JP2967670B2 - 近接信管 - Google Patents

近接信管

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JP2967670B2
JP2967670B2 JP5133352A JP13335293A JP2967670B2 JP 2967670 B2 JP2967670 B2 JP 2967670B2 JP 5133352 A JP5133352 A JP 5133352A JP 13335293 A JP13335293 A JP 13335293A JP 2967670 B2 JP2967670 B2 JP 2967670B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、航空機等の目標が、
砲弾、ミサイル等の飛しょう体の弾頭の有効範囲内に入
ったことを検出する近接信管に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図4は、例えば特開平4−62398号
公報に示された従来の近接信管の構成図であり、図にお
いて1は発振器、2はこの発振器1の出力の一部を取り
出すための方向性結合器、3は符号発生器9の出力を1
ビット遅らせた信号により方向性結合器2の出力を変調
するための変調器、5はこの変調器3の出力をサーキュ
レータ4を通した後、空中に放射するためのアンテナ、
6はアンテナ5から送信された信号が目標に当たって反
射され、再びアンテナ5で受信された信号をサーキュレ
ータ4を通した後、方向性結合器2の出力と混合するた
めのミキサ、7はビデオ増幅器、8はクロック発振器、
9は符号発生器、10a〜10dは第1〜第4の相関
器、11a及び11bは第1及び第2の1ビット遅延回
路、12a〜12dは第1〜第4のドップラフィルタ、
13a〜13dは第1〜の第4の検波器、14はバイア
ス加算器、15a〜15cは第1の〜第3の比較器、1
6は点火回路、17は可変減衰器、23は2ビット遅延
回路、18はΔT遅延回路、19はOR回路、20は積
分器、21は関数発生器、22a及び22bは第1及び
第2の遅延回路である。また、Aは飛しょう体搭載の誘
導装置等の近接信管外部の器材からの出力信号である。
【0003】次に動作について説明する。符号発生器9
の出力より1ビット遅れた第1の1ビット遅延回路11
aの出力により変調器3において、送信信号に変調をか
け、送信する。目標からの反射波は、ミキサ6でホモダ
イン検波されビデオ増幅器7で増幅され、第1〜第4の
相関器10a〜10dで送信信号と同じ符号で相関が取
られる。しかし、第1の相関器10aは、送信信号より
も1ビット進んだ位相の符号と相関を取るためその出力
は、受信機ノイズと妨害信号が上記の符号により逆拡散
された信号しか発生しない。この信号を第1のドップラ
フィルタ12aと第1の検波器13aを通した後、バイ
アス加算器14で一定バイアスを加算することにより、
近接信管の内外の電波環境に応じたアダプティブなスレ
ッショールドが設定できる。
【0004】また、第2の相関器10bの出力は、変調
された送信波より1ビット遅れた符号により相関がとら
れるため、送信波より1ビット遅れた符号の前後1ビッ
トの範囲に目標からの反射波が現れたときのみに強い相
関出力を発生する。
【0005】次に、第3の相関器10cの出力は、変調
された送信波より3ビット遅れた符号により相関がとら
れるため、送信波より3ビット遅れた符号の前後1ビッ
トの範囲に目標からの反射波が現れたときのみに強い相
関出力を発生する。
【0006】これらの信号は目標と飛しょう体との相対
速度に相当するドップラ周波数を含むため、第2及び第
3のドップラフィルタ12b及び12cを通過して第2
及び第3の検波器13b及び13cで検波され、第1及
び第2の比較器15a及び15bでバイアス加算器14
の出力と比較される。第2及び第3の相関器10b及び
10cではそれぞれ第2の1ビット遅延回路11bの出
力及び2ビット遅延回路18の出力により相関がとられ
るため、無相関の受信機内部雑音や、外部からの妨害波
による信号は逆拡散されて、第2及び第3のドップラフ
ィルタ12b及び12cの通過帯域のみの信号が第2及
