JP3021167B2 - 分析装置 - Google Patents

分析装置

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JP3021167B2
JP3021167B2 JP4041988A JP4198892A JP3021167B2 JP 3021167 B2 JP3021167 B2 JP 3021167B2 JP 4041988 A JP4041988 A JP 4041988A JP 4198892 A JP4198892 A JP 4198892A JP 3021167 B2 JP3021167 B2 JP 3021167B2
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  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、検体中の特定の成分を
検出、定量化する分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】検体中の特定成分、例えば、血液中のグ
ルコース、コレステロール、尿酸、または尿中のグルコ
ース、ヘモグロビン等を検出するに際しては、板状の支
持体上に、検出すべき特定成分と反応して呈色する試薬
が担持された試薬層を積層した試験具が用いられてい
る。
【0003】この試験具における試薬層の呈色強度(色
濃度)は、検体中の特定成分の量に応じたものとなるた
め、試薬層の呈色強度を測定することにより、検体中の
特定成分を分析することができる。この場合、目視によ
り試薬層の色濃度を予め作成された色見本と比較し、最
適なものを選択する比色法と、分析装置を用いて試薬層
の呈色強度を光学的に測定する方法とがあるが、測定精
度の点では、後者の方が優れており、近年、病院や検査
機関等において広く用いられている。
【0004】このような光学的測定に用いられる分析装
置は、試薬層へ光を照射する投光手段と、試薬層からの
反射光または透過光を受光する受光手段とを有してお
り、試薬層の色調に対応する1種類の極大波長(例えば
630nm)の光(単色光)の強度を測定し、その強度
を、既知濃度の検体サンプルより予め作成された検量線
と比較して検体中の特定成分を定量化(ランク分け)す
るものである。
【0005】しかしながら、検出すべき特定成分によっ
ては、特定成分の濃度の増減に対する呈色強度の変化率
が小さいものがあり、検体中の特定成分の濃度を判別し
難く、分析結果の信頼性が低いという問題があった。ま
た、一般に、特定成分の低濃度側においては、呈色強度
の測定値のバラツキが大きく、逆に特定成分の高濃度側
においては、呈色強度の変化率が小さくなる傾向があ
り、一般に、比較的低濃度または高濃度の特定成分を定
量化するにあたっては、分析結果の信頼性が低いという
問題があった。
【0006】このような場合、試薬層に担持される試薬
の種類の選定により若干信頼性は向上するものの、それ
には限界があり、満足できる程度の結果は得られていな
い。
【0007】また、1つの試験具で複数種の特定成分を
測定し得る多項目試験具に対し、そのそれぞれの特定成
分を同一の分析装置で分析可能とすることが課題とされ
ているが、そのためには、測定項目に対応する数(通常
5〜8程度)の光源、色フィルターおよび受光素子を設
置するか、または、光源および受光素子を多項目試験具
に対し相対的に移動する手段と、適宜切り替え可能な複
数の色フィルターとを設ける必要があり、分析装置が複
雑化、大型化し、操作も複雑であるという欠点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、小型
でかつ簡易な構成で、分析結果の信頼性を高めることが
できる分析装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)の本発明により達成される。
【0010】(1) 検体中の特定成分と反応して呈色
する試薬が担持された試薬層を有する試験具の前記試薬
層の呈色強度を光学的に測定することにより前記検体中
の特定成分を分析する分析装置であって、前記試薬層へ
光を照射する投光手段と、前記試薬層からの反射光また
は透過光を受光する受光手段と、該受光手段にて受光し
た光の強度を測定する測定装置とを有し、前記受光手段
が極大波長が異なる少なくとも3種の光を受光し、それ
らの強度の内の所定の2つの比を少なくとも2組求め、
この少なくとも2組のデータに基づいて前記検体中の特
定成分を分析することを特徴とする分析装置。
【0011】
