JP3019311B2 - 同時5軸制御加工機 - Google Patents

同時5軸制御加工機

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JP3019311B2
JP3019311B2 JP63265814A JP26581488A JP3019311B2 JP 3019311 B2 JP3019311 B2 JP 3019311B2 JP 63265814 A JP63265814 A JP 63265814A JP 26581488 A JP26581488 A JP 26581488A JP 3019311 B2 JP3019311 B2 JP 3019311B2
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英樹 佐伯
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【発明の詳細な説明】 (a).産業上の利用分野 本発明は、大型化・複雑化することなく、しかも主軸
台の剛性を高めて加工精度を向上することが出来る、同
時5軸制御加工機に関する。
(b).従来の技術 同時5軸制御加工機は、ワークを斜面加工及び自由曲
面加工等することが出来るように、該ワークを搭載し得
るテーブルを、工具が装着される工具主軸に対して相対
的に相異なる2方向に傾斜させるための駆動機構を2つ
有する必要がある。そのため、同時5軸制御加工機の型
式としては、工具主軸を有するヘッドを相異なる2方
向に傾斜させる2つの駆動機構を有するもの、テーブ
ルを旋回させる1つの駆動機構と、該テーブルを旋回自
在に支持する支持部材を別の1方向に傾斜させる1つの
駆動機構を有するもの、等がある。
(c).発明が解決しようとする問題点 しかし、上述したの型式の同時5軸制御加工機で
は、ヘッド周囲に2つの駆動機構を設けなければなら
ず、主軸台の本体に対するヘッドの剛性を高くすること
が出来ない。そのため、ワーク加工中、ビビリ等が発生
して加工精度が低下してしまう不都合があった。また、
の型式の同時5軸制御加工機では、テーブルを2つの
駆動機構で傾けるので、テーブル構造が複雑化してしま
う不都合があった。
そこで、テーブルを或る旋回中心を中心として旋回さ
せる1つの駆動機構と、ヘッドを工具主軸の回転中心と
直交する軸を中心に旋回させる1つの駆動機構とを有す
るように同時5軸制御加工機を構成することも可能であ
る。
しかし、いずれの型式の同時5軸制御加工機も、ヘッ
ドを工具と共に旋回させた場合、工具刃先の移動量が、
加工すべきワークの大きさに比べて大きくなる。する
と、ヘッド旋回後に、工具の刃先をワークの所定位置に
位置決めするためには、該ヘッドをワークに対して大幅
に移動させなければならない。このため、主軸台のスト
ロークを大きくしなければならず、その結果、同時5軸
制御加工機全体が大型化してしまう不都合があった。
本発明は、上記事情に鑑み、主軸台の剛性を高めて加
工精度を向上させると共に、主軸台やテーブルを小型か
つ簡単化することが出来る、同時5軸制御加工機を提供
することを目的とする。
(d).問題点を解決するための手段 本発明は、機体(2)を有し、前記機体(2)に、ヘ
ッド支持手段(10)を設け、前記ヘッド支持手段(10)
に、ヘッド(19)を、第1旋回中心(CT3)を中心とし
て旋回自在に設けると共に、ヘッド(19)を旋回駆動す
るためのヘッド旋回駆動手段(17)を設け、前記ヘッド
(19)に、工具主軸(22)を、前記第1旋回中心(CT
3)と所定の角度(α)をもって形成された第2旋回中
心(CT5)を中心として回転駆動自在に設けると共に、
前記工具主軸(22)を回転駆動する主軸駆動モータ(2
5)を設け、前記主軸駆動モータ(25)は、前記第1旋
回中心(CT3)に対して前記ヘッド(19)の一方の側に
配置されており、前記工具主軸に、工具を装着自在な工
具保持手段(22a)を設け、前記第1旋回中心と第2旋
回中心の交点(P1)を、前記工具主軸の前記工具保持手
段の端部(22c)よりも、前記第2旋回中心の軸心方向
において、該工具保持手段に装着される工具の先端(31
a)側に位置するように設定し、更に、前記機体(2)
に、テーブル(29、29A、35)を、前記工具主軸(22)
に対して少なくとも1方向に所定角度だけ旋回し得るよ
うに設けて構成される。
なお、ヘッド旋回駆動手段を、互いに噛合するウォー
ム(17b)及びウォームホィール(17a)を有する旋回駆
動機構(17)から構成してもよい。
また、ヘッド支持手段(10)とヘッド(19)の間に断
熱部材(15)を配置して構成してもよい。
なお、括弧内の番号等は、図面における対応する要素
を示す、便宜的なものであり、従って、本記述は図面上
の記載に限定拘束されるものではない。以下の
「(e).作用」の欄についても同様である。
(e).作用 上記した構成により、本発明は、工具主軸(22)に工
具(31)を装着すると、該工具(31)の刃先と第1及び
第2旋回中心(CT3、CT5)の交点(P1)との距離が短く
なるように作用する。また、主軸駆動モータ(25)を駆
