JP3021695B2 - 撥水撥油性凹版およびその製造方法 - Google Patents

撥水撥油性凹版およびその製造方法

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眞守 曽我
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  • Printing Plates And Materials Therefor (AREA)
  • Materials Applied To Surfaces To Minimize Adherence Of Mist Or Water (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は回路基板,液晶表示装
置,サーマルヘッド等のファインパターンの要求される
電子部品において、誘電体(絶縁体,磁性体)や電導体
(配線,抵抗体),カラーフィルター,レジストパター
ンの形成を凹版印刷によって行う際に使用する撥水撥油
性凹版およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、回路基板,液晶表示装置,サ
ーマルヘッド等の電子部品の製造においては微細な導電
パターンの形成技術が用いられており、近年、従来のフ
ォトレジストを用いた製造方法に比べ、生産性,コス
ト,大面積化等の面より、各種印刷方法を用いた微細パ
ターンの製造方法が提案されている。この中でも特に凹
版オフセット印刷技術が、従来のスクリーン印刷技術に
代わるものとして注目されている[日経エレクトロニク
ス別冊「フラットパネル・ディスプレイ'90」(19
89)掲載]。
【0003】上記凹版オフセット印刷の代表的な従来例
について、以下に図4(A),(B)を用いて説明す
る。図4(A)は、凹版を示す斜視図、図4(B)は凹
版にインキを充填する作業を示す断面図である。図4に
おいて、1は凹版、2は凹部パターン、3はインキ、4
はスキージ、5はインキ残りを示すものである。また矢
印はスキージ4の移動する方向を示し、スキージ4の移
動により凹部パターン2にインキ3を充填するものであ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の構成で実際に凹版オフセット印刷方法を用いて印刷し
てみると、印刷パターンのピッチ(線幅と線間幅の合
計)が数十μm以下と、ファインパターン化するほど、
オープンやショート等の不良発生率が増加し、印刷基板
の歩留まりが悪くなるという課題を有していた。このよ
うな課題に対し、オープン不良に対しては重ね刷り印刷
を行うことや、特開昭57−169357号公報に提案
されているような、各々異なる位置で受け取ったインキ
を同一箇所に転写することで凹版や転写用のブランケッ
トゴムの不良に起因するようなオープン不良の発生を低
減させる方法が考案されているが、量産性に乏しいとい
う問題点があった。
【0005】一方ショート不良の発生を低減する方法
は、ほとんど提案されておらず、実際に、サーマルヘッ
ドを凹版オフセット印刷方法を用いて作成した場合に
は、ショート不良の原因を分析すると、90%以上が凹
版表面のインキ残りであるというのが実態である。
【0006】今後、印刷パターンのピッチがファインパ
ターン化するほど、線間幅も短くなり、従来のピッチの
広い場合では問題にならなかったような、凹部パターン
2間の小さなインキ残り5でも、ショート不良になる
が増える。また、ピッチが狭くなることは、凹部パタ
ーン2の単位長さ当りの凹溝本数が増加することにつな
がり、結果的に、スキージ4が細かく振動(凹版1の凹
部パターン2に起因する凹凸でスキージ4がカチカチ鳴
ってしまう現象を意味し、場合によっては凹部パターン
2内のインキ3を物理的に飛ばしてしまうことさえあ
る)してしまい、従来のスキージ条件で問題なくスキー