【発明の構成】以下、本発明の分析装置を添付図面に示
す好適実施例に基づいて詳細に説明する。
【0012】図1は、本発明の分析装置の構成例を示す
斜視図、図2は、図1に示す分析装置の回路構成を示す
ブロック図である。図1および図2に示すように、分析
装置1は、後述する試験具10を載置する載置台21を
有する装置本体2と、載置台2に載置された試験具10
の所定の試薬層12へ光を照射する投光手段3と、試薬
層12からの反射光を受光する受光手段4と、この受光
手段4にて受光した光の強度を測定する測定装置5とで
構成されている。
【0013】投光手段3は、ハウジング31内に収納さ
れた光源32と、この光源32から載置台2の上部近傍
まで延長された光ファイバー33と、この光ファイバー
33の先端に装着されたレンズ34とで構成されてい
る。光源32としては、例えば、ハロゲンランプ、タン
グステンランプ、キセノンランプ等の白色光源を用いる
ことができる。
【0014】なお、光ファイバー33を用いず、通常の
ミラー、レンズ等で構成される光学系により光源32か
らの光路を形成することもでき、また、光源32から直
接試薬層12へ投光してもよい。受光手段4は、1また
は2以上のレンズ41と、3つの受光素子42、43、
44と、各受光素子42、43、44の近傍の光路上に
それぞれ配置された3つの色フィルター45R、45
G、45Bとで構成されている。
【0015】受光素子42、43、44としては、例え
ばフォトダイオードのようなものが用いられ、受光した
光の強度に応じた強さの電流(アナログ電気信号)を生
じる。色フィルター45R、45G、45Bは、それぞ
れ異なる波長域の光を透過し得るものである。例えば、
色フィルター45Rを透過する光の極大波長は620n
m、色フィルター45Gを透過する光の極大波長は54
0nm、色フィルター45Bを透過する光の極大波長は4
60nmである。
【0016】このような受光素子42〜44および色フ
ィルター45R、45G、45Bは、装置本体2の上部
のケーシング46内に収納されている。なお、投光手段
3および/または受光手段4には、種々目的で、前記色
フィルター45R、45G、45B以外の光学フィルタ
ーを光路上に設置してもよい。また、クロストークを防
止するために、隣接する受光素子42、43、44間に
遮光板等を設置することもできる。
【0017】各受光素子42、43、44は、それぞ
れ、ライン51、52、53を介して測定装置5に内蔵
される制御手段57に電気的に接続されている。また、
ライン51、52、53の途中には、それぞれ、アナロ
グ信号をデジタル信号に変化するA/D変換器54、5
5、56が設置されている。
【0018】制御手段57は、例えばマイクロコンピュ
ータで構成され、受光素子42、43、44からの電気
信号に基づいて、試薬層12に供給された検体中の特定
成分の量を演算する機能を有する。また、装置本体2に
は、観察(測定)領域を確認するためのスコープ22が
設置され、装置本体側部のハンドル23を回して、ピン
トを調節する。
【0019】なお、上記では、試薬層12に照射した光
の反射光の強度を測定する分析装置について説明した
が、本発明では、試薬層12を透過した光の強度を測定
する分析装置であってもよい。
【0020】図5および図6は、それぞれ、本発明にお
ける試験具の構成例を示す側面図である。図5に示す試
験具10は、支持体11上に1つの試薬層12を貼着し
たもの(単項目試験具)であり、図6に示す試験具1
0’は、支持体11上にそれぞれ異なる組成の試薬を担
持した複数の試薬層12を貼着したもの(多項目試験
具)である。
【0021】支持体11は、例えば厚さが20〜500
μm 程度の板状をなしており、検体に対して不活性な材
料で構成されている。支持体11の具体的な構成材料と
しては、ポリエチレンテレフタレート、セルロースエス
テル(セルロースジアセテート、セルローストリアセテ
ート、セルロースアセテートプロピオネート等)、ビス
フェノールAのポリカーボネート、ポリメチルメタクリ
レート、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリスチレ
ン、ポリビニルアルコール等の各種樹脂、またはガラス
等が挙げられる。また、支持体11は、上記のうち、2
種以上の材料によるシートを積層したものでもよい。
【0022】なお、本発明において、試薬層12の透過
光の強度を測定する場合には、支持体11は、光透過性
を有するもの、すなわち、透明または半透明なものであ
るのが好ましい。試薬層12は、担体に後述する試薬を
担持したものである。この担体としては、非繊維性また
