JP3025324U - コネクタ取付け用治具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 プリント回路基板上に複数のコネクタを、高
い位置精度のもとに、しかも、実装密度を犠牲とするこ
となく、取り付けることができる様にしたコネクタ取付
け用治具を提供することを目的としている。 【構成】 方形枠状としたベース部材２の一側面２ａの
各コーナー部に、夫々一対のポスト３が立設してある。
ポスト３は、２個のコネクタの各嵌入部の四隅に挿入し
て、係脱可能となっている。ベース部材２とポスト３は
共に同質の合成樹脂とされ、一体に成形されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、プリント回路基板間の接続部で使用される複数個のコネクタを実装 する為のコネクタ取付け用治具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、プリント回路基板（マザーボード）と他のプリント回路基板（ドウター ボード）をコネクタを介して接続することが行われている。これまでは、一方の プリント回路基板に１個のリセプタクル型コネクタを実装し、他方のプリント回 路基板に１個のプラグ型コネクタを実装して、互いに嵌合することによって電気 的接続を得る態様が採られていたが、電子機器の小型・軽量化、並びに高性能化 が進むに従って、コネクタに必要な極数が増加し、複数個のコネクタをプリント 回路基板に実装するようになってきている。

【０００３】 複数個のコネクタをプリント回路基板に実装する場合、コネクタ相互の位置精 度を良くしないと、プリント回路基板間でリセプタクル型コネクタとプラグ型コ ネクタの嵌合ができなくなり、相互の接続が事実上不可能になる。このような事 態を防ぐ為の従来技術としては、内側にコネクタを配置できる様にしたガイドブ ロックをプリント回路基板上に設置してコネクタの位置を規制する方法（特開平 ５−４７４４３号公報）や、二つのコネクタを、ブリッジで連結してコネクタ相 互の位置関係が出せる様にした方法（エレクトロニクス実装技術 Ｖｏｌ．１０ Ｎｏ．１０ ｐ７２〜７３ ０．５ｍｍピッチ多極基板対基板コネクタ）など が知られている。又、コネクタの外側に嵌合できる穴を複数箇所に設けた治具を 用いて、複数個のコネクタの相互の位置関係を規制する様にした方法も知られて いる（特開平５−１３５８３５号公報）。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

前記の通りの従来技術のうち、前者のガイドブロックやブリッジを使用する方 法は、プリント回路基板上にガイドブロック或はブリッジがコネクタと共に搭載 されることになるので、プリント回路基板の実装密度を低下させる問題点があっ た。又、後者の治具を用いる方法の場合、プリント回路基板の表面において、治 具の一部がコネクタの外側に配置されることから、コネクタを実装する際には、 コネクタの周囲に治具を配置する為のスペースを確保しなければならないので、 この場合も前者の方法と同様、実装密度を低下させる問題点があった。

【０００５】 本考案は斯かる問題点に鑑みてなされたもので、プリント回路基板上に複数の コネクタを、高い位置精度のもとに、しかも、実装密度を犠牲とすることなく、 取り付けることができる様にしたコネクタ取付け用治具を提供することを目的と したものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

前記の目的を達成する本考案は、複数個のコネクタをプリント回路基板に同時 に実装する為のコネクタ取付用治具であって、ベース部材の一側面に、前記コネ クタの嵌入部の四隅に挿入して係脱可能とした、４本の合成樹脂製のポストが、 複数個のコネクタの夫々に対応させて立設してあることを特徴とするコネクタ取 付け用治具である。

【０００７】 前記ベース部材は、金属製、合成樹脂製等、材質は自由であるが、合成樹脂製 としてポストとベース部材を一体に成形した構成とするのが、製造上有利である 。又、このベース部材の形状も特定の形状に限定されるものではないが、一般的 にはコネクタの嵌合面の形状と対応させた方形の板状或は方形の枠状とするのが 望ましい。方形の枠状とすると、全体の軽量化の点で有利である。ポストの数は 、プリント回路基板に実装しようとするコネクタの数に対応させて設ければ良い ものである。現状では、並列して設けられる２個又は４個のコネクタに対応させ て設けるのが標準的と考えられる。このポストは、コネクタの嵌入部の四隅に挿 入した際には係合によりコネクタと一体化でき、又、取り付け完了後にはコネク タから容易に脱抜できる様にする為に、そして更に、上記の係合、脱抜によって 嵌入部に傷をつけない様にする為に、コネクタの長手方向および長手方向と直交 する幅方向で弾性変形可能とするのが望ましい。

