JP3020368B2 - 近接信管装置 - Google Patents

近接信管装置

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JP3020368B2
JP3020368B2 JP4328109A JP32810992A JP3020368B2 JP 3020368 B2 JP3020368 B2 JP 3020368B2 JP 4328109 A JP4328109 A JP 4328109A JP 32810992 A JP32810992 A JP 32810992A JP 3020368 B2 JP3020368 B2 JP 3020368B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、近接信管装置に係り、
特に、弾頭を搭載した飛翔体(砲弾、ミサイル等)に搭
載され、該飛翔体が航空機等の目標物体に近接した時に
該弾頭の弾薬の点火作動を指令する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図3には従来形の一例としての近接信管
装置の構成が示される。なお、図示の構成は実公昭62
−3741号公報に示されている。同図において、1は
発振器、2は該発振器の出力の一部を取り出す方向性結
合器、3は目標物体に対してビームを投射すると共に、
該目標物体からの反射波を受信するアンテナ、4は方向
性結合器2の出力をアンテナ3に導くと共に、該アンテ
ナで受信された反射波信号を受信するサーキュレータ、
5は該サーキュレータの出力と方向性結合器2の出力の
一部を混合するミキサ、6は該ミキサの出力を増幅する
ビデオ増幅器、7は該ビデオ増幅器の出力信号から目標
物体と本装置が搭載された飛翔体との相対速度差に相当
するドップラ周波数成分のみを通過させるドップラ・フ
ィルタ、8は該ドップラ・フィルタを通過した信号の振
幅を検波する検波器、9は該検波器の出力をスレッショ
ルド設定器11で設定した所定のスレッショルド電圧と
比較する比較器、そして、10は比較器9の出力に基づ
き飛翔体の弾頭を炸裂させるための制御を行う点火回路
を示す。
【0003】上記構成において、アンテナ3より送信さ
れた信号は目標物体に放射され、その反射信号は再びア
ンテナ3で受信され、サーキュレータ4を通り、ミキサ
5で方向性結合器2の出力の一部と混合され、ビデオ増
幅器6で増幅された後、ドップラ・フィルタ7を通過
し、検波器8でその振幅が検波される。この検波器8の
出力を比較器9においてスレッショルド設定器11のス
レッショルド電圧と比較し、該スレッショルド電圧より
も大きい場合に、直ちに、または予め設定された一定の
遅延時間後に点火回路10を作動させ、それによって飛
翔体の弾頭を炸裂させるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の近接信管装置は
上記のように構成されているので、アンテナパターン内
に飛翔体の翼等が存在する場合であって且つ操舵により
機械的動作をした場合、アンテナで受信される目標物体
からの反射信号にドップラ・シフト周波数成分が発生
し、結果的に誤検知の可能性が生じるといった問題があ
る。従って、これを回避するために、翼等に影響されな
い位置にアンテナを取り付ける配慮が必要であった。
【0005】その一方で、航空機等の目標物体の高速化
に伴い、飛翔体の高速応答性が要求され、このため前翼
および後翼両方による操舵が一例として考えられる。し
かしこの場合、近接信管装置のアンテナが必ずしも前翼
より前方の位置に装着されるとは限らないため、操舵の
機械的動作を目標物体の動作として誤検知する可能性が
ある。
【0006】本発明は、かかる従来技術における課題に
鑑み創作されたもので、アンテナパターンの近傍に翼等