は繊維性の多孔質材で構成されているのが好ましい。
【0023】非繊維性多孔質材としては、メンブランフ
ィルターが代表的であり、その他、珪藻土、微結晶材料
等の多孔体を結合剤中に分散した分散物、ガラスや樹脂
の微小球形ビーズを互いに点接着させた多孔質の集合体
等が挙げられる。また、繊維性多孔質材としては、織編
物、不織布、濾紙、短繊維の集合体等が挙げられる。こ
こで、織編物とは、織物、編物またはこれに類するもの
を含む。
【0024】このような担体は、親水性を有するもので
あるのが好ましい。これにより、検体の浸透、拡散が促
進されるからである。このようなものとしては、担体を
構成する材料自体が親水性を有するもの(例えば、綿、
絹、ナイロン等の繊維で構成されているもの)の他、担
体に対し、洗浄または界面活性剤等の親水化処理を施し
たものが挙げられる。
【0025】試薬層12の厚さは、担体の素材や性状等
により異なるが、通常、1〜500μm 程度、特に、5
〜300μm 程度とするのが好ましい。試薬層12に
は、以下に示す試薬が担持されている。試薬の組成は、
検体中の検出(定量)すべき特定成分により適宜決定さ
れる。例えば、検体中のブドウ糖を検出する場合には、
酵素であるグルコースオキシダーゼ(GOD)およびペ
ルオキシダーゼ(POD)と、発色剤(色原体)とが試
薬の主成分である。
【0026】また、上記酵素に代り、コレステロールオ
キシダーゼおよびコレステロールエステラーゼとペルオ
キシダーゼ、リポプロテインリパーゼおよびグリセロー
ルオキシダーゼとペルオキシダーゼ、ホスホリパーゼD
およびコリンオキシダーゼとペルオキシダーゼ等であっ
てもよい。
【0027】また、検体中(尿)中の潜血(ヘモグロビ
ン)を検出する場合には、ヒドロペルオキシドと、発色
剤とが試薬の主成分である。ヒドロペルオキシドとして
は、ビス[4−(α−ヒドロペルオキシイソプロピル)
ベンジル]エーテル、2,5−ジメチルヘキサン−2,
5−ジヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシ
ド、2,5−ジメチルヘキサノン−2,5−ジヒドロペ
ルオキシド、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシ
ド、t−ブチルヒドロペルオキシド、p−メタンヒドロ
ペルオキシド、4−メチルフェニルイソプロピルヒドロ
ペルオキシド等が挙げられる。
【0028】発色剤としては、o−トリジン、m−トリ
ジン、ベンジジン、テトラメチルベンジジン、o−メチ
ルベンジジン、o−ジアニシジン等のベンジジンまたは
その誘導体、2,7−ジアミノフルオレン、または4−
アミノアンチピリン(4−AAP)と該4−AAPとカ
ップリングを生じるカップリング剤との組み合わせ等が
挙げられる。
【0029】上記カップリング剤としては、P−クロロ
フェノール、2,4−ジクロロフェノール、2,4−ジ
ブロモフェノール、2,4,6−トリクロロフェノール
等のフェノール誘導体、4−クロロ−1−ナフタレン、
1,7−ジヒドロナフタレン等のナフタレン誘導体、ま
たはN,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチル−m
−トルイジン、N−エチル−N−スルホプロピル−m−
トルイジン、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−
スルホプロピル)−m−トルイジン(TOOS)、5,
6,7,8−テトラヒドロ−1−ナフチルアミン、N−
エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)
−3,5−ジメトキシアニリン等のアニリン誘導体等が
挙げられる。
【0030】このような試薬の担持方法は、例えば、試
薬を含有する液に担体を浸漬するか、または同様の液を
担体にスプレーした後、乾燥することにより行われる。
また、試薬層12には、必要に応じ、例えばpH調整剤、
光反射性物質、安定剤、増感剤、酸化剤、湿潤剤、粘稠
剤等の添加剤が添加されていてもよい。
【0031】なお、試薬層12は、上記担体によるもの
に限らず、例えば、ゼラチンに代表される結合剤、上記
試薬および添加剤を含有する塗布液を支持体11の表面
に塗布、浸漬またはスプレーして付着させ、その後乾燥
して形成されたものでもよい。この場合、ゼラチン以外
の結合剤としては、ポリビニルアルコール、ポリビニル
ピロリドン、アガロース、ポリビニルベンゼンスルホン
酸ナトリウム、ポリビニルプロピオネート等が挙げられ
る。
【0032】このような試験具は、検体(例えば、血