【０００８】

【作用】

本考案のコネクタ取付け用治具によれば、プリント回路基板上に実装する複数 個のコネクタの位置をベース部材に立設したポストを介して正確に規制すること ができ、複数のコネクタを高い位置精度で取り付けることができる。コネクタの 取り付け完了後は、このコネクタ取付け用治具を取り除くことができ、又、取り 付けに際しても、プリント回路基板の表面において、コネクタの周囲にはコネク タ取付け用治具の為のスペースを確保する必要も無いので、プリント回路基板の 実装密度が低下することも避けることができる。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案の実施例を添付の図を参照して説明する。

【００１０】 図１が第１の実施例のコネクタ取付け用治具１を表したもので、方形枠状とし たベース部材２の一側面（上側面）２ａの各コーナー部分に、夫々一対のポスト ３が立設されている。ベース部材２およびポスト３は共に同質の合成樹脂製で、 一体に成形されている。又、ベース部材２の長片２ｂには、所定の間隔で透孔４ が設けられ、ベース部材２を方形枠状とした軽量化に加えて、一層の軽量化が図 られている。前記ポスト３は、プリント回路基板（図示していない）に実装され る、図３および図４に示したようなコネクタ５の２個に対応させて設けたもので 、各コネクタ５の嵌合面６内に形成された嵌入部７の四隅に対して、ベース部材 ２の長片２ｂの方向で向き合っている２対のポスト３が夫々挿入可能とされてい る。

【００１１】 嵌入部７に対して２対のポスト３が夫々挿入でき、かつ、嵌入部７の内壁に摩 擦係合できる様に、又、挿入したポスト３を嵌入部７から脱抜できる様にする為 に、各ポスト３は、コネクタ５の長手方向、即ち、前記長片２ｂの長手方向で弾 性変形可能としてあると共に、この方向に直交する方向、即ち、コネクタ５の長 手方向と直交する幅方向にも弾性変形可能としてある。

【００１２】 又、前記ポスト３の先端部分には、上記弾性変形のもとに、コネクタ５の嵌入 部７への挿入をし易くするために、面取り３ａ、３ｂが形成してある。

【００１３】 図２は上記第１の実施例のコネクタ取付け用治具１を用いて、２個のコネクタ ５をプリント回路基板上に実装する際の様子を表したものである。ベース部材２ の長片２ｂの方向で対向する２対のポスト３の各組を、夫々対向させたコネクタ ５の嵌入部７に挿入して係合させている。この状態を保つことによって、２個の コネクタ５相互はその長手方向および幅方向で一定の位置に保持される。従って 、２個のコネクタ５を、この状態を保ってプリント回路基板上に半田付けにより 取り付けることによって、２個のコネクタ５の相互の位置関係をコネクタ取付け 用治具１のポスト３を介して正確に規制できる。この結果、２個のコネクタ５は プリント回路基板上に高い位置精度のもとに実装することができる。

【００１４】 図に示したコネクタ５は、表面半田付けによる実装ができる様にしたソルダー テール８が設けられているものであるが、プリント回路基板のスルーホールに挿 通する様にしたソルダーテールの場合でも同様の使用が可能である。