が存在し且つ操舵により機械的動作をした場合でも、そ
の影響に起因する誤検知の可能性を排除し、ひいては目
標物体の存在方向を正確に検出し、最適なタイミングで
弾頭の弾薬の点火作動を指令することができる近接信管
装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明では、受信信号を復調するためのスペクトル
拡散符号を任意の所定時間だけ遅延させることで、目標
検出距離の相関原点を翼等の外側に設定するようにして
いる。従って、本発明の近接信管装置は、弾頭を搭載し
た飛翔体に搭載され、該飛翔体が目標物体に近接した時
に該弾頭の弾薬の点火作動を指令する装置であって、電
圧制御発振器と、該電圧制御発振器の出力により駆動さ
れ、スペクトル拡散符号を発生する第1の符号発生器
と、該第1の符号発生器の出力を1ビット遅延させて出
力する第1の1ビット遅延回路と、該第1の1ビット遅
延回路の出力を更に1ビット遅延させて出力する第2の
1ビット遅延回路と、該第2の1ビット遅延回路の出力
を1ビット以下の微小時間だけ遅延させて出力する第1
のΔT’遅延回路と、該第1のΔT’遅延回路の出力を
1ビット以下の微小時間ΔTだけ遅延させて出力するΔ
T遅延回路と、送信用の搬送波信号を発生する発振器
と、該発振器の出力の一部を第1〜第3の出力信号に分
岐する方向性結合器と、該方向性結合器の第1の出力信
号を前記第1の1ビット遅延回路の出力で拡散変調する
第1の変調器と、前記飛翔体の胴体下部に取り付けら
れ、前記第1の変調器の出力を電波ビームとして前記目
標物体の方向に向けて投射する第1のアンテナと、前記
電圧制御発振器の出力により駆動され、前記第1の符号
発生器と異なるスペクトル拡散符号を発生する第2の符
号発生器と、該第2の符号発生器の出力を1ビット遅延
させて出力する第3の1ビット遅延回路と、該第3の1
ビット遅延回路の出力を更に1ビット遅延させて出力す
る第4の1ビット遅延回路と、該第4の1ビット遅延回
路の出力を1ビット以下の微小時間だけ遅延させて出力
する第2のΔT’遅延回路と、前記方向性結合器の第1
の出力信号を前記第3の1ビット遅延回路の出力で拡散
変調する第2の変調器と、前記飛翔体の胴体上部に取り
付けられ、前記第2の変調器の出力を電波ビームとして
前記目標物体の方向に向けて投射する第2のアンテナ
と、前記飛翔体の胴体左側に取り付けられ、前記第1お
よび第2のアンテナからの投射ビームに対して前記目標
物体から反射された電波ビームを受信する第3のアンテ
ナと、該第3のアンテナの出力と前記方向性結合器の第
2の出力信号とを混合する第1の復調器と、該第1の復
調器の出力と前記第1の符号発生器の出力との相関をと
る第1の相関器と、前記第1の復調器の出力と前記第2
のΔT’遅延回路の出力との相関をとる第2の相関器
と、前記第1の復調器の出力と前記第1のΔT’遅延回
路の出力との相関をとる第3の相関器と、前記第1の復
調器の出力と前記ΔT遅延回路の出力との相関をとる第
4の相関器と、前記飛翔体の胴体右側に取り付けられ、
前記第1および第2のアンテナからの投射ビームに対し
て前記目標物体から反射された電波ビームを受信する第
4のアンテナと、該第4のアンテナの出力と前記方向性
結合器の第3の出力信号とを混合する第2の復調器と、
該第2の復調器の出力と前記第2のΔT’遅延回路の出
力との相関をとる第5の相関器と、前記第2の復調器の
出力と前記第1のΔT’遅延回路の出力との相関をとる
第6の相関器と、前記第2の復調器の出力と前記第2の
符号発生器の出力との相関をとる第7の相関器と、前記
第1〜第7の相関器の各出力信号から前記目標物体と前
記飛翔体との相対速度差に相当するドップラ周波数成分
を通過させるドップラ・フィルタと、該ドップラ・フィ
ルタを通過した信号の振幅をそれぞれ検出する第1〜第
