JP3019957B2 - リンガロール - Google Patents
リンガロールInfo
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- JP3019957B2 JP3019957B2 JP3140248A JP14024891A JP3019957B2 JP 3019957 B2 JP3019957 B2 JP 3019957B2 JP 3140248 A JP3140248 A JP 3140248A JP 14024891 A JP14024891 A JP 14024891A JP 3019957 B2 JP3019957 B2 JP 3019957B2
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- strip
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- C23—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
- C23G—CLEANING OR DE-GREASING OF METALLIC MATERIAL BY CHEMICAL METHODS OTHER THAN ELECTROLYSIS
- C23G3/00—Apparatus for cleaning or pickling metallic material
- C23G3/02—Apparatus for cleaning or pickling metallic material for cleaning wires, strips, filaments continuously
- C23G3/027—Associated apparatus, e.g. for pretreating or after-treating
- C23G3/029—Associated apparatus, e.g. for pretreating or after-treating for removing the pickling fluid from the objects
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- Organic Chemistry (AREA)
- Reduction Rolling/Reduction Stand/Operation Of Reduction Machine (AREA)
- Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、金属ストリップの両
面に付着した液を除去するための耐蝕性と耐磨耗性の大
きいリンガロールに関する。
面に付着した液を除去するための耐蝕性と耐磨耗性の大
きいリンガロールに関する。
【0002】
【従来の技術】金属ストリップの酸洗ライン,焼鈍ライ
ン,洗浄ライン,めっきラインなどのブロセスラインで
は多くのリンガロールが用いられている。例えば、冷間
圧延後の鋼帯(以下、単にストリップと称する)の表面
には圧延油や圧延磨耗粉等が付着しているので、このま
ま焼鈍処理を行うと品質不良を生じる。そのため、電解
洗浄ライン又は連続焼鈍ラインの入側セクションに設置
されているクリーニングセクションで洗浄を行うことに
より前記圧延油等を除去している。
ン,洗浄ライン,めっきラインなどのブロセスラインで
は多くのリンガロールが用いられている。例えば、冷間
圧延後の鋼帯(以下、単にストリップと称する)の表面
には圧延油や圧延磨耗粉等が付着しているので、このま
ま焼鈍処理を行うと品質不良を生じる。そのため、電解
洗浄ライン又は連続焼鈍ラインの入側セクションに設置
されているクリーニングセクションで洗浄を行うことに
より前記圧延油等を除去している。
【0003】このようなクリーニングセクションとして
は通常、図11に示すような設備があり、図中ペイオフ
リール1から払い出されたストリップSはストリップ接
続のための溶接機2を経てアルカリ洗浄槽3に入り、こ
こで電解洗浄されて表面の圧延油等の汚れが除去され
る。次いでブラシロールを具えたスクラバ槽4にてブラ
ッシングされて残留している汚れやアルカリ液が除去さ
れた後に、水洗槽5において水洗される。次にドライヤ
