JP3023292B2 - スイッチ付表示パネル - Google Patents

スイッチ付表示パネル

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JP3023292B2
JP3023292B2 JP7145424A JP14542495A JP3023292B2 JP 3023292 B2 JP3023292 B2 JP 3023292B2 JP 7145424 A JP7145424 A JP 7145424A JP 14542495 A JP14542495 A JP 14542495A JP 3023292 B2 JP3023292 B2 JP 3023292B2
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義孝 辻
俊弘 藤田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えばFA(ファク
トリーオートメーション)機器、自動販売機、自動券売
機、情報機器、家庭電気製品、医療用の操作機器等に用
いられるスイッチ付表示パネルに関する。
【0002】
【先行技術】従来の、情報表示機能を有する表示パネル
上に単にタッチパネルを重ねた構造のスイッチ付表示パ
ネルは、ストローク感(これは操作感とも呼ばれる)を
得ることができないという課題を有しており、また従来
の、表示パネル上にスイッチ機構を設けてストローク感
を出してはいるが、表示パネルの表示内容をイメージガ
イドで浮き上がらせなければならない構造のスイッチ付
表示パネルは、イメージガイドが高価でしかも画質が粗
くかつ表示内容を斜め方向から見にくい等の課題を有し
ており、これらの課題を解決したスイッチ付表示パネル
が同一出願人によって先に提案されている。
【0003】その一例を説明すると、図7に示すよう
に、このスイッチ付表示パネルは、情報表示機能を有す
る表示パネル2と、この表示パネル2上に重ねられてい
て、透明薄板間に外部から押されることによってオンす
る1以上の透明のスイッチ領域4aを設けて成るタッチ
パネル4と、このタッチパネル4のスイッチ領域4a上
に設けられた1以上の操作機構部20とを備えている。
【0004】この例のタッチパネル4は、抵抗膜式と呼
ばれるものであり、例えば図8に示すように、上面に透
明電極8が形成された透明薄板6上に複数の開口部12
を有する透明薄板10を重ね、更にその上に、下面に透
明電極18が形成された透明薄板16を重ねて成る。透
明電極8および18は、互いに直交する複数のストライ
プ状の電極の場合もあるし、一方の電極、例えば透明電
極18が複数の電極であり、他方の電極、例えば透明電
極8が共通電極の場合もある。両透明薄板6および16
は、薄板だから可撓性がある。但し、下の透明薄板6は
可撓性がなくても良い。
【0005】各開口部12の部分にスイッチ領域4aが
形成されており、この例では透明薄板16側から所望の
開口部12の部分を押すと、押された部分の透明薄板1
6および透明電極18が撓んで、その透明電極18は開
口部12を通して下の透明電極8と接触して電気的にオ
ンする。但し、各スイッチ領域4aの大きさ、形状、数
等は任意であり、また、小さなスイッチ領域4aを複数
個まとめて(即ち電気的に並列接続して)一つのスイッ
チ領域として使用する場合もある。
【0006】表示パネル2は典型的には液晶ディスプレ
イであり、それには通常は、例えば図9に示すように、
タッチパネル4のスイッチ領域4aの下部付近に、当該
スイッチ領域4aの操作によって選択される内容、例え
ばFAにおける制御内容、自動券売機における行先等を
表示する表示領域2aが形成されている。そのようにす
れば、所望のスイッチ領域4aの選択・操作が容易にな
る。
【0007】各操作機構部20は、一端側の下面部に支
点用突起24を有していてこの支点用突起24を支点に
して矢印Aで示すように上下方向に回動可能でありかつ
他端側の下面部に位置する操作部25で前記タッチパネ
ル4のスイッチ領域4aを押してオンさせる透明の押ボ
タン22と、この押ボタン22の操作部25と同じ側の
端部付近に設けられていて同押ボタン22に復帰力を与
える復帰手段40と、前記押ボタン22の前記二つの端
