JP3018887U - 非伸張性腰脊椎支持ベルト - Google Patents
非伸張性腰脊椎支持ベルトInfo
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Abstract
(57)【要約】
【構成】発泡倍率が2〜12倍であり、アスカーC硬度
が35〜70であり、厚さが1.5〜12mmである樹脂
発泡体よりなる腰脊椎支持材料を芯材とし、該芯材の片
面又は両面に、皮革、合成皮革、非伸張性の織布、帆
布、網目補強プラスチックシート、プラスチック積層織
布及びプラスチック積層不織布から選ばれる1種又は2
種以上の非伸長性材料からなる補強用の伸長防止層を貼
着したことを特徴とする非伸張性腰脊椎支持ベルト。 【効果】本考案の非伸長性腰脊椎支持ベルトによれば、
屈伸運動の多い作業、重量物を持ち上げる作業、長時間
運転を要する作業、体位の急激な変化を要する作業等に
従事する作業者にとって、長時間にわたる装着にも支障
なく、人体の屈伸や移動作業によって締め付け支持位置
がズレたりすることなく、疲労や不快な装着感を伴うこ
となく、軽快に作業し、生活を営み、健康を維持するこ
とが可能となる。
が35〜70であり、厚さが1.5〜12mmである樹脂
発泡体よりなる腰脊椎支持材料を芯材とし、該芯材の片
面又は両面に、皮革、合成皮革、非伸張性の織布、帆
布、網目補強プラスチックシート、プラスチック積層織
布及びプラスチック積層不織布から選ばれる1種又は2
種以上の非伸長性材料からなる補強用の伸長防止層を貼
着したことを特徴とする非伸張性腰脊椎支持ベルト。 【効果】本考案の非伸長性腰脊椎支持ベルトによれば、
屈伸運動の多い作業、重量物を持ち上げる作業、長時間
運転を要する作業、体位の急激な変化を要する作業等に
従事する作業者にとって、長時間にわたる装着にも支障
なく、人体の屈伸や移動作業によって締め付け支持位置
がズレたりすることなく、疲労や不快な装着感を伴うこ
となく、軽快に作業し、生活を営み、健康を維持するこ
とが可能となる。
Description
【0001】
本考案は、腰脊椎支持ベルトに関するものである。更に詳しくは、本考案は、 脊椎骨を支持、保護するために、腰部にベルト状に装着し、長時間に亘る装着に も伸張されたベルトの戻り応力によって鬱血することなく、人体の屈伸や移動作 業によって締め付け支持位置がズレることなく、疲労や不快な装着感を伴うこと なく、腰脊椎を周囲から支持することによって腰脊椎を固定し、軽快に作業し、 生活を営み、健康を維持することを可能とする、非伸張性の材料で構成された非 伸張性腰脊椎支持ベルトに関するものである。
【0002】
屈伸運動の多い作業、重量物を持ち上げる作業、長時間運転を要する作業、体 位の急激な変化を要する作業、介護作業等に従事する作業者にとって、腰脊椎の ズレ、痛みを予防し、また治癒を早めるために腰脊椎を支持し保護することは重 要なことであり、特に救急隊員、病院看護者、老人介護者、重量物配送者等には 、腰痛を訴え苦痛に呻吟している者が多い。 そのような場合、腰脊椎を支持し、固定することによってズレを防止し、矯正 し、保護する目的で、通常、皮革や厚手の帆布等を芯材或いは外皮材とした巾広 の腰当て、又はベルト等を用いて患部を締め付けて治癒を待ち、或いは予防する 方法が採られている。 しかしながら、皮革製品は頑丈過ぎて曲がり難く、唯、強力に締め付けるだけ で装着時の快感がなく、長時間の使用後は締め付けからの開放を願うといった圧 迫感が強く残る。また、厚手の帆布は、長時間の装着によって帆布自身が変形す るので、これまた締め付けるだけで矯正するという意味を持たない。ゴム製シー ト又はチューブを腰に巻いて矯正することも行われているが、その強い伸張収縮 性、締め付けによる血流障害が発生し易い。 更に、実公平3−45960号公報には、弾性屈伸圧縮性にしてかつ形状回復 発泡材と引き伸ばしのできる織地よりなるベルトが提案され、肉厚の伸張可能な 発泡体であるために、軽量にして且つ身体への密着感があり、その上、発泡体と 伸張性織地との伸張状態からの収縮復元しようとする力が締め付けに寄依すると されている。 