び第3の検波器13b及び13cに送られ、目標からの
ドップラ周波数成分による出力と加算されて、第2及び
第3の検波器13b及び13cの出力に現れる。したが
って、第1及び第2の比較器15a及び15bの出力
は、受信機の内部雑音及び外部の妨害信号成分が差し引
かれ、純粋に目標信号成分のみが現れる。
【0007】更に第4の相関器10dでは、変調された
送信波より、3ビット+ΔT遅れた符号により相関が取
られるため、送信信号より3ビット+ΔT遅れた符号の
前後1ビットの範囲に反射波が現れたときのみに強い相
関出力を発生する。図5は時間とバイアス加算器14、
第2〜第4の検波器13b〜13dの出力電圧との関係
を示す図であり、図中イはバイアス加算器14の出力電
圧、ロは第2の検波器13bの出力電圧、ハは検波器1
3cの出力電圧、ニは第4の検波器13dの出力電圧、
ホは追尾距離を示す。図5に示すように第4の検波器1
3dは飛しょう体よりも最も遠い距離で相関出力が得ら
れるため、飛しょう体が低空を飛しょうし、地面又は海
面からの反射波が上記範囲内に相当する電波の往復距離
内に得られたとき、相関出力が発生することになる。
【0008】この信号は飛しょう体の速度に相当するド
ップラ周波数を含むため、第4のドップラフィルタ12
dを通過して第4の検波器13dで検波され、第3の比
較器15cでバイアス加算器14の出力と比較される。
第4の相関器10dではΔT遅延回路18の出力により
相関がとられるため、無相関の受信機内部雑音や、外部
からの妨害波や、相関のとれない送信信号による信号は
逆拡散されて、第4のドップラフィルタ12dの通過帯
域のみの信号が第4の検波器13dに送られ、反射波の
ドップラ周波数成分による出力とし加算されて、第4の
検波器13dの出力に現れる。したがって、第3の比較
器15cの出力は、受信機の内部雑音、外部の妨害信号
成分及び相関のとれない送信信号成分が差し引かれ、純
粋に反射信号成分のみが現れる。この信号は積分器20
で積分され、クロック発振器8に入力されてその発振周
波数を制御する。
【0009】クロック発振器8の入力電圧と出力の発振
周波数の関係は、図3に示すとおりであるから、飛しょ
う体が十分高空を飛しょうしているときは、第4の検波
器13dの出力電圧は小さく、積分器20の出力は0V
であり、クロック発振器8の出力発振周波数は、これに
対応する周波数fLを出力する。しかし、飛しょう体が
低空を飛しょうして、第4の検波器13dに出力を生
じ、バイアス加算器14の出力電圧を上まわるようにな
ると、第3の比較器15cは、両者の差電圧を出力する
ようになる。この出力電圧は積分器20で積分され、ク
ロック発振器8に入力されるため、その出力周波数は、
図3に示すように上昇する。符号発生器9は、このクロ
ック発振器8により駆動さされているので、周波数が上
昇するということは1ビットの周期が短くなり、これに
相当する電波の往復距離も短くなって、図5のニに示す
第4の検波器13dの出力時間幅が狭くなり、このた
め、第4の検波器13dの出力電圧が下がり、この電圧
が図5に示す追尾距離ホの点でつりあうことになる。
【0010】すなわち、クロック発振器8、符号発生機
9、第1及び第2の1ビット遅延回路11a及び11
b、2ビット遅延回路23、ΔT遅延回路18、第4の
相関器10d、第4のドップラフィルタ12d、第4の
検波器13d、第3の比較器15c及び積分器20によ
り、ビデオ増幅器7から入力される地面又は海面からの
反射波を追尾するループを組むことになり、この追尾距
離は、飛しょう体の飛しょう高度に応じて自動的に変わ
ることになる。
【0011】ところで、上記積分器20の出力は追尾ル
ープにより飛しょう体と地面又は海面までの距離の情報
を含むことになる。したがって、関数発生器21により
可変減衰器17の減衰量が飛しょう体と地面又は海面ま
での距離の自乗に反比例するように制御することで、ミ
キサ6への地面または海面からの反射波による受信入力
は、可変減衰器17の働きにより、飛しょう体と地面又
は海面からの距離の自乗に反比例する減衰を与えられる
ことになる。しかるに、地面又は海面からの反射波の受
信強度は、その距離の自乗に反比例するため、可変減衰
器17の使用により、ミキサ6へのこの反射波による受