ジできていた条件でも、パターンピッチが狭くなるだけ
で、インキ残りが発生しやすくなるという新たな課題も
併せ持っていた。
【0007】このような新たな課題である凹版表面のイ
ンキ残りの対策としては、凹版表面の平滑化、スキージ
(材質,硬度,研磨等)の最適条件を見出す研究が行わ
れてきたが、今日現在でこれらを満足する結果はまだ得
られていないのが実情である。
【0008】本発明は上記従来例の課題を解決し、撥水
撥油性に優れた凹版を提供することにより、スキージ後
の凹版表面のインキ残りを少なくし凹版オフセット印刷
を精度・歩留まり面で大きく改善した撥水撥油性凹版お
よびその製造方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明による撥水撥油性凹版およびその製造方法は
フッ素を含む化学吸着単分子膜を凹版表面に形成したも
のである。一般的に凹版は、ガラス,セラミック,また
は金属製であり、表面に水酸基を含んでおり、一端に
ロロシラン基(SiCln3-n基、n=1,2,3、Xは
官能基)を有する直鎖状炭素鎖を含む分子、例えばフッ
炭素基およびクロロシラン基を含むクロロシラン系活
性剤を混ぜた非水系溶媒に接触させて前記凹版表面の水
酸基と前記クロロシリル基を含む物質のクロロシリル基
を反応させて前記物質よりなる単分子膜を前記凹版表面
に析出させる、あるいはクロロシリル基を含む物質を混
ぜた非水系溶媒に接触させて前記凹版の水酸基と前記ク
ロロシリル基を含む物質のクロロシリル基を反応させて
前記物質を前記凹版表面に析出させる工程と、非水系有
機溶媒を用い前記凹版表面に残った余分なクロロシリル
を含む物質よりなるシロキサン系単分子膜を形成する
工程と、一端にクロロシラン基を有する直鎖状炭素鎖を
含むシラン系界面活性剤を凹版上に化学吸着し単分子吸
着膜を累積する工程とにより凹版表面にフッ素を含む化
学吸着単分子膜を形成するようにしたものである。
【0010】
【作用】このように構成される撥水撥油性凹版はきわめ
て薄いナノメータレベルの膜厚のフッ素を含む単分子膜
を凹版表面に形成するため、凹版の精度を損なうことが
ない。また、このフッ素を含む単分子膜は撥水撥油性に
優れるため、粘着性の非常に高いインキを用いて凹版印
刷する際においても、スキージを行った後の凹版表面の
インキ残りを少なくすることが可能となる。またスキー
ジと凹版との摩擦を少なくすることができ、スキージお
よび凹版の寿命を長くすることができる。従って、印刷
歩留まりの高い凹版を提供することができる。
【0011】
【実施例】(実施例1) 以下、本発明の一実施例による撥水撥油性凹版およびそ
の製造方法について図面を用いて説明する。図1は本発
明による凹版1を示す斜視図であり、上記凹版1はガラ
ス製の凹版1に半導体の露光に用いるガラス製クロムマ
スクをフッ酸系のエッチャントに浸漬し、部分的にエッ
チングすることで表面に凹版パターン2を設け、さらに
表面にフッ素を含む化学吸着単分子膜6を形成すること
により撥水撥油性処理をして構成されたものである。
【0012】図2は上記撥水撥油性処理を示すための断
面概念図であり、上記凹版1を、有機溶媒で洗浄した
後、フッ化炭素基およびクロロシラン基を含む物質を混
ぜた非水系の溶媒、例えば、 CF3(CF27(CH22SiCl3 を用い、1%程度の濃度で溶かした溶液[80%n−ヘ
キサデカン(トルエン,キシレン,ジシクロヘキシルで
もよい),10%四塩化炭素,8%クロロホルム]を調
整し、前記凹版1を2時間程度浸漬すると凹版1の膜に
は自然酸化膜が形成されているために、この酸化膜表面
には水酸基が多数含まれておりフッ化炭素基およびクロ
ロシラン基を含む物質のSiCl基と前記水酸基が反応
し脱塩素反応が生じ凹版1全面に亘り、
【0013】
【化1】
【0014】の結合が生成され、フッ素を含む化学吸着
単分子膜6が凹版1の表面と化学結合した状態でおよそ