例えば、該考案においては、好適には1.8kg[A]グレード(4ポンド/立 方フィート、即ち15倍発泡)のポリエチレン発泡体の6.35mmの厚さのシー トが好ましく、この場合ポリエチレンはエチールビニールアセテートのような硬 質変性剤と混合した柔らかい品物を用いても良いとされている。またこの芯材で ある発泡体の上、下両面に熱シール法、又は感熱フイルムを介在させたホットメ ルト法によって貼合わせられた織地は、引き伸ばし可能又は拡張可能な織地が好 適であり、その例としてE.I.デュポン社の商品Lycraとナイロンとの織地 が推奨されている。更に他の図においては内外層共に「伸び可能又は広がりので きる織物地好適にはライクラより作られるのが望ましい。」とされている。この ライクラは、ゴムに似た弾性体であるという特徴を持つものであって、該考案は 明らかに伸張性と展伸性の材料を以てベルト構成の技術的思想としているもので ある。参考までに、ライクラの伸び率は450〜800%であり、50%伸張時 の伸張弾性率は95〜99%であると報告されている。 しかしながら、この伸張性、収縮復元性を付与されたベルトは、たしかに装着 時には密着感は良いが、長時間の使用に際しては、その復元性の故に血行障害を 来して、苦痛を感ずるに至る。また、この種のベルトをズボンの下に装着したり 、或いは女性の場合等装着していることを秘したいという要求に駈られる場合に は、必然的にベルトの厚さを限定せざるを得ず、2〜3mm厚程度の品物に依存す ることになる。かかる場合、引き伸ばし可能、広がり可能なベルトは、剛性に欠 け、俗に言う「腰が弱すぎて」支持矯正という点では効果が薄くなる。また剛性 を与えようとすると、肉厚も厚くしなければ使用できないので動き難い。 元来、腰脊椎支持ベルトは作業体位及び運動姿勢の如何を問わず、就寝中の装 着をも含めて長時間支持保護し、人体の自然矯正治癒を待つということを目的と するものであるので、この不快感のない長期装着の可能なベルトが強く望まれて いる。
【0003】
本考案は、装着時に軽く、適当な支持硬度と矯正抵抗力があり、長時間の使用 においても復元力による血行障害を何ら伴わず、締め付けに対する耐伸張性及び 耐クリープ性に優れ、且つ間隙がなくフィットネス感があり、繰り返される姿勢 変化によっても装着ズレを生ずることのない快適な腰脊椎支持ベルトを提供する ことを目的としてなされたものである。
【0004】
本考案者らは、上記の課題を解決すべく、長時間の実用試験を重ねた結果、特 定の材質の発泡体で、しかも極めて狭い範囲の低発泡倍率の、硬く伸張し難い樹 脂発泡体を芯材とし、これに、伸張や展伸、収縮を抑制するために、平織地のよ うな非伸張性織地、丸織など、いわゆるニット織りと称する織地であっても非伸 長性の原糸を使用した結果、展伸性が抑制された織地、網目状又は平織地によっ て耐延伸化されたプラスチックフイルム、合成皮革、非伸張性不織布等を積層し 、更に要望によっては、含浸固化型接着剤によって上記芯材と補強用の伸張防止 層とを固化接着させたベルトが、長時間締め付け応力下における耐クリープ性( 耐変形性)が優れ、且つ快適な装着感と長時間永続的支持力を保有するものであ ることを見いだし、この知見に基づいて本考案を完成するに至った。 すなわち、本考案は、 (1)(a)発泡倍率が2〜12倍であり、アスカーC硬度が35〜70であり、 厚さが1.5〜12mmである樹脂発泡体よりなる腰脊椎支持材料を芯材とし、(b )該芯材の片面又は両面に、皮革、合成皮革、非伸張性の織布、帆布、網目補強 プラスチックシート、プラスチック積層織布及びプラスチック積層不織布から選 ばれる1種又は2種以上の非伸張性材料からなる補強用の伸張防止層を貼着した ことを特徴とする非伸張性腰脊椎支持ベルト、 (2)補強用の伸張防止層を芯材に貼着する接着剤が、溶液型、乳化液型又は硬 化反応型の含浸固化型接着剤である第(1)項記載の非伸張性腰脊椎支持ベルト、 及び (3)樹脂発泡体が、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン変性ポ リプロピレン樹脂及びエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂の何れかの樹脂発泡体 である第(1)項又は第(2)項記載の非伸張性腰脊椎支持ベルト、 を提供するものである。
