JP5251042B2 - 印刷物の形成方法 - Google Patents

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本発明は、微細なパターンを印刷する必要がある分野、具体的には電気部品、電子部品等の製造において配線パターン等を印刷する場合の技術に関する。微細パターンを印刷する印刷用版、その形成方法、及び印刷物の形成方法に関わる。
従来、回路基板,表示装置等の電子部品の形成にはフォトリソグラフィーと真空プロセスが用いられてきた。近年、電子技術の進歩に伴って、素子類のサイズは益々小さくなっており、それにつれて素子を形成するパターンも微細化することが要求されている。そこで、従来のフォトレジストを用いた製造方法に比べ、生産性、コスト、高精度、大面積化等の面や更なる微細化のため、各種印刷方法を用いた微細パターンの製造方法が提案されている。
印刷法のなかでも、微細な画像パターンを形成可能な印刷法として、反転オフセット印刷法、凹版印刷法、凸版印刷法等が挙げられる。
まず、反転オフセット印刷法について説明すると(例えば、特許文献1参照)、反転オフセット印刷法に用いる装置は一般的に、通称ブランケットと呼ばれる筒状のインク膜形成基材と、インク膜形成基材にインクを供給しインク膜とするインク供給手段と、インク膜形成基材上に形成されたインク膜から非画像部を除去する除去版と、インク膜形成基材上に残された画像部を転写されて印刷物となる被印刷基板と、被印刷基板を印刷に適切な位置へ搬送する搬送手段で構成される。
インク膜形成基材には通常インク膜が剥がれ易いような処理がなされ、例えばシリコーンゴムが用いられる。また、ここではインク膜形成基材は、均一なインク膜が形成可能であれば筒状であっても板状であってもよく、例えばたわみを持たせた円弧状を選択することもできる。また除去版も適切にインク膜の非画像部を除去可能であればいずれの形状を選択してもよい。
反転オフセット印刷の印刷工程を順を追って説明する。まず、インク供給手段からインクをインク膜形成基材上に塗布してインク膜を形成する。このとき、インクはインク膜形成基材上で予備乾燥状態に置かれ、多少の溶媒を失ってインク膜となる。ついで、該インク膜に対し所定形状の除去版を接触させて該インク膜の非画像部を転写してインク膜形成基材から除去する。ここでは除去版として画像部に対応する部位が凹部、非画像部に対応する部位が凸部となった版を使用している。次に、該インク膜形成基材上に残った該インク膜の画像部を被印刷基板に転写して、印刷物を得ることができる。
このような反転オフセット印刷法により画像パターンを形成する例として、基材上に導電性インクを用いて印刷を行い、電磁波シールドを作製することが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
このほか、さまざまな画像パターンを印刷した印刷物の製造が望まれている。特に、一つの印刷面に対し、キャパシタ電極と配線パターンなど、大面積のべたパターンと、細く間隔の狭いパターンの両方の形成が望まれている。
しかし、反転オフセット印刷法は、除去版のレリーフの深さ(版深)に対して面積の広い画像パターンを画像部として残すのは不得手である。これを図5(a)で説明する。
図3には、インク膜が全面に形成されたインク膜形成基材のインク膜340と当該版300の凸部頂部を接触させた状態を模式的に示す断面図である。この版300は、画像パターンが相対的に疎であるパターン疎部370と、密であるパターン密部360を備えている。また、凸部頂部と凹部底部との高さの差を版深と呼ぶ。
ここで、インク膜形成基材と版は通常弾性を備えるので、版とインク膜形成基材が接触した際に変形を起こす。すなわち、図3(a)のように版が変形したり、図3(b)のようにインク膜形成基材が変形したりして版の凹部とインクが接触する。
版の版深に対して印刷物の画像部に対応する領域である凹部の面積が大きい場合、版の備える凹部底部と、インク膜形成基材上のインク膜が接触することになる。版の備える凹部とは、インク膜形成基材上にインク膜を残さなくてはならないので、このようにインク膜と接触してしまうと、印刷物に画像パターンとして形成すべきインク膜がインク膜形成基材から除去されてしまい、画像パターン抜け343が起きてしまう。
これを回避するため、画像パターンが疎である場合は、版深を深くしてインク膜と凹部底部との接触を防ぐという方法が考えられる。しかし、一般的にアスペクト比の高い版の微細加工は難しいため、アスペクト比の高い版の形成は微細パターニングを行う際の課題となっている。そればかりでなく、アスペクト比の高い版は、凸部の強度の低下や凸部の変形による位置精度悪化等という問題がおきる。
また、凹版印刷技術が、従来のスクリーン印刷技術に代わるものとして注目されている。(非特許文献1参照)
しかしながら、上記従来の構成で実際に凹版印刷方法を用いて印刷してみると、印刷パターンのピッチ(線幅と線間幅の合計)が数十μm以下と、高解像度化するほど、画像部の欠ける不良等の不良発生率が増加し、印刷基板の歩留まりが悪くなるという課題を有していた。このような課題に対し、画像部の欠ける不良に対しては重ね刷り印刷を行うことや、例えば、特許文献3で提案されているような、各々異なる位置で受け取ったインクを同一箇所に転写することで凹版の不良に起因するような画像部の欠ける不良の発生を低減させる方法が考案されているが、量産性に乏しいという問題点があった。
今後、印刷パターンが高解像度化するほど、画像部幅と非画像部幅も短くなり、従来の低解像度の場合では問題にならなかったようなパターンでも、画像部の欠ける不良になる確率が増える。これは、高解像度化することは画像部に相当する凹部の線幅が短くなると、凹部のインク保持容量が減少し、インクの保持容量が低下すると版から被印刷基材へのインクの転写性が低下するからである。
