JP3025660B2 - 多色感熱記録材料 - Google Patents

多色感熱記録材料

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JP3025660B2 JP9146287A JP14628797A JP3025660B2 JP 3025660 B2 JP3025660 B2 JP 3025660B2 JP 9146287 A JP9146287 A JP 9146287A JP 14628797 A JP14628797 A JP 14628797A JP 3025660 B2 JP3025660 B2 JP 3025660B2
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信一 松本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サーマルヘッド等
の発熱素子を有し、熱を印加することによって熱画像記
録を形成する記録装置に用いられる感熱記録材料であっ
て、サーマルヘッド等から付与される熱印加エネルギー
の差によって異なる色相を発色する少なくとも2層以上
の感熱発色層を有して、2色以上のカラー画像を形成す
る多色感熱記録材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】サーマルヘッド等の発熱素子による熱印
加によって発色する、淡色ないし無色のロイコ染料とそ
の顕色剤を用いた感熱紙は良く知られている。この感熱
紙は、ファクシミリ、プリンター等の記録材料として、
装置をコンパクトにする事ができること、メインテナン
スが容易であること、および用紙自体が安価でかつその
使用方法が簡便であること等から広く用いられている。
【0003】感熱紙による記録は、従来、黒発色、青発
色等の単色の記録が主であったが、記録装置の用途の拡
大に伴い、画像記録材料に対する多色、さらにはフルカ
ラーの要求が近年益々増加してきている。多色化、フル
カラー化の用途に対して、最近は、レーザーによる静電
記録、インキジェット、または転写感熱フィルム等の技
術を応用して対応してきているが、特に、感熱紙の特性
を十分に発揮できる多色画像記録材料に対する要求が増
加している。このような要求を達成するために、感熱紙
に含まれている2種以上の発色色相の異なるロイコ染料
とそれに対応する顕色剤を用い、サーマルヘッド等から
印加されるエネルギーの程度に依存して発色色相を変え
ようとする試みがなされている。
【0004】上記の試みの一つとして、支持体上に色相
の異なる低温発色層と高温発色層の2層を形成して、そ
れらに低温加熱するかまたは高温加熱することによっ
て、その色相を変えようとする方法がある。この方法で
は、低温の熱印加エネルギーを付与した部分において低
温発色層に依存する色相のみが得られるが、高温の熱印
加エネルギーを付与した部分において、低温発色層も同
時に発色が生じ、そのため得られる発色色相は、それぞ
れの層に依存する色相の分離ができずに、低温発色層と
高温発色層の色相が混合するため、高温発色層に依存す
る色相のみを得ることができない。
【0005】この点を改良する目的として、最近、高温
加熱時に低温発色層の発色体に対して消色作用を発揮す
る消色剤を使用することにより、低温発色層内の画像を
消去して高温発色層のみの画像記録を得る方法が数多く
提案されている。消色剤を用いた多色感熱記録材料につ
いては、例えば特公昭51-292024号、特公昭第54-36864
号、特開昭第56-40588号、特開昭第62-73990号、特開平
第2-175186号、特開平第2-84380号、特開平第2-1362
号、特開平第2-9680号、特公平第6-431号等の各公報に
記載されており、これらに記載されている消色剤として
は、アミン又は第4級アンモニウム塩類、グアニジン誘
導体、モルホリン誘導体、アミジン誘導体、アミン誘導
体、酸アミド類、脂肪酸エステル類、尿素誘導体、ピペ
リジニルエステル類等が挙げられる。しかしながら、こ
れらの消色剤は、一般に、極性基を有する化合物であっ
て、水への溶解性が僅かでもある場合、記録材料の変質
を伴い、かぶりの発生、加熱時の発色不良、および得ら
れた画像記録が時間と共に消失してしまうこと等の重大
な欠陥を有していた。また、完全に水に不溶の化合物の
場合には、その消色機能が不十分となり、低温発色層と
高温発色層のそれぞれの発色色相を完全に分離すること
ができないため、得られた画像が混色やにじみを伴っ
て、鮮明な記録が得られないという欠点を有していた。
【0006】更に、上記公報のいくつかには、この種の
消色剤をマイクロカプセル化したり、水、有機溶媒、油
等に分散することが開示されている。しかしながら、具
体的なマイクロカプセル化の手順・方法については全く
記載されていない。上記以外に、特開昭54-139742号、
特開昭60-105584号、特開平1-125276号、特開平4-29839
1号等には、消色剤を内包するマイクロカプセルを用い