7で乾燥後、巻取機9により巻取られコイルとなる。コ
イルはシャー8で所定の大きさにカットされる。
は通常、図11に示すような設備があり、図中ペイオフ
リール1から払い出されたストリップSはストリップ接
続のための溶接機2を経てアルカリ洗浄槽3に入り、こ
こで電解洗浄されて表面の圧延油等の汚れが除去され
る。次いでブラシロールを具えたスクラバ槽4にてブラ
ッシングされて残留している汚れやアルカリ液が除去さ
れた後に、水洗槽5において水洗される。次にドライヤ
7で乾燥後、巻取機9により巻取られコイルとなる。コ
イルはシャー8で所定の大きさにカットされる。
【0004】この設備における10a〜10dがリンガ
ロールであって、上記各槽3〜5の出側にそれぞれ設置
されていて、ストリップSの表面に付着したアルカリ
液,水等の液分を絞り取り、その後段に液が持出されな
いようになっている。特に最後尾に設けられたリンガロ
ール10dは上下一対をなすロールからなるリンガロー
ルが複数対設置されて、液分の除去機能(液絞り性)を
一段と強化させている。そして、これらのリンガロール
10a〜10dは良好な液絞り性を得るために、図12
に示すように、通常は鉄芯11にゴム12をライニング
した構造となっている。
ロールであって、上記各槽3〜5の出側にそれぞれ設置
されていて、ストリップSの表面に付着したアルカリ
液,水等の液分を絞り取り、その後段に液が持出されな
いようになっている。特に最後尾に設けられたリンガロ
ール10dは上下一対をなすロールからなるリンガロー
ルが複数対設置されて、液分の除去機能(液絞り性)を
一段と強化させている。そして、これらのリンガロール
10a〜10dは良好な液絞り性を得るために、図12
に示すように、通常は鉄芯11にゴム12をライニング
した構造となっている。
【0005】しかし、この軟質なゴムをライニングした
ロール(以下、ゴムロールと称する)は薬液(酸・アル
カリ液)に対し、使用中に徐々にゴムの性能が劣化しス
トリップとの接触による磨耗が促進されて急激に液絞り
性が低下するため、長期にわたって良好な液絞り性を維
持できないという問題がある。さらに、ストリップSの
幅方向両端部には、スリッティングやトリミング等によ
り、図13に拡大して示すような微細なダレ11a,破
断面の鋭凸部11b,バリ11cが存在することがあ
り、これらのうち特にバリ11cによりロール表面に微
細なカット疵が入ることがある。そして一旦、カット疵
がロールに発生するとこの疵は使用中に成長し、ここに
液が浸透して液絞り性が劣化するとともにロールに膨れ
が形成されてゴムライニグ層の剥離につながり、さらに
はこれに起因してストリップの破断やラインの停止に至
ることもある。
ロール(以下、ゴムロールと称する)は薬液(酸・アル
カリ液)に対し、使用中に徐々にゴムの性能が劣化しス
トリップとの接触による磨耗が促進されて急激に液絞り
性が低下するため、長期にわたって良好な液絞り性を維
持できないという問題がある。さらに、ストリップSの
幅方向両端部には、スリッティングやトリミング等によ
り、図13に拡大して示すような微細なダレ11a,破
断面の鋭凸部11b,バリ11cが存在することがあ
り、これらのうち特にバリ11cによりロール表面に微
細なカット疵が入ることがある。そして一旦、カット疵
がロールに発生するとこの疵は使用中に成長し、ここに
液が浸透して液絞り性が劣化するとともにロールに膨れ
が形成されてゴムライニグ層の剥離につながり、さらに
はこれに起因してストリップの破断やラインの停止に至
ることもある。
【0006】そこで、リンガロールの耐磨耗性,耐カッ
ト性の向上を目的として実開昭63−133808号に
おいて、ロール寿命の延長を図ったものとしてゴムライ
ニング層の表層部に有形セラミックスを含有させたロー
ルが提案されている。
ト性の向上を目的として実開昭63−133808号に
おいて、ロール寿命の延長を図ったものとしてゴムライ
ニング層の表層部に有形セラミックスを含有させたロー
ルが提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記提
案のロールは、実際には、弾性層の表層部に有形セラミ
ックスを均一に含有させるのは製造上困難であり、セラ
ミックスがロール表面に露出したり、逆に弾性層中に埋