【0005】 本考案の主軸を為すところの技術的思想は、人体に接触する際にソフトな感触 の圧迫感を与え、且つ、その後の締め付け応力に対しては伸張も展伸もせず、し かも腰脊椎のズレに対しては強く抵抗して保持することが、腰脊椎支持ベルトの 使命であり、そのためには変位の少ない樹脂発泡体を、その上下の被覆織地や接 着剤によって、更に伸縮し難い状態に拘束しようとする点にある。 本考案の非伸張性腰脊椎支持ベルトは、発泡倍率が2〜12倍であり、アスカ ーC硬度が35〜70であり、厚さが1.5〜12mmである極低非伸張性、極低 弾性圧縮性、高剛性の樹脂発泡体よりなる腰脊椎支持材料を芯材とする。このよ うな芯材を形成する樹脂には特に制限はなく、公知の発泡体形成性の合成樹脂を 使用することができるが、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン変 性ポリプロピレン樹脂及びエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂を特に好適に使用 することができる。本考案においては、樹脂発泡体のより好ましい物性の範囲は 、発泡倍率3〜10倍、アスカーC硬度50〜70、厚さ3〜10mmである。本 考案においては、樹脂発泡体シートの内外面間を貫通する孔を、孔径1〜15mm 、隣接する孔と孔の中心距離が5〜50mmとなるよう碁盤目状又はランダムに穿 設した極低伸張性、極低弾性圧縮性の腰脊椎支持材料又は腰脊椎保護材料を芯材 とすることができる。なお、樹脂発泡体のアスカーC硬度は、SRIS−010 1(日本ゴム協会標準規格)に従って測定することができる。
【0006】 本考案の非伸張性腰脊椎支持ベルトの芯材として用いる腰脊椎支持材料は、極 めて限定された範囲の物性を有する合成樹脂発泡体であって、発泡時の架橋密度 が比較的高く、硬度も樹脂発泡体としては極めて高い部類に属し、永久圧縮変形 率やクリープ量が小さく、弾性屈伸性も発泡体としては極度に小さく、荷重に対 する形状保持性が良い特異の範囲の樹脂発泡体である。このような樹脂発泡体を 芯材として使用する場合には、その表面を補強用の伸張防止層として非伸張性の 織布或いは不織布で包んだり、非伸張性の網状体、合成皮革等と積層貼着して縫 製するが、実用面からみれば、この樹脂発泡体のみを芯材兼表皮剤としてそのま ま使用することも可能である。更にこの芯材に皮革、帆布、厚手布その他を抱き 合わせて、更に耐引き伸ばし性を付加し、装飾性並びに伸張に対する反発抑制機 能を施しても良い。 この種の低発泡倍率の樹脂発泡体は、圧縮や伸張に対する抵抗性を利用して建 造物のコンクリート壁間に介在させる目地材としても使用され、長期の支持性( 保持性)が保証されている。しかしながら、本考案に必要な樹脂発泡体の条件は 、既述のように、弾性伸張及び収縮が殆ど無く、しかも適当な曲げや締め付けが 可能であり、しかも樹脂発泡体のもつ脆さもなく、強靭で軽く支持力に富み変形 しないという要求に対して、まさに適合するものが本考案の中低発泡(2〜12 倍)樹脂発泡体である。発泡倍率が2倍未満の樹脂発泡体は、硬すぎて装着に困 難であって、鞭のように跳ね返る。また発泡倍率が12倍を超える樹脂発泡体は 、弾性変形して支持力に乏しく、長期の装着の際には、収縮による圧迫によって 不快感を与えるに至る。