動することにより、直接、工具主軸(22)が、第2旋回
中心(CT5)を中心として回転するように作用する。
なお、ヘッド旋回駆動手段を、互いに噛合するウォー
ム(17b)及びウォームホィール(17a)を有する旋回駆
動機構(17)から構成した場合には、ウォーム(17b)
を駆動することにより、ヘッド(19)はウォームホィー
ル(17a)等を介して旋回されるように作用する。
(f).実施例 以下、図面に基づき、本発明の実施例を説明する。
第1図は本発明による同時5軸制御加工機の一実施例
を示す斜視図、 第2図は第1図に示す同時5軸制御加工機を用いてワ
ークを加工する様子を示す図、 第3図は本発明による同時5軸制御加工機の主軸台の
要部を示す断面図、 第4図は第1図に示す同時5軸制御加工機を用いてワ
ークを加工する際の、該ワークに対する主軸台のヘッド
の位置関係を示す図、 第5図及び第6図はヘッドに装着された工具主軸と
X、Y、Z軸との間の角度を示す図、 第7図乃至第10図は本発明による同時5軸制御加工機
を用いて、長尺のワークを斜面加工する工程を示す図、 第11図は同時5軸制御加工機を用いて加工される長尺
のワークの一例を示す斜視図、 第12図乃至第15図は本発明による同時5軸制御加工機
を用いて、斜面を有する箱状のワークを加工する工程を
示す図、 第16図は本発明による同時5軸制御加工機に適用され
る主軸台の別の例を示す図、 第17図は本発明による同時5軸制御加工機の別の実施
例を示す斜視図、 第18図は本発明による同時5軸制御加工機の別の実施
例を示す斜視図、 第19図は本発明による同時5軸制御加工機の更に別の
実施例を示す斜視図である。
同時5軸制御加工機1は、第1図に示すように、機体
2を有しており、機体2上には、ガイド手段である直動
案内軸受3Aを構成するガイドレール3aが複数個、図中左
右方向である矢印A、B方向(即ち、X軸方向)に平行
に設けられている。これ等ガイドレール3a上には、ベー
ス5が、直動案内軸受3Aを構成する複数個のナット3bを
介して、矢印A、B方向(X軸方向)に移動駆動自在な
形で設けられており、ベース5上には、コラム6が、ガ
イド手段である複数個の直動案内軸受3Cを介して、矢印
A、B方向とは直角な方向である矢印C、D方向(即ち
Z軸方向)に、移動駆動自在な形で設けられている。
また、第1図に示すコラム6の前面6aには、主軸台9
が設けられており、主軸台9は、ヘッド支持部10及びヘ
ッド19等を有している。ヘッド支持部10は、第3図に示
すように、本体11、駆動軸12及び旋回駆動機構17等より
構成されており、本体11は、第1図に示すコラム6の前
面6aに、ガイド手段である複数個の直動案内軸受3Bを介
して図中上下方向である矢印E、F方向(即ち、Y軸方
向)に移動駆動自在な形で設けられている。本体11に
は、第3図に示すように、係合穴11aが、矢印C、D方
向(Z軸方向)に対して所定角度α(本実施例において
はα=45゜)だけ傾く形で穿設形成されており、係合穴
11aには、段付き棒状の駆動軸12が、クロスローラベア
リング等のベアリング13等を介して、その軸心(以下、
旋回中心CT3と称する。)を第3図矢印C、D方向(Z
軸方向)に対して所定角度αだけ傾け、かつ旋回中心CT
3を中心として矢印G、H方向に旋回自在な形で設けら
れている。
駆動軸12には、第3図に示すように、貫通穴12aが、
該駆動軸12を旋回中心CT3に沿って貫通する形で穿設さ
れており、更に駆動軸12には、軸受部12bが、その直径
を該駆動軸12の他の部分の直径よりも大きくする形で形
成されている。また、軸受部12bの図中右方の端部に
は、接合部12dが設けられており、更に、駆動軸12に
は、旋回駆動機構17が接続している。旋回駆動機構17
は、ウォームホイール17a及びウォーム17b等を有してお
り、ウォームホイール17aは、駆動軸12の図中上端部に
装着されている。ウォームホイール17aには、ウォーム1
7bが噛合しており、ウォーム17bには、該ウォーム17bを
回転駆動するための旋回駆動モータ(図示せず)が接続
している。
ところで、ヘッド支持部10には、第3図に示すよう
に、ヘッド19が、後述する装着部21等を介して、旋回中
心CT3を中心として矢印G、H方向に旋回自在な形で装
着されており、ヘッド19はケーシング20を有している。
ケーシング20には装着部21が形成されており、装着部21
の図中左端部には、接合部21aが設けられている。な
お、接合部21aは、断熱部材15を介して駆動軸12の接合
部12dに接続している。
また、ヘッド19のケーシング20には、第3図に示すよ
うに、モータ収容空間20Aが筒状に形成されており、モ
ータ収容空間20Aには、工具主軸22が、複数個のベアリ
ング23を介して、回転中心CT5を中心として矢印J、K
方向に回転自在な形で設けられている。工具主軸22に
は、主軸駆動モータ25を構成するロータ25aが、該主軸2
2の周囲を取り囲む形で装着されており、またケーシン
グ20には、主軸駆動モータ25を構成するステータ25b
が、ロータ25aを被覆する形で設けられている。更に、
