JP3020032U

JP3020032U - ボタン類の取付け装置

Info

Publication number: JP3020032U
Application number: JP1995000378U
Authority: JP
Inventors: 和子大石
Original assignee: KIYOHARA & CO., LTD.
Current assignee: KIYOHARA & CO., LTD.
Priority date: 1995-01-09
Filing date: 1995-01-09
Publication date: 1996-01-19
Anticipated expiration: 2001-01-09

Abstract

(57)【要約】【目的】ボタン類をベース地へ着脱自在に取付ける装
置において、取付具自体を飾り表面としてボタンなしで
も使用できるようにすることを目的とする。【構成】ベース地１に固着される取付具２に係止する
取付具４をボタン類３の裏面に固着し、前記ベース地に
固着される取付具２はベース地から立上がりボタンホー
ルを挿通する脚部２ｂを有し、この脚部の先端にボタン
ホールに係止する係止板２ｃを設け、この係止板の表面
に前記ボタン類の取付具と着脱自在に結合する結合部２
を設け、係止板の表面を結合部を含めて飾り表面として
処理してボタン類の取付装置を構成する。【作用】ボタン類はベース地の固定具に着脱自在に結
合されるので、取り外し容易であり、固定具の表面は飾
り表面であるからボタンを結合しなくとも使用すること
ができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、衣服へボタン類を取付けるための装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、ボタンはベース地に直接糸で縫い付けて取付けてある。また、ブローチやリボンのような装飾品にはピンを利用した取付けが多く採用されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来の糸でベース地に縫い付けて固定されたボタンには、使用上以下のような問題点があった。第一に、高級ボタンは洗濯時にアルミホイルでカバーしたり取り外したりして損傷を防止しているが、縫い付けられたボタンを外すと再度縫い付けなければならず手間がかかり、しかも取り外し、縫い付けを繰返すとベース地が損傷してしまう。第二に、ボタンを交換するときには糸を切って付替えなければならず、交換に手間が係り、しかも何度も交換すると度重なる糸通しによりベース地が痛んでしまう。第三に、ボタンを掛け止めする際にボタンをボタンホールに通さなければならないので、ボタンホールはボタンが通過できる大きさとしなければならない。したがって、大型のボタンを使用する場合には極めて大きなボタンホールが必要となり、ベース地の強度を弱めたり、装着時にボタンが下向きとなってしまい安定性に欠ける場合がある。特に腰が弱いニット製品においては大きなボタンホールを設けることが困難であり、使用するボタンの大きさの制約となっている。第四に、ボタンはボタンホールを通して掛け止めするので、ボタンを交換する際にも同じサイズのボタンを選択しなければならず、ボタン選択の範囲が限られている。第五に、度重なる使用によってボタンをボタンホールに何度も通すと、ボタンとボタンホールとの接触によりボタンの表面に傷が付くことがある。第六に、ベース地と共布を使用したくるみボタンにおいては、衣服の制作作業が進んで生地の余り分が確定した後にボタン業者へ生地が渡されてボタンに生地をくるむ作業を行ないうために、衣服の完成時期がボタンのくるみ作業に支配されることが多い。第七に、ボタンホールを利用してブローチやリボンなどのアクセサリーを取付けようとしても、ボタンがベース地に固定されているので安定よく取付けることができない。なお、ボタンをベース地に固着される取付具に係止又は螺合させるようにした構造は既に提案されているが、何れも取付け部材の表面は装飾表面となっておらず、取付け部材単独での使用は考慮されていない。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

この考案は、ベース地に固着される取付具に係止する取付具をボタン類の裏面に固着したものであり、前記ベース地に固着される取付具は、ベース地から立上がりボタンホールを挿通する脚部を有し、この脚部の先端に、ボタンホール部の表側に係止する係止板を突設し、この係止板の表側に前記ボタン類の取付具と結合する結合凹部を設け、前記係止板の表面は結合凹部を含めて飾り表面として処理してボタン類の取付け装置を構成してある。請求項２の考案は、ベース地に固着される取付具において、ベース地に固着される基板に脚部を突設した構成としたものである。前記脚部は１本又は複数本とすることができ（請求項３）、脚部は２本として基板からベース地に向けてその対向間隔を次第に広くして設けると好ましい（請求項４）。また、脚部の先端にベース地への面状当接部を形成することも好ましい（請求項５）。