部外付近に設けられた支柱32と、押ボタン22の抜け
止めを行う係合部30とを備えている。
【0008】復帰手段40は、この例では、支柱32の
上部に設けられた鉄板42と、押ボタン22の支点用突
起24とは反対側の端部であってこの鉄板42の下側に
位置する部分に鉄板42に対向するように設けられた可
動側磁石44とを備えている。この可動側磁石44は、
その上面に一方の磁極(例えばN極)があり、その下面
に他方の磁極(例えばS極)があり、厚み方向に着磁さ
れている。
【0009】係合部30は、この実施例では、押ボタン
22の端部またはそこに設けられた可動側磁石44と、
支柱32上の鉄板42とが互いに係合して、押ボタン2
2の抜け止めを行う構造をしている。
【0010】このスイッチ付表示パネルにおいては、常
時は、可動側磁石44が鉄板42を強く吸引しているの
で、その力によって、押ボタン22の操作部25側は持
ち上げられている。但し、係合部30があるから、押ボ
タン22が抜け出る(飛び出す)ことはない。
【0011】可動側磁石44の吸引力に抗して押ボタン
22を押すと、当該押ボタン22は、その支点用突起2
4を支点にして矢印A方向に(より具体的には時計方向
に)回動し、その操作部25でタッチパネル4のスイッ
チ領域4aを押してオンさせることができる。その際、
初めはある程度強く押し下げないと押ボタン22は下が
らないが、押ボタン22が少しでも下がると、可動側磁
石44が鉄板42を吸引する力は急に弱くなるので、押
し下げは急に軽くなる。これは、スナップアクションま
たはクリック感とも呼ばれており、これがあるとスイッ
チの操作感は一層良好になる。
【0012】押ボタン22を押すのを止めると、可動側
磁石44が鉄板42を吸引する力によって押ボタン22
は復帰する。また、タッチパネル4のスイッチ領域4a
は自力で復帰してオフする。
【0013】このようにこのスイッチ付表示パネルにお
いては、押ボタン22を押し込むストロークを確保する
ことができるので、従来の人が直接タッチパネルを押す
構造のスイッチ付表示パネルと違って、明確なストロー
ク感を得ることができる。かつ上述したようにクリック
感をも得ることができる。
【0014】しかも、スイッチにタッチパネル4を用い
ており、押ボタン22と表示パネル2との間に機械的な
スイッチ機構を設ける必要がないので、押ボタン22と
表示パネル2との間を、ストローク感を得るのに必要な
距離(例えば0.数mm〜2mm程度)だけ残して近づ
けることができる。従って、押ボタン22の奥のすぐ近
くに表示パネル2の表示内容が表示されることになるの
で、従来のイメージガイドで表示を浮き上がらせる構造
のスイッチ付表示パネルと違って、イメージガイドが不
要になる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】上記先行例のスイッチ
付表示パネルについて更に検討を重ねたところ、次のよ
うな点になお改善の余地があることが分かった。
【0016】即ち、複数の押ボタン22に(より具体的
には複数の操作機構部20に)、表示パネル2の一つの
表示画面を割り当てようとすると、各操作機構部20の
復帰手段40および支柱32が不可避的に上記表示画面
を横切って遮ることになり、表示が非常に見にくくなる
ため、実用上問題となる場合がある。
【0017】例えば、図10は、図中の上下に隣接する
二つの操作機構部20に一つの文字を割り当てた例であ
る。この図10は、図7を90度右に回転させて図示し
たものに相当し、図中の左右に隣接する操作機構部20
同士間に鉄板42が存在しないようにすることはできて
も、上下に隣接する操作機構部20同士間には、復帰手
段40を構成する鉄板42が不可避的に存在し、これが
桟のように見える。また、この鉄板42の下には支柱3
2が存在している。この鉄板42が、表示パネル2の表
示画面を横切って遮るため、表示が非常に見にくくなっ
ている。従って、このような表示画面構成を実際上は採
用することができないため、先行例のスイッチ付表示パ
ネルでは、表示画面構成の自由度が小さいと言える。
【0018】そこでこの発明は、このような点を更に改
善して、押ボタンの面内および周辺部から復帰手段等の
余計なものが見えなくして、表示画面構成の自由度を向
