに加え、12時間室温で撹拌した。
更にクロル炭酸ベンジル 4 ml を加えて5時間撹拌後、
クロロホルムを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、
飽和食塩水で順次洗浄した。 無水硫酸ナトリウムで乾燥
後、溶媒を減圧留去して残留物をフラッシュカラムクロ
マトグラフィ(シリカゲル、 85 g)に付し、酢酸エチル
−n-ヘキサン(2:1〜4:1, v/v) 溶出部から標記の化合物
9、 3 g を淡黄色油状物として得、直ちにHPLCに付して
光学活性化合物 9a 及び 9b を各々 1.40 g、 1.45 g 得
た。
【0165】
【0166】7) 光学活性 7- アミノ-5- アザスピロ
[2.4] ヘプタン 7a 及び 7b 化合物 9a、 1.4 gをエタノール 20 mlに溶解し、 2N水酸
化ナトリウム水溶液 15 mlを加えて19時間還流した。反
応液を濃塩酸酸性とし、クロロホルムで2回、酢酸エチ
ルで1回洗浄後、水層を減圧濃縮して無色固体を残留物
として得た。この無色固体に 50%水酸化ナトリウム水溶
液 10 mlを加え、 減圧蒸留し、化合物 7a を含む水溶液
を留出物として得、このままで次の反応に使用した。
【0167】もう一方の化合物 7b についても化合物 9
b から同様の操作で得ることができた。
【0168】8) 7- 第三級ブトキシカルボニルアミノ-5
- アザスピロ[2.4] ヘプタン 11 化合物 6、 800 mgをテトラヒドロフラン 30 mlに溶解
し、室温で 2-(第三級ブトキシカルボニルオキシイミ
ノ)-2-フェニルアセトニトリル(BOC-ON)、 1.2 gを加
え、2時間反応させた。溶媒を減圧留去し、残留物にク
ロロホルムを加え、10% クエン酸水溶液で抽出した。ク
エン酸抽出液を 1N 水酸化ナトリウム水溶液でpH を 10
以上とし、クロロホルムで抽出した。抽出液を無水硫
酸ナトリウムで乾燥後溶媒を減圧留去し、7-第三級ブト
キシカルボニルアミノ-5- ベンジル-5-アザスピロ[2.4]
ヘプタン 10、 900 mg を得た。この化合物10、 870 mg
をエタノール 15 mlに溶解し、10%-パラジウム炭素 500
mg を加えて加圧下(4.5 kg/cm2)、40 ℃で接触水素化し
た。2時間後触媒を濾去し、濾液を減圧濃縮し、標記の
化合物 11 を得、これは精製することなく置換反応に用
いた。
【0169】実施例2.光学活性 7- アミノ-5- アザス
ピロ[2.4] ヘプタンの合成 1) 5-[1-(R)-フェニルエチル]-4,7-ジオキソ-5- アザス
ピロ[2.4] ヘプタン 12 化合物 2、 35.7 gをエタノール 200 ml に溶解して臭素
40 g を室温で撹拌下に滴下した。室温で2時間撹拌し
た後、過剰の臭素と溶媒を減圧留去して1-ブロモアセチ
ル-1- シクロプロパンカルボン酸エチル 3を得た。これ
は精製することなくエタノール 200 ml に溶解し、氷冷
撹拌下に R-(+)-1- フェニルエチルアミン 33 g とトリ
エチルアミン 27 g を同時に1時間にわたり滴下し、そ
の後室温に戻し2日間撹拌を行った。不溶物を濾去した
後エタノールを減圧留去し、残留物を酢酸エチル 300 m
l に溶解し1N塩酸、飽和重曹水、飽和食塩水の順に洗浄
して有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を
減圧留去し、残留物を 200gのシリカゲルカラムクロマ
トグラフィーに付し、クロロホルム〜 2% メタノール/
クロロホルムで溶出し、標記の化合物 12 を無色結晶と
して得た。
【0170】融点:98 - 103℃1 H-NMR(CDCl3) δppm :1.62(3H, d, J = 7.2 Hz), 1.4
- 1.8(4H, m), 3.5(1H, d, J = 18 Hz),3.9(1H, d, J
= 18 Hz), 5.82(1H, q, J = 7.2 Hz), 7.36(5H, s).
【0171】2) 5-[1-(R)-フェニルエチル]-7-ヒドロキ
シイミノ-4- オキソ-5- アザスピロ[2.4] ヘプタン 13 化合物 12、 3.35 g にヒドロキシルアミン塩酸塩 1.6
g、 トリエチルアミン 2.3 g、 エタノール 80 mlを加
え、室温で2時間撹拌した。溶媒を減圧留去し、残留物
にクロロホルムを加え、10% クエン酸水溶液および飽和
食塩水で洗浄し有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。溶媒を減圧留去することにより標記の化合物 13、
3.5 gを無色結晶として得た。
【0172】融点:188 - 194 ℃1 H-NMR(CDCl3) δppm :1.2-1.4(2H, m), 1.53(3H, d,
J = 7.2 Hz,& 2H, m),3.8(1H, d, J = 18 Hz), 4.16(1
H, d, J = 18 Hz),5.63(1H, q, J = 7.2 Hz), 7.32(5H,
s)
【0173】3) 7- アミノ-4- オキソ-5-[1-(R)-フェニ
ルエチル]-5-アザスピロ[2.4] ヘプタン 14a、 14b 化合物 13、 3.5 gとラネーニッケル 7.5 ml をメタノー
ル 150 ml に加え、室温で12時間接触還元を行なった。
触媒を濾去後、溶媒を減圧留去し、残留物を 100 gのシ
リカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、5%メタノー
ル/クロロホルムで溶出することにより、化合物 14b
(始めに溶出されるフラクション)および化合物 14aを
無色油状物として各々 1.0 g、 0.8 g 得た。
【0174】14b;1H-NMR(CDCl3) δppm :0.8 −
1.4(4H, m), 1.52(3H, d, J
= 7 Hz), 2.87(1H, dd, J
= 10.3Hz),3.3 − 3.9(2H,
m), 4.27(2H, br s), 5.42
(1H, q, J = 7 Hz),7.29(5
H, s)
【0175】14a;H−NMR(CDCl) δ
ppm :0.6 - 1.3(4H, m), 1.40(2H, s), 1.53(3H, d, J
= 7.2 Hz),2.99(1H, dd, J = 12.8, 7.2 Hz), 3.15 -
3.45(2H, m),5.52(1H, q, J = 7.2 Hz), 7.30(5H, s)
【0176】4) 7- アミノ-5-[1-(R)-フェニルエチル]-
5-アザスピロ[2.4] ヘプタン 15a、 15b 無水テトラヒドロフラン 50 mlに化合物 14b、 1.0 g お
よびリチウムアルミニウムハイドライド、 500 mgを加え
17時間還流を行なった。冷後、反応液に水 0.5ml、 15%
水酸化ナトリウム水溶液 0.5 ml、水 1.5 ml を順次加
え、室温で更に30分撹拌した。不溶物を濾過後、テトラ
ヒドロフランでよく洗浄し、濾液、洗液を合して乾燥し
た。溶媒を減圧留去後、淡黄色油状物の標記の化合物 1
5b、 940 mgを得た。同様にして化合物 14a、 800 mgから
化合物 15a、 755 mgを得た。
【0177】15b;1H-NMR(CDCl3) δppm :0.2 - 0.8(4
H, m), 1.35(3H, d, J = 6.6 Hz), 1.6 - 2.0(2H, br
m),2.2 - 3.1(4H, m), 3.24(1H, q, J = 6.6 Hz),3.5 -
3.9(1H, m),7.28(5H, br s)
【0178】15a;1H-NMR(CDCl3) δppm :0.3 - 0.9(4
H, m), 1.36(3H, d, J = 6.7 Hz), 1.8 - 2.2(2H, m),
2.2 - 3.2(4H, m), 3.24(1H, q, J = 6.7 Hz), 3.6 -
3.9(1H, m),7.28(5H, br s)
【0179】5) 7-(第三級ブトキシカルボニルアミノ)-
5-[1-(R)- フェニルエチル]-5-アザスピロ[2.4] ヘプタ
ン 16a、 16b 無水テトラヒドロフラン 20 ml中に化合物 15b、 764 mg
および BOC-ON、 1.3 gを加え、室温で4時間撹拌を行な
った。反応液に酢酸エチルを加え、1N水酸化ナトリウム
水溶液で2回、水で1回洗浄後 10%クエン酸水溶液で抽
出した。水層を酢酸エチルで1回洗浄後、15% 水酸化ナ
トリウム水溶液を冷却下に加えてアルカリ性にした後、
クロロホルムで3回抽出を行い、有機層を飽和食塩水で
洗浄して乾燥した。溶媒留去後、残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(シリカゲル、20 g、 クロロホル
ム:メタノール=20:1、 10:1 で溶出) に付し、標記の化
合物 16b、 690 mgを得た。このものは放置後結晶化し
た。n-ヘキサンで洗浄した。化合物 16aも同様の方法で
得た。
【0180】16b :無色結晶 融点:103 - 105 ℃ [α]D -15.2°(c = 1.475, クロロホルム)1 H-NMR(CDCl3) δppm :0.4 - 0.9(4H, m), 1.36(3H,
d, J = 7.2 Hz), 1.44(9H, s),2.42(2H, AB q, J = 10.
