JP3024217U - 角錐天窓 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 各垂木を突き合わせる連結金具が簡単な構造
であって、その製造が容易であるばかりでなく、それに
より充分な強度が得られ、垂木を強固且つ容易に連結で
きる角錐天窓を提供する。 【解決手段】 基部下枠に支持されて配列される垂木が
上端で連結金具を介して交差状に連結され、各垂木間に
板ガラスが配設され、頂部にキャップが被着される角錐
天窓において、連結金具が、垂直な側面を有する角筒形
の要部材と、各側面にねじ止めされる複数の継腕材とか
らなり、垂木の上端面を連結金具の垂直な側面に当接す
るように長手方向に対して斜めに切断し、各垂木をその
当接状態において継腕材にねじ止めして角錐天窓を構成
した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、構造物の屋上等に構築される四角錐、六角錐、八角錐等の角錐天 窓に関する。

【０００２】

【従来の技術】

角錐天窓においては、多角形に枠組みされた基部下枠の各隅角から垂木が斜め に立ち上がり、各垂木が上端において交差して連結され、各垂木と垂木の間にガ ラスを配設し、垂木の上に被着される垂木カバーによって、そのガラスが押さえ 止められ、頂部にはキャップが被着される。このような角錐天窓については、実 公平６−４８０１８号公報に記載されたものを挙げることができる。

【０００３】 同公報によれば、斜めの垂木を頂部で交差して連結するために、その頂部にお いて連結金具を用いたもので、図５に示すように、その連結金具４０は、底板の ような水平基板部４０Ａの周囲に、各垂木の切断端面が当接する連結板部４０Ｂ ，４０Ｂ，４０Ｂが屈折するように連設され、各連結板部４０Ｂ，４０Ｂの間に 、ガラス受け板部４０Ｃが形成された構造である。そして、各連結板部４０Ｂに 対する連結のために、コ字形ないし二股の連結板４２を介在させ、垂木４４がね じ止めにより連結される。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上記のような従来の角錐天窓によれば、連結金具４０の構造が複雑であって、 これを製造するには、鋼板やアルミ合金板等のプレス成形、またはアルミダイカ スト等の成形による必要があり、そのため、連結金具の量産に適しなく、また、 構造的にも製法の上からも必要な強度が得られ難いという問題があつた。

【０００５】 さらに、強度については、各連結板部４０Ｂが垂木４４に対して垂直になるよ う斜めに形成されている関係で、垂木の下端を支点として見た場合、連結板部４ ０Ｂの傾斜方向が垂木の先端が回動する方向と一致するために、支持が安定しな いという問題があった。そのため、連結用のねじ４６にはナット４８を使用する 必要があり、しかも、連結する際には、連結板部４０Ｂに垂木４４の端面を突き 合わせ難く、組立ての作業性も悪かった。

【０００６】 この考案は、上記のような実情に鑑みて、各垂木を突き合わせる連結金具が簡 単な構造であって、その製造が容易であるばかりでなく、それにより充分な強度 が得られ、垂木を強固且つ容易に連結できる角錐天窓を提供することを目的とし た。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するために、この考案は、基部下枠に支持されて配列される 垂木が上端で連結金具を介して交差状に連結され、各垂木間に板ガラスが配設さ れ、頂部にキャップが被着される角錐天窓において、連結金具が、垂直な側面を 有する角筒形の要部材と、各側面にねじ止めされる複数の継腕材とからなり、垂 木の上端面を連結金具の垂直な側面に当接するように長手方向に対して斜めに切 断し、各垂木をその当接状態において継腕材にねじ止めして角錐天窓を構成した 。

【０００８】 加えて、要部材にその下端を封じる底板のねじ止め用としてビスポケットを形 成し、底板の中央にねじボルトを通す掛止孔を設け、キャップの頂部内にねじボ ルトが螺入される雌めじを形成することもある。

【０００９】

【作 用】

連結金具の要部材は、アルミ押出形材やステンレスの角パイプ等を短く切断す ることによって簡単に量産できる。しかも、角垂木の突き合わせに耐え得る安定 した角筒形の形状である。また、垂木の下端を支点としてその上端面の回動方向 を見た場合、要部材の各側面がその回動方向と交差する垂直面であるので、側面 で垂木が確実に受け止められる。

【００１０】 要部材の下端は、底板によって封じられ、しかも、その中央に通されたねじボ ルトによりキャップが強力に押さえ止められるので、キャップの取付けも容易で あり、しかも、板ガラスを押さえ止める垂木カバーがそのキャップにより安定し て押さえ止められる。

【００１１】

【実施例】

次に、この考案の実施例を図面に基づいて説明する。

【００１２】 図１ないし図４は、一実施例を示したもので、その角錐天窓は、四角錐形であ るが、三角錐や六角錐等の他の角錐形であっても同様に実施できる。いずれの場 合も、角数に応じた数の垂木１，１，・・と、それを交差状に連結する連結金具 ３と、各垂木１，１，・・の下端を支持する基部下枠５と、各垂木１，１間に張 られる板ガラス７と、上端のキャップ９等とから組み立てられる。