これを回避するために、インクの保持容量を増やすために版深を深くする方法が考えられるが、一般的にアスペクト比の高い版の微細加工は難しいため、アスペクト比の高い版の形成は微細パターニングを行う際の課題となっている。そればかりでなく、アスペクト比の高い版は、凸部の強度の低下や凸部の変形による位置精度悪化等という問題がおきる。
また、回路基板,表示装置等の電子部品に用いる被印刷基材としてガラス基板やシリコンウェハー、プラスチック基材などが上げられるが、これらの被印刷基材はインクの付着性が低く、画像部の欠ける不良が起こりやすい。このようなインクの付着性が低い被印刷基材に対する印刷もインクの転写性の点から課題となっている。
さらに、電子回路の微細パターン形成技術として、例えば、特許文献1に記載のような
凸版印刷法が知られている。凸版印刷法とは、所望の凹凸パターンを形成した版に、インクを付着した後に、版と基板を接触させ、基板上にインクを転写し、インクパターンを形成する方法である。特許文献1では、有機薄膜として、欠陥の少ない単分子膜が、再現性よく多様な基板(金属、半導体、酸化物など)上に形成できる自己組織化膜を利用している。(特許文献4参照)
凸版印刷法は、面積の広い非画像部に対して凸版の凹部の深さ(版深)が浅い場合、面積の広い非画像部にインクが付着する「底あたり」と呼ばれる不具合がある。これを図3(a)で説明する。図4(a)には、凸版300を、凸版印刷法の版として用い、インキング機構のインク膜341と当該凸版300の凸部頂部を接触させた状態を模式的に示す断面図である。この凸版300は、画像パターンが相対的に疎であるパターン疎部370と、密であるパターン密部360を備えている。
ここで、凸版は通常弾性を備えるので、インキング機構340と接触した際に応力をうけ、変形を起こす。パターン疎部370のように、凸版の版深に対して印刷物の非画像部に対応する領域である凹部の面積が大きい場合、凸版の備える凹部底部と、インキング機構のインク膜が接触することになる。次いで、インキングされた凸版を被印刷基材と接触させた際にも、インキング機構と接触させたときと同じように版の変形を起こす。(図4b)。
凸版の備える凹部底部とは、被印刷基材上にインクを付着させてはならないので、このようにインク膜と接触してしまうと、印刷物に非画像部として形成すべき部分にインキング機構からインクが供給され、版と被印刷基材を接触させた際に被印刷基材の非画像部にインクが付着してしまう。(図4c)。
これを回避するため、画像パターンが疎である場合は、版深を深くしてインク膜と凹部底部との接触を防ぐという方法が考えられる。しかし、一般的にアスペクト比の高い版の微細加工は難しいため、アスペクト比の高い版の形成は微細パターニングを行う際の課題となっている。そればかりでなく、アスペクト比の高い版は、凸部の強度の低下や凸部の変形による位置精度悪化等という問題がおきる。また、画像パターンが密に配置している場合、版の必要な部分以外、即ち、凸部と凸部の間に毛細管現象でインクが付着しやすくなるという問題が発生する。
このような現象は、インクが低粘度になるほど生じやすくなり、用いるインクの性状によっては対策が必要となっていた。また、パターンの幅やピッチが小さくなると、版の凸部の高さを低くせざるを得ないので、凸部間にインクが入りやすくなり、このため微細なパターンの形成を困難にしていた。
下記に公知文献を記す。
特開2000−289320号公報 特開2005−175061号公報 特開昭57−169357号公報 米国特許第6060121号明細書 日経エレクトロニクス別冊「フラットパネル・ディスプレイ’90」(1989)
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、第1の課題は、版深を深くしなくてもパターンが疎である部分のインク転移抜けが起こらない版を提供するためになされたものであり、特に、パターンが疎である部分と密である部分が混在していても
高精細かつパターン抜けの起こらない印刷用版と、その形成方法、及び印刷物の形成方法を提供することを課題とする。第2の課題は、版深を深くしなくても凹部からのインクの転写性が優れた高精細かつ高品質の印刷物を与える凹版を提供するために成されたものであり、特にインクの付着性の低い被印刷基材への印刷の際も画像部の欠ける不良が起こりにくい凹版と、を提供することを課題とする。第3の課題は、版深を深くしなくてもパターンが疎である部分の非画像部へのインク付着が起こらない、特に、パターンが疎である部分と密である部分が混在していても高精細かつ底あたりの起こらない凸版と、その形成方法、及び印刷物の形成方法を提供することを課題とする。
上記課題の解決手段として、請求項1に係る発明は、基材上に非画線部もしくは画線部に対応する凸部と画線部もしくは非画線部に対応する凹部とからなる版パターンが設けられている微細パターンを印刷するのに用いる版であって、
前記凹部が下地層に形成され、該凹部の下地層上に吸着層が形成されていることを特徴とする印刷用版である。
請求項2に係る発明は、前記下地層は、金属酸化物で構成され、吸着層はシランカップリング剤で構成されていることを特徴とする請求項1記載の印刷用版である。
請求項3に係る発明は、前記シランカップリング剤は、下記化学式(1)〜(3)で表される化合物から選択された1種類以上の化合物で有ることを特徴とする請求項2記載の印刷用版である。
R1SiX1X2X3・・・・・・・化学式(1)