2 Hz), 2.79(2H, d, J = 5.6 Hz),3.24(1H, q, J = 7.2
Hz), 3.6 - 4.0(1H, m), 4.6 - 5.1(1H, br d),7.28(5
H, s) 元素分析:C19H28N2O2として 計算値:C 72.12, H 8.92, N 8.85 分析値:C 71.63, H 9.07, N 8.64
【0181】16a :無色結晶 融点:94 - 97℃ [α]D +47.6°(c = 0.89,クロロホルム)1 H-NMR(CDCl3) δppm :0.4−0.9(4H,
m), 1.33(3H, d, J = 6.6 H
z), 1.40(9H, s),2.29(1H,
d, J = 9 Hz), 2.44(1H, d
d, J = 10.8, 3.6 Hz),2.77
(1H, d, J = 9 Hz), 2.88(1
H, dd, J = 10.8, 5.3 Hz),
3.22(1H, q, J = 6.6 Hz),
3.6 − 3.9(1H, m), 4.7 −
5.2(1H, br d),7.27(5H, s) 元素分析:C1928として 計算値:C 72.12, H 8.92, N 8.85 分析値:C 71.86, H 9.36, N 8.68
【0182】6) 7-第三級ブトキシカルボニルアミノ-5
- アザスピロ[2.4] ヘプタン 11a、 11b 化合物 16b、 650 mgと 50%含水パラジウム−炭素 500 m
g を 30 mlのエタノールに加えて 4.2気圧で加温下に接
触還元を行なった。6時間後、触媒を濾去して母液を減
圧留去し得られた油状残留物に酢酸エチルを加え 10%ク
エン酸水溶液で2回抽出後、水層を 15%水酸化ナトリウ
ム水溶液を加えアルカリ性にし、次いでこれをクロロホ
ルムで3回抽出し、クロロホルム層を水洗後乾燥した。
溶媒を留去後、粗生成物の標記の化合物 11bを 440 mg
得た。同様にして化合物 11aも得た。化合物11b、 11aの
1H-NMR スペクトルは完全に一致した。
【0183】17b;1H-NMR(CDCl3) δppm :0.4 - 1.0(4
H, m), 1.42(9H, s), 2.71(1H, d, J = 10.2 Hz),2.92
(1H, dd, J = 10.8, 3.6 Hz), 3.01(1H, d, J = 10.2 H
z),3.33(1H, dd, J = 10.8, 5.4 Hz), 3.5 - 3.9(1H,
m),5.0 - 5.4(1H, br d)
【0184】実施例3.4,7-ジアザスピロ[2.5] オクタ
ンの合成 1) シクロプロパン-1,1- ジブロモアミド 18 シクロプロパン-1,1- ジアミド 17、 14.0 g を臭素 35
g に懸濁し、室温撹拌下、水酸化カリウム 14 g より調
整した水酸化カリウム水溶液 130 ml を滴下した。1時
間撹拌後、氷水で冷却し、析出晶を濾取して氷水で洗
い、風乾後66℃で2時間減圧乾燥し、標記の化合物 18、
28.6 g を得た。
【0185】2) 4,6-ジアザスピロ[2.4] ヘプタン-5,7
- ジオン 19 化合物 18、 26 g を氷冷撹拌下、金属ナトリウム 9.1 g
と無水メタノールから調整したナトリウムメトキサイド
溶液に加えた。冷却を止め撹拌を続けると内温は徐々に
上昇し、約20℃から一気に上昇してメタノールは沸騰し
た。10分間加熱還流後室温に戻し、減圧乾固した。残留
物にアセトンを加えて濾過し、結晶をアセトンで洗浄
し、洗液を濾液に加えて減圧濃縮し、標記の化合物 19
の粗体を得、精製することなく次の反応に用いた。
【0186】3) 1-アミノシクロプロパンカルボン酸 2
0 及び1-第三級ブトキシカルボニルアミノシクロプロパ
ンカルボン酸 21 化合物 19 の粗体を水 60 mlに溶解し、 水酸化バリウム
15 g を加え、ステンレスオートクレーブ中にて外温 1
70℃で2時間反応させた。一夜放置後、析出した炭酸バ
リウムを濾去し、更に濾液に炭酸アンモニウムを加えて
析出する炭酸バリウムを濾去した。濾液を濃縮し、アミ
ノ酸化合物 20 の粗体を得た。この化合物 20 は精製す
ることなくBOC-ONを用いて第三級ブトキシカルボニル化
して化合物 21、 2.5 gを得た
【0187】1H-NMR(CDCl3) δppm:1.85(2H, t), 2.05
(9H, s), 2.15(2H, t)
【0188】4) エチル (1-第三級ブトキシカルボニル
アミノ-1- シクロプロピルカルボニルアミノ)アセテー
ト 22 化合物 21、 700 mg をジオキサン 50 mlに溶解し、 ジシ
クロヘキシルカルボニルジイミド 800 mg、グリシンエチ
ルエステル塩酸塩 600 mg を加え、室温で撹拌下、トリ
エチルアミン 400 mg のジオキサン溶液 10 mlを徐々に
滴下し、更に3時間撹拌を続けた。溶媒を減圧留去して
残留物をシリカゲルカラムクロマトに付し、5%メタノー
ル−クロロホルム溶出部から標記の化合物 22、 700 mg
を得た。
【0189】5) エチル (1-アミノ-1- シクロプロピル
カルボニルアミノ)アセテート 23 化合物 22、 680 mg にトリフルオロ酢酸 10 ml、 アニソ
ール 0.5 gを加え、室温で2時間撹拌した。溶媒を減圧
留去し、残留物に炭酸カリウム水溶液を加えてpH を10
以上とした。食塩で飽和した後クロロホルムで抽出し
た。クロロホルム層を無水硫酸ナトリウムで脱水して溶
媒を減圧留去し、標記の化合物 23、 410 mg を得た。
【0190】1H-NMR(CDCl3) δppm:0.85(2H, t), 1.28
(3H, t), 1.46(2H, t, J = 4 Hz), 1.68(2H, br-s),4.2
1(2H, t, J = 7 Hz), 4.40(2H, d, J = 7 Hz)
【0191】6) 4,7-ジアザスピロ[2.5] オクタン-5,8
- ジオン 24 化合物 23、 500 mg を 220℃の油浴で加熱すると発泡の
後に固化した。20分加熱を続けた後、室温にまで冷却
し、標記の化合物 24 の粗体を得た。1 H-NMR(DMSO-d6) δppm:0.96(2H, t), 1.17(2H, t, J =
4 Hz), 3.86(2H, J = 3 Hz),8.0, 8.25(各 1H, br-s)
【0192】7) 4,7-ジアザスピロ[2.5] オクタン 25 化合物 24、 350 mg を無水テトラヒドロフラン 200 ml
に懸濁し、リチウムアルミニウムハイドライド 0.6 gを
加え、14時間加熱還流した。反応後、 氷冷下で水 0.6
g、15% 水酸化ナトリウム水溶液 0.6 g、 水 1.8 gを順
に加え、析出物を濾取した。テトラヒドロフラン、エー
テルで析出物を充分洗浄し、洗液を濾液に加えて溶媒を
減圧留去濃縮し、標記の4,7-ジアザスピロ[2.5] オクタ
ン 25 の粗成績体を得、これは更に精製することなく置
換反応に用いた。
【0193】参考例1 安息香酸誘導体の合成 1) 3- クロロ-2,4,5- トリフルオロ−安息香酸 27 アセトニトリル 150 ml に無水塩化第一銅 9.3 g、 亜硝
酸第三級ブチル 8.8 gを加え、60℃で加熱撹拌下に3-ア
ミノ-2,4,5- トリフルオロ−安息香酸 26(市販品)、 11
g を加え、20分撹拌を続けた。冷後、15% 塩酸 500 ml
を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナト
リウムで乾燥後、溶媒を減圧留去して残留物をシリカゲ
ル 100 gのカラムクロマトグラフィーに付し、クロロホ
ルムで溶出して 8.4 gの3-クロロ-2,4,5- トリフルオロ
安息香酸 27、を無色針状晶として得た。
【0194】融点:114 - 115 ℃ 元素分析値:C7H2ClF3O2として 理論値 C 39.93 H 0.96 実測値 C 39.87 H 1.041 H-NMR(CDCl3) δppm:7.76(1H, ddd, J = 6.5, 8.5, 9.
9 Hz), 8.6 - 9.2(1H, br s)
【0195】2) 2,4,5-トリフルオロ-3- イオド安息香
酸 28 アセトニトリル 150 ml にヨウ化第一銅 10 g、亜硝酸第
三級ブチル 8.8 gを加え、60℃で加熱撹拌しながら3-ア
ミノ-2,4,5- トリフルオロ安息香酸 11 g を加え20分撹
拌した。冷後、15% 塩酸 500 ml を加え酢酸エチルで抽
出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し溶媒を減
圧留去した。残留物をシリカゲル 100 gのカラムに付し
クロロホルムで溶出した。目的物を含む分画を集め溶媒
を減圧留去し、残留物を n- ヘキサンで再結晶し 8.4 g
の標記の化合物の無色結晶を得た。
【0196】融点:121 - 122 ℃ 元素分析:C7H2F3IO2・1/4H2Oとして 計算値:C 28.26, H 0.51 分析値:C 28.19, H 0.76 MS m/z:302(M+)
【0197】同様の操作で無水臭化第一銅を用いること
により、3-ブロモ-2,4,5- トリフルオロ安息香酸 29、融
点 124 - 125℃、を得た。
【0198】3) 2,4,5-トリフルオロ安息香酸 30 3-1. 直接脱アミノする方法 亜硝酸第三級ブチル 1.8 gを無水ジメチルホルムアミド
5 ml に溶解して60℃に加熱撹拌し、3-アミノ-2,4,5-
トリフルオロ安息香酸 2.0 gを加えてさらに20分撹拌し
た。反応液を水 50 mlに注ぎジエチルエーテルで抽出し
た。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧乾固し
た。残留物をシリカゲルカラムに付しクロロホルムで溶
出し 1.1 gの標記の化合物の結晶を得た。
【0199】3-2. ブロム化合物後還元する方法 3-ブロモ-2,4,5- トリフルオロ安息香酸 29、 5.0 g、 酢
酸 30 ml、 酢酸ナトリウム 2.0 g、 5%パラジウム−炭素
1.0 gを混合し水素雰囲気下4時間還元した。触媒を濾
去し濾液を減圧濃縮した。残留物を酢酸エチルで抽出し
て抽出液を水洗し、無水硫酸ナトリウム乾燥後溶媒を減
圧留去し 3.2 gの標記化合物の無色結晶を得た。
【0200】30;1H-NMR(CDCl3)δppm :7.10(1H, ddd,
J = 6.5, 9, 9 Hz), 7.96(1H, ddd, J = 6.3, 8.5, 9.8
Hz),9.2 - 9.6(1H, br s)
【0201】参考例2. 7-(7-アミノ-5- アザスピロ
[2.4] ヘプタン-5- イル)-1-シクロプロピル-6,8- ジフ
ルオロ-1,4- ジヒドロ-4- オキソキノリン-3- カルボン
酸 31 7-アミノ-5- アザスピロ[2.4] ヘプタン 7、 300 mg、 1-
シクロプロピル-6,7,8- トリフルオロ-1,4- ジヒドロ-4
- オキソキノリン-3- カルボン酸、 250 mgをジメチルス
ルホキシド 5 ml に加え、100 ℃で30分反応させた。冷
後溶媒を減圧留去し、残留物にエタノールを加えて結晶
化させ、析出晶を濾取した。得られた粗晶をエタノール
に懸濁し、 28% アンモニア水を加えて溶解して活性炭 5
0 mgを加え濾過した。濾液を加熱濃縮して析出晶を濾取
し、標記の化合物 170 mg を得た。
【0202】融点:238 - 245 ℃ 元素分析値:C19H19F2O3・1/2H2O として 理論値:C 59.37 H 5.24 N 10.93 実測値:C 59.63 H 5.71 N 10.85
【0203】参考例3. 化合物 31 の光学活性体 31
a、 31b の合成 1-シクロプロピル-6,7,8- トリフルオロ-1,4- ジヒドロ
-4- オキソキノリン-3- カルボン酸、 140 mgをジメチル
スルホキシド 2 ml に懸濁し、トリエチルアミン 66 m
g、次いで光学活性アミン、化合物 7a の水溶液を加
え、 120℃で3時間加熱した。溶媒を減圧留去後、残留
物をプレパラテイブ TLCに付し(クロロホルム:メタノ
ール:水=7:3:1 の下層で展開した)て精製し、得られ
た結晶をエタノール− 28%アンモニア水から再結晶し
て、淡黄色微結晶の化合物 31a、 40.5 mg を得た。化合
物 7b を用い同様の操作で化合物 31b、 34 mg を得た。
【0204】(+)-7-(7- アミノ-5- アザスピロ[2.4] ヘ
プタン-5- イル)-1-シクロプロピル-6,8-ジフルオロ-1,
4- ジヒドロ-4- オキソキノリン-3- カルボン酸 31a 融点:221 - 235 ℃(分解) [α]D +116.2 °(c = 0.575, 濃アンモニア水) 元素分析値:C19H19F2N3O3・1/2H2O として 理論値 C 59.37 H 5.24 N 10.93 実測値 C 59.31 H 5.02 N 10.93
【0205】(-)-7-(7- アミノ-5- アザスピロ[2.4] ヘ