【0007】 本考案において、樹脂発泡体に貼着或いは縫合する補強用の伸張防止層は、主 として平織布のような特に伸張性及び収縮性に乏しい材料を使用することが、樹 脂発泡体の硬度及び剛性、ひいてはベルトの支持矯正力を向上させる上において 好ましいが、平織地ではなくても、展伸率100%未満の低伸張性又は非伸張性 材料であれば良い。即ち平織地は勿論のこと、ニット編み、パイル地と呼称され る布地であっても、紡絲用原材料の中で伸張性の極めて少ない綿糸、麻糸、絹糸 、ポリノジック、レーヨン、ビニロン、更にはナイロン、アクリル、ポリエステ ル、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン等を紡糸した原糸で展伸率 100%未満のものであれば良い。但しポリウレタン原糸を10重量%以上交織 した布地は、伸張率、展伸率が大きすぎて支持補強用布地としては好ましくない 。同様にして補強を不織布、合成皮革、網目補強プラスチック等の材料、或いは 天然のシートによって行う場合でも、その展伸率が100%未満のものであれば 本考案の趣旨である非伸張性補強による腰脊椎支持効果を充分に発揮することが できる。次に示す第1表は、日本化学繊維協会発行の繊維ハンドブック(199 5年版、308頁)に分類された各種原糸の伸張率であってLycraのような ウレタンとの交織品が如何に容易に引き伸ばし可能であるかを物語るものである 。
【0008】
【表1】
【0009】 一般論として、すべての織布は、それを構成する原材料の物性及びその織り方 法によって張力が加わった場合、必ず多少なりとも伸張するものであるが、その 伸張の度合によって、容易に引き伸ばしが可能な高伸張性織布、引き伸ばしが困 難な非伸張性織布、及びその中間に属する低伸張性織布とに分類することができ る。また織布の特性として、例えば縦方向に張力を加えた場合、横方向は必ず縮 むものであるが、縦・横同時に張力を加えた場合の織布の拡張性の具合は、縦方 向、横方向夫々の外力の相関によってかなり変動する。そこで、本考案において は、便法として縦方向、横方向夫々独立に外力が加った場合の各々の伸張率を求 め、その積を以て展伸率とし、織布、不織布、天然及び合成皮革等の種類に拘わ らず、巾30mmの材料に500gの荷重がかかった時、展伸率100%以上を以 て引き伸ばしが容易な高伸張性材料、展伸率50%未満を以て非伸張性材料とし 、その中間の展伸率50%以上100%未満を低伸張性材料とする。ここに展伸 率を以て本考案の尺度とする理由は、既述のように織布の伸長性は単に原糸の材 質によるばかりではなく、その織り方によっても大きく影響され、屡々これらが 交錯した状態で展伸率が観察されることによる。 本考案において用いる非伸張材料は、展伸率100%未満の低伸張性及び非伸 張性材料であることが好ましく、展伸率50%未満の非伸張性材料であることが 更に好ましい。また織布の種類によっては伸張率に著しい方向性が見受けられる 場合があるので、例えば縦方向の伸張率が36%であって、横方向の伸張率が1 0%の場合には、本考案に於ける展伸率は1.36×1.10=1.496、即ち 49.6%として表現される。展伸率が50%以上100%未満の低伸張性材料 を本考案の対象とする理由は、上述のように織地は一方向に伸張された場合、必 ず他方向に収縮が起こるものであるので、実際の展伸率は本考案のように夫々独 立に荷重がかかった時の伸張度を乗じたものとして表した計算上の展伸率よりは 遥かに小さいからである。加えてベルトのように、その周囲全長をバイアス地等 で固定された場合には、一方向に伸張しようとしても他方向における収縮は極度 に抑制されて、いわゆる橋架け状の箱型耐変形挙動となって反抗し、その展伸面 積は著しく縮小されるからである。事実、本考案において長手方向(縦方向)2 00mm、巾方向(横方向)50mmのタオル地を横方向に12kgfの力で70%伸 張させた状態で、縦方向に外力を加え破断するまで引張っても縦方向の伸張は全 く見られず、縦方向の伸張率は逆に無負荷の時の原寸の7.3%だけ収縮したま まであり、その時の破断強力は16.2kgfであった。