R1R2SiX1X2・・・・・・・化学式(2)
R1R2R3SiX1・・・・・・・化学式(3)
(式中、R1、R2、R3は独立してアルキル基、シクロアルキル基、フェニル基であり、アルキル基、シクロアルキル基、フェニル基は全フッ素化もしくは部分フッ素化されていてもよい。また、式中、X1、X2、X3は独立して塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲンもしくはアルコキシ基である。)
請求項4に係る発明は、前記下地層は、金属で構成され、吸着層はチオアルキル化合物で構成されていることを特徴とする請求項1記載の印刷用版である。
請求項5に係る発明は、前記チオアルキル化合物は、下記化学式(4)で表される化合物から選択された1種類以上の化合物で有ることを特徴とする請求項4記載の印刷用版である。
R1(S)nR2・・・・・・・化学式(4)
(式中、R1は独立してアルキル基、シクロアルキル基、フェニル基であり、アルキル基、シクロアルキル基、フェニル基は全フッ素化もしくは部分フッ素化されていてもよい。R2は独立して水素、アルキル基、シクロアルキル基、フェニル基であり、アルキル基、シクロアルキル基、フェニル基は全フッ素化もしくは部分フッ素化されていてもよい。
また、式中、nは1〜3までの間で選択される整数である。)
請求項6に係る発明は、基材上に非画線部もしくは画線部に対応する凸部と画線部もしくは非画線部に対応する凹部とからなる版パターンが設けられて、下地層上に凸部を成す不活性層と凹部を成す吸着層が形成されている印刷用版の形成方法において、
下地層上の凸部に対応する位置をパターン状にマスキングする工程と、
マスキングされていない領域の下地層をエッチングする工程と、
下地層のエッチングされた領域に気相もしくは液相で吸着層を形成する工程と、
を備えることを特徴とする印刷用版の形成方法である。
請求項7に係る発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載した印刷用版を反転オフセット印刷、凹版印刷、凸版印刷のいずれかの印刷法の版として用いることを特徴とする印刷物の形成方法である。
以上説明したように、本発明により以下のような効果を奏する。(1)本発明の印刷版は版の凹部底部がインクとの付着性が弱い吸着層で形成されているので、凹部底部にインクが付着することが無く、印刷不良を抑制できる。また、版深を極端に深くする必要が無いために、高解像度化が可能となる。(2)本発明の印刷版は版の凹部がインクとの付着性が弱い吸着層で形成されているので、凹部から被印刷基材へのインク転写性が良く、画像部が欠ける不良などの印刷不良を抑制できる。また、版深を極端に深くする必要が無いために、高解像度化が可能となる。(3)本発明の印刷版は版の凹部がインクとの付着性が弱い吸着層で形成されているので、凹部にインクが付着することが無く、印刷不良を抑制できる。また、版深を極端に深くする必要が無いために、高解像度化が可能となる。
<版の構成>
本発明の印刷用版について、図1を用いて説明する。本発明の版は、凸部と凹部の設けられた下地層と、凹部を成す吸着層で形成されている。下地層120は枚葉状もしくは柔軟性のある支持基材上に形成されても良く、支持基材は無くても良い。印刷する際には、下地層130の凸部131が印刷物の非画像部に相当し、吸着層110の凹部131が印刷物の画像部に相当する。
吸着層は下地層に選択的に吸着することが好ましく、耐印刷性の点から吸着層は下地層に化学吸着することがより好ましい。吸着層が下地層に化学吸着するためには両者の適切な組合せが重要である。吸着層と下地層が化学吸着する組合せは、表1に示す組合せを用いることができる。
本発明においては、下地層が金属酸化物で構成され、吸着層がシランカップリング剤で構成される第一の組合せと、下地層が金属で構成され、吸着層がチオアルキル化合物で構成される第二の組合せを選択することができる。
この表1は、「ナノ領域の自己組織化技術」(東レリサーチセンター)に基づく。
<版の形成方法>
本発明の印刷用版の形成工程について図5を用いて説明する。
[工程1]
下地層420上にエッチングレジストパターン430の形成を行う。パターニング方法はインプリントやフォトリソグラフィー、切削加工などを用いることができるが、パターニング精度と残膜の点からフォトリソグラフィーが好ましい。
[工程2]
下地層420の凹部421の形成を行う。エッチングレジストパターン430をマスクとして、下地層のマスキングされていない領域に凹部の形成を行う。凹部の形成方法はウェットエッチングもしくはドライエッチング、サンドブラスト、ウェットブラストなどのブラスト法、収束イオンビームによる切削などを用いることができる。
[工程3]
下地層420上に吸着層410の形成を行う。吸着層410の形成は吸着層の材料を水や有機溶媒に溶かした溶液を用いた浸漬法やディップ法、スピンコート法などのウェットプロセスや密閉容器内で吸着層の材料蒸気に基板をさらすドライプロセスを用いることができる。吸着層は自己整合的に下地層に吸着するため、吸着層の位置精度の高い版を容易に形成することが可能である。
エッチングレジストパターンは剥離しても良く、残したままでも良い。以上によって本発明の反転オフセット印刷に用いる版を得ることができる。
<版の材料>
本発明の印刷用版を構成する材料を説明する。下地層は、二酸化珪素、アルミナ、カオリン、マイカ、タルク、クレイ、アルミナ、ウォラストナイト、チタン酸カリウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化クロム、酸化ジルコニウム、酸化インジウムなどの金属酸化物や、Au、Ag、Cu、Pt、Pd、Rh、Ru、Fe、Co、Cr、Al、Zn、Ti、Mn、Mo、W、Zrやこれらから選ばれる合金などの金属を用いることができる。