信電力は飛しょう体と地面又は海面との距離により変化
することがなくなる。
【0012】第2及び第3の相関器10b及び10cで
は、第4の相関器10dより2ビット+ΔT及びΔTだ
け前の符号により相関が取られているため、第2及び第
3の検波器13b及び13cに相関出力が得られる距離
範囲も、飛しょう高度に応じて変動しかつ、図5に示す
ように第4の検波器13dの相関出力範囲よりも内側に
ある。これにより、飛しょう体が低高度を飛しょうして
も地面又は海面からの反射波により第2又は第3の検波
器13b又は13cの出力が大きくなり第1又は第2の
比較器15a又は15bにおいてバイアス加算器14の
出力を越えることはなくなり、目標が飛しょう体と地面
又は海面との距離以内に出現したときのみ、第2又は第
3の検波器13b又は13cに出力が得られることにな
る。
【0013】また、飛しょう体には、近接信管の他に誘
導装置が搭載されており、これが目標を命中直前まで追
尾しており、目標と飛しょう体との相対距離の変化率、
すなわち相対接近速度信号が得られているが、この信号
を図4における近接信管外部の信号Aとして入力するこ
とにより、第1及び第2の遅延回路22a及び22bに
おいて、飛しょう体と目標との相対接近速度が大きいと
きには、短い遅延時間を、相対接近速度が小さいときに
は、長い遅延時間を付与するとともに、第2の検波器1
3bの出力距離範囲は、第3の検波器13cの出力距離
範囲より内側にあるため、第2の遅延回路22bの遅延
時間を第1の遅延回路回路22aの遅延時間よりも長く
設定することで、弾片をうまく目標に命中させるように
することができる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】従来の近接信管は、上
記のように構成され、送信信号より2ビット相当の距離
に目標が発生した場合には、図5に示すように第2及び
第3の検波器13b及び13cの出力ロ及びハは、バイ
アス加算器14の出力イよりも小さくなり、目標を検出
できなくなる。すなわち、図5のヘとトの間の距離にお
いて、不感帯を生じるという問題点があった。
【0015】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたものであり、不感帯をなくし、目標検出
範囲を弾頭の有効範囲と整合をとれるようにし、また、
地面又は海面からの反射波による誤動作や受信系の飽和
をなくすとともに、目標の検出から弾頭の起爆までの時
間を制御する機能を持った近接信管を得ることを目的と
する。
【0016】この発明に係る近接信管は、 クロック発
振器と、上記クロック発振器の出力により駆動され、ス
ペクトル拡散符号を発生する符号発生器と、上記符号発
生器の出力を1ビット遅延させて発生する第1の1ビッ
ト遅延回路と、上記第1の1ビット遅延回路の出力に更
に1ビット遅延させて発生する第2の1ビット遅延回路
と、上記第2の1ビット遅延回路の出力に更に1ビット
遅延させて発生する第3の1ビット遅延回路と、送信信
号を発生する発振器と、当該発振器の出力の一部を上記
第1の1ビット遅延回路の出力で拡散変調する変調器
と、上記変調器の出力を目標方向に送信し、目標からの
反射波を受信するアンテナと、上記アンテナで受信した
信号と当該発振器の出力の一部を混合するミキサと、上
記ミキサの出力を増幅するビデオ増幅器と、上記ビデオ
増幅器の出力と上記符号発生器の出力との相関をとる第
1の相関器と、上記ビデオ増幅器の出力と上記第2の1
ビット遅延回路の出力との相関をとる第2の相関器と、
上記ビデオ増幅器の出力と上記第3の1ビット遅延回路
の出力との相関をとる第3の相関器と、上記第1、第2
及び第3の相関器の出力をそれぞれ第1、第2及び第3
のドップラフィルタを通して入力する第1、第2及び第
3の検波器と、上記第1の検波器の出力に一定の電圧を
加算するバイアス加算器と、上記第2の検波器の出力と
上記バイアス加算器の出力とを比較する第1の比較器
と、上記第3の検波器の出力と上記バイアス加算器の出
力とを比較する第2の比較器と、上記第1及び第2の比
較器の出力段に設けられ、上記第1、第2の比較器の比
較結果を遅延させる第1、第2の遅延回路と、上記第1
又は第2のどちらかの遅延回路の出力に応じて点火回路
