JP7449566B2 - 腰部又は骨盤用ベルト - Google Patents

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本発明は、腰部又は骨盤に対して使用可能なベルト(以下、特に用途を明記する必要がある場合を除き、「ベルト」と略称する)に関する。このベルトは、主として腰痛の防止・治療や骨盤矯正のために用いられるが、他にも体型・姿勢の矯正のためにも用いられる。
従来、完全縫製タイプの腰ベルトは、本体の腰部は非伸縮、両サイドは伸縮、前身パイルは非伸縮で構成されており、腰部に伸縮性のある補助ベルトが縫製により設けられている。腹部への装着方法として、本体側を両サイド引っ張りながら腹部で面ファスナにより固定し、その後に補助ベルト両サイドを引張りながら前身のパイル生地に先端の面ファスナ雄体を係合させることでより締め付け強度を上げるようになっている。
しかし、この腰ベルトを装着すると、分厚くなり、ズボンやスカートの中に収容できないことも多く、やむを得ず衣服の上に着用するようなこともよく行われているが、あまり見栄えのよいものではない。また、ごわごわした触感があり、肌触りの良いものではなかった。
そこで最近、裁断しても縁がほつれない、熱融着性繊維からなるフリーカットの生地を使用することにより、全体をできるだけ薄く形成した姿勢矯正具が登場するようになった(例えば下記特許文献1参照)。
特開2019-180456
しかしながら、薄いフリーカット生地を使用すると、ベルトを装着して座ったときに、腹部の肉が乗ることで前身部分が折れたり、丸まったりすることがある。特に本体ベルトの上に補助ベルト(後記実施例参照)を使用するタイプでは、補助ベルトの上部が支点となり本体ベルトに折れを生じさせやすかった。
本発明はこの問題を解消するために行われたもので、薄いフリーカット生地を使用したベルトであっても、前身部分が折れたり、丸まったりしないものを提供することを目的とする。
本発明は、本体ベルトと補助ベルトを有する、腰部又は骨盤用のベルトであって、前記本体ベルトは、フリーカットの生地を有するとともに、伸縮性部分と非伸縮性部分を有するものにおいて、前記非伸縮性部分の少なくとも一部分が補強布により補強されており、前記補強布の上端は前記非伸縮性部分の上端の少なくとも一部分に密着するように設けられているとともに、前記補強布により補強されている前記非伸縮性部分は面ファスナ雌部材であり、前記補強布は、面ファスナ雌部材としても機能する付着性のパイル生地を表面に有するものであることを特徴とする。
好ましくは、補強布の上端は前記伸縮性部分の上端に密着するように少なくとも一部分に設けられることである。下端側にも設けてもよいが、下端側は着用者の腹圧により広げられる傾向にあるので、ベルト前身部分が折れたり丸まったりすることは少ない。
好ましくは、補強布により補強されている前記非伸縮性部分は面ファスナ雌部材である。
好ましくは、補強布の高さは面ファスナ雌部材の高さの40%~70%を占めることが好ましく、補強布の横方向長さは前記面ファスナ雌部材の15~50%を占めることが好ましい。
好ましくは、前記補強布は、面ファスナ雌部材としても機能する付着性のパイル生地を表面に有するものである。
さらに好ましいのは、前記補強布が、表面側に面ファスナ雌部材としても機能する付着性のパイル生地を有し、背面側に水溶性のウレタン樹脂を配合させたバックコーティングを有するものであることである。
さらに、前記本体ベルトと前記補強布の間にプラスチック板を介在させることもできる。
本発明によれば、本体ベルトは、フリーカットの生地を有するものであり、薄手に形成されているので、外部から目立たない。さらに、非伸縮性部分上端の少なくとも一部分が補強布により補強されているので、装着状態で座っても前身部分が折れたり、丸まったりしない。
実施例1の腰ベルトの(a)正面図、(b)側面図、(c)背面図である。 (a)~(f)は、本体ベルトの第1部分(及び第2部分)の変形例である。 本体ベルトの第1部分(及び第2部分)のさらに別の変形例である。