7の検波器と、該第1の検波器の出力に一定のバイアス
電圧を加算する第1のバイアス加算器と、前記第7の検
波器の出力に一定のバイアス電圧を加算する第2のバイ
アス加算器と、前記第1のバイアス加算器の出力と前記
第4の検波器の出力とを比較する比較器と、該比較器の
出力を積分して前記電圧制御発振器の発振周波数を制御
する積分器と、前記第1のバイアス加算器の出力と前記
第2,第3の検波器の各出力とを比較し、該第2,第3
の検波器の出力の方が大きい時にそれぞれ検出信号を発
生すると共に、前記第2のバイアス加算器の出力と前記
第5,第6の検波器の各出力とを比較し、該第5,第6
の検波器の出力の方が大きい時にそれぞれ検出信号を発
生する信号検出器と、該信号検出器から少なくとも1つ
の検出信号が得られた時にトリガ・パルスを発生するト
リガ・パルス発生器と、前記第2,第3,第5および第
6の検波器の出力のうちそれぞれ2つの出力を全ての組
み合わせで比較する信号比較器と、該信号比較器の比較
結果を前記トリガ・パルスに応答して保持し、該保持状
態に基づき前記目標物体の存在象限を判定して存在象限
判定信号を出力する象限判定器と、該出力された存在象
限判定信号に基づいて前記弾頭の弾薬の点火作動を指令
する点火回路とを具備することを特徴とする。
【0008】
【作用】上述した構成によれば、仮にアンテナパターン
の近傍に翼等が存在し且つ操舵により機械的動作をした
場合でも、その反射信号(つまり受信信号)の復調用ス
ペクトル拡散符号は1ビット遅延回路およびΔT’遅延
回路により適宜所定時間だけ遅延させられているので、
結局、当該反射信号は相関が取れずに相関器により除去
されることになる。つまり、飛翔体の翼等からの反射波
が無相関となるように上記遅延回路により制御が行われ
る。
【0009】従って、飛翔体のアンテナ取り付け位置に
制約を受けることなく、誤検知の可能性を排除し、ひい
ては目標物体の存在方向を正確に検出し、該目標物体に
対し最適なタイミングで弾頭の弾片を正確に集中させる
ことが可能となる。なお、本発明の他の構成上の特徴お
よび作用の詳細については、添付図面を参照しつつ以下
に記述される実施例を用いて説明する。
【0010】
【実施例】図1に本発明の一実施例としての近接信管装
置の構成が示される。図中、1は送信用の搬送波信号を
発生する発振器、2は該発振器の出力の一部を第1〜第
3の出力信号S1〜S3に分岐する方向性結合器、3A
および3Bはそれぞれ飛翔体の胴体下部および胴体上部
に取り付けられた送信用の第1および第2のアンテナ、
3Cおよび3Dはそれぞれ飛翔体の胴体左側および胴体
右側に取り付けられた受信用の第3および第4のアンテ
ナ、5Aは第3のアンテナ3Cの出力と方向性結合器2
の第2の出力信号S2とを混合する第1の復調器(DE
M)、5Bは第4のアンテナ3Dの出力と方向性結合器
2の第3の出力信号S3とを混合する第2の復調器(D
EM)、6Aおよび6Bはそれぞれ復調器5A,5Bの
出力を増幅するビデオ増幅器、7A〜7Gはそれぞれ第
1〜第7のドップラ・フィルタ(DF)、8A〜8Gは
それぞれ対応するドップラ・フィルタを通過した信号の
振幅を検出する第1〜第7の検波器(DT)、9Aは第
1のバイアス加算器(後述)の出力と第4の検波器8D
の出力とを比較する比較器、10A〜10Dはそれぞれ
存在象限判定信号(後述)に基づいてそれぞれ対応する
象限内に侵入して来る目標物体に対し弾頭の弾片がタイ
ミング良く命中撃突するように起爆時間を制御して目標
物体存在方向の点火タイミング信号を弾頭へ送出する第
1〜第4の点火回路を示す。
【0011】また、12Aおよび12Bは方向性結合器
2の第1の出力信号S1をそれぞれ第1および第3の1
ビット遅延回路(後述)の出力で拡散変調する第1およ
び第2の変調器(MOD)、13は関数発生器(後述)