を作動させる手段とを具備したものである。
【0017】また、この発明に係る近接信管は、上記第
1及び第2の遅延回路において、外部からの信号によ
り、その遅延時間をそれぞれ独立に制御するようにした
ものである。
【0018】
【作用】この発明における近接信管は、発振器の出力を
スペクトル拡散符号発生器の出力を1ビット遅らせた第
1の遅延回路の出力によりスペクトル拡散変調してアン
テナから送信し、この信の目標からの反射信をアン
テナで受信し、これと上記発振器の出力の一部とを混合
することによりホモダイン検波する。検波出力はビデオ
増幅器で増幅された後、それぞれ、第1〜第3の相関器
において、それぞれ符号発生器の出力、第2の1ビット
遅延回路の出力、第3の1ビット遅延回路の出力とで相
関がとられる。第1〜第3の相関器の出力は、それぞれ
第1〜第3のドップラフィルタにおいて、予め設定され
た目標と飛しょう体の相対速度範囲に相当するドップラ
周波数帯域波のみが通過させられ、第1〜第3の検波器
に入力される。第1の検波器の出力は、バイアス加算回
路において一定電圧が加算され、バイアス加算器の出力
と第2の検波器の出力が第1の比較器で比較され、ま
た、バイアス加算器の出力と第3の検波器の出力が第2
の比較器で比較され、第2又は第3の検波器の出力がバ
イアス加算回路の出力より大きくなったとき、第1又は
第2の遅延回路を通して点火回路を作動させる。
【0019】また、この発明は、第1、第2の遅延回路
の遅延時間は独立に制御されるが、例えば飛しょう体と
目標との相対接近速度が大きいときには、短い遅延時間
を、又飛しょう体と目標との相対接近速度が小さいとき
には、長い遅延時間を設定する
【0020】
【実施例】
実施例1.以下、この発明の一実施例を図について説明
する。図1において、1は発振器、2はこの発振器1の
出力の一部を取り出すための方向性結合器、3は符号発
生器9の出力を1ビット遅らせた信号により方向性結合
器2の出力を変調するための変調器、5はこの変調器3
の出力をサーキュレータ4を通した後、空中に放射する
ためのアンテナ、6はアンテナ5から送信された信号が
目標に当たって反射され、再びアンテナ5で受信された
信号をサーキュレータ4を通した後、方向性結合器2の
出力と混合するためのミキサ、7はビデオ増幅器、8は
クロック発振器、9は符号発生機、10a〜10dは第
1〜第4の相関器、11a〜11cは第1〜第3の1ビ
ット遅延回路、12a〜12dは第1〜第4のドップラ
フィルタ、13a〜13dは第1〜第4の検波器、14
はバイアス加算器、15a〜15cは第1〜第3の比較
器、16は点火回路、17は可変減衰器、18はΔT遅
延回路、19はOR回路、20は積分器、21は関数発
生器、22a及び22bは第1及び第2の遅延回路であ
る。また、Aは飛しょう体搭載の誘導装置等の近接信管
外部の器材からの出力信号である。
【0021】次にこの発明の動作を説明する。符号発生
器9の出力より1ビット遅れた第1の1ビット遅延回路
11aの出力により変調器3において、送信信号に変調
をかけ、送信する。目標からの反射波は、ミキサ6でホ
モダイン検波され、ビデオ増幅器7で増幅され、第1の
〜第4の相関器10a〜10dで送信信号と同じ符号で
相関が取られる。しかし、第1の相関器10aは、送信
信号よりも1ビット進んだ位相の符号と相関を取るため
その出力は、受信機ノイズと妨害信号が上記の符号によ
り逆拡散された信号しか発生しない。この信号を第1の
ドップラフィルタ12aと第1の検波器13aを通した
後、バイアス加算器14で一定バイアスを加算すること
により、近接信管の内外の電波環境に応じたアダプティ
ブなスレッショールドが設定できる。
【0022】また、第2の相関器10bの出力は、変調
された送信波より1ビット遅れた符号により相関がとら
れるため、送信波より1ビット遅れた符号の前後1ビッ
トの範囲に目標からの反射波が現れたときのみに強い相
関出力を発生する。次に、第3の相関器10cの出力
は、変調された送信波より2ビット遅れた符号により相
関がとられるため、送信波より2ビット遅れた符号の前
後1ビットの範囲に目標からの反射波が現れたときのみ
に強い相関出力を発生する。
【0023】これらの信号は目標と飛しょう体との相対