た感熱記録材料または多色感熱記録紙が記載されている
が、これらに用いられているマイクロカプセル化の方法
は、全て従来公知の方法を採用しているに過ぎない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、熱印加エネ
ルギーの差によって発色色相が異なる複数の発色層を含
んで成る多色の感熱記録材料に関するものである。特
に、本発明は、従来不可能とされていた感熱記録材料の
発色および消色という相反する機能を両立し得ると共
に、感熱記録紙及び熱画像記録の安定性、画像記録の混
色、およびにじみ等の欠点を全て解決し得る新規な消色
剤、および消色剤を適用した多色感熱記録材料を提供す
るものである。換言すれば、本発明は、同一支持体上に
おいて発色および消色という相反する特性を互いに全く
阻害せず、かつ多色感熱紙に有用な極めて優れた新規な
微粒子状消色剤組成物を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意検討を行った結果、支持体上に形成さ
れた2層以上の感熱発色層(ただし、各層が異なる発色
色相を有し、かつそれらの層の少なくとも1つがロイコ
染料発色層である。)を含んで成る多色感熱記録材料に
おいて、不揮発性疎水性の有機溶媒の存在下、前記不揮
発性疎水性の有機溶媒に不溶もしくは難溶のグアニジン
化合物と多価イソシアナート化合物との反応生成物を含
有する微粒子の消色剤が、前記ロイコ染料発色層内にお
よび/または該層と隣接する別の層内に存在することに
より、極めて安定で、混色やにじみがない優れた多色感
熱記録材料を得ることを見い出した。さらに本発明は、
上記微粒子状の消色剤、特に、従来知られていなかった
特定のマイクロカプセル化法により前記消色剤を内包し
た微粒子状の消色剤マイクロカプセルを用いる多色のカ
ラー感熱画像記録材料を提供するものである。
【0009】本発明は、(a)支持体、および(b)支
持体上に形成したそれぞれ異なる発色色相を有する2層
以上の感熱発色層であり、該感熱発色層の少なくとも1
つがロイコ染料発色層であり、かつ該ロイコ染料発色層
内におよび/または該層と隣接する別の層内に微粒子状
の消色剤を含有するものを含んで成る多色感熱記録材料
であって、前記消色剤が、不揮発性疎水性の有機溶媒存
在下、前記不揮発性疎水性の有機溶媒に不溶もしくは難
溶のグアニジン化合物と多価イソシアナート化合物との
反応生成物を含有することを特徴とする記録材料に関す
る。
【0010】本発明において、ロイコ染料発色層(b)
は、無色ないし淡色のロイコ染料と、このロイコ染料に
対する無色ないし淡色の顕色剤を含有し、かつロイコ染
料の発色を阻害する消色剤または該消色剤を内包したマ
イクロカプセルを上記ロイコ染料発色層内におよび/ま
たは該発色層と隣接する別の層内に含有している。ロイ
コ染料発色層は、ある基準温度以上の印加エネルギーが
付与されたときに発色し、ロイコ染料発色層が発色する
温度より高い印加エネルギーが付与されたときには、含
まれている微粒子状の消色剤が溶融するかまたは消色剤
含有マイクロカプセルから消色剤が放出されることによ
って、そのロイコ染料発色層の色相を消色するかまたは
該発色層自体の機能を消失させることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の代表的な構成の一例であ
る2色感熱記録紙(10)を、図1に基づいて説明する。
図1において、先ず、上質紙やポリエステル樹脂フィル
ム等の支持体(1)上にロイコ染料と顕色剤を含有する高
温ロイコ染料発色層(2)を設ける。次に、その高温発
色層とは色相を異にするロイコ染料および顕色剤、並び
に所望により増感剤を含有する低温ロイコ染料発色層
(3)を高温ロイコ染料発色層(2)の上に設ける。こ
のとき、微粒子状の消色剤、または該消色剤を内包した
マイクロカプセルを、低温発色層内に均一に分散させて
存在させるか、および/または該低温発色層と隣接する
別の層として、消色剤または該消色剤を内包したマイク
ロカプセルを含有する消色層を設けることができる。図
1は、消色層(4)が高温発色層(2)と低温発色層
(3)の間に存在する場合を示している。あるいは、消
色剤の機能を十分に発揮させ、かつ消色剤による高温発
色層の発色不良が発生しないようにするために、高温発
色層と低温発色層の間、または高温発色層と消色層の間
に中間遮断層(図示せず。)を設けてもよい。
【0012】感熱記録紙(10)の表面に低い熱印加エネ
ルギーが付与されると、最上層の低温発色層(3)の色
相のみが発色する。あるいは、より高い熱印加エネルギ
ーが記録紙(10)の表面に付与されると、低温発色層内
もしくは該層に隣接する層内に存在する消色剤が溶融す
るかまたはマイクロカプセルから消色剤が放出されるこ
とによって、低温発色層の発色機能が消失するか、ある
いは発色した画像記録が消色すると同時に高温発色ロイ
コ染料発色層(2)が発色し、低温で発色した画像記録