【０００６】上記何れの考案においても、ベースに固着される取付具とボタン類と結合は、スナップ係止構造（請求項６）又は螺合構造（請求項７）或いは磁石による吸着とすることができる。また、係止板は平面多角形又は楕円形としてボタン類の取付具に前記係止板の周縁との係止部を設けることにより、ボタン類の回転を阻止できる（請求項８）。そして、ボタン類はボタンホールを通過し得ない大きさとすることができ（請求項９）、ボタン類という言葉には、ボタンの他、ブローチやリボン、ワッペン、ネクタイを含むものである（請求項１０）。なお、この考案におけるベース地は、布地、編物地の他合成樹脂地、皮革などを広く含むものである。そして、この考案は衣服に限らず、袋物や人形などボタン類が使用される分野に広く適用されるものである。

【０００７】

【作用】

この考案において、ボタン類は取付具によってベース地に取付けられるので、着脱が容易である。したがって、洗濯時の手間が掛からず、生地損傷のおそれなくボタン交換ができ、ボタンの完成前に衣服にベース地側のスナップ係止具を取付けられるので衣服の制作工程が合理化できることとなり、上記第一、第二、第六の課題が解決される。また、ベース地側の取付具にボタンホールに係止する係止板を設けたので、ボタン類自体はボタンホールを通過させることなくボタンを掛け止めした状態を得ることができる。したがって、ボタンホールの大きさはボタン類の大きさよりも小さくて足りることともなり、上記第三ないし第五の課題が解決される。しかも、前記取付具の表面は装飾表面としてあるので、ボタンを取付けなくとも使用することができる。そして、ボタンは着脱自在であるから、ボタンに代えてブローチやリボンなどのアクセサリーを取付けることができ、上記第七の課題が解決される。

【０００８】

【実施例１】図１において、ベース地１に取付具２が糸で固定してあり、ボタン３の裏面に前記取付具２と結合する取付具４が固着してある。前記取付具２は、ベース地１に固着される基板２ａに柱状の脚部２ｂを突設し、この脚部２ｂの先端に生地５のボタンホール６の表側に係止する係止板２ｃを設け、この係止板２ｃに雌側スナップ係止構造を有する結合部２ｄを設けて構成してある。そして、前記係止板２ｃの表面は係止板２ｃ自体をボタンとして使用できるように装飾表面としてある。一方ボタン３に固着された取付具４は、ボタン３に接着、溶着などの方法で固固着された基板４ａと前記結合部２ｄに係止される係止部４ｂとで構成してある。

【０００９】前記ベース地側の取付具２の係止板２ｃは、図２に示すように平面多角形（図では六角形）とし、ボタン３には前記係止板２ｃの周縁と係止する凹部３ａを設けておくと（図３）、ボタン３が回転することがなく、ボタンの天地がずれるおそれがない。

【００１０】

【実施例２】次に図４の実施例は図１の実施例と雄雌を逆にしたものである。すなわち、ベース地１側の取付具２にスナップ係止具の結合部２ｄを雄部とし、ボタン３の裏面の取付部４を雌部としてある。

【００１１】上記二つの実施例においては、取付具２を基板２ａを介してベース地１に取付けているので、ベース地と係止板２ｃ、そしてボタン３は常に平行に保持され、ボタンが下を向くことを可及的に防止できる。また、基板２ａはボタン着脱時に指を掛けることができ、ボタン着脱時の力がベース地１に直接加わらず、ボタンの着脱が容易であると共に着脱地の力によるベース生地の損傷を防止できる。

【００１２】

【実施例３】図５ないし図７は基板のない取付具の例である図５は、２本の脚部２ｂに係止板２ｃを固着したものであって、２本の脚部２ｂはハ字状をなして下方（ベース地１側）において対向間隔が広くしてある。２本の脚部は平行としてもよいが、上記のように斜設することにより、係止板２ｃがベース地１と平行に保持されることとなり、ボタン３の装着状態が安定すると共に、ボタン着脱時に傾斜した脚２ｂに指を掛けて押えることができ、ベース地に力を与えることなくボタンを着脱できる。

【００１３】図６は係止板２ｃの下面にＬ字状に屈曲した脚部２ｂを２本固着してある。この実施例においては、脚部２ｂがＬ字状をなして先端屈曲部２ｅが面状当接部としてベース地１に当接しているので係止板２ｃがベース地１と平行に保持され、また前記面状当接部がボタン着脱時の指掛けとなるので、ボタン着脱時に不慮後からがベース地にかかることがない。