15オングストロームの膜厚で形成することができた。
なお、フッ素を含む化学吸着単分子膜6はきわめて強固
に化学結合しているので全く剥離することがなかった。
また、凹版1の材質は、ガラス,セラミック以外の銅,
ニッケル,亜鉛等の金属の場合でも、表面は自然酸化膜
でおおわれているので当然水酸基が含まれており上述と
同様のフッ素を含む化学吸着単分子膜6を吸着時間を調
整するのみで同様の方法を用いて形成できた。
【0015】次に、この凹版1を用いて凹版オフセット
印刷を試みた。
【0016】先ず、従来の凹版として半導体の露光に用
いるガラス製クロムマスクを凹版としただけの何も表面
処理をしていない凹版(以下、未処理凹版と呼ぶ)と、
未処理凹版に上記本発明によるフッ素を含む化学吸着単
分子膜6を表面に形成することで作成した撥水撥油
版1(以下、処理凹版と呼ぶ)を用意した。
【0017】また、印刷機はコンピュータ制御のサーボ
モータで凹版および被印刷体を載せたステージを高精度
に動かすようになったものを用いた。被印刷体として
は、ファクシミリ用サーマルヘッドとして用いられるグ
レーズアルミナ基板(60×230mm,厚み0.8mm)
を、印刷用インキとしてはエッチングレジストインキお
よび金レジネートインキを用いた。印刷方法として、ま
ずグレーズアルミナ基板上にスクリーン印刷法を用い
て、ベタのパターンで金レジネートを印刷し、これを焼
成することで金の薄膜を形成したグレーズアルミナ基板
を作成した。次に、金薄膜の形成されたグレーズアルミ
ナ基板上に凹版オフセット印刷機を用いエッチングレジ
ストを印刷した後、金エッチャントを用いてグレーズア
ルミナ基板表面の金をエッチングした。なお、凹版には
未処理凹版と処理凹版を用い比較を行った。最後にエッ
チングレジストを除去し、ピッチ50ミクロンのA4サ
イズ用のサーマルヘッド用の金電極パターンを形成した
(以下、エッチング基板と呼ぶ)。
【0018】また、エッチングレジストインキの代わり
に金レジストインキを用い、凹版オフセット印刷法によ
りアルミナグレーズ基板の上に直接ピッチ50ミクロン
のA4サイズ用のサーマルヘッドの金電極パターンを印
刷した。なお、上記と同様に金属製凹版7には未処理凹
版と処理凹版を用い比較を行った。この金電極パターン
が印刷されたグレーズアルミナ基板を焼成し、前記エッ
チング基板と同様のものを得た(以下、直接印刷基板と
呼ぶ)。
【0019】以下に、エッチング基板および直接印刷基
板における印刷歩留まりを調べた。印刷歩留まりは、サ
ーマルヘッド用の10枚のサンプルの中で、1枚のサン
プル中で約20000ヶ所ある50ミクロンピッチの配
線部分におけるショートおよびオープン不良の発生数で
評価し、この評価結果を以下に示す。
【0020】 エッチング基板において 未処理凹版 ショート 85ヶ所 オープン 25ヶ所 処理凹版 ショート 8ヶ所 オープン 4ヶ所 直接印刷基板において、 未処理凹版 ショート 133ヶ所 オープン 38ヶ所 処理凹版 ショート 5ヶ所 オープン 4ヶ所 以上の結果より、エッチング基板および直接印刷基板に
おいて共通して処理凹版の方が未処理凹版よりもショー
トおよびオープンの発生が少ないことがわかる。未処理
凹版を用いて作成したサンプルのショートした場所を顕
微鏡で観察したところ、約90%が微細パターン部分の
線間に残ったインキが原因であることがわかった。ま
た、各サンプルのオープン原因を調べたところ、異物
(ゴミ)によるものがほとんどであった。さらに、未処
理凹版に比べ処理凹版の方がごみ数が少なかった。これ
は処理凹版の方が未処理凹版に比較して異物の付着が少
ないためであった。さらに未処理凹版に比較して、処理
凹版では凹版に対するスキージのすべりが良く(摩擦が
少ない)、従来問題になっていたようなパターンピッチ
が小さくなった時のスキージによるインキの跳ねも低減