吸着層はシランカップリング剤で構成されることができる。シランカップリング剤は、下記化学式で表される化合物からなる群より選択された1種類以上の化合物であることが好ましい。
R1SiX1X2X3・・・・・・・化学式(1)
R1R2SiX1X2・・・・・・・化学式(2)
R1R2R3SiX1・・・・・・・化学式(3)
上記式中、R1、R2、R3は独立してアルキル基もしくは、全フッ素化もしくは部分フッ素化されたアルキル基である。また、式中、X1、X2、X3は独立してアルコキシ基もしくはハロゲンである。
具体的には、イソブチルトリメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、ジイソブチルジメトキシシラン、n−オクチルメトキシシロキサン、エチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン、トリメチルプロポキシシラン、トリメチルイソプロポキシシラン、フェノキシトリメチルシラン、シクロヘキロキシトリメチルシラン、ヘキシルトリクロロシラン、ヘプチルトリクロロラン、オクチルトリクロロシラン、ノニルトリクロロシラン、デシルトリクロロシラン、オクタデシルトリクロロシランなどのアルキル基や、シクロヘキシルトリメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、(シクロプロピルメチル)ジメチルメトキシシラン、シクロヘキシルトリクロロシランなどのシクロアルキル基を有するアルコキシシランや、ジメトキシメチル−3,3,3−トリフルオロプロピルシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、2−(ノナデカフルオロノニル)エチルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、(ペンタフルオロフェニル)トリエトキシシラン、8,8,8−トリフルオロオクチルトリエトキシシラン、2−(ヘニコサフルオロデシル)エチルトリエトキシシラン、(4−フルオロフェニル)トリメトキシシラン、1H,1H,2H,2H‐ペルフルオロデシルトリクロロシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクチルトリクロロシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリクロロシラン、ヘニコサフルオロデシルトリクロロシラン、4‐フルオロベンジルトリクロロシランなどのフッ素化されたアルコキシシランなどを例としてあげることが出来るがこれに限定されない。
また、吸着層はチオアルキル化合物で構成されることができる。
チオアルキル化合物は下記化学式で表される化合物から選択された1種類以上の化合物で有ることが好ましい。
R1(S)nR2・・・・・・・化学式(4)
式中、R1は独立してアルキル基、シクロアルキル基、フェニル基であり、アルキル基、シクロアルキル基、フェニル基は全フッ素化もしくは部分フッ素化されていてもよい。R2は独立して水素、アルキル基、シクロアルキル基、フェニル基であり、アルキル基、シクロアルキル基、フェニル基は全フッ素化もしくは部分フッ素化されていてもよい。
また、式中、nは1から3までの間で選択される整数である。
具体的には、1−ブタンチオール、シクロヘキサンチオール、1−デカンチオール、1−ドデカンチオール、1−ヘプタンチオール、1−オクタデカンチオール、1−ヘキサデカンチオール、1−ノナンチオール、4‐tert‐ブチルシクロヘキサノンジチオアセタール、シクロヘキサンチオール、4‐tert‐ブチルシクロヘキサンチオール、シクロペンタンチオール、p−フルオロベンゼンメタンチオール、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデカン−1−チオール、1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクタンチオール、4−(トリフルオロメチル)ベンゼンチオール、4‐(トリフルオロメチル)‐2,3,5,6‐テトラフルオロベンゼンチオール、12,12,12‐トリフルオロドデカン‐1‐チオール、1,1‐ビス(トリフルオロメチル)‐2,2,2‐トリフルオロエタンチオール、6‐(ヘプタデカフルオロオクチル)‐1‐ヘキサンチオール、4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,13,13,13‐ヘニコサフルオロトリデカン‐1‐チオール、5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10‐トリデカフルオロデカン‐1‐チオール、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,13,13,13‐トリコサフルオロトリデカン‐1‐チオール、トリコサフルオロウンデカン‐1‐チオール、4‐チアヘプタン二酸ジドデシル、ジシクロヘキシルスルフィド、ジブチルスルフィド、ジイソアミルスルフィド、ジドデシルスルフィド、ジヘキシルスルフィド、ジシクロヘキシルペルスルフィド、ジヘキサデシルペルスルフィド、ビス(ペンタフルオロフェニル)ペルジスルフィド、ジヘキシルペルトリスルフィド、ジヘプチルペルトリスルフィド、ジデシルペルトリスルフィド、ジノナデシルペルトリスルフィド、ビス(トリフルオロメチル)トリスルファンなどのジスルフィド、トリスルフィドなどのチオアルキル化合物を例としてあげることが出来るがこれに限定されない。