プタン- 5-イル)-1-シクロプロピル-6,8-ジフルオロ-1,
4- ジヒドロ-4- オキソキノリン-3- カルボン酸 31b 融点:227 - 240 ℃(分解) [α]D -106.3 °(c = 0.365, 濃アンモニア水) 元素分析値:C19H19F2N3O3・1/2H2O として 理論値 C 59.37 H 5.24
N 10.93 実測値 C 59.33 H 4.90
N 10.65
【0206】参考例4. 7-(7-アミノ-5- アザスピロ
[2.4] ヘプタン-5- イル)-8-クロロ-1-シクロプロピル-
6- フルオロ-1,4- ジヒドロ-4- オキソキノリン-3-カル
ボン酸32 8-クロロ-1- シクロプロピル-6,7- ジフルオロ-1,4- ジ
ヒドロ-4- オキソキノリン-3- カルボン酸 200 mg、化合
物 11、 150 mg、及びトリエチルアミン 70 mgをアセトニ
トリル 5 ml に加え、24時間加熱還流した。冷後溶媒を
減圧留去し、残留物に水を加え濾取した。水、アセトニ
トリル、エタノール、エーテルで順次洗浄後乾燥し、7-
(7- 第三級ブトキシカルボニルアミノ-5- アザスピロ
[2.4] ヘプタン-5- イル)-8-クロロ-1- シクロプロピル
-6- フルオロ-1,4- ジヒドロ-4- オキソキノリン-3- カ
ルボン酸、 245 mg、 融点 205 - 207℃を得た。
【0207】このカルボン酸 200 mg にアニソール 0.3
ml、トリフルオロ酢酸 5 ml を加え、室温で30分撹拌し
た。溶媒を減圧留去後、残留物に水、次いで 1N 水酸化
ナトリウム水溶液を加えアルカリ性にし、クロロホルム
で2回洗浄後 10%クエン酸水溶液で中和し(pH 7.1)、ク
ロロホルムで3回抽出して抽出液を水洗後無水硫酸ナト
リウムで乾燥した。溶媒を減圧留去後、残留物をエタノ
ール−濃アンモニアで再結晶し、標記の化合物 32、 105
mg を得た。
【0208】融点:235 - 240 ℃(分解) 元素分析値:C19H19ClFN3O3・1/4H2Oとして 理論値:C 57.58 H 4.96 N 10.60 実測値:C 57.64 H 5.33 N 10.37
【0209】参考例5. 7-(7-アミノ-5- アザスピロ
[2.4] ヘプタン-5- イル)-1-シクロプロピル-6- フルオ
ロ-1,4- ジヒドロ-4- オキソキノリン-3- カルボン酸 3
3 1-シクロプロピル-6,7- ジフルオロ-2,3- ジヒドロ-4-
オキソキノリン-3- カルボン酸 250 mg、化合物 11、 250
mg をジメチルスルホキシド 4 ml に加え、 120℃で2
時間反応した。冷後、溶媒を減圧留去し、残留物にエタ
ノールを加え結晶化させて析出晶を濾取し、7-(7- 第三
級ブトキシカルボニルアミノ-5- アザスピロ[2.4] ヘプ
タン-5- イル)-1-シクロプロピル-6- フルオロ-1,4- ジ
ヒドロ-4- オキソキノリン-3- カルボン酸の粗成績体を
得た。
【0210】この化合物にトリフルオロ酢酸 5 ml を加
え室温で30分撹拌し、第三級ブトキシカルボニル基を除
去した。溶媒を減圧留去して残留物に1N水酸化ナトリウ
ム水溶液を加えて溶解し、クロロホルムで洗浄後、1N塩
酸で pH 7.0 とすると結晶が析出した。析出晶を濾取
し、エタノール−濃アンモニア水で再結晶し、標記の化
合物 33、 200 mg を得た。
【0211】融点:249 - 252 ℃ 元素分析値:C19H20FN3O3 として 理論値:C 63.85 H 5.64 N 11.76 実測値:C 63.61 H 5.94 N 11.71
【0212】参考例6、参考例7 参考例5の方法に準じ、7-(7- アミノ-5- アザスピロ
[2.4] ヘプタン-5- イル)-6-フルオロ-1-(2,4-ジフルオ
ロフェニル)-1,4-ジヒドロ-4- オキソキノリン-3- カル
ボン酸 34、融点 226 - 228℃及び 7-(7-アミノ-5- アザ
スピロ[2.4] ヘプタン-5- イル)-1-シクロプロピル-6-
フルオロ-1,4- ジヒドロ-4- オキソ-1,8-ナフチリジン-
3- カルボン酸 35 を得た。融点:256 - 257℃
【0213】参考例8.10-(7-アミノ-5- アザスピロ
[2.4] ヘプタン-5- イル)-9-フルオロ-2,3- ジヒドロ-3
-(S)- メチル-7- オキソ-7H-ピリド[1,2,3-de][1,4] ベ
ンゾオキサジン-6- カルボン酸 36 9,10- ジフルオロ-2,3- ジヒドロ-3-(S)- メチル-7- オ
キソ-7H-ピリド[1,2,3-de][1,4] ベンゾオキサジン-6-
カルボン酸 BF2−キレート、 300 mg、化合物 11、 250 m
g をジメチルアセトアミド 5 ml に加え、室温で3時間
撹拌した。溶媒を減圧留去し、残留物にトリエチルアミ
ン 1 ml と 95%メタノール 30 mlを加え、6時間還流し
た。冷後、溶媒を減圧留去し、 残留物にエタノールを加
えてトリチュレートし、結晶を濾取した。この結晶を参
考例5に準じた操作で第三級ブトキシカルボニル基を除
去し、標記の化合物の粗体 170 mg を得、エタノール−
濃アンモニアに溶解し、活性炭処理後再結晶し、標記の
化合物 110 mg を得た。融点:236 - 237 ℃
【0214】参考例9.1-シクロプロピル-7-(4,7-ジア
ザスピロ[2.5] オクタン-7- イル)-6-フルオロ-1,4- ジ
ヒドロ-4- オキソキノリン-3- カルボン酸 37 1-シクロプロピル-6,7- ジフルオロ-1,4- ジヒドロ-4-
オキソキノリン-3- カルボン酸 200 mg、4,7-ジアザスピ
ロ[2.5] オクタン 25 の粗体 200 mg をジメチルスルホ
キシド 10 mlに加え、トリエチルアミン 0.3 ml を加え
て、浴温 120℃で2時間反応した。溶媒を減圧留去し、
残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、
クロロホルム:メタノール:水=15:3:1(v/v) を用いて
溶出し、溶出物をエタノール−濃アンモニアより再結晶
し標記の化合物 37、 160 mg を得た。
【0215】融点: 243 - 245℃(分解) 元素分析値:C19H20N3O3F・1/4H2O として 理論値:C 63.03 H 5.71 N 11.61 実測値:C 62.88 H 5.99 N 11.641 H-NMR(NaOD-DSS)δppm:0.97(2H, t, J = 6Hz), 1.12(2
H, m), 1.36(2H, br-t),1.48(2H, b-t, J = 6 Hz), 7.6
4(1H, d, J = 8 Hz),7.92(1H, d, J = 14 Hz), 8.52(1
H, s)
【0216】参考例10. 7-(7-アセトキシ-5- アザスピ
ロ[2.4] ヘプタン-5- イル)-8-クロロ-1- シクロプロピ
ル-6- フルオロ-1,4- ジヒドロ-4- オキソキノリン-3-
カルボン酸 38 7-アセトキシ-5- アザスピロ[2.4] ヘプタン 900 mg の
乾燥アセトニトリル 10 ml溶液に8-クロロ-1- シクロプ
ロピル-6,7- ジフルオロ-3- オキソ-3,4- ジヒドロキノ
リン-3- カルボン酸 360 mg、トリエチルアミン 1 ml を
加え、2.5 日間加熱還流した(3時間後に、上記アザス
ピロヘプタン、 400 mgを追加した)。反応液をクロロホ
ルムで希釈し、有機層を 10%クエン酸水溶液で洗い、乾
燥後溶媒を減圧留去した。
【0217】残留物をカラムクロマトグラフィー(シリ
カゲル、20 g)に付し、クロロホルム、3%メタノール−
クロロホルムで溶出した。
【0218】目的物を含む画分を集め溶媒を減圧留去し
た。残留物にエタノールを少量加え、少し加熱し放置し
た。析出した結晶を濾取し、ジイソプロピルエーテルで
洗い、標記化合物 174 mg を得た。
【0219】融点: 179 - 182℃1 H-NMR(CDCl3) δ:0.72 - 1.00(4H, m), 1.00 - 1.40
(4H, m), 2.10(3H, s),7.95(1H, d), 8.87(1H, s)
【0220】参考例11. 7-(7-ヒドロキシ-5- アザスピ
ロ[2.4] ヘプタン-5- イル)-8-クロロ-1- シクロプロピ
ル-6- フルオロ-1,4- ジヒドロ-4- オキソキノリン-3-
カルボン酸 39 7-(7- アセトキシ-5- アザスピロ[2.4] ヘプタン-5- イ
ル)-8-クロロ-1- シクロプロピル-6- フルオロ-1,4- ジ
ヒドロ-4- オキソキノリン-3- カルボン酸 38、174 mg
をエタノール 8 ml に懸濁し、1N水酸化ナトリウム水溶
液 1.5 ml を加え、室温で10分間撹拌した。溶媒を減圧
留去し、残留物にクロロホルムを加え水で洗った。水層
を1N塩酸で酸性とし、クロロホルムで抽出した。抽出液
を乾燥後、溶媒を減圧留去し、残留物をアンモニア水−
エタノールより再結晶し、標記化合物 127 mg を得た。
【0221】融点: 242 - 244℃1 H-NMR(1N NaOD) δ:0.53 - 1.17(8H, m), 2.98, 3.3
5, & 3.74(各々 1H), 4.09 - 4.13(3H, m),7.59(1H,
d), 8.45(1H, s) 元素分析: C19H18N2O4ClFとして 計算値:C 58.10 H 4.62 N 7.13 測定値:C 58.39 H 4.65 N 7.27
【0222】参考例12. 7-(7-ヒドロキシイミノ-5- ア
ザスピロ[2.4] ヘプタン-5- イル)-8-クロロ-1- シクロ
プロピル-6- フルオロ-1,4- ジヒドロ-4- オキソキノリ
ン-3-カルボン酸 40 5-第三級ブトキシカルボニル-7- ヒドロキシイミノ-5-
アザスピロ[2.4] ヘプタン 67、 678 mg にアニソール
0.5 ml を加え、氷冷下でトリフルオロ酢酸 5 ml を加
えて、そのまま30分撹拌した。溶媒を減圧留去し、残留
物に乾燥アセトニトリル 100 ml を加え、次いで8-クロ
ロ-1- シクロプロピル-6,7- ジフルオロ-4- オキソ-3,4
- ジヒドロキノリン-3- カルボン酸 300 mg、トリエチル
アミン 1 ml を加えた後、9時間加熱還流した。溶媒を
減圧留去して残留物にメタノールを加え不溶物を濾去し
た。母液を2日間放置し、析出した結晶を濾取した後ア
ンモニア水−エタノールより再結晶し、標記の化合物 5
8 mgを得た。
【0223】融点:239 - 242 ℃1 H-NMR(1N NaOD) δ:0.70 - 1.05(8H, m), 3.50(2H,
s), 4.09 - 4.12(1H, m), 4.29(2H, s),7.65(1H, d, J
= 15 Hz), 8.46(1H, s) 元素分析: C19H17N3O4FClとして 計算値:C 56.24 H 4.22 N 10.35 測定値:C 56.34 H 4.34
N 10.32
【0224】参考例13.(-)-10-(7-アミノ-5- アザス
ピロ[2.4] ヘプタン-5- イル)-9-フルオロ-2,3- ジヒド
ロ-3-(S)- メチル-7- オキソ-7H-ピリド[1,2,3-de][1,
4] ベンゾオキサジン-3- カルボン酸 36b (-)-9,10-ジフルオロ-2,3- ジヒドロ-3-(S)- メチル-7-
オキソ-7H-ピリド[1,2,3-de][1,4] ベンゾオキサジン-
3- カルボン酸 BF2キレート 280 mg を無水ジメチルス
ルホキシド 4 ml に懸濁させ、室温にて化合物 68b、 45
0 mgを加え、さらにトリエチルアミン 520 mg を加え45
分撹拌した。反応液を氷冷しながら水をゆっくりと加
え、析出した結晶を濾取した。濾取した結晶に 90%メタ
ノール 30mlを加え、トリエチルアミン 2 ml 存在下、1
7時間加熱還流した。溶媒を減圧留去し、残留物をアン
モニア水−エタノールより再結晶し、標記の化合物 73
mgを得た。
【0225】融点:217 - 238 ℃ [α]D −109.22°(C=0.683, 1N NaOH)1 H-NMR(1N NaOD) δ:0.38 - 0.68(4H, m), 1.31(3H,
d, J = 5 Hz), 2.91 - 4.39(8H, m),7.28(1H, d, J = 1
5 Hz), 8.17(1H, s) 元素分析: C19H20N3O4F・1.25H2Oとして 計算値:C 57.64 H 5.73 N 10.61 測定値:C 57.64 H 5.21 N 10.81
【0226】参考例14. (-)-7-(7-アミノ-5- アザスピ
ロ[2.4] ヘプタン-5- イル)-1-シクロプロピル-6- フル
オロ-4- オキソ-1,4- ジヒドロ-1,8- ナフチリジン-3-
カルボン酸 35b 7-クロロ-1- シクロプロピル-6- フルオロ-4- オキソ-
1,4- ジヒドロ-1,8- ナフチリジン-3- カルボン酸 282.