工具主軸22には、第3図に示すように、貫通穴22bが矢
印E、F方向(Y軸方向)に貫通穿設されており、また
工具主軸22の図中下端部には、エンドミル等の工具を保
持するための工具保持面22aが、貫通穴22bに接続する形
でテーパー状に形成されている。なお、貫通穴22bに
は、工具を保持するための公知のドローバー(図示せ
ず)等が設けられている。
また、第1図に示す機体2の図中前部には、ワーク支
持装置26が設けられており、ワーク支持装置26は、テー
ブル支持部27、27等を有している。テーブル支持部27、
27間には、長方形状に形成されたチルトテーブル29が、
旋回中心CT6を中心として矢印L、M方向に旋回駆動自
在な形で設けられており、チルトテーブル29の図中上部
には、ワーク搭載面29aが形成されている。
同時5軸制御加工機1は、以上のような構成を有する
ので、該加工機1を用いて、第2図に示す長さlの長尺
のワーク30を加工するには、まず該ワーク30を、チルト
テーブル29のワーク搭載面29a上に装着する。次に、第
3図に示す工具主軸22に、加工に使用するエンドミル等
の工具31を、工具保持面22a等を介して装着する。その
状態で、第2図に示すチルトテーブル29を、ワーク30と
共に矢印L、M方向に適宜旋回させることにより、ワー
ク30を図中実線で示す水平位置に位置決めする。
こうして、ワーク30が水平位置に位置決めされたとこ
ろで、第2図に示すベース5を、コラム6と共に図中紙
面と直角の方向、即ち第1図矢印A、B方向(X軸方
向)に適宜移動駆動する。また、コラム6を、主軸台9
と共に矢印C、D方向(Z軸方向)に移動駆動すると共
に、主軸台9を第4図に示す工具31と共に矢印E、F方
向(Y軸方向)に移動駆動して、工具31を第1加工開始
位置SP1に位置決めする。すると、工具31の刃先は、水
平に位置決めされたワーク30の端部30dと対向する。
次に、その状態で第3図に示す主軸駆動モータ25を駆
動する。すると、工具主軸22は、該モータ25によって直
接駆動される形で、工具31と共に矢印J又はK方向に回
転する。次に、その状態で第3図に示す主軸台9を、矢
印F方向に適宜移動させる。また、これと同時にベース
5を、該主軸台9と共に図中紙面と直角の方向(第1図
矢印A、B方向)に移動駆動すると共に、第2図に示す
コラム6を、主軸台9と共に矢印C、D方向(Z軸方
向)に長さl1の範囲内で移動駆動する。すると、工具31
によって、第4図に示すワーク30の第1加工領域ARE1
(即ち、第4図に示すワーク30において、図中右上がり
平行斜線で示す加工領域であって、距離l1の範囲)が加
工される。なお、この際、第2図に示すように、主軸台
9の工具主軸22とコラム6の前面6aとの距離(即ち、オ
ーバーハング量L2)は、短いので、主軸台9全体の剛性
は高く、工具31を介して主軸台9に切削力が作用して
も、該主軸台9に加工精度に悪影響を与えるような有害
な振動は生じない。
こうして、第4図に示すワーク30の第1加工領域ARE1
が加工されたところで、残りの第2加工領域ARE2(即
ち、ワーク30において、図中左上がり平行斜線で示す加
工領域であって、距離l2(=l−l1)の範囲)を加工す
る。それには、まず第2図に示すコラム6を、主軸第9
と共に矢印D方向に所定距離だけ移動退避させる。その
状態で、チルトテーブル29を、ワーク30と共に、旋回中
心CT6を中心として矢印L方向に90゜だけ旋回すること
により、該ワーク30を図中想像線で示すように垂直にす
る。また、ヘッド19を、工具主軸22と共に、旋回中心CT
3を中心として矢印G、H方向に180度だけ旋回させるこ
とにより、第3図に示す工具主軸22に装着された工具31
を、図中想像線で示すように水平にする。
なお、この際、第3図に示すように、工具主軸22の回
転中心CT5は、ヘッド支持部10の旋回中心CT3に対して所
定角度(即ち45゜)だけ傾いていると共に、ヘッド19に
主軸駆動モータ25を、工具主軸22に直結する形で設け
て、該主軸22を、可能な限りヘッド支持部19の駆動軸12
に対して矢印E方向にズラして設けている。従って、主
動駆動モータ25は旋回中心CT3に対して、ヘッド19の第
3中斜め右上方の一方の側へ配置されることとなる。こ
れにより、旋回中心CT3と回転中心CT5との交点である対
称点P1は、工具主軸22の工具保持面22a側の端部22cより
も、回転中心CT5の軸心方向において、第3図矢印F
側、即ち、工具保持面22aに装着される工具の先端側に
位置するように設定される。従って、工具主軸22に装着
される工具31の刃先31aも、従来のように主軸駆動モー
タをヘッド支持部に設けた場合より、駆動軸12に対して
大幅に矢印E方向にズレた位置に位置決めされることに
なる。すると、工具31の刃先316aと対称点P1(即ち、旋
回中心CT3と工具主軸22の回転中心CT5との交点。)との
距離(以下、刃先移動量d1と称する。)は短くなり、ヘ
ッド19の矢印G、H方向の割出し旋回量に対して工具31
の刃先移動量d1が小さくなる。そのため、旋回駆動機構
17を駆動して、ヘッド19を矢印G、H方向に旋回させる
