JP3022723U - バネ式ブリッジを備えた眼鏡フレーム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 眼鏡フロント枠自体の弾性作用が耳掛テンプ
ルの側頭部保持力をソフトな感触の良い状態に補正して
顔面形状に倣って屈曲変形するフィッティング性に優れ
た眼鏡フレームを提供すること。 【構成】 一対のリムＲ・Ｒを左右対称に連結するブリ
ッジ１を、片方のリムＲに接合され、先端部にカム面11
ｂを有する駒部11ａが形成された第一連結部品11と；他
方のリムＲに接合され、先端部に相方駒部12ａが形成さ
れていると共にこの相方駒部12ａの奥部に挿入盲孔12ｂ
が穿設された第二連結部品12と；この挿入盲孔12ｂへ挿
入したバネ14によりスライダー15を駒部11ａ方向へ付勢
した状態で該駒部11ａと相方駒部12ａとをヒンジ連結す
るヒンジ螺子13と；から構成した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、バネ式ブリッジを備えた眼鏡フレーム、更に詳しくは、顔部に装着 したときに、フロント枠自体の弾性作用がテンプルの側頭部保持力をソフトな感 触の良い状態に補正しながら顔面形状に倣わせて屈曲せしめるフィッティング性 に優れた眼鏡フレームに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

眼鏡を適正に使用するには、眼鏡フレームが多少の振動で簡単にズレたりする ことなく使用者の顔面に無理なく確実にフィットしていることが肝要である。 そのため従来では、フロント枠と耳掛テンプルとを折り畳み自在にヒンジ連結す る丁番部分に、テンプルを通常に開いた位置から更に外側へ弾性的に拡開可能に 構成したバネ式丁番機構を採用したり、あるいは耳掛テンプル自体を弾性材料で 形成することが行なわれていた。

【０００３】 しかし、これらは丁番や耳掛テンプルを普通に開いた状態から更に外側に拡げ 弾性変形させたときに初めて生ずる弾性力を利用することにより側頭部を適度に 締めつけて確実なる眼鏡装着を図るものであり、眼鏡フロント枠そのものは、殆 ど変形せずに略一直線状のままであった。したがって、この従来の眼鏡を、鼻等 の顔面中央部が大きく突き出た欧米人風の顔型の人に装着した場合には特に、顔 面と眼鏡の丁番部分との隙間が大きくなり、確実装着のためには上述のテンプル 等の弾性保持力をその分大きくしなければならず、その結果、この保持力が側頭 部に不快感を与えて眼鏡の掛け心地を損なうことになった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、従来の眼鏡フレームに上記の如き難点があったことに鑑みて為され たものであり、フロント枠自体の弾性作用がテンプルの側頭部保持力をソフトな 感触の良い状態に補正して顔面形状に倣って屈曲変形せしめ得るフィッティング 性に優れた眼鏡フレームを提供することを技術的課題とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記技術的課題を解決するために、一対のリムＲ・Ｒがブリッジ１ により左右対称に連結されて成るフロント枠Ｆを備えた眼鏡フレームであって、 顔部に装着されていないときには、前記フロント枠Ｆが回動可能に構成されたブ リッジ１部分において顔面側へ内曲した状態を維持し、 顔部に装着するときにフロント枠Ｆをこの内側屈曲状態から弾性的に拡開させる ように構成されているという技術的手段を採用した。

【０００６】 また、本考案は必要に応じて、一対のリムＲ・Ｒがブリッジ１により左右対称 に連結されて成るフロント枠Ｆを備えた眼鏡フレームであって、 このブリッジ１は、 片方のリムＲに接合され、先端部にカム面11ｂを有する駒部11ａが形成された 第一連結部品11と； 他方のリムＲに接合され、先端部に前記駒部11ａに対応する相方駒部12ａが形 成されていると共にこの相方駒部12ａ奥部から長手方向に沿って挿入盲孔12ｂ が穿設された第二連結部品12と； この第二連結部品12の挿入盲孔12ｂへ挿入したバネ14によってスライダー15を 駒部11ａ方向へ付勢した状態で、当該駒部11ａと相方駒部12ａとをヒンジ連結 するヒンジ螺子13と；を包含しており、 顔部に装着されていないときには、前記駒部11ａ方向へ付勢されたスライダー15 がカム面11ｂ位置で安定することにより前記フロント枠Ｆがブリッジ１部分にお いて顔面側へ内曲した状態を維持し、 顔部に装着するときにフロント枠Ｆをこの内側屈曲状態から弾性的に拡開させる ように構成されているという技術的手段を採用した。