速度に相当するドップラ周波数を含むため、第2及び第
3のドップラフィルタ12b及び12cを通過して第2
及び第3の検波器13b及び13cで検波され、第1及
び第2の比較器15a及び15bでバイアス加算器14
の出力と比較される。第2及び第3の相関器10b及び
10cではそれぞれ第2の1ビット遅延回路11bの出
力及び第3の1ビット遅延回路11cの出力により相関
がとられるため、無相関の受信機内部雑音や、外部から
の妨害波による信号は逆拡散されて、第2及び第3のド
ップラフィルタ12b及び12cの通過帯域のみの信号
が第2及び第3の検波器13b及び13cに送られ、目
標からのドップラ周波数成分による出力と加算されて、
第2及び第3の検波器13b及び13cの出力に現れ
る。したがって、第1及び第2の比較器15a及び15
bの出力は、受信機の内部雑音及び外部の妨害信号成分
が差し引かれ、純粋に目標信号成分のみが現れる。
【0024】図2は時間とバイアス加算機14、第2〜
第4の検波器13b〜13dの出力電圧との関係を示す
図であり、図中イはバイアス加算器14の出力電圧、ロ
は第2の検波器13bの出力電圧、ハは第3の検波器1
3cの出力電圧、ニは第4の検波器13dの出力電圧、
ホは追尾距離を示す。図2に示すように第2の検波器1
3bの出力電圧ロがバイアス加算器14の出力電圧イを
上回る範囲と第3の検波器13cの出力電圧ハがバイア
ス加算器14の出力電圧イを上回る範囲は、互にオーバ
ラップするため、従来の近接信管において問題となった
送信信号より2ビット相当の距離付近において目標が検
出できなくなるめ不感帯をなくすことが可能となる。
【0025】更に第4の相関器10dでは、変調された
送信波より、2ビット+ΔT遅れた符号により相関が取
られるため、送信信号より2ビット+ΔT遅れた符号の
前後1ビットの範囲に反射波が現われたときのみに強い
相関出力を発生する。図2に示すように第4の検波器1
3dは飛しょう体より最も遠い距離で相関出力が得られ
るため、飛しょう体が低空を飛しょうし、地面又は海面
からの反射波が上記範囲内に相当する電波の往復距離内
に得られたとき、相関出力が発生することになる。この
信号は飛しょう体の速度に相当するドップラ周波数を含
むため、第4のドップラフィルタ12dを通過して第4
の検波器13dで検波され、第3の比較器15cでバイ
アス加算器14の出力と比較される。第4の相関器10
dではΔT遅延回路18の出力により相関がとられるた
め、無相関の受信機内部雑音や、外部からの妨害波や、
相関のとれない送信信号による信号は逆拡散されて、第
4のドップラフィルタ12dの通過帯域のみの信号が第
4の検波器13dに送られ、反射波のドップラ周波数成
分による出力と加算されて、第4の検波器13dの出力
に現れる。
【0026】したがって、第3の比較器15cの出力
は、受信機の内部雑音、外部の妨害信号成分及び相関の
とれない送信信号成分が差し引かれ、純粋に反射信号成
分のみが現われる。この信号は積分器20で積分され、
クロック発振器8に入力されてその発振周波数を制御す
る。クロック発振器8の入力電圧と出力の発振周波数の
関係は、図3に示すとおりであるから、飛しょう体が十
分高空を飛しょうしているときは、第4の検波器13d
の出力電圧は小さく、積分器20の出力は0Vであり、
クロック発振器8の出力発振周波数は、これに対応する
周波数fLを出力する。しかし飛しょう体が低空を飛し
ょうして、第4の検波器13dに出力を生じ、バイアス
加算器14の出力電圧を上まわるようになると、第3の
比較器15cは、両者の差電圧を出力するようになる。
この出力電圧は積分器20で積分され、クロック発振器
8に入力されるため、その出力周波数は、図3に示すよ
うに上昇する。
【0027】符号発生器9は、このクロック発振器8に
より駆動されているので、周波数が上昇するということ
は1ビットの周期が短くなり、これに相当する電波の往
復距離も短くなって、図2のニに示す第4の検波器13
dの出力時間幅が狭くなり、このため、第4の検波器1
3dの出力電圧が下がり、この電圧が図2に示す追尾距
離ホの点でつりあうことになる。すなわち、クロック発
振器8、符号発生器9、第1〜第3の1ビット遅延回路
