JP3025939B2 - ベアリングシールとその製造方法 - Google Patents
ベアリングシールとその製造方法Info
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- F16C33/00—Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
- F16C33/72—Sealings
- F16C33/76—Sealings of ball or roller bearings
- F16C33/78—Sealings of ball or roller bearings with a diaphragm, disc, or ring, with or without resilient members
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、連続して大量に生産す
ることを可能とし、かつ成形後の仕上げ処理を不要とし
て、密封性に優れかつベアリングへの固着性にも優れる
ベアリングシールに関する。
ることを可能とし、かつ成形後の仕上げ処理を不要とし
て、密封性に優れかつベアリングへの固着性にも優れる
ベアリングシールに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ベアリングに装着されるベアリン
グシールは、図面によって説明すると図7に示すよう
に、所望のリング形状に形成された補強環(2)とシー
ルリップを有する密封部材(c)からなっており、その
成形においては該リング状の補強環(2)に弾性体から
なる密封材料を成形金型を用いて加硫成型し、所望する
形状のベアリングシール(D)を得ていた。
グシールは、図面によって説明すると図7に示すよう
に、所望のリング形状に形成された補強環(2)とシー
ルリップを有する密封部材(c)からなっており、その
成形においては該リング状の補強環(2)に弾性体から
なる密封材料を成形金型を用いて加硫成型し、所望する
形状のベアリングシール(D)を得ていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
ようなベアリングシール(D)の成型工程においては、
金型内へ前記造形された補強環(2)を正確に載置して
これに密封材料を供給して成型硬化し、その後成型品の
取り出し等複雑な工程が必要となり、さらに必ず余剰の
密封材料が内・外方にバリを形成しこれが成型品と共に
取り出されるので、該バリの面倒な除去工程を必要とす
る。
ようなベアリングシール(D)の成型工程においては、
金型内へ前記造形された補強環(2)を正確に載置して
これに密封材料を供給して成型硬化し、その後成型品の
取り出し等複雑な工程が必要となり、さらに必ず余剰の
密封材料が内・外方にバリを形成しこれが成型品と共に
取り出されるので、該バリの面倒な除去工程を必要とす
る。
【0004】このような不具合を解消するために、図6
で示す、特開昭54−68882号公報のような、補強
板(a)と共に密封材(b)も同時にプレスパンチ
(3)で打ち抜いてベアリングシール(B)を得る打抜
きタイプの製造方法が実施されている。しかしながらこ
のベアリングシール(B)の装着においては、単純な打
ち抜き成形のため図4に示すように周端のシールリップ
(4)の断面形状がほぼ一つの形に限られてしまい自由
度が少ない。すなわち、この構造ではベアリング(1)
の嵌合溝(5)の形状及びその深さまで制約をあたえ該
嵌合溝(5)に高精度を要求するからコストアップを招
き、また装着においても繊細な嵌入作業を強いるなど欠
点が多いものであった。
で示す、特開昭54−68882号公報のような、補強
板(a)と共に密封材(b)も同時にプレスパンチ
(3)で打ち抜いてベアリングシール(B)を得る打抜
きタイプの製造方法が実施されている。しかしながらこ
のベアリングシール(B)の装着においては、単純な打
ち抜き成形のため図4に示すように周端のシールリップ
(4)の断面形状がほぼ一つの形に限られてしまい自由
度が少ない。すなわち、この構造ではベアリング(1)
の嵌合溝(5)の形状及びその深さまで制約をあたえ該
嵌合溝(5)に高精度を要求するからコストアップを招
き、また装着においても繊細な嵌入作業を強いるなど欠
点が多いものであった。
【0005】本発明はこのような欠点に鑑み、形状自由
度が高く成型性及び嵌合力に優れるベアリングシールを
提供することを目的としている。
度が高く成型性及び嵌合力に優れるベアリングシールを