上させたスイッチ付表示パネルを提供することを主たる
目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明のスイッチ付表示パネルは、前記各操作機
構部が、平面形状が方形をしていて、その相対向する第
1および第2の辺の下面部付近に支点用突起をそれぞれ
有していてそれを支点にして上下方向に回動可能であ
り、かつこの第1および第2の辺に直交する第3の辺の
下面部付近に位置する操作部で前記タッチパネルのスイ
ッチ領域を操作する透明の押ボタンと、この押ボタンの
前記第3の辺とは反対側の第4の辺の下面部付近であっ
て前記表示パネルの表示領域外に設けられていて同押ボ
タンに復帰力を与える復帰手段とを備えており、かつこ
の復帰手段が、前記押ボタンの第4の辺の下面部付近に
設けられた可動側磁性体と、その下側に位置する固定部
に当該可動側磁性体に対向するように設けられた固定側
磁性体とを有していて、しかもこの可動側磁性体と固定
側磁性体の少なくとも一方が、相手側の磁性体を吸引す
る永久磁石であり、更に前記押ボタンの下面部に、前記
第3および第4の辺に平行な複数の刻線を有していて前
記表示パネルの表示領域を拡大表示するシリンドリカル
フレネルレンズ部が形成されていることを特徴とする。
【0020】
【作用】上記構成によれば、押ボタンを押すと、当該押
ボタンは、その支点用突起を支点にして一定方向に回動
し、その反対側の操作部でタッチパネルのスイッチ領域
を操作することができ、押ボタンを押すのを止めると、
押ボタンは復帰手段によって復帰させられる。
【0021】復帰後は、即ち常時は、復帰手段を構成し
ている永久磁石である側の磁性体が相手側の磁性体を吸
引しているので、これによって係合部の代わりに押ボタ
ンの抜け止めが行われる。
【0022】また、復帰手段は表示パネルの表示領域外
に配置されており、しかも押ボタンのシリンドリカルフ
レネルレンズ部は表示パネルの表示領域を拡大表示する
ので、表示パネルの表示内容は、復帰手段の上方に覆い
被さるように表示されることになり、押ボタンの上方か
らは復帰手段が見えなくなる。
【0023】従って、押ボタンの面内および周辺部から
復帰手段等の余計なものが見えなくなる。その結果、表
示画面構成の自由度が向上する。
【0024】
【実施例】図1は、この発明に係るスイッチ付表示パネ
ルの一例を部分的に示す断面図である。図2は、図1中
の押ボタン周りの平面図である。図7の先行例と同一ま
たは相当する部分には同一符号を付し、以下においては
当該先行例との相違点を主に説明する。
【0025】この実施例のスイッチ付表示パネルは、情
報表示機能を有する前述したような表示パネル2と、こ
の表示パネル2上に重ねられていて、透明薄板間に外部
から押されることによってオンする1以上の透明のスイ
ッチ領域4aを設けて成る前述したようなタッチパネル
4と、このタッチパネル4のスイッチ領域4a上に設け
られた1以上の操作機構部50とを備えている。
【0026】各操作機構部50は、図2および図3も参
照して、平面形状が方形をしていて、その相対向する第
1の辺53aおよび第2の辺53bの下面部付近に支点
用突起54をそれぞれ有していてそれを支点にして矢印
Bで示すように上下方向に回動可能であり、かつこの第
1および第2の辺に直交する第3の辺53cの下面部付
近に位置する操作部55でタッチパネル4のスイッチ領
域4aを押してオンさせる透明の押ボタン52と、この
押ボタン52の前記第3の辺とは反対側の第4の辺53
dの下面部付近であって表示パネル2の表示領域2a外
に位置する部分に設けられていて同押ボタン52に復帰
力を与える復帰手段60とを備えている。
【0027】表示パネル2の表示領域2aは、この例で
は、押ボタン52の前記第3および第4の辺53cおよ
び53dの下方付近を除くほぼ全領域に形成されてい
る。
【0028】タッチパネル4のスイッチ領域4aは、少
なくとも、押ボタン52の前記操作部55の下方に設け
られていれば良い。
【0029】復帰手段60は、押ボタン52の前記第4
の辺53dの下面部付近に設けられた可動側磁性体64
と、その下側に位置する固定部に、即ちこの例ではタッ
チパネル4上に、当該可動側磁性体64に対向するよう
に設けられた固定側磁性体62とを備えている。この明
細書において、磁性体とは、より厳密に言えば、強磁性
体のことである。即ち、固定側磁性体62および可動側
磁性体64は、例えば、Fe、Co、Niもしくはそれ
らの合金のようなフェロ磁性体、または各種のフェライ
トのようなフェリ磁性体である。
【0030】なお、この固定側磁性体62および押ボタ
ン52の前記支点用突起54は、通常はタッチパネル4
の非スイッチ領域上に位置させるけれども、スイッチ領
域上に位置させても当該スイッチ領域を使わなければ良
い。この使わないスイッチ領域と、押ボタン52による
操作対象の上記スイッチ領域4aとは勿論別のものであ
る。
【0031】この実施例では、固定側磁性体62は鉄板
のような磁性板であり、可動側磁性体64はこの固定側
磁性体62を吸引する断面縦長の永久磁石である。この
可動側磁性体64は、この実施例では、その上面に一方
の磁極(例えばN極)があり、その下面に他方の磁極
(例えばS極)があり、厚み方向に着磁されている。
【0032】可動側磁性体64は、図2に示す例のよう
に押ボタン52の辺53dの中央部付近の一部分に設け
ても良いし、当該辺53dの全体に設けても良いし、あ
るいは当該辺53dの両側端部付近に設けても良い。い
ずれにするかは、当該可動側磁性体64と固定側磁性体
62との吸着力等に応じて決めれば良い。但し、いずれ
の場合も、当該可動側磁性体64の下方には相手方の固
定側磁性体62が設けられている。
【0033】固定側磁性体62は、複数の操作機構部5
0を並設する場合は、図2に示す例のように細長いもの
として、複数の操作機構部50に共通のものとしても良
く、そのようにすれば、個々に固定側磁性体62を設け
る場合に比べて組立が簡単になる。
【0034】押ボタン52の下面部のほぼ全領域に、前
記第3および第4の辺53cおよび53dに平行な複数
の刻線56を有していて、表示パネル2の表示領域2a
を拡大表示するシリンドリカルフレネルレンズ部57が
形成されている。各刻線56の断面形状は、例えば概ね
図1に示すようなものである。
【0035】通常のフレネルレンズは、円形の凸レンズ
を複数の同心状の刻線で形成したものであるのに対し
て、シリンドリカルフレネルレンズは、かまぼこ状の凸
レンズを複数の互いに平行な直線状の刻線で形成したも
のである。
【0036】従って、上記シリンドリカルフレネルレン
ズ部57は、表示パネル2の表示領域2aを、復帰手段
60および操作部50側に、即ち図1中の左右方向に、
拡大表示する機能を有している。図1中の符号3は、表
示領域2aの左右端部から出た光がシリンドリカルフレ
ネルレンズ部57によって外側に広がるように屈折され
る様子を模式的に示している。このようにして、表示パ
ネル2の表示領域2aは、押ボタン52の上方からは、
拡大された表示領域2bとして、押ボタン52の面内の
ほぼ全体に見えることになる。
【0037】なお、表示パネル2の表示領域2aは、上
記のようなシリンドリカルフレネルレンズ部57によっ
ては、図1中の紙面の表裏方向には拡大表示されない
が、この発明の目的を達成するためには、その方向に拡
大表示される必要はない。
【0038】このスイッチ付表示パネルにおいては、常
時は、可動側磁性体64が固定側磁性体62を強く吸着
しているので、その力によって、押ボタン52の操作部
55側は持ち上げられている。かつこの吸着によって、
先行例のように係合部30を設けなくても、係合部の代
わりに押ボタン52の抜け止め(飛び出し防止)が行わ
れる。
【0039】可動側磁性体64の吸着力に抗して押ボタ
ン52を押すと、当該押ボタン52は、その支点用突起
54を支点にして矢印B方向に(より具体的には時計方
向に)回動し、その操作部55でタッチパネル4のスイ
ッチ領域4aを押してオンさせることができる。その
際、先行例の場合と同様にクリック感が得られる。即
ち、常時は可動側磁性体64が固定側磁性体62を強く
吸引しており、押ボタン52を押し下げる場合、初めは
ある程度強く押し下げないと押ボタン52は回動しない
が、押ボタン52が少しでも回動すると、可動側磁性体
64と固定側磁性体62間の距離が大きくなって可動側
磁性体64が固定側磁性体62を吸引する力は急に弱く
なるので、押し下げは急に軽くなり、クリック感が得ら
れる。
【0040】押ボタン52を押し下げた状態では、可動
側磁性体64が固定側磁性体62を吸引する力と、人に
よる押し下げ力とによって、押ボタン52の抜け止めが
行われる。
【0041】押ボタン52を押すのを止めると、可動側
磁性体64が固定側磁性体62を吸引する力によって押
ボタン52は復帰する。また、タッチパネル4のスイッ
チ領域4aは自力で復帰してオフする。
【0042】また、表示に関して言えば、復帰手段60
は前述したように表示パネル2の表示領域2a外に配置
されており、しかも押ボタン52のシリンドリカルフレ
ネルレンズ部57は前述したように表示パネル2の表示
領域2aを拡大表示するので、表示パネル2の表示領域
2aの表示内容は、その光3が図1中に図示したように
外側に広がって進み、復帰手段60の上方に覆い被さる
ように表示されることになり、押ボタン52のほぼ全面
に表示領域2aが拡大表示されるため、押ボタン52の
上方から復帰手段60は視覚的に見えなくなる。
【0043】また、押ボタン52の周辺部には、先行例
の支柱32および鉄板42に相当するものは設ける必要
がなくこれらは存在しない。
【0044】従って、このスイッチ付表示パネルにおい
ては、押ボタン52の面内および周辺部から復帰手段や
支柱等の余計なものが見えなくなる。それゆえ、複数の
押ボタン52に(より具体的には複数の操作機構部50
に)、表示パネル2の一つの表示画面を割り当てても、
表示画面を横切って遮るものがないので、表示が見にく
くなることはない。従って、表示パネル2の表示画面と
1以上の操作機構部50とを自由に組み合わせることが
できるので、表示画面構成の自由度が向上する。
【0045】例えば、図4は、図10の場合と同様に、
図中の上下に隣接する二つの操作機構部50に一つの文
字を割り当てたものである。この図4は、図1を90度
右に回転させて図示したものに相当する。この例では、
表示画面を横切って遮るものがないため、図10の場合
に比べて表示は遙かに見やすい。
【0046】なお、この実施例のスイッチ付表示パネル
の場合、表示パネル2の表示内容は押ボタン52のシリ
ンドリカルフレネルレンズ部57によって一方向(即ち
図1中の左右方向あるいは図4中の上下方向)に拡大表
示されるため、表示内容が一方向に若干伸びて表示され
ることになるが、表示内容が不規則に歪む訳ではないの
で、大して問題にはならない。それを防止したければ、
表示パネル2の表示を縮めておいてそれとシリンドリカ
ルフレネルレンズ部57による伸びとが相殺するように
しても良い。
【0047】なお、上記例のように、固定側磁性体62
を鉄板のような磁性板にすると、それを薄くしても良い
ので、タッチパネル4と押ボタン52との間の距離を小
さくして、表示パネル2の表示内容を押ボタン52の上
方からより見やすくすることができる。また、上記例の
ように、可動側磁性体64を断面縦長にした方が、それ
が押ボタン52の上方から見えなくなるようにすること
が容易になり、表示パネル2の表示領域2aをより広く
取ることができる。
【0048】もっとも、上記例とは逆に、可動側磁性体
64を鉄板のような磁性板にし、固定側磁性体62を永
久磁石にしても良い。また、両磁性体62および64
を、互いに逆極性で対向して吸引し合う永久磁石にして
も良い。そのようにすると吸着力がより高まる。
【0049】押ボタン52の辺53aおよび53bの下
面部における支点用突起54の位置は、当該辺の中央部
でも良いが、図1に示す例のように幾分復帰手段60側
へ寄せる方が、押ボタン52を押してそれを回動させ得
る領域が広くなると共に、押すのに要する力が少なくて
済むので、好ましい。
【0050】押ボタン52の操作部55に、例えば図3
に示す例のように、タッチパネル4のスイッチ領域4a
を押す操作用突起72を、下方に突出するように設けて
おいても良く、そのようにすれば、タッチパネル4の目
的とするスイッチ領域4aを少ない力で確実に押すこと
ができるので、スイッチ操作の信頼性が向上する。操作
用突起72は、この例では半球状のものが1個である
が、この操作用突起72の形状、数等はこれに限らな
い。
【0051】押ボタン52の上面であって操作部55の
上部付近に、例えば図3に示す例のように、押圧操作の
目印となる目印用突起74を設けておいても良く、その
ようにすれば、押ボタン52の操作部分を見つけやすい
ので、押ボタン52の押圧操作が容易になる。
【0052】押ボタン52の支点用突起54側の二つの
側面であって支点用突起54の上方に位置する部分に、
図3に示す例のように、一方の側面に凸部76を、他方
の側面に、隣の押ボタン52の凸部76と嵌合する凹部
78を、それぞれ設けておいても良く、そのようにすれ
ば、隣接する押ボタン52同志をこの凸部76および凹
部78で嵌合させることができるので、押ボタン52の
抜け止めをより確実に行うことができる。この凸部76
と凹部78との嵌合は、押ボタン52の回動を許容する
程度に幾分緩くしておけば、押ボタン52の操作に支障
は生じない。
【0053】図1に示す例のように、複数の操作機構部
50の押ボタン52の上面部を一括して、1枚の可撓性
を有する透明シート80で覆っておいても良く、そのよ
うにすれば、この透明シート80によって押ボタン52
の抜け止めを一層確実に行うことができると共に、簡単
に防滴および防塵構造を実現することができる。
【0054】上記可動側磁性体64および固定側磁性体
62の内で永久磁石である磁性体を、相手側の磁性体に
向く一つの面内にN極およびS極が存在し、その反対側
の面内には磁極が存在しないように面内着磁されたもの
としても良い。可動側磁性体64をこのように面内着磁
する場合の着磁の仕方の例を図5および図6にそれぞれ
示す。但し両図は、磁極がよく分かるように、上下を反
転して図示しており、図示のような磁極は実際は、固定
側磁性体62に向く面内に、即ち図1中の下面内に形成
されている。
【0055】可動側磁性体64をこのような面内着磁さ
れたものとすると、そのN極およびS極は、相手の固定
側磁性体62に向く下面内にのみ存在し、上面内には磁
極が存在しないので、可動側磁性体64のN極から出た
磁力線は、同一面内で隣接しているS極に戻る、または
対向している固定側磁性体62内を通って同一面内のS
極に戻る、というように小さな閉ループを描くことにな
り、図1に示すように厚み方向に着磁している可動側磁
性体64を用いた場合に比べて、磁力線の空間への広が
りは非常に小さく抑えられる。特に、可動側磁性体64
が相手の固定側磁性体62を吸着している時は、吸着し
た固定側磁性体62によってほぼ完全な閉磁路が形成さ
れるので、磁力線の空間への漏れは殆どない。
【0056】その結果、操作機構部50からの漏れ磁界
を非常に小さく抑えることができる。従って、このスイ
ッチ付表示パネルに、磁気カード等の磁気記録媒体を近
づけても、操作機構部50からの漏れ磁界によって、当
該磁気記録媒体の記録内容が乱される恐れはなくなる。
【0057】固定側磁性体62を永久磁石にする場合
は、それを面内着磁しても良い。可動側磁性体64と固
定側磁性体62の両方を永久磁石にする場合は、両方
を、それらの磁極が逆極性で対向するように面内着磁し
ても良い。
【0058】固定側磁性体62および可動側磁性体64
は、樹脂中に磁性粉を混入して成る樹脂磁性体にしても
良い。固定側磁性体62および可動側磁性体64に鉄板
および単なる永久磁石をそれぞれ用いていると、押ボタ
ン52を押すのを止めてそれが復帰したときに、即ち可
動側磁性体64が鉄板である固定側磁性体62を吸着し
たときに、両者が直接当たって「カチッ」という比較的
大きな音が出る。これに対して固定側磁性体62および
可動側磁性体64を樹脂磁性体にしておくと、押ボタン
52の復帰時に両磁性体62、64が互いに吸着して直
接当たっても、それらを構成している樹脂が衝撃を吸収
するので、復帰時の音は小さく抑えられる。従って、放
送局のスタジオ等のように音の発生について条件が厳し
い用途にも、このスイッチ付表示パネルを何ら支障なく
使用することができる。しかも、ゴムのような弾性材を
介在させる場合と違って部品点数および組立工数が増え
ないので、コストアップの問題もない。
【0059】なお、タッチパネル4は、前述した抵抗膜
式以外のものでも良い。例えば、発光素子から出た光
が受光素子に入るのを上記押ボタン52で断続する光電
方式、超音波発信素子(典型的には弾性表面波発振
子)から出た超音波が受信素子に入るのを上記押ボタン
52で断続する超音波方式、等でも良い。要は、タッチ
パネル4は、透明板の内部または表面近傍に、他から操
作されることによって動作状態を変化させる1以上のス
イッチ領域を設けて成るものであれば良い。
【0060】また、表示パネル2も、前述した液晶ディ
スプレイ以外のもの、例えばEL(エレクトロルミネッ
セント)ディスプレイ、プラズマディスプレイ等でも良
く、あるいは情報を表示する記銘板や液晶シャッター
と、それを照らす発光体や反射板とを組み合わせたもの
等でも良く、要は情報表示機能を有していれば良い。ま
た、永久磁石である磁性体に面内着磁されたものを用い
る場合は、上述したように漏れ磁界を非常に小さく抑え
ることができることから、表示パネルとしてCRTを使
うことも可能である。
【0061】
【発明の効果】この発明は、上記のとおり構成されてい
るので、次のような効果を奏する。
【0062】請求項1のスイッチ付表示パネルによれ
ば、先行例が奏する効果に加えて更に次のような効果を
奏する。
【0063】即ち、復帰手段を上記のような配置および
構成にすると共に、押ボタンの下面部に上記のようなシ
リンドリカルフレネルレンズ部を設けたので、表示パネ
ルの表示内容は復帰手段の上方に覆い被さるように表示
されることになり、押ボタンの上方から復帰手段は見え
なくなる。また、押ボタンの周辺部には、先行例の支柱
および鉄板に相当するものは設ける必要がなくこれらは
存在しない。従って、押ボタンの面内および周辺部から
復帰手段等の余計なものが見えなくなり、表示パネルの
表示画面と1以上の操作機構部とを自由に組み合わせる
ことができるので、表示画面構成の自由度が向上する。
【0064】請求項2のスイッチ付表示パネルによれ
ば、次のような更なる効果を奏する。
【0065】即ち、可動側磁性体が断面縦長の永久磁石
であるため、それが押ボタンの上方から視覚的に見えな
くなるようにすることが容易になり、表示パネルの表示
領域をより広く取ることができる。また、固定側磁性体
が磁性板であるので、それを薄くしてタッチパネルと押
ボタンとの間の距離を小さくして、表示パネルの表示内
容を押ボタンの上方からより見やすくすることができ
る。
【0066】請求項3のスイッチ付表示パネルによれ
ば、次のような更なる効果を奏する。
【0067】即ち、永久磁石である磁性体は、相手側の
磁性体に向く一つの面内にN極およびS極が存在し、そ
の反対側の面内に磁極が存在しないように面内着磁され
ているので、この永久磁石である磁性体からの磁力線の
空間への広がりを非常に小さく抑えることができ、その
結果、操作機構部からの漏れ磁界を非常に小さく抑える
ことができる。
【0068】請求項4のスイッチ付表示パネルによれ
ば、次のような更なる効果を奏する。
【0069】即ち、固定側磁性体および可動側磁性体
が、樹脂中に磁性粉を混入して成る樹脂磁性体であるの
で、押ボタンの復帰時に両磁性体が互いに吸着して直接
当たっても、それらを構成している樹脂が衝撃を吸収す
る作用をし、復帰時の音は小さく抑えられる。従って、
音の発生について条件が厳しい用途にも、このスイッチ
付表示パネルを何ら支障なく使用することができる。し
かも、ゴムのような弾性材を介在させる場合と違って部
品点数および組立工数が増えないので、コストアップの
問題もない。
【0070】請求項5のスイッチ付表示パネルによれ
ば、次のような更なる効果を奏する。
【0071】即ち、複数の操作機構部の押ボタンの上面
部を一括して、可撓性を有する透明シートで覆っている
ので、この透明シートによって押ボタンの抜け止めをよ
り確実に行うことができると共に、簡単に防滴および防
塵構造を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るスイッチ付表示パネルの一例を
部分的に示す断面図である。
【図2】図1中の押ボタン周りの平面図である。
【図3】押ボタン周りの他の例を示す斜視図である。
【図4】図1に示す二つの操作機構部に一つの文字を割
り当てた例を示す概略平面図であり、これは図1を90
度右に回転させて図示したものに相当する。
【図5】可動側磁性体の面内着磁の仕方の一例を示す斜
視図であり、実際のものとは上下を反転させて図示して