このように、アルキル基やフッ化アルキル基を有する低表面エネルギーの表面を与える材料を吸着層に用いると、吸着層へのインクの付着が抑制される。
このように構成される印刷用版は、インクとの付着力が極めて小さい吸着層を凹部底部に形成するため、底あたりによる画像部のパターン抜けを抑制することができる。このため、パターン疎部とパターン密部を備える版においても、版深を極端に深くする必要が無いので高詳細な版を容易に形成できるようになる。また、版深を浅くできると版凸部の強度の向上や位置精度の向上が可能となる。したがって、高詳細かつ高品質の印刷物の形成が可能な反転オフセット印刷、凹版印刷、凸版印刷等に用いる版を供給することができる。
エッチングレジストは、二酸化珪素、アルミナ、カオリン、マイカ、タルク、クレイ、アルミナ、ウォラストナイト、チタン酸カリウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化クロム、酸化ジルコニウム、酸化インジウムなどの金属酸化物や、Au、Ag、Cu、Pt、Pd、Rh、Ru、Fe、Co、Cr、Al、Zn、Ti、Mn、Mo、W、Zrやこれらから選ばれる合金などの金属、アクリル、ポリイミド、ベンゾシクロブテン、エポキシ、シリコーン、ポリメチルメタクリレート、ウレタン、ポリビニルアルコール、メトキシメチル化ナイロン、ポリアミド、ポリブタジエン、不飽和ポリエステル、オキセタン、ビニルエーテルなどの感光性樹脂やこれらの樹脂を組み合わせたポリマーアロイなどの感光性樹脂を用いることができるがこれに限定されない。また、感光性樹脂はポジ型の感光機構でもネガ型の感光機構でも用いることができる。
支持基材は、石英ガラスやクリスタルガラス、ソーダ石灰ガラス、ホウ珪酸ガラスなどのガラス系基材、ステンレスやアルミ、銅などの金属基材、シリコンなどから構成されるウェハー系基材や、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリカーボネート、セルローストリアセテート、シクロオレフィンポリマー、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、液晶ポリマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂などの材料を用いることができ、これらの樹脂を組み合わせたポリマーアロイや、ガラスエポキシ基板、1種または2種以上の上記樹脂材料を組み合わせて積層した多層構造の積層構造フィルムなどのプラスチック基材を用いることができる。
<印刷物の製造1>
本発明の印刷用版を用いた反転オフセット印刷法による印刷物の製造について図6を用い説明する。
本発明の版500は、反転オフセット印刷法の版として使用される。まず、インク膜形成基材上にインク膜を形成する。次いで、インク膜形成基材540に版500を接触させてインク541を版500の凸部に転写させる(図6a)。次いで、被印刷基材550にインク膜形成基材を接触させてインク543を被印刷基材550に転移させる(図6b)。
反転オフセット印刷法に用いられるインクは、製造する印刷物の種類に応じて調整すればよく、金、銀、銅、ニッケル、白金、パラジウム、ロジウム、ITO、酸化スズ、酸化亜鉛などの金属、金属酸化物微粒子分散液に必要に応じて各種添加剤を加えた無機系導電性インクや、PEDOT/PSSやポリアニリン、ポリピロールなどを水や有機溶媒に溶かした有機系導電性インクや、有機エレクトロルミネッセンス(EL)材料を有機溶媒に溶解または分散させたインク、カラーフィルター用顔料分散液、エッチングレジストなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
インク膜の転写によって画像が形成される被印刷基材は、目的とする印刷物に応じて適宜選択することができる。電子部品を製造する場合は通常、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリイミド、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート、ガラスエポキシ基板などのプラスチック材料、石英などのガラス基板やシリコンウェハーなどを挙げることができる。印刷物が使用される環境に合わせてフィルム等のフレキシブルな基材を選択することも可能であり、この場合は生産効率の向上のために長尺の基材を用い、連続して印刷を行うことが好ましい。
反転オフセット印刷法に用いられるインク膜形成基材は、通称ブランケットと呼ばれ、この材料としてはインク膜の形成、版による非画像部のインク膜除去及び被印刷基板への
画像部インク膜の転写が可能なものが用いられる。また、変形の少ない材料が好ましいが、ある程度の柔軟性が求められる。このような材料として、シリコーン系エラストマー、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、ウレタンゴムなどの各種高分子材料を用いることができる。また、ブランケット表面の濡れ性を調整するため、ブランケット表面にフッ素樹脂およびシリコーンの塗布、プラズマ処理、UVオゾン洗浄処理などの表面処理を施しても良い。このようなインク膜形成部材は通常可とう性の板として供給されるので、これを円筒形の版胴に巻きつけて用いたり、強度のある平板に固定して用いたりすることができる。