以下、添付の図面に基づき、本発明の実施例を説明する。
図1は腰ベルトに関する本発明の実施例である。
図1(a)~(c)に示すように、本実施例の腰ベルト1は、本体ベルト2と補助ベルト3からなる。この実施例では、本体ベルト2は長さ約75~100cm、高さは最も高い部分で約10~20cmである。
本体ベルト2は、中央の第1部分20と、その両隣に位置して、第1部分よりも伸縮性が大である第2部分21、22と、この第2部分それぞれ外方に設けられた面ファスナ雌部材23、24と、本体ベルトの末端に設けられた面ファスナ雄部材25を有する。各部分の長さは、第1部分20が20~30cm、第2部分21、22がそれぞれ5~10cm、面ファスナ雌部材23、24がそれぞれ20~25cm、面ファスナ雄部材25は2~4cmである。面ファスナ雌部材24と面ファスナ雄部材25は重複している。
本体ベルト2の第1部分20と第2部分21,22は全周がフリーカットのポリエステル、ナイロンなどの生地で形成されている。しかし、第1部分20は非伸縮性の生地(第3部分26)を接合することによりその伸縮性をなくしている。接合は、縫製ではなく、ホットメルトで貼り付け加工により行っている。ホットメルトによる全面貼り付けのため、第2部分21,22に使用した非伸縮性生地がフリーカットでなくても端面の解れが発生しにくい。また、縫製をしないことにより、装着したときのごわごわ感をなくすことができる。
面ファスナ雌部材23、24は、裏側の非伸縮性の生地と表側の面ファスナ付着性のパイル生地を貼りあわせて形成したものである。
本発明にとって特徴的なのは、この面ファスナ雌部材23、24の上端部の少なくとも一部分が補強布27,28により補強されていることである。図1の例では、補強布27,28はほぼ三角形状であり、そのうち2辺が面ファスナ雌部材23、24の上端部及び前記第2部分21,22との境界線に沿う形で伸びている。すなわち、補強布27,28の上辺が面ファスナ雌部材23、24の上端に沿って設けられ、別の一辺が前記第2部分21,22との境界線に沿う形で伸びている。
補強布27,28は面ファスナ雌部材としても機能する付着性のパイル生地を表面に有する。この補強布27,28を直接又はさらに別の生地、フィルム、又はバックコーティングを介して面ファスナ雌部材23、24にしっかり接着させて固定する。特に好ましいのは、水溶性のウレタン樹脂を配合させたバックコーティングを介在させることである。このとき、ウレタン樹脂の配合量を加減することにより補強布の硬さを調節することができる。
このようにして本体ベルトを補強布で補強することにより、本体ベルトがコシを有することになり、人体腹部に巻いてもめくれたり、折れたりすることがなくなる。
図2は補強布の変形実施例27A~27Eである。必ずしも三角形27,27Cでなくても、四角形27A、27B、1/4円状27D、その他の形状27Eなどでもよい。各実施例に共通するのは、補強布の2辺が面ファスナ雌部材23、24の上端部及び前記第2部分21,22との境界線に可能な限り密着する形で伸びていることである。実際は、縫製上の都合で1~5mm程度開いてしまうことが多い。
図3は補強布のさらに別の変形実施例である。形状的には図2(e)の補強布27Dに近いが、異なるのは、本体ベルトと補強布27Dの間にPETシートなどのような薄いプラスチック板29を貼り付けていることである。これにより補強布の強度がさらに高められる。
好ましくは、補強布27の高さは面ファスナ雌部材23の高さの40%~70%を占めることが好ましく、横方向長さは面ファスナ雌部材23の15~50%を占めることである。
面ファスナ雄部材25は、例えば次のようなものを使用することができる。
(1)ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリオレフィン系繊維、塩化ビニル系繊維などから選ばれた合成繊維を編織して得た編織製基材の一面に鈎状、きのこ状、ループ状の係合素子群を有する織製または編製面ファスナ。