ことにより、工具31を、該駆動機構17aウォームホイー
ル17a及びウォーム17bのバックラシッシ等に起因する割
り出し誤差の影響を殆ど受けることなく、正確に水平に
することができる。
更に、工具31を水平にした後、該工具31(従って主軸
台9)を、矢印C、D方向(Z軸方向)及び矢印E、F
方向(Y軸方向)に微小距離だけ移動させることによ
り、刃先移動量d1に相応する分たけ動かすことが出来、
該工具31は、直ちに第2図に示す第2加工開始位置SP2
(即ち、工具31が、水平位置決めされたワーク30の加工
すべき端部30eと対向する位置)に位置決めされる。
こうして、工具31が第2加工開始位置SP2に位置決め
されたところで、第2図に示すベース5を図中紙面と直
角方向(即ち、矢印A、B方向)に移動させると共に、
コラム6を矢印C、D方向に移動させる。これと同時
に、主軸台9を、工具31と共に矢印E、F方向に距離l2
の範囲内で移動することにより、該工具31によってワー
ク30の第2加工領域ARE2を加工する。なお、この際、第
2図に示すように、主軸台9のヘッド19とベース5の上
部5aとの距離(即ち、加工面高さ量H2)は短いので、主
軸台9全体の剛性は高く、該主軸台9に加工精度を悪化
させるような有害な振動は生じない。
上述したように、ワーク30を水平及び垂直にすると共
に、工具31をワーク30に応じて水平及び垂直にした状態
で、該ワーク30の長さlの略半分の長さ(即ち、前述し
た長さl1、l2)だけZ軸及びY軸方向に動かすことによ
り、ワーク30の第1及び第2加工領域ARE1、ARE2(従っ
てワーク30全体)を加工することが出来る。
更に、同時5軸制御加工機1を用いて、第11図に示す
長尺ワーク30の各パーツ30aの各斜面(例えば斜面30g)
を加工するには、加工すべき長尺ワーク30を、第4図に
示すチルトテーブル29のワーク搭載面29a上に装着する
と共に、工具主軸22に加工に使用する工具31を装着す
る。その状態で、チルトテーブル29を、ワーク30と共に
第7図矢印L、M方向に旋回させることにより、該ワー
ク30を、水平方向である矢印C、D方向(Z軸方向)に
対して図中左斜め上方に所定角度θ1だけ傾ける。
ワーク30が所定角度θ1だけ傾いたところで、第7図
に示す工具31を矢印J又はK方向に回転させる。その状
態で、第2図に示すベース5を図中紙面と直角方向に、
コラム6を矢印C、D方向に、更に主軸台9を第7図に
示す工具31と共に矢印E、F方向に、それぞれ適宜移動
駆動することにより、該工具31を、ワーク30の図中左方
の斜面30gより上方に所定距離だけ離れた位置に位置決
めする。次に、主軸台9を工具31と共に矢印F方向に所
定距離だけ移動させ、その状態で第2図に示すベース5
を、主軸台9と共に図中紙面と直角方向、即ち第1図矢
印A、B方向に移動駆動することにより、第7図に示す
工具31を、ワーク30の斜面30gと接触させつつ、図中紙
面と直角方向(即ちX軸方向)に移動させて、該斜面30
gを加工する。
次に、ワーク30の斜面30hを加工するには、まず第7
図に示すチルトテーブル29を、ワーク30と共に矢印L方
向に角度(θ1+θ2)だけ旋回させることにより、該
ワーク30を、水平方向である第8図矢印C、D方向(Z
軸方向)に対して、図中右斜め上方に角度θ2だけ傾け
る。次に、工具31を、第8図に示すワーク30の斜面30h
と整合する水平位置に位置決めする。それには、まず第
3図に示すウォーム17bを回転駆動する。すると、ヘッ
ド19は、ウォームホィール17a、駆動軸12及び断熱部材1
5等を介してウォーム17bによって駆動される形で、旋回
中心CT3を中心として矢印E、F方向に180゜だけ割り出
し旋回する。なお、この際ウォーム17bとウォームホィ
ール17aとは、バックラシッシが零の状態で噛合してい
るので、ヘッド19は正確に所定位置に割り出されて、工
具31は精度よく水平位置に位置決めされる。なお、ワー
ク30を加工していくと、主軸駆動モータ25やベアリング
23等は発熱してくるが、駆動軸12とヘッド19の間に断熱
部材15が設けられているので、ヘッド支持部10側には熱
は伝わらない。このため、ヘッド支持部10は殆ど熱膨張
せず、ヘッド19のみの熱膨張を考慮して工具31の位置を
補正すればよい。
次に、その状態で第2図に示すコラム6を主軸台9と
共に矢印C、D方向(Z軸方向)に、更に主軸台9を工
具31と共に矢印E、F方向(Y軸方向)に移動駆動する
等して、該工具31を、第8図に示すワーク30の所定の加
工開始位置に位置決めする。次に、第2図に示す主軸第
9を、矢印C方向に所定量だけ送り込み、更にコラム6
を、第8図に示す工具31と共に図中紙面と直角方向に移
動駆動する。すると、該工具31によってワーク30の斜面
30hが加工される。
なお、この際、ヘッド19は、前述したように、駆動軸
12、ウォーム17b及びウォームホィール17a等を介して、
ヘッド支持部10の本体11に対して接続されており、ウォ
ーム17b及びウォームホィール17aは、バックラッシが零
の状態で噛合しているので、ヘッド19の剛性は高い。ま