本発明の反転オフセット印刷に用いる版を用いた製造方法により製造される印刷物としては、例えば、回路基板、薄膜トランジスタ基板、カラーフィルター、プリント配線板、有機エレクトロルミネッセンス素子、部品内蔵基板等を挙げることができる。薄膜トランジスタ基板は、複数の薄膜トランジスタを画素に対応してアレイ状に備え、液晶ディスプレイ等各種画素毎のオン−オフが必要なディスプレイの部材として使用することができる。
本発明の反転オフセット印刷に用いる版を用いて印刷される画像パターンとしては、例えば、薄膜トランジスタ基板の備える電極、キャパシタ電極、配線等を、また、カラーフィルターの備える着色層、有機エレクトロルミネッセンス素子の備える電極や有機エレクトロルミネッセンス層、プリント配線板の備える配線や、素子内蔵型のプリント配線板である場合はキャパシタ電極や誘電体層、抵抗素子電極や抵抗体、インダクタ、トランジスタ構成部材等の受動素子・能動素子、回路基板形成のためのエッチングレジストを挙げることができる。
<印刷物の製造2>
本発明の凹版を用いた凹版印刷法による印刷物の製造について図7を用い説明する。
本発明の凹版500は、凹版印刷法の版として使用される。まず、スキージ540の移動により凹部にインクを充填する(図7a)。次いで、被印刷基材550に凹版を接触させてインク541を被印刷基材550に転移させる(図7b)。
凹版印刷法に用いられるインクは、印刷物の製造1で用いた同様のインクを使用することができる。
インク膜の転写によって画像が形成される被印刷基材は、印刷物の製造1で用いた同様の被印刷基材を使用することができ、目的とする印刷物に応じて適宜選択することができる。印刷物が使用される環境に合わせてフィルム等のフレキシブルな基材を選択することも可能であり、この場合は生産効率の向上のために長尺の基材を用い、連続して印刷を行うことが好ましい。
本発明の凹版を用いた製造方法により製造される印刷物としては、印刷物の製造1と同様の印刷物を挙げることができる。
本発明の凹版を用いて印刷される画像パターンとしては、印刷物の製造1と同様の画像パターンを挙げることができる。
<印刷物の製造3>
本発明の凸版を用いた凸版印刷法による印刷物の製造について図8を用い説明する。
本発明の凸版500は、凸版印刷法の版として使用される。まず、インキング機構54
0に凸版500を接触させてインク541を凸版500の凸部を成す下地層530に付着させる(図8a)。次いで、被印刷基材550に凸版を接触させてインク543を被印刷基材550に転移させる(図8b)。この際、凸版500上のインク533は被印刷基材550へ全量転写しても部分転写でも良い。
凸版印刷法に用いられるインクは、印刷物の製造1で用いた同様のインクを使用することができる。
インク膜の転写によって画像が形成される被印刷基材は、印刷物の製造1で用いた同様の被印刷基材を使用することができ、目的とする印刷物に応じて適宜選択することができる。印刷物が使用される環境に合わせてフィルム等のフレキシブルな基材を選択することも可能であり、この場合は生産効率の向上のために長尺の基材を用い、連続して印刷を行うことが好ましい。
本発明の凸版を用いた製造方法により製造される印刷物としては、印刷物の製造1と同様の印刷物を挙げることができる。
本発明の凸版を用いて印刷される画像パターンとしては、印刷物の製造1と同様の画像パターンを挙げることができる。
以下、本発明の実施形態について具体例を挙げて説明する。
[実施例1]
版の基材として、100mm×100mm、0.7mm厚のガラス基板を下地層として用いた。このガラス基板上にCrを蒸着により30nm製膜し、フォトリソグラフィー法でCrのパターンを形成した。Crをマスクとしてガラスのウェットエッチングを行い、版深1μmの凹部を形成した。
次いで、シランカップリング剤としてフルオロアルキルシラン(GE東芝シリコーン社製:商品名TSL8233)をイソプロピルアルコールに0.5重量%となるよう溶解させた溶液に凹凸を形成した基材を10分間浸漬後、120℃で10分乾燥させることにより凹部の露出している下地層表面に吸着層を形成した。
非画像部に対応する部位が凸部、画像部に対応する部位が凹部となり、画像部対応領域である凹部に吸着層が形成された反転オフセット印刷に用いる版を作製した。
また、ここで形成したパターンは、図2(a、b)で模式的に示したパターンを1単位として、ガラス板中央部の100mm四方の領域に、10単位×10単位で計100単位配置したものである。パターン疎部270に対応する画像パターンは250μm×250μmの方形であり、パターン密部211に対応する画像パターンは140μm×210μmの矩形である。パターン疎部とパターン密部の間のライン/スペース幅は5μm/5μmである。
<インク1>
インクとして、平均粒径20nmの銀粒子水分散液を、銀粒子が20重量部、水が80重量部となるように溶解させ導電性インクを調製した。
<印刷物の製造>
実施例に係る印刷物の製造は次のようにして行った。インク膜形成基材として用いるシ
リコーンシートに上記のように調整した導電性インクをバーコータで塗布して導電性のインク膜を形成した。
次に、凹部に吸着層を形成した実施例1に係る本発明の版をインク膜形成基材のインク膜に密着させたのち剥離し、版の凸部に非画像部のインク膜を転写した。次に、画像部のインクが残されたインク膜形成基材と、被印刷基材側として用いる厚さ0.7mm、大きさが100mm×100mmのソーダライムガラス基板とを密着させたのち剥離して、インク膜形成基材上のインク膜を被印刷基材側に転写した。次に、これを200℃で30分間熱処理して導電性パターンを備えた印刷物を形成した。得られた導電性パターンを光学顕微鏡で観察したところ、パターン疎部において底あたりによる非画像部へのインク付着はみられなかった。