【００１５】 プリント回路基板上への実装が完了した後は、このコネクタ取付け用治具１は 、ポスト３を嵌入部７から脱抜することによって取り除く。従って、コネクタ５ の実装完了後は、コネクタ取付け用治具１をプリント回路基板上に残さない様に できるので、プリント回路基板の部品実装面を犠牲にすることが無く、高い実装 密度を確保することができる。又、コネクタ５をプリント回路基板へ実装する際 でも、プリント回路基板表面のコネクタ５の周囲にはコネクタ取付け用治具１の どの部分も存在しない様にできるので、この点でも部品実装面の犠牲を避けるこ とができる。２組みで設けた２対のポスト３の並列間隔は、２個のコネクタ５の 取り付け間隔に対応させるのは言うまでも無い。２個のコネクタ５を可及的に近 接させて取り付ける場合でも、２個のコネクタ５の間に他の電子部品が実装され る場合でも、必要な取付間隔に従ってポスト３の並列間隔を定めれば良いもので ある。

【００１６】 次に、図５および図６は第２の実施例のコネクタ取付け用治具１１を表したも のである。前記第１の実施例のベース部材２を２個直列に並べた形状のベース部 材１２に、一対のポスト１３を、合計８か所に立設した構造としている。この実 施例も、ベース部材１２およびポスト１３は同質の合成樹脂製で、一体に成形さ れている。図６は、この実施例のコネクタ取付け用治具１１の使用状態を表した もので、前記と同様のコネクタ５を４個、２列に並べた状態で、正確な位置精度 のもとにプリント回路基板上に実装することができる。各コネクタ５の嵌入部７ の四隅に対して、２対のポスト１３を挿入して係合させるものであり、又、コネ クタ５の実装完了後には、ポスト１３を嵌入部７から脱抜してコネクタ取付け用 治具１１を取り除くことができるものである。

【００１７】 以上二つの実施例について説明したが、本考案は、プリント回路基板上に実装 されるコネクタ５の数が２個又は４個に限定されるものではない。３個又は５個 以上の場合も、コネクタ５の実装位置に対応させて、ベース部材（２、１２）に ポスト（３、１３）を立設して、前記と同様の実施が可能である。

【００１８】

【考案の効果】

本考案によれば、プリント回路基板上に複数のコネクタを、高い位置精度のも とに、しかも、実装密度を犠牲とすることなく取り付けることができるコネクタ 取付け用治具を提供できる効果がある。この結果、電子機器の小型・軽量化並び に高性能化の為のコネクタの極数の増加に有効に対応することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の第１の実施例の斜視図である。

【図２】 同じく第１の実施例の使用状態における斜視
図である。

【図３】 本考案の実施例の対象となるコネクタの、正
立状態の斜視図である。

【図４】 同じく実施例の対象となるコネクタの、倒立
状態の斜視図である。

【図５】 本考案の第２の実施例の斜視図である。

【図６】 同じく第２の実施例の使用状態における斜視
図である。

【符号の説明】

１、１１ コネクタ取付け用治具 ２、１２ ベース部材 ２ａ ベース部材の一側面 ２ｂ ベース部材の長片 ３、１３ ポスト ３ａ、３ｂ 面取り ４ 透孔 ５ コネクタ ６ 嵌合面 ７ 嵌合部 ８ ソルダーテール

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数個のコネクタをプリント回路基板
   に同時に実装する為のコネクタ取付用治具であって、ベ
   ース部材の一側面に、前記コネクタの嵌入部の四隅に挿
   入して係脱可能とした、４本の合成樹脂製のポストが、
   複数個のコネクタの夫々に対応させて立設してあること
   を特徴とするコネクタ取付け用治具。
2. 【請求項２】 ベース部材は、合成樹脂製とされ、ポ
   ストがベース部材と一体に成形されている請求項１記載
   のコネクタ取付け用治具。
3. 【請求項３】 ベース部材は、方形の枠状とした請求
   項１又は２記載のコネクタ取付け用治具。
4. 【請求項４】 ポストは、並列して配置される２個又
   は４個のコネクタと対応させて立設してある請求項１乃
   至３の何れか１項記載のコネクタ取付け用治具。
5. 【請求項５】 ポストは、コネクタの嵌入部の四隅に
   係脱可能とする為に、コネクタの長手方向および長手方
   向と直交する幅方向で弾性変形可能としてある請求項１
   乃至４の何れか１項記載のコネクタ取付け用治具。