JP3042180U - 靴 下 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 着用時には締め付け感がなく、脛部にソフト
フィットする履き心地の良い、しかも着脱のしやすい靴
下を提供すること。 【解決手段】 本考案に係る靴下は、靴下主体１の踵部
５の上部から履口部７の上部Ｂまでの周方向の編目の目
数を、爪先部２から踵部５の上部Ａまでの周方向の編目
の目数より増やして編成して構成されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、爪先部から踵部の上部までの長さのソックスあるいは爪先部から膝 部の直下や膝上までの長さの所謂ハイソックスと称している靴下に関するもので ある。

【０００２】

【従来の技術】

従来、靴下は足の保温や保護あるいは整容等の目的で着用されていて、男子用 、婦人用、子供用、スポーツ用、防寒用等各種の用途のものがあり、それらの靴 下は、爪先部から踵上部までの長さのソックスや膝部の下や膝上までの長さのハ イソックス等長さの異なるものから、爪先部から履口部まで比較的薄い厚さの靴 下や、スポーツ用のように、爪先部、足底部、踵部だけを厚地に編成したもの、 あるいは防寒用のように、全体を厚地で編成したもの等種々のものがある。

【０００３】 これらのいずれの靴下においても、爪先部から履口部までは全て同じ針数、す なわち、靴下全体が同一編目数で編成されている。ところが、人体の足は、足首 から膝部までの間においては、太さが上方に向かって次第に太くなっているため に、その箇所においては靴下がズレ落ちやすくなっている。特に歩行中や運動中 にズレ落ちやすく、そのため、その箇所に位置する部分にズレを防止するため、 円周方向に強い緊締力をもつ弾性糸条を編み込んだり、あるいは編地の度目（目 の大きさ）を変えて締め付けを調節してズレを防止している。

【０００４】

【考案が解決しょうとする課題】

しかしながら、前者の円周方向に強い緊締力をもつ弾性糸条で編み込まれてい る靴下の場合は、その弾性糸条により、脛部を過度に圧迫しすぎることがあり、 血行を悪くするばかりでなく、着用していると不快感が生ぜしめ、長時間着用で きなかった。また、着用時には弾性糸条の弾力に抗して履口部を大きく開口して 履かなければならないため、非常に履きずらく、脱ぐ場合も脛部に密着している 部分を大きく広げなければ脱げないので大変面倒であり、特に老人や病人等力の 弱い人には適さなかった。

【０００５】 一方、度目で調節する靴下の場合は、編目の変形は糸の曲げ剛さと糸相互間の 摩擦力が影響するだけであるから、変形に対する抵抗は極めて少なく、そのため 編地は小さい荷重で、大きく伸縮するが、編地に繰り返し変形が与えられると、 残留変形が生じ、形崩れを起こしやすい問題点があった。

【０００６】 本考案は、上記の問題を解決することを課題として、研究開発されたもので、 着用時には締め付け感がなく、脛部にソフトフィットする履き心地の良い、しか も着脱のしやすい靴下を提供することを目的とするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記の課題を解決し、その目的を達成する手段として、本考案では、靴下主体 の踵部の上部から履口部の上部までの周方向の編目の目数を、爪先部から踵部の 上部までの周方向の編目の目数より増やして編成してなる靴下を開発し、採用し た。

【０００８】 また、本考案では上記のように構成した靴下において、目増やし部が周方向の 全体あるいは特定部分に設けられている靴下、および目増やし部の目数が上方に 行くにつれて段階的に増えるように形成されている靴下、および爪先部から踵部 の上部まで三重編みで編成されている靴下を開発し、採用した。

【０００９） 【考案の実施の形態】 以下に、本考案の実施の形態を添付図面に基ずいて説明すれば、本考案に係る 靴下主体１は、爪先部２、足底部３、甲部４、踵部５、脚部６、履口部７が設け られている、踵部の上方までの長さのソックスあるいは膝部の下や膝上までの長 さのハイソックスである。

【００１０】 この靴下主体１は、従来の靴下の編成が履口部７から爪先部２へと編立てられ て行くのと逆方向の、爪先部２から足底部３、甲部４、踵部５、脚部６を経て履 口部７へと編立てられている。