漿、血清、尿、糞便、唾液、リンパ液、髄液等の体液)
中のブドウ糖、尿酸、BUN、クレアチニン、カルシウ
ム、シュウ酸、蛋白質、リポ蛋白(LDL、HDL)、
コレステロール、トリグリセリド(中性脂肪)、遊離脂
肪酸、ケトン体、ビリルビン、ウロビリノーゲン、亜硝
酸塩、アスコルビン酸、ヘモグロビン、ミオグロビン、
白血球、GOT、GPT、ALP、γ−GT、水素イオ
ン(pH測定)等の検出に適用可能であり、また、試験具
10’は、これらのうちの2以上を検出しうる多項目試
験具として適用可能である。
【0033】次に、本発明の分析装置1を用いた分析方
法の一例について説明する。試験具10または10’の
所定の試薬層12に検体を滴下し、これを載置台21上
に載置し、前記試薬層12が測定領域内に入るよう位置
合わせをする。また、このとき、スコープ22で観察領
域を確認しつつ、ハンドル23を回して、ピントを調節
する。
【0034】試薬層12への検体滴下から一定時間経過
後、測定を開始する。まず、光源32を点灯すると、そ
の光は光ファイバー33により誘導され、その先端のレ
ンズ34を経て例えば試薬層12に対し45〜60°の
角度で試薬層12上に照射される。この試薬層12上に
照射された光の反射光は、レンズ41にて集光され、3
つの色フィルター45R、45G、45Bを透過し、そ
れぞれ、受光素子42、43、44に受光される。これ
により、各受光素子42、43、44においては、それ
ぞれ極大波長が異なる光を受光することとなる。
【0035】各受光素子42、43、44は、その受光
した光の強度に応じた大きさの電気信号(アナログ信
号)を発し、この電気信号はライン51、52、53に
より伝達され、それぞれA/D変換器54、55、56
にてデジタル信号に変換された後、制御手段57に入力
される。このようにして、測定装置5においては、異な
る3つの極大波長の反射光強度DR 、DG 、DB が測定
される。
【0036】次に、制御手段57では、反射光強度D
R 、DG 、DB の内の所定の2つの比を2組求め、この
2組のデータに基づいて検体中の特定成分を分析する。
例えば、反射光強度DG とDR の比DG /DR と、反射
光強度DG とDB の比DG /DB とを求め、これらの値
の一方をグラフの横軸、他方を縦軸においた2次平面上
にプロットし、その位置から検体中の特定成分の濃度を
判定する。すなわち、特定成分の濃度に対応した呈色変
化は、前記グラフ(2次平面)上に一定の傾向を持って
分布するので、この分布のパターンを予め求めておき、
前記プロットされた位置をこの分布のパターンに照らし
合わせて判定する。
【0037】具体的には、検体中の特定成分が既知濃度
の検体サンプルより予め作成された検量線から、特定成
分の濃度を数ランク(例えば、−、0、+および2+の
4ランク)に分け、各ランクに対応して前記グラフの平
面が所定のパターンにエリア分けされており、前記プロ
ットされた位置がどのエリアに入るかにより、特定成分
の濃度のランクを決定し、定量化するのが好ましい。
【0038】また、例えば多項目測定用の試験具10’
を用いて多項目の測定を行う場合には、試験具10’の
各試薬層12に対し、前記と同様の分析を行えばよい。
この場合、色フィルター45R、45G、45Bは、好
ましくは可視光のほとんど全ての波長域をカバーしてい
るため、試薬層12の呈色がいかなる色調であっても測
定することができ、すなわち、いかなる測定項目でも測
定が可能である。なお、多項目の測定は、各項目ごとの
試験具10を順次交換して行うことによっても可能であ
り、この場合でも同様の効果が得られる。
【0039】なお、本発明では、前記反射光強度DR
G 、DB の内の所定の2つの比を3組求め、これらの
値をX軸、Y軸およびZ軸においた3次元上にプロット
し、その位置から、前記と同様にして得られた3次元分
布パターンに照らし合わせて検体中の特定成分の濃度を
判定することもできる。
【0040】以上のような分析方法によれば、分析結果
の信頼性が向上する。すなわち、従来では、試薬層の呈
色強度を単一波長域の反射光または透過光の強度として
1次元的に対応づけていたため、特に測定する特定成分
の濃度変化に対する呈色強度の変化の感度が低い場合等
には、分析結果の信頼性が低かったが、本発明では、3
種以上の異なる波長域の反射光または透過光の強度か
ら、所定の2つの比を2組または3組求め、これらのデ
ータを2次元または3次元的な分布のパターンと対応づ
けて分析するので、データ相互の分析能が向上し、その
結果、測定精度の向上が図れる。特に、例えば蛋白質、