【0010】 また、伸張率の基準を30mm幅に500gの荷重がかかった場合の値としたの は、本考案に於ける支持ベルトの平均的な幅は90〜130mm程度であり、これ を腰に装着するに際しては、例えば左手片方でベルトを腰の部位に位置ぎめし、 今一方の右手だけで締付け紐又は面状ファスナーを引付けてファスナーを折返し て固定するのであるが、この時の片手による引付け力はたかだか1〜1.5kgに 過ぎないからである。これ以上の外力(引付けによる締めの外力)を長時間継続 して腰脊椎周辺に加えた場合には、たとえ本考案の特徴とするところの芯材の反 撥弾性(或いは形状記憶的な収縮復元力)を極力抑制して、血行障害の発生を防 止するものであっても、装着した人の個人差によって苦痛を訴える場合もある。 従って上記引付け外力を30mm幅に換算した場合基準荷重は約500gとなる。 本考案において好適に使用される補強用の伸張防止層の具体例を以下に示す。 第2表は、補強用の伸張防止層の材料である織布等を幅30mm、引張方向のつか み間隔を30mmに設定し、縦及び横の夫々独立に500gの荷重をかけた場合の 縦横別の伸張試験結果を表示したものである。この際引張力に対する直角方向で は収縮が観察されるので、その状況を付記した。
【0011】
【表2】
【0012】 本考案の目的である腰脊椎の支持性を発揮するためには、ライクラのように大 きく引伸ばしのできる材料によるよりも、少なくとも片面に展伸率100%未満 の低伸張性又は非伸張性材料を使用することが必要である。正確には、芯材とし ての低発泡倍率且つ高剛性の樹脂発泡体の厚みが3mm以上の場合には、片面に高 伸張性材料を貼着しても、他方に低伸張性材料、望ましくは非伸張性材料を貼着 すれば、その目的を達成することができる。また、女性用でスカートの下に、或 いは男性用でもズボンの下に締めて肌に密着させようとする場合には、屡々厚さ 3mm以下の樹脂発泡体芯材を使用することが多いが、かかる用途の支持ベルトに は、芯材の支持力低下を防止するために、その両面に低伸張性材料又は非伸張性 材料を貼着すれば、本考案の目的である支持補強を一層達成することができる。 要するに本考案の趣旨は、実公平3−45960号公報のような伸張・収縮性の 大きな織布によって柔軟な弾性回復を図るものではなく、あくまで支持補強と血 行障害対策とするものであって、その技術的思想において基本的に異なるもので ある。 同様の観点から、芯材とする樹脂発泡体に多数の孔を貫通させて、ベルトの通 気性を向上させる場合等、ベルトの支持力は著しく低下するので、外装織布とし て低伸張性材料又は非伸張性材料を、両面に貼着して支持力を補強することが望 ましい。 更に非伸張性材料と、低伸張性材料を芯材の片面ずつに組合せ貼着する場合に は、非伸張性材料が内部表層(人体の腹部或いは腰脊椎部に密着する面)を形成 するよう貼着することが、本考案の非伸張性腰脊椎支持ベルトを、腰脊椎に片手 扱いで取付ける際に取扱い上望ましい。しかしながら、腰脊椎支持効果に関して は、何れが外部表層、内部表層を形成するかによってその差が認められるもので はない。
【0013】 また本考案においては、屡々芯材と補強用の伸張防止層との貼着にも支持力向 上を図る場合がある。一般的製法として、樹脂発泡体と補強用の伸張防止層との 貼着は夫々の長尺材料の間に、ウレタンフイルムの長尺物を連続的に挿入して、 この連続積層シートを熱接着させて貼着板を生産するのが、最も効率的、美的な 手段である。しかしながら、更にベルトの支持力を向上させるには、芯材や補強 用の伸張防止層の表面から深部へ浸透し、固化することによって使用材料の展伸 性を更に小さくするような含浸固化型接着剤であれば更に好ましい。このような 含浸固化型接着剤は、一般に塗布型の接着剤であって、溶液、乳化液、散布型の ものが使用される。特に溶液、乳化液等の塗布型の接着剤は有効である。また、 かかる塗布型の接着剤は、該液を塗布し乾燥濃縮後に感圧し、圧力によって間隙 に押し込んで密着させて貼着させたり、或いは経時的に固化、硬化反応させる方 法がとられる。