JP3024789B2 - 血圧降下剤 - Google Patents
血圧降下剤Info
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Description
【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、リソスペルミン酸Ｂ及びその医薬上許容さ
れる塩を有効成分として含有する血圧降下剤に関するも
のである。
れる塩を有効成分として含有する血圧降下剤に関するも
のである。
（従来の技術） リソスペルミン酸Ｂ及びその医薬上許容される塩は、
和漢薬の丹参（Salvia miltiorrhiza Bunge）に含まれ
るが、本願出願人は、特開平１−268682号公報において
述べたように、これを丹参の根から水抽出し、多孔性ゲ
ル担体及びセファデックス（商標名：ファルマシア社
製、以下同じ）を充填剤としてカラムクロマトグラフィ
ーにより単離し、その立体化学構造の解析を成し遂げ
た。また、同時にリソスペルミン酸Ｂ塩の腎機能改善作
用の有無を検討して、アデニン誘発腎不全ラットの尿毒
症物質低下作用について腎機能改善剤及びリソスペルミ
ン酸Ｂ塩の製造方法を提供した。
和漢薬の丹参（Salvia miltiorrhiza Bunge）に含まれ
るが、本願出願人は、特開平１−268682号公報において
述べたように、これを丹参の根から水抽出し、多孔性ゲ
ル担体及びセファデックス（商標名：ファルマシア社
製、以下同じ）を充填剤としてカラムクロマトグラフィ
ーにより単離し、その立体化学構造の解析を成し遂げ
た。また、同時にリソスペルミン酸Ｂ塩の腎機能改善作
用の有無を検討して、アデニン誘発腎不全ラットの尿毒
症物質低下作用について腎機能改善剤及びリソスペルミ
ン酸Ｂ塩の製造方法を提供した。
ところで、従来から丹参には血管拡張、及び血圧降下
作用があることが知られていたが、本発明者等は、さら
に、丹参からの単離物質であるリソスペルミン酸Ｂ自体
及びその医薬上許容される塩が、循環器官用剤としてど
のような作用を有するかを種々、検討した。その結果、
リソスペルミン酸Ｂ塩が顕著な血圧降下作用を有するこ
とを初めて見出し、本発明を完成するに至ったものであ
る。
作用があることが知られていたが、本発明者等は、さら
に、丹参からの単離物質であるリソスペルミン酸Ｂ自体
及びその医薬上許容される塩が、循環器官用剤としてど
のような作用を有するかを種々、検討した。その結果、
リソスペルミン酸Ｂ塩が顕著な血圧降下作用を有するこ
とを初めて見出し、本発明を完成するに至ったものであ
る。
（発明の構成） 本発明に係る化合物は、 式： で示されるリソスペルミン酸Ｂ及びその医薬上許容され
る塩である。ここで医薬上許容される塩としてはマグネ
シウム（以下Mg）、カリウム（以下Ｋ）、アンモニウム
（以下NH4）、及びカルシウム（以下Ca）塩等が挙げら
れる。
る塩である。ここで医薬上許容される塩としてはマグネ
シウム（以下Mg）、カリウム（以下Ｋ）、アンモニウム
（以下NH4）、及びカルシウム（以下Ca）塩等が挙げら
れる。
これらのうち、リソスペルミン酸ＢのMg塩、Ｋ塩、NH
4塩、Ca塩は、一般式： （但し式中、M2+はMg2+、K+、NH4 +またはCa2+を、夫々
表わす） により示すことができる。
4塩、Ca塩は、一般式： （但し式中、M2+はMg2+、K+、NH4 +またはCa2+を、夫々
表わす） により示すことができる。
これらの化合物は、丹参の抽出液について、カラムク
ロマトグラフィーによって、特定の画分を分取すること
により得られる。即ち、例えば、丹参の抽出液をpH2〜
４に調節した後、これをカラムクロマトグラフィーにか
け水で洗浄し、次に酢酸マグネシウム、又は酢酸カルシ
ウム等の酢酸塩水溶液を流した後、水洗し、含水メタノ
ールを用いて溶出した画分を分取し、さらにこれを精製
することによりリソスペルミン酸Ｂが得られる。
ロマトグラフィーによって、特定の画分を分取すること
により得られる。即ち、例えば、丹参の抽出液をpH2〜
４に調節した後、これをカラムクロマトグラフィーにか
け水で洗浄し、次に酢酸マグネシウム、又は酢酸カルシ
ウム等の酢酸塩水溶液を流した後、水洗し、含水メタノ
ールを用いて溶出した画分を分取し、さらにこれを精製
することによりリソスペルミン酸Ｂが得られる。
また、同様に丹参の抽出液をカラムクロマトグラフィ