5 mg、化合物 68b、 200 mgおよびトリエチルアミン 1 g
をジメチルスルホキシド 6 ml に加え110 ℃で1時間撹
拌した。溶媒を減圧留去後、残留物にジエチルエーテル
を加えて沈殿物を濾取した。このものに1N塩酸を加え
クロロホルムで洗浄後、水溶液を1N水酸化ナトリウム
水溶液でアルカリ性とし、再度クロロホルムで洗浄し
た。次にこのアルカリ溶液に氷冷下、濃塩酸にてpH 7.1
に調整した。析出した無色結晶を濾取して水、エタノー
ル、 エーテルで洗浄して乾燥した。濃アンモニア水−エ
タノールより再結晶し、標記の化合物を無色微針状晶と
して 283 mg 得た。
【0227】融点:240 - 250 ℃ (分解) [α]D −13.6°(c = 0.66, 1N NaOH) 元素分析: C18H19H4O3F・1/4H2O として 計算値:C 59.58 H 5.42 N 15.44 測定値:C 59.68 H 5.40 N 15.36
【0228】参考例15.7-(7- アミノ-5- アザスピロ
[2.4] ヘプタン-5- イル)-1,4-ジヒドロ-6- フルオロ-1
-(2-メチル-2- プロピル)-4-オキソ1,8-ナフチリジン-3
- カルボン酸 41b 化合物 68b、 200 mgをアセトニトリル 15 mlに懸濁し、
トリエチルアミン 3 ml を加えて加熱還流し、7-クロロ
-1,4- ジヒドロ-6- フルオロ-1-(2-メチル-2-プロピル)
-4-オキソ-1,8- ナフチリジン-3- カルボン酸エチルエ
ステル 327 mgを少しずつ加えた。1時間加熱還流後、
溶媒を減圧留去して残留物に水を加え、クロロホルム及
びn-ブタノールで抽出して有機層を合して溶媒を減圧留
去した。残留物にジエチルエーテルを加え析出物を濾取
して白色粉末 516 mg を得た。
【0229】1H-NMR(DMSO-d6) δ:0.77 - 1.05(4H,
m), 1.27(3H, t, J = 7 Hz), 1.82(9H, s),2.86 - 3.36
(4H, m), 4.20(1H,m), 4.21(2H, q, J = 7 Hz),7.91(1
H, d, J = 13 Hz), 8.68(1H,s)
【0230】得られた白色粉末 510 mg を水 2 ml に懸
濁し、1N水酸化ナトリウム水溶液 2ml を加え、40分加
熱還流した。水 5 ml を加え、0.25N 塩酸で pH 7.5 に
調整し、析出した結晶を濾取して水洗した。乾燥後、エ
タノールから再結晶して白色粉末の標記化合物 171 mg
を得た。
【0231】融点:243 - 247 ℃(分解) [α]D −16.7°(c=0.504, 1N NaOH)1 H-NMR(DMSO-d6) δ:0.45 - 0.82(4H, m), 1.87(9H,
s), 2.80 - 3.80(4H,m), 4.00(1H, m),7.98(1H, d, J =
13 Hz), 8.82(1H,s) 元素分析: C19H23H4O3F・1/2H2O として 計算値:C 59.52 H 6.31 N 14.61 測定値:C 59.17 H 6.17 N 14.49
【0232】参考例16.2,4,5-トリフルオロ-3- メチル
安息香酸の合成 1) 3,5,6- トリフルオロ-4- ニトロメチルフタル酸ジメ
チル 42 テトラフルオロフタル酸ジメチル(日本化学会誌、197
6、 200、石川、鈴木、田辺)、 200 gをニトロメタン 400
ml に溶解して氷−塩で冷却し、内温 15 - 20℃で1,8-
ジアザビシクロ[5,4,0]-7-ウンデセン 171 gを30分間で
滴下した。滴下後、内温10℃でさらに30分撹拌し、1規
定塩酸 1.5リットルと氷1リットルの混合物に注加し
た。
【0233】反応液をベンゼンで抽出し、有機層を水洗
して無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去し
た。残留物をシリカゲルカラム( 500 g)に付し、ベンゼ
ンで溶出して 195g の黄色油状物の標記の化合物を得
た。
【0234】1H-NMR(CDCl3) δ:3.88(3H, s), 3.94(3
H, s), 5.60(2H, t, J = 2 Hz)
【0235】2) ジメチル 4-ジメチルアミノメチル-
3,5,6- トリフルオロフタル酸ジメチル43 化合物 42、 5.0 g、 ラネーニッケル 10 m
l、 ホルマリン(35%) 15 ml、エタノール 70 mlを混合し
常圧で22時間還元した。溶媒を濾去し、濾液を減圧濃縮
して残留物をクロロホルムに溶解して水洗した。無水硫
酸ナトリウムで乾燥後溶媒を減圧留去して 5.2 gの黄淡
油状物の標記化合物を得た。
【0236】1H-NMR(CDCl3) δ:2.32(6H, s), 3.70(2
H, t, J = 2 Hz), 3.96(3H, s), 3.98(3H, s)
【0237】3) 2,5,6-トリフルオロ-3,4- ジ(メトキ
シカルボニル)フェニルメチレン−トリメチル−アンモ
ニウム ヨージド 44 化合物 42、 5.2 gをエタノール 50 mlに溶解してヨウ化
メチル 5 ml を加え 1.5時間放置した。析出した結晶を
濾取し 3.6 gの無色結晶の標記化合物を得た。融点:18
6 - 190 ℃(分解)
【0238】4) 3,5,6-トリフルオロ-4- メチルフタル
酸 ジメチル 45 a) 化合物 42、 4.6 g、 トリブチルスズヒドリド 6.8
g、 α, α'-アゾビスイソブチロニトリル 300 mg、ベン
ゼン 70 mlを混合して4時間加熱還流した。反応液を減
圧濃縮して残留物をシリカゲル 50 g のカラムに付し、
ベンゼンで溶出して 2.45 g の黄淡油状物の標記化合物
を得た。
【0239】b) 化合物 44、 17.0 g、ラネーニッケル
30 ml、 エタノール 350 ml を混合してタングステンラ
ンプで照射加熱しながら常圧で25.5時間還元した。触媒
を濾去し濾液を減圧濃縮した。残留物に水を加えクロロ
ホルム抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。溶媒を減圧留去し、9.62 gの黄色油状物の標記化合
物を得た。
【0240】1H-NMR(CDCl3) δ:2.29(3H,
t, J = 2 Hz), 3.91(3H,
s), 3.93(3H, s)
【0241】5) 3,5,6−トリフルオロ-4- メ
チルフタル酸 46 化合物 45、 2.45 g、酢酸 10 ml、濃塩酸 20 mlを混合し
12時間加熱還流した。反応液を減圧濃縮し、残留物をジ
エチルエーテルで抽出して無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。溶媒を減圧留去し、2.1 g の無色結晶の標記化合物
を得た。 融点:155 - 160 ℃
【0242】6) 2,4,5-トリフルオロ-3- メチル安息香
酸 47 化合物 46、 10.1 g を水 40 mlに溶解し封管中で浴温 2
00℃にて4日間反応させた。反応液をクロロホルムで抽
出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を減圧留去し、
6.2 g の淡黄色結晶の標記化合物を得た。
【0243】融点:89 - 90 ℃1 H-NMR(CDCl3) δ:2.29(3H, t, J = 2 Hz), 7.56 - 7.
84(1H, m), 8.1 - 8.6(1H, broad)
【0244】参考例17.2,4,5-トリフルオロ-3- メチル
ベンゾイル酢酸エチル 48 2,4,5-トリフルオロ-3- メチル安息香酸 47、 9.89 g を
ベンゼン 200 ml に溶解し、塩化チオニル 40 mlを加え
14時間加熱還流した。反応液を減圧乾固し残留物にベン
ゼン 200 ml を加えた後、再度減圧乾固して得られた粗
酸クロリドをジエチルエーテル 200 ml に溶解した。
【0245】マグネシウム 1.26 g、エタノール 250 ml、
四塩化炭素 6 ml を混合して室温で1時間撹拌した。マ
ロン酸ジエチル 8.34 g のジエチルエーテル溶液 50 ml
を10分で滴下後、室温で1時間撹拌した。反応液を減圧
乾固し、ジエチルエーテル 300 ml に溶解した。これに
上記の酸クロリドのジエチルエーテル溶液を10分間で滴
下し室温で4日間撹拌した。1規定塩酸 100 ml を加え
撹拌後エーテル層を分取し、水洗後、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥して溶媒を減圧留去した。残留物に水50 ml、 p
-トルエンスルホン酸 500 mg を加え7時間加熱還流し
た。反応液をクロロホルムで抽出し、有機層を無水硫酸
ナトリウムで乾燥後溶媒を減圧留去した。残留物をシリ
カゲルカラムに付しベンゼンで溶出し 6.1 gの無色油状
物を得た。放置すると一部結晶化した。
【0246】参考例18.2-シクロプロピルアミノメチレ
ン-3- オキソ-3-(2,4,5-トリフルオロ-3- メチル)-フェ
ニルプロピオン酸エチル 49 化合物 48、 1.57 g、オルトギ酸エチル 6 ml、無水酢酸 6
ml を混合して 120℃で3時間加熱撹拌した。反応液を
減圧乾固し、1,2-ジクロロメタン 25 mlに溶解し、シク
ロプロピルアミン 400 mg の1,2-ジクロロエタン溶液 1
0 mlを加え室温で14時間撹拌した。反応液を減圧乾固
し、融点 61 - 64℃の無色結晶の標記化合物、2 g を得
た。
【0247】参考例19.1-シクロプロピル-6,7- ジフル
オロ-8- メチル-4- オキソ-1,4- ジヒドロキノリン-3-
カルボン酸 エチル 50 化合物 49、 1.97 g を無水ジオキサン 30 mlに溶解し 6
0%水素化ナトリウム 360 mg を加え18時間室温で撹拌し
た。反応液に1規定塩酸 10 mlを加えて減圧濃縮し、水
を加えて結晶を濾取し、水、少量のエタノール、ジエチ
ルエーテルで洗い 1.35 g の標記化合物の無色結晶を得
た。融点:204 - 210 ℃
【0248】参考例20.1-シクロプロピル-6,7- ジフル
オロ-8- メチル-4- オキソ-1,4- ジヒドロキノリン-3-
カルボン酸 51 化合物 50、 1.30 g、濃塩酸 10 mlを混合して3時間加熱
還流した。反応液に水50 mlを加え結晶を濾取し、水、
エタノールで洗浄して 1.12 g の標記化合物を得た。 融点:241 - 242 ℃
【0249】参考例21.1-シクロプロピル-6,7- ジフル
オロ-8- メチル-4- オキソ-1,4- ジヒドロキノリン-3-
カルボン酸 BF2−キレート 52 化合物 50、 420 mg をジエチルエーテル 3
0 mlに懸濁し、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体 2
ml を加え室温で24時間撹拌した。結晶を濾取し、ジエ
チルエーテルで洗い 487 mg の標記化合物の黄色結晶を
得た。融点:275 - 278 ℃
【0250】参考例22.(-)-7-(7- アミノ-5- アザスピ
ロ[2.3] ヘプタン-5- イル)-1-シクロプロピル-6- フル
オロ-8- メチル-4- オキソ-1,4- ジヒドロキノリン-3-
カルボン酸 55b 化合物 52、 340 mg、7-第3級ブトキシカルボニルアミノ
-5- アザスピロ[2.3]ヘプタン 11b、 330 mg、トリエチ
ルアミン 150 mg、ジメチルスルホキシド 5 mlを混合し
て室温で5日間撹拌した。反応液をクロロホルム 100 m
