JP3023425U - サポ−タ−付きオ−バ−ニイソックス - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ずり落ちることのない、また膝サポーターを
も兼用しうる新規なオーバーニイソックスを提供する。 【解決手段】 足首部から膝部１０の上までの長さを有
する長靴下からなるオーバーニイソックス１において、
膝部１０を弾性糸を挿入してパイル挿入編組織にし、足
首部をパイル編組織にし、サポーター兼用にしたサポー
ター付きオーバーニイソックスを構成するものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、膝部をサポーター付きにしたオーバーニイソックスに関する。

【０００２】

【従来の技術】

長靴下からなるオーバーニイソックスとしては、本願出願人の出願した実開昭 ５６−１５１３０８号が公知である。しかし、これは膝部に弾性糸を挿通した本 格的なサポ−タ付きのものではなかった。

【０００３】 また、パイル編地を取り入れた靴下としては、意匠登録第９０８１５７号も公 知である。しかし、これは「脹ら脛」と「アキレス腱」の保温とともに保護を目 的としたものであるため、パイル組織は逆の外側に有するものであった。また、 土踏まず部を締め付けているので、血行が阻害されるものであった。

【０００４】 一般的に、靴下とサポーターは、別個の商品として市場に出回っている。従っ て、膝サポーター兼用の靴下は、従来見当らなかった。また、オーバーニイソッ クスは、蒸れることなく暖かいために、特に婦人用に広く好評ではあるが、ずり 落ちやすいことが欠点となっていた。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

叙上の事情に鑑み、本考案はずり落ちることのない、また膝サポーターをも兼 用しうる、新たなオーバーニイソックスの提供を目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

そのため、本考案は、足首部から膝部の上までの長さを有する長靴下からなる オーバーニイソックスにおいて、該膝部に弾性糸を挿通してパイル挿入編組織に し、足首部をパイル編組織にし、サポーター兼用にして上記の課題を解決した。

【０００７】

【考案の実施の態様】

次に本考案のサポーター付きオーバーニイソックスを、以下２つの実施例につ き、図面に基づいて詳細に説明する。

【０００８】 第１実施例の場合は、主として婦人用長靴下の製造用に用いられているメ−ク アップ装置付きのＫ式丸編機を使用した。しかし、本考案に使用される編機とし ては、Ｂ式・Ｋ式等の各種丸編機が、広く使用できる。即ち、編目は横のコ−ス 方向に編成され、編地は縦のウェ−ル方向に巻き取られる。

【０００９】 本実施例の場合は、パイルを構成する表糸には、アクリル短繊維９０％と羊毛 繊維１０％を混紡した抗菌防止処理の紡績糸を使用したが、ウ−リナイロンや遠 赤外線を発するセラミック繊維も使用できる。また芯糸には、ポリウレタン糸を ウ−リナイロン糸でカバリングしたスパンデックス糸を使用した。そして挿通糸 には、スパンデックス糸またはゴム糸からなる弾性糸を使用した。しかし本考案 の編糸は、これに限定されるものではなく、各種の糸を使用することができる。

【００１０】 添付の図１は、本考案の第１一実施例を示す、膝部をパイル挿入編組織にした サポーター付きオーバーニイソックスの、裏返えした状態を示す平面図である。 また図２は、本考案の編機に使用されるシンカに、編糸が乗った状態の一実施例 を示す正面図である。さらに図３は、本考案に使用されているパイル挿入編組織 の第１実施例を示す組織図である。

【００１１】 本考案でいうパイル挿入編組織とは、添え糸編の一種であるパイル編に、挿入 編を組み合わしたものを指している。パイル編とは、地糸とともにパイル糸を編 み込み、パイル糸のシンカ・ループを拡大してリング状にパイルを出したもので ある。また挿入編とは、編地中に編み目を作らずに弾性糸などを編み込んだもの で、編針の前後に挿入糸を置くことにより、１ウェールおきに編地の間に挿入す るものである。

【００１２】 図１に示す１が、本考案の長靴下からなる、オーバーニイソックスの実施例で ある。オーバーニイソックスは、蒸れなく履きやすいため、婦人用が主流になっ ているが、これに限定されるものでもない。２が編始部で、２ａは最初の編み始 め端である。編始部２は、表糸と芯糸の二本使いからなる平編組織である。編始 部２に続き、口ゴム部（Ｔｏｐ）３へと切り替えて編み進まれる。

【００１３】 この口ゴム部３は、図２のように、表糸４と芯糸５を共にシンカ−６の大爪７ に乗せて、これに挿通糸８を入れた三本使いにした、ゴム編組織類似の特殊平編 組織にしている。この両糸を大爪７に乗せた組織は、締め付けは緩やかであるが 高弾性の組織となるので、血行を保ちながら、ずり落ちることのない弾力組織の ものである。

【００１４】 この口ゴム部３から、綴合部９を経て膝部（Ｋｎｅｅ）１０へと切り替えられ る。この綴合部９のコ−ス位置が、トランスファ・ポイントであり、編み始め端 ２ａの位置に相当する。即ち、ここまで長く編成された口ゴム部３は、折り返さ れて二重にされ、編み始め端２ａと綴合部９で綴じ合わされ、上部に履口１１を 構成する。この履口１１は、膝の上にくるようになっているが、このように厚手 の二重にしているので、しっかりとして波打つことなく、締め付けは緩やかで、 足の通しやすいものとなっている。