没したりする。その結果、露出しているセラミックスが
脱落したり弾性層部分のみが早期に磨耗してロール表面
に凹凸が生じ、液絞り性が低下するという問題がある。
案のロールは、実際には、弾性層の表層部に有形セラミ
ックスを均一に含有させるのは製造上困難であり、セラ
ミックスがロール表面に露出したり、逆に弾性層中に埋
没したりする。その結果、露出しているセラミックスが
脱落したり弾性層部分のみが早期に磨耗してロール表面
に凹凸が生じ、液絞り性が低下するという問題がある。
【0008】この発明は、このような従来の問題点にか
んがみてなされたものであって、多数枚の不織布を積層
してロールを形成することにより、上記課題を解決する
ことを目的としている。
んがみてなされたものであって、多数枚の不織布を積層
してロールを形成することにより、上記課題を解決する
ことを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記目的を
達成するために、ストリップを両面から挟んで、このス
トリップに付着している液を絞り取るリンガロールにお
いて、酸・アルカリの液に対して耐蝕性を有し、かつス
トリップ面に対して耐磨耗性を有する高分子重合体繊維
からなる多数枚の不織布をローラ軸に直交するごとく積
層するとともに、該積層体をローラ軸両端の端板間に挟
んで圧縮保持してヤング率を10kgf/mm 2 以下と
するとともに、ほぼ円柱状に形成加工してリンガロール
としたものである。前記高分子重合体繊維として、ポリ
オレフィン繊維または芳香族アミド繊維を用いるとよ
い。
達成するために、ストリップを両面から挟んで、このス
トリップに付着している液を絞り取るリンガロールにお
いて、酸・アルカリの液に対して耐蝕性を有し、かつス
トリップ面に対して耐磨耗性を有する高分子重合体繊維
からなる多数枚の不織布をローラ軸に直交するごとく積
層するとともに、該積層体をローラ軸両端の端板間に挟
んで圧縮保持してヤング率を10kgf/mm 2 以下と
するとともに、ほぼ円柱状に形成加工してリンガロール
としたものである。前記高分子重合体繊維として、ポリ
オレフィン繊維または芳香族アミド繊維を用いるとよ
い。
【0010】
【作用】本発明は上記のように構成されているので、多
数枚からなる不織布の積層体は、表層に近い程ばね定数
が小さく、しかも表面は膜面ではないため図13に示す
ようなストリップエッジ面のバリなどは不織布間に潜入
し、従来のようなロール面のカット疵などは生じ得な
い。従ってストリップのエッジ部をも含めて液絞り性が
充分に得られ、かつライニングゴムよりも耐磨耗性,耐
薬品性(酸・アルカリ)に優れているため、ロール寿命
を大幅に延長できる。
数枚からなる不織布の積層体は、表層に近い程ばね定数
が小さく、しかも表面は膜面ではないため図13に示す
ようなストリップエッジ面のバリなどは不織布間に潜入
し、従来のようなロール面のカット疵などは生じ得な
い。従ってストリップのエッジ部をも含めて液絞り性が
充分に得られ、かつライニングゴムよりも耐磨耗性,耐
薬品性(酸・アルカリ)に優れているため、ロール寿命
を大幅に延長できる。
【0011】次に、液絞り性については図2に示すよう
な実験装置により調査した結果を以下に説明する。同図
においてロール22a,22bは本発明に係わるリンガ
ロールを構成しており、水タンク21内に浸漬されたス
トリップSを上方に引上げてリンガロールにより絞った
後のストリップSの液膜の厚みを調査した。ここで、リ
ンガロールの押付け荷重は線圧換算で10.0kg/cm とし
た。この実験結果をヤング率で整理したところ、図3の
グラフを得た。図中の記号が示す材料は次の通りであ
る。
な実験装置により調査した結果を以下に説明する。同図
においてロール22a,22bは本発明に係わるリンガ
ロールを構成しており、水タンク21内に浸漬されたス
トリップSを上方に引上げてリンガロールにより絞った
後のストリップSの液膜の厚みを調査した。ここで、リ
ンガロールの押付け荷重は線圧換算で10.0kg/cm とし
た。この実験結果をヤング率で整理したところ、図3の
グラフを得た。図中の記号が示す材料は次の通りであ
る。
【0012】 CR…………………………ネオプレンゴム PE(LD)………………ポリエチレン(低密度) PE(HD)………………ポリエチレン(高密度) PTFE……………………四弗化エチレン樹脂 PA…………………………ポリアミド樹脂 ABS………………………アクリル・ブタジエン・スチ
レン共重合体 発明ロール材料……………高分子重合体繊維 同図は縦軸が液膜厚み(μm),横軸がヤング率(kgf/
mm2)を示しており、プロットした点はいずれもデータ1
0ケの平均値である。これにより、硬質材になるほどス
トリップSの中央部における液絞り性が向上することが
わかる。
レン共重合体 発明ロール材料……………高分子重合体繊維 同図は縦軸が液膜厚み(μm),横軸がヤング率(kgf/
mm2)を示しており、プロットした点はいずれもデータ1
0ケの平均値である。これにより、硬質材になるほどス
トリップSの中央部における液絞り性が向上することが
わかる。
【0013】一方、ストリップSのエッジ部(図13)
における液絞り性については上記実験では評価できない
が、ライニング材が硬質になる程エッジ部に沿って変形
しにくくなり、図4に示すようにロール間に隙間dが生
じて液の持込みが起るので液絞り不良が発生すると考え
られる。特に板厚の大きいストリップS(0.5mm以
上)を通すラインにおいては、ヤング率が10kgf/
mm2 以上の硬質材ではエッジ部における液絞り不良が
発生する可能性がある。このことから被覆材(ライニン
グ材)はエッジ部においてある程度の弾性変形が必要と
なるが、本発明のロールの被覆材料はCRとPE(L
D)の中間的なヤング率を有しており、ロールの構成
上、板厚の大きいストリップのエッジ部に沿って充分変
形することもできる。
における液絞り性については上記実験では評価できない
が、ライニング材が硬質になる程エッジ部に沿って変形
しにくくなり、図4に示すようにロール間に隙間dが生
じて液の持込みが起るので液絞り不良が発生すると考え
られる。特に板厚の大きいストリップS(0.5mm以
上)を通すラインにおいては、ヤング率が10kgf/
mm2 以上の硬質材ではエッジ部における液絞り不良が
発生する可能性がある。このことから被覆材(ライニン
グ材)はエッジ部においてある程度の弾性変形が必要と
なるが、本発明のロールの被覆材料はCRとPE(L
D)の中間的なヤング率を有しており、ロールの構成
上、板厚の大きいストリップのエッジ部に沿って充分変
形することもできる。
【0014】また、材料の耐磨耗性は硬質になる程向上
すると考えられているが、本発明に係る材料との比較実
験を行った結果は図5に示す通りである。図の縦軸にお
ける磨耗量比目盛りはCRを1.0 としたもので、同図よ
りヤング率が10kgf/mm2 以上の材料(樹脂)を用いると
CRの磨耗量より低下することが明らかであるが、本発
明のロール材料はヤング率が10kgf/mm2 以下であるにも
拘らず、CRの磨耗量よりかなり低下することがわか
る。
すると考えられているが、本発明に係る材料との比較実
験を行った結果は図5に示す通りである。図の縦軸にお
ける磨耗量比目盛りはCRを1.0 としたもので、同図よ
りヤング率が10kgf/mm2 以上の材料(樹脂)を用いると
CRの磨耗量より低下することが明らかであるが、本発
明のロール材料はヤング率が10kgf/mm2 以下であるにも
拘らず、CRの磨耗量よりかなり低下することがわか
る。
【0015】さらに、本発明ロールの被覆材の耐薬品性
について、図6に示す実験装置により調査した。同図に
おいて90°C試料液24を含んだ試料吸収材25上で
サンプルロール23を長時間回転させ、定期的にロール
の硬度,寸法を測定し、その変化量を調べた。その結果
を図7〜図10に示す。なお、比較材としてはCR(ネ
オプレン)を用いた。先ず、硬度変化を見ると、発明ロ
ール材料(図9)では酸90°Cでもアルカリ90°C
でも変化が見られず、一方CR(図10)ではHs5〜
8の硬度変化が生じている。また寸法変化は、本発明ロ
ールでは(図7)、酸90°C,アルカリ90°Cで変
化が見られず、一方CR(図8)では0.5 〜1.0mm の変
化(変化率3.3 〜5.0 %) の変化が生じている。この結
果から本発明ロール材料はゴムより耐薬品性に優れてい
ることが明らかである。
について、図6に示す実験装置により調査した。同図に
おいて90°C試料液24を含んだ試料吸収材25上で