た、工具主軸22は、主軸駆動モータ25によって直接回転
駆動されるので、主軸台9の組立精度に影響されない。
その結果、主軸台9には、加工精度に悪影響を与える振
動は発生せず、工具主軸22に装着された工具31によっ
て、ワーク30の斜面30hは精度よく加工される。
こうして、ワーク30の斜面30g、30hが加工されたとこ
ろで、該ワーク30の残りの斜面、即ち第9図に示すワー
ク30の斜面30i、30jを加工する。この際、斜面30i、30j
は、X、Y、Z軸の3軸に対してそれぞれ所定角度だけ
傾いているので、工具31を、斜面30i等に応じてX、
Y、Z軸に対して所定角度だけ傾ける必要がある。そこ
で、まず最初に、第3図に示すヘッド19を工具主軸22と
共に旋回中心CT3を中心として矢印G、H方向に任意角
度θだけ旋回させた場合の、該角度θと工具主軸22(従
って工具31)のX、Y、Z軸に対する角度θx、θy、
θzとの関係について説明し、その後ワーク30の斜面30
i、30jを実際に加工する場合について説明する。
即ち、第5図に示すように、対称点P1をX、Y、Z座
標軸の原点Oとし、旋回中心CT3に対して直角でY軸及
びZ軸に接する半径1の円(以下、単位円UCと称す
る。)を考える。そして、単位円UCがY軸及びZ軸に接
する点をそれぞれA、Bとする。ここで、工具主軸22
を、その回転中心CT5をZ軸上に位置決めした状態から
矢印G方向に角度θだけ旋回させて、図中想像線で示す
位置に位置決めする。すると、工具主軸22の回転中心CT
5も、矢印G方向に角度θだけ旋回して、単位円UCの円
周に沿って点Bから点Dまで移動する。この際、点Dか
らXZ平面及びYZ平面に下ろした垂線の足をそれぞれG1
E、また足G1よりZ軸に下ろした垂線の足をFとすれ
ば、 θ=∠BCD、θx=∠DFG1 FG1=DE、DG1=EF であるので、 tanθx=DG1/FG1=EF/DE …… となる。ここで、第5図に示す点Dより直線ABに垂線を
下ろし、その足をEとすると、CD=1であるので、 DE=CDsinθ=sinθ …… となる。また、第5図に示す三角形BEFにおいて、 となる。従って、式、を式に代入すると、 となる。従って、 を得る。
また、角度θyは、第5図における三角形BOCと三角
形EOCより、 ∠BOC−∠BOE=45゜−θy tan(45゜−θy)=CE/CO …… ここで、第6図に示す三角形DCE及び三角形DCOより、 CE=CDcosθ=cosθ …… CO=1 …… となる。従って、式、を式に代入して、 tan(45゜−θy)=cosθ …… を得る。従って、式より、 θy=45゜−arctan(cosθ) …… を得る。
更に、角度θzは、第5図に示す三角形FOGより、 tanθz=FG/OF=DE/OF ここで、第6図に示す三角形EOFより、 上式より、 従って、 となる。従って、上述した角度θと角度θx、θy、θ
zとの関係に基づき、第5図に示す原点Oより図中左方
に所定距離だけ突出した工具31の刃先30aの、ワーク30
に対する位置を正確に求められる。
次に、第9図に示すワーク30の右方の斜面30jを加工
する場合において説明する。ワーク30の斜面30jを加工
するには、該斜面30jに応じて、第3図に示すヘッド19
に装着された工具31を、第9図に示すワーク30に対し
て、X軸、Y軸方向に角度γx、γyだけ傾くように位
置決めする。それには、まず工具31がワーク30に対して
X軸方向に角度γxだけ傾くように、第3図に示すヘッ
ド19を、工具31と共に矢印G又はH方向に所定角度θ3
だけ旋回させる。すると、工具31は、前述した式、
に基づき、角度θx1、θy1が次式(11)、(12)で示さ
れる値となる位置に位置決めされる。即ち、 θy1=45゜−arcran(cosθ3) ……(12) 次に、工具31がワーク30に対してY軸方向に角度γy
だけ傾くように、第10図に示すチルトテーブル29を矢印
L又はM方向に、角度(γy−θy1)だけ傾ける。
こうして、工具31が、ワーク30に対してX軸及びY軸
方向に角度γx、γyだけ傾いたところで、第1図に示
すコラム6を矢印C、D方向(Z軸方向)に、更に主軸
台9を矢印E、F方向(Y軸方向)に移動駆動する等し
て、工具31を、所定の加工開始位置に位置決めする。次
に、その状態でベース5及び主軸台9を、それぞれX軸
及びY軸方向に移動させつつ、コラム6をZ軸方向に移
動させて、駆動31によってワーク30の斜面30jを加工す
る。
同様にして、第9図に示すワーク30の左方の斜面30i
を加工する。
なお、上述した実施例においては、ワーク支持手段と
して、第1図に示すように、長尺ワーク用のワーク支持
装置26を用いた場合について述べた。しかし、ワーク支
持手段は、これに限らず、ワーク30を、工具主軸22に装
着された工具31に対して、少なくとも1方向に所定角度
だけ傾斜させて保持することが出来れば、どのように構
成してもよいことは勿論である。例えば、ワーク支持手
段として、第17図に示すワーク支持装置26Aを用いるこ
とも可能である。以下、ワーク支持装置26Aを有する同