【００１４】図７は雌状スナップ係止部２ｄを設けた係止板２ｃの下面に１本の脚２ｂを設けたものである。

【００１５】上記各実施例の脚部は糸によりベース地１に取付けてある。また、結合部の構造として上記各実施例においてはスナップ係止具による弾性係止構造としたが、ベース地側の取付具とボタン類側の取付具とをネジ機構によって結合するようにしてもよい。

【００１６】

【使用例】

この考案の装置は衣服における前身頃の合せ部分など通常のボタン使用部の他、以下のような使用が考えられる。ボタンダウン型の襟をもつシャツにおいて、襟のボタンにこの装置を使用すると、ボタンに代えてアクセサリー類を自由に取付けることができる。着脱自在にボタンにより取付けられたフードや袖、ジャケットの襟にこの装置を使用すると、フード、袖、襟の周縁部分にボタンに代えたアクセサリーを取付けることができ、またフード等を取り外した時に残されたボタンに代えて適宜アクセサリーを取付けることができる。

【００１７】

【考案の効果】

この考案によれば、ボタン類は取付具によってベース地に取付けられるので、着脱が容易である。したがって、洗濯時の手間が掛からず、生地損傷のおそれなくボタン交換ができる。また、ボタンの完成前に衣服にベース地側の取付具を取付けられるので衣服の制作工程が合理化できる。また、ベース地側の取付具に、ボタンホールに係止する係止板を設けたので、ボタン類自体はボタンホールを通過させることなくボタンを掛け止めした状態を得ることができる。しかも、係止板の表面は装飾表面としたので、ボタン類を結合させなくとも係止板自体をボタンとして使用することもできる。そして、ボタンホールの大きさはボタン類の大きさよりも小さくて足りることともなり、またボタンをボタンホールに通す必要がないので、ボタンホールとの摩擦によるボタンの損傷を防止することができる。また、ボタンは着脱自在であるから、ボタンに代えてブローチやリボンなどのアクセサリーを取付けることができ、ボタンホール部分にアクセサリーを体裁よく取付けることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案実施例１の断面図である。

【図２】同じく係止板の平面図である。

【図３】同じくボタンの底面図である。

【図４】この考案実施例２の断面図である。

【図５】この考案実施例３の断面図であり、脚部を開
脚させたものである。

【図６】同じく実施例３の断面図であり、脚部を屈曲
させたものである。

【図７】同じく実施例３の断面図であり、脚を１本と
したものである。

【符号の説明】

１ベース地２取付具２ａ基板２ｂ脚部２ｃ係止板２ｄ結合部３ボタン３ａ凹部４取付具５生地６ボタンホール

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】ベース地に固着される取付具に係止する
取付具がボタン類の裏面に固着され、前記ベース地に固
着される取付具は、ベース地から立上がりボタンホール
を挿通する脚部を有し、この脚部の先端に、ボタンホー
ル部の表側に係止する係止板が突設され、この係止板の
表側に前記ボタン類の取付具と着脱自在な結合部が設け
られ、前記係止板の表面は結合部を含めて飾り表面とし
て処理された、ボタン類の取付け装置
【請求項２】ベース地に固着される取付具は、ベース
地に固着される基板を有し、この基板から脚部が突設さ
れた、請求項１記載のボタン類の取付け装置
【請求項３】脚部は１本又は複数本とした、請求項１
又は２に記載のボタン類の取付け装置
【請求項４】脚部は２本とし、基板からベース地に向
けてその対向間隔を次第に広くして設けられた、請求項
３記載のボタン類の取付け装置
【請求項５】脚部の先端にはベース地への面状当接部
が形成された、請求項３又は４の何れかに記載のボタン
類の取付け装置
【請求項６】係止板の結合部は、ボタン類の取付具と
弾性的に係止するスナップ係止部を有するものとした、
請求項１ないし５の何れかに記載のボタン類の取付け装
置
【請求項７】係止板の結合部は、ボタン類の取付具に
形成されたオネジに螺合するメネジを有するものとし
た、請求項１ないし５の何れかに記載のボタン類の取付
け装置
【請求項８】係止板は平面多角形又は楕円形とされ、
ボタン類の取付具又はボタン類に前記係止板の周縁との
係止部が設けられた、請求項１ないし７の何れかに記載
のボタン類の取付け装置
【請求項９】ボタン類は、ボタンホールを通過し得な
い大きさとした、請求項１ないし８の何れかに記載のボ
タン類の取付け装置
【請求項１０】ボタン類は、ボタン、ブローチ、リボ
ン、ワッペン又はネクタイとした、請求項１ないし９の
何れかに記載のボタン類の取付け装置