[実施例2]
吸着層に用いる材料としてチオアルキル化合物(Fluorous Technologies製:1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクタン−1−チオール)、下地層として金を用いた以外は、実施例1と同様に反転オフセット印刷に用いる版を製造し、これを用いてインク1で調整した導電性インクを用いて印刷物の製造を行った。得られた印刷物について、導電性パターンを光学顕微鏡で観察したところ、パターン疎部において底あたりによる非画像部へのインク付着はみられなかった。
[実施例3]
インクとして、以下に示すように調整したカラーフィルター用の着色インクを用いた他は実施例1と同様に反転オフセット印刷に用いる版を製造し、これを用いて印刷物の製造を行った。
<インク2>
まず、赤色顔料分散液を下記の組成で調整した。
〔赤色顔料分散液〕
・赤色顔料
C.I. Pigment Red 254(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガーフォーレッド B−CF」)…18重量部
C.I. Pigment Red 177 (チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「クロモフタールレッド A2B」)…2重量部
・アクリルワニス(固形分20%)…108重量部
〔赤色着色インク〕
その後、下記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、5μmのフィルタで濾過して赤色着色インクを得た。
・上記赤色顔料分散液…100重量部
・メチル化メチロールメラミン(三洋化成工業株式会社製:商品名MW−30)…20重量部
・レベリング剤(大日本インキ化学工業株式会社製:商品名メガファック F−483SF)…1重量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテル…85重量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート…45重量部
こうして調整した赤色着色インクを実施例1と同様にインク膜形成基材に塗布・非画像部の除去・被印刷基材への転写を行ってガラス基板上にインクパターンを得た。こうして得られた印刷物は、パターン疎部において底あたりによる非画像部へのインク付着はみられなかった。
[実施例4]
実施例1と同様にして、非画像部に対応する部位が凸部、画像部に対応する部位が凹部となり、画像部対応領域である凹部底部に吸着層が形成された凹版印刷用凹版を作製した。
また、ここで形成したパターンは、図2(a、b)で模式的に示したパターンを1単位として、ガラス板中央部の100mm四方の領域に、10単位×10単位で計100単位配置したものである。パターン疎部270に対応する画像パターンは250μm×250μmの方形であり、パターン密部211に対応する画像パターンは140μm×210μmの矩形である。パターン疎部とパターン密部の間のライン/スペース幅は5μm/5μmである。
<インク1>
実施例1と同様にして、導電性インクを調製した。
<印刷物の製造>
実施例に係る印刷物の製造は次のようにして行った。インキング基板として用いるガラス基板上に上記のように調整した導電性インクをバーコータで塗布して導電性のインク膜を形成した。
次に、凹部底部に吸着層を形成した実施例4に係る本発明の凹版をスキージの移動により凹部にインクを充填した。次に、画像部のインクが凹部に形成された凹版と、被印刷基材側として用いる厚さ0.7mm、大きさが100mm×100mmのソーダライムガラス基板とを密着させたのち剥離して、凹版上のインク膜を被印刷基材側に転写した。次に、これを200℃で30分間熱処理して導電性パターンを備えた印刷物を形成した。得られた導電性パターンを光学顕微鏡で観察したところ、パターン密部において画像部のインク欠けはみられなかった。
[実施例5]
吸着層に用いる材料としてチオアルキル化合物(Fluorous Technologies製:1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクタン−1−チオール)、下地層として金を用いた以外は、実施例4と同様に凹版印刷用凹版を製造し、これを用いてインク1で調整した導電性インクを用いて印刷物の製造を行った。得られた印刷物について、導電性パターンを光学顕微鏡で観察したところ、パターン密部において画像部のインク欠けはみられなかった。
[実施例6]
インクとして、実施例3と同様のインキ2を用いた他は実施例4と同様に凹版印刷用凹版を製造し、これを用いて印刷物の製造を行った。
実施例4と同様にブランケットに塗布・非画像部の除去・被印刷基材への転写を行ってガラス基板上にインクパターンを得た。こうして得られた印刷物は、パターン密部において画像部のインク欠けはみられなかった。
[実施例7]
実施例1と同様にして、画像部に対応する部位が凸部、非画像部に対応する部位が凹部となり、非画像部対応領域である凹部に吸着層が形成された凸版印刷用凸版を作製した。
また、ここで形成したパターンは、図2(a、b)で模式的に示したパターンを1単位として、ガラス板中央部の100mm四方の領域に、10単位×10単位で計100単位配置したものである。パターン疎部270に対応する画像パターンは250μm×250
μmの方形であり、パターン密部211に対応する画像パターンは140μm×210μmの矩形である。パターン疎部とパターン密部の間のライン/スペース幅は5μm/5μmである。
<インク1>
インクとして、実施例1と同様にして導電性インクを調製した。
<印刷物の製造>
実施例に係る印刷物の製造は次のようにして行った。インキング基板として用いるガラス基板上に上記の導電性インクをバーコータで塗布して導電性のインク膜を形成した。
次に、凹部に吸着層を形成した実施例7に係る本発明の凸版をインキング基板のインク膜に密着させたのち剥離し、凸版の凸部にインク膜を形成した。次に、画像部のインクが凸部に形成された凸版と、被印刷基材側として用いる厚さ0.1mm、大きさが100mm×100mmのPENフィルムとを密着させたのち剥離して、凸版上のインク膜を被印刷基材側に転写した。次に、これを200℃で30分間熱処理して導電性パターンを備えた印刷物を形成した。得られた導電性パターンを光学顕微鏡で観察したところ、パターン疎部において底あたりによる非画像部へのインク付着はみられなかった。
[実施例8]
吸着層に用いる材料としてチオアルキル化合物(Fluorous Technologies製:1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクタン−1−チオール)、下地層として銅を用いた以外は、実施例7と同様に凸版印刷用凸版を製造し、これを用いてインク1で調整した導電性インクを用いて印刷物の製造を行った。得られた印刷物について、導電性パターンを光学顕微鏡で観察したところ、パターン疎部において底あたりによる非画像部へのインク付着はみられなかった。
[実施例9]
インクとして、実施例3と同様のインク2を用いた他は実施例7と同様に凸版印刷用凸版を製造し、これを用いて印刷物の製造を行った。
上記インク2の赤色着色インクを実施例7と同様にブランケットに塗布・非画像部の除去・被印刷基材への転写を行ってガラス基板上にインクパターンを得た。こうして得られた印刷物は、パターン疎部において底あたりによる非画像部へのインク付着はみられなかった。
[比較例1]
凹部に吸着層を形成しない他は実施例1と同様に反転オフセット印刷に用いる版を製造し、印刷物の製造までを行った。得られた印刷物について、導電性パターンを光学顕微鏡で観察したところ、パターン疎部における底あたりが顕著で、非画像部にインクの付着が見られた。
[比較例2]
凹部底部に吸着層を形成しない他は実施例4と同様に凹版印刷用凹版を製造し、印刷物の製造までを行った。得られた印刷物について、導電性パターンを光学顕微鏡で観察したところ、パターン密部において画像部のインク欠けが顕著に見られた。
以上の実施例結果を表2にまとめる。
[比較例3]
凹部に吸着層を形成しない他は実施例7と同様に凸版印刷用凸版を製造し、印刷物の製
造までを行った。得られた印刷物について、導電性パターンを光学顕微鏡で観察したところ、パターン疎部における底あたりが顕著で、非画像部にインクの付着が見られた。
表2より、実施例1〜9で得られた本発明の印刷用版を使用した印刷物は、パターンが疎である部分と密である部分が混在していても高精細かつパターン抜けの起こらない高品質の印刷物が得られる。
本発明は回路基板、液晶や有機EL、電子ペーパーなどの表示装置などのファインパターンが要求される電子部品において、導電体や絶縁体、誘電体、磁性体、半導体、抵抗体、発光材料、レジスト、カラーフィルターの形成を印刷によって行う際に使用する印刷版およびその製造方法とその印刷版で製造した回路基板、液晶や有機EL、電子ペーパーなどの表示装置などのファインパターンが要求される電子部品に関するものである。
本発明の印刷用版の一例を示す断面図である。 (a)は本発明の印刷用版の例を示す平面図である。(b)は(a)で示す図のA−Bラインでの断面図である。 反転オフセット印刷において、(a)はインク膜と印刷用版の接触を説明する模式断面図である。(b)は被印刷基材と反転オフセット印刷に用いる版の接触を説明する模式断面図である。(c)はその印刷物の模式断面図である。 凸版印刷において、(a)はインク膜と印刷用版の接触を説明する模式断面図である。(b)は被印刷基材と凸版印刷に用いる版の接触を説明する模式断面図である。(c)はその印刷物の模式断面図である。 本発明の印刷用版の形成方法の一例を説明する模式断面図である。 反転オフセット印刷法を説明する工程の模式断面図である。 凹版印刷法を説明する工程の模式断面図である。 凸版印刷法を説明する工程の模式断面図である。
符号の説明
100:版
110:吸着層
111:凹部
120:下地層
131:凸部
200:版
211:凹部
260:パターン密部
270:パターン疎部
300:版
340:インク膜形成基材
341:インク
342:インク膜形成基材のインク支持体
343:画像パターン抜け
350:被印刷基材
360:パターン密部
370:パターン疎部
410:吸着層
420:下地層
421:露出している下地層
480:支持基材
500:版
510:吸着層
520:下地層
540:インク膜形成基材
541:インク
542:インク膜形成基材のインク支持体
543:インク
550:被印刷基材

Claims (1)

  1. 基材上に非画線部もしくは画線部に対応する凸部と画線部もしくは非画線部に対応する凹部とからなる版パターンが設けられている微細パターンを印刷するのに用いる版であって、
    前記凹部が下地層に形成され、該凹部の下地層上に吸着層が形成されている版を反転オフセット印刷の除去版として用いる印刷物の形成方法であり、
    前記下地層は、金属酸化物で構成され、吸着層はシランカップリング剤で構成されていることを特徴とする印刷物の形成方法。
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