とはその色相が異なる高温発色層(2)の画像記録のみ
が得られる。この場合、消色剤の消色機能に関する温度
は、低温発色層が発色する程度の温度では消色作用を全
く発揮せず、かつ低温発色層の発色機能を阻害すること
のないように、また、高温発色層の発色時には低温発色
画像記録のみを消色するように設定されなければならな
い。したがって、熱エネルギーが印加されない部分は変
化することなく白地(支持体の色)のままであり、低い
熱エネルギーが印加された部分は低温発色層(3)の色
相のみが発色した画像記録を、または高い熱エネルギー
が印加された部分は高温発色ロイコ染料層(2)の色相
のみが発色した画像記録を得ることができる。図1に
は、説明のために2色発色構造を示しているが、当然支
持体を除く発色構造要素を積層することによって2色以
上の多色感熱記録材料を得ることができ、さらに、転写
感熱記録や昇華転写感熱記録材料等の他の感熱記録材料
との組み合わせも可能である。
【0013】本発明では、多色感熱記録材料における消
色剤として、不揮発性疎水性の有機溶媒に不溶もしくは
難溶のグアニジン化合物を、前記不揮発性疎水性の有機
溶媒に分散し、これに多価イソシアネート化合物溶液を
添加し、撹拌混合することによって得られるグアニジン
化合物と多価イソシアネート化合物との反応生成物の固
体状微粒子を用いる。
【0014】更に、本発明では、グアニジン化合物を不
揮発性疎水性の有機溶媒に分散し、これに多価イソシア
ネート化合物溶液を添加して透明溶液になるまで撹拌し
て反応させ、反応が完結する前に、溶液中の残存イソシ
アネートと反応してカプセル壁を形成する物質を含有す
る親水性媒体中に前記透明溶液を直径0.1〜10μmの微粒
子状に分散させ、その後必要に応じて加熱することによ
り形成された樹脂状反応生成物を内包したマイクロカプ
セル消色剤を用いることもできる。
【0015】本発明に用いられるグアニジン化合物は、
下記一般式:
【化1】 (式中、R1〜R5はそれぞれ独立して、水素、炭素数1
〜7のアルキル基、炭素数が10までの環状アルキル
基、炭素数が10までのアリール基、炭素数が10までのア
ラルキル基、および/またはフェニル基を表す。)で表
される化合物のうち、不揮発性疎水性の有機溶媒に不溶
もしくは難溶のグアニジン化合物から選ばれる。好まし
い化合物としては、ジフェニルグアニジン、ジ-o-トリ
ルグアニジン等の該有機溶媒に難溶もしくは不溶のグア
ニジン化合物が挙げられる。
【0016】多色発色性感熱紙に関する特公昭51-29202
4号、特公昭51-37542号、特開昭50-147736号の各公報に
記載の各種グアニジン化合物において、上記の有機溶媒
に不溶のグアニジン化合物も使用でき、これらの開示を
ここに参考として引用する。
【0017】本発明に用いられる多価イソシアネート化
合物としては、例えば、m-フェニレンジイソシアネー
ト、p-フェニレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイ
ソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネート、ナフタ
レン-1,5-ジイソシアネート、4,4'-ジフェニルメタン-
ジイソシアネート、3,3'-ジメチルジフェニルメタン-4,
4'- ジイソシアネート、キシリレン-1,4-ジイソシアネ
ート、4,4'-ジフェニルプロパンジイソシアネート、ト
リメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシ
アネート、プロピレン-1,2-ジイソシアネート、ブチレ
ン-1,2-ジイソシアネート、シクロヘキシレン-1,2-ジイ
ソシアネート、シクロヘキシレン-1,4-ジイソシアネー
ト、4,4',4"-トリフェニルメタントリイソシアネート、
トルエン-2,4,6-トリイソシアネート、4,4'-ジメチルジ
フェニルメタン-2,2',5,5'-テトライソシアネート、ヘ
キサメチレンジイソシアネートとトリメチロールプロパ
ンとの付加物、2,4-トリレンジイソシアネートとトリメ
チロールプロパンとの付加物、キシリレンジイソシアネ
ートとトリメチロールプロパンとの付加物等が挙げられ
る。さらに、上記化合物の2種以上の混合物を用いるこ
ともでき、特に脂肪族イソシアネート化合物と芳香族イ
ソシアネートとの混合物を用いることが好ましい。
【0018】本発明の消色剤を生成するためのグアニジ
ン化合物と多価イソシアネート化合物との反応において
用いられる不揮発性疎水性の有機溶媒としては、例えば
リン酸トリクレジル、リン酸オクチルジフェニル等のリ
ン酸エステル類;フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチ
ル等のフタル酸エステル;マレイン酸ジブチル類、マレ
イン酸ジオクチル等のマレイン酸エステル類;モノイソ
プロピルナフタレン、ジイソプロピルナフタレン等のア
ルキル化ナフタレン類;ジイソプロピルビフェニル、ジ
イソブチルビフェニル等のアルキル化ビフェニル類;1-