【００１５】 次に綴合部９から膝部１０へと、切り替えて編み進まれる。膝部１０は、前方 の膝伸長部１０ａと、後方の膝屈曲部１０ｂとは、編組織を変えている。即ち、 前方の膝伸長部１０ａは、図３に示すパイル挿入編組織１２からなっている。表 糸４は、編地の内面コ−ス方向にパイルル−プ１３を起立させ、厚手で保温性を 有するものにしている。なおパイルル−プの頂部１３は、起毛するようにしても よい。また、芯糸５と挿通糸８は、スパンデックス糸からなるために伸縮性があ り、サポーター機能を有するものとなっている。これに対して、後方の膝屈曲部 １０ｂは、同じ三本の編糸使いではあるが、パイルを形成させることなく、薄い 添糸挿入編組織にして、屈曲しやすいようにしている。なお図３は、分かりやす く表糸４を、芯糸５の内側に表示した。しかし実際には、芯糸５を包み込むよう にして、表側にも表れるものである。

【００１６】 膝部１０に続く身部１４（Ｌｅｇ）と上部の足甲部１５（Ｉｎｓｔｅｐ）は、 本実施例の場合、表糸４と芯糸５の編糸二本使いからなる平編組織にしている。 続く下部の踵部１６（Ｈｅｅｌ）と、足底部１７（Ｓｏｌｅ）と、縫合する爪先 部１８（Ｔｏｅ）は、本実施例の場合は全てパイル編組織にして、暖かくしてい る。なおパイル編組織は、図３のパイル挿入編組織１２の、挿通糸８を省いたも のなので、図示を省略する。

【００１７】 添付の図４は、本考案の第２実施例を示す。即ち、膝部をパイル挿入編組織に するとともに、足首部をパイル編組織で保温したサポーター付きオーバーニイソ ックスの、裏返えした状態を示す平面図である。この実施例の場合は、Ｂ式丸編 機にて編成したが、以下に先の実施例と相違する点を説明する。

【００１８】 図４に示す１０１が、本考案の長靴下からなるオーバーニイソックスの第２実 施例である。口ゴム部１０３の編み始め端１０３ａに、太いゴム糸（太いスパン デックス糸でもよい）を挿通して、編み始められる。長い口ゴム部１０３は、編 上がり後に、折り返えして二重にし、綴合部１０９の位置で縫合される。

【００１９】 続く膝部１１０及び身部１１４は、先の実施例と同様の組織であるが、次に足 首部１１９を設け、この全周をパイル編組織にして、保温するようにしている。 これは医学的な専門知識から、足首部１１９を保温することが、膝部１１０を間 接的に保護することになるからであり、この点が先の実施例と相違している。以 下、平編組織の足甲部１１５、パイル編組織の踵部１１６・足底部１１７・爪先 部１１８は、第１実施例と同様に作られている。

【００２０】

【考案の効果】

本考案のサポーター付きオーバーニイソックスは、従来のずり落ちる欠点が解 消された。

【００２１】 本考案のサポーター付きオーバーニイソックスは、膝サポーターを兼用した靴 下になっている。

【００２２】 本考案のサポーター付きオーバーニイソックスは、医学的見地に立脚した保温 性のよいものであって、有用且つ実用的なものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のサポーター付きオーバーニイソックス
を裏返した状態の第１実施例を示す平面図である。

【図２】本考案の編機に使用されるシンカに、編糸が乗
った状態の第１実施例を示す正面図である。

【図３】本考案に使用されているパイル挿入編組織の第
１実施例を示す組織図である。

【図４】本考案のサポーター付きオーバーニイソックス
を裏返した状態の第２実施例を示す平面図である。

【符号の説明】

１ オーバーニイソックス ８ 挿通する弾性糸 １０ 膝部 １０１ オーバーニイソックス １１０ 膝部 １１９ 足首部

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 足首部から膝部の上までの長さを有する
   長靴下からなるオーバーニイソックスにおいて、該膝部
   に弾性糸を挿通してパイル挿入編組織にし、足首部をパ
   イル編組織にし、サポーター兼用にしたことを特徴とす
   るサポーター付きオーバーニイソックス。
2. 【請求項２】 パイル挿入編組織は、パイルを構成する
   表糸と芯糸と挿通糸とからなり、表糸はアクリル短繊維
   ９０％と羊毛繊維１０％を混紡した抗菌防止処理の紡績
   糸を使用し、芯糸はポリウレタン糸をウ−リナイロン糸
   でカバリングしたスパンデックス糸を使用し、挿通糸は
   スパンデックス糸またはゴム糸からなる弾性糸を使用し
   たことを特徴とする請求項１記載のサポーター付きオー
   バーニイソックス。
3. 【請求項３】 パイル編組織は、パイルを構成する表糸
   と芯糸とからなり、表糸はウ−リナイロンや遠赤外線を
   発するセラミック繊維を使用し、芯糸はポリウレタン糸
   をウ−リナイロン糸でカバリングしたスパンデックス糸
   を使用したことを特徴とする請求項１記載のサポーター
   付きオーバーニイソックス。