できた。このような結果から、さらに凹版1のパターン
をファインパターン化することができる。
【0021】また、今後凹版オフセット印刷機をスクリ
ーンルームに入れることで、より歩留まりを上げられ
る。
【0022】また、凹版1全面に形成されたフッ素を含
む化学吸着単分子膜6のうち、凹版パターン2(溝)内
部の化学吸着単分子膜6は除去してもよい。この場合、
水性インキ等を用いた場合でも、インキ3が凹版パター
ン2内ではじかれる(撥水撥油される)こともなく、安
定した印刷ができる。また、上記所望する部分のフッ素
を含む化学吸着単分子膜6を除去するには、残したい部
分のフッ素を含む化学吸着単分子膜6表面に粘着性物質
(ポリイソブチレン等の樹脂)を付着させた後、酸素プ
ラズマ(フォトレジスト等の除去に用いる酸素アッシャ
ー)等を用いることで不要部分を除去することができ
る。
【0023】(実施例2) 以下、本発明の第2の実施例について図3を用いて説明
する。凹版1の材料として親水性ではあるが水酸基を含
む割合が少ない金属製凹版7(アルミニウム,ステンレ
ス,銀等の金属)の場合、トリクロロシリル基を複数個
含む[例えば、SiCl4、またはSiHCl3,SiH
2Cl2,Cl−(SiCl2O)n−SiCl3(nは整
数)。特に、SiCl4を用いれば、分子が小さく水酸
基に対する活性も大きいので、凹版表面を均一に親水化
する効果が大きい]を混ぜた非水系溶媒、例えばクロロ
ホルム溶媒に1重量%溶解した溶液に30分程度浸漬す
ると、図3(A)で示すように金属製凹版7の表面には
親水性のOH基8が多少とも存在するので表面で脱塩酸
反応が生じトリクロロシリル基を複数個含む物質のクロ
ロシラン単分子膜が形成される。
【0024】例えば、トリクロロシリル基を複数個含む
物質としてSiCl4を用いれば、金属製凹版7の表面
には少量の親水基のOH基8が露出されているので、表
面で脱塩酸反応が生じ、
【0025】
【化2】
【0026】のように分子が−SiO−結合を介して表
面に形成される。
【0027】その後非水系の溶媒、例えばクロロホルム
で洗浄してさらに水で洗浄すると、金属製凹版7と反応
していないSiCl4分子は除去され、表面には
【0028】
【化3】
【0029】等のシロキサン単分子膜9が得られる。
【0030】なお、このときできたシロキサン単分子膜
9は金属製凹版7とは−SiO−の化学結合を介して完
全に結合されているので剥がれることが全く無い。ま
た、得られたシロキサン単分子膜9の表面にSiOH結
合を数多く持ち、図3(B)に示すように当初のOH基
8のおよそ3倍程度の数が生成される。
【0031】そこでさらに、フッ化炭素基およびクロロ
シラン基を含む物質を混ぜた非水系の溶媒、例えば、 CF3(CF27(CH22SiCl3 を用い、1%程度の濃度で溶かした溶液[80%n−ヘ
キサデカン(トルエン,キシレン,ジシクロヘキシルで
もよい),10%四塩化炭素,8%クロロホルム]を調
整し、前記金属凹版7にSiOH結合を数多く持つシロ
キサン単分子膜9の形成された上記金属製凹版7を1時
間程度浸漬すると、表面には
【0032】
【化4】
【0033】の結合が生成され、図3(C)に示すよう
にフッ素を含む化学吸着単分子膜6が金属製凹版7の表
面と化学結合した状態でおよそ15オングストロームの
膜厚で形成することができた。なお、上記フッ素を含む
化学吸着単分子膜6はきわめて強固に化学結合している
ので全く剥離することがなかった。
【0034】さらにまた、上記実施例では、フッ化炭素
系界面活性剤として CF3(CF27(CH22SiCl3 を用いたが、アルキル鎖部分にC=CやC≡C基を付加
したり組み込んでおけばフッ素を含む化学吸着単分子膜
6の形成後5メガラド程度の電子線放射で架橋できるの
でさらにフッ素を含む化学吸着単分子膜6の硬度を向上
させることも可能である。
【0035】なお、フッ化炭素系界面活性剤として上記
