JP3020838B2 - 異染混繊糸の製造方法 - Google Patents
異染混繊糸の製造方法Info
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Description
フィラメント糸が混繊された混繊糸に関するものであ
る。
ント糸からなる混繊糸は、これを編織した後染色を施す
と染色部分が不均一に現れ杢調の特異な外観が得られる
ため、従来より種々の提案が存在する。
には、ポリエチレンテレフタレートとカチオン染料可染
性ポリエステルとを延撚機で混繊し(延撚混繊)、前記
のような混繊糸を得ることが開示されている。また、特
開昭49−19166号公報には塩基性染料可染性ポリ
エステルと酸性染料可染性ポリエステルとを同一の紡糸
口金から紡糸して混繊し(紡糸混繊)、前記のような混
繊糸を得ることが開示されている。
は、3000m/分以上の引き取り速度で溶融紡糸され
た沸水収縮率7〜12%のポリエステルフィラメント
と、沸水収縮率5%以下のポリエステルフィラメントと
を紡糸延伸後、一旦捲き取ることなく合糸し交絡処理を
施すことが開示されている。
如き従来技術には以下の如き問題点がある。すなはち、
紡糸混繊法は製造設備が固定されるため、多品種小ロッ
ト的な生産にはそぐわず、また各糸条の熱収縮率や伸度
等の物性を細かくコントロールすることが困難なため、
杢の微妙な調整を行うことができない。また、延撚混繊
法は混繊方法としては最も一般的で技術的にも確立され
た方法ではあるが、紡糸後に糸条を一旦パーンに捲き取
る際、延撚の際、更には一旦捲き取られたパーンをを解
舒する際等に若干の実撚が糸条に付与されて各糸条が規
則的に集束するため、十分に均一な混繊が行えず、自然
な異染効果が得られないという問題点があった。
示された方法によれば、各糸条に実撚を付与することな
く混繊糸を得ることができるが、同公報に開示されたも
のは2種の糸条の熱収縮率差や伸度差が大きいため、得
られた混繊糸は芯鞘状の構造となって一方の糸条のみが
表面に現れ、特に染色性が著しく異なる異ポリマー糸を
混繊すると熱収縮率差が生じ易く不自然な杢が発生して
しまうという欠点があった。
平1−221505号等の紡糸延伸装置を用いた異収縮
混繊糸の製造技術を鋭意研究し、該方法を改良して転用
することにより、均一性に優れた混繊糸が得られること
を見出し、本発明に至ったのである。
決するものであって、その目的は、染色性の異なる複数
のフィラメント糸を均一に混繊して杢を生ぜしめ、更に
かかる杢の調子の調整が可能な異染混繊糸の製造方法を
提供することにある。
延伸装置に、互いに染色性の異なるポリマーを供給して
複数のフィラメント糸を紡糸し、該複数のフィラメント
糸の沸水収縮率の差が1.2%以下、伸度の差が8.0
%以下となるように延伸、熱処理を施し、少なくとも1
のフィラメント糸に流体交絡処理を施した後、一旦捲き
取ることなく合糸し、次いで流体交絡処理を施すもので
ある。
繊維形成性のポリマーであるポリエステル,ポリアミ
ド,ポリオレフィン等を挙げることができ、ポリエステ
ルとしては、ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレ
ンテレフタレート,ポリエチレンオキシベンゾエート,
ポリジメチルシキロヘキサンテレフタレート,ポリピバ
ロラクトン等のホモポリエステルや、これらのポリエス
テル成分に第二酸成分として、イソフタル酸,スルホイ
ソフタル酸を共重合させたものや、第二アルコール成分
としてポリピレングリコール,ポリエチレングリコール
を共重合させたもの等を用いることができる。