【００１１】 その編み込まれて行く過程において、爪先部２から踵部５の上部Ａまでの間の 周方向の目数より、踵部５の上部から履口部７の上部Ｂまでの間の周方向の目数 を増やして目増やし部Ｃを設けて編成されたものである。例えば、爪先部２から 踵部５の上部Ａまでを編針数１５０で編成されていて、踵部５の上部から履口部 ７の上部Ｂまでを編針数２００で編成したものである。

【００１２】 目増し部Ｃは、脚部６の周面の全体であっても良いし、正面部、背面部、側面 部等特定の部分であっても良く、また、下方から上方に行くにつれて段階的に目 を増やしていっても良い。

【００１３】 この靴下主体１は、綿糸、絹糸、羊毛糸等の天然繊維やナイロン糸、ポリウレ タン糸、ポリエステル糸、ポリプロピレン糸等の合成繊維糸を用いて公知の方法 で編まれている。

【００１４】 爪先部２から踵部５の上部Ａまでは、図３に示すように、３本の糸を用いて平 編みされた３重編み構造で、必要に応じて爪先部２、足底部３、甲部４、踵部５ の内面側にはパイルを編み出し、脚部６と履口部７にはパイルを編み出さないも のである。また、脚部６には、コース方向に弾性糸条が適宜の間隔で挿入され編 成されている。

【００１５】 以上、本考案の主要な実施の形態について説明したが、本考案は、これらの実 施の形態に限定されるものでなく、考案の目的を達成でき、且つ考案の要旨を逸 脱しない範囲で種々の設計変更が可能であることは当然である。

【００１６】 このように構成された本考案の靴下の作用を述べれば、踵部５の上部から履口 部７の上部Ｂまでの脚部の周方向に目増やし部Ｃが設けられているので、脛部の 太い部分であっても、着用時にその太さに合ってソフトフィットするものである 。

【００１７】

【考案の効果】

以上のように、本考案の請求項１記載の靴下は、靴下主体の踵部の上部から履 口部の上部までの周方向の編目の目数を、爪先部から踵部の上部までの周方向の 編目の目数より増やして編成したものであるから、脛部において周方向に余裕が でき、従来の靴下のような弾性糸条による締め付け跡ができて不快感がなくなる と共に、着用時には締め付け感がなくソフトフィットして履き心地が良くなる。

【００１８】 また、目増やし部が設けられていることにより、靴下を履く時に履口部を大き く開口しなくても履ける便利さがあると共に、脱ぐ場合は、締め付け力が弱く、 足との密着力が少ないので、脱ぐのが容易になる。

【００１９】 さらに、請求項２記載の靴下は、目増やし部が周方向の全体あるいは特定部分 に設けられるので、脛部の太さに応じて調節でき、太いところでもソフトフィッ トして履き心地がよくなる。

【００２０】 また、請求項３記載の靴下は、目増やし部の目数が上方に行くにつれて段階的 に増えるように形成されているので、脛部の太さに適した締め付け力で締め付け ることができ、ズレることがなくソフトフィットする。

【００２１】 さらに、請求項４記載の靴下は、爪先部から踵部の上部まで三重編みで編成さ れているので、分厚くなり防寒性に富み、且つ弾力性に優れていることから、歩 行時や着用時の感触が良く、足底部を保護でき足を傷めることがないのでスポー ツ用に最適である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す靴下の側面図である。

【図２】要部の拡大編組織図である。

【図３】足底部の拡大編組織図である。

【符号の説明】

１ 靴下主体 ２ 爪先部 ５ 踵部 ７ 履口部 Ａ 爪先部から踵部の上部 Ｂ 踵部の上部から履口部の上部 Ｃ 目増やし部

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 靴下主体の踵部の上部から履口部の上部
   までの周方向の編目の目数を、爪先部から踵部の上部ま
   での周方向の編目の目数より増やして編成してなる靴
   下。
2. 【請求項２】 目増やし部が周方向の全体あるいは特定
   部分に設けられている請求項１に記載の靴下。
3. 【請求項３】 目増やし部の目数が上方に行くにつれて
   段階的に増えるように形成されている請求項２に記載の
   靴下。
4. 【請求項４】 爪先部から踵部の上部まで三重編みで編
   成されている請求項１、２、３のいづれか一に記載の靴
   下。