この目的に合した含浸固化型接着剤としては、例えば、アクリロ ニトリル−ブタジエンゴム系溶液、ポリ酢酸ビニル乳化液、エチレン−酢酸ビニ ル共重合体乳化液、ウレタン乳化液、エポキシ系硬化用原液、スチレン変性エポ キシ硬化用原液、メラミン原液、シアノアクリレート系原液等があり、これらを 本考案の非伸張性腰脊椎支持ベルトに使用すれば、その浸透による芯材又は補強 用の伸張防止層へのアンカリング効果(投錨効果)によって、感熱フイルムによ る織布表面への点接着よりも更に硬度が増大し非伸張性が向上した積層体を製造 することができる。 図1は、本考案の非伸張性腰脊椎指示ベルトの一態様の平面図であり、図2は 、図1のA−A断面図である。図2において、樹脂発泡体よりなる腰脊椎支持材 料を芯材1とし、その内面及び外面に非伸張性材料からなる補強用の伸張防止層 2及び3が貼着されている。本態様においては、ベルトの全周をバイアス地4に てかがり縫いして補強を施している。図1において、ベルトの長手方向に沿って 締め付け織布5が縫い付けられ、締め付け織布の2カ所に取り付けた面状ファス ナー6とバックル7により腰部に弛緩しないように装着する構造となっている。
【0014】
以下に、実施例を挙げて本考案を更に詳細に説明するが、本考案はこれらの実 施例によりなんら限定されるものではない。 実施例1 図1に示す構造の本考案の非伸張性腰脊椎ベルトを作製した。発泡倍率7倍、 アスカーC硬度60、厚さ7mmの高密度ポリエチレン樹脂の独立発泡体からなる 芯材の内面に展伸率93%のアクリル系丸織タオル地を、外面に展伸率4%のア セテートサテン織地を、いずれもアクリロニトリル−ブタジエンゴム溶液を接着 剤として貼着した。また、ベルトの全周をアセテートのバイアス地でかがり縫い して包み補強した。更に、ベルトの長手方向に沿って、幅50mm、厚さ2mmの締 め付け織布を縫い付け、面状ファスナー2個とバックルを取り付け、バックルを 通した締め付け織布によってベルトを装着する構造とした。 本実施例の非伸張性腰脊椎支持ベルトを、建築関係作業者で腰部の痛みを訴え る者5名に装着させたところ、極めて安定した支持感が腰脊椎周辺において得ら れ、重量物取り扱い作業における屈伸の際にも、全く痛みを訴えなかった。 実施例2 図1に示す構造の本考案の非伸張性腰脊椎ベルトを作製した。発泡倍率5倍、 アスカーC硬度70、厚さ4mmの高密度ポリエチレン樹脂の独立発泡体からなり 、直径3mmのシートの内外面を貫通する孔が、隣接する孔と孔の間隔が10mmで あるよう碁盤目状に穿設されている芯材を使用し、芯材の内面及び外面に展伸率 16%のポリエステル平織の起毛織布を、ポリ酢酸ビニル乳化液接着剤により貼 着した。また、ベルトの全周をポリエステルのバイアス地でかがり縫いして包み 補強した。更に、ベルトの長手方向に沿って、幅35mm、厚さ1.5mmの締め付 け織布を縫い付け、面状ファスナー2個とバックルを取り付け、バックルを通し た締め付け織布によってベルトを装着する構造とした。 本実施例の非伸張性腰脊椎支持ベルトを、長時間にわたって坐位労働をする経 理担当職員及び屈伸の度合いの大きい作業に従事する介護職員各3名に装着させ たところ、全員からその支持感とフィットネス感は素晴らしく快適であるという 報告が得られた。 実施例3 実施例1に使用した展伸率93%のアクリル系丸織タオル地を内面層に、また 展伸率38%のウレタン交織率5重量%のナイロン平織地を外面層になるように 、アスカーC硬度70、発泡倍率10倍、厚さ8mmの高密度ポリエチレン樹脂芯 材に貼着した。 接着剤として感熱性ウレタンフィルムを使用し、やゝ厚手の芯材であるので、 腰周りへの密着感を良くするために大腿部との接触部を大きくえぐり、ベルトの 内面の下方稜線の芯材を45゜の角度に削いだ立体裁断を施した。ベルトのかが り縫い及び面状ファスナーの取付け法は実施例2と同様であり、これにバックル の替りにOリング2個を取りつけた。 本実施例の非伸長性腰脊椎支持ベルトを長時間運転に従事する運搬作業者5名 に装着させたところ、長時間に亘る坐位の状態での運転においても装着の苦痛を 感ずることなく、快適な支持感が得られ、荷物の取扱い時の腰の支持安定感は満 足すべきものであった。
【0015】