l に溶解して水洗後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾
燥し溶媒を減圧留去した。
【0251】残留物をシリカゲル 30 g のカラムに付し
クロロホルム−メタノール(95:5)で溶出した。得られた
7-(7-第三級ブトキシカルボニルアミノ-5- アザスピロ
ヘプタン-5- イル)-1-シクロプロピル-6- フルオロ-8-
メチル-4- オキソ-1,4- ジヒドロキノリン-3- カルボン
酸 BF2キレートを 70%メタノール 30 mlに溶解し、トリ
エチルアミン 1 ml を加えて3時間加熱還流した。
【0252】反応液を減圧濃縮し、残留物に 10%クエン
酸 20 mlを加えクロロホルムで抽出した。有機層を無水
硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を減圧留去した。残留物に
トリフルオロ酢酸 10 mlを加え室温で20分撹拌後減圧乾
固した。残留物に塩酸を加え、クロロホルムで洗い、水
層を氷冷下、水酸化ナトリウム水溶液で pH 12としクロ
ロホルムで洗った。水層を塩酸で pH 7.4 としてクロロ
ホルムで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥
後溶媒を留去した。残留物をアンモニア水−エタノール
で2回再結晶し 52 mgの無色結晶を得た。
【0253】融点:180 - 182 ℃ [α]D - 128.0°(c=0.125, 1N NaOH)1 H-NMR(CDCl3) δ: 0.61 - 0.63(1H, m), 0.64 - 0.74(2H, m), 0.84 - 0.8
8(1H, m),0.90 - 0.97(2H, m), 1.19 - 1.28(2H, m),
2.62(3H, s),3.19 - 3.21(1H, m), 3.29(1H, d, J = 9
Hz), 3.36 - 3.39(1H, m),3.84(1H, d, J = 9 Hz), 3.9
9 - 4.03(1H, m), 4.05 - 4.08(1H, m),7.85(1H, d, J
= 13.5 Hz), 8.86(1H, s)
【0254】参考例23.光学活性 7-[7-(第三級ブトキ
シカルボニルアミノ)-5-アザスピロ[2.4] ヘプタン-5-
イル]-8-クロロ-1- シクロプロピル-6- フルオロ-1,4-
ジヒドロ-4- オキソキノリン-3- カルボン酸 56a、 56b 8-クロロ-1- シクロプロピル-6,7- ジフルオロ-1,4- ジ
ヒドロ-4- オキソキノリン-3- カルボン酸、500 mg、 化
合物 11b、 440 mgおよびトリエチルアミン 2 ml をアセ
トニトリル 20 mlに溶かし、一夜還流した。冷後、溶媒
を減圧濃縮して得られた析出物を濾取し、水、アセトニ
トリル、エタノールおよびエーテルで順次洗浄して減圧
乾燥した。標記の化合物を淡黄色結晶として 560 mg 得
た。化合物 11aより化合物 56aを同様の方法で得た。
【0255】56b;淡黄色結晶、 融点:216 - 217 ℃ [α]D -134.7°(c = 1.653, クロロホルム)1 H-NMR(CDCl3) δppm :0.4 - 1.6(8H, m), 1.45(9H,
s), 3.33(1H, d, J = 9 Hz),3.60(1H, d, J = 9 Hz),
3.7-4.5(4H, m), 4.7 - 5.1(1H, br d),7.95(1H, d, J
= 12.9 Hz), 8.87(1H, s) 元素分析:C24H27N3O5ClF として 計算値:C 58.60, H 5.53, N 8.54 分析値:C 58.43, H 5.59, N 8.40
【0256】56a;淡黄色結晶、融点:215 - 216 ℃ [α]D + 131.4°(c = 0.77,クロロホルム) 元素分析:C2427ClF として 計算値:C 58.60, H 5.53, N 8.54 分析値:C 58.37, H 5.58, N 8.44 尚、 NMRスペクトルは 56bと完全に一致した。
【0257】参考例24.光学活性 7-(7-アミノ-5- アザ
スピロ[2.4] ヘプタン-5- イル)-8-クロロ-1- シクロプ
ロピル-6- フルオロ-1,4- ジヒドロ-4- オキソキノリン
-3- カルボン酸 32a、 32b 化合物 56b、 520 mgに氷冷下でアニソール 0.5 ml とト
リフルオロ酢酸 10 mlを加えてから室温に戻し、30分撹
拌を行なった。溶媒を減圧留去後、残留物に水を加え、
氷冷下で1N水酸化ナトリウム水溶液を加え、pHを約 11
- 12とする。この水溶液をクロロホルムで2回洗浄した
後、濃塩酸および10% クエン酸水溶液にて pH を約 7と
した。クロロホルムで3回抽出後、水洗して乾燥した。
溶媒を減圧留去し残留物の固体をエタノール−アンモニ
ア水で再結晶し、標記の化合物 32bを淡黄色結晶として
328 mg 得た。同様にして化合物 56aより化合物 32aを
得た。
【0258】化合物 32b:淡黄色結晶 融点:166 - 170 ℃(分解) [α]D - 112.6°(c=0.43, 1N 水酸化ナトリウム水溶液)1 H-NMR(CDCl3, 500MHz) δppm :0.6 - 1.25(8H, m),
3.08(1H, t, J = 4.4 Hz), 3.30(1H, d, J = 10.3 Hz),
3.41(1H, d, J = 9.5 Hz), 3.96(1H, d, J = 9.5 Hz),
4.11(1H, m),4.24(1H, m), 7.75(1H, d, J = 13.5 Hz),
8.55(1H, s) 元素分析:C19H19N3O3ClF・1/2H2Oとして 計算値:C 56.93, H 5.03, N 10.48 分析値:C 57.16, H 5.44, N 10.46
【0259】化合物 32a: 淡黄色結晶 融点:160 - 165 ℃(分解) [α]D +110.3 °(c=0.435,1N 水酸化ナトリウム水溶液) 元素分析:C19H19N3O3ClF・1/2H2Oとして 計算値:C 56.93, H 5.03, N 10.48 分析値:C 56.87, H 5.37, N 10.32 尚、 NMRスペクトルは化合物 32bのそれと完全に一致し
た。
【0260】参考例25. 8-クロロ-1- シクロプロピル-
6,7- ジフルオロ-1,4- ジヒドロ-4- オキソキノリン-3-
カルボン酸 BF2- キレート 57 8-クロロ-1- シクロプロピル-6,7- ジフルオロ-4- オキ
ソキノリン-3- カルボン酸 3 gを無水ジエチルエーテル
30 mlに懸濁させ、次いで三フッ化ホウ素ジエチルエー
テル錯体 15 mlを加え室温で2時間撹拌した。沈殿物を
濾取しエーテルで数回洗浄後減圧乾燥を行い、無色粉末
の標記化合物を 3.35 g 得た。
【0261】融点:245 - 260 ℃(徐々に分解) 元素分析値:C13H7NO3BCIF4 として 計算値:C 44.94 H 2.03 N 4.03 実測値:C 45.07 H 2.21 N 4.12
【0262】参考例26. (-)-7-(7-アミノ-5- アザスピ
ロ[2.4] ヘプタン-5- イル)-8-クロロ-1- シクロプロピ
ル-6- フルオロ-1,4- ジヒドロ-4- オキソキノリン-3-
カルボン酸 32a 化合物 57、 700 mg、化合物 68b、 450 mgおよびトリエチ
ルアミン 610 mg をジメチルスルホキシド 7 ml に加え
室温で24時間撹拌した。反応液に水を加え、析出した黄
色沈殿物を濾取し乾燥した。このものに 95%メタノール
50 ml及びトリエチルアミン 1 ml を加え1時間撹拌を
行った。溶媒を減圧留去後、残留物に1N塩酸を加えクロ
ロホルムで洗浄した。水層を1N水酸化ナトリウムでアル
カリ性にし、再度クロロホルムで洗浄を行った。次にこ
のアルカリ溶液に水冷下、濃塩酸を pH 7.1 となるまで
滴下し、この水溶液をクロロホルムで3回抽出した。抽
出液を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し乾燥した。溶
媒を減圧留去し、得られた結晶をアンモニア−エタノー
ルより再結晶し、標記の化合物 610 mg を無色結晶とし
て得た。
【0263】参考例27. 4,7-ジオキソ-5-[1-(R)-フェニ
ルエチル-5- アザスピロ[2.4] ヘプタン 12 の別途合成 1) 1- アセチルシクロプロパン-1- カルボン酸 58 化合物 2、 268.6gをエタノール 400 ml に溶解して、水
酸化ナトリウム 75.67gの水 200 ml の水溶液を室温
下、20分間で滴下(内温は21〜41℃であった)し、室温
で2時間撹拌した。反応液にジクロロメタン 1,500 ml
と水 1,500 ml を加え、振盪後分液し、水層をジクロロ
メタン 500 ml で2度洗浄した。水層を水冷下、濃塩酸
で pH 2 として、ジクロロメタン 1,500 ml で抽出し
た。水層を再度ジクロロメタン 500 ml で抽出してジク
ロロメタン層を集め、水 500 ml で洗浄後、無水硫酸ナ
トリウムでジクロロメタン層を乾燥した。ジクロロメタ
ンを減圧留去して無色透明の標記の化合物を 232 g得
た。
【0264】1H-NMR(CDCl3) δppm :1.6 - 2.0(4H,
m), 2.21(3H, s)
【0265】2) N-[1-(R)- フェニルエチル]-1-アセチ
ル-1- シクロプロパンカルボキサミド59 化合物 58、 232.0 gをクロロホルム 1,500 mlに溶解
し、トリエチルアミン 250.8 ml を加え、ドライアイス
−アセトン浴にて内温 -40℃まで冷却して、クロロギ酸
エチル 215.9 gを20分間で滴下した(内温 -40〜 -30
℃)。40分間、-30℃付近で撹拌後、 -40℃に再度冷却
し、R-(+)-1-フェニルエチルアミン 241.1 gを20分間で
滴下した(内温-25 ℃)。そのまま 1.5時間撹拌し、1N
塩酸を加え洗浄した。再度1N塩酸で洗浄後、水、飽和炭
酸水素ナトリウム水溶液で洗浄後、水洗した。クロロホ
ルム層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、クロロホルムを
減圧留去して標記の化合物を無色油状物として 489.3 g
得た。
【0266】1H-NMR(CDCl3) δppm :1.50(3H, d, J =
7.2 Hz), 1.4 - 1.6 & 1.7 -1.9(各2H, m),1.95(3H,
s), 5.10(1H, q, J = 7.2Hz), 7.30(5H, s)
【0267】3) N-[1-(R)-フェニルエチル]-1-(1,1- エ
チレンジオキシエチル)-1-シクロプロパンカルボキサミ
ド 60 化合物 59、 248.4 gをベンゼン 800 ml に溶解して、エ
チレングリコール 230ml、p-トルエンスルホン酸一水塩
10.0 g を加え、脱水しながら24時間加熱還流した。冷
後、水 500 ml、ベンゼン 500 ml を加え分液し、続いて
飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄後水洗し、ベンゼ
ン層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ベンゼンを減圧
留去し、標記の化合物 227.8 gを得た。
【0268】1H-NMR(CDCl3) δppm :0.7 - 0.95 & 1.0
- 1.2(各 2H, m), 1.48(3H, s),1.47(3H, d, J = 7.