【００１３】 垂木１は、アルミ押出形材からなる中空部材であって、図４に示すように、上 面壁１３が山形であって、その中央頂部に垂木カバー１０の止めねじ１５が螺入 されるタップ溝１７が立設される。また、上面壁１３の左右両側端部には、板ガ ラス７を受けるタイト材１９の嵌着溝２１，２１が形成される。そして、この垂 木１の傾斜においてその上端面２３が垂直になるようにその端面２３が傾斜して 切断されている（図２）。

【００１４】 連結金具３は、四角筒形の要部材２５と、その各面にねじ止めされる四本の継 腕材２７，２７，・・と、要部材２５の下端を封じる底板２６とからなる。しか し、そのうち、底板２６は、連結には直接関わらないものであって、その中央に は、ねじボルト３３を通す掛止孔３５が設けられており、そのねじボルト３３に よりキャップ９が止められる。

【００１５】 連結金具の要部材２５は、アルミ押出形材を短く切断して形成されたもので、 各内角には、底板２６をねじ止めするために、ビスポケット２９が形成されてい る（図１）。また、各側の幅中央には、継腕材２７をねじ止めするために、上下 一対のねじ止孔３１，３１が形成される。

【００１６】 継腕材２７は、垂木１の両側内面に当接するコ字形ないし二股形状であって、 垂木１の中にそれと同一傾斜において挿入され止められるように、基部に対して 両側片３７，３７が傾斜して形成される。このような傾斜形状を得るために、製 造については、コ字形に成形されたアルミ押出形材を斜めの短片に切断すること により形成している。そして、両側片３７，３７には、垂木１との連結用として ねじ止孔３９，３９が形成される。また、基部には、取付け用としてねじ通孔４ １，４１が形成される。

【００１７】 ３２が要部材２５に継腕材２７を止める取付ねじ、３４が継腕材２７に垂木１ を止める止着ねじであるが、いずれのねじ３２，３４にもナットを用いていない 。これについては、前記したように、要部材２５が垂木１を側面で確実に受け止 めている構造であるために、ねじ３２，３４にほとんど荷重が加わらないから、 ナットでねじ止めする必要がないからである。なお、図５の従来のものでは、ね じ４６に剪断する方向の力が加わるために、それにナット４８を用いる必要があ る。

【００１８】 キャップ９は、プラスチックにより四角錐形に形成され、上端の内側にねじボ ルト３３を螺入する雌ねじ４３が垂設される。そして、このキャップ９がねじボ ルト３３により要部材２５に牽引され、その力で垂木カバー１０の上端部が垂木 １に押さえ止められている（図２）。垂木カバー１０は、両側の板ガラス７，７ を押さえ止めるものであるので（図４）、これによっても、板ガラス７の安定し た張り付け状態が得られる。

【００１９】

【考案の効果】

以上説明したように、この考案の角錐天窓によれば、連結金具の製造が容易で あって、その要部材は、アルミ押出形材やステンレスの角パイプ等を短く切断す ることによって簡単に量産できる。しかも、角垂木の突き合わせに耐え得る安定 した角筒形の形状であることに加え、その垂直な側面で垂木が確実に受け止めら れることのために、その連結金具を介して垂木相互が強固且つ安定して連結され 、組立ての作業性も良好である等の優れた効果がある。

【００２０】 要部材の下端が底板によって封じられる場合には（請求項２）、その中央に通 されたねじボルトによりキャップが強力に押さえ止められるので、キャップの取 付けも容易であり、しかも、板ガラスを押さえ止める垂木カバーがそのキャップ により安定して押さえ止められる。

【図面の簡単な説明】

【図１】角錐天窓をほゞ全体的な組で示す上部分解斜視
図である。

【図２】同角錐天窓の上端部を示す縦断面図である。

【図３】同角錐天窓の下端一側部を示す縦断面図であ
る。

【図４】同角錐天窓において垂木の部分をその横断状態
で見た断面図である。

【図５】従来例の説明図である。

【符号の説明】

１ 垂木 ３ 連結金具 ５ 基部下枠 ７ 板ガラス ９ キャップ ２５ 要部材 ２６ 底板 ２７ 継腕材 ２９ ビスポケット ３３ ねじボルト ３５ 掛止孔 ４３ 雌ねじ

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 基部下枠に支持されて配列される垂木が
   上端で連結金具を介して交差状に連結され、各垂木間に
   板ガラスが配設され、頂部にキャップが被着される角錐
   天窓において、連結金具が、垂直な側面を有する角筒形
   の要部材と、各側面にねじ止めされる複数の継腕材とか
   らなり、垂木の上端面を連結金具の垂直な側面に当接す
   るように長手方向に対して斜めに切断し、各垂木をその
   当接状態において継腕材にねじ止めしたことを特徴とす
   る角錐天窓。
2. 【請求項２】 要部材にその下端を封じる底板のねじ止
   め用としてビスポケットを形成し、底板の中央にねじボ
   ルトを通す掛止孔を設け、キャップの頂部内にねじボル
   トが螺入される雌ねじを形成したことを特徴とする請求
   項１記載の角錐天窓。