提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、図2に示すよ
うに、ベアリング(1、1′)に取り付けられ、その密
封をなすベアリングシール(A)とその製造方法であ
り、図5に示すように補強板(a)にそれぞれ硬度の異
なる複数の密封材(b1、b2)を層状に固着せしめ、
これをプレスパンチ(3)で打抜いてそれぞれ径寸法の
異なる層状の弾性リング(b1、b2)と補強リング
(a1)を持つベアリングシール(A)を得ることを特
徴としている。
うに、ベアリング(1、1′)に取り付けられ、その密
封をなすベアリングシール(A)とその製造方法であ
り、図5に示すように補強板(a)にそれぞれ硬度の異
なる複数の密封材(b1、b2)を層状に固着せしめ、
これをプレスパンチ(3)で打抜いてそれぞれ径寸法の
異なる層状の弾性リング(b1、b2)と補強リング
(a1)を持つベアリングシール(A)を得ることを特
徴としている。
【0007】
【作用】本発明は、上記した構成をもって下記に示す優
れた作用をなす。すなわち、図5に示すように剛性のあ
る薄板あるいは帯板などの補強板(a)の表面に予め合
成ゴムあるいは合成樹脂等の弾性体からなる密封材
(b)を固着せしめ、これをプレスパンチ(3)で打抜
いてベアリングシール(A)を得るとき、前記密封材
(b)をそれぞれ硬度の異なる弾性リング(b1、b
2)として配備し、これを打ち抜き形成せしめ、図1に
示すようにその径寸法を圧縮変形量及び弾性反発力の違
いを利用して補強リング(a1)の周縁以上に突出する
ようそれぞれ異径に形成する。この場合、図1に示すよ
うに補強リング(a1)側に位置する弾性リング(b
2)の硬度を外側の弾性リング(b1)の硬度より高め
て配置せしめると、図1のように硬度の低い外側の弾性
リング(b1)の周縁が補強リング(a1)側の弾性リ
ング(b2)の周縁以上に突出するものとなり、これと
反対の突出形状を望むならそれぞれの密封材(b)の硬
度を逆に配置すれば補強リング(a1)側の弾性リング
(b2)の周縁が最も突出する形状のベアリングシール
(A、図示していない)が得られる。
れた作用をなす。すなわち、図5に示すように剛性のあ
る薄板あるいは帯板などの補強板(a)の表面に予め合
成ゴムあるいは合成樹脂等の弾性体からなる密封材
(b)を固着せしめ、これをプレスパンチ(3)で打抜
いてベアリングシール(A)を得るとき、前記密封材
(b)をそれぞれ硬度の異なる弾性リング(b1、b
2)として配備し、これを打ち抜き形成せしめ、図1に
示すようにその径寸法を圧縮変形量及び弾性反発力の違
いを利用して補強リング(a1)の周縁以上に突出する
ようそれぞれ異径に形成する。この場合、図1に示すよ
うに補強リング(a1)側に位置する弾性リング(b
2)の硬度を外側の弾性リング(b1)の硬度より高め
て配置せしめると、図1のように硬度の低い外側の弾性
リング(b1)の周縁が補強リング(a1)側の弾性リ
ング(b2)の周縁以上に突出するものとなり、これと
反対の突出形状を望むならそれぞれの密封材(b)の硬
度を逆に配置すれば補強リング(a1)側の弾性リング
(b2)の周縁が最も突出する形状のベアリングシール
(A、図示していない)が得られる。
【0008】このベアリングシール(A)の装着におい
ては、図3に示すように、弾性リング(b1、b2)側
をベアリング(1)の奥方に向けて嵌入せしめると、奥
側に位置する周縁の大きく突出したリップ部(6)はそ
の柔軟な弾力によって補強リング(a1)側に倒れ、こ
れに伴って中程に位置する小さく突出した硬度の高いリ
ップ部(6´)を引っ張って前記補強リング(a1)の
周縁部分を巻き込み、図3に示すように嵌合溝(5)に
至ると前記小さく突出するリップ部(6´)が前記補強
リング(a1)の周縁を包み大きく突出するリップ部
(6)がその外周部に回り込む嵌合形状となる。このよ
うに二重に回り込んだリップ部(6、6´)は前記補強
リング(a1)の周端を抱持し硬度の異なる内外の材料
特性によって強固な固着を実現する。
ては、図3に示すように、弾性リング(b1、b2)側
をベアリング(1)の奥方に向けて嵌入せしめると、奥
側に位置する周縁の大きく突出したリップ部(6)はそ
の柔軟な弾力によって補強リング(a1)側に倒れ、こ
れに伴って中程に位置する小さく突出した硬度の高いリ
ップ部(6´)を引っ張って前記補強リング(a1)の
周縁部分を巻き込み、図3に示すように嵌合溝(5)に
至ると前記小さく突出するリップ部(6´)が前記補強
リング(a1)の周縁を包み大きく突出するリップ部
(6)がその外周部に回り込む嵌合形状となる。このよ
うに二重に回り込んだリップ部(6、6´)は前記補強
