JP3023242U - 浮上切りくずの磁気吸着装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】磁性体のスラッジ状切りくずを含有するクーラ
ント液面に泡と共に浮上し累積する微細スラッジの排除
を行って，クーラントの使用寿命を延長し，加工母機の
加工効果を向上させる。 【構成】密閉出来る偏平な非磁性体の円筒容器の吸着本
体２内に，ドーナツ状の磁石群７を容易に挿入出できる
状態で水平に嵌入した磁気吸着装置１の底部，又は周囲
に浮子を設けて，クーラントの液面の上下変動に呼応し
て該液面に一定の浸漬浮上状態を保持させ，吸着本体２
の外週の液面付近に浮遊微細スラッジを吸着させ，充分
吸着した所で磁気吸着装置１を液面から引上げ，ドーナ
ツ状の磁石群７を抜き出して吸着を解除し，スラッジを
脱落させ廃棄した後，タンク液面の浮上状態に復元させ
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案の浮上切りくずの磁気吸着装置は，加工母機に循環使用する磁性体のス ラッジ状切りくずを含有するクーラントの該タンク液面に使用するに当たり，該 液面に泡と共に浮上，浮遊する磁性体の微細スラッジを吸着し，該スラッジが容 易に排除できるので，該クーラントの汚損による劣化を抑制して使用寿命を延長 し，同時に加工母機の該クーラントに関する加工上のトラブルを未然に防止でき るようになった。

【０００２】

【従来の技術】

従来の研削盤，又はその他一般加工機械用に循環使用するクーラントから微細 スラッジ状切りくずを除去する装置としては図３にその一例を示すように，クー ラントタンク３１にマグネチックセパレータ３２，またはペーパーフイルタ装置 （図示なし）等が備えられていた。前者は磁性体のスラッジの粒径が５０μｍ以 下のスラッジの吸着が難しく，これが泡と共に浮遊して次第にタンク内を汚損し 腐敗，悪臭発生の原因となっており，又後者ではペーパーフイルタのメッシュの 細粗で目詰りによる更新のピッチが大いに左右され，該ペーパーフイルタの消費 量と該クーラントの清浄化度との関係に苦慮する問題等があった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記問題に鑑み，該クーラントタンク液面上の泡と共に浮遊する磁性体の微細 スラッジを吸着し，容易にこれを排除して，加工母機に循環使用するクーラント の使用寿命を延長する装置の提供が要望されていた。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は，上述した問題を解決するために成されたもので，研削盤用，又はそ の他一般加工機械用の磁性体のスラッジ状切りくずを含有するクーラント内の， 該スラッジの除去処理を行った後も，尚該クーラントのタンク液面に泡と共に浮 上し累積する微細スラッジに対し，密閉できる偏平な非磁性体の円筒容器内に， ドーナツ状の磁石群を容易に挿入出できる状態で水平に嵌入した磁気吸着体が， 該クーラントの液面の上下変動に呼応して該液面に一定の浮上状態が保持できる ように，該磁気吸着体に，又は周囲に複数個の浮子を配置した構成から成ること を特徴とする浮上切りくずの磁気吸着装置である。

【０００５】

【作 用】

本考案の浮上切りくずの磁気吸着装置は，磁性体のスラッジ状切りくずを含有 するクーラントの，該スラッジの除去処理を行った後も，尚該クーラントタンク 液面に泡と共に浮上し累積する微細スラッジの排除に対し，該クーラントの液面 の上下変動に呼応して，一定の浸漬浮上状態を保持する磁気吸着体で，偏平な円 筒形の非磁性容器内に磁石を嵌入し，且つ該磁石が容易に挿入出できる状態とな っているので，該浮上の微細スラッジを該磁気吸着体の外周面に充分吸着させた 状態で引上げ該磁石を抜き出し，吸着を解除して該スラッジを脱落させ，要すれ ば掻き落とし廃棄した後，該磁石を該容器内に挿入し蓋をして密閉した後，該タ ンク液面に一定の浸漬浮上状態に復元させる。

【０００６】

【実施例】

本考案の浮上切りくずの磁気吸着装置を，磁性体のスラッジ状切りくずを含有 している工作機械のクーラントタンクに使用した実施例を図１，図２に基づいて 説明する。 磁気吸着装置１は，プラスチック等の軽量で非磁性体の偏平な円筒形の上蓋３ が開閉できる密閉容器の吸着本体２で成形され，これの内側がステンレスハウジ ング６で補強され，その内部にリング状のヨーク４を基盤とし，これにリング状 磁石５，又は複数個の円弧状の磁石（図示なし）を取り付けたドーナツ状の磁石 群７がステンレスハウジング６の内側に嵌入し，容易に挿入出できる状態に収ま っている。吸着本体２の底面には，発泡スチロール製，又はステンレス薄板製の 浮子８が取り付けられ，磁気吸着装置１を該クーラントの液面の上下変動に呼応 して該液面に一定の浸漬浮上状態に保持している。又該浮子は他の１例として図 ２に示すように，複数個のボール状浮子９を吸着本体２から放射状アーム１０で 支持したものでも良い，尚磁気吸着装置１をクーラントタンク１１内の所定位置 に係留する手段として，複数本の鎖１２等を設ける。

【０００７】 このような構造の磁気吸着装置１を，浮上切りくずが浮遊しているクーラント タンク１１内の母機からのシュートによる流入口，又はポンプによる撹乱等の乱 流箇所を避けた出来るだけ流れの静止箇所に鎖１２で係留し，所定の浸漬浮上状 態を保持させる。すると該浮上スラッジ状切りくずが吸着本体２の外周の液面付 近に吸着し，これが充分に吸着した状態で引上げ，上蓋３を外しドーナツ状の磁 石群７を抜き出すと吸引か解除され，該吸着スラッジ１３が吸着本体２から脱落 し，要すれば掻き落とし廃棄する。そしてドーナツ状の磁石群７を元のステンレ スハウジング６内に挿入して上蓋３を締め該液面の浸漬浮上状態に復元させる。 尚ドーナツ状の磁石群７を希士類磁石に置き換えれば，該装置を一層小型軽量化 することもできる。

【０００８】

【考案の効果】

本考案の浮上切りくずの磁気吸着装置を，研削盤用，又はその他一般加工機械 用の磁性体のスラッジ状切りくずを含有するクーラントの清浄化に使用すれば， 該タンク液面に泡と共に浮上し累積する微細スラッジが容易に排除でき，該微細 スラッジによる該クーラントの汚損，そして腐敗による悪臭の発生を防止し，従 って該クーラントの劣化を抑制してこれの使用寿命を延長し，同時に加工母機の 該クーラントに関する加工上のトラブル防止，又加工精度の向上にも大いに貢献 するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の浮上切りくずの磁気吸着装置を示す縦
断面図

【図２】本考案の浮上切りくずの磁気吸着装置をクーラ
ントタンクに備えた一例を示す斜視図

【図３】従来のマグネチックセパレータをクーラントタ
ンクに備えた一例を示す斜視図

【符号】

１・・・磁気吸着装置 １０・・・放
射状アーム ２・・・吸着本体 １１・・・ク
ーラントタンク ３・・・上蓋 １２・・・鎖 ４・・・ヨーク １３・・・吸
着スラッジ ５・・・リング状磁石 １４・・・ク
ーラントポンプ ６・・・ステンレスハウジング ３１・・・従
来のクーラントタンク ７・・・ドーナツ状の磁石群 ３２・・・マ
グネチックセパレータ ８・・・浮子 ３３・・・従
来のクーラントポンプ ９・・・ボール状浮子

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【手続補正書】

【提出日】平成７年１０月２０日

【手続補正１】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】全図

【補正方法】変更

【補正内容】

【図１】

【図２】

【図３】

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】研削盤用，又はその他一般加工機械用の磁
   性体のスラッジ状切りくずを含有するクーラント内の，
   該スラッジの除去処理を行った後も，尚該クーラントの
   タンク液面に泡と共に浮上し累積する微細スラッジの排
   除に対し，密閉できる偏平な非磁性体の円筒容器内に，
   ドーナツ状の磁石群を容易に挿入出できる状態で水平に
   嵌入した磁気吸着体が，該クーラントの液面の上下変動
   に呼応して該液面に一定の浮上状態が保持できるよう
   に，該磁気吸着体に，又は周囲に複数個の浮子を配置し
   た構成から成る浮上切りくずの磁気吸着装置。