の出力に基づいて方向性結合器2の第1の出力信号S1
を減衰させる可変減衰器、14A〜14Cは可変減衰器
13の出力、ビデオ増幅器6Aの出力およびビデオ増幅
器6Bの出力をそれぞれ2分配、4分配および3分配す
る分配器、15A〜15Dは分配器14Bにより分配さ
れた信号をそれぞれ第1の符号発生器(後述)の出力、
第2のΔT’遅延回路(後述)の出力、第1のΔT’遅
延回路(後述)の出力およびΔT遅延回路(後述)の出
力との間で相関をとる第1〜第4の相関器、15E〜1
5Gは分配器14Cにより分配された信号をそれぞれ第
2のΔT’遅延回路(後述)の出力、第1のΔT’遅延
回路(後述)の出力および第2の符号発生器(後述)の
出力との間で相関をとる第5〜第7の相関器を示す。
【0012】また、16Aおよび16Bはそれぞれ第1
および第7の検波器8A,8Gの出力に一定のバイアス
電圧を加算する第1および第2のバイアス加算器、17
は比較器9Aの出力を積分する積分器、18は該積分器
の出力に基づいて発振周波数を制御し出力する電圧制御
発振器(VCO)、19Aおよび19Bは電圧制御発振
器18の出力に基づいてそれぞれ異なるスペクトル拡散
符号を発生する第1および第2の符号発生器、20Aは
第1の符号発生器19Aの出力を1ビット遅延させて出
力する第1の1ビット遅延回路(DLY)、20Bは該
遅延回路20Aの出力を更に1ビット遅延させて出力す
る第2の1ビット遅延回路(DLY)、20Cは第2の
符号発生器19Bの出力を1ビット遅延させて出力する
第3の1ビット遅延回路(DLY)、20Dは該遅延回
路20Cの出力を更に1ビット遅延させて出力する第4
の1ビット遅延回路(DLY)、21は第1のΔT’遅
延回路(後述)の出力を1ビット以下の微小時間ΔTだ
け遅延させて出力するΔT遅延回路(DLY)、22A
および22Bはそれぞれ第2および第4の1ビット遅延
回路20B,20Dの出力を1ビット以下の微小時間Δ
T’だけ遅延させて出力する第1および第2のΔT’遅
延回路を示す。
【0013】また、23Aは第1のバイアス加算器16
Aの出力と第2および第3の検波器8B,8Cの各出力
とを比較し、後者の出力(第2,第3の検波器の出力)
の方が大きい時にそれぞれ検出信号を発生する第1の信
号検出器、23Bは第2のバイアス加算器16Bの出力
と第5および第6の検波器8E,8Fの各出力とを比較
し、後者の出力(第5,第6の検波器の出力)の方が大
きい時にそれぞれ検出信号を発生する第2の信号検出
器、24は信号検出器23A,23Bから少なくとも1
つの検出信号が出力された時にトリガ・パルスを発生す
るトリガ・パルス(TP)発生器、25は第2,第3,
第5および第6の検波器8B,8C,8Eおよび8Fの
出力のうちそれぞれ2つの出力を全ての組み合わせで比
較する信号比較器、26は該信号比較器の比較結果を上
記トリガ・パルスに応答してラッチし、該ラッチ状態に
基づき目標物体の存在象限を判定して存在象限判定信号
SQを出力する象限判定器、27は積分器17の出力に
基づいて可変減衰器13の減衰量を制御する関数発生
器、28は上記トリガ・パルスに基づいて目標物体との
間の相対速度に応じた遅延タイミング信号を生成する起
爆タイミング用の遅延回路(DLY)を示す。象限判定
器26は、この遅延タイミング信号に応答して存在象限
判定信号SQを各点火回路10A〜10Dに送出する。
【0014】スペクトル拡散符号は、M系列、ゴールド
符号等が考えられるが、いずれも自符号と位相の合った
信号に対しては高い相関出力を発生し、他符号または1
ビット以上位相のずれた符号に対しては極端に低い相関
出力しか発生しない。この原理を用いた近接信管装置
は、例えば特開平2−25700号公報または特開平2
−59690号公報に開示されている。以下の記述で
は、この近接信管装置に本発明を適用した部分について
説明する。