フェニル-1-キシリルエタン、1-メチル-1-ジメチルフェ
ニル-1-フェニルメタン、1-エチル-1-ジメチルフェニル
-1-フェニルメタン、1-プロピル-1-ジメチルフェニル-1
-フェニルメタン等のジアリールアルカン類;塩素化パ
ラフィン、及びこれらの混合物が挙げられる。本発明で
は、上記有機溶媒以外にも、必要に応じて酢酸エチル、
酢酸イソプロピル、酢酸ブチル等の低沸点有機溶媒を溶
解助剤として不揮発性疎水性の有機溶媒の30重量パーセ
ント以下の量で混合してもよい。
【0019】本発明における第1の態様として、固体状
消色剤を生成する方法を説明する。最初に、不揮発性疎
水性の有機溶媒に、グアニジン化合物を添加して混合す
る。グアニジン化合物は反応溶媒である不揮発性疎水性
の有機溶媒には不溶もしくは難溶であるため、十分に撹
拌混合して均一な分散液をつくる。次いで、上記のイソ
シアネート化合物を上記分散液に常温で添加する。撹拌
混合を続けると、グアニジン化合物とイソシアネート化
合物が徐々に反応し、不揮発性の疎水性有機溶媒に徐々
に溶解していく。透明溶液になったところで、撹拌を停
止し放置すると、更に反応が進んで固体状の不揮発性疎
水性の有機溶媒を含んだ樹脂状反応生成物が得られる。
得られた固体状の樹脂状反応生成物を従来公知の技術を
用いて微粉砕して消色剤とする。
【0020】上記の反応において、グアニジン化合物と
イソシアネート化合物の重量比は1:1〜1:4の範囲
である。用いる不揮発性疎水性の有機溶媒の量は、グア
ニジン化合物とイソシアネート化合物の合計重量の約70
重量%〜約120重量%の範囲の量が用いられる。
【0021】本発明におけるグアニジン化合物と多価イ
ソシアネート化合物との反応の詳細については解明され
ていない。しかしながら、最初にグアニジン化合物の-
NH-基と多価イソシアネート化合物の-NCO基との間
で付加重合反応が進行してプレポリマーが形成される
と、上記有機溶媒に可溶となり、更に重合が進行して不
溶性樹脂状固体が形成されるものと推察される。上記不
溶性樹脂状固体の分子量は、軟化溶融温度および塗工状
態での熱安定性の点から、1,200〜6,000の範囲であるこ
とが望ましい。
【0022】上記の反応により得られた固体状の樹脂状
反応生成物を微粉砕した消色剤粉末を、5〜30重量%の
量で水中に粗分散した後、適当な分散機(例えば、ボー
ルミル、サンドミル、アトライター等)を用いて、直径
約0.1〜10μmに微分散することによって消色剤分散液が
得られる。該分散液自体を本発明の消色剤として使用す
る場合、低温ロイコ染料発色層を形成する材料中に、10
〜30重量%の量で混合してよい。また、低温ロイコ染料
発色層と隣接する別の層として形成する消色層内に消色
剤を存在させる場合は、上記消色剤分散液にバインダー
(例えば、ポリビニルアルコール、澱粉、スチレン-ブ
タジエンラテックス、アクリレートエマルション)を加
え、上記と同様にして直径約0.1〜10μmに微分散した
後、従来既知の塗布方法を用いて、低温ロイコ染料発色
層の上または下にオーバーコートまたはアンダーコート
として存在させることにより達成される。この場合、好
ましくは、消色剤分散液に対し、バインダーを5〜20重
量%添加し、得られた消色層形成用塗布溶液を塗布量2
〜15g/m2の範囲で塗布・乾燥して、厚さ2〜5μmの消
色層を形成する。本発明において、前記消色剤分散液
は、低温ロイコ染料発色層内および該層と隣接する別の
層内の両者に包含させてよい。
【0023】本発明の第2の態様において、多色感熱記
録材料の消色効果および発色機能の安定性を共に一段と
向上させるために、消色剤を適するマイクロカプセル壁
形成材料(ここでは、壁形成剤ともいう。)で内包した
消色剤マイクロカプセルを用いることができる。以下、
この消色剤マイクロカプセルの製造方法について説明す
る。最初に、前記の不揮発性疎水性の有機溶媒に、グア
ニジン化合物を添加して混合する。本発明で使用するグ
アニジン化合物は上記の有機溶媒には不溶もしくは難溶
であるため、グアニジン化合物を該溶媒中に十分に混合
および撹拌して、均一な分散液に転化する。次に、イソ
シアネート化合物を常温で添加し、100〜1,000rpmの撹
拌速度で3〜10分間撹拌を続けると、グアニジン化合物
とイソシアネート化合物が徐々に反応し、不揮発性疎水
性の有機溶媒に徐々に溶解し始める。反応溶液が透明に
なったところで、一旦、撹拌を止め、これをポリビニル
アルコール等の保護コロイド含有水溶液に添加し、さら
に約5,000〜約10,000rpmの撹拌条件下で10〜60分間乳化
分散する。乳化した後、その撹拌速度を3,000〜5,000rp
mまで落とし、40℃〜80℃に昇温して60〜180分間撹拌し
続けると、不揮発性疎水性の有機溶媒中の残存多価イソ
シアネート化合物と水との界面重合反応によって、グア
ニジン化合物/イソシアネート化合物の乳化分散した反
応生成物の周囲にマイクロカプセル被覆(壁)が形成さ