ーにかけ薄層クロマトグラフ法でモニターしてメインス
ポットを含むフラクションを分取し、さらに薄層クロマ
トグラフ法でモニターしてメインスポットを含むフラク
ションをカラムクロマトグラフィーで分画することによ
っても、リソスペルミン酸Mg塩、及びリソスペルミン酸
Ｋ＋NH4塩が得られる。
ーにかけ薄層クロマトグラフ法でモニターしてメインス
ポットを含むフラクションを分取し、さらに薄層クロマ
トグラフ法でモニターしてメインスポットを含むフラク
ションをカラムクロマトグラフィーで分画することによ
っても、リソスペルミン酸Mg塩、及びリソスペルミン酸
Ｋ＋NH4塩が得られる。
これらの化合物について循環器官用薬としての薬理効
果を調べるため後述するように、血圧降下作用につい
て、それぞれ、正常ラットに対する試験、アデニン誘発
腎不全ラットに対する試験、アデニン誘発腎不全ラット
に４％食塩水を負荷したラットに対する試験、及び高血
圧自然発症ラットに対する試験を実施した。その結果、
本願化合物の血圧降下作用は顕著に示唆されており、こ
れらは血圧降下剤として極めて有用である。
果を調べるため後述するように、血圧降下作用につい
て、それぞれ、正常ラットに対する試験、アデニン誘発
腎不全ラットに対する試験、アデニン誘発腎不全ラット
に４％食塩水を負荷したラットに対する試験、及び高血
圧自然発症ラットに対する試験を実施した。その結果、
本願化合物の血圧降下作用は顕著に示唆されており、こ
れらは血圧降下剤として極めて有用である。
上記本願化合物は、薬剤として、そのままの形で使用
され、投与する方法としては、経口剤、或いは非経口剤
のいずれも選択でき、また、投与量としては、患者の症
状、年齢等により異なるが、通常、軽〜中等症の成人高
血圧患者に１日50〜1500mgの範囲で用いることにより、
所定の効果が期待できる。
され、投与する方法としては、経口剤、或いは非経口剤
のいずれも選択でき、また、投与量としては、患者の症
状、年齢等により異なるが、通常、軽〜中等症の成人高
血圧患者に１日50〜1500mgの範囲で用いることにより、
所定の効果が期待できる。
本発明において、経口剤は製剤上許容される無害の一
種或いは数種の賦形剤、例えば乳糖、バレイショデンプ
ン、炭酸水素ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、ケイ
酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ヒドロキシプロピル
セルロース、合成珪酸アルミニウム、結晶セルロース等
を配合し、常法により散剤、顆粒剤、糖衣錠、錠剤及び
カプセル剤とすることができる。
種或いは数種の賦形剤、例えば乳糖、バレイショデンプ
ン、炭酸水素ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、ケイ
酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ヒドロキシプロピル
セルロース、合成珪酸アルミニウム、結晶セルロース等
を配合し、常法により散剤、顆粒剤、糖衣錠、錠剤及び
カプセル剤とすることができる。
リソスペルミン酸Ｂ塩は、水に易溶であることから、
非経口剤としての注射剤とすることもできる。注射剤の
場合は、製剤上許容される等張化剤、pH調整剤、例えば
生理食塩液或いは５％ブドウ糖液を加え、常法により製
剤化できる。
非経口剤としての注射剤とすることもできる。注射剤の
場合は、製剤上許容される等張化剤、pH調整剤、例えば
生理食塩液或いは５％ブドウ糖液を加え、常法により製
剤化できる。
以下、製剤実施例を掲げる。
［製剤実施例］ リソスペルミン酸BMg塩 200g 沈降炭酸カルシウム 200g 結晶セルロース 300g タルク 10g乳糖 490g 合計 1200g 上記組成物を常法により、１錠当りの重量が240mgの
錠剤とした。
錠剤とした。
次に、リソスペルミン酸Ｂ塩についての薬理試験実施
例について説明する。これらの薬理試験から本願化合物
の血圧降下作用を有意に認めることができた。
例について説明する。これらの薬理試験から本願化合物
の血圧降下作用を有意に認めることができた。
［薬理試験例］ （試験例１） 正常ラットに対するリソスペルミン酸BMg塩の血圧降下
試験 ウィスター系雄性ラット（体重200g前後）を用い、18