サンプルロール23を長時間回転させ、定期的にロール
の硬度,寸法を測定し、その変化量を調べた。その結果
を図7〜図10に示す。なお、比較材としてはCR(ネ
オプレン)を用いた。先ず、硬度変化を見ると、発明ロ
ール材料(図9)では酸90°Cでもアルカリ90°C
でも変化が見られず、一方CR(図10)ではHs5〜
8の硬度変化が生じている。また寸法変化は、本発明ロ
ールでは(図7)、酸90°C,アルカリ90°Cで変
化が見られず、一方CR(図8)では0.5 〜1.0mm の変
化(変化率3.3 〜5.0 %) の変化が生じている。この結
果から本発明ロール材料はゴムより耐薬品性に優れてい
ることが明らかである。
【0016】以上のことから、本発明ロールの被覆材は
ゴムより液絞り性,耐薬品性が良好であり、また耐磨耗
性についてはヤング率10kgf/mm2 以上の材料と同程度で
あり、しかもストリップのエッジ部に沿った材料の変形
が充分に起こるので、長い期間にわたって良好な液絞り
性を維持することができる。
ゴムより液絞り性,耐薬品性が良好であり、また耐磨耗
性についてはヤング率10kgf/mm2 以上の材料と同程度で
あり、しかもストリップのエッジ部に沿った材料の変形
が充分に起こるので、長い期間にわたって良好な液絞り
性を維持することができる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。先ず第1実施例として、最大ライン速度800mp
m の電解洗浄ラインのアルカリ洗浄層出側に設けたリン
ガロールにこの発明を適用した(図11中の10a参
照)。このリンガロール10aの上ロールはネオプレン
ゴム、下ロールは本発明ロールの被覆材であるポリプロ
ピレン繊維不織布Aをローラ軸Bに直交するごとく積層
し、両端を端板Cで圧縮保持したもので、ロール寸法は
外径400mm,長さ1320mmで、硬度JIS−A95
15(下ロール)である。この結果、従来は1ヵ月で取
り換えていたリンガロールを、この場合には約6ヶ月経
過しても良好な液絞り性を維持しているとともに、オル
ソ硅酸ソーダの使用量が約2%程度削減された。
する。先ず第1実施例として、最大ライン速度800mp
m の電解洗浄ラインのアルカリ洗浄層出側に設けたリン
ガロールにこの発明を適用した(図11中の10a参
照)。このリンガロール10aの上ロールはネオプレン
ゴム、下ロールは本発明ロールの被覆材であるポリプロ
ピレン繊維不織布Aをローラ軸Bに直交するごとく積層
し、両端を端板Cで圧縮保持したもので、ロール寸法は
外径400mm,長さ1320mmで、硬度JIS−A95
15(下ロール)である。この結果、従来は1ヵ月で取
り換えていたリンガロールを、この場合には約6ヶ月経
過しても良好な液絞り性を維持しているとともに、オル
ソ硅酸ソーダの使用量が約2%程度削減された。
【0018】次に第2実施例として、最大ライン速度6
00mpm の酸洗ラインスプレータンク槽出側(ドライヤ
手前)に設けられたリンガロール(図14中の14c参
照)にこの発明を適用した。このリンガロール14cの
上ロールはネオプレンゴム、下ロールは本発明ロールの
被覆材(ポリプロピレン繊維不織布)で、ロール寸法は
外径300mm,長さ2030mmであり、硬度JIS−A
9525(下ロール)である。この結果、従来は2週間
で取り換えていたリンガロールを、この場合には約3ヵ
月経過しても良好な液絞り性を維持していた(板厚の大
きいストリップでもエッジ部に沿って充分な変形が起
る)。なお、ドライヤは熱風を用いるが、この熱風量を
約10%削減してもストリップを充分に乾燥することが
できた。
00mpm の酸洗ラインスプレータンク槽出側(ドライヤ
手前)に設けられたリンガロール(図14中の14c参
照)にこの発明を適用した。このリンガロール14cの
上ロールはネオプレンゴム、下ロールは本発明ロールの
被覆材(ポリプロピレン繊維不織布)で、ロール寸法は
外径300mm,長さ2030mmであり、硬度JIS−A
9525(下ロール)である。この結果、従来は2週間
で取り換えていたリンガロールを、この場合には約3ヵ
月経過しても良好な液絞り性を維持していた(板厚の大
きいストリップでもエッジ部に沿って充分な変形が起
る)。なお、ドライヤは熱風を用いるが、この熱風量を