2 Hz), 3.98(4H, s), 5.11(1H, q, J = 7.2 Hz),7.31(5
H, s), 7.75(1H, bs)
【0269】4) N-[1-(R)-フェニルエチル]-1-(2-ブロ
モ-1,1- エチレンジオキシエチル)-1-シクロプロパンカ
ルボキサミド 61 ジオキサン 436 ml に室温で、臭素 145.4 gを30分間で
滴下した(内温は35度に上昇)。一部、ジオキサン臭素
錯体が析出した。30分間、同温度で撹拌し、その溶液に
化合物 60、 227.8 gのジクロロメタン 2,000 ml の溶液
を一度に加えた(内温は35℃から25℃迄下がり、その後
35℃位迄上昇)。2時間撹拌し、チオ硫酸ナトリウム水
溶液を加えて、分液後有機層を水洗した。ジクロロメタ
ン層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ジクロロメタンを
減圧留去して標記の化合物 326.0gを得た。
【0270】1H-NMR(CDCl3) δppm :0.7 - 1.0 & 1.0
- 1.25(各 2H, m), 1.49(3H, d, J = 7.2 Hz),3.69(2
H, s), 3.8 - 4.3(4H, m), 5.08(1H, q, J = 7.2 Hz),
7.30(5H, s), 7.6(1H, bs)
【0271】5) 4,7-ジオキソ-5-[1-(R)-フェニルエチ
ル]-5-アザスピロ[2.4] ヘプタン-7-エチレンアセター
ル 62 化合物 61、 293.0 gを N,N- ジメチルホルムアミド 1,5
00 ml に溶解し、60%水素化ナトリウム 43.0 g を3回
に分けて室温で少量ずつ 1.5時間で加えた。内温が28℃
から35℃位迄発熱するので、氷水で冷却し、内温30℃前
後で反応を続け、18時間室温で反応した。反応液を氷に
あけ、酢酸エチル 3,000 ml で抽出して水洗を数回行
い、酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶
媒を濃縮し、活性炭処理後、溶媒を減圧留去し、黒色油
状物として標記の化合物 203.3 gを得た。1 H-NMR(CDCl3) δppm :0.98 - 1.38(4H, m),1.50(3H,
d, J = 7.2 Hz), 3.07 & 3.41(各1H, d, J = 10.2 H
z),3.83(4H, s), 5.61(1H, q, J = 7.2 Hz), 7.30(5H,
s)
【0272】6) 4,7-ジオキソ-5-[1-(R)-フェニルエチ
ル]-5-アザスピロ[2.4] ヘプタン 12 化合物 62、 203.3 gにアセトン 1,000 ml と、1N塩酸 3
00 ml を加え、 1.5時間加熱還流した。アセトンを減圧
留去し、残留物に酢酸エチル 1,500 ml を加え、水洗後
無水硫酸ナトリウムで酢酸エチル層を乾燥した。活性炭
処理後、酢酸エチルを減圧留去し、粗体の標記の化合物
を 160.0 g得た。残留物をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(シリカゲル 1.3 kg )に付し、0-10% の酢酸
エチルを含有するクロロホルムで溶出して、標記の化合
物を白色結晶として 65.7 g 得た。
【0273】1H-NMR(CDCl3) δppm :1.61(3H, d, J =
7.2 Hz), 1.4 - 1.75(4H, m),3.48 & 3.88(各 1H, d, J
= 17.7 Hz), 5.81(1H, q, J = 7.2 Hz),7.34(5H, s)
【0274】参考例28. 5-第三級ブトキシカルボニル-7
- ヒドロキシイミノ-5- アザスピロ[2.4] ヘプタン 67 1) 7,7-エチレンジオキシ-5-[1-(R)-フェニルエチル]-
5-アザスピロ[2.4] ヘプタン 63 化合物 62、 7.1 gの乾燥テトラヒドロフラン 150 ml の
溶液に氷冷下、リチウムアルミニウムハイドライド 2.5
gをゆっくり加えた後 3.5時間加熱還流した。反応液を
冷却し、氷冷下、水 2.5 ml、15% 水酸化ナトリウム水溶
液 2.5 ml、最後に水 7.5 ml を順に加えた。不溶物を濾
去し、濾液の溶媒を減圧留去した。残留物をカラムクロ
マトグラフィー(シリカゲル 100 g) に付し、ヘキサン
−酢酸エチルの混合溶媒(3:2) で溶出し、標記の化合物
5.67 g を得た。
【0275】1H-NMR(CDCl3) δppm :0.40 - 0.60(2H,
m), 0.76 - 0.96(2H, m), 1.36(3H, d, J = 7.2 Hz),2.
40 - 2.88(4H, m), 3.77(4H, s), 7.18 - 7.50(5H, m)
【0276】2) 7,7-エチレンジオキシ-5- アザスピロ
[2.4] ヘプタン 64 化合物 63、 3.885 gのエタノール 50 mlの溶液に 5% パ
ラジウム−炭素 4 gを加え、タングステンランプで加熱
しながら4気圧の水素雰囲気下で還元を行った。3時間
後、触媒を濾去し、濾液の溶媒を減圧留去して、標記の
化合物 2 gを得た。
【0277】1H-NMR(CDCl3) δppm :0.44 - 0.64(2H,
m), 0.72 - 0.92(2H, m), 3.03 & 3.05(各2H, s),3.86
(4H, s)
【0278】3) 5-第三級ブトキシカルボニル-7,7- エ
チレンジオキシ-5- アザスピロ[2.4]ヘプタン 65 化合物 64、 1.98 g の乾燥ジクロロメタン
25 mlの溶液に、氷冷下、トリエチルアミン 1.515 g、
第三級ブチルジカーボネート 3.05 g を加えた後、室温
で30分撹拌した。溶媒を減圧留去して残留物にクロロホ
ルムを加え、有機層を水洗して乾燥後溶媒を減圧留去し
た。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル50
g )に付し、ヘキサン−酢酸エチルの混合溶媒(3:1)
で溶出して標記の化合物 3.21 g を得た。
【0279】4) 5-第三級ブトキシカルボニル-7- オキ
ソ-5- アザスピロ[2.4] ヘプタン 66 化合物 65、 3.15 g のアセトン 30 mlの溶液に1N塩酸 5
ml を加え、30分加熱還流した。反応液を減圧濃縮し、
残留物をクロロホルムで抽出した。クロロホルム層を乾
燥後、溶媒を減圧留去して標記の化合物 1.94 g を得
た。
【0280】1H-NMR(CDCl3) δppm :1.00 - 1.20 & 1.
30 -1.50(各2H, m), 4.49(9H, s), 3.78(2H, m),3.95
(2H, s)
【0281】5) 5-第三級ブトキシカルボニル-7- ヒド
ロキシイミノ-5- アザスピロ[2.4] ヘプタン 67 化合物 66、 1.9 gのエタール 10 mlの溶液にヒドロキシ
ルアミン塩酸塩 1.25g、トリエチルアミン 1.8 gを加
え、室温で約1日撹拌した(途中、トリエチルアミン 1
ml を追加した)。溶媒を減圧留去し、残留物に 10%ク
エン酸水溶液を加え、クロロホルムで抽出した。抽出液
を水洗後乾燥し、溶媒を減圧留去して標記の化合物 1.8
6 g を得た。
【0282】融点:117 - 119 ℃1 H-NMR(CDCl3) δppm :0.90 - 1.10 & 1.14 -1.34(各
2H, m), 1.45(9H, s), 3.36
(2H, s),4.29(2H, s)
【0283】実施例4. 7−アミノ-5- アザスピロ
[2.4] ヘプタン二塩酸塩 68b 化合物 15b、 630 mg、 1N塩酸 10 ml、 エタノール 20 ml
の溶液に5%パラジウム−炭素 800 mg を加えて、タング
ステンランプで加温しながら4気圧の水素雰囲気下で還
元を行った。3.5 時間後、触媒を除き、濾液の溶媒を減
圧留去して標記の化合物 350 mg を得た。
【0284】融点: 230 - 240℃(分解、190 ℃付近で
分解し始める) [α]D -41.5°(c = 1.616, H2O) 元素分析値:C6H14N2Cl2・1/2H2O として 計算値 C 37.13 H 7.79 N 14.43 実測値 C 37.49 H 7.32 N 14.59 MS:m/z=149(M+-HCl)1 H-NMR(CDCl3) δppm :0.79 - 1.60(4H, m), 3.08(1H,
d, J = 12 Hz), 3.48 - 3.67(3H, m),3.93(1H, dd, J
= 7 & 13.5 Hz)
【0285】実施例5. 7-第三級ブトキシカルボニルア
ミノ-5- アザスピロ[2.4] ヘプタン 11b 化合物 16b、 11.8 gのエタノール 200 ml の溶液に 50%
含水5%パラジウム−炭素 11 g を加え、タングステンラ
ンプで加温しながら接触還元した。6時間後、触媒を除
き、濾液の溶媒を減圧留去した。残留物に酢酸エチルを
加え、10% クエン酸水溶液で抽出した。水層を酢酸エチ
ルで洗浄した後に15〜20% 水酸化ナトリウム水溶液でア
ルカリ性としクロロホルムで抽出した。抽出液を乾燥
し、溶媒を減圧留去して標記の化合物 7.6 gを得た。
【0286】融点:56 - 59 ℃ [α]D - 68.54°(c = 1.742, CHC
【0287】参考例29. 1) ジエチルシクロブチリデンマロネート 70 テトラヒドロフラン 285 ml を -30℃に冷却し、この中
に撹拌下、四塩化チタン 15.7 mlの四塩化炭素 36 mlの
溶液を素早く滴下した。ここにシクロブタン 5g、 マロ
ン酸ジエチル 10.83 gを加え、そしてピリジン 23.1 ml
のテトラヒドロフラン 50 mlの溶液を内温 -10℃以下に
保ちつつ、1時間かけて滴下した。滴下終了後、内温0
℃で18時間撹拌した。反応液に水、ジエチルエーテルを
加え、 分液後更にジエチルエーテル2回で水層を抽出し
た。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液、飽和炭酸水素
ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗
浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥して溶媒を減圧留去
し、無色油状物の標記の化合物 17.265 g を得た。
【0288】1H-NMR(CDCl3) δppm :1.29(6H, t, J =
7.3 Hz), 1.7 - 2.4(2H, m), 3.15(4H, t, J = 7.7 H
z),4.22(4H, q, J = 7.3 Hz)
【0289】上記と同様の方法によってジエチルシクロ
ペンチリデンマロネート 71(1H-NMR(CDCl3) δppm:1.29
(6H, t, J = 7Hz), 1.6 - 2.0(4H, m), 2.6 - 2.8 (4H,
m),4.24(4H, q, J = 7Hz))及びジエチルシクロヘキシ
リデンマロネート 72(1H-NMR(CDCl3)δppm:1.28(6H,
t, J = 7.2 Hz), 1.4 - 1.85(6H,br), 2.3 - 2.3(4H,b
r), 4.22(4H, q, J = 7.2 Hz))を得た。
【0290】2) ジエチル (1- ニトロメチル-1- シク
ロブチル)マロネート 73 化合物 70、 15.32 g、 ニトロメタン 59 ml、 テトラメチ
ルグアニジン 4.5 mlの混合物を室温で16時間撹拌し
た。反応液にクロロホルムを加え 10%クエン酸水溶液で
洗浄後、有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、
無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して、
黄色油状の標記の化合物 19.027 g を得た。
【0291】1H-NMR(CDCl3) δppm :1.28(6H, t, J =
7.1 Hz), 1.8 - 2.4(6H, m), 4.20(4H, q, J = 7,1 H
z),4.82(2H, s)
【0292】上記と同様の方法にて、ジエチル (1-ニト
ロメチル-1- シクロペンチル)マロネート 74(1H-NMR(C
DCl3) δppm:1.27(6H, t, J = 7 Hz), 1.6 - 2.0 (8H,
m),3.79(1H, s), 4.20(4H, q, J = 7Hz), 4.71(2H,
s))及びジエチル (1-ニトロメチル-1- シクロヘキシ
ル)マロネート 75(1H-NMR(CDCl3) δppm:1.27(6H, t,
J= 7 Hz), 1.4 - 1.8(10H, M), 3.88(1H, s), 4.20(4H,
q, J = 7 Hz), 4.96(2H,s)) を得た。
【0293】3) エチル 7-オキソ-6- アザスピロ[3.