【０００７】

【考案の実施の形態】

以下、本考案を添付図面に示す実施形態に基づいて詳しく説明する。尚、図１ は本実施形態のバネ式ブリッジを備えた眼鏡フレームが内側屈曲した自由状態（ 実線）と同眼鏡フレームが弾性拡開した状態（一点鎖線）とを示す概略平面図、 図２は同眼鏡フレームのブリッジ１を示す部分拡大斜視図、図３は同ブリッジ１ を分解した状態を示す部分拡大斜視図、図４は同ブリッジ１の内側屈曲状態を示 す部分拡大断面図、図５は同ブリッジ１の弾性拡開状態を示す部分拡大断面図で ある。

【０００８】 図１中符号Ｆで指示するものが本実施形態の眼鏡フレームの特徴であるところ の頭部保持力を発揮しながら内側屈曲するフロント枠である。このフロント枠Ｆ は、レンズ（図示しない）を抱持する一対のリムＲ・Ｒと、これら一対のリムＲ ・Ｒを左右対称に連結するブリッジ１とから構成されており、顔部に装着されて いないときには、このフロント枠Ｆはブリッジ１部分において内側（顔面側）へ 屈曲した状態を維持するように構成されており（図１中の実線参照）、そして顔 部に装着する際には、この内側屈曲状態のフロント枠Ｆを外側に拡げて弾性的に 拡開できるように構成されている（図１中の一点鎖線参照）。

【０００９】 図１中符号Ｅで指示するものはこのフロント枠Ｆの両端部にロウ付接合された エンドピース、符号Ｔで指示するものは各エンドピースＥ・Ｅの端部に丁番Ｈを 介してヒンジ連結された耳掛テンプル、符号Ｎで指示するものは前記リムＲ・Ｒ の対向内側にロウ付接合された鼻当パッドである。

【００１０】 前記フロント枠Ｆを構成するブリッジ１は、図２および図３に示すように、主 として一対のリムＲ・Ｒのうちの片方のリムＲにロウ付接合された第一連結部品 11と；他方のリムＲにロウ付接合された第二連結部品12と；これらの連結部品11 ・12をヒンジ連結するヒンジ螺子13と；から構成されている。

【００１１】 この第一連結部品11の先端部には、所定位置にカム面11ｂを有する駒部11ａが 形成されており、他方、第二連結部品12には、その先端部に前記駒部11ａに対応 する相方駒部12ａが形成されていると共にこの相方駒部12ａの奥部には長手方向 に沿って挿入盲孔12ｂが穿設されている。そして、この第二連結部品12の挿入盲 孔12ｂ内に挿入されるコイルバネ14の圧縮弾性を利用してビス型スライダー15を 前記駒部11ａ方向へ付勢した状態で、該駒部11ａと相方駒部12ａとがヒンジ螺子 13にてヒンジ連結されるのである。

【００１２】 かかるヒンジ連結状態においては、スライダー15は常に圧縮コイルバネ14によ り駒部11ａ方向へ付勢されることになるので、ヒンジ回動動作に伴って駒部11ａ 先端面上を摺動移動するスライダー15が、駒部11ａ先端面の所定位置に形成され た平面状カム面11ｂに当接すれば、其処でスライダー15が弾性的に安定すること になる（図４参照）。なぜならば、ヒンジ軸中心と駒部11ａ先端面との距離が、 このカム面11ｂにおいて最小になっているからである。

【００１３】 しかして、このブリッジ１は、外力が加わらない自然状態においては、カム面 11ｂの形成位置で決定される角度（本実施形態では約15°）を保って屈曲状態を 維持することになる。したがって、本実施形態の眼鏡フレームが顔部に装着され ていないときには、フロント枠Ｆはブリッジ１において顔面側へ内側屈曲した状 態を維持することになり（図４、及び図１中の実線参照）、そして、眼鏡フレー ムを顔部に装着するときには、この内側屈曲状態にあるフロント枠Ｆを外側に拡 げて弾性的に拡開させるのである（図５、及び図１中の一点鎖線参照）。なお、 このフロント枠Ｆの外側拡開は、図５に示す如く前記スライダー15の端部が挿入 盲孔12ｂの底部12ｃに衝合することによって所定角度内に規制されており、フロ ント枠Ｆが外折れしないように構成されている。

【００１４】 以上の構成により、本実施形態の眼鏡フレームを顔部に装着した状態において は、コイルバネ14の弾性力にてフロント枠Ｆ自体がそのブリッジ１部分において テンプルＴ・Ｔとの弾性バランスを発揮して、テンプルＴ・Ｔをしてソフトな側 頭部保持力を奏さしめる一方、当該フロント枠Ｆは顔面形状に倣って屈曲するこ とになり、たとえ顔面の起伏の大きな人にも素直に顔面フィットし、且つ、専ら 耳掛テンプルの弾性のみを利用していた従来品のように側頭部に大きな力が集中 して圧迫感や不快感を与えるといった心配もないのである。

【００１５】 なお、本実施形態の眼鏡フレームにおいては、図１に示すように、鼻当パッド Ｎ・ＮをもリムＲ・Ｒの対向内側部分に設けるようにしているので、ブリッジ１ による弾性保持力は鼻当パッドＮ・Ｎにも作用することになり、眼鏡を装着した とき、この鼻当パッドＮ・Ｎが鼻梁を弾性的に挟み保持することになる。このこ とによって、より確実な眼鏡装着が可能になると共に、ブリッジ１の弾性保持力 の分散を更に進めることが可能になり掛け心地が一段と良くなる。

【００１６】 本考案の具体例である実施形態は概ね上記のように構成されているが、本考案 は上記実施形態に限定されるものではなく『実用新案登録請求の範囲』の記載内 において種々の変更が可能であり、例えば、上記実施形態においては、コイルバ ネ14にてビス型スライダー15を駒部11ａ方向へ付勢するようにしているが、これ に限定されるものではなく、ビス型スライダー15の代わりに鋼球を採用したり、 また、コイルバネ14の代わりに板バネ等を採用するようにしても勿論良い。

【００１７】

【本考案の効果】

以上、実施形態をもって説明したとおり、本考案に係るバネ式ブリッジを備え た眼鏡フレームにあっては、顔部に装着した際に、フロント枠自体が弾性的な側 頭部保持力を発揮しながら顔面形状に倣って屈曲変形するように構成されている ので、眼鏡フレーム全体が頭部を無理なく抱え込むように保持することになる。 従来品の如く、専ら丁番部品や耳掛テンプルの外側拡開による弾性力のみを利用 するのではなくフロント枠自体の弾性力を積極的に利用しているので、鼻部等の 顔面中央部が大きく突き出た顔面起伏の大きい欧米人風の顔型の人に対しても、 側頭部に不快感を与えることなく確実なる装着が可能になるのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施形態のバネ式ブリッジを備えた眼鏡フレ
ームが内側屈曲した自由状態（実線）と同眼鏡フレーム
が弾性拡開した状態（一点鎖線）を示す概略平面図であ
る。

【図２】同眼鏡フレームのブリッジ１を示す部分拡大斜
視図である。

【図３】同ブリッジ１を分解した状態を示す部分拡大斜
視図である。

【図４】同ブリッジ１の内側屈曲状態を示す部分拡大断
面図である。

【図５】同ブリッジ１の弾性拡開状態を示す部分拡大断
面図である。

【符号の説明】

１ ブリッジ 11 第一連結部品 11ａ 駒部 11ｂ カム面 12 第二連結部品 12ａ 相方駒部 12ｂ 挿入盲孔 13 ヒンジ螺子 14 バネ 15 スライダー Ｒ リム Ｆ フロント枠

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 一対のリムＲ・Ｒがブリッジ１により左
   右対称に連結されて成るフロント枠Ｆを備えた眼鏡フレ
   ームであって、顔部に装着されていないときには、前記
   フロント枠Ｆが回動可能に構成されたブリッジ１部分に
   おいて顔面側へ内曲した状態を維持し、顔部に装着する
   ときにフロント枠Ｆをこの内側屈曲状態から弾性的に拡
   開させるように構成されていることを特徴とするバネ式
   ブリッジを備えた眼鏡フレーム。
2. 【請求項２】 一対のリムＲ・Ｒがブリッジ１により左
   右対称に連結されて成るフロント枠Ｆを備えた眼鏡フレ
   ームであって、このブリッジ１は、 片方のリムＲに接合され、先端部にカム面11ｂを有する
   駒部11ａが形成された第一連結部品11と；他方のリムＲ
   に接合され、先端部に前記駒部11ａに対応する相方駒部
   12ａが形成されていると共にこの相方駒部12ａ奥部から
   長手方向に沿って挿入盲孔12ｂが穿設された第二連結部
   品12と；この第二連結部品12の挿入盲孔12ｂへ挿入した
   バネ14によってスライダー15を駒部11ａ方向へ付勢した
   状態で、当該駒部11ａと相方駒部12ａとをヒンジ連結す
   るヒンジ螺子13と；を包含しており、顔部に装着されて
   いないときには、前記駒部11ａ方向へ付勢されたスライ
   ダー15がカム面11ｂ位置で安定することにより前記フロ
   ント枠Ｆがブリッジ１部分において顔面側へ内曲した状
   態を維持し、顔部に装着するときにフロント枠Ｆをこの
   内側屈曲状態から弾性的に拡開させるように構成されて
   いることを特徴とするバネ式ブリッジを備えた眼鏡フレ
   ーム。