時5軸制御加工機1について説明する。なお、第1図乃
至第4図に示す部分と同一の部分については同一の符号
を付してその部分の説明を省略する。
即ち、第17図に示す同時5軸制御加工機1の機体2の
前方部には、ワーク支持装置26Aが設けられており、ワ
ーク支持装置26Aは、本体33を有している。本体33上に
は、略正方形状に形成されたテーブル35が、矢印P、Q
方向に回転駆動自在な形で設けられており、テーブル35
の図中上部には、ワーク搭載面35aが形成されている。
上述した第17図に示す同時5軸制御加工機1を用い
て、第12図乃至第15図に示す斜面30cを有する箱形のワ
ーク30を加工するには、まずワーク30をテーブル35のワ
ーク搭載面35a上に搭載する。その状態で、第17図に示
す主軸台9を矢印F方向に適宜送り込み、その状態でベ
ース5を矢印A、B方向に、またコラム6を主軸台9と
共に矢印C、D方向に移動駆動することにより、第12図
に示す工具31によってワーク30の上面30fを加工する。
また、第13図に示すワーク30の背面30mを加工するに
は、テーブル35を、ワーク30と共に第17図矢印P、Q方
向に適宜割り出し回転させて、該ワーク30の背面30mを
主軸台9側に向ける。次に、ヘッド19を、第3図矢印
G、H方向に180゜旋回させて、工具31を水平位置に位
置決めする。その状態で、主軸台9を、第13図に示す工
具31と共に矢印E、F方向に移動駆動する等して、ワー
ク30の背面30mを加工する。
次に、ワーク30の斜面30cを加工するには、第13図に
示すテーブル35を、ワーク30と共に矢印P、Q方向に所
定角度たけ割り出し回転させる。また、ヘッド19を、第
3図矢印G、H方向に所定角度だけ旋回させる。その状
態で、主軸台9を、工具31と共に適宜移動駆動すること
により、ワーク30の斜面30cを加工する。
なお、ワーク支持手段として、旋回駆動機能の他に傾
斜駆動機能が付加された第18図に示すワーク支持装置26
Bを用いることも出来る。以下、該ワーク支持装置26Bを
有する同時5軸制御加工機1について説明する。なお、
第1図乃至第4図に示す部分と同一の部分については同
一の符号を付してその部分の説明を省略する。
即ち、第18図に示す同時5軸制御加工機1のワーク支
持装置26Bは、テーブル支持部27、27を有しており、テ
ーブル支持部27、27間には、支持部材36が矢印L、M方
向に傾斜駆動自在に設けられている。支持部材36上に
は、テーブル35が矢印P、Q方向に旋回自在に設けられ
ており、テーブル35の上部には、ワーク搭載面35aが形
成されている。
上述した第18図に示す同時5軸制御加工機1を用い
て、斜面を有するワークを加工するには、まず加工すべ
きワークを、テーブル35のワーク搭載面35aに搭載す
る。次に、支持部材36を、テーブル35と共に矢印L、M
方向に適宜旋回させて矢印C、D方向に対して傾斜さ
せ、またテーブル35をワークと共に矢印P、Q方向に適
宜旋回させることにより、ワークの斜面を水平から垂直
位置までの任意の角度位置に位置決めする。その状態
で、前述したように、工具主軸22に装着した工具を垂直
から水平の任意の角度位置に位置決めし、その状態で該
工具によってワークの斜面を加工する。
更に、ワーク支持手段として、第18図に示すワーク支
持装置26Bに長尺ワーク搭載機能を付加した第19図に示
すワーク支持装置26Cを用いてもよい。以下、ワーク支
持装置26Cを有する同時5軸制御加工機1について説明
する。なお、第1図乃至第4図に示す部分と同一の部分
については同一の符号を付してその部分の説明を省略す
る。
即ち、第19図に示す同時5軸制御加工機1のワーク支
持装置26Cは、テーブル支持部27、27を有しており、テ
ーブル支持部27、27間には、長尺のワークを搭載し得る
チルトテーブル29A、29Aが、矢印L、M方向に旋回駆動
自在に設けられている。更に、チルトテーブル29A、29A
間には、支持部材36が、該チルトテーブル29Aと共に矢
印L、M方向に旋回駆動自在に設けられており、支持部
材36上には、テーブル35が、矢印B、Q方向に旋回駆動
自在に設けられている。
上述した第19図に示す同時5軸制御加工機1を用い
て、長尺ワークを斜面加工するには、まず加工すべき長
尺ワークを、チルトテーブル29A、29A上に搭載する。次
に、ワークが搭載されたチルトテーブル29Aを、矢印
L、M方向に適宜旋回させて矢印C、D方向に対して傾
斜させる。その状態で、工具主軸22に装着した工具によ
って長尺ワークを斜面加工する。なお、第19図に示すテ
ーブル35上に、斜面を有するワークを搭載することによ
り、前述した場合と同様に該斜面を効率よく加工するこ
とが出来る。
また、上述した実施例においては、ヘッド19を矢印
G、H方向に旋回させる旋回駆動手段として、ウォーム
17b等の歯車列を有する旋回駆動機構17を用いた場合に
ついて述べたが、旋回駆動手段としては、これに限ら
ず、駆動軸12等を介してヘッド19を矢印G、H方向に精
度よく割り出し回転させることが出来れば、どのように
構成してもよい。例えば、旋回駆動手段として、第16図