リング(a1)の周端を抱持し硬度の異なる内外の材料
特性によって強固な固着を実現する。
【0009】
【実施例】本発明を実施するに、図1では補強リング
(a1)側に位置する弾性リング(b2)の硬度を外側
の弾性リング(b1)の硬度より高めて、該硬度の低い
外側の弾性リング(b1)の周縁を補強リング(a1)
側の弾性リング(b2)の周縁より突出するものとする
よう配置したが、これとは反対の突出形状とする場合そ
れぞれの密封材(b)の硬度を前記とは逆に配置するこ
とにより補強リング(a1)側の弾性リング(b2)の
周縁が突出する形状のベアリングシール(A)が得られ
(図示せず)、この構成では嵌合時補強リング(a1)
の周縁に硬度の低い弾性リング(b2)が廻り込み、嵌
合溝(5)へは硬度の高い弾性リング(b1)が沿う形
状となる。しかしこの硬度の高い弾性リング(b1)は
その硬度により大きく突出しないので前記嵌合溝(5)
の全面へ廻り込むことはない。
(a1)側に位置する弾性リング(b2)の硬度を外側
の弾性リング(b1)の硬度より高めて、該硬度の低い
外側の弾性リング(b1)の周縁を補強リング(a1)
側の弾性リング(b2)の周縁より突出するものとする
よう配置したが、これとは反対の突出形状とする場合そ
れぞれの密封材(b)の硬度を前記とは逆に配置するこ
とにより補強リング(a1)側の弾性リング(b2)の
周縁が突出する形状のベアリングシール(A)が得られ
(図示せず)、この構成では嵌合時補強リング(a1)
の周縁に硬度の低い弾性リング(b2)が廻り込み、嵌
合溝(5)へは硬度の高い弾性リング(b1)が沿う形
状となる。しかしこの硬度の高い弾性リング(b1)は
その硬度により大きく突出しないので前記嵌合溝(5)
の全面へ廻り込むことはない。
【0010】本発明を構成する弾性リング(b1、b
2)の硬度を異ならしめる手段としては、材料の架橋強
度を代えることで簡単に実施できるが、その他の方法と
して種々原料を変更するか、または密封材(b)の片方
(b1あるいはb2)へ補強繊維材、補強粉材等を混合
するなどの硬度を増す物質の添加による変更が可能であ
り、求められる性能に応じそれぞれを選択する。なお、
本発明を説明した実施例ではいづれもベアリングシール
(A)の外径側がベアリング(1)の嵌合溝(5)へ装
着される嵌合部、すなわち外周リップ部(6、6´)の
構造を示したが、該嵌合部が内径側に位置する構造に対
しても対応可能なことは言うまでもない。
2)の硬度を異ならしめる手段としては、材料の架橋強
度を代えることで簡単に実施できるが、その他の方法と
して種々原料を変更するか、または密封材(b)の片方
(b1あるいはb2)へ補強繊維材、補強粉材等を混合
するなどの硬度を増す物質の添加による変更が可能であ
り、求められる性能に応じそれぞれを選択する。なお、
本発明を説明した実施例ではいづれもベアリングシール
(A)の外径側がベアリング(1)の嵌合溝(5)へ装
着される嵌合部、すなわち外周リップ部(6、6´)の
構造を示したが、該嵌合部が内径側に位置する構造に対
しても対応可能なことは言うまでもない。
【0011】このベアリングシール(A)は、例えばミ
ニチュアベアリングの如き極小箇所のシール部材となる
ものにおいて極めて有用な形状となり、ベアリング
(1)の嵌合溝(5)に高い精度を期待し得ない箇所へ
の装着を可能とする。また、その固定力の調節において
は、前記弾性リング(b1、b2)の厚みとか硬度の調
整・組合せによって容易く変更可能となり、前記嵌合溝
(5)とか嵌合棚(符号を付していない)などの接触面
積増大に頼る必要はない。
ニチュアベアリングの如き極小箇所のシール部材となる
ものにおいて極めて有用な形状となり、ベアリング
(1)の嵌合溝(5)に高い精度を期待し得ない箇所へ
の装着を可能とする。また、その固定力の調節において
は、前記弾性リング(b1、b2)の厚みとか硬度の調
整・組合せによって容易く変更可能となり、前記嵌合溝
(5)とか嵌合棚(符号を付していない)などの接触面
積増大に頼る必要はない。
【0012】
【発明の効果】本発明によると、ベアリングシール
(A)のリップ部(6、6´)は補強リング(a1)の
周縁にそれぞれ独自な形状と寸法さらに硬度をもって回
り込み前記補強リング(a1)の周端を二重に抱持して
いるので強固な固着を実現して、シール性、スリップト
ルク性、及び脱力性に大きな向上を見た。また、本発明
のベアリングシール(A)は成型性を飛躍的に高めただ
けでなく、嵌合作業においても低硬度の弾性リング(b
1)と高硬度の弾性リング(b2)の柔硬両面の弾性に
よって円滑に挿入され装着不備を一掃せしめる。さらに