11a〜11c、ΔT遅延回路18、第4の相関器10
d、第4のドップラフィルタ12d、第4の検波器13
d、第3の比較器15c及び積分器20により、ビデオ
増幅器7から入力される地面又は海面からの反射波を追
尾するループを組むことになり、この追尾距離は、飛し
ょう体の飛しょう高度に応じて自動的に変わることにな
る。
【0028】ところで、上記積分器20の出力は追尾ル
ープにより飛しょう体と地面又は海面までの距離の情報
を含むことになる。したがって、関数発生器21により
可変減衰器17の減衰量が飛しょう体と地面又は海面ま
での距離の自乗に反比例するように制御することで、ミ
キサ6への地面又は海面からの反射波による受信入力
は、可変減衰器17の働きにより、飛しょう体と地面又
は海面からの距離の自乗に反比例する減衰を与えられる
ことになる。しかるに、地面又は海面からの反射波の受
信強度は、その距離の自乗に反比例するため、可変減衰
器17の使用により、ミキサ6へのこの反射波による受
信電力は飛しょう体と地面又は海面との距離により変化
することがなくなる。
【0029】第2及び第3の相関器10b、及び10c
では、第4の相関器10dより1ビット+ΔT及びΔT
だけ前の符号により相関が取られているため、第2及び
第3の検波器13b及び13cに相関出力が得られる距
離範囲も、飛しょう高度に応じて変動し、かつ図2に示
すように第4の検波器13dの相関出力範囲よりも内側
にある。これにより、飛しょう体が低高度を飛しょうし
ても、地面又は海面からの反射波により第2又は第3の
検波器13b又は13cの出力が大きくなり、第1又は
第2の比較器15a又は15bにおいてバイアス加算器
14の出力を越えることはなくなり、目標が飛しょう体
と地面又は海面との距離以内に出現したときのみ、第2
又は第3の検波器13b又は13cに出力が得られるこ
とになる。
【0030】また、飛しょう体には、近接信管の他に誘
導装置が搭載されており、これが目標を命中直前まで追
尾しており、目標と飛しょう体との相対距離の変化率、
すなわち相対接近速度信号が得られているが、この信号
を図1における近接信管外部の信号Aとして入力するこ
とにより、第1及び第2の遅延回路22a及び22bに
おいて、飛しょう体と目標との相対接近速度が大きいと
きには、短い遅延時間を、相対接近速度が小さいときに
は、長い遅延時間を付与するとともに、第2の検波器1
3bの出力距離範囲は、第3の検波器13cの出力距離
範囲より内側にあるため、第2の遅延回路22bの遅延
時間を第1の遅延回路22aの遅延時間よりも長く設定
することで、弾片をうまく目標に命中させるようにする
ことができる。
【0031】なお、上記実施例では、送信及び受信で同
じアンテナ5を共用するものについて示したが、送信と
受信で、送受別々のアンテナを使用してもよい。また、
第2の1ビット遅延回路は、第1の1ビット遅延回路の
出力を1ビット遅延させるようにしているが、符号発生
器のスペクトル拡散符号を2ビット分遅らせるようにし
てあれば良く、同様に第3の1ビット遅延回路は、第2
の1ビット遅延回路の出力を1ビット遅延させるように
しているが、、符号発生器のスペクトル拡散符号を3ビ
ット分遅らせるようにしてあればよい。
【0032】更に、上記実施例では可変減衰器17を方
向性結合器2と変調器3との間に設けたが、変調器3と
アンテナ5あるいはミキサ6の入力端とアンテナ5との
間など方向性結合器2からミキサ6の入力に到るまでの
経路に設けてあればよい。
【0033】なお、上記実施例では、1ビット遅延回路
を3つしか使用していないが。所要の目標検出距離範囲
を満足するために、4つ以上の複数個の1ビット遅延回
路とこれに対応する数の相関器、ドップラフィルタ、検
波器及び比較器を組み合せて使用してもよい。これによ
り弾頭の有効範囲と整合をとることができる。
【0034】また、上記実施例では、飛しょう体搭載の
誘導装置で得られる相対接近速度信号により、第1及び
第2の遅延回路の遅延時間を変化させているが、赤外線
等を利用した誘導装置で相対接近速度信号が得られない
場合は、第1及び第2の遅延回路でそれぞれ一定の固定
遅延時間を付与するようにしてもよいし、飛しょう体の
外部からの指令信号により、付与するようにしてもよ
い。