ナイロン66,ナイロン610,ナイロン11,ナイロ
ン12,ビス(パラアミノシクロヘキシル)メタンとド
デカン二酸との縮合体や、これらのポリアミド形成成分
間で共重合させたものや、他のジカルボン酸やジアミン
を共重合させたもの等を用いることができ、ポリオレフ
ィンとしては、ポリエチレン,ポリプロピレン等のホモ
ポリオレフィンや、少量の第2成分を含むものを用いる
ことができる。
み合わせとしては、ポリエステルとポリアミドのように
異なった種類のものを組み合わせても良いが、后加工や
染色処理の容易性から同種のポリマーの共重合体で、染
色性が大きく異なる組み合わせを選ぶことが好ましく、
例えば、ポリエチレンテレフタレートとカチオン可染性
ポリエステルとの組み合わせ等を挙げることができる。
ついて説明する。かかる紡糸延伸装置は、所謂スピンド
ロー(紡糸直接延伸)装置と呼ばれるもので、例えば特
開平1−221505号公報等に記載されたものを用い
ることができる。
明図である。同図に示す如く、通常の紡糸延伸装置では
複数の紡糸系列(錘)が併設されており、本発明方法で
はかかる2錘を1組として用いる。同図の場合、Sは紡
糸部、Dは延伸部を示し、ペレット貯蔵槽1a,1bに
貯蔵された各フィラメント糸の原料ポリマーは、溶融押
出機2a,2bにより溶融されてギヤポンプ3a,3b
により紡糸口金4a,4bより夫々溶融紡糸され、冷却
装置5a,5bによって冷却個化される。
ットローラ6a,6bに引き取られ、第2ゴデットロー
ラ7a,7bとの間で所定の延伸が施される。そして、
延伸された2つの糸条は右部紡糸系列の第2ゴデットロ
ーラ7aを経た後、少なくともその一方は第1流体交絡
ノズル10によって交絡処理が施され、次いで合糸され
て第2流体交絡ノズル8により混繊交絡処理された後パ
ッケージ9に巻き取られる。ここで、流体交絡処理は、
第1流体交絡ノズル10と、第2流体交絡ノズル8の少
なくとも二つのノズルを用いて行うが、更に、第1流体
交絡ノズル10による処理を施さなかった方の糸条にも
第3の流体交絡処理ノズルを設けて交絡処理を施した
後、各々交絡処理を受けた糸条を第2流体交絡ノズル8
により混繊交絡処理しても良い。
槽1a,1bに染色性の異なる原料ポリマーチップ例え
ば、右部紡糸系列のペレット貯蔵槽1aにポリエチレン
テレフタレートチップを、左部紡糸系列のペレット貯蔵
槽1bにカチオン可染性ポリエステルチップを夫々投入
する。
a,6bにより引き取るとともに、第2ゴデットローラ
7a,7bとの間で延伸がなされるが、かかる条件は例
えば、ポリエチレンテレフタレートとカチオン可染性ポ
リエステルの場合、ポリエチレンテレフタレートの系列
は第1ゴデットローラ6aの速度を、1000〜140
0m/min程度、表面温度を80〜100℃程度、第
2ゴデットローラ6bの速度を、3000〜4500m
/min程度、表面温度を135〜155℃程度とする
ことが好ましく、かかる条件によれば沸水収縮率が7%
前後の延伸糸を得ることができる。また、カチオン可染
性ポリエステルの系列は第1ゴデットローラ6aの速度
を、1200〜1800m/min程度、表面温度を8
0〜100℃程度、第2ゴデットローラ6bの速度を、
3000〜4500m/min程度、表面温度を120
〜140℃程度とすることにより、前記ポリエチレンテ
レフタレート糸と同程度の熱収縮率、伸度を有した糸条
を得ることができる。さらに、流体交絡処理は、糸条の
走行速度を3700m/min程度とした場合、第1流
体交絡ノズル10では2.0〜5.0kg/cm3 程度
の圧力にて、第2流体交絡ノズル8では、2.0〜5.