弾性リング(b1、b2)と補強リング(a1)はその
圧入方向によりメクレ現象を発生させず、かつ嵌合溝
(5)内で互いに押し付けられる関係にあるのでその密
着性さえ良好なものとする。
(A)のリップ部(6、6´)は補強リング(a1)の
周縁にそれぞれ独自な形状と寸法さらに硬度をもって回
り込み前記補強リング(a1)の周端を二重に抱持して
いるので強固な固着を実現して、シール性、スリップト
ルク性、及び脱力性に大きな向上を見た。また、本発明
のベアリングシール(A)は成型性を飛躍的に高めただ
けでなく、嵌合作業においても低硬度の弾性リング(b
1)と高硬度の弾性リング(b2)の柔硬両面の弾性に
よって円滑に挿入され装着不備を一掃せしめる。さらに
弾性リング(b1、b2)と補強リング(a1)はその
圧入方向によりメクレ現象を発生させず、かつ嵌合溝
(5)内で互いに押し付けられる関係にあるのでその密
着性さえ良好なものとする。
【0013】
【図1】本発明の一実施例を示す断面図である。
【図2】本発明の実施例の装着された状態を示す断面図
である。
である。
【図3】図2で示す要部の拡大部分断面図である。
【図4】本発明を使用しない従来例を示す断面図であ
る。
る。
【図5】本発明の造型工程を示す断面図である。
【図6】本発明を使用しない従来例の造型工程を示す断
面図である。
面図である。
【図7】本発明を使用しない他の従来例の装着状態を示
す断面図である。
す断面図である。
【0014】
A ベアリングシール B 単層の打ち抜きによるベアリングシール C 密封部材 D 加硫成型したベアリングシール 1 ベアリング 2 補強環 3 プレスパンチ 4 シールリップ 5 嵌合溝 a 補強板 a1 補強リング b 密封材 b1 弾性リング b2 弾性リング 6 周縁の大きく突出したリップ部 6´ 周縁の小さく突出したリップ部
Claims (2)
- 【請求項1】 ベアリング(1)に取り付けられその密
封をなすベアリングシール(A)において、金属等から
なる補強板(a)とそれぞれ硬度の異なる複数の弾性体
の密封材(b)とを一体化せしめ、これをプレスパンチ
(3)で打抜いて層状の弾性リング(b1、b2)と補
強リング(a1)を持つベアリングシール(A)を得る
とき、前記補強リング(a1)の周縁より突出する前記
弾性リング(b1、b2)の径寸法をそれぞれ異径に形
成せしめたことを特徴とするベアリングシール。 - 【請求項2】 ベアリング(1)に取り付けられその密
封をなすベアリングシール(A)の製造方法において、
金属等からなる補強板(a)に弾性体からなる硬度の異
なった密封材(b)を複数層状に固着せしめた後、これ
をプレスパンチ(3)で打抜いて層状の弾性リング(b
1、b2)と補強リング(a1)のそれぞれの周縁を異
径に形成せしめることを特徴とするベアリングシールの
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2221794A JP3025939B2 (ja) | 1994-01-21 | 1994-01-21 | ベアリングシールとその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2221794A JP3025939B2 (ja) | 1994-01-21 | 1994-01-21 | ベアリングシールとその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07208487A JPH07208487A (ja) | 1995-08-11 |
JP3025939B2 true JP3025939B2 (ja) | 2000-03-27 |
Family
ID=12076643
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2221794A Expired - Fee Related JP3025939B2 (ja) | 1994-01-21 | 1994-01-21 | ベアリングシールとその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3025939B2 (ja) |
-
1994
- 1994-01-21 JP JP2221794A patent/JP3025939B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07208487A (ja) | 1995-08-11 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |