JP3023276B2 - 積層基板の孔あけ加工法およびそれに用いる高分子シート - Google Patents
積層基板の孔あけ加工法およびそれに用いる高分子シートInfo
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Description
板等の積層板にスルーホールを形成加工する積層基板の
孔あけ加工法およびそれに用いる高分子シートに関する
ものである。
子積層基板にスルーホール(貫通孔)を穿設する場合
は、一般に、上記配線板上に金属薄板を載置し、錐,ド
リルあるいはパンチャー等で貫通孔を穿設している。こ
のスルーホール形成工程において、切り屑が発生して配
線板表面に付着したり、さらにスルーホール内やその縁
に付着したりする問題が発生している。また、スルーホ
ール切削面が粗面に形成されてしまったりする問題も生
ずる。したがって、従来は、吸引装置を設けて強制的に
これら切り屑を除去したり、切削終了後に、切削面を研
磨処理してスルーホール形成部分周辺に付着した切削屑
を取り除いていた。しかし、このように切り屑を吸引し
たり、研磨処理するのは作業工程が煩雑となり好ましい
ものではない。
例えば、絶縁体に金属箔が積層された積層基板にドリル
等による貫通孔を形成する際、上記積層基板の片面ある
いは両面に水溶性潤滑剤含浸シートを配置し、このシー
トを介してスルーホール(貫通孔)を穿設することが行
われている(米国特許第4781495号および米国特
許第4929370号)。すなわち、上記方法は、固形
の水溶性潤滑剤であるジエチレングリコールやジプロピ
レングリコール等のグリコール類と脂肪酸等のエステル
物合成ワックス、非イオン性界面活性剤の混合物を紙等
に含浸させたシートを用いて行う方法である。また、上
記方法以外に、ポリエチレングリコール,ポリプロピレ
ングリコールの水溶性高分子を単独であるいはこれら水
溶性高分子混合物、さらにこれらの脂肪酸エステル等を
用い、上記高分子層が形成されたシートを用い、上記シ
ートを積層板に載置してドリルにより貫通孔を形成する
方法が提案されている(特開平4−92488号,特開
平4−92489号,特開平4−92490号,特開平
4−92491号,特開平4−92492号,特開平4
−92493号,特開平4−92494号)。
法は、貫通孔の穿設時のドリルビットの発熱防止効果が
不充分であったり、べたつきが生じたり、貫通孔穿設時
に水溶性高分子が固く溶融せずに潤滑効果が得られなか
ったり、さらに熱可塑性に乏しくフィルム成形性に劣り
シート状に形成しにくいというような様々な欠点を有し
ている。特に、最近、積層基板の実装密度が上がり、貫
通孔の直径も、0.5mm,0.3mm,0.25m
m,0.20mmと徐々に小さくなってきている。この
ため、ドリル等を用いての切削の際に生ずる摩擦熱を効
果的に抑制することが要望されている。
もので、貫通孔穿設時の除熱効果,潤滑効果および切り
屑の飛散防止効果に優れ、貫通孔穿設工程の容易な積層
基板の孔あけ加工法およびそれに用いる高分子シートの
提供をその目的とする。
め、本発明は、絶縁体に金属箔が接着・積層された積層
基板を準備する工程と、下記の一般式(1)で表される
繰り返し単位から構成される水溶性高分子化合物を主成
分とする高分子シートを準備する工程を備え、上記積層
基板の基板面に上記シートを配設し、積層基板の基板に
上記シートを介して貫通孔を穿設する積層基板の孔あけ
加工法を第1の要旨とし、
る水溶性高分子化合物を主成分とする積層基板の孔あけ
加工用高分子シートを第2の要旨とする。
孔を形成する際に、発熱を防止し潤滑効果に優れ、しか
も貫通孔穿設時に切り屑等の飛散を抑制してきれいな切
削面が得られる貫通孔の形成方法について一連の研究を
重ねた。その結果、貫通孔を形成する際、融点が低く潤
滑効果に優れた特殊な水溶性高分子化合物を主成分とす
る高分子シートを用いることを想起した。そして、上記
シートを基板面に載置してシートを介して貫通孔を穿設
すると、ドリル等の回転により発生する摩擦熱によりシ
ートが容易に溶融して切り屑を取り込み、切削面の荒れ
を防止するとともに、溶融した高分子化合物が潤滑剤の
役割を果たし、摩擦熱による温度の上昇とそれに伴うド
リルビットの折れ等が防止されることを見いだし本発明
に到達した。すなわち、上記特定の水溶性高分子化合物
の溶融温度が低いため、貫通孔の穿設、例えばドリルや
錐等による切削時の発熱により上記水溶性高分子化合物
が直ちに融解して除熱および潤滑効果を示し、切削面で
の荒れの発生が防止される。また、貫通孔の穿設後に、
切削面を研磨処理する必要がなくなり工程の簡略化が図
れる。特に、本発明の孔あけ加工法の効果は、直径が
0.5mm以下の非常に小さな貫通孔の穿設時に顕著で
ある。一般的に、貫通孔の直径が小さい場合は、ドリル
ビットや錐の直径も小さくなり、積層基板に貫通孔を穿
設する際に発生する摩擦熱により折れてしまうため、積
層基板を一度に1〜2枚程度しか重ねることができな
い。しかし、本発明によれば、積層基板を3〜4枚重ね
て孔あけ加工を行うことが可能となり生産効率が向上す
る。
れが少ないため、切削後に銅メッキ処理を行った場合、
ハロー現象の発生が著しく小さくなる特徴がある。多層
板の場合は、内層銅板にハロー現象が発生すると、経日
と共にハロー現象発生面で銅腐食が生起し、時には銅製
回路が断線する現象が生じる。したがって、ハロー現象
の発生を極力抑制する工夫が要求されている。上記ハロ
ー現象は、孔あけ切削時の切削面の荒れにより、内層銅
板にメッキ液が浸透し、メッキ処理後の水洗工程でメッ
キ液を取り除くことが不可能なため、このメッキ液によ
る銅腐食が発生する。また、メッキ前処理で、還元剤を
用いてメッキ液の酸化を防止する方法もあるが、この場
合は、工程中に還元処理工程を組み入れる必要があり、
加工工程が増え煩雑となる。本発明では、このような処
理工程を増やすことなくハロー現象の発生を防止するこ
とが可能となりより効果的である。
板は、金属箔と電気絶縁体とが積層され一体化した種々
のプリント配線板用基材であり、例えば金属箔張積層
板,内層にプリント配線回路を有する多層積層板,内層
にプリント配線回路を有する金属箔張積層板,金属箔張
プラスチックフィルム等があげられる。
殊な高分子シートが用いられる。
子シートは、上記特殊な高分子層のみからなる高分子化
合物製単独シート、もしくはシート基材の基材面に特殊
な高分子層が形成されたシートである。
(1)で表される繰り返し単位から構成される水溶性高
分子化合物を主成分とする高分子層形成材料によって形
成される。なお、上記「主成分とする」とは主成分のみ
からなる場合も含める趣旨である。
ル基,エチル基,フェニル基が好ましい。また、上記水
溶性高分子化合物の重量平均分子量は10000以上に
設定することが好ましく、より好ましくは3万〜20万
であり、特に好ましくは8万〜16万である。そして、
上記一般式(1)で表される繰り返し単位から構成され
る水溶性高分子化合物は、例えば下記に示す二成分、
(A)および(B)を用いて得られる。
に、エチレンオキシドを主成分とするアルキレンオキシ
ドを付加重合させてなるポリオキシアルキレンポリオー
ル。 (B)多価カルボン酸類化合物およびジイソシアネート
化合物の少なくとも一方。
化合物としては、エチレングリコール、ジエチレングリ
コール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールA、ポリ
テトラメチレングリコール、シクロヘキサン−1,4−
ジメタノール等の脂環式ジオール、ブチルアミン、オク
チルアミン、ラウリルアミン、シクロヘキシルアミン、
アニリン等のアミン類があげられる。これらは単独でも
しくは併せて用いられる。
チレンオキシドを主体とするアルキレンオキシドとして
は、エチレンオキシド単独、あるいはエチレンオキシド
を主成分とし、これにプロピレンオキシド,ブチレンオ
キシド,スチレンオキシド,α−オレフィンエポキシ
ド,グリシジルエーテル類等を混合した混合物があげら
れる。なお、上記エチレンオキシドの含有量は、70重
量%(以下「%」と略す)以上に設定することが好まし
い。
て、例えば、水酸化ナトリウム,水酸化カリウム等の苛
性アルカリを触媒として、約90〜200℃の温度で2
〜30時間反応させて、活性水素基を2個有する有機化
合物にエチレンオキシドを含有するアルキレンオキシド
をブロックまたはランダムで付加重合させることにより
得られる。
オキシアルキレンポリオールは、重量平均分子量100
0以上が好ましく、特に好ましくは5000〜3000
0である。すなわち、重量平均分子量が1000未満で
は、対応する上記(B)の多価カルボン酸類化合物,ジ
イソシアネート化合物の連結剤の添加割合が多くなるた
め水可溶性が劣化する傾向がみられるからである。ま
た、重量平均分子量が5000〜30000では、
(B)の連結剤で反応させることにより得られる水溶性
高分子化合物の融点が適度に高くなり、かつフィルム成
形性が良好となり好ましい。
価カルボン酸類化合物としては、多価カルボン酸,多価
カルボン酸無水物,多価カルボン酸の低級アルキルエス
テルがあげられる。上記多価カルボン酸としては、フタ
ル酸,イソフタル酸,テレフタル酸,マロン酸,コハク
酸,セバシン酸,マレイン酸,フマル酸,アジピン酸,
イタコン酸等のジカルボン酸、ピロメリット酸等のテト
ラカルボン酸があげられ、多価カルボン酸無水物として
は、上記各種多価カルボン酸の無水物があげられる。ま
た、上記多価カルボン酸の低級アルキルエステルとして
は、上記各種多価カルボン酸のメチルエステル,ジエチ
ルエステル等があげられる。これらは単独でもしくは併
せて用いられる。
物としては、具体的には、トリレンジイソシアネート、
ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジ
イソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシレ
ンジイソシアネート、4,4−メチレン−ビス(シクロ
ヘキシールイソシアネート)等があげられる。
上記(A)と(B)とを用い、つぎのように反応させて
得られる。まず、(B)が多価カルボン酸類化合物の場
合について述べる。すなわち、上記(A)を準備し、こ
れに上記(B)を添加した後、昇温させ、80〜250
℃の加熱下において0.001〜20mmHgの減圧に
して脱水または脱アルコールを行うことにより得られ
る。この間の反応時間としては、通常、30分〜10時
間である。
る際の両者の配合割合(A/B)は、当量比で、A/B
=1/0.90〜1/3.50の範囲に設定することが
好ましく、より好ましくはA/B=1/0.95〜1/
3.50の範囲である。
合物の場合について述べる。すなわち、ジイソシアネー
ト化合物の場合におけるウレタン化反応は、例えばポリ
オキシアルキレンポリオールとジイソシアネート化合物
とを、NCO/OH当量比を0.5〜1.5の範囲内で
混合させて、80〜150℃,1〜5時間反応させるこ
とにより行われる。
物の重量平均分子量は、前述のように、10000以上
に設定することが好ましく、より好ましくは3万〜20
万であり、特に好ましくは8万〜16万である。すなわ
ち、重量平均分子量が10000未満では機械強度が低
く、また二次加工性に劣る傾向がみられ、逆に20万を
超えると、樹脂の溶融状態の流れ特性が悪くなり、メル
トフラクチャー現象が発生し、押出成形が不可能となる
からである。
応じて、潤滑性を一層向上させるために、ポリエチレン
グリコール,非イオン界面活性剤等の水溶性潤滑剤、水
溶性の防錆剤等を適宜に配合してもよい。
のではないが金属薄板が好ましい。なかでも、アルミニ
ウム,亜鉛,鉄等の薄板が用いられる。そして、シート
基材の厚みは、通常、100〜500μmに設定され
る。
ぎの二通りの方法により製造される。まず、上記高分子
シートが、上記特定の水溶性高分子化合物を主成分とす
る単独フィルムもしくは単独のシートのみからなる場合
について述べる。すなわち、上記特定の水溶性高分子化
合物を主成分とする形成材料を用い、通常の方法、例え
ば溶液流延法、Tダイやインフレーションでの溶融押出
法、またはカレンダ法により製造される。つぎに、上記
高分子シートが、シート基材面に特定の水溶性高分子化
合物を主成分とする形成材料からなる高分子層が形成さ
れた複数層シートの場合について述べる。すなわち、上
記特定の水溶性高分子化合物を主成分とする形成材料を
溶融押出してフィルムを作製し、この特殊フィルムと、
シート基材とを熱圧着により積層し一体化することによ
り製造される。もしくは、特定の水溶性高分子化合物を
水あるいは有機溶媒に溶解して、この溶液を上記シート
基材面に薄膜コーティングし、その後40〜50℃の温
度で溶媒を完全に除去すること等により製造される。こ
の場合、シート基材の片面もしくは両面に薄膜コーティ
ングし、特殊な高分子層が形成される。
が特定の水溶性高分子化合物を主成分とする高分子層の
みからなる単層から構成される場合は、高分子層の厚み
は、50〜500μmの範囲に設定することが好まし
い。また、本発明の高分子シートが、特定の水溶性高分
子化合物を主成分とする高分子層とシート基材とからな
る複数層の場合は、上記高分子層の厚みは、上記範囲に
設定することが好ましく、高分子シート全体の厚みは、
特に限定するものではないが、厚み50〜500μmの
範囲となるよう設定することが好ましい。
は、上記高分子シートを用い例えばつぎのようにして行
われる。すなわち、まず絶縁基板に金属箔が積層された
積層基板を準備する。一方、上記特殊な高分子シートを
作製し、準備する。そして、上記積層基板の片面もしく
は両面に上記高分子シートを配置し、この高分子シート
を介して積層基板に所定の位置および大きさに、ドリル
および錐等によりスルーホール(貫通孔)を穿設する。
このようにして孔あけ加工が行われる。
は、積層基板の両面にそれぞれ配設することが好ましい
が、積層基板の片面に配置する場合は、ドリルビットお
よび錐側となるように配置することが好ましい。さら
に、高分子シートがシート基材と高分子層の複数層から
なる場合、特殊な高分子層面を積層基板と対峙させるよ
うに配置することが好ましい。
通孔を穿設する際に、上記積層基板面に特殊な水溶性高
分子化合物を主成分とする高分子シートを配設して、孔
あけ加工を行うものである。このため、貫通孔穿設時の
ドリル等の回転により発生する摩擦熱により上記高分子
シートが溶融して切り屑を取り込み、切削面の荒れを防
止するとともに、溶融した高分子化合物が潤滑剤の役割
を示して、摩擦熱による温度の上昇およびドリルビット
の折れ等を防止することができる。また、孔あけ加工後
に、切削面を研磨処理する必要がなくなり工程の簡略化
が図れる。特に、本発明の孔あけ加工法は、直径が0.
5mm以下の小さな貫通孔の形成加工に適している。し
たがって、通常、基板の孔あけ加工の際には、基板は、
一度に1〜2枚程度しか重ねることができないが、本発
明によれば、配線基板を3〜4枚重ねて孔あけ加工を行
うことが可能となり生産効率の向上が実現する。
特に切削面の荒れが少なく、切削後に銅メッキ処理を行
った場合、ハロー現象の発生を著しく小さくすることが
可能となる。すなわち、多層板の場合、内層銅板にハロ
ー現象が発生すると、経日と共にハロー現象発生面で銅
腐食が生起し、時には銅製回路が断線する現象が生じる
場合があり、ハロー現象発生の防止が要望されている。
上記ハロー現象は、孔あけ切削時の切削面の荒れによ
り、内層銅板にメッキ液が浸透し、メッキ処理後の水洗
工程でメッキ液を取り除くことが不可能なため、このメ
ッキ液により銅腐食が発生する。また、メッキ前処理
で、還元剤を用いてメッキ液の酸化を防止する方法もあ
るが、この場合は、工程中に還元処理工程を組み入れな
ければならず、加工工程が増え煩雑となる。本発明で
は、このような処理工程を増やすことなくハロー現象の
発生を防止することが可能となり一層効果的である。
明する。
付加せしめて得られたポリエチレングリコール(重量平
均分子量10000)100重量部(以下「部」と略
す)に、ジメチルテレフタレート2.2部を配合した。
そして、通常のポリエステル化反応により重量平均分子
量13万、水溶液粘度250cps(30℃,B型粘度
計)の水溶性高分子化合物を得た〔前記一般式(1)で
表される繰り返し単位において、A,X,R2 は下記に
示すとおりである〕。
出機によりTダイ温度90℃の条件下でシート状に押し
出して、厚み100μmの水溶性高分子シートを製造し
た。
(重量平均分子量13万)を、水/メタノールの混合溶
媒〔混合割合=1:1(重量比)〕に溶解して濃度30
%の溶液を得た。この溶液を厚み100μmのアルミニ
ウム薄板表面に、ドクターブレード(津川精機製作所社
製,ドクターブレード装置DP−150)を用いてコー
ティングして厚み100μmの薄膜加工を行った。この
ようにして水溶性高分子薄膜が形成されたアルミニウム
薄板を製造した。
0)840部とジメチルセバシン酸23.2部を用いて
通常の重縮合反応を行い、10%水溶液粘度で600c
ps(30℃,B型粘度計)の水溶性高分子化合物(重
量平均分子量10万)を得た〔前記一般式(1)で表さ
れる繰り返し単位において、A,X,R2 は下記に示す
とおりである〕。
同様の方法に従って厚み200μmのフィルムを製造し
た。
0)20部に、エチレンオキシド180部を付加反応さ
せて重量平均分子量20000のポリアルキレングリコ
ールを得た。ついで、このポリアルキレングリコール2
00部とジメチルテレフタル酸1.94部を用いた重縮
合反応を行い、重量平均分子量14万,10%水溶液粘
度260cps(30℃,B型粘度計)の水溶性高分子
化合物を得た〔前記一般式(1)で表される繰り返し単
位において、A,X,R2 は下記に示すとおりであ
る〕。
同様の方法に従って厚み200μmのシートを製造し
た。
%,プロピレンオキシド15%からなるアルキレンオキ
シドをブロック付加重合させて得られたポリアルキレン
オキシド化合物(重量平均分子量20000)100部
に、ヘキサメチレンジイソシアネート0.84部と、少
量のジブチルチンジラウレートを添加し、100℃でウ
レタン化反応させて重量平均分子量250万,2%水溶
液粘度2000cps(30℃,B型粘度計),溶融粘
度58℃の水溶性高分子化合物を得た〔前記一般式
(1)で表される繰り返し単位において、A,X,R2
は下記に示すとおりである〕。
/OH当量比は1とした。ついで、上記水溶性高分子化
合物を用い実施例1と同様の方法に従って厚み100μ
mのシートを製造した。
10万)50部と、ポリオキシエチレンソルビタンモノ
ステアレート50部からなる水溶性シート(厚み100
μm)を準備した。
した。
6層基板(両面銅張り,銅厚み35μm)を準備し、上
記のようにして得られたシート,フィルムおよびアルミ
ニウム薄板を用いて、ドリルによる孔あけ加工を下記に
示す条件下で行った。そして、ドリルの針4000ビッ
ト使用後にドリル孔あけを行い、その切削面を目視によ