4] オクタン-8- カルボキシレート 76 化合物 73、 19.03 gをエタノール 400 ml に溶解し、
水、エタノールで洗浄したラネーニッケル 30 mlを加え
て脱気後、水素ガス雰囲気下で2日間接触還元した。触
媒を濾去した後溶媒を減圧留去した。残留物に酢酸エチ
ルと1N塩酸を加えて振盪し、分液した。有機層を無水硫
酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残留物を
シリカゲル 100 gのフラッシュカラムに付し、0 - 3%メ
タノール含有クロロホルムにて溶出し、標記の化合物
2.972 gを得た。一方、1N塩酸層を炭酸水素ナトリウム
で中和し、酢酸エチルで抽出した。これを再度行い、有
機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を減圧
留去した。標記の化合物 1.583gを得た。合わせて4.555
g を得た。
【0294】1H-NMR(CDCl3) δppm :1.28(3H, t, J =
7.1 Hz), 1.8 - 2.2(6H, m), 3.21(1H, s),3.41(1H, d
d, J = 9.7 & 1.4 Hz), 3.60(1H, d, J = 9.7 Hz),4.20
(2H, q, J = 7.1 Hz), 7.21(1H, br)
【0295】同様の方法にて、エチル 3-オキソ-2- ア
ザスピロ[4.4] ノナン-4- カルボキシレート 77(1H- NM
R(CDCl3)δppm:1.28(3H, t, J = 7.3 Hz), 2.6 - 2.8(8
H, br), 3.07(1H, s), 3.01(1H, dd, J = 7.3 & 1.3 H
z), 3.45(1H, d, J = 9.3 Hz), 4.20(2H, q, J = 7.3 H
z), 7.30(1H, s))及びエチル 3-オキソ-2- アザスピ
ロ[4.5] デカン-4- カルボキシレート78(1H-NMR(CDCl3)
δppm:1.29(3H, t, J =7.3 Hz), 1.3 - 1.7(1H, br),
3.05(1H, s), 3.17(1H, dd, J = 9.9 & 1.4 Hz),4.20(2
H, q, J = 7.3 Hz), 7.30(1H, br)) を得た。
【0296】4) 7-オキソ-6- アザスピロ[3.4] オクタ
ン-8- カルボン酸 79 化合物 79、 1.97 g をエタノール 20 mlに溶解して水 2
0 mlを加え、更に水酸化ナトリウム 0.8 gを加えて2時
間加熱還流した。有機溶媒を減圧留去し、クロロホルム
で水層を洗浄後1N塩酸で氷冷撹拌下に水層を中和した。
水層を2-ブタノンで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾
燥して溶媒を減圧留去した。標記の化合物 1.567 gを無
色の結晶として得た。
【0297】1H-NMR(CDCl3) δppm :1.6 - 2.7(6H,
m), 3.15(1H, s), 3.40(1H, d, J = 9.2 Hz),3.6(1H,
d, J = 9.2 Hz), 6.2(1H, br)
【0298】上記と同様の方法にて3-オキソ-2- アザス
ピロ[4.4] ノナン-4- カルボキシレート 80(1H-NMR(CDC
l3) δppm:1.5 - 2.3(8H, m), 3.15(1H, d, J = 9.5 H
z), 3.28(1H, s), 3.33(1H, d, J = 9.5Hz), 6.45(1H,
br)) 及び3-オキソ-2- アザスピロ[4.5] デカン-4- カ
ルボキシレート 81(1H-NMR(CDCl3) δppm:1.2 - 2.0(10
H, m), 3.06(1H, s), 3.11(1H, d, J = 9.8 Hz), 3.48
(1H, d, J = 9.8 Hz), 6.47(1H, br)) を得た。
【0299】5) 8-第三級ブトキシカルボニルアミノ-7
- オキソ-6- アザスピロ[3.4] オクタン 82 化合物 79、 1.57 g をベンゼン 20 mlに懸濁して撹拌下
に、ジフェニルホスホリルアジド 2.2 ml 及びトリエチ
ルアミン 1.55 mlを順次加え、 1.5時間加熱還流した。
ここで第三級ブタノール 4.4 ml を加え更に16時間加熱
還流した。溶媒を減圧留去し、残留物に酢酸エチルを加
え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウ
ム水溶液、10% クエン酸水溶液、飽和塩化ナトリウム水
溶液で洗浄した。水層は更に酢酸エチルで抽出した。有
機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去し
た。残留物をシリカゲル 50 g のフラッシュカラムに付
して 0〜3%メタノール含有クロロホルムで溶出し、標記
の化合物 0.560 gを得た。
【0300】1H-NMR(CDCl3) δppm :1.48(9H, s), 1.5
- 2.5(6H, m), 3.27(1H, d, J = 9.9 Hz),3.44(1H, d,
J = 9.9 Hz), 4.18(1H, d, J = 7.7 Hz),5.20(1H,d, J
= 7.7 Hz), 7.13(1H, brs)
【0301】上記と同様の方法にて、4-第三級ブトキシ
カルボニルアミノ-3- オキソ-2- アザスピロ[4.4] ノナ
ン 83(1H-NMR(CDCl3) δppm:1.45(9H, s), 1.2 - 1.8(8
H, m), 3.13(2H, s), 4.35(1H, d, J = 7.9 Hz), 5.15
(1H, d, J = 7.9 Hz), 7.21(1H, br s)) 及び4-第三級
ブトキシカルボニルアミノ-3- オキソ-2- アザスピロ
[4.5] デカン 84(1H-NMR(CDCl3) δppm:1.46(9H, s),
1.0 - 1.8(10H, m), 2.9 -3.4(2H, m), 4.15(1H, d, J
= 8.6 Hz), 4.89(1H, d, J = 8.6 Hz), 6.71(1H, br
s)) を得た。
【0302】6) 6-第三級ブトキシカルボニル-8- 第三
級ブトキシカルボニルアミノ-6- アザスピロ[3.4] オク
タン 87 化合物 82、 560 mg を氷冷し、撹拌しながらトリフルオ
ロ酢酸 15 mlを加えた後、室温で 1.5時間撹拌した。ト
リフルオロ酢酸を減圧留去して残留物にテトラヒドロフ
ラン 30 mlを加え、氷冷撹拌下にリチウムアルミニウム
ハイドライド 884 mg を加えて16時間加熱還流した。反
応液に水を氷冷撹拌下に加え、不溶物を濾過した(セラ
イト濾過)。不溶物をテトラヒドロフランでよく洗浄
後、ジ第三級ブチルジカーボネート 1.02 g を加え室温
で16時間撹拌した。溶媒を減圧留去して残留物をシリカ
ゲル 50 g のフラッシュカラムに付し、酢酸エチル:n-
ヘキサン=1:10の混合溶媒で溶出し、標記の化合物 273
mg を得た。
【0303】1H-NMR(CDCl3) δppm :1.45(18H, s), 1.
7 - 2.1(6H, m), 3.0 - 3.6(4H, m), 3.8 - 4.2(1H,
m),5.1(1H, br d)
【0304】上記と同様の方法にて、2-第三級ブトキシ
カルボニル-4- 第三級ブトキシカルボニルアミノ-2- ア
ザスピロ[4.4] ノナン 90(1H-NMR(CDCl3) δppm :1.45
(18H,s), 1.3 - 1.8(8H, m), 3.0 - 3.3(3H, m), 3.4 -
3.7(1H, m), 3.7 - 4.1(1H,m), 4.55(1H, br d))及び2
-第三級ブトキシカルボニル-4- 第三級ブトキシカルボ
ニルアミノ-2- アザスピロ[4.5] デカン 91(1H-NMR(CDC
l3) δppm:1.0 - 1.9(28H, m), 2.9 - 4.1(5H, m), 4.5
1(1H, br d))を得た。
【0305】参考例30. 7-(8-アミノ-6- アザスピロ
[3.4] オクタン-6- イル)-1-シクロプロピル-6,8- ジフ
ルオロ-4- オキソ-1,4- ジヒドロキノリン-3- カルボン
酸 94 化合物 87、 173 mg を氷冷し、撹拌しながらトリフルオ
ロ酢酸 2.7 ml を加えた後、室温で 1.5時間撹拌した。
トリフルオロ酢酸を減圧留去して残留物にアセトニトリ
ル 10 mlを加え、次いで1-シクロプロピル-6,7,8- トリ
フルオロ-4- オキソ-1,4- ジヒドロキノリン-3- カルボ
ン酸 100mg、 トリエチルアミン 0.98 mlを加え16時間加
熱還流した。反応液を濃縮し、残留物にジエチルエーテ
ルを加えた。生成した結晶を濾取後、エタノール−アン
モニア水で再結晶し、標記の化合物 125 mg を得た。
【0306】融点:260 - 263 ℃ 元素分析:C20H21F2N3O3として 計算値:C 58.19 H 5,76 N 10.18 実測値:C 58.10 H 5.38 N 10.131 H-NMR(0.1N NaOD-D2O) δppm :1.05(2H, brs), 1.13
- 1.20(2H, m), 1.85 - 2.01(6H, m),2.15 - 2.22(1H,
m), 3.25 - 3.95(6H, m), 7.56(1H, d, J = 15.0 Hz),
8.41(1H, s)
【0307】同様の方法によって、7-(4- アミノ-2- ア
ザスピロ[4.4] ノナン-2- イル)-1-シクロプロピル- 6,
8-ジフルオロ-4- オキソ-1,4- ジヒドロキノリン-3- カ
ルボン酸 95 及び 7-(4-アミノ-2- アザスピロ[4.5] デ
カン-2- イル)-1-シクロプロピル-6,8- ジフルオロ-4-
オキソ-1,4- ジヒドロキノリン-3- カルボン酸 96 を得
た。
【0308】化合物 95 : 融点:249 - 253 ℃ 元素分析:C21H23F2N3O3・0.7H2O として 計算値:C 60.63 H 5.91 N 10.10 実測値:C 60.63 H 5.69 N 9.941 H-NMR(0.1N NaOD-D2O) δppm :1.00(2H, brs), 1.11
- 1.15(2H, m), 1.4-1.7(8H, m),3.1 - 3.9(6H, m), 7.