いる。
【図6】可動側磁性体の面内着磁の仕方の他の例を示す
斜視図であり、実際のものとは上下を反転させて図示し
ている。
【図7】スイッチ付表示パネルの先行例を部分的に示す
断面図である。
【図8】タッチパネルの一例を分解して示す断面図であ
る。
【図9】表示パネルの表示領域とタッチパネルのスイッ
チ領域との関係の一例を示す平面図である。
【図10】図7に示す二つの操作機構部に一つの文字を
割り当てた例を示す概略平面図であり、これは図7を9
0度右に回転させて図示したものに相当する。
【符号の説明】
2 表示パネル 2a 表示領域 4 タッチパネル 4a スイッチ領域 50 操作機構部 52 押ボタン 54 支点用突起 55 操作部 57 シリンドリカルフレネルレンズ部 60 復帰手段 62 固定側磁性体 64 可動側磁性体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭51−19146(JP,A) 特開 平5−41134(JP,A) 特開 昭60−172114(JP,A) 特開 昭54−159127(JP,A) 実開 昭50−110380(JP,U) 実開 昭61−39830(JP,U) 実開 平2−24430(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01H 13/02 H01H 13/20 H01H 13/70

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 情報表示機能を有する表示パネルと、こ
    の表示パネル上に重ねられていて、透明板の内部または
    表面近傍に、他から操作されることによって動作状態を
    変化させる1以上の透明のスイッチ領域を設けて成るタ
    ッチパネルと、このタッチパネルのスイッチ領域上に設
    けられた1以上の操作機構部とを備えるスイッチ付表示
    パネルにおいて、前記各操作機構部が、平面形状が方形
    をしていて、その相対向する第1および第2の辺の下面
    部付近に支点用突起をそれぞれ有していてそれを支点に
    して上下方向に回動可能であり、かつこの第1および第
    2の辺に直交する第3の辺の下面部付近に位置する操作
    部で前記タッチパネルのスイッチ領域を操作する透明の
    押ボタンと、この押ボタンの前記第3の辺とは反対側の
    第4の辺の下面部付近であって前記表示パネルの表示領
    域外に設けられていて同押ボタンに復帰力を与える復帰
    手段とを備えており、かつこの復帰手段が、前記押ボタ
    ンの第4の辺の下面部付近に設けられた可動側磁性体
    と、その下側に位置する固定部に当該可動側磁性体に対
    向するように設けられた固定側磁性体とを有していて、
    しかもこの可動側磁性体と固定側磁性体の少なくとも一
    方が、相手側の磁性体を吸引する永久磁石であり、更に
    前記押ボタンの下面部に、前記第3および第4の辺に平
    行な複数の刻線を有していて前記表示パネルの表示領域
    を拡大表示するシリンドリカルフレネルレンズ部が形成
    されていることを特徴とするスイッチ付表示パネル。
  2. 【請求項2】 前記可動側磁性体が断面縦長の永久磁石
    であり、前記固定側磁性体が磁性板である請求項1記載
    のスイッチ付表示パネル。
  3. 【請求項3】 前記永久磁石である磁性体は、相手側の
    磁性体に向く一つの面内にN極およびS極が存在し、そ
    の反対側の面内に磁極が存在しないように面内着磁され
    ている請求項1または2記載のスイッチ付表示パネル。
  4. 【請求項4】 前記固定側磁性体および可動側磁性体
    が、樹脂中に磁性粉を混入して成る樹脂磁性体である請
    求項1、2または3記載のスイッチ付表示パネル。
  5. 【請求項5】 複数の操作機構部を備えていて、当該複
    数の操作機構部の押ボタンの上面部を一括して、可撓性
    を有する透明シートで覆っている請求項1、2、3また
    は4記載のスイッチ付表示パネル。
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