に示すように、歯車列を有さない旋回駆動機構17Aを用
いることも可能である。以下、旋回駆動機構17Aについ
て説明する。なお、第3図において説明した部分と同一
の部分については同一の符号を付して、その部分の説明
を省略する。
第16図に示す同時5軸制御加工機1の主軸台9は、旋
回駆動機構17Aを有しており、旋回駆動機構17Aは、モー
タ支持部材39及び旋回駆動モータ40等を有している。即
ち、ヘッド支持部10の本体11には、モータ支持部材39
が、駆動軸12の周囲を被覆する形で設けられており、モ
ータ支持部材39には、モータ収容空間41が形成されてい
る。モータ収容空間41には、旋回駆動モータ40が設けら
れており、旋回駆動モータ40は、ロータ40a及びステー
タ40b等有している。即ち、駆動軸12の外周部には、ロ
ータ40aが、該駆動軸12を被覆する形で設けられてお
り、更にモータ収容空間41には、ステータ40bが、ロー
タ40aを被覆する形で設けられている。
上述した第16図に示す同時5軸制御加工機1を用いて
ワーク30を加工する際に、ヘッド19を矢印G、H方向に
割り出し旋回させるには、旋回駆動モータ40を駆動す
る。すると、ヘッド19の駆動軸12は、該モータ40のロー
タ40a及びステータ40b等を介して矢印G、H方向に回転
駆動される。その結果、ヘッド19は装着部21等を介して
駆動軸12によって駆動される形で、矢印G、H方向に所
定角度だけ割り出し旋回される。
なお、上述した実施例においては、ベース5、コラム
6及び主軸台9を、それぞれX軸、Z軸及びY軸に移動
させるためのガイド手段として、直動案内軸受3A、3C、
3B等から成る転がり案内面を用いた場合について述べ
た。しかし、ガイド手段は、これに限らず、ベース5等
をX軸等に円滑に移動させ得るものであれば、どのよう
な構成のもの(例えば、すべり案内面)であってもよい
ことは勿論である。
(g).発明の効果 以上、説明したように、本発明によれば、機体2を有
し、前記機体2に、ベッド支持部10などのヘッド支持手
段を設け、前記ヘッド支持手段に、ヘッド19を、旋回中
心CT3などの第1旋回中心を中心として旋回自在に設け
ると共に、ヘッド9を旋回駆動するための旋回駆動機構
17などのヘッド旋回駆動手段を設け、前記ヘッド19に、
工具主軸22を、前記第1旋回中心と所定の角度αをもっ
て形成された回転中心CT5などの第2旋回中心を中心と
して回転駆動自在に設けると共に、前記工具主軸22を回
転駆動する主軸駆動モータ25を設け、前記主軸駆動モー
タ25は、前記第1旋回中心に対して前記ヘッドの一方の
側に配置されており、前記工具主軸22に、工具31を装着
自在な工具保持面22aなどの工具保持手段を設け、対称
点P1などの前記第1旋回中心と第2旋回中心の交点を、
前記工具主軸の前記工具保持手段側の端部22cよりも、
前記第2旋回中心の軸心方向において、該工具保持手段
に装着される工具の刃先31aなどの先端側に位置するよ
うに設定し、更に、前記機体2に、テーブルを、前記工
具主軸22に対して少なくとも1方向に所定角度だけ旋回
し得るように設けて構成したので、ヘッド19を工具31と
共に第3図矢印G、H方向に旋回させると共に、テーブ
ルを例えば第1図矢印L、M方向に傾斜させて、工具31
をワーク30に対して任意の姿勢を取らせることが出来
る。このため、ヘッド19の周囲に、該ヘッドを相異なる
2方向に旋回させるための駆動手段を2個、設ける必要
はなくなり、主軸台9の剛性を高めることが出来る。同
様に、テーブルを相異なる2方向に傾けなくてもよいの
で、テーブル周囲に、該テーブルを相異なる2方向に傾
けるための旋回駆動手段を2個設ける必要は無くなり、
テーブル構造を簡単にすることが可能となる。
更に、主軸駆動モータ25は、前記第1旋回中心に対し
て前記ヘッドの一方の側に配置されており、また、第1
旋回中心と第2旋回中心の交点を、前記工具主軸の前記
工具保持手段側の端部よりも、前記第2旋回中心の軸心
方向において、該工具保持手段に装着される工具の先端
側に位置するように設定したので、ヘッドに主軸駆動モ
ータを設けたビルトイン構造であるにもかかわらず、主
軸駆動モータが、第1旋回中心に対して、第3図に示す
ように、一方の側に配置され、これにより、工具主軸も
第1旋回中心に対して一方の側にずれた配置とすること
が出来る。こうした構成により、主軸22に装着した工具
31の刃先と、対称点P1などの第1旋回中心と第2旋回中
心の交点との距離を、主軸駆動モータがビルトインされ
た構造にも係らず、大幅に短くすることが出来る。その
結果、ヘッド19(従って工具31)を旋回させても工具31
の刃先移動量d1が小さくなり、工具31をヘッド旋回駆動
手段の組立誤差の影響を殆ど受けることなく、工具31に
所定の姿勢を取らせることが出来る。また、工具の刃先
と交点との間の距離が短くなることから、ヘッドを第1
旋回中心を中心にして旋回させたとしても、それに伴う
工具の刃先の移動量を極力小さくすることが出来、工具
の刃先が大きく旋回してワークと干渉したりすることが
未然に防止されるばかりか、干渉防止のための余分なス