0kg/cm3 程度の圧力にて行うことが好ましい。
に応じて追撚したり、他の糸条と交撚したりして用い、
一方のフィラメント糸のみを染色したり、夫々のフィラ
メント糸を異色に染めたりすることによって、杢調の外
観を得ることができる。
ことは、第1に染色性の異なるポリマーからなる複数の
フィラメント糸の物性が近似している点であり、第2に
各フィラメント糸が実撚によって集束し規則的な収束部
を形成することがない状態で混繊されている点にある。
ト糸の熱収縮率が極めて近似しており、所謂異収縮混繊
糸とは異なるものである。例えば、カチオン可染性ポリ
エステルのような共重合ポリエステルの場合、ポリエチ
レンテレフタレートと同様の延伸条件や熱履歴、例えば
ポリエチレンテレフタレートの場合沸水収縮率が6.0
〜8.0%の範囲となるような条件で製造を行うと、ポ
リエチレンテレフタレートとは1.5%以上の沸水収縮
率差を生じてしまう。本発明では、両糸の条件を夫々設
定すること等によって、沸水収縮率の差を1.2%以
下、好ましくは0.8%以下とする。また、本発明によ
り得られた混繊糸の沸水収縮率は5〜10%とすること
が好ましい。
ィラメント糸の伸度の差も8.0%以下、好ましくは
4.0%以下となっており、製品となった際、糸長差に
よって芯鞘形状等の一方の糸条だけが表面に現れる構造
を呈することのないものである。また、各フィラメント
糸の総繊度は20〜200デニール程度で、各フィラメ
ント糸間の繊度差は混繊糸の総繊度の1/3以下である
ことが好ましい。
説明する。本発明により得られた混繊糸は、各フィラメ
ント糸が規則的に集束することなく混繊されているもの
である。これは、具体的には各フィラメント糸が実質的
に実撚を有しないことを意味する。実撚が付与される
と、各フィラメント糸は長手方向に沿って連続的且つ規
則的に集束せしめられ、このような糸条同志に交絡処理
を施してももはや自然で均一な混繊を行うことはできな
い。よって、かかる実撚の撚数としては、延伸装置にお
いてパーンを捲き取る際のスピンドルの回転により付与
されるものや、該パーンを解舒する際に付与される解舒
撚り等の5T/M程度以上のものを指す。
レンテレフタレートチップと、ポリエチレンテレフタレ
ートにスルホイソフタル酸を2.5モル%共重合したカ
チオン可染性ポリエステルチップを用意し、図1に示す
紡糸延伸装置のチップ貯蔵槽に投入し、溶融温度287
℃で紡糸し、ポリエチレンテレフタレート糸にのみ流体
交絡処理を施したもの(実施例1)、カチオン可染ポリ
エステル糸にのみ流体交絡処理を施したもの(実施例
2)、両糸に流体交絡処理を施したもの(実施例3)に
ついて表1に示す条件の下、異染混繊糸を得た。各フィ
ラメント糸の物性値を表1に示す。
撚を施した後、これを経緯糸に用いて平織物を製織し、
カチオン染料により灰色に染色したところ、楊柳調の自
然な粗杢が見られる外観となった。 (比較例1〜3)実施例で用いたポリエチレンテレフタ
レート糸と、カチオン可染ポリエステル糸を紡糸後一旦
巻取り、その後通常の延撚機を用いて処理して異染混繊
糸を得た。結果を表2に示す。
撚を施した後、これを経緯糸に用いて平織物を製織し、
カチオン染料により灰色に染色したところ、粗杢調の外
観が得られたが自然な杢の均一さに劣っていた。
得られなかった自然な杢調の外観を有した繊維製品を得
ることができ、かかる杢調子の制御も容易に行うことが
可能であって、その有用性は明らかである。
説明図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 隣接する紡糸延伸装置に、互いに染色性
の異なるポリマーを供給して複数のフィラメント糸を紡
糸し、該複数のフィラメント糸の沸水収縮率の差が1.
2%以下、伸度の差が8.0%以下となるように延伸、
熱処理を施し、少なくとも1のフィラメント糸に流体交
絡処理を施した後、一旦捲き取ることなく合糸し、次い
で流体交絡処理を施すことを特徴とする異染混繊糸の製
造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7174480A JP3020838B2 (ja) | 1995-06-16 | 1995-06-16 | 異染混繊糸の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7174480A JP3020838B2 (ja) | 1995-06-16 | 1995-06-16 | 異染混繊糸の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH093741A JPH093741A (ja) | 1997-01-07 |
JP3020838B2 true JP3020838B2 (ja) | 2000-03-15 |
Family
ID=15979224
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7174480A Expired - Fee Related JP3020838B2 (ja) | 1995-06-16 | 1995-06-16 | 異染混繊糸の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3020838B2 (ja) |
-
1995
- 1995-06-16 JP JP7174480A patent/JP3020838B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH093741A (ja) | 1997-01-07 |
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