れる。不揮発性疎水性の有機溶媒を含んだ樹脂状物を内
包した直径約0.1から10μmのマイクロカプセルが得られ
る。
【0024】本発明における消色剤のマイクロカプセル
化において、通常知られている多価アミン、ポリオール
等の他のマイクロカプセル壁形成材料を添加してマイク
ロカプセル化することも可能である。ここにおいて重要
なことは、該乳化分散工程においては多価イソシアネー
ト化合物とグアニジン化合物との反応は完全に終結せず
液状であり、かつマイクロカプセル化の終結時にはその
反応生成物が、プレポリマーとして、樹脂状物の状態を
保持していることである。上記プレポリマーの分子量
は、固体反応生成物として使用する場合と異なり、熱に
よって軟化溶融し、カプセル壁から溶出して消色反応を
引き起こす点から、好ましくは400〜3,000の範囲
であることが望ましい。
【0025】従来既知の界面重合法を用いた感熱性を有
するマイクロカプセルは、疎水性液体または疎水性有機
溶媒溶液等の液状物質しかカプセル化することができな
かったが、上記の本発明のマイクロカプセル化法によ
り、初めて、疎水性有機溶媒に不溶の樹脂状物を内包し
た感熱性マイクロカプセルを得ることができた。また、
従来、不溶性樹脂状物を直径0.1〜10μmに機械的に
水中分散させることは、長時間を必要とするため極めて
能率が悪く、かつ均一な分散液を得ることが困難であっ
たが、上記の本発明のマイクロカプセル化法によって、
均一な消色剤分散液を一挙にかつ容易に得ることがで
き、さらには内包物を、低温ロイコ染料発色層内および
/または該層と隣接する別の層内で化学的および/また
は物理的に安定に保持することが可能となった。
【0026】本発明の第2の態様の消色剤のマイクロカ
プセル化法に適するマイクロカプセル壁形成材料(すな
わち、壁形成剤)としては、ポリウレタン、ポリウレ
ア、ポリアミド、ポリエステル、尿素-ホルマリン樹
脂、メラミン樹脂、およびゼラチン等が挙げられ、特
に、感熱性に優れていることから、ポリウレア-ポリウ
レタン、ポリウレア、およびポリウレタン樹脂が好まし
い。本発明の上記の第2の態様において、不揮発性疎水
性の有機溶媒に不溶のグアニジン化合物を多価イソシア
ネート化合物と反応させて前記有機溶媒に可溶とし、こ
れを、前記壁形成剤を含むポリビニルアルコール等の保
護コロイド水溶液中に乳化分散し、更にグアニジン化合
物と多価イソシアネート化合物との反応生成物をマイク
ロカプセル化すると同時に反応生成物中の重合を進行さ
せて、不揮発性疎水性の有機溶媒を含んだ樹脂状不溶性
の固体を得ること以外は、一般に知られているマイクロ
カプセル化の方法を参考することができる。例えば、特
開昭59-222716号にその詳細が記載されており、この開
示をここに参考として引用する。
【0027】上記の如く製造したマイクロカプセルは、
熱を印加すると、マイクロカプセルが破壊することによ
りまたはマイクロカプセルは破壊せずにカプセル被覆を
介して、内包されている消色剤を外部に放出する。この
ような感熱性のマイクロカプセルを使用することによっ
て消色剤が高温発色層から安定に隔離され、低温ロイコ
染料発色層内または該層と隣接する別の層内に消色剤が
存在する場合でも、発色前の発色機能安定性、および発
色後の発色画像記録の経時安定性が保証され得る。
【0028】上記の消色剤を内包したマイクロカプセル
液に、必要に応じてバインダー、例えばポリビニルアル
コール、澱粉、スチレン-ブタジエンラテックス、アク
リレートエマルション等、および必要に応じて各種助剤
を添加して、消色剤マイクロカプセル分散液に転化した
後、該分散液を低温ロイコ染料発色層塗布液に直接混合
して用いる。好ましくは、マイクロカプセル液に対し、
上記の各種添加剤は、合わせて5〜50重量%までの量を
添加することができる。また、消色層として低温ロイコ
染料発色層と隣接する別の層内に消色剤を存在させる場
合には、各低温ロイコ染料発色層の上または下に、消色
剤マイクロカプセル分散液をオーバーコートまたはアン
ダーコートとして存在させることにより達成される。こ
の場合、好ましくは、上記消色剤マイクロカプセル分散
液を塗布量2〜15g/m2の範囲で塗布・乾燥して、厚さ2
〜10μmの消色層を形成する。本発明において、前記消
色剤マイクロカプセル分散液は、低温ロイコ染料発色層
内および該層と隣接する別の層内の両者に包含させてよ
い。
【0029】本発明の低温ロイコ染料発色層に用いるの
に適するロイコ染料としては、トリアリールメタン、ジ
フェニルメタン、キサンテン、チアジン、およびスピロ
ピラン系化合物等を挙げることができる。例えば、特公
平6-431号公報、特開平2-9680号公報、特開平2-1362号
公報、特公昭51-37542号公報等には多数のロイコ染料が
記載されており、本発明において、これら公知の無色ま
たは淡色のロイコ染料をいずれも使用することができ、
これらの開示を参考としてここに引用する。本発明は、
勿論、上記公報に記載のロイコ染料に限定されるもので
はなく、また必要に応じて上記染料の2種以上を色相お