ビリルビン、ウロビリノーゲンのような濃度変化に対す
る呈色強度の変化率が小さい成分の分析においても、よ
り信頼性の高い分析結果が得られる。
【0041】また、このような分析方法によれば、試薬
層12の呈色色調がどのようなものであっても測定が可
能であり、例えば、図6に示すような多項目測定用の試
験具10’を用いて多項目の測定を行う場合に、各項目
ごとに同様の測定を反復して行えばよく、従来のよう
に、測定項目に対応する数の光源、色フィルターおよび
受光素子を設置し、測定項目毎にこれらを適宜切り替え
て使用するような必要がなく、装置構造の簡素化、小型
化を図ることができ、操作も簡単である。
【0042】また、従来、検体のpH測定は、水素イオン
濃度に応じて呈色色調が例えば青色から赤色へと変化す
る試薬を用いてそれぞれの色調の呈色強度を測定し、そ
れらから総合的に判定することが行われていたが、本発
明では、前述したように少なくとも3つの波長域の呈色
強度を測定し、これらに基づいて分析するため、pH測定
のような2種以上の色調の呈色強度を測定する場合で
も、1回の操作で容易に分析することができる。
【0043】なお、分析装置1における測定装置5は、
前記反射光強度DR 、DG およびDB を求める工程まで
を行うもの、前記比DG /DR およびDG /DB を求め
る工程までを行うもの、これらの比をグラフ上にプロッ
トする工程までを行うもの、あるいは最終的な判定結果
を出す工程までを行うもののいずれであってもよい。こ
の場合、残りの工程は、手作業で、または他の装置を用
いて行うことができる。
【0044】また、測定装置5は、上記各工程で求めら
れた値や判定結果を適宜数値化、記号化、図形化、テー
ブル化、グラフ化等してインジケータ58やディスプレ
ー(図示せず)に表示することができ、さらには、これ
らをプリンター(図示せず)によりプリントアウトする
こともできる。
【0045】図3および図4は、本発明の分析装置の他
の構成例を模式的に示す側面図である。以下、これらの
図に示す分析装置について説明するが、前記分析装置1
と同様の構成については、その説明を省略する。図3に
示す分析装置は、投光手段3自体が、極大波長が異なる
3種の光を試薬層12へ投光し得る構成となっている。
すなわち、光源32と、光ファイバー33の基端に設置
された集光ガイド35との間には、前記と同様の3つの
色フィルター45R、45G、45Bが交換可能に設置
されている。これらの色フィルター45R、45G、4
5Bは、回転可能な円盤36に形成された開口に装着さ
れており、測定時には、円盤36を回転して色フィルタ
ー45R、45G、45Bを順次を光路上に位置させ
る。
【0046】また、受光手段4は、1つの受光素子42
を有し、試薬層12に照射される極大波長の異なる3種
の光の反射光を順次受光するようになっている。受光素
子42は、その受光した光の強度に応じた大きさのアナ
ログ電気信号を発し、この電気信号は、ライン51によ
り伝達され、A/D変換器54を経て前記と同様の制御
手段(図示せず)に順次入力される。この制御手段で
は、順次入力されたデータをメモリーに記憶し、全ての
データ(反射光強度DR 、DG およびDB )が入力され
たら、これに基づいて前記と同様の処理を行い、検体中
の特定成分を分析する。
【0047】図4に示す分析装置は、受光手段4が、1
つの受光素子42と、この受光素子42の受光面近傍に
交換可能に設置された3つの色フィルター45R、45
G、45Bとを有している。色フィルター45R、45
G、45Bは、図4中横方向に移動可能なフレーム47
に所定間隔をおいて固定されており、測定時には、フレ
ーム47を移動して色フィルター45R、45G、45
Bを順次光路上に位置させる。
【0048】受光手段4は、光路上に位置する色フィル
ターに対応した所定の極大波長の光を順次受光し、その
受光した光の強度に応じた大きさのアナログ電気信号を
発し、この電気信号は、ライン51により伝達され、A
/D変換器54を経て前記と同様の制御手段(図示せ
ず)に順次入力される。この制御手段では、順次入力さ
れたデータをメモリーに記憶し、全てのデータ(反射光
強度DR 、DG およびDB )が入力されたら、これに基
づいて前記と同様の処理を行い、検体中の特定成分を分
析する。
【0049】以上、本発明の分析装置を図示の構成例に
基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。例えば、受光素子42、43、44からそれ
ぞれ発せられた電気信号PR 、PG 、PB をアナログ信
号の状態のままで所定の2組の比(例えば、PR /PG
とPB /PG )として出力するような回路構成、あるい
は、その後さらに、これら2組の比をデジタル信号に変
化するような回路構成としてもよい。また、受光素子を
4個以上設け、それらの内の適宜のデータを用いてデー
タ処理を行うような構成としてもよい。
【0050】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例について説明す
る。
【0051】1.試験具の製造 支持体の表面に3種の異なる試薬層を設置した多項目測
定用試験具を作製した。支持体および各試薬層の条件
は、以下の通りである。
【0052】1)支持体 厚さ200μm のポリエチレンテレフタレート製フィル
ムを5mm×90mmのサイズに裁断して支持体とした。
【0053】2)グルコース検出用試薬層 下記に示す組成の溶液1および2を調製し、担体である
厚さ260μm の瀘紙(アドバンテック社製、ADVA
NTEC No.2)に、まず溶液1を含浸、乾燥(40
℃、50分)し、次いで溶液2を含浸、乾燥(40℃、
20分)して、グルコース検出用の試薬層を作製した。
この試薬層を5mm×5mmのサイズに裁断した。
【0054】<溶液1> グルコースオキシダーゼ 300mg ペルキシダーゼ 100mg クエン酸 1.0 g クエン酸ナトリウム 7.0 g タートラジン 100mg アルギン酸ナトリウム 500mg 蒸留水 100ml
【0055】<溶液2> o−トリジン 2.5 g アセトン 100ml
【0056】3)ヘモグロビン検出用試薬層 下記に示す組成の溶液3、4および5を調製し、前記と
同様の担体に、まず溶液3を含浸、乾燥(40℃、20
分)し、次いで溶液4を含浸、乾燥(40℃、50分)
し、その後溶液5を含浸、乾燥(40℃、20分)し
て、ヘモグロビン(潜血)検出用の試薬層を作製した。
この試薬層を5mm×5mmのサイズに裁断した。
【0057】<溶液3> 2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロペルオキ
シド 400mg p−トルエンスルホニル−N−ジエチルアミド 5.0 g ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム 1.5 gエタノー
ル 100ml
【0058】<溶液4> アクリルアミド 10.0 g ポリエチレングリコール4000 10.0 g クエン酸 1.0 g クエン酸ナトリウム 9.0 g 蒸留水 100ml
【0059】<溶液5> o−トリジン 1.2 g 3−アミノキノリン 0.5 g ベンゼン 100ml
【0060】4)蛋白質検出用試薬層 下記に示す組成の溶液6を調製し、前記と同様の担体
に、この溶液6を含浸、乾燥(40℃、50分)して、
蛋白質検出用の試薬層を作製した。この試薬層を5mm×
5mmのサイズに裁断した。
【0061】<溶液6> テトラブチルフェノールブルー 40mg ポリビニルピロリドン 20mg クエン酸 10.0 g クエン酸ナトリウム 4.0 g 蒸留水 100ml
【0062】2.検体の調製 グルコース、ヘモグロビンおよび蛋白質(アルブミン)
を、それぞれ、下記表1に示す濃度で添加した検体(ヒ
ト尿)を用意した。
【0063】
【表1】
【0064】3.成分の分析 (本発明例)表1に示す各検体を前記試験具の対応する
試薬層に滴下し、図1および図2に示す本発明の分析装
置を用いて、各成分の分析を1つの検体に対し10回づ
つ行った。
【0065】分析装置において、色フィルター45R、
45Gおよび45Bを透過する光の極大波長は、それぞ
れ、620nm、540nmおよび460nmであり、これら
3つの色フィルターにそれぞれ対応する受光素子42、
43および44に受光された光の強度をそれぞれDR
G 、DB としたときの比DG /DR およびDG /DB
を求め、両比をそれぞれ横軸および縦軸とする2次元平
面上にプロットした。その結果を図7、図8および図9
のグラフに示す。なお、これらのグラフ中に示される白
丸は、10回の測定の平均値を示すものであり、全ての
測定値は、白丸を中心とする点線で示す円内に包含され
る。
【0066】(比較例)図4に示す分析装置において、
フィルターを透過する光の極大波長が620nmである色
フィルター45Rが光路上に位置するように固定された
分析装置を用意した。また、表1に示す各検体を前記試
験具の対応する試薬層に滴下し、前記分析装置を用い
て、各成分の分析を1つの検体に対し10回づつ行っ
た。
【0067】検体中の各成分の濃度を横軸、受光素子4
2に受光された光の強度DR を縦軸とするグラフを作成
した。その結果を図10、図11および図12に示す。
なお、これらのグラフ中に示される黒丸は、10回の測
定の平均値を示すものであり、黒丸の上下に延長された
実線は、測定値のバラツキの範囲を示す。
【0068】4.測定結果への考察 図7、図8および図9のグラフに示すように、本発明の
分析装置を用いた場合、分析する成分の種類、その濃
度、試薬層に担持された試薬の組成等にかかわらず良好
な感度を示し、また、測定値のバラツキも少なく、その
バラツキが各濃度で重複しない。よって、各濃度間の判
別が確実にでき、正確な測定、分析を行うことができ
る。特に、図9に示すように、蛋白質のような濃度変化
に対する呈色強度の変化が微弱な成分の分析において
も、より信頼性の高い分析結果が得られる。
【0069】一方、図10、図11および図12のグラ
フに示すように、比較例の分析装置を用いた場合、低濃
度側では測定値のバラツキが大きく、高濃度側では強度
Rの変化率が小さく、バラツキが重なってしまい判定
が困難となっており、分析結果の信頼性が低い。特に、
図12に示す蛋白質濃度の分析では、蛋白質の濃度変化
に対する強度DR の変化率が極めて小さく、バラツキが
重なってしまい、全濃度域に渡って判定が困難である。
【0070】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の分析装置に
よれば、分析する特定成分の種類、その濃度、試験具の
試薬層に担持された試薬の組成等にかかわらず、信頼性
の高い分析結果が得られる。従って、分析する特定成分
の種類、その濃度範囲、試薬の種類等において、選択の
幅が広がる。
【0071】また、本発明の分析装置は、構成が簡易で
あり、装置の小型化が図れる。特に、本発明の分析装置
は、多項目測定用の試験具を用いた多項目の測定にも対
応することができ、この場合でも、従来の分析装置に比
べ、構成の簡素化、装置の小型化、測定作業の簡略化が
図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の分析装置の構成例を示す斜視図であ
る。
【図2】図1に示す分析装置の回路構成を示すブロック
図である。
【図3】本発明の他の分析装置の構成例を模式的に示す
側面図である。
【図4】本発明の他の分析装置の構成例を模式的に示す
側面図である。
【図5】本発明に適用される試験具の構成例を示す側面
図である。
【図6】本発明に適用される試験具の構成例を示す側面
図である。
【図7】本発明の分析装置を用いたグルコース濃度の分
析結果を示すグラフである。
【図8】本発明の分析装置を用いたヘモグロビン濃度の
分析結果を示すグラフである。
【図9】本発明の分析装置を用いた蛋白質濃度の分析結
果を示すグラフである。
【図10】比較例の分析装置を用いたグルコース濃度の
分析結果を示すグラフである。
【図11】比較例の分析装置を用いたヘモグロビン濃度
の分析結果を示すグラフである。
【図12】比較例の分析装置を用いた蛋白質濃度の分析
結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 分析装置 2 装置本体 21 載置台 22 スコープ 22 ハンドル 3 投光手段 31 ハウジング 32 光源 33 光ファイバー 34 レンズ 35 集光ガイド 36 円盤 4 受光手段 41 レンズ 42、43、44 受光素子 45R、45G、45B 色フィルイター 46 ケーシング 47 フレーム 5 測定装置 51、52、53 ライン 54、55、56 A/D変換器 57 制御手段 58 インジケータ 10、10’ 試験具 11 支持体 12 試薬層

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検体中の特定成分と反応して呈色する試
    薬が担持された試薬層を有する試験具の前記試薬層の呈
    色強度を光学的に測定することにより前記検体中の特定
    成分を分析する分析装置であって、 前記試薬層へ光を照射する投光手段と、前記試薬層から
    の反射光または透過光を受光する受光手段と、該受光手
    段にて受光した光の強度を測定する測定装置とを有し、 前記受光手段が極大波長が異なる少なくとも3種の光を
    受光し、それらの強度の内の所定の2つの比を少なくと
    も2組求め、この少なくとも2組のデータに基づいて前
    記検体中の特定成分を分析することを特徴とする分析装
    置。
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