【0015】第3の相関器15Cでは、第1の符号(第
1の符号発生器19Aから発生されたスペクトル拡散符
号)で変調された送信波より1ビット+ΔT’遅れた第
1の符号により相関がとられるため、送信波より1ビッ
ト+ΔT’遅れた第1の符号の前後1ビットの範囲に目
標物体からの第1の符号による変調波の反射波が現れた
時のみ強い相関出力を発生する。この信号は目標物体と
飛翔体との相対速度差に相当するドップラ周波数成分を
含むため、第3のドップラ・フィルタ7Cを通過して第
3の検波器8Cで検波される。
【0016】また、第4の相関器15Dでは、第1の符
号で変調された送信波より1ビット+ΔT+ΔT’遅れ
た第1の符号により相関がとられるため、送信波より1
ビット+ΔT+ΔT’遅れた第1の符号の前後1ビット
の範囲に目標物体からの第1の符号による変調波の反射
波が現れた時のみ強い相関出力を発生する。図2には時
間に対する第1のバイアス加算器16Aおよび第3,第
4の検波器8C,8Dの各出力電圧の関係が示される。
同図において、は第1のバイアス加算器16Aの出力
電圧、は第3の検波器8Cの出力電圧、は第4の検
波器8Dの出力電圧、は追尾距離を示す。
【0017】図2に示されるように、第4の検波器8D
では飛翔体から最も遠い距離で相関出力が得られるた
め、例えば飛翔体が低空を飛翔し、地面または海面から
の反射波が上記範囲内に相当する電波の往復距離内に得
られた時に、相関出力が発生することになる。この信号
は飛翔体の速度に相当するドップラ周波数成分を含むた
め、第4のドップラ・フィルタ7Dを通過して第4の検
波器8Dで検波され、さらに比較器9Aにおいて第1の
バイアス加算器16Aの出力と比較される。
【0018】第4の相関器15Dでは、受信信号とΔT
遅延回路21の出力との間で相関がとられるため、無相
関の受信機内部雑音や外部からの妨害波あるいは相関の
とれない送信信号による信号等は逆拡散され、結果的に
ドップラ・フィルタ7Dの通過帯域の信号のみが検波器
8Dに送られ、反射波のドップラ周波数成分による出力
のみが該検波器8Dの出力端に現れる。
【0019】このように本実施例の近接信管装置におい
ては、仮にアンテナパターンの近傍に翼等が存在し且つ
操舵により機械的動作をした場合でも、その反射信号
(受信信号)の復調用スペクトル拡散符号を各遅延回路
20A〜20D,21,22Aおよび22Bにより適宜
所定時間だけ遅延させて、目標検出距離の相関原点を翼
等の外側に設定するようにしているので、当該反射信号
は相関器により除去することができる。これによって、
飛翔体のアンテナ取り付け位置に制約を受けることな
く、誤検知の可能性を排除することができ、ひいては目
標物体の存在方向を正確に検出し、該目標物体に対し最
適なタイミングで弾頭の弾片を正確に集中させることが
可能となる。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ア
ンテナパターンの近傍界における受信信号に対しては極
端に低い相関出力しか発生しないように構成することに
より、仮にアンテナパターンの近傍に翼等が存在し且つ
操舵により機械的動作をした場合でも、その影響に起因
する誤検知の可能性を排除することができる。
【0021】これによって、目標物体の存在方向を正確
に検出し、目標物体に対して最適なタイミングで弾頭の
弾片を集中させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としての近接信管装置の構成
を示すブロック図である。
【図2】時間に対する第1のバイアス加算器16Aおよ
び第3,第4の検波器8C,8Dの各出力電圧の関係を
示す図である。
【図3】従来形の一例としての近接信管装置の構成を示
すブロック図である。
【符号の説明】