よび消色効果を考慮して混合して使用してよい。低温ロ
イコ染料の発色温度は、増感剤(熱可融性物質)を使用
することによってコントロールすることが出来、前述の
図1を例にとった場合、低温ロイコ染料発色層(3)
は、80〜95℃の間で発色する染料を使用することが望ま
しい。具体的には、青色発色成分として、ロイコ染料の
3,3-ビス(p-ジメチルアミノフェニル)-6-ジメチルア
ミノフタリド(CVL)と各種公知の増感剤(例えばシ
ュウ酸ジベンジル)との混合物等が挙げられる。他方、
高温ロイコ染料発色層(2)は、好ましくは105〜120℃
の間で発色し、低温ロイコ染料発色層(3)に用いた染
料と、高温ロイコ染料発色層(2)に用いた染料との発
色温度の差が10〜40℃であることが望ましく、高温ロイ
コ染料としては、具体的には3-ジエチルアミノ-6-メチ
ルフルオラン、3-ジエチルアミノ-5-エチル-7-クロロフ
ルオラン等が挙げられる。発色する熱エネルギー感度を
調節する増感剤(熱可融物質)としては、ステアリン酸
アミド、ステアリン酸メチレンビスアミド、2,2'-メチ
レンビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、4,4'
-ブチリデンビス(6-tert-ブチル-3-メチルフェノー
ル)、4,4'-エチレンジオキシ-ビス-安息香酸ジフェニ
ルメチルエステル等、すでに多くの物質が公知でありこ
れら物質を適宜選択して用いることができ、例えば前記
の特公平6-431号公報、特開平2-9680号公報、特開平2-1
362号公報、特公昭51-37542号公報等に数多く例示され
ているのでここにそれらを引用する。
【0030】上記低温発色性および高温発色性のロイコ
染料と組み合わせて使用される顕色剤についても、フェ
ノール、トリフェニルメタン、硫黄含有フェノール、カ
ルボン酸、スルホン、尿素またはチオ尿素系の化合物等
の多数の物質が知られている。例えば、上記の公報、並
びに紙パルプ技術タイムス(1985年)49〜54頁および同
65〜70頁等に多数の顕色剤の例が記載されており、これ
らの顕色剤をいずれも本発明における顕色剤として同様
に使用することができ、これらの開示をここに参考とし
て引用する。
【0031】低温および高温ロイコ染料発色層用塗布溶
液は、先ず、上記のロイコ染料と顕色剤をそれぞれ別個
に、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド等の分
散保護ポリマーを含有する水溶液中に、ボールミル、ア
トライター、サンドミル等を用いて数μm以下の微細な
粒子に磨細分散する。その後、両者を混合し、必要に応
じてバインダー、無機顔料、増感剤、滑剤、およびその
他の助剤を添加することにより上記感熱発色層用塗布溶
液を調製することができる。
【0032】前記感熱発色層用塗布溶液に使用されるバ
インダーとしては、例えば、澱粉、メチルセルロース、
ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアル
コール、ポリアクリルアミド等が挙げられ、無機顔料と
しては、例えば、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、
微粒子状無水シリカ等が挙げられ、さらに増感剤として
は、例えば、脂肪酸アミド類、芳香族カルボン酸エステ
ル類、脂肪酸エステル類、芳香族エーテル類等が知られ
ている。本発明において使用できるバインダー、無機顔
料、増感剤、滑剤、およびその他の助剤として、すでに
公知の各種材料を使用することができる。
【0033】本発明において、ロイコ染料発色層用塗布
溶液に使用されるロイコ染料、顕色剤、増感剤、および
その他の各種成分についての種類および量は、各感熱層
に要求される色相、熱エネルギー感度、および記録適性
によって決定されるが、通常、ロイコ染料1部に対し
て、顕色剤3〜12部、増感剤0〜12部、無機顔料1〜20
部、およびバインダーは10〜25部(固形分)の量で使用
される。
【0034】こうして得られた各ロイコ染料発色層用塗
布溶液を、本発明の多色感熱記録材料を製造するため
に、ワイヤーバー、エアナイフ、ロール、グラビアスク
リーン、またはブレード等の従来公知の塗布方法によっ
て、例えば、原紙、上質紙、コンデンサーペーパー、セ
ロファン、ポリエチレンフィルム、またはポリエステル
フィルム等の適当な支持体に塗布する。各塗布溶液の塗
布量は、各発色層の発色濃度(すなわち、「色調」)、
感熱性、および消色効果の程度等によって実験的に決定
されるが、ロイコ染料発色層:2〜12g/m2、好ましくは
3〜7g/m2、および消色剤層:2〜15g/m2の範囲であ
る。各塗布溶液を、支持体、または各ロイコ染料発色
層、あるいは消色層もしくは中間遮断層の上または下に
塗布・乾燥し、各ロイコ染料発色層を2〜10μmの厚さ
でそれぞれ形成して本発明の多色感熱記録材料を製造す
る。
【0035】本発明の多色感熱記録材料では、先に述べ