49(1H, d, J = 13.5 Hz), 8.38(1H, s)
【0309】化合物 96 : 融点:247 - 274 ℃ 元素分析:C22H25F2N3O3として 計算値:C 63.30 H 6.04 N 10.07 実測値:C 63.14 H 6.08 N 10.021 H-NMR(0.1N NaOD-D2O) δppm :1.00(2H, brs), 1.10
- 1.16(2H, m), 1.20 - 1.63(10H, m),2.99 - 3.90(6H,
m), 7.50(1H, d, J = 14.5 Hz), 8.38(1H, s)
【0310】参考例31. 10-(8-アミノ-6- アザスピロ
[3.4] オクタン-6- イル)-9-フルオロ-2,3- ジヒドロ-3
-(S)-メチル-7- オキソ-7H-ピリド[1,2,3-de][1,4] ベ
ンゾオキサジン-3- カルボン酸 98 化合物 87、 120 mg とトリフルオロ酢酸 2 ml を混合し
室温で2時間撹拌した。トリフルオロ酢酸を減圧留去
し、残留物に9,10- ジフルオロ-2,3- ジヒドロ-3-(S)-
メチル-7- オキソ-7H-ピリド[1,2,3-de][1,4] ベンゾオ
キサジン-6- カルボン酸 BF2- キレート、 85 mg、ジメチ
ルスルホキシド 15 ml、 トリエチルアミン1 ml を加え
た。この混合物を一晩加熱還流した。溶媒を減圧留去
後、残留物に95%メタノール 20 ml、 トリエチルアミン
1.2 ml を加え、混合物を5時間加熱還流した。溶媒を
減圧留去し残留物にジエチルエーテルを加えた。生成し
た結晶を集め、アンモニア水−エタノールの混合溶媒か
ら再結晶し、標記の化合物 50mgを得た。
【0311】融点:229 -231℃ 元素分析:C20H22FN3O3・1/2H2Oとして 計算値:C 57.96 H 6.08 N 10.14 実測値:C 57.66 H 5.84 N 10.241 H-NMR(0.1N NaOD-D2O) δppm :1.28(3H, s), 1.60 -
1.82(5H, m), 1.95 - 2.04(1H, m),2.95 - 3.02(1H,
m), 3.08 - 3.17(1H, m), 3.34 - 3.46(1H, m),3.58 -
3.70(2H, m), 4.00 - 4.08(1H, m), 4.18 - 4.24(1H,
m),4.29 - 4.36(1H, m), 7.18(1H, d, J = 19.5 Hz),
8.13(1H, s)
【0312】参考例32. 1) 第三級ブチル 7-オキソ-6- アザスピロ[3.4] オク
タン-8- カルボキシレート 99 化合物 79、 2 gを第三級ブタノールに加熱溶解し撹拌下
にジフェニルホスホリルアジド 2.8ml、トリエチルアミ
ン 1.97 mlを加え、16時間加熱還流した。溶媒を減圧留
去し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリ
ウム水溶液、 10%クエン酸水溶液、飽和塩化ナトリウム
水溶液で順次洗浄した。更に水層を酢酸エチルで抽出を
くり返す。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、
溶媒を減圧留去した。得られた油状物をシリカゲル 75g
のカラムに付し 0〜2%メタノール含有クロロホルムで溶
出し、標記の化合物 1.974 gを得た。
【0313】1H-NMR(CDCl3) δppm :1.46(9H, s), 1.7
- 2.4(6H, m), 3.09(1H, s),3.41(1H, d, J = 10.0 H
z), 3.62(1H, d, J = 10.0 Hz), 6.90(1H, brs)
【0314】同様の方法によって、第三級ブチル 3-オ
キソ-2- アザスピロ[4.4] ノナン-4-カルボキシレート1
00(1H-NMR(CDCl3) δppm:1.47(9H, s), 1.70(8H, br
s), 2.98(1H, s), 3.10(1H, d, J = 9.7 Hz), 3.43(1H,
d, J = 9.7 Hz), 7.50(1H, brs)) 及び第三級ブチル
3-オキソ-2- アザスピロ[4.5] デカン-4- カルボキシレ
ート 101(1H-NMR(CDCl3)δppm:1.45(19H, br s), 2.93
(1H, s), 3.13(1H, d,J = 11 Hz), 3.32(1H, d, J = 11
Hz), 6.90(1H, brs))を得た。
【0315】2) 6-第三級ブトキシカルボニル-8- ヒド
ロキシメチル-6- アザスピロ[3.4] オクタン 103 化合物 99、 1.94 g を氷冷し、撹拌しながら、氷冷した
トリフルオロ酢酸 20 mlを加えた。すぐに室温にもど
し、1時間撹拌後、トリフルオロ酢酸を減圧留去し、減
圧下に十数分おいた後、残留物を無水テトラヒドロフラ
ン 100 ml に溶解した。氷冷撹拌下にリチウムアルミニ
ウムハイドライド 3.11 g をゆっくりと加え、18時間加
熱還流した。反応液を氷冷撹拌しながら水 10 mlをゆっ
くり加え、30分室温撹拌した。セライトで不溶物を濾去
し、よくテトラヒドロフランで不溶物を洗う。濾液を 5
0 mlまで濃縮し、ジ第三級ブチルジカーボネートを加
え、室温で18時間撹拌した。溶媒を減圧留去し残留物を
シリカゲル 150 gのカラムに付し、n-ヘキサン:酢酸エ
チル=3:2 の混合溶媒で溶出し、標記の化合物 420 mg
を得た。
【0316】1H-NMR(CDCl3) δppm :1.46(9H,
s), 1.7 − 2.3(8H, m), 3.
2 − 3.9(5H, m)
【0317】上記と同様の方法によって、2−第三級ブ
トキシカルボニル-4- ヒドロキシメチル-2- アザスピロ
[4.4] ノナン 105(1H-NMR(CDCl3)δppm:1.46(9H,s), 1.
61(8H,s), 3.0 - 3.9(7H, m))及び2-第三級ブトキシカ
ルボニル-4- ヒドロキシメチル[4.5] デカン 107(1H-NM
R(CDCl3)δppm:1.46(9H,s), 1.1 - 1.7(10H, m), 3.0 -
3.8(5H, m))を得た。
【0318】参考例33. 1- シクロプロピル-6,8- ジフ
ルオロ-7-(8-ヒドロキシメチル-6- アザスピロ[3.4] オ
クタン-6- イル)-4-オキソ-1,4- ジヒドロキノリン-3-
カルボン酸 108 化合物 103、 120 mgを氷冷し、撹拌しながら氷冷したト
リフルオロ酢酸 2.7mlを滴下した。すぐに室温にもど
し、1時間撹拌した。トリフルオロ酢酸を減圧留去して
残留物をアセトニトリル 10 mlに溶解し、1-シクロプロ
ピル-6,7,8- トリフルオロ-4- オキソ-1,4- ジヒドロキ
ノロン-3- カルボン酸 100 mg、トリエチルアミン 0.22
mlを加え、18時間加熱還流した。溶媒を減圧留去し、濃
塩酸及びクロロホルムを加え、水層を分け、更にクロロ
ホルムで2回水層を洗浄した。クロロホルム層を少量の
濃塩酸で抽出した。水層を合わせ、氷冷撹拌下に水酸化
ナトリウムを加え、pHを 13 以上とする。クロロホルム
を用いて、水層を洗浄した後、濃塩酸、1N塩酸、飽和炭
酸水素ナトリウム水溶液を用いて pH を約 7.4とした。
クロロホルムを加え水層を3回抽出し、有機層を合わせ
無水硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を減圧留去した。残留
物をエタノール−アンモニア水に溶解、熱時濾過したの
ち、再結晶を2回行い、黄色針状晶の標記の化合物 52
mgを得た。
【0319】融点: 273 - 274℃ 元素分析値:C21H22F2N2O4として 計算値:C 62.37 H 5,48 N 6.93 実測値:C 63.31 H 5.39 N 6.961 H-NMR(CDCl3) δppm :1.11 - 1.31(4H, m), 1.89 -
2.31(7H, m), 3.63 - 3.99(7H, m),7.75(1H, dd, J = 1
3.5 & 1.6 Hz), 8.62(1H, s)
【0320】上記と同様の方法によって、1-シクロプロ
ピル-6,8- ジフルオロ-7-(4-ヒドロキシメチル-2- アザ
スピロ[4.4] ノナン-2- イル)-4-オキソ-1,4- ジヒドロ
キノリン-3- カルボン酸 109及び1-シクロプロピル-6,8
- ジフルオロ-7-(4-ヒドロキシメチル-2- アザスピロ
[4.5] デカン-2- イル)-4-オキソ-1,4- ジヒドロキノリ
ン-3- カルボン酸 110を得た。
【0321】化合物 109: 融点: 249 - 252℃ 元素分析値:C22H24F2N2O4として 計算値:C 63.15 H 5.78 N 6.70 実測値:C 62.74 H 5.76 N 6.461 H-NMR(CDCl3) δppm :1.11 - 1.31(4H, m), 1.50 -
1.77(8H, m), 2.18 - 2.22(1H, m),3.47 - 4.03(7H,
m), 7.73(1H, dd, J = 13.5 & 1.6 Hz), 8.60(1H, s)
【0322】化合物 110: 融点: 231 - 234℃ 元素分析値 C23H26F2N2O4・1/2H2O として 計算値:C 62.58 H 6.17 N 6.35 実測値:C 62.92 H 6.17 N 6.251 H-NMR(CDCl3) δppm :1.11 - 1.18(2H, m), 1.24 -
1.28(2H, m), 1.30 - 1.69(11H, m),3.51 - 4.02(7H,
m), 7.80(1H, dd, J = 13.5 & 1.6 Hz), 8.70(1H, s)
【0323】実施例6. 7-アセトキシ-5- アザスピロ
[2.4] ヘプタン 69 化合物 12、 1.5 gをテトラヒドロフラン 30 mlに懸濁
し、リチウムアルミニウムヒドリド 500 mg を加えて16
時間加熱還流した。冷却下に水 0.5 ml、 15%水酸化ナト
リウム水溶液 0.5 ml、水 1.5 ml を加えて室温で30分撹
拌した。不溶物を濾去し濾液を減圧乾固すると黄色油状
の7-ヒドロキシ-5-[1-(R)-フェニルエチル]-5-アザスピ
ロ[2.4] ヘプタン 1.4 gが得られた。このものを氷冷
し、無水酢酸5 ml とピリジン 5 ml とを加えた。この
混合物を室温で3時間撹拌した。混合物に酢酸エチルを
加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水で洗浄し、無
水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去すると黄
色油状の7-アセトキシ-5-[1-(R)-フェニルエチル]-5-ア
ザスピロ[2.4] ヘプタン 1.6 gが得られた。このものを
エタノール 20 mlに溶解し、パラジウム−炭素(50% 含
水)1.2 g を加え、タングステンランプで加温しながら
3.8気圧の水素雰囲気下で5時間接触還元した。触媒を
濾去し濾液の溶媒を減圧留去すると油状の標記化合物 8
80 mg が得られた。
【0324】以上の化合物に加えて次の化合物を合成し
た。これらをその物理定数とともに示す。
【0325】1) (-)-7-[7-(S)- アミノ-5- アザスピロ
[2.3] ヘプタン-5- イル)-1-シクロプロピル-6- フルオ
ロ-1,4- ジヒドロ-4- オキソキノリン-3- カルボン酸 3
3b、融点:259 - 261 ℃
【0326】2) (-)-7-[7-(S)- アミノ-5- アザスピロ
[2.3] ヘプタン-5- イル)-6-フルオロ-1-(2,4-ジフルオ
ロフェニル)-1,4-ジヒドロ-4- オキソ-1,8- ナフチリジ
ン-3-カルボン酸 111b、 融点:232-235 ℃、 [α]D -
20.54°(c=0.73, CHCl
【0327】
【表1】
【0328】
【表2】
【0329】
【表3】
【0330】
【表4】
【0331】
【化7】
【0332】
【化8】
【0333】
【化9】
【0334】
【化10】
【0335】
【化11】
【0336】
【化12】
【0337】
【化13】
【0338】
【化14】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平1−156316 (32)優先日 平成1年6月19日(1989.6.19) (33)優先権主張国 日本(JP) 前置審査 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 209/54 C07D 239/70 CA,REGISTRY(STN)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式I 【化1】 (式中、 aは1を、bは2または3を、cは0を、dは1または
    2を意味する。 ここでR1 はアミノ基、水酸基または炭素数1〜6のヒ
    ドロキシアルキル基を表わし、 上記のアミノ基および水酸基は保護基を有していてもよ
    い。R2 は水素原子を表わし、 R3 は水素原子を表わす。)で表わされるスピロ化合物
    及びその塩。
  2. 【請求項2】 一般式中、aが1、bが2、cが0、d
    が1であって、
  3. 【請求項3】 一般式中、aが1、bが3、cが0、d
    が1であって、
  4. 【請求項4】 一般式中、aが1、bが2、cが0、d
    が2であって、
  5. 【請求項5】 7−アミノ−5−アザスピロ[2.4]
    ヘプタン、4,7−ジアザスピロ[2.5]オクタン、
    7−ヒドロキシ−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン、
    7−ヒドロキシイミノ−5−アザスピロ[2.4]ヘプ
    タン、8−ヒドロキシメチル−6−アザスピロ[3.
    4]オクタン、8−アミノ−6−アザスピロ[3.4]
    オクタン、7−第三級ブトキシカルボニルアミノ−5−
    アザスピロ[2.4]ヘプタンである請求項1記載のス
    ピロ化合物及びその塩。
  6. 【請求項6】 保護基がアルコキシカルボニル基、アラ
    ルキルオキシカルボニル基、アシル基、アルキル基、ア
    ラルキル基、エーテル類またはシリル基である請求項1
    記載のスピロ化合物及びその塩。
  7. 【請求項7】 保護基がアルコキシカルボニル基、アラ
    ルキルオキシカルボニル基またはアシル基である請求項
    1記載のスピロ化合物及びその塩。
  8. 【請求項8】 保護基が第三級ブトキシカルボニル基、
    2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基、ベンジ
    ルオキシカルボニル基、パラメトキシベンジルオキシカ
    ルボニル基、パラニトロベンジルオキシカルボニル基ま
    たはアセチル基である請求項1記載のスピロ化合物及び
    その塩。
  9. 【請求項9】 一般式の化合物が純粋な光学活性体から
    なる化合物である請求項1、2、3、5、6、7または
    8に記載のスピロ化合物及びその塩。
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