％カゼイン食（蛋白質10％、炭水化物72.9％、脂肪２
％、ビタミン混合１％、塩混合４％、セルロース粉末２
％、塩化コリン0.1％）で飼育し、水は自由摂取とし、
室内は恒温恒湿（23℃、RH60％）、12時間毎の明暗サイ
クルとした。血圧の測定は非観血式血圧測定装置（室町
機械製）を用い、無麻酔下においてtail−cuff法にて収
縮期血圧、平均血圧、拡張期血圧を測定した。リソスペ
ルミン酸BMg塩は水に溶解し連日投与した。
試験 ウィスター系雄性ラット（体重200g前後）を用い、18
％カゼイン食（蛋白質10％、炭水化物72.9％、脂肪２
％、ビタミン混合１％、塩混合４％、セルロース粉末２
％、塩化コリン0.1％）で飼育し、水は自由摂取とし、
室内は恒温恒湿（23℃、RH60％）、12時間毎の明暗サイ
クルとした。血圧の測定は非観血式血圧測定装置（室町
機械製）を用い、無麻酔下においてtail−cuff法にて収
縮期血圧、平均血圧、拡張期血圧を測定した。リソスペ
ルミン酸BMg塩は水に溶解し連日投与した。
（結果） （試験例２） アデニン誘発腎不全ラットに対するリソスペルミン酸BM
g塩の血圧降下試験 試験例１の飼料に0.75％アデニンを添加した合成飼料
で24日間飼育した。リソスペルミン酸BMg塩を連日投与
し、試験例１と同様の方法で血圧を測定した。
g塩の血圧降下試験 試験例１の飼料に0.75％アデニンを添加した合成飼料
で24日間飼育した。リソスペルミン酸BMg塩を連日投与
し、試験例１と同様の方法で血圧を測定した。
（結果） （試験例３） アデニン誘発腎不全ラットに４％食塩水を負荷したラッ
トに対するリソスペルミン酸BMg塩の血圧降下試験 試験例２と同様に0.75％アデニン食で飼育し、更に４
％食塩水を投与するとともに、連日リソスペルミン酸BM
g塩を経口投与し、試験例１と同様の方法で血圧を測定
した。
トに対するリソスペルミン酸BMg塩の血圧降下試験 試験例２と同様に0.75％アデニン食で飼育し、更に４
％食塩水を投与するとともに、連日リソスペルミン酸BM
g塩を経口投与し、試験例１と同様の方法で血圧を測定
した。
（結果） （試験例４） 主遺伝子性高血圧動物モデル・SHR（spontaneously hyp
ertensive rat、高血圧自然発症ラットに対するリソス
ペルミン酸BMg塩の血圧降下試験 SHR雄性ラット（体重200g前後、８週令）を用い、日
本クレア製、ラット飼育用飼料（CE−２）で飼育した。
リソスペルミン酸BMg塩を連日投与し、試験例１と同様
の方法で血圧を測定した。
ertensive rat、高血圧自然発症ラットに対するリソス
ペルミン酸BMg塩の血圧降下試験 SHR雄性ラット（体重200g前後、８週令）を用い、日
本クレア製、ラット飼育用飼料（CE−２）で飼育した。
リソスペルミン酸BMg塩を連日投与し、試験例１と同様
の方法で血圧を測定した。
（結果） （試験例５） 急性毒性試験 リソスペルミン酸BMg塩について、Up and Down法に
より、LD50を測定した。下記においてLD50とは50％致死
量を意味する。結果は次の通りである。
より、LD50を測定した。下記においてLD50とは50％致死
量を意味する。結果は次の通りである。
（１）腹腔内投与 リソスペルミン酸BMg塩のLD50＞2195mg/kg（ddy雄性
マウス、６週令、体重31〜34g） （２）経口投与 リソスペルミン酸BMg塩のLD50＞3000mg/kg（ddy雄性
マウス、６週令、体重31〜35g）
マウス、６週令、体重31〜34g） （２）経口投与 リソスペルミン酸BMg塩のLD50＞3000mg/kg（ddy雄性
マウス、６週令、体重31〜35g）
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平１−268682（ＪＰ，Ａ) Ｓｈａｎｇ−ｈａｉ Ｔｉ １ Ｉ Ｈｓｕｅｈ Ｙｕａｎ Ｈｓｕｅｈ Ｐ ａｏ，８（１），ｐ．79−80（1981) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) A61K 31/343,35/78 C07D 307/84 ＣＡ（ＳＴＮ) ＲＥＧＩＳＴＲＹ（ＳＴＮ)
Claims (2)
- 【請求項１】式： で示されるリソスペルミン酸Ｂ及びその医薬上許容され