たように、消色剤の機能を保証し、かつ消色剤による高
温発色層の発色不良を発生させないために、中間遮断層
を必要に応じて設けてよい。本発明において適する中間
遮断層は、バインダー(例えば、ポリビニルアルコー
ル、水溶性ポリエステル樹脂、エポキシ分散体水溶性ポ
リエステル樹脂、またはシェラック樹脂等の水溶性樹脂
液)、および体質顔料、酸化チタン、酸化亜鉛等の白色
顔料を含有することができ、バインダー:体質顔料:白
色顔料をそれぞれ、5〜30:5〜10:5〜10の重量比で
溶媒に混合して、固形分10〜40重量%の塗布溶液を調製
し、それを従来公知の塗布方法により2〜10g/cm2の塗
布量で塗布し、乾燥して、1〜5μmの厚さに形成する
ことができる。
【0036】更に本発明では、サーマルヘッド等によっ
て与えられた熱エネルギーを所望の異なる発色を与える
ように記録紙の断面に対して適当な温度勾配を与えるよ
うに中間層を設けることができる。この中間層として
は、前記の消色剤層および/または中間遮断層がその機
能を併せ有するほか、消色機能や遮断効果を有しない別
のポリエチレンワックスエマルション等を塗布して、そ
の厚さを変化させて温度勾配をコントロールすることも
できる。
【0037】本発明の更なる態様として、支持体上に、
所望により1層以上の高温ロイコ染料発色層および低温
ロイコ染料発色層、並びに場合により消色層および/ま
たは中間遮断層または中間層を積層することによって、
2色以上の、またはフルカラーの多色感熱記録材料を形
成することもできる。
【0038】
【実施例】本発明を以下の実施例によって更に具体的に
説明するが、これらに限定されるものではない。実施例1:消色剤分散液 ジイソプロピルナフタレン8.0重量部にジ-o-トリルグア
ニジン1.5重量部を常温下で添加および撹拌してグアニ
ジン分散液を調製した。次に、2,4-トリレンジイソシア
ナート4.6重量部に酢酸ブチル0.2重量部を添加した溶液
を調製して、上記グアニジン分散液に添加した。常温下
で撹拌を続けると、徐々にグアニジンとイソシアナート
との間で反応が起こり、その反応生成物が、不揮発性疎
水性の有機溶媒であるジイソプロピルナフタレンに溶解
し始めた。透明溶液となったところで撹拌を止め、40℃
に加熱して1〜3時間放置すると、さらに反応が進ん
で、ジイソプロピルナフタレンを含んだ樹脂状固形物の
消色剤が得られた。これをグラインダーによって粉砕
し、粉砕した消色剤10.0重量部に20%酸化澱粉水溶液1.
0重量部を加え、サンドミルで平均径が3μmになるまで
微分散することにより、消色剤分散液が得られた。
【0039】実施例2:消色剤マイクロカプセル分散液 実施例1の反応途中の段階で得られたプレポリマー透明
溶液30重量部を、40重量部の10%ポリビニルアルコール
水溶液中において、約12,000rpmで撹拌しながら徐々に
添加し、グアニジン溶液を直径約1〜5μmの微小滴に
乳化した。乳化液中に20%のヘキサメチレンジアミン水
溶液0.5重量部を添加し、60℃に昇温し、撹拌を約1〜
3時間継続した。グアニジン溶液中に残存しているイソ
シアナートとジアミンの間で界面重縮合反応が生じ、微
小球状のグアニジン/イソシアナート反応生成物の周囲
にマイクロカプセル被覆が形成され、ジイソプロピルナ
フタレンを含む樹脂状物を内包したマイクロカプセル分
散液を得た。これに水50重量部を加えて水中分散液とし
た。
【0040】実施例3:高温感熱記録層分散液 3-(N-シクロヘキシル-N-メチルアミノ)-6-メチル-7-
フェニルアミノフルオラン10部、ポリビニルアルコール
5%水溶液5部、炭酸カルシウム15部、および水25部を
サンドミルで平均粒子径が3μmとなるまで微分散し発
色剤分散液を調製した。
【0041】別に、4,4'-イソプロピリデンジフェノー
ル30部、ポリビニルアルコール5%水溶液30部、炭酸カ
ルシウム15部、および水70部を、サンドミルで平均粒子
径が3μmとなるまで微分散し、顕色剤分散液とした。
【0042】上記で調製した発色剤分散液40部および顕
色剤分散液130部を、20%ポリビニルアルコール水溶液7
5部、および水70部と撹拌混合して、高温発色感熱記録
層分散液とした。
【0043】実施例4:低温発色感熱層 3-ジエチルアミノ-7,8-ベンゾフルオラン10重量部、ジ
ベンジルテレフタレート20重量部、炭酸カルシウム15重
量部、ポリビニルアルコール5%水溶液15重量部、およ
び水80重量部を、サンドミルで平均粒子径が3μmにな
るまで微分散して発色剤分散液を調製した。
【0044】この発色剤分散液125重量部、実施例3に
記載の顕色剤分散液130重量部、20%ポリビニルアルコ
ール水溶液150重量部、および水55重量部を撹拌混合し
て低温発色感熱記録層の分散液とした。
【0045】実施例5:2色感熱紙の作成−1 秤量50g/m2の上質紙に、実施例3の高温発色感熱分散
液、実施例1の消色剤分散液、実施例4の低温発色分散
液を、乾燥後の塗布量がそれぞれ、6g/m2、4g/m2、4
g/m2となるように順次塗布し、乾燥して、3層構成で2
色発色可能な感熱紙を得た。
【0046】実施例6:2色感熱紙の作成−2 坪量50g/m2の上質紙に、実施例3の高温発色感熱分散
液、実施例2の消色剤マイクロカプセル分散液、実施例
4の低温発色分散液を、乾燥後の塗布量がそれぞれ、6
g/m2、4g/m2、4g/m2となるように順次塗布し、乾燥し
て、3層構成で2色発色可能な感熱紙を得た。
【0047】実施例7:2色感熱紙の作成−3 坪量50g/m2の上質紙に、実施例3の高温発色感熱分散液
を塗布乾燥した。次いで、その上に、実施例2の消色剤
マイクロカプセル分散液10重量部と実施例4の低温発色
分散液10重量部を混合撹拌して塗布・乾燥して、2層
構成の感熱紙を作製した。乾燥後の塗布量がそれぞれ順
に6g/m2、4g/m2である、2色発色可能な感熱紙を得
た。
【0048】実施例8:2色感熱紙の作成−4 坪量50g/m2の上質紙に、実施例3の高温発色感熱分散
液、実施例1の消色剤分散液10重量部と40%マイク
ロクリスタリンワックスエマルション(日本精蝋社製
「エマスター042X」)10重量部を混合撹拌した消
色剤・ワックス分散液、実施例1の消色剤分散液10重
量部と実施例4の低温発色分散液10重量部を混合撹拌
したものを順次、塗布・乾燥して、3層構成の2色感熱
紙を作製した。乾燥後の塗布量はそれぞれ順に、6g/
m2、4g/m2および4g/m2であった。
【0049】比較例1 消色剤分散液として、実施例2の消色剤マイクロカプセ
ル分散液の代わりに、ジ-o-トリルグアニジン5.0重量
部に20%酸化澱粉水溶液1.0重量部を加え、サンドミル
で平均径が3μmになるまで微分散した消色剤分散液を
使用した以外は、実施例6と同一の方法で2色発色感熱
紙を得た。
【0050】上記の実施例および比較例によって得られ
た2色感熱記録材料は、約90℃の温度で赤色に、そして
約140℃の温度で黒色の発色画像がそれぞれ得られるも
のである。これらについて、日本電気(株)製サーマル
プリンターPW-PR01-02を用い、約90℃および約140℃の
それぞれの温度に対応して変化させた熱印加エネルギー
を加えて印字を行った。結果を表1にまとめる。
【0051】
【表1】
【0052】表1から明らかなように、極めて鮮明な優
れた2色感熱記録材料が得られた。
【0053】
【発明の効果】多色感熱記録材料において、支持体上
に、微粒子状の消色剤または消色剤マイクロカプセルを
包含する低温ロイコ染料発色層、または微粒子状の消色
剤または消色剤マイクロカプセルを包含する消色層を、
高温ロイコ染料発色層、および必要に応じて中間遮断層
と併用して設けることにより、発色/消色機構の安定性
に優れ、かつ混色やにじみのない鮮明な画像記録が得ら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の多色感熱紙の1つの態様の模型的な
断面図を示す。
【符号の説明】
1…支持体、2…高温ロイコ染料発色層、3…低温ロイ
コ染料発色層、4…消色層、10…2色感熱記録紙。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/28 - 5/34

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)支持体、および(b)支持体上に
    形成したそれぞれ異なる発色色相を有する2層以上の感
    熱発色層であり、該感熱発色層の少なくとも1つがロイ
    コ染料発色層であり、かつ該ロイコ染料発色層内におよ
    び/または該層と隣接する別の層内に微粒子状の消色剤
    を含有するものを含んで成る多色感熱記録材料であっ
    て、前記消色剤が、不揮発性疎水性の有機溶媒存在下、
    前記不揮発性疎水性の有機溶媒に不溶もしくは難溶のグ
    アニジン化合物と多価イソシアナート化合物との反応生
    成物を含有することを特徴とする記録材料。
  2. 【請求項2】 微粒子状の消色剤が、ポリウレア、ポリ
    ウレタン、およびポリウレア-ポリウレタンから成る群
    より選ばれた壁材料で内包された直径0.1〜10μmのマイ
    クロカプセルの形態で存在する請求項1に記載の多色感
    熱記録材料。
  3. 【請求項3】 消色剤が、不揮発性疎水性有機溶媒に不
    溶もしくは難溶のグアニジン化合物を先ず不揮発性疎水
    性有機溶媒中に分散し、次にそこへ多価イソシアナート
    化合物を添加し、均一化するまで撹拌して反応させ、反
    応が完結する前に溶液状態で、保護コロイド含有水溶
    液、または残存するイソシアナートと反応し得る壁形成
    剤を含む保護コロイド水溶液中に直径0.1〜10μmに乳化
    分散し、場合により加熱してマイクロカプセル化した微
    粒子である請求項1に記載の多色感熱記録材料。
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