1…発振器 2…方向性結合器 3A〜3D…アンテナ 5A,5B…復調器(ミキサ) 6A,6B…ビデオ増幅器 7A〜7G…ドップラ・フィルタ 8A〜8G…検波器 9A…比較器 10A〜10D…点火回路 12A,12B…変調器 13…可変減衰器 14A〜14C…分配器 15A〜15G…相関器 16A,16B…バイアス加算器 17…積分器 18…電圧制御発振器(VCO) 19A,19B…符号発生器 20A〜20D…1ビット遅延回路 21…ΔT遅延回路 22A,22B…ΔT’遅延回路 23A,23B…信号検出器 24…トリガ・パルス発生器 25…信号比較器 26…象限判定器 27…関数発生器 28…(起爆タイミング用の)遅延回路 S1〜S3…方向性結合器の出力信号 SQ…存在象限判定信号
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01S 13/88 F42C 13/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弾頭を搭載した飛翔体に搭載され、該飛
    翔体が目標物体に近接した時に該弾頭の弾薬の点火作動
    を指令する装置であって、 電圧制御発振器(18)と、 該電圧制御発振器の出力により駆動され、スペクトル拡
    散符号を発生する第1の符号発生器(19A)と、 該第1の符号発生器の出力を1ビット遅延させて出力す
    る第1の1ビット遅延回路(20A)と、 該第1の1ビット遅延回路の出力を更に1ビット遅延さ
    せて出力する第2の1ビット遅延回路(20B)と、 該第2の1ビット遅延回路の出力を1ビット以下の微小
    時間(ΔT’)だけ遅延させて出力する第1のΔT’遅
    延回路(22A)と、 該第1のΔT’遅延回路の出力を1ビット以下の微小時
    間ΔTだけ遅延させて出力するΔT遅延回路(21)
    と、 送信用の搬送波信号を発生する発振器(1)と、 該発振器の出力の一部を第1〜第3の出力信号(S1〜
    S3)に分岐する方向性結合器(2)と、 該方向性結合器の第1の出力信号(S1)を前記第1の
    1ビット遅延回路の出力で拡散変調する第1の変調器
    (12A)と、 前記飛翔体の胴体下部に取り付けられ、前記第1の変調
    器の出力を電波ビームとして前記目標物体の方向に向け
    て投射する第1のアンテナ(3A)と、 前記電圧制御発振器の出力により駆動され、前記第1の
    符号発生器と異なるスペクトル拡散符号を発生する第2
    の符号発生器(19B)と、 該第2の符号発生器の出力を1ビット遅延させて出力す
    る第3の1ビット遅延回路(20C)と、 該第3の1ビット遅延回路の出力を更に1ビット遅延さ
    せて出力する第4の1ビット遅延回路(20D)と、 該第4の1ビット遅延回路の出力を1ビット以下の微小
    時間(ΔT’)だけ遅延させて出力する第2のΔT’遅
    延回路(22B)と、 前記方向性結合器の第1の出力信号を前記第3の1ビッ
    ト遅延回路の出力で拡散変調する第2の変調器(12
    B)と、 前記飛翔体の胴体上部に取り付けられ、前記第2の変調
    器の出力を電波ビームとして前記目標物体の方向に向け
    て投射する第2のアンテナ(3B)と、 前記飛翔体の胴体左側に取り付けられ、前記第1および
    第2のアンテナからの投射ビームに対して前記目標物体
    から反射された電波ビームを受信する第3のアンテナ
    (3C)と、 該第3のアンテナの出力と前記方向性結合器の第2の出
    力信号(S2)とを混合する第1の復調器(5A)と、 該第1の復調器の出力と前記第1の符号発生器の出力と
    の相関をとる第1の相関器(15A)と、 前記第1の復調器の出力と前記第2のΔT’遅延回路の