約10%削減してもストリップを充分に乾燥することが
できた。
【0019】また、上記いずれの実施例においてもスト
リップ表面に疵は生じなかった。なお、これらの実施例
は電解洗浄ライン,酸洗ラインにこの発明を適用したも
のであるが、この発明は連続焼鈍ラインのクリーニング
セクションや水冷帯、又はめっきライン等のリンガロー
ルにもこの発明を適用できるのは勿論である。また、上
記両実施例は水平パスにおいてこの発明を適用している
が、垂直パスの場合にも適用できるのも勿論である。な
お、ロール表面硬度はJIS−A硬度で80〜90の範
囲となるようにすることが望ましい。
リップ表面に疵は生じなかった。なお、これらの実施例
は電解洗浄ライン,酸洗ラインにこの発明を適用したも
のであるが、この発明は連続焼鈍ラインのクリーニング
セクションや水冷帯、又はめっきライン等のリンガロー
ルにもこの発明を適用できるのは勿論である。また、上
記両実施例は水平パスにおいてこの発明を適用している
が、垂直パスの場合にも適用できるのも勿論である。な
お、ロール表面硬度はJIS−A硬度で80〜90の範
囲となるようにすることが望ましい。
【0020】さらに、不織布を構成する高分子重合体繊
維としては、酸・アルカリに対して耐蝕性を有するもの
であれば特に種類は限定しないが、なかでもポリプロピ
レン,ポリエチレンなどのポリオレフィン繊維、芳香族
アミド繊維などは好適である。また、これら高分子重合
体繊維は不織布に構成されるとき、短繊維または長繊維
の形態で、できるだけ方向性を持たないようにランダム
に配列されるよう積層させることが望ましい。
維としては、酸・アルカリに対して耐蝕性を有するもの
であれば特に種類は限定しないが、なかでもポリプロピ
レン,ポリエチレンなどのポリオレフィン繊維、芳香族
アミド繊維などは好適である。また、これら高分子重合
体繊維は不織布に構成されるとき、短繊維または長繊維
の形態で、できるだけ方向性を持たないようにランダム
に配列されるよう積層させることが望ましい。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
酸・アルカリの液に対して耐蝕性を有し、かつストリッ
プ面に対して耐磨耗性を有する高分子重合体繊維からな
る多数枚の不織布をローラ軸に直交するごとく積層する
とともに、該積層体をローラ軸両端の端板間に挟んで圧
縮保持してヤング率を10kgf/mm 2 以下としてロ
ールを構成したため、液絞り性とロール寿命を向上する
ことができるとともに、薬液の原単位の低下、保全費の
削減を可能とし、さらに従来のようなロール表面破損に
よる操業上の支障を防止できるので生産性の向上、製品
の歩留りの向上等多大な効果が得られる。
酸・アルカリの液に対して耐蝕性を有し、かつストリッ
プ面に対して耐磨耗性を有する高分子重合体繊維からな
る多数枚の不織布をローラ軸に直交するごとく積層する
とともに、該積層体をローラ軸両端の端板間に挟んで圧
縮保持してヤング率を10kgf/mm 2 以下としてロ
ールを構成したため、液絞り性とロール寿命を向上する
ことができるとともに、薬液の原単位の低下、保全費の
削減を可能とし、さらに従来のようなロール表面破損に
よる操業上の支障を防止できるので生産性の向上、製品
の歩留りの向上等多大な効果が得られる。
【図1】本発明に係わるロールの概要側面図である。
【図2】リンガロールの液絞り性を調査するための実験
装置略図である。
装置略図である。
【図3】図2の実験装置による各種材料の実験結果をヤ
ング率で整理して得たグラフ図である。
ング率で整理して得たグラフ図である。
【図4】ロールのライニング材が硬質であるとき生じる
ロール間の隙間dを示すリンガロールの側面図である。
ロール間の隙間dを示すリンガロールの側面図である。
【図5】ロールの被覆材(ライニング材)の磨耗量比を
ヤング率との関係で示したグラフ図である。
ヤング率との関係で示したグラフ図である。
【図6】ロールの耐薬品性を調べるための装置の略図で
ある。
ある。
【図7】本発明によるロールの耐薬品性を試験日数とロ
ール径変化の関係で図6の装置により試験した結果のグ
ラフ図である。
ール径変化の関係で図6の装置により試験した結果のグ
ラフ図である。
【図8】従来のネオプレンライニングロールの耐薬品性