(2) ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、塩化ビニル系重合体、ポリウレタンなどの熱可塑性樹脂、あるいは熱硬化性樹脂を成形して得たシート状基材の一面に鈎状、きのこ状、膨頭状、角状、棒状などの係合素子群を有する成形面ファスナ。
本体ベルト2の第1部分の中心付近には、縦方向に延びる一対のほぼ等しい長さのボーン41,42(「ステー」とも呼ばれることがある)が取り付けられている。ボーンは例えば縦約14~16cm、幅約4~6cmである。
各ボーン41,42の素材は、金属製(アルミ、スチール等)又は非金属製(PET、PP等)のどちらでもよい。通常、金属製は身体の曲線に合わせて手で折り曲げて使用するが、非金属製であれば装着時の伸度によって屈曲させることが可能であり、本実施例では非金属製のボーンの使用が望ましい。
本体ベルト2の上面に補助ベルト3が設けられている。補助ベルト3は装着時に引っ張ることで硬度のある各ボーン41,42を体幹に押し当てるだけの力がなければならない。
補助ベルト3は、当て布31により第1部分20に固着された非伸縮性の菱形部分32と、この菱形部分32のそれぞれ外方に位置する伸縮性のある紐部分33,34を有する。
菱形部分32の鋭角状両末端部には長孔35を有する接続具36が取り付けられている。
紐部分33,34は一端が左右の面ファスナ雌部材23,24により固定され、他端が自由端となっている。自由端の末端には面ファスナ雄部材37,38が取り付けられている。この紐部分33,34は接続具36の長孔35を通って折り返されるので、自由端の面ファスナ雄部材37,38は面ファスナ雌部材23、24に付着可能である。
この腰ベルト1の取付方法は、この種の従来のものと同じである。本体ベルト2の雌雄面ファスナ23~25同士で腰部に装着固定し、補助ベルト3を引っ張って面ファスナ雄部材37、38を本体ベルト2の面ファスナ雌部材23,24に付着させることにより、本体ベルト2の締め付け具合を調整する。
1 腰ベルト
2 本体ベルト
23,24 面ファスナ雌部材
25 面ファスナ雄部材
26 生地(第3部分)
27,28,27A~27F 補強布
29 プラスチック板
3 補助ベルト
31 当て布
32 菱形部分
33,34 紐部分
35 長孔
36 接続具
37,38 面ファスナ雄部材
41,42 ボーン

Claims (4)

  1. 本体ベルト(2)と補助ベルト(3)を有する、腰部又は骨盤用のベルト(1)であって、
    前記本体ベルト(2)は、フリーカットの生地を有するとともに、伸縮性部分(21,22)と非伸縮性部分(20,23,24)を有するものにおいて、
    前記非伸縮性部分(20,23,24)の少なくとも一部分が補強布(27,28,27A~27F)により補強されており、
    前記補強布(27,28,27A~27F)の上端は前記非伸縮性部分(20,23,24)の上端の少なくとも一部分に密着するように設けられているとともに、
    前記補強布(27,28,27A~27F)により補強されている前記非伸縮性部分は面ファスナ雌部材(23,24)であり、
    前記補強布(27,28,27A~27F)は、面ファスナ雌部材としても機能する付着性のパイル生地を表面に有するものである
    ことを特徴とする腰部又は骨盤用のベルト。
  2. 前記補強布(27,28,27A~27F)の高さは前記面ファスナ雌部材(23,24)の高さの40%~70%を占め、前記補強布(27,28,27A~27F)の横方向長さは前記面ファスナ雌部材(23,24)の15~50%を占める請求項記載のベルト。
  3. 前記補強布(27,28,27A~27F)は、表面側に面ファスナ雌部材としても機能する付着性のパイル生地を有し、背面側に水溶性のウレタン樹脂を配合させたバックコーティングを有するものである請求項1又は2に記載のベルト。
  4. 前記本体ベルト(2)と前記補強布(27F)の間にプラスチック板(29)を介在させた請求項1~のいずれかに記載のベルト。
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