    出力との相関をとる第2の相関器(15B)と、 前記第1の復調器の出力と前記第1のΔT’遅延回路の
    出力との相関をとる第3の相関器(15C)と、 前記第1の復調器の出力と前記ΔT遅延回路の出力との
    相関をとる第4の相関器(15D)と、 前記飛翔体の胴体右側に取り付けられ、前記第1および
    第2のアンテナからの投射ビームに対して前記目標物体
    から反射された電波ビームを受信する第4のアンテナ
    (3D)と、 該第4のアンテナの出力と前記方向性結合器の第3の出
    力信号(S3)とを混合する第2の復調器(5B)と、 該第2の復調器の出力と前記第2のΔT’遅延回路の出
    力との相関をとる第5の相関器(15E)と、 前記第2の復調器の出力と前記第1のΔT’遅延回路の
    出力との相関をとる第6の相関器(15F)と、 前記第2の復調器の出力と前記第2の符号発生器の出力
    との相関をとる第7の相関器(15G)と、 前記第1〜第7の相関器の各出力信号から前記目標物体
    と前記飛翔体との相対速度差に相当するドップラ周波数
    成分を通過させるドップラ・フィルタ(7A〜7G)
    と、 該ドップラ・フィルタを通過した信号の振幅をそれぞれ
    検出する第1〜第7の検波器(8A〜8G)と、 該第1の検波器(8A)の出力に一定のバイアス電圧を
    加算する第1のバイアス加算器(16A)と、 前記第7の検波器(8G)の出力に一定のバイアス電圧
    を加算する第2のバイアス加算器(16B)と、 前記第1のバイアス加算器の出力と前記第4の検波器
    (8D)の出力とを比較する比較器(9A)と、 該比較器の出力を積分して前記電圧制御発振器の発振周
    波数を制御する積分器(17)と、 前記第1のバイアス加算器の出力と前記第2,第3の検
    波器(8B,8C)の各出力とを比較し、該第2,第3
    の検波器の出力の方が大きい時にそれぞれ検出信号を発
    生すると共に、前記第2のバイアス加算器の出力と前記
    第5,第6の検波器(8E,8F)の各出力とを比較
    し、該第5,第6の検波器の出力の方が大きい時にそれ
    ぞれ検出信号を発生する信号検出器(23A,23B)
    と、 該信号検出器から少なくとも1つの検出信号が得られた
    時にトリガ・パルスを発生するトリガ・パルス発生器
    (24)と、 前記第2,第3,第5および第6の検波器の出力のうち
    それぞれ2つの出力を全ての組み合わせで比較する信号
    比較器(25)と、 該信号比較器の比較結果を前記トリガ・パルスに応答し
    て保持し、該保持状態に基づき前記目標物体の存在象限
    を判定して存在象限判定信号(SQ)を出力する象限判
    定器(26)と、 該出力された存在象限判定信号に基づいて前記弾頭の弾
    薬の点火作動を指令する点火回路(10A〜10D)と
    を具備することを特徴とする近接信管装置。
  2. 【請求項2】 前記方向性結合器から前記第1,第2の
    変調器、前記第1,第2のアンテナおよび前記第3,第
    4のアンテナを介して前記第1,第2の復調器に到る経
    路に設けられた可変減衰器(13)と、 該可変減衰器の減衰量を前記積分器の出力に基づいて制
    御する手段(27)とを更に具備することを特徴とする
    請求項1に記載の近接信管装置。
  3. 【請求項3】 前記トリガ・パルスに基づいて前記目標
    物体との間の相対速度に応じた遅延タイミング信号を生
    成する遅延回路(28)を更に具備し、 該遅延タイミング信号に応答して前記象限判定器が前記
    存在象限判定信号を出力することを特徴とする請求項1
    に記載の近接信管装置。
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