本考案の非伸張性腰脊椎支持ベルトによれば、屈伸運動の多い作業、重量物を 持ち上げる作業、長時間運転を要する作業、体位の急激な変化を要する作業等に 従事する作業者にとって、長時間に亘る装着にも支障なく、人体の屈伸や移動作 業によって締め付け支持位置がズレたりすることなく、疲労や不快な装着感を伴 うことなく、軽快に作業し、生活を営み、健康を維持することが可能となる。
【図1】図1は、本考案の非伸張性腰脊椎指示ベルトの
一態様の平面図である。
一態様の平面図である。
【図2】図2は、図1のA−A断面図である。
1 芯材 2 伸張防止層 3 伸張防止層 4 バイアス地 5 締め付け織布 6 面状ファスナー 7 バックル
Claims (3)
- 【請求項1】(a)発泡倍率が2〜12倍であり、アス
カーC硬度が35〜70であり、厚さが1.5〜12mm
である樹脂発泡体よりなる腰脊椎支持材料を芯材とし、 (b)該芯材の片面又は両面に、皮革、合成皮革、非伸
張性の織布、帆布、網目補強プラスチックシート、プラ
スチック積層織布及びプラスチック積層不織布から選ば
れる1種又は2種以上の非伸張性材料からなる補強用の
伸張防止層を貼着したことを特徴とする非伸張性腰脊椎
支持ベルト。 - 【請求項2】補強用の伸張防止層を芯材に貼着する接着
剤が、溶液型、乳化液型又は硬化反応型の含浸固化型接
着剤である請求項1記載の非伸張性腰脊椎支持ベルト。 - 【請求項3】樹脂発泡体が、ポリエチレン樹脂、ポリプ
ロピレン樹脂、エチレン変性ポリプロピレン樹脂及びエ
チレン−酢酸ビニル共重合体樹脂の何れかの樹脂発泡体
である請求項1又は2記載の非伸張性腰脊椎支持ベル
ト。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP1995006277U JP3018887U (ja) | 1995-05-31 | 1995-05-31 | 非伸張性腰脊椎支持ベルト |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1995006277U JP3018887U (ja) | 1995-05-31 | 1995-05-31 | 非伸張性腰脊椎支持ベルト |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3018887U true JP3018887U (ja) | 1995-11-28 |
Family
ID=43154316
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1995006277U Expired - Lifetime JP3018887U (ja) | 1995-05-31 | 1995-05-31 | 非伸張性腰脊椎支持ベルト |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3018887U (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0819665A (ja) * | 1994-07-08 | 1996-01-23 | I T T Frygt Kk | 水上搬送装置 |
JP2016221027A (ja) * | 2015-06-01 | 2016-12-28 | 朱織 山田 | ロール枕とロール枕の装着方法 |
-
1995
- 1995-05-31 JP JP1995006277U patent/JP3018887U/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0819665A (ja) * | 1994-07-08 | 1996-01-23 | I T T Frygt Kk | 水上搬送装置 |
JP2016221027A (ja) * | 2015-06-01 | 2016-12-28 | 朱織 山田 | ロール枕とロール枕の装着方法 |
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