を図7と同様に試験した結果のグラフ図である。
を図7と同様に試験した結果のグラフ図である。
【図9】図6の試験装置により本発明ロールの耐薬品性
をロールの硬度変化との関係で調べたグラフ図である。
をロールの硬度変化との関係で調べたグラフ図である。
【図10】図9と同様に、ネオプレンライニングロール
の耐薬品性を硬度変化との関係で調べたグラフ図であ
る。
の耐薬品性を硬度変化との関係で調べたグラフ図であ
る。
【図11】本発明によるリンガロールを設けたアルカリ
洗浄ラインの概念図である。
洗浄ラインの概念図である。
【図12】ゴムライニングを有するロールの断面図であ
る。
る。
【図13】ストリップのエッジ部を示す拡大図である。
【図14】本発明によるリンガロールをスプレータンク
槽に設けた酸洗ラインの概念図である。
槽に設けた酸洗ラインの概念図である。
S・・・・ストリップ 10a,10c,14c・・・リンガロール A・・・・不織布 B・・・・ローラ軸 C・・・・端板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 晴山 智 東京都中央区日本橋2丁目5番13号 帝 国繊維株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−192510(JP,A) 実公 昭48−35632(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 45/02 330 B21B 27/00 C23G 3/02
Claims (2)
- 【請求項1】 ストリップを両面から挟んで、このスト
リップに付着している液を絞り取るリンガロールにおい
て、酸・アルカリの液に対して耐蝕性を有し、かつスト
リップ面に対して耐磨耗性を有する高分子重合体繊維か
らなる多数枚の不織布をローラ軸に直交するごとく積層
するとともに、該積層体をローラ軸両端の端板間に挟ん
で圧縮保持してヤング率を10kgf/mm 2 以下とす
るとともに、ほぼ円柱状に形成加工したことを特徴とす
るリンガロール。 - 【請求項2】 前記高分子重合体繊維が、ポリオレフィ
ン繊維または芳香族アミド繊維であることを特徴とする
請求項1記載のリンガロール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3140248A JP3019957B2 (ja) | 1991-06-12 | 1991-06-12 | リンガロール |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3140248A JP3019957B2 (ja) | 1991-06-12 | 1991-06-12 | リンガロール |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04367314A JPH04367314A (ja) | 1992-12-18 |
JP3019957B2 true JP3019957B2 (ja) | 2000-03-15 |
Family
ID=15264362
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3140248A Expired - Fee Related JP3019957B2 (ja) | 1991-06-12 | 1991-06-12 | リンガロール |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3019957B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104438381B (zh) * | 2014-11-24 | 2016-06-29 | 中冶南方工程技术有限公司 | 金属板带表面清洁挤干装置在线清洗系统 |
-
1991
- 1991-06-12 JP JP3140248A patent/JP3019957B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04367314A (ja) | 1992-12-18 |
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