のもの以外にも CF3CH2O(CH215SiCl3 CF3(CH)2Si(CH32(CH215SiCl3 F(CF28(CH22Si(CH32(H29SiC
3 CF3COO(CH215SiCl3 CF3(CF25(CH22SiCl3 等が利用できることを確認した。
【0036】次に、この金属製凹版7を用い凹版オフセ
ット印刷を試みた。
【0037】先ず、従来の凹版として何も表面処理をし
ていない金属製凹版(以下、未処理金属製凹版と呼ぶ)
と、未処理の金属製凹版に上記本発明によるフッ素を含
む化学吸着単分子膜6を表面に形成することで作成した
撥水撥油性金属製凹版7(以下、処理金属製凹版と呼
ぶ)を用意した。
【0038】なお、凹版オフセット印刷機,インキ,被
印刷体は、実施例1と同様のものを用い、実施例1と同
様にエッチングレジストインキおよび金レジネートイン
キを用いて同様な印刷実験を行った。ここで金属製凹版
には未処理金属製凹版と処理金属製凹版を用い、比較を
行った(以下、金属凹版エッチング基板と呼ぶ)。
【0039】また、エッチングレジストインキの代わり
に金レジストインキを用い、凹版オフセット印刷法によ
りアルミナグレーズ基板の上に直接ピッチ50ミクロン
のA4サイズ用のサーマルヘッドの金電極パターンを印
刷した。なお、上記と同様に金属製凹版7には未処理金
属製凹版と処理金属製凹版を用い比較を行った。この金
電極パターンが印刷されたグレーズアルミナ基板を焼成
し、前記エッチング基板と同様のものを得た(以下、金
属凹版直接印刷基板と呼ぶ)。
【0040】以下に、金属凹版エッチング基板および金
属凹版直接印刷基板における印刷歩留まりを調べた。印
刷歩留まりは、サーマルヘッド用の10枚のサンプルの
中で、1枚のサンプル中で約20000ヶ所ある50ミ
クロンピッチの配線部分におけるショートおよびオープ
ン不良の発生数で評価し、この評価結果を以下に示す。
【0041】 金属凹版エッチング基板において 未処理金属製凹版 ショート 85ヶ所 オープン 25ヶ所 処理金属製凹版 ショート 8ヶ所 オープン 4ヶ所 金属凹版直接印刷基板において、 未処理金属製凹版 ショート 133ヶ所 オープン 38ヶ所 処理金属製凹版 ショート 5ヶ所 オープン 4ヶ所 以上の結果より、金属凹版エッチング基板および金属凹
直接印刷基板において、共通して処理金属製凹版の方
が未処理金属製凹版よりもショートおよびオープンの発
生が少ないことがわかる。
【0042】未処理金属製凹版を用いて作成したサンプ
ルのショートした場所を顕微鏡で観察したところ、約9
0%が微細パターン部分の線間に残ったインキが原因で
あることがわかった。また、各サンプルのオープン原因
を調べたところ、異物(ゴミ)によるものがほとんどで
あった。さらに、未処理金属製凹版に比べ処理金属製凹
版の方が、ごみ数が少なかった。これは第1の実施例と
同様に、処理金属製凹版の方が未処理金属製凹版に比較
して、異物の付着が少ないためであった。
【0043】また、凹版1の全面に形成されたフッ素を
含む化学吸着単分子膜6のうち、凹版パターン2(溝)
内部の化学吸着単分子膜6は除去してもよい。この場
合、水性インキ等を用いた場合でも、インキ3が凹版パ
ターン2内ではじかれる(撥水撥油される)こともな
く、安定した印刷ができる。また、上記所望する部分の
化学吸着単分子膜6を除去するには、残したい部分の
ッ素を含む化学吸着単分子膜6表面に粘着性物質(ポリ
イソブチレン等の樹脂)を付着させた後、酸素プラズマ
(フォトレジスト等の除去に用いる酸素アッシャー)等
を用いることで不要部分を除去することができる。
【0044】
【発明の効果】以上のように本発明による撥水撥油
版は構成され、きわめて薄いナノメータレベルの膜厚の
フッ素を含む単分子膜を凹版表面に形成するため、凹版
の精度を損なうことがない。また、このフッ素を含む単
分子膜は撥水撥油性に優れるため凹版表面のインキ汚れ