る塩を有効成分として含有する血圧降下剤。 - 【請求項２】一般式： （但し式中、M2+はMg2+、K+、NH4 +またはCa2+を、夫々
表わす） で示されるリソスペルミン酸Ｂの塩を有効成分として含
有する血圧降下剤。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2282714A JP3024789B2 (ja) | 1990-10-20 | 1990-10-20 | 血圧降下剤 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2282714A JP3024789B2 (ja) | 1990-10-20 | 1990-10-20 | 血圧降下剤 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH04159220A JPH04159220A (ja) | 1992-06-02 |
| JP3024789B2 true JP3024789B2 (ja) | 2000-03-21 |
Family
ID=17656090
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2282714A Expired - Fee Related JP3024789B2 (ja) | 1990-10-20 | 1990-10-20 | 血圧降下剤 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3024789B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US8454055B2 (en) | 2007-08-30 | 2013-06-04 | Hui Ting Cheng | Travel guide booklet with removable cards |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002308767A (ja) * | 2001-04-04 | 2002-10-23 | Mitsui Chemicals Inc | 過酸化脂質生成抑制剤 |
| US6589572B2 (en) * | 2001-06-14 | 2003-07-08 | Medvill Co., Ltd. | Hypertension-treatment and cholesterol-depressant composition comprising extract from mixture of Panax notoginseng and Salvia miltiorrhiza and method of preparing the same |
| WO2007102451A1 (ja) * | 2006-03-07 | 2007-09-13 | Nippon Shinyaku Co., Ltd. | 育毛剤 |
| CN102993143B (zh) * | 2012-12-27 | 2014-12-31 | 成都普思生物科技有限公司 | 一种从丹参中快速分离紫草酸单体的方法 |
-
1990
- 1990-10-20 JP JP2282714A patent/JP3024789B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (1)
| Title |
|---|
| Ｓｈａｎｇ−ｈａｉ Ｔｉ １ Ｉ Ｈｓｕｅｈ Ｙｕａｎ Ｈｓｕｅｈ Ｐａｏ，８（１），ｐ．７９−８０（１９８１） |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US8454055B2 (en) | 2007-08-30 | 2013-06-04 | Hui Ting Cheng | Travel guide booklet with removable cards |
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|---|---|
| JPH04159220A (ja) | 1992-06-02 |
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|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |