JP2009061659A - 版及び印刷物の生産方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高精細なパターンを確実に印刷可能で容易に作成可能な版を提供すること。
【解決手段】上記課題を解決するために、本発明では、下地層(120)の上に、前記下地層に選択的に吸着した吸着層(110)の部分と、前記下地層が露出している部分(131)とを有し、
前記下地層に選択的に吸着した吸着層の部分は撥インク部であり、
前記下地層が露出している部分は親インク部であることを特徴とする版(100)を提供したものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、微細なパターンを印刷する必要がある分野、具体的には電気部品、電子部品等の製造において配線パターン等を印刷する場合の技術に関する。特に、反転オフセット印刷に用いる除去版、平版印刷に用いる平版、及びそれらの形成方法と、それらを用いた印刷物の生産方法に関わる。
従来、回路基板、表示装置等の電子部品の形成にはフォトリソグラフィーと真空プロセスが用いられてきた。近年、電子技術の進歩に伴って、素子類のサイズは益々小さくなっており、それにつれて素子を形成するパターンも微細化することが要求されている。そこで、従来のフォトレジストを用いた製造方法に比べ、生産性、コスト、高精度、大面積化等の面や更なる微細化のため、各種印刷方法を用いた微細パターンの製造方法が提案されている。
印刷法のなかでも、微細な画像パターンを形成可能な印刷法として、反転オフセット印刷法(例えば特許文献1参照)と平版印刷法とが挙げられる。
まず反転オフセット印刷法について、従来技術とその問題点を説明する。
反転オフセット印刷法に用いる装置は一般的に、通称ブランケットと呼ばれる筒状のインク膜形成基材と、インク膜形成基材にインクを供給しインク膜とするインク供給手段と、インク膜形成基材上に形成されたインク膜から非画像部を除去する除去版と、インク膜形成基材上に残された画像部を転写されて印刷物となる被印刷基板と、被印刷基板を印刷に適切な位置へ搬送する搬送手段とで構成される。
インク膜形成基材には通常インク膜が剥がれ易いような処理がなされ、例えばシリコーンゴムが用いられる。またインク膜形成基材は、均一なインク膜が形成可能であれば筒状であっても板状であってもよく、例えばたわみを持たせた円弧状を選択することもできる。また除去版も適切にインク膜の非画像部を除去可能であればいずれの形状を選択してもよい。
反転オフセット印刷の印刷工程を、順を追って説明する。まず、インク供給手段からインクをインク膜形成基材上に塗布してインク膜を形成する。このとき、インクはインク膜形成基材上で予備乾燥状態に置かれ、多少の溶媒を失ってインク膜となる。ついで、該インク膜に対し所定形状の除去版を接触させて該インク膜の非画像部を転写してインク膜形成基材から除去する。ここでは除去版として画像部に対応する部位が凹部、非画像部に対応する部位が凸部となった版を使用している。次に、該インク膜形成基材上に残った該インク膜の画像部を被印刷基板に転写して、印刷物を得ることができる。
このような反転オフセット印刷法により画像パターンを形成する例として、基材上に導電性インクを用いて印刷を行い、電磁波シールドを作製することが提案されている(例えば特許文献2参照)。
このほか、さまざまな画像パターンを印刷した印刷物の製造が望まれている。特に、一つの印刷面に対し、キャパシタ電極と配線パターンなど、大面積のべたパターンと、細く間隔の狭いパターンの両方の形成が望まれている。
しかし、反転オフセット印刷法は、除去版のレリーフの深さ(版深)に対して面積の広い画像パターンを画像部として残すのは不得手である。これを図3で説明する。
図3の(a)及び(b)は、インク膜341がインク支持体342の全面に形成されたインク膜形成基材340のインク膜341に、除去版300の凸部頂部を接触させた状態を模式的に示す断面図である。この除去版300は、画像パターンが相対的に疎であるパターン疎部370と、密であるパターン密部360を備えている。また、凸部頂部と凹部底部との高さの差を版深と呼ぶ。
ここで、インク膜形成基材340と除去版300とは通常弾性を備えるので、除去版300とインク膜形成基材340が接触した際に変形を起こす。その結果、除去版300の版深に対して印刷物の画像部に対応する領域である凹部の面積が大きい場合、除去版300の備える凹部底部と、インク膜形成基材340上のインク膜341とが接触することになる。すなわち、図3の(a)のように除去版300が変形したり、図3の(b)のようにインク膜形成基材340が変形したりして除去版300の凹部とインク膜341とが接触する。
除去版300の備える凹部は、インク膜形成基材340上にインク膜341を残さなくてはならないので、このようにインク膜341と接触してしまうと、印刷物に画像パターンとして形成すべきインク膜341がインク膜形成基材340から除去されてしまい、図3の(c)のように、被印刷基材350上に画像パターン抜け343が起きてしまう。
これを回避するため、画像パターンが疎である場合は、版深を深くしてインク膜と凹部底部との接触を防ぐという方法が考えられる。しかし、一般的にアスペクト比の高い版の微細加工は難しいため、アスペクト比の高い版の形成は微細パターニングを行う際の課題となっている。そればかりでなく、アスペクト比の高い版は、凸部の強度の低下や凸部の変形による位置精度悪化等という問題がおきる。
次に平版印刷法について、従来技術とその問題点を説明する。
平版印刷法は、一般にオフセット印刷法として普及している。通常のオフセット印刷法は、水と油の非混和性を利用したもので、印刷面に親水性部と親油性部とを形成し、印刷時には先ず平版の親水性部に湿し水と称する水分を与えて油性インクに対する反発性を付与し、次にインクを平版に供給して親油性部のみにインクを付着させ、このインクを直接あるいはブランケットに一度転写してから被印刷体に再転写して印刷する。
このような平版印刷法では湿し水の管理技術が難しいため、湿し水を用いないオフセット印刷法、すなわち、乾式平版印刷法が開発されている。これは、基本的には撥油性部と親油性部とを有し、親油性部のみにインクが付着して撥油性部に付着しないことを利用している。
この撥油性部は、一般に有機シリコーン化合物や有機フッ素化合物からなり、アルミニウム等の金属板上に存在するこれらの化合物の一部を適当な手段で除去して親油性部を露出させてインク受容部を形成して平版印刷版が形成される。
撥油部を除去する方法としては、光化学的手段が一般的である。例えば、撥油部層に感光性を付与しておき、この撥油部層に露光を行って露光部を光硬化することにより撥油性部を形成し、他方、未露光部を溶剤等で現像除去して親油性部を形成する方法がある。
また、撥油部層(シリコーンゴム層)の下部にジアゾニウム化合物系等の一般的感光性
樹脂層を配し、露光部を硬化保存させ、未露光部を現像除去する際に上層の撥油部層も除去して親油部を露出させる方法等もある。
更に、簡易印刷版用として電子写真法を用いてトナーを付着させる方法が提案されている。また、基板の全面に塗布されたシリコーン層を局部的に破壊して基板面を露出させ、その露出部分にインクを付着させる方法(例えば特許文献3参照)も提案されている。さらには、化学発泡剤を親油性熱軟化物質層および/または撥油性物質層に配合した乾式平版材料が提案されている(例えば特許文献4参照)。
上述した光化学的手段による乾式平版印刷版の製造方法は、製版処理が複雑であり、かつ高価な装置と長い製版時間を必要とし、さらには現像液の取扱に注意を要するという問題を有している。
また、印刷パターンが数十μm以下に高解像度化するほど、版の形成が困難になり、画像部の鮮明性(ラインの直線性)や非画像部の地汚れなどが生じる等の不良が発生しやすくなる問題がある。
また、簡易印刷版用として、電子写真法等を応用する乾式平版印刷版の製造法は、簡易、安価、かつ迅速な製版法であるが、撥油性物質からなるトナーを他の物質と付着させる必要があり、撥油性物質は本質的に他の物質との親和性に乏しいため、トナーの付着(固着)性が悪く、不安定で耐刷性が悪いという問題がある。
また、シリコーン層を局部的に破壊する方法でも、電子線やレーザービームの照射、放電破壊等による複雑かつ高価な装置と長い製版時間を必要とするという問題がある。さらに、化学発泡剤を配合したものでは、熱による分解を利用して気体を発生させるため、保存時に徐々に分解するという問題や、発泡助剤の分布が均一でない場合には箇所によって発泡の程度が異なり、地汚れ、掠れ等の画像形成不良が発生するという欠点があり、版材を安定的に製造することが困難となるため、工業的に大きな問題を有していた。
また、一部の発泡剤には、発生した気体の中に有害な成分を含むものや、副生成物として有害なものを発生するものがあり、作業環境上からも大きな問題を有していた。
特開2000−289320号公報 特開2005−175061号公報 特公昭42−21879号公報 特開平1−192555号公報
本発明は斯かる背景技術に鑑みてなされたもので、高精細なパターンを確実に印刷可能で容易に作成可能な版を提供することを課題とする。
本発明において上記課題を解決するために、まず請求項1の発明では、
下地層の上に、前記下地層に選択的に吸着した吸着層の部分と、前記下地層が露出している部分とを有し、
前記下地層に選択的に吸着した吸着層の部分は撥インク部であり、
前記下地層が露出している部分は親インク部であることを特徴とする版としたものである。
また請求項2の発明では、
前記下地層は金属酸化物で構成され、前記吸着層はシランカップリング剤で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の版としたものである。
また請求項3の発明では、
前記シランカップリング剤は下記化学式1〜3で表される化合物から選択された1種類以上の化合物であることを特徴とする請求項2記載の版としたものである。[化学式1]
R1SiX1X2X3[化学式2]
R1R2SiX1X2[化学式3]
R1R2R3SiX1 上記化学式1〜3中、R1、R2、R3は、独立してアルキル基、シクロアルキル基、又はフェニル基であるか、或いは全フッ素化もしくは部分フッ素化されたアルキル基、シクロアルキル基、又はフェニル基である。また、上記化学式1〜3中、X1、X2、X3は独立してアルコキシ基もしくはハロゲンである。
また請求項4の発明では、
前記下地層は金属で構成され、前記吸着層はチオアルキル化合物で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の版としたものである。
また請求項5の発明では、
前記チオアルキル化合物は下記化学式4で表される化合物から選択された1種類以上の化合物であることを特徴とする請求項4記載の版としたものである。[化学式4]
R1(S)nR2 上記化学式4中、R1は、独立してアルキル基、シクロアルキル基、又はフェニル基であるか、或いは全フッ素化もしくは部分フッ素化されたアルキル基、シクロアルキル基、又はフェニル基である。また上記化学式4中、R2は、独立して水素、アルキル基、シクロアルキル基、又はフェニル基であり、或いは全フッ素化もしくは部分フッ素化されたアルキル基、シクロアルキル基、フェニル基である。また化学式4中、nは1から3までの間で選択される整数である。
また請求項6の発明では、
インク膜形成基材にインク膜を形成するインキング工程と、インク膜形成基材上のインク膜に、請求項1〜5の何れか1項に記載の版の吸着層側を接触させて、前記版の下地層が露出している部分にインク膜を転写して、インク膜形成基材上にインク膜パターンを形成するパターニング工程と、インク膜形成基材上のインク膜パターンを被印刷基材に転写する工程とを含む印刷物の生産方法としたものである。
また請求項7の発明では、
請求項1〜5の何れか1項に記載の版の吸着層側にインキングして、前記版の下地層が露出している部分にインク膜を形成するインキング工程と、前記版上のインク膜を被印刷基材に転写する工程とを含むことを特徴とする印刷物の生産方法としたものである。
本発明の版を反転オフセット印刷に用いる除去版として使用する場合、この除去版の画像部に相当する部位がインクとの付着性が弱い吸着層で形成されているので、画像部のパターン抜けなどの印刷不良を抑制できるという効果がある。また、版深を極端に深くする必要が無いために高解像度化が可能となるという効果がある。
本発明の版を平板印刷に用いる平版として使用する場合、吸着層の形成に下地層に対する自己選択的な形成法とフォトリソグラフィー法とを用いることによって高解像度で鮮明性が高い平版を簡便、安価、かつ迅速に形成できるという効果がある。
本発明は、高精細なパターンを確実に印刷可能で容易に作成可能な版を提供し、この版を使用して高精細なパターンを確実かつ容易に印刷することができるという効果がある。
以下、本発明の最良の一実施形態を説明する。
<版の構成>
本発明の版の構成について、図1を用いて説明する。
本発明の版100は、下地層120の上に部分的に吸着層110が形成されている。下地層120は枚葉状もしくは柔軟性のある支持基材上に形成されても良く、支持基材は無くても良い。下地層が露出している領域131は親インク部であり、吸着層110は撥インク部である。そのため、本発明の版100を反転オフセット印刷の除去版として使用して印刷する際には、下地層が露出している領域131が印刷物の非画像部に相当し、吸着層110が印刷物の画像部に相当する。また、本発明の版100を平版印刷の平版として使用して印刷する際には、下地層が露出している領域131が印刷物の画像部に相当し、吸着層110が印刷物の非画像部に相当する。
吸着層は下地層に選択的に吸着することが好ましく、耐印刷性の点から吸着層は下地層に化学吸着することがより好ましい。吸着層が下地層に化学吸着するためには両者の適切な組合せが重要である。吸着層と下地層が化学吸着する組合せは、引用文献1より表1に示す組合せを用いることができる。
本発明においては、
下地層が金属酸化物で構成され、吸着層がシランカップリング剤で構成される第一の組合せと、
下地層が金属で構成され、吸着層がチオアルキル化合物で構成される第二の組合せとを選択することができる。
[引用文献1]ナノ領域の自己組織化技術 東レリサーチセンター。
<版の形成方法>
本発明の版の形成方法について図4を用いて説明する。
[工程1]
まず、図4の(a)に示すように、下地層420の上に吸着層410の膜形成を行う。吸着層410の膜形成は、吸着層の材料を水や有機溶媒に溶かした溶液を用いた浸漬法や、ディップ法、スピンコート法などのウェットプロセスや、密閉容器内で吸着層の材料蒸気に基板をさらすドライプロセスを用いることができる。
[工程2]
次に、図4の(b)に示すように、吸着層410のパターニングを行う。吸着層のパターニングは、フォトマスクを介した真空紫外光の光リソグラフィーや、レーザー描画、EB描画などの直接描画法を用いることができる。光リソグラフィーを用いる場合、下地層上に形成された吸着層を短波長の紫外光で分解し除去することが出来る。
以上によって本発明の版を得ることができる。
<版の材料>
本発明の版を構成する材料を説明する。
下地層は、二酸化珪素、アルミナ、カオリン、マイカ、タルク、クレイ、アルミナ、ウォラストナイト、チタン酸カリウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化クロム、酸化ジルコニウム、酸化インジウムなどの金属酸化物や、
Au、Ag、Cu、Pt、Pd、Rh、Ru、Fe、Co、Cr、Al、Zn、Ti、Mn、Mo、W、Zrやこれらから選ばれる合金などの金属を用いることができる。
吸着層はシランカップリング剤で構成されることができる。
シランカップリング剤は、下記化学式1〜3で表される化合物からなる群より選択された1種類以上の化合物であることが好ましい。[化学式1]
R1SiX1X2X3[化学式2]
R1R2SiX1X2[化学式3]
R1R2R3SiX1 上記式中、R1、R2、R3は、独立してアルキル基、シクロアルキル基、又はフェニル基であるか、或いは全フッ素化もしくは部分フッ素化されたアルキル基、シクロアルキル基、又はフェニル基である。また、上記式中、X1、X2、X3は独立してアルコキシ基もしくはハロゲンである。
具体的には、イソブチルトリメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、ジイソブチルジメトキシシラン、n−オクチルメトキシシロキサン、エチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン、トリメチルプロポキシシラン、トリメチ
ルイソプロポキシシラン、フェノキシトリメチルシラン、シクロヘキロキシトリメチルシラン、ヘキシルトリクロロシラン、ヘプチルトリクロロラン、オクチルトリクロロシラン、ノニルトリクロロシラン、デシルトリクロロシラン、オクタデシルトリクロロシランなどのアルキル基や、 シクロヘキシルトリメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、(シクロプロピルメチル)ジメチルメトキシシラン、シクロヘキシルトリクロロシランなどのシクロアルキル基を有するアルコキシシランや、
ジメトキシメチル−3,3,3−トリフルオロプロピルシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、2−(ノナデカフルオロノニル)エチルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、(ペンタフルオロフェニル)トリエトキシシラン、8,8,8−トリフルオロオクチルトリエトキシシラン、2−(ヘニコサフルオロデシル)エチルトリエトキシシラン、(4−フルオロフェニル)トリメトキシシラン、1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシルトリクロロシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクチルトリクロロシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリクロロシラン、ヘニコサフルオロデシルトリクロロシラン、4−フルオロベンジルトリクロロシランなどのフッ素化されたアルコキシシランなどを例としてあげることが出来るが、これに限定されない。
また、吸着層はチオアルキル化合物で構成されることができる。
チオアルキル化合物は下記化学式4で表される化合物から選択された1種類以上の化合物で有ることが好ましい。[化学式4]
R1(S)nR2 上記式中、R1は独立してアルキル基、シクロアルキル基、フェニル基であり、アルキル基、シクロアルキル基、フェニル基は全フッ素化もしくは部分フッ素化されていてもよい。またR2は独立して水素、アルキル基、シクロアルキル基、フェニル基であり、アルキル基、シクロアルキル基、フェニル基は全フッ素化もしくは部分フッ素化されていてもよい。また、式中、nは1から3までの間で選択される整数である。
具体的には、1−ブタンチオール、シクロヘキサンチオール、1−デカンチオール、1−ドデカンチオール、1−ヘプタンチオール、1−オクタデカンチオール、1−ヘキサデカンチオール、1−ノナンチオール、4−tert−ブチルシクロヘキサノンジチオアセタール、シクロヘキサンチオール、4−tert−ブチルシクロヘキサンチオール、シクロペンタンチオール、p−フルオロベンゼンメタンチオール、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデカン−1−チオール、1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクタンチオール、4−(トリフルオロメチル)ベンゼンチオール、4−(トリフルオロメチル)−2,3,5,6−テトラフルオロベンゼンチオール、12,12,12−トリフルオロドデカン−1−チオール、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエタンチオール、6−(ヘプタデカフルオロオクチル)−1−ヘキサンチオール、4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,13,13,13‐ヘニコサフルオロトリデカン‐1‐チオール、5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−トリデカフルオロデカン−1−チオール、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,13,13,13−トリコサフルオロトリデカン−1−チオール、トリコサフルオロウンデカン−1−チオール、4−チアヘプタン二酸ジドデシル、ジシクロヘキシルスルフィド、ジブチルスルフィド、ジイソアミルスルフィド、ジドデシルスルフィド、ジヘキシルスルフィド、ジシクロヘキシルペルスルフィド、ジヘキサデシルペルスルフィド、ビス(ペンタフルオロフェニル)ペルジスルフィド、ジヘキシルペルトリスルフィド、ジヘプチルペルトリスルフィド、ジデシルペルトリスルフィド、ジノナデシルペルトリスルフィド、ビス(トリフルオロメチル)トリスルファンなどのジスルフィド、トリスルフィドなどのチオアルキル化合物を例としてあげることが出来るが、これに限定されない。
このように、アルキル基やフッ化アルキル基を有する低表面エネルギーの表面を与える材料を吸着層に用いると、吸着層へのインクの付着が抑制される。
このように構成される本発明の版を、反転オフセット印刷に用いる除去版として使用すると、インクとの付着力が極めて小さい吸着層を画像部に相当する部位に形成するため、底あたりによる画像部のパターン抜けを抑制することができる。このため、パターン疎部とパターン密部を備える版においても、版深を極端に深くする必要が無いので高詳細な版を容易に形成できるようになる。また、版深を浅くできると版凸部の強度の向上や位置精度の向上が可能となる。したがって、高詳細かつ高品質の印刷物の形成が可能な反転オフセット印刷に用いる除去版を供給することができる。
また、このように構成される本発明の版を、平版印刷に用いる平版として使用すると、パターニングされた吸着層を下地層上に選択的に形成できるので、吸着層で構成される撥インク部の位置精度の高い平版を容易に形成することが出来る。また、吸着層は半導体デバイスやLCDなどと同様のフォトリソ法で形成できるため、高解像度で画像ラインの鮮明なパターンを形成することが出来る。したがって、高詳細かつ高品質の印刷物の形成が可能な平版を供給することができる。
支持基材は、石英ガラスやクリスタルガラス、ソーダ石灰ガラス、ホウ珪酸ガラスなどのガラス系基材、ステンレスやアルミ、銅などの金属基材、シリコンなどから構成されるウェハー系基材や、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリカーボネート、セルローストリアセテート、シクロオレフィンポリマー、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、液晶ポリマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂などの材料を用いることができ、これらの樹脂を組み合わせたポリマーアロイや、ガラスエポキシ基板、1種または2種以上の上記樹脂材料を組み合わせて積層した多層構造の積層構造フィルムなどのプラスチック基材を用いることができる。
<反転オフセット印刷法による印刷物の製造>
本発明の版を反転オフセット印刷に用いる除去版として使用した場合の印刷物の製造について図5を用い説明する。
本発明の版は、反転オフセット印刷法の除去版として使用される。まず、インク膜形成基材上にインク膜を形成する。次いで、図5の(a)に示すように、インク膜形成基材540のインク膜541側に、除去版500の吸着層510側を接触させて、除去版500の下地層520が露出している領域に、インク膜541の中で、その領域に対向しているの部分のインキ膜543を転写させる。従って、版500の下地層520が露出している領域が、従来の除去版の凸部として機能することになる。次いで、図5の(b)に示すように、被印刷基材550に、インク膜形成基材540に残ったインク膜を接触させて、そのインク膜を被印刷基材550に転移させる。
反転オフセット印刷法に用いられるインクは、製造する印刷物の種類に応じて調整すれ
ばよく、金、銀、銅、ニッケル、白金、パラジウム、ロジウム、ITO、酸化スズ、酸化亜鉛などの金属、金属酸化物微粒子分散液に必要に応じて各種添加剤を加えた無機系導電性インクや、PEDOT/PSSやポリアニリン、ポリピロールなどを水や有機溶媒に溶かした有機系導電性インクや、有機エレクトロルミネッセンス(EL)材料を有機溶媒に溶解または分散させたインク、カラーフィルター用顔料分散液、エッチングレジストなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
インク膜の転写によって画像が形成される被印刷基材は、目的とする印刷物に応じて適宜選択することができる。電子部品を製造する場合は通常、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリイミド、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート、ガラスエポキシ基板などのプラスチック材料、石英などのガラス基板やシリコンウェハーなどを挙げることができる。印刷物が使用される環境に合わせてフィルム等のフレキシブルな基材を選択することも可能であり、この場合は生産効率の向上のために長尺の基材を用い、連続して印刷を行うことが好ましい。
反転オフセット印刷法に用いられるインク膜形成基材は、通称ブランケットと呼ばれ、この材料としてはインク膜の形成、除去版による非画像部のインク膜除去及び被印刷基板への画像部インク膜の転写が可能なものが用いられる。また、変形の少ない材料が好ましいが、ある程度の柔軟性が求められる。このような材料として、シリコーン系エラストマー、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、ウレタンゴムなどの各種高分子材料を用いることができる。また、ブランケット表面の濡れ性を調整するため、ブランケット表面にフッ素樹脂およびシリコーンの塗布、プラズマ処理、UVオゾン洗浄処理などの表面処理を施しても良い。このようなインク膜形成基材は通常可撓性の板として供給されるので、これを円筒形の版胴に巻きつけて用いたり、強度のある平板に固定して用いたりすることができる。
本発明の版を反転オフセット印刷に用いる除去版として使用した製造方法により製造される印刷物としては、例えば、回路基板、薄膜トランジスタ基板、カラーフィルター、プリント配線板、有機エレクトロルミネッセンス素子、部品内蔵基板等を挙げることができる。薄膜トランジスタ基板は、複数の薄膜トランジスタを画素に対応してアレイ状に備え、液晶ディスプレイ等各種画素毎のオン−オフが必要なディスプレイの部材として使用することができる。
本発明の版を反転オフセット印刷に用いる除去版として使用して印刷される画像パターンとしては、例えば、薄膜トランジスタ基板の備える電極、キャパシタ電極、配線等を、また、カラーフィルターの備える着色層、有機エレクトロルミネッセンス素子の備える電極や有機エレクトロルミネッセンス層を、また、プリント配線板の備える配線や、素子内蔵型のプリント配線板である場合はキャパシタ電極や誘電体層、抵抗素子電極や抵抗体、インダクタ、トランジスタ構成部材等の受動素子・能動素子、回路基板形成のためのエッチングレジストを挙げることができる。
<平板印刷法による印刷物の製造>
本発明の版を平版として使用した場合の平板印刷法による印刷物の製造について図6を用い説明する。
本発明の版は、平版印刷法の平版として使用される。まず、図6の(a)に示すように、インキング機構640のインク膜641側に、平版600の吸着層610側を接触させて、平版600の下地層680が露出している部分にインキ膜643を付着させる。次いで、図4の(b)に示すように、被印刷基材550に平版600の吸着層610側を接触させてインク膜643を被印刷基材650に転写させる。この際、平版600上のインク
膜643は被印刷基材650へ全量転写しても部分転写でも良い。
平版印刷法に用いられるインクは、製造する印刷物の種類に応じて調整すればよく、金、銀、銅、ニッケル、白金、パラジウム、ロジウム、ITO、酸化スズ、酸化亜鉛などの金属、金属酸化物微粒子分散液に必要に応じて各種添加剤を加えた無機系導電性インクや、PEDOT/PSSやポリアニリン、ポリピロールなどを水や有機溶媒に溶かした有機系導電性インクや、有機エレクトロルミネッセンス(EL)材料を有機溶媒に溶解または分散させたインク、カラーフィルター用顔料分散液、エッチングレジストなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
インク膜の転写によって画像が形成される被印刷基材は、目的とする印刷物に応じて適宜選択することができる。電子部品を製造する場合は通常、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリイミド、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート、ガラスエポキシ基板などのプラスチック材料、石英などのガラス基板やシリコンウェハーなどを挙げることができる。印刷物が使用される環境に合わせてフィルム等のフレキシブルな基材を選択することも可能であり、この場合は生産効率の向上のために長尺の基材を用い、連続して印刷を行うことが好ましい。
本発明の版を平版として使用した平版印刷による製造方法により製造される印刷物としては、例えば、回路基板、薄膜トランジスタ基板、カラーフィルター、プリント配線板、有機エレクトロルミネッセンス素子、部品内蔵基板等を挙げることができる。薄膜トランジスタ基板は、複数の薄膜トランジスタを画素に対応してアレイ状に備え、液晶ディスプレイ等各種画素毎のオン−オフが必要なディスプレイの部材として使用することができる。
本発明の版を平版として使用した平版印刷により印刷される画像パターンとしては、例えば、薄膜トランジスタ基板の備える電極、キャパシタ電極、配線等を、また、カラーフィルターの備える着色層、有機エレクトロルミネッセンス素子の備える電極や有機エレクトロルミネッセンス層を、また、プリント配線板の備える配線や、素子内蔵型のプリント配線板である場合はキャパシタ電極や誘電体層、抵抗素子電極や抵抗体、インダクタ、トランジスタ構成部材等の受動素子・能動素子、回路基板形成のためのエッチングレジストを挙げることができる。
まず、本発明の版を反転オフセット印刷に用いる除去版として使用した場合の実施例と、その比較例とを説明する。
[実施例1]
版の支持基材として、縦横の大きさが100mm×100mm、厚さが0.1mmのPENフィルムを用いた。このPENフィルムの片面に下地層として用いるSiO2を蒸着により50nm製膜した。
次いで、シランカップリング剤としてフルオロアルキルシラン(GE東芝シリコーン社製:商品名TSL8233)をイソプロピルアルコールに0.5重量%となるよう溶解させた溶液に支持基材を10分間浸漬後、120℃で10分乾燥させることにより下地層表面に吸着層を形成した。
次いで、吸着層に対して、フォトマスクを介した波長172nmのエキシマ光の照射を行った。
こうして、画像部に対応する部位はフルオロアルキルシランからなる吸着層で形成され、非画像部に対応する部位は下地層が露出した領域で形成された反転オフセット印刷に用いる除去版を作製した。
また、この除去版を用いて形成するパターンは、図2(a)及び(b)で模式的に示したパターンを1単位として、ソーダライムガラス基板中央部の100mm四方の領域に、10単位×10単位で計100単位配置したものである。パターン疎部270に対応する画像パターンは250μm×250μmの方形であり、パターン密部260に対応する画像パターンは140μm×210μmの矩形である。パターン疎部とパターン密部の間のライン/スペース幅は5μm/5μmである。
インクとして、平均粒径20nmの銀粒子水分散液を、銀粒子が20重量部、水が80重量部となるように溶解させ導電性インクを調製した。
実施例1に係る印刷物の製造は次のようにして行った。
インク膜形成基材として用いるシリコーンシートに、上記のように調整した導電性インクをバーコータで塗布して導電性のインク膜を形成した。
次に、画像部に相当する部位に吸着層を形成した実施例1に係る本発明の版の吸着層側を、インク膜形成基材のインク膜に密着させたのち剥離し、この版の下地層が露出している部分に非画像部のインク膜を転写した。次に、画像部のインク膜が残されたインク膜形成基材のインク膜側を、被印刷基材側として用いる厚さ0.7mm、縦横の大きさが100mm×100mmのソーダライムガラス基板に密着させた後剥離して、インク膜形成基材上のインク膜を被印刷基材側に転写した。次に、これを200℃で30分間熱処理して導電性パターンを備えた印刷物を形成した。得られた印刷物の導電性パターンを光学顕微鏡で観察したところ、パターン疎部において底あたりによる非画像部のインク抜けはみられなかった。
[実施例2]
吸着層に用いる材料としてチオアルキル化合物(Fluorous Technologies製:1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクタン−1−チオール)を、下地層として金を用いた以外は、実施例1と同様にして、反転オフセット印刷に用いる除去版を製造し、これを用いて実施例1と同様に調整した導電性インクを用いて印刷物の製造を行った。得られた印刷物について、導電性パターンを光学顕微鏡で観察したところ、パターン疎部において底あたりによる非画像部のインク抜けはみられなかった。
[実施例3]
インクとして、以下に示すように調整したカラーフィルター用の赤色着色インクを用いた他は、実施例1と同様にして、反転オフセット印刷に用いる除去版を製造し、これを用いて印刷物の製造を行った。
まず、赤色顔料分散液を下記の組成で調整した。(赤色顔料分散液)
・赤色顔料
C.I. Pigment Red 254(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガーフォーレッド B−CF」)…18重量部
C.I. Pigment Red 177 (チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「クロモフタールレッド A2B」)…2重量部
・アクリルワニス(固形分20%)…108重量部 その後、下記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、5μmのフィルタで濾過して赤色着色インクを得た。
(赤色着色インク)
・上記赤色顔料分散液…100重量部
・メチル化メチロールメラミン(三洋化成工業株式会社製:商品名MW−30)…20重量部
・レベリング剤(大日本インキ化学工業株式会社製:商品名メガファック F−483SF)…1重量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテル…85重量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート…45重量部 こうして調整した赤色着色インクを実施例1と同様にインク膜形成基材に塗布・非画像部の除去・被印刷基材への転写を行ってガラス基板上にインクパターンを得た。こうして得られた印刷物は、パターン疎部において底あたりによる非画像部のインク抜けはみられなかった。
[比較例1]
石英ガラス基板を版基材として、基板の画像部分をドライエッチング法で3μmの版深になるように加工した反転オフセット印刷に用いる除去版を作製した。こうして作製した除去版を実施例1と同様のインクと実施例1と同様の印刷物の製造方法を行って印刷物をした。得られた印刷物について、導電性パターンを光学顕微鏡で観察したところ、非画像部のインク抜けが見られた。
以上の実施例1〜3及び比較例1の結果を表2にまとめる。
次に、本発明の版を平版印刷に用いる平版として使用した場合の実施例と、そ
の比較例とを説明する。
[実施例4]
版の支持基材として、縦横の大きさ100mm×100mm、厚さ0.1mmのPENフィルムを用いた。このPENフィルムの片面に下地層として用いるSiO2を蒸着により50nm製膜した。
次いで、吸着層として用いるシランカップリング剤としてフルオロアルキルシラン(GE東芝シリコーン社製:商品名TSL8233)をイソプロピルアルコールに0.5重量%となるよう溶解させた溶液に支持基材を10分間浸漬後、120℃で10分乾燥させることにより下地層表面に吸着層を形成した。
次いで、吸着層に対して、フォトマスクを介した波長172nmのエキシマ光の照射を行った。
こうして、画像部に対応する部位は下地層が露出している領域で形成され、非画像部に対応する部位は吸着層で形成され、この吸着層が撥インク部に対応する平版印刷用平版を作製した。
また、この平版を用いて形成するパターンは、図2の(a)及び(b)で模式的に示したパターンを1単位として、ソーダライムガラス基板中央部の100mm四方の領域に、10単位×10単位で計100単位配置したものである。パターン疎部270に対応する画像パターンは250μm×250μmの方形であり、パターン密部260に対応する画像パターンは140μm×210μmの矩形である。パターン疎部とパターン密部の間のライン/スペース幅は5μm/5μmである。
インクとして、平均粒径20nmの銀粒子水分散液を、銀粒子が20重量部、水が80重量部となるように溶解させ導電性インクを調製した。
実施例4に係る印刷物の製造は次のようにして行った。
まず、インキング機構のインク支持体(以後インキング基板とも云う)として用いるガラス基板上に、上記のように調整した導電性インクを、バーコータで塗布して導電性のインク膜を形成した。
次に、吸着層が形成された実施例4に係る本発明の平版の吸着層側を、インキング基板のインク膜に密着させたのち剥離し、平版の画像部(下地層が露出している領域)にインク膜を形成した。次に、画像部にインク膜に形成された平版の吸着層側を、被印刷基材側として用いる厚さ0.7mm、縦横の大きさが100mm×100mmのソーダライムガラス基板に密着させた後剥離して、平版の画像部のインク膜を被印刷基材側に転写した。次に、これを200℃で30分間熱処理して導電性パターンを備えた印刷物を形成した。得られた導電性パターンを光学顕微鏡で観察したところ、パターン密部から疎部にかけて画像の形成は良好であった。
[実施例5]
吸着層に用いる材料としてチオアルキル化合物(Fluorous Technologies製:1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクタン−1−チオール)、下地層として金、不活性層としてSiO2を用いた以外は、実施例4と同様にして、平版印刷用平版を製造し、これを用いて実施例4と同様に調整した導電性インクを用いて印刷物の製造を行った。得られた導電性パターンを光学顕微鏡で観察したところ、パターン密部から疎部にかけて画像の形成は良好であった。
[実施例6]
インクとして、以下に示すように調整したカラーフィルター用の赤色着色インクを用いた他は、実施例4と同様にして、平版印刷用平版を製造し、これを用いて印刷物の製造を行った。
まず、赤色顔料分散液を下記の組成で調整した。(赤色顔料分散液)
・赤色顔料
C.I.Pigment Red 254(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガーフォーレッド B−CF」)…18重量部
C.I.Pigment Red 177 (チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「クロモフタールレッド A2B」)…2重量部
・アクリルワニス(固形分20%)…108重量部 その後、下記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、5μmのフィルタで濾過して赤色着色インクを得た。
(赤色着色インク〕
・上記赤色顔料分散液…100重量部
・メチル化メチロールメラミン(三洋化成工業株式会社製:商品名MW−30)…20重量部
・レベリング剤(大日本インキ化学工業株式会社製:商品名メガファック F−483SF)…1重量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテル…85重量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート…45重量部 こうして調整した赤色着色インクを実施例4と同様にして、平版に画像部にインキ膜を形成し被印刷基材への転写を行ってガラス基板上にインクパターンを得た。得られた導電性パターンを光学顕微鏡で観察したところ、パターン密部から疎部にかけて画像の形成は良好であった。
[比較例2]
従来の湿式平版を使用する他は、実施例4と同様にして印刷物の製造までを行った。得られた印刷物について、導電性パターンを光学顕微鏡で観察したところ、パターン密部における画像の欠けや非画像部の汚れ、画線の不鮮明さが顕著に見られた。
以上の実施例4〜6及び比較例2の結果を表3にまとめる。
本発明の版の一例を示す断面図である。 (a)は本発明の版により製造された印刷物の例を示す平面図であり、(b)は(a)に示す平面図のA−Bラインでの断面図である。 (a)は従来の除去版とインク膜形成基材との接触の一例を示す断面図であり、(b)は従来の除去版とインク膜形成基材との接触のもう一例を示す断面図であり、(c)は(a)又は(b)に示す接触例から作成された印刷物を示す断面図である。 本発明の版を形成する方法の一例を説明する模式図である。 本発明の版を除去版として使用した反転オフセット印刷法を説明する模式図である。 本発明の版を平版として使用した平版印刷法を説明する模式図である。
符号の説明
100…版
110…吸着層
120…下地層
131…下地層が露出している領域
210…インキ膜
220…ソーダライムガラス基板
231…ソーダライムガラス基板が露出している領域
260…パターン密部
270…パターン疎部
300…除去版
340…インク膜形成基材
341…インク膜
342…インク膜形成基材のインク支持体
343…画像パターン抜け
350…被印刷基材
360…パターン密部
370…パターン疎部
410…吸着層
420…下地層
421…露出している下地層
500…除去版
510…吸着層
520…下地層
540…インク膜形成基材
541…インク膜
542…インク膜形成基材のインク支持体
543…インク膜
550…被印刷基材
600…平版
610…吸着層
640…インキング機構
641…インク膜
642…インキング機構のインク支持体
643…インク膜
650…被印刷基材
680…下地層

Claims (7)

  1. 下地層の上に、前記下地層に選択的に吸着した吸着層の部分と、前記下地層が露出している部分とを有し、
    前記下地層に選択的に吸着した吸着層の部分は撥インク部であり、
    前記下地層が露出している部分は親インク部であることを特徴とする版。
  2. 前記下地層は金属酸化物で構成され、前記吸着層はシランカップリング剤で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の版。
  3. 前記シランカップリング剤は下記化学式1〜3で表される化合物から選択された1種類以上の化合物であることを特徴とする請求項2記載の版。[化学式1]
    R1SiX1X2X3[化学式2]
    R1R2SiX1X2[化学式3]
    R1R2R3SiX1 上記化学式1〜3中、R1、R2、R3は、独立してアルキル基、シクロアルキル基、又はフェニル基であるか、或いは全フッ素化もしくは部分フッ素化されたアルキル基、シクロアルキル基、又はフェニル基である。また、上記化学式1〜3中、X1、X2、X3は独立してアルコキシ基もしくはハロゲンである。
  4. 前記下地層は金属で構成され、前記吸着層はチオアルキル化合物で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の版。
  5. 前記チオアルキル化合物は下記化学式4で表される化合物から選択された1種類以上の化合物であることを特徴とする請求項4記載の版。[化学式4]
    R1(S)nR2 上記化学式4中、R1は、独立してアルキル基、シクロアルキル基、又はフェニル基であるか、或いは全フッ素化もしくは部分フッ素化されたアルキル基、シクロアルキル基、又はフェニル基である。また上記化学式4中、R2は、独立して水素、アルキル基、シクロアルキル基、又はフェニル基であり、或いは全フッ素化もしくは部分フッ素化されたアルキル基、シクロアルキル基、フェニル基である。また化学式4中、nは1から3までの間で選択される整数である。
  6. インク膜形成基材にインク膜を形成するインキング工程と、インク膜形成基材上のインク膜に、請求項1〜5の何れか1項に記載の版の吸着層側を接触させて、前記版の下地層が露出している部分にインク膜を転写して、インク膜形成基材上にインク膜パターンを形成するパターニング工程と、インク膜形成基材上のインク膜パターンを被印刷基材に転写する工程とを含む印刷物の生産方法。
  7. 請求項1〜5の何れか1項に記載の版の吸着層側にインキングして、前記版の下地層が
    露出している部分にインク膜を形成するインキング工程と、前記版上のインク膜を被印刷基材に転写する工程とを含むことを特徴とする印刷物の生産方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016172391A (ja) * 2015-03-17 2016-09-29 株式会社デンソー パターニング方法、半導体装置の製造方法および光学部品の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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