が発生しにくいものであり、従って印刷歩留まりを高め
る効果が大きく、工業的価値の大なるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による凹版の構成を示す斜視
【図2】本発明の凹版の表面を分子レベルまで拡大した
断面概念図
【図3】(A)〜(C)本発明の第2の実施例を示す凹
版の表面を分子レベルまで拡大した断面工程概念図
【図4】(A)従来例による凹版を示す斜視図 (B)従来例の凹版にインキを充填する作業を示す断面
【符号の説明】
1 凹版 2 凹版パターン 3 インキ 4 スキージ 5 インキ残り 6 フッ素を含む化学吸着単分子膜 7 金属製凹版 8 OH基 9 シロキサン単分子膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 美濃 規央 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 小川 一文 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41N 1/06

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】凹版の表面にフッ素を含む化学吸着単分子
    膜を設けてなることを特徴とする撥水撥油性凹版。
  2. 【請求項2】凹版の表面に部分的にフッ素を含む化学吸
    着単分子膜を設けてなることを特徴とする撥水撥油性凹
    版。
  3. 【請求項3】凹版の表面に少なくともシロキサン系単分
    子膜を介してフッ素を含む化学吸着単分子膜を設けてな
    ことを特徴とした撥水撥油性凹版。
  4. 【請求項4】一端にクロロシラン基(SiCl n
    3-n 基、n=1,2,3、Xは官能基)を有し他の一端に
    フッ化炭素基を有するクロロシラン系界面活性剤を溶か
    した有機溶媒中に凹版を浸漬し、前記凹版の表面に前記
    クロロシラン系界面活性剤よりなるフッ素を含む化学吸
    着単分子膜を形成する撥水撥油性凹版の製造方法。
  5. 【請求項5】クロロシリル基を含む物質を混ぜた非水系
    溶媒と凹版とを接触させて前記凹版の水酸基と前記クロ
    ロシリル基を含む物質のクロロシリル基とを反応させて
    前記クロロシリル基を含む物質を前記凹版の表面に析出
    させる工程と、非水系溶媒を用い前記凹版の表面に残っ
    た余分なクロロシリル基を含む物質を洗浄除去した後、
    水と反応させて前記凹版の表面にシロール基を含む物質
    よりなる単分子膜を形成する工程と、一端にクロロシラ
    ン基(SiCln3-n基、n=1,2,3、Xは官能基)
    を有し他の一端に直鎖状フッ化炭素基を含むクロロシラ
    ン系界面活性剤を前記凹版の表面に化学吸着しフッ素を
    含む化学吸着単分子膜を累積する撥水撥油性凹版の製造
    方法。
  6. 【請求項6】クロロシリル基を含む物質としてSiCl
    4、またはSiHCl3,SiH2Cl2,Cl−(SiC
    2O)n−SiCl3(nは整数)を用いることを特徴
    とした請求項5記載の撥水撥油性凹版の製造方法。
  7. 【請求項7】一端にクロロシラン基を有し他の一端に直
    鎖状フッ化炭素基を含むクロロシラン系界面活性剤とし
    てCF3−(CF2)n−R−SiXpCl3-pnは0また
    は整数、Rはアルキル基やC=C,C≡Cまたはシリコ
    ンや酸素原子を含む官能基を表わすがなくともよい、X
    はHまたはアルキル基等の置換基、pは0または1また
    は2)を用いることを特徴とした請求項5記載の撥水撥
    油性凹版の製造方法。
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