トロークを見込んで主軸台の移動ストロークを大きく設
定する必要が無くなり、工作機械の小型化に寄与するこ
とが出来る。また、工具の刃先がヘッドの旋回により大
きく移動しないので、ヘッドを旋回させる度に、工具の
刃先を旋回以前の位置に戻すための移動量が少なくて済
み、それだけ刃先位置の修正に要する時間を短縮化する
ことが出来、同時5軸制御加工機のように、ヘッドを旋
回させて連続的に加工を行うことが本来の機能である工
作機械の場合に、迅速に加工を行うことが出来る。
従って、上述した理由により、主軸台9の剛性を高め
て加工精度を向上させると共に、主軸台9やテーブルを
小型かつ簡単化することが可能となる。
なお、ヘッド旋回駆動手段を、互いに噛合するウォー
ム17b及びウォームホィール17a等から成る旋回駆動機構
17によって構成した場合には、ヘッド19は、バックラッ
シを、ほぼ零にした状態で噛合するウォーム17b及びウ
ォームホィール17a等を介して、ヘッド支持手段に接続
されることになる。そのため、主軸台9の剛性を、より
一層向上させることが可能となる。
また、ヘッド支持手段とヘッドの間に断熱部材15を配
置すると、ヘッド内にビルトインされた主軸駆動モータ
の熱がヘッド支持手段側に伝わることを防止することが
出来るので、熱膨張による工具31の位置ズレの発生を極
力防止することが出来る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による同時5軸制御加工機の一実施例を
示す斜視図、 第2図は第1図に示す同時5軸制御加工機を用いてワー
クを加工する様子を示す図、 第3図は本発明による同時5軸制御加工機の主軸台の要
部を示す断面図、 第4図は第1図に示す同時5軸制御加工機を用いてワー
クを加工する際の、該ワークに対する主軸台のヘッドの
位置関係を示す図、 第5図及び第6図はヘッドに装着された工具主軸とX、
Y、Z軸との間の角度を示す図、 第7図乃至第10図は本発明による同時5軸制御加工機を
用いて、長尺のワークを斜面加工する工程を示す図、 第11図は同時5軸制御加工機を用いて加工される長尺の
ワークの一例を示す斜視図、 第12図乃至第15図は本発明による同時5軸制御加工機を
用いて、斜面を有する箱状のワークを加工する工程を示
す図、 第16図は本発明による同時5軸制御加工機に適用される
主軸台の別の例を示す図、 第17図は本発明による同時5軸制御加工機の別の実施例
を示す斜視図、 第18図は、本発明による同時5軸制御加工機の別の実施
例を示す斜視図、 第19図は、本発明による同時5軸制御加工機の更に別の
実施例を示す斜視図である。 1……同時5軸制御加工機 2……機体 9……主軸台 10……ヘッド支持手段(ヘッド支持部) 17……ヘッド旋回駆動手段(旋回駆動機構) 17a……ウォームホイール 17b……ウォーム 19……ヘッド 22……工具主軸 22a……工具保持手段(工具保持面) 25……主軸駆動モータ 29、29A……テーブル(チルトテーブル) 35……テーブル CT3……第1旋回中心(旋回中心) CT5……第2旋回中心(回転中心)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−86145(JP,A) 実公 昭51−44230(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23Q 1/00 -1/76

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】機体を有し、 前記機体に、ヘッド支持手段を設け、 前記ヘッド支持手段に、ヘッドを、第1旋回中心を中心
    として旋回自在に設けると共に、ヘッドを旋回駆動する
    ためのヘッド旋回駆動手段を設け、 前記ヘッドに、工具主軸を、前記第1旋回中心と所定の
    角度をもって形成された第2旋回中心を中心として回転
    駆動自在に設けると共に、前記工具主軸を回転駆動する
    主軸駆動モータを設け、 前記主軸駆動モータは、前記第1旋回中心に対して前記
    ヘッドの一方の側に配置されており、 前記工具主軸に、工具を装着自在な工具保持手段を設
    け、 前記第1旋回中心と第2旋回中心の交点を、前記工具主
    軸の前記工具保持手段側の端部よりも、前記第2旋回中
    心の軸心方向において、該工具保持手段に装着される工
    具の先端側に位置するように設定し、 更に、前記機体に、テーブルを、前記工具主軸に対して
    少なくとも1方向に所定角度だけ旋回し得るように設け
    て構成した、同時5軸制御加工機。
  2. 【請求項2】ヘッド旋回駆動手段を、互いに噛合するウ
    ォーム及びウォームホィールを有する旋回駆動機構から
    構成した、特許請求の範囲第1項記載の同時5軸制御加
    工機。
  3. 【請求項3】前記ヘッド支持手段とヘッドの間に断熱部
    材を配置した特許請求の範囲第1項記載の同時5軸制御
    加工機。
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