【0035】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、目標
検出範囲内に不感帯をなくすことができ、目標検出範囲
を弾頭の有効範囲と整合をとることができ、かつ、飛し
ょう体が低高度を飛しょうした場合にはクロック発振器
の発振周波数が高度に応じて変化して、地面又は海面か
らの反射波の距離を自動的に追尾することができ、上記
有効目標検出範囲を地面又は海面までの距離よりも少な
く設定できるので、地面又は海面からの反射波による誤
動作を防ぐことができる。
【0036】また、この発明は、第1、第2の遅延回路
の遅延時間を独立に制御するようにすることにより、弾
頭の起爆タイミングを適切にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例による近接信管の構成を示
す図である。
【図2】この発明の一実施例による時間とバイアス加算
器並びに第2〜第4の検波器の出力電圧の関係を示す図
である。
【図3】この発明の一実施例によるクロック発振器の入
力電圧と出力発振周波数の関係を示す図である。
【図4】従来の近接信管の構成を示す図である。
【図5】従来の近接信管による時間とバイアス加算器並
びに第2〜第4の検波器の出力電圧の関係を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 発振器 2 方向性結合器 3 変調器 4 サーキュレータ 5 アンテナ 6 ミキサ 7 ビデオ増幅器 8 クロック発振器 9 符号発生器 10 相関器 11 1ビット遅延回路 12 ドップラフィルタ 13 検波器 14 バイアス加算器 15 比較器 16 点火回路 17 可変減衰器 18 ΔT遅延回路 19 OR回路 20 積分器 21 関数発生器 22 遅延回路 23 2ビット遅延回路

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クロック発振器と、上記クロック発振器
    の出力により駆動され、スペクトル拡散符号を発生する
    符号発生器と、上記符号発生器の出力を1ビット遅延さ
    せて発生する第1の1ビット遅延回路と、上記第1の1
    ビット遅延回路の出力に更に1ビット遅延させて発生す
    る第2の1ビット遅延回路と、上記第2の1ビット遅延
    回路の出力に更に1ビット遅延させて発生する第3の1
    ビット遅延回路と、送信信号を発生する発振器と、当該
    発振器の出力の一部を上記第1の1ビット遅延回路の出
    力で拡散変調する変調器と、上記変調器の出力を目標方
    向に送信し、目標からの反射波を受信するアンテナと、
    上記アンテナで受信した信号と当該発振器の出力の一部
    を混合するミキサと、上記ミキサの出力を増幅するビデ
    オ増幅器と、上記ビデオ増幅器の出力と上記符号発生器
    の出力との相関をとる第1の相関器と、上記ビデオ増幅
    器の出力と上記第2の1ビット遅延回路の出力との相関
    をとる第2の相関器と、上記ビデオ増幅器の出力と上記
    第3の1ビット遅延回路の出力との相関をとる第3の相
    関器と、上記第1、第2及び第3の相関器の出力をそれ
    ぞれ第1、第2及び第3のドップラフィルタを通して入
    力する第1、第2及び第3の検波器と、上記第1の検波
    器の出力に一定の電圧を加算するバイアス加算器と、上
    記第2の検波器の出力と上記バイアス加算器の出力とを
    比較する第1の比較器と、上記第3の検波器の出力と上
    記バイアス加算器の出力とを比較する第2の比較器と、
    上記第1及び第2の比較器の出力段に設けられ、上記第
    1、第2の比較器の比較結果を遅延させる第1、第2の
    遅延回路と、上記第1又は第2のどちらかの遅延回路の
    出力に応じて点火回路を作動させる手段とを具備した
    接信管。
  2. 【請求項2】 上記第1及び第2の遅延回路において、
    外部からの信号により、その遅延時間をそれぞれ独立に
    制御するようにした請求項1記載の近接信管。
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