り評価した。その結果を後記の表1に示す。なお、表1
中の評価は下記に示す4段階により表示した。
ミニウム薄板/シートもしくはフィルム/一枚目のガラ
スエポキシ6層基板(1)/二枚目のガラスエポキシ6
層基板(2)/三枚目のガラスエポキシ6層基板(3)
/紙フェノール積層板
ラスエポキシ6層板とも切り屑が全く確認されず、ドリ
ル孔あけ時の発熱により本発明の高分子シート(フィル
ム)が融解してこれに捕捉されたことがわかる。これに
対して比較例1は3枚のガラスエポキシ6層板とも切り
屑が多く見られ、切削面が荒れていた。さらに、比較例
2も切り屑が見られ、貫通孔中やその周囲に切り屑が付
着していた。
板の内層銅面の荒れ状態を目視により観察し評価した。
その結果を後記の表2に示す。なお、表2中の評価は下
記に示す4段階により表示した。すなわち、まず、測定
対象の多層積層板の内層銅面を露出させるために、上層
の銅板,エポキシ樹脂層等をグラインダーを用いて研磨
し、各層を削り落として、銅面が見えるまで研磨を行っ
た。そして、銅面が見えた時点で、その部分を顕微鏡に
より拡大写真を撮った。この拡大写真から、貫通孔を中
心に銅面の荒れ面状態を目視により判定した。なお、実
施例および比較例とも、ドリル側より3枚目の6層基板
の第2内層銅面を露出させ、顕微鏡写真を撮り、その銅
面の荒れ状態を評価した。
果についても、実施例1〜5ではハロー現象が全く見ら
れずその発生が防止されていることがわかる。これに対
して、比較例1では部分的にハロー現象が発生してお
り、比較例2ではハロー現象がはっきりと確認された。
Claims (8)
- 【請求項1】 絶縁体に金属箔が接着・積層された積層
基板を準備する工程と、下記の一般式(1)で表される
繰り返し単位から構成される水溶性高分子化合物を主成
分とする高分子シートを準備する工程を備え、上記積層
基板の基板面に上記シートを配設し、積層基板の基板に
上記シートを介して貫通孔を穿設することを特徴とする
積層基板の孔あけ加工法。 【化1】 - 【請求項2】 高分子シートが、上記水溶性高分子化合
物を主成分とする化合物のみからなるシート、またはシ
ート基材の基材面に上記水溶性高分子化合物を主成分と
する高分子層が形成されたシートである請求項1記載の
積層基板の孔あけ加工法。 - 【請求項3】 水溶性高分子化合物の重量平均分子量が
10000以上である請求項1または2記載の積層基板
の孔あけ加工法。 - 【請求項4】 水溶性高分子化合物が、下記の(A)お
よび(B)を反応させてなる重量平均分子量10000
以上のものである請求項1または2記載の積層基板の孔
あけ加工法。 (A)活性水素基を2個有する有機化合物にエチレンオ
キシドを主体とするアルキレンオキシドを付加重合させ
てなるポリアルキレンオキシド化合物。 (B)多価カルボン酸類化合物およびジイソシアネート
化合物の少なくとも一方。 - 【請求項5】 下記の一般式(1)で表される繰り返し
単位から構成される水溶性高分子化合物を主成分とする
積層基板の孔あけ加工用高分子シート。 【化2】 - 【請求項6】 高分子シートが、上記水溶性高分子化合
物を主成分とする化合物のみからなるシート、またはシ
ート基材の基材面に上記水溶性高分子化合物を主成分と
する高分子層が形成されたシートである請求項5記載の
積層基板の孔あけ加工用高分子シート。 - 【請求項7】 水溶性高分子化合物の重量平均分子量が
10000以上である請求項5または6記載の積層基板
の孔あけ加工用高分子シート。 - 【請求項8】 水溶性高分子化合物が、下記の(A)お
よび(B)を反応させてなる重量平均分子量10000
以上のものである請求項5または6記載の積層基板の孔
あけ加工用高分子シート。 (A)活性水素基を2個有する有機化合物にエチレンオ
キシドを主体とするアルキレンオキシドを付加重合させ
てなるポリアルキレンオキシド化合物。 (B)多価カルボン酸類化合物およびジイソシアネート
化合物の少なくとも一方。
